1 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :
クリスマスに起こった不思議な出来事について、これから語ろうと思う
むか〜しむかし、ニホンという国のとある町の35丁目に一人の男がおりました
その男は何となく憂鬱症で、毎日独り寂しく過ごしておりました
退屈で冴えない日々に飽き飽きしつつも、そこから逃れられず、
暮らしておりました
あるとき奇妙な出来事が彼に起こりました
それは、町にクリスマス・ソングが流れ、
町中が華やかな雰囲気に包まれるクリスマス・イヴのことです
日も沈み、自室に帰ってきた男が玄関のドアを開けようとした
そのとき、
後ろから「もし、そこのお方」と呼ぶ声がしました
男が振り返ると何とそこにはサンタが立っておりました
男は大変びっくりしました
彼が驚いたのは、それまでまったく何の気配もなかったのに、
いきなり自部屋の前で声をかけられたからでもありますが、
何よりもそのサンタの出で立ちが普通のサンタさんとは
大きく異なっていたからです
そのサンタは黒づくめだったのです
普通サンタの衣裳は赤と白のコントラストですが、
そのサンタは赤い部分が全部真っ黒でした
黒と白のコントラストで飾られたサンタっぽい男と言った方が
よいでしょうか
そのサンタの見慣れない衣裳は大変奇妙な感じを与えます
また、その顔の印象も何やら不思議な感じです
老人のようでありながら、若々しくもあり、
また、大変紳士で上品なようでありながら、
どこか下卑た感じもただよわせています
サンタはニヤリと笑みを浮かべ、男にこう言いました
「メリー・クリスマス!
今日はあなたにとっておきのプレゼントをさずけに来ました」
サンタはこう言うと、懐から紙を一枚取り出し、
男の前に差し出しました
「ここにあなたの名前をサインしなさい
そして、こちらにはあなたの愛しい人の名前を書きなさい
さすれば、今夜その人があなたと一夜を共にしますぞ」
突然のこの奇妙な申し出に男は面食らいました
彼が戸惑ってじっとしていると、
サンタは語気を強めて、ゆっくりとこう付け足しました
「ただし条件があります
あなたの魂をいただきます」
は?
男は、サンタのさらなる奇妙な提案にとまどいました
なんかの詐欺か?
新手の詐欺の手口か?といぶかしく思いました
けれども、眼光鋭くこちらをじっと見るめるサンタの
迫力に負けて、サンタの差し出す紙を手に取ってしまいました
見てみると、その紙の上の方には『魂 の 契 約 書』と
銘打たれており、
下には先ほどサンタが言ったとおりのことが書いてあります
その他には何も書いてありません
「これはなんの冗談です?」
男が紙を眺めながら訊ねると、サンタはこう応えます
「いえいえ、冗談ではございません
小生はいたってマジですぞ
ものは試しとも言うじゃございませんか
あなた毎日独りで寂しいんでしょ
クリスマスぐらいハッピーに過ごされてはいかがですかな?」
男はバカバカしいと思いながらも、
この黒いサンタの妖しい魅力と気迫に押され、
その紙にサインしてしまいました
自分の名前と愛しい人の名前をその紙に書き入れたのです
サンタは男から紙を受け取ると、ニヤリとまた笑みを浮かべ、
「ありがとうございます」
と礼を述べたました
そして、きびすを返し、またたく間に消えてしまいました
男は夢でも見ていた気分でふらふらと家の中に入りました
黒いサンタとのやりとりで気力を取られたようでした
フラフラとした足取りでベッドに行き、横になりました
20 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/25 01:38:39
ピンポーン〜、ピンポーン〜♪
眠っていた男はチャイムの音に起こされました
時計をみるともう夜の11時を過ぎていました
こんな時間に誰だ?
普段ならチャイムが鳴っても無視するのですが、
チャイムはしつこく何度も何度も鳴ります
男はいぶかしく思いながらも、
起き上がり、ドアフォンの受話器を取って、寝ぼけ眼のまま言いました
「はい、どちらさん?」
「嗣永桃子です」
男は受話器を握ったまま、固まってしまいました
な、何?
ま、まさか・・・
こんなことが?
そうです
男は先程サンタが見せた紙の「愛しい人」の欄に
「嗣永桃子」とサインしたのです
ここで少し説明します
21世紀初頭のニホンという国で活躍したガール・ポップ・ユニットに
Berryz工房というユニットがありました
小学生、中学生の女の子、年令で言うと、
10歳から13歳までの女の子8人から成るユニットです
そして、嗣永桃子という女の子はそのユニットのメンバーなのです
彼女はその可愛らしい笑顔やパフォーマンスなどで人気がありました
男は桃子のヲタ、すなわち、桃子の熱狂的なファンでした
さて、どれくらいの時間が流れたでしょう
男は固まったままでしたが、必死に考えていました
イタズラだろう
そう、性質の悪いイタズラに決まっている
俺をからかうために誰かが仕組んだイタズラに間違いない・・・
しかし・・・
似ている・・・
声が似ている・・・
というか、桃子そのもののような声だ
テレビやラジオ、CD、DVDで聞いた声、
また、握手会イベントでも耳にした彼女の声にそっくりだ・・・
あの特徴のあるキャワな声を、この俺が聞き間違えるだろうか?
受話器を握ったまま無言で固まっている男に
「嗣永桃子です
鍵を開けて下さいませんか?」
と受話器の向こうで可愛い声が囁きます
ハッとした男は
「ど、どうぞ」
と返答し、振るえる指先で
一階正面玄関のドアロックを解除するボタンを押してしまいました
そわそわした心持のまま、男は考えていました
あのサンタの言っていたことは本当だったのか?
ハハ・・・、そんなバカなことがあってたまるか!
でも、さっきの声は桃子そのものだった・・・
いやいや、そっくりの声をどこかから用意しただけじゃあ?
テープか何かか?
あっ、ドアロックを開けるんじゃなかった・・・・・・
そう思った彼に、グゥイーーンと、エレベーターの動く音が
聞こえてきました
あっ、来る
来る・・・
来る・・・
来る・・・
エレベーターの音は男の部屋の階で止まったようです
そして、扉の開く音がしました
コツ、コツ、コツと靴音がかすかに聞こえ、
段々彼の部屋に近づいてきます
間もなく足音は彼の部屋の前でぴたりと止みます
そして、
ドン、ドン
とドアを軽く叩く音が・・・
ヤバイ!
何かマジ、ヤバイかも!
目を泳がせて、うろたえる男
男が何も返事をせずにいると、またドン、ドンと叩く音がします
そ、そうだ
とりあえずドアのレンズから覗いてみよう
もしヤバそうな奴が立っていたら無視すればいいじゃん
どういうことになっているのか確かめてみたいしな
男は意を決して、ドアのところまでそっと足を運びました
そして、レンズから外の様子をそっとうかがいました・・・
あれ?
誰もいないぞ・・・
レンズの向こうには魚眼レンズ特有のゆがみで切り取られた
景色が見えます
が、そこには誰も見えません
照明に照らされた無人の廊下が見えるだけです
男は一端ドアから目は離し、5、6秒待ってから
もう一度覗いてみましたが、誰も見えませんでした
出るのがあまりに遅いのでノックの主は
帰ってしまったのかな?
でも、足音は聞こえなかったような?
もしやドアのすぐ脇に隠れているのか?
うーん・・・・・・・・・・・・
1分、いやもっとかもしれません
男は考え込んでいました
どうすべきか悩んでいました
けれども、やはり凄く気になるな、開けてみようか、と
遂に決心しました
ただ、念のため身を守る物を持っていた方がいいだろうと思い、
台所へ行き、ナイフを取ってきました
もう一度レンズから外を覗いて、誰もいないことを確認しつつ、
男はゆっくりとドアの鍵を開けました
そして、ドアノブを握るとゆっくりと下へ動かし、
用心しながらドアを開けていきました・・・
ドアが30度ほど開くと男は右手にナイフを持ちながら、顔を少し外へ出しました
いない、誰もいない・・・
心の中でこうつぶやきながら、さらに表へ顔を出していきます
男の視線はドアの正面から徐々に後方へと注がれていきます
いない、いない、誰もいな・・・
あっ!
男は思わず声を上げてしまいました
ドアの陰に一人の女の子が立っていたのです
「バレちゃった」
その女の子はイタズラがバレた子供のように無邪気に微笑みながら、
こう言いました
41 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/25 05:32:34
彼女は様々なストライプの色取りが明るい印象を与えるマフラーを首に巻き、
腕が白、胴が赤のジャケットを羽織っていました
下はダークグリーンのようなスカートで、赤と白のスニーカーを履いていました
この衣裳は赤と白の部分が多いせいか、どことなくサンタさんのようにも見えました
男は少女を目の前にして、
「あっ、えっ? あっ・・・、も、桃ちゃん?」と
とまどいの声を上げました
この写真と今、目の前にいる女の子の衣裳はまったく同じです
まるで写真から抜け出してきたかのようです
ですから、男の驚きもひとしおです
「驚かせて、ごめんなさい
でも、どーしてもここに来たくて・・・来ちゃった」
女の子は今度はすまなそうな顔で、
しかし、熱い眼差しで男を見つめて言いました
「本当に・・・桃ちゃんなんだ?」
「うん」
こくりとうなずく桃子
「でも、なぜ? なぜここに?」
「わたしも・・・よく分からないの・・・
あなたのことが・・・頭に浮かんできて・・・
気がついたら・・・このマンションの前にいて・・・」
と桃子はぽつりぽつりと思い出しながら言います
本当にどういう状況でここへ来たのか、よく分からないといった様子です
「桃ちゃん・・・、独りでここに?」
「うん」
「家の人には何て?」
「メンバーの佐紀ちゃんちに泊まるって」
「・・・とりあえず中に入らない」
「・・・うん」
桃子は頬を少し紅く染めて、うなずきました
男は彼女を部屋の中に入れると、そっとドアを閉めました・・・
男は今、自分の身に起こっていることが信じられませんでした
こんな非常識なこと、誰だって信じられません
男は手にしていたナイフの先で自分の手をつついてみました
痛い!
これは紛れもなく現実!
もう受け入れるしかないようです
男の心は、さっきまでは不安でいっぱいだったのですが、
徐々に喜びで満たされていきました
続きマダー?
男は桃子に優しく語りかけます
「外は寒かったでしょ
そこのおコタに入って温まって
今、お茶入れるよ
紅茶でいいかな?」
桃子は「ありがとう」と言うと、
男に言われた通り、部屋の中ほどにあるコタツに脚を入れて、座りました
その部屋の壁には Berryz工房のポスターや桃子の写真が
たくさん張られていました
それを見て、桃子ははにかみました
男は紅茶を煎れると、戸棚にあったクッキーの箱を取り、
紅茶ポット、カップと一緒に盆に載せ、コタツのところまで運びました
「お待たせ、クリスマス・イヴなのにこんなものしかなくてごめんね」
「うううん、とってもおいしそー」
男は桃子のカップにダージリンを注ぎました
湯気がほのかな香りとともに部屋に立ちのぼります
「わぁー、いい匂いー」
「さ、どうぞ」
「いただきまーす」
おいしそうにクッキーを頬張り、超茶をすする桃子・・・
おいしそうにクッキーを頬張り、紅茶をすする桃子・・・
それを見て、男は思いました
これが現実だろうが何だろうが、もうどうだっていい
今、ここに、目の前にいる桃子がすべてだ
今、二人きりでこうしている時間がすべてだ
今、この瞬間が永遠だ・・・・・・
男は桃子から色んなお話を聞かせてもらいました
Berryz工房で行なったライブやその他色んな活動のこと、
学校でのこと、友達のこと、家族のこと、
嬉しかったこと、楽しかったこと、感動したこと、などなど・・・
また、男は桃子にリクエストしました
Berryz工房のシングルCDに収録されている
シングル曲のインスト・ヴァージョンに合わせて、歌い踊ってほしい、と
桃子はそれに応え、歌い、踊りました
もう真夜中ですから、男はCDの音量を小さ目にして、再生ボタンを押します
曲が流れ始めると、桃子は囁くような感じで歌詞を歌いました
自分のパート以外もちゃんと歌詞を覚えていた桃子は全部きっちりと
歌ってあげました
また、階下に足音が響くといけないので、ベッドの上で踊ってほしいという
男の願い通り、ベッドの上でピョコピョコと桃子は飛び跳ね、踊りました
男は、可愛い口から溢れ出る可愛い声に陶然と耳を傾け、
あちらこちらへ小さな体をチョコチョコ動かすダンスを見つめました
彼は今までに感じたことのない至福を味わっておりました
ハッピーは桃子の大好きな言葉だそうですが、
間違いなく今、彼の心は最高潮にハッピーでした
素敵なパフォーマンスが終わると、
桃子はまたコタツに入り、色んなお話を男に語って聞かせました
「・・・でね、そのとき梨沙子ったら、あっ・・・」
桃子は突然口ごもりました
男が桃子の手を不意に握り締めたからです
また、コタツの下では二人の足も触れ合っていました
桃子はポッと頬を紅く染めます
そして、男を見つめてポツリと言いました
59 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/25 16:55:14
「桃のこと・・・・・・、好き?」
「大好きだよ、世界中の誰よりも・・・」
「桃もあなたのこと、誰よりも大好き・・・」
桃子がこう言うと、男は顔を桃子に近づけ、そして、口づけしました
桃子の甘い香りが男の鼻をくすぐります
男の突然の行動に桃子は驚き、一瞬目を見開きましたが、
すぐに目を閉じ、男に唇を預けました
二人は固く抱き合いました
どれくらい経ったでしょうか
男は抱き合っていた腕を緩め、脇にあるベッドを見て言いました
「あっちで・・・いい?」
「・・・うん」
さっきよりも一段と紅く色づいた頬をした桃子がこくりとうなずきました
その夜、すなわち、聖夜の夜ですが、
二人は激しくも、優しい愛の抱擁を交わし、ひとつに結ばれました・・・・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
いつしか東の空が明るい色に染まり始めていました
新しい朝が来ようとしています
愛し合って、そのまま眠りについた二人はまだ眠っています
おや?
部屋の片隅で何やらモゾモゾと動くものがいます
それは二人の寝ているベッドの方へゆっくりと近づいて来ます
間もなくベッドのすぐ傍までやって来ました
そして、寝ている男の肩をトントンと叩きました
最初、男が起きなかったので、
さらに今度は男の額をトントンと叩き、頭を揺さぶりました
「う、うーん」
男は何回も叩く手に気がつき、眠そうに目を開けました
そして、男が目にしたのは昨晩の黒いサンタでした
「おはようございます
ご気分はいかがかな?」
「あっ、あんたは!」
突然の侵入者に男は驚きの声を上げました
「朝早くからびっくりさせてすみませんね
でも、仕事は早くすませたいんでね」
「仕事?」
「おやおや、お忘れですか?
昨晩、あなた、これにサインしたでしょ」
と言うと、黒いサンタは懐から例の紙を取り出しました
「ほら、『魂 の 契 約 書』ですよ」
あなたは昨夜ここにサインしました
そして、わたしからのプレゼントを受け取りましたね
ほら、あなたの隣で寝ている、そこの可愛い女の子ですよ
彼女との一夜をめいっぱい楽しまれたんでしょ?
さて、今度はあなたが契約を履行する番です
あなたの魂を頂戴しましょうかな
フハハッハハッーー」
黒いサンタは名調子のバリトンよろしく部屋に響き渡る声で
朗々とこう語ると、男をじろりと睨みつけました
サンタの視線にだじろぎながらも、男はこう応えました
「そうか・・・、やはりあの話はホントだったんだな・・・
・・・君の要求通り、魂をあげると俺はどうなる?」
「言うまでもなく、死にます」
「・・・イヤだと言っても、君から逃れる術はないようだな」
「あなたはお利巧さんですな」
「・・・覚悟はできてる、桃子が来てくれたんだから」
「それでは」
黒いサンタはこう言うと、黒手袋をした右手を上げ、
そこからボウッと妖しい黒い炎を立ちあがらせました
「これで心の臓を一刺しして、魂を抜き去れば終わりです
じゃあ、さっさと片付けますかな
最後に何か言い残すことがあったら、承りますぞ」
「じゃあ、こう伝えてくれないか
『桃子と一夜を過ごせたから、
俺はこの世で一番ハッピーだったよ
誰よりも桃子のことが好きだ・・・
ありがとう、桃子』と
これが俺の遺言だ」
「しかと承った
ただ、伝言は、あなたから魂をもらい、契約が終了した後、つまり、
彼女への術が解けた後になる
そのときには彼女はもうあなたのことはすっかり忘れてしまっているので、
何のことだか彼女にはさっぱり分からんと思いますぞ
それでもよいですかな?」
「かまわん」
「そうか、ならばゆきますぞ!」
黒いサンタの炎の右手がボボゥという音を立てながら、
男の胸元に近づいて行きます
男は目を閉じ、己の運命を受け入れようとしています
サンタの手が心臓までいよいよあと数センチの距離にまで近づきました
ちょうどそのときです
74 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/25 23:40:37
「ダメェー!」
寝ていたはずの桃子が突然起き上がり、
サンタの腕にしがみついたではありませんか!
桃子は目にも止まらぬ早業でサンタの懐から
『魂の契約書』を抜き取りました
持ち前の俊敏な動きはダテじゃないです
「し、しまった!」
サンタがうろたえの声を上げるか上げないかのうちに
桃子はビリビリと紙を破き去りました
「な、何てことを!
ク、クソゥーー!
お前、命拾いしたな!」
サンタはいまいましい顔をしてこう言い捨てると、
たちまちのうちに部屋からかき消えてしまいました
また、さっきまでその場を支配していた張り詰めた空気も
消え去りました
「も、桃ちゃん!」
男は、一糸まとわぬ姿でその場に立ちずさむ桃子の肩を抱きしめました
「ありがとう! ありがとう!」
興奮した様子で男は何度も何度もお礼を述べています
目には涙も浮かんでいるようです
ところが、次の瞬間、驚くべきことが起こりました
桃子の体が次第に消えていくではありませんか!
桃子を抱きしめることで感じていた胸の弾力は
あっという間に薄れ、桃子の肉体は霞のように消え去ってしまいました
「はぁ・・・・・・」
男は部屋に独り残され、深いため息をつきました
そして、理解しました
契約書が破かれたので、彼女をここにもたらした魔法も解けてしまったのだ、と
男はベッドにしゃがみこみ、首をうなだれました
しかし、しかしです
男はうなだれた視線の先、
すなわち、ベッド脇の床にとんでもないものを発見しました
も、桃子の下着!
パンティーとブラジャーです!
さらに見回すと、
桃子が身に付けていたジャケットとシャツ、スカートとマフラーがあるではないですか
玄関まで見に行くと、スニーカーも置いてありました
桃子は裸のまま自分の部屋にでも転送されたのだろうか?
男は一瞬疑問に思いました
けれども、今はそんな疑問をあれこれ考え込むことはしませんでした
パンティーとブラをつかむと、
まだ桃子の残り香のする蒲団にそのまま突っ伏しました
蒲団の上で体を小刻みに震わせる男の目には再び涙がにじみました
でも、その涙が嬉し涙なのか、悲し涙なのか、
男自身にもよく分かりませんでした
めでたし、めでたし
82 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/26 01:22:47
このストーリーの最後には別の伝承もありますので、少しだけ触れておきます
83 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/26 03:55:34
「も、桃ちゃん!」
男は、一糸まとわぬ姿でその場に立ちずさむ桃子の体を抱きしめました
「ありがとう! ありがとう!」
興奮した様子で男はお礼を述べています
目には涙も浮かんでいるようです
84 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/26 03:58:55
一方、桃子の方は抱きしめられたまま、キョトンとしています
呆然とした様子で桃子は周りをキョロキョロと見回すと・・・、
「キ、キャーーー!
あ、あんた、誰よ!」
突然の桃子の叫び声に男はびっくりして、
桃子を固く抱きしめていた腕の力をゆるめました
85 :
夢那月 ◆TETRISAPPY :04/12/26 04:01:19
桃子は男からすぐに離れると、素っ裸の自分自身を見て、
「えっ、えーーーーーーー!」
と驚きの叫び声を上げました
どうやら契約書を破棄したことで、桃子にかけられていた
黒いサンタの魔術が解けてしまったようです
男はにわかには事態の急変を呑み込めませんでしたが、
次第に了解しました
桃子はベッドの脇に落ちているパンティーを急いで拾うと、
それをはこうと片足を上げます
それを見た男は桃子に・・・・・・
・・・・・・
さて、これからどうなったかは分かりません
というか、
これから先の展開は、未来のキッズに捧げ、語り聞かせたいという
本スレの趣旨に反して、相当ハードなものになるやもしれませんので、
続きを書くのは断念しました
これから先のストーリーは皆さんのご想像におまかせします
それではノシ
88 :
名無し募集中。。。:04/12/26 09:08:45
乙カレー
89 :
名無し募集中。。。:
Go to hell