【小説】リア消だったら誰に告ってた 第5章【キッズ】
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だんしじょし Max Heart:
ピピピピピピ・・・、ピピピピピピ・・・
いつものように昼に起きて、時間を見ようと枕元の携帯に手を伸ばした。
・・・はずだったが、携帯が無い。 あるはずの場所には、見覚えのある目覚まし時計。
針は朝の7時を指している。
僕が小学校の時に使っていたものだった。
「7時・・・?」
7時のはずはない。
いつも夕方から仕事なので、この時間はまだ夢の中、というよりむしろ今から寝ようかという時間である。
仰向けの姿勢のまま、部屋を見回してみる。
自分の部屋であることは間違いないけれど、何かが違っていた。
いつもは就職雑誌がほったらかしてある床にはサッカーボールが転がっている。
パソコンのデスクが置いてあるはずの場所には勉強机。
一体どうなっているんだ・・・?
寝ぼけ眼で、のっそりとベッドから降りようと立ち上ろうとしたところで
ゴンッ、と頭を天井にぶつけた。
「痛っつぅ・・・」
頭をさすりながら天井を見上げると、ありえない位置に天井がある。
僕の寝ているベッドからわずか1メートル半くらいの位置。
「なんなんだよ・・・」
わけのわからないまま天井を見つめていると、その天井の板張りがガタンと動いた。
天井裏に何かいるのか?
僕はもしや寝ている間に拉致されて某国へ・・・?
なんて事を考えていると、上から声がした。
「んん〜、もう朝ぁ〜」
その声でようやく意識がはっきりとしてきた。 ここは紛れもなく僕の部屋だ。
僕が天井と思い込んだ板張りは、二段ベッドの上の段。
そしてそこから聞こえた声は、妹の・・・
「千聖・・・?」
「んあ、兄ちゃんおはよ〜」
二段ベッドの上から、妹の千聖が、小学生の頃の姿で顔を出した。
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だんしじょし Max Heart:05/02/15 07:11:27 0
「んん〜、もう朝ぁ〜」
その声でようやく意識がはっきりとしてきた。 ここは紛れもなく僕の部屋だ。
僕が天井と思い込んだ板張りは、二段ベッドの上の段。
そしてそこから聞こえた声は、妹の・・・
「千聖・・・?」
「んあ、兄ちゃんおはよ〜」
二段ベッドの上から、妹の千聖が、小学生の頃の姿で顔を出した。
どうなってるんだ、これは・・・。
千聖は今、家を出て一人暮らしをしているはずだ。
いやそんなことより、なんで小学生の姿のまま出てくるんだ。
これは夢か? いや、夢にしては先ほどぶつけた頭の痛みがリアルだ。
それからハッとして、自分の姿を見てみた。
子供っぽい、チェック柄のパジャマを着ている自分の姿が見えた。
パジャマから伸びる腕は、仕事以外は家にこもってばかりの白い腕と違い、綺麗な褐色をしていた。
そして何より、自分の体の小さなに驚かされた。
「何だ・・・これ」
「兄ちゃん何言ってるの〜? 早くきがえてご飯たべよー」
小学校の姿の千聖がのそのそと二段ベッドのハシゴを降りてくる。
やはりどこからどう見ても千聖だ。
「お前、千聖・・・だよね?」
「何寝ぼけてるの〜? 遅刻するよー」
「え、あ、うん・・・」
よくわからないままだが、とりあえず僕はベッドから降りることにした。
ゴツンッ ・・・また頭をぶつけてしまった。
「痛っ!」
「あはは、何やってるの兄ちゃん」
「・・・・」
一体、何がどうなっているのやら・・・。