【小説】リア消だったら誰に告ってた 第5章【キッズ】

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928名無し募集中。。。
<小学生6年生〜春〜>>>622続き

なんとか桃子の呪縛から自力で抜け出し、教室内に入った俺は、自分の席で優々とほかの仲間達と話してる藤本のとこに、真っ先に向かった。
「おい!藤本!!!お前だけ先に逃げやがって..ひどいぜ!」
俺は少し強い口調で、藤本に詰め寄った。
「何言ってんだ。ラブラブだったくせに。俺は気をきかせただけだぜ」
藤本は、俺の言葉に動じるどころか、逆に笑みを浮かべながら、俺に反撃してきた。
「なっ..何言ってんだ。俺は別に..」
思わぬ藤本の反撃に、俺は少し動揺した。
まわりにいる仲間も、俺達の話に興味を示してきて、なにやら雲行きが怪しくなってきたので、とりあえずこの話にふれるのはやめる事にして、簡単にごまかしてから自分の席に向かった。
荷物を整理し、改めてクラス内を見回すと、やはり男子はほとんどが顔なじみの奴らばかりだ。
そして、気になる女子の方は...ふと、人だかりができてる輪に目をやると、その中心に村上と矢島がいた。さすがに美女が2人揃うと迫力が違う。まわりの男子も、チラチラとその光景を見ながら、幸せを噛みしめてるようだ。
今風に言えば、俺達は間違いなく勝ち組だろう。
ほかには...あそこで、机に座って先生がくるのを静かに待ってる、ちっこいのは清水だなぁ〜..あいかわらずまじめだ。
また少し視線をずらすと、そんな清水とは対照的で、なにやら桃子と数人の女子が、キャーキャー騒いでいる。一緒になって騒いでる女子...あれは徳永と熊井だな。
また騒がしいのが揃ったもんだ。
そんな事を思いつつ、3人の方に視線をおくっていると、桃子がそれに気づいたらしく、こちらを指差しながら、徳永と熊井に何か言っている。なんか嫌な感じがしたので、俺はすぐに視線をべつにうつそうとした....その直後、
「○○くぅ〜〜ん!!!」
それほど離れた位置ではないのにもかかわらず、桃子が大声で俺の名前を叫びながら、手を振ってきた。
929名無し募集中。。。:05/02/27 00:29:44 O
>>928

その横ではなぜか、徳永までもが満面の笑みで、こちらに元気よく手を振っている。
熊井も、手を振りかけてたが、さすがに恥ずかしかったらしく、まわりの視線を気にしているみたいだ。
「何考えてるんだあいつは..」
言うまでもなく、クラス中の視線が俺に集中した訳で、6年生初日の朝礼前だというのに、俺はすでに卒業したい気分だった。

体育館での始業式が終わり教室に戻り、席でくつろいでいると、
「おい○○、行くぞ」
唐突に藤本が俺に話しかけてきた。
「??...行くってどこへ..」
「決まってるだろ!村上のところだよ!!」
「なんで?」
「いいから、今がチャンスなんだ」
やけに焦る藤本が気になり、村上の方を見てみると、めずらしく彼女のまわりに女子がいなく、村上一人が席にいた。
「なるほどねぇ〜...そうゆう事かぁ...分かった。ついていってやるぜ!そのかわり、帰りになんかおごれよ」
それとなく藤本の目的が分かった俺は、そう言いながら椅子から立ち上がった。
「ああ、分かってるって。ほら行くぞ!!!」
そういって、足早に村上の席に向かった藤本の後を、俺も追いかけた。