>>561 の続き
「それじゃ〜私も手伝おうか?」 話を聞いてた千奈美が言う。
「いや、1人いれば大丈夫だから!千奈美ちゃんは先に皆と向かって!」
舞波の言葉に「わかった」と言い、千奈美は更衣室に向かった。
「さて、私達も急がないと!」 石村は俺の手を引っ張って走り出した。
「ちょ・・・俺も着替えてから行きたいんだけど」 走る石村の顔を見ながら俺は言った。
「そんなのいいの!授業始まる前じゃないとダメなの〜」 石村はやっぱり何かおかしい。
「・・・・ってか、廊下走ってると生活委員に怒られるぞ」
「大丈夫!急用だし。 それに生活委員は雅ちゃんと仲良しだもん」 石村の言葉に一瞬、何故か戸惑った自分がいた。
「・・・生活委員って、夏焼だったっけ?」 俺は小さい声で石村に聞く。
「また〜、好きな人の事なんだからチェック済みのくせに〜」 石村はニヤニヤと笑いながら俺に言った。
「あっ、あのな〜 だから、それは・・・・」
「も〜そんなノロケ話はいいから、急いで行かないと!!!」
何を石村がそんなに焦っているのかわからない。 まだ、次の授業まで10分も時間があるのに・・・
予想通り、スグに体育館に着いた。
用具室の前に来ると鍵は掛かってなかった。
それにしても・・・まだ、誰も体育館に居ないのは変なだ・・・まぁ、いっか。
そんな事を思いながら用具室のドアを開けて中に入る。
中は薄暗くて、跳び箱やらマットが並んでる。 何とも少しカビ臭いのは仕方ないか。
「石村、マットはいくつ出せばいいんだ?」
そう言った時だった。
(バタン)
後から用具室のドアが閉まる音がして、用具室の中は真っ暗になった・・・・