もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら 18冊目
1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:04/10/10 02:10:27
age
3 :
名無し募集中。。。:04/10/10 02:11:35
4 :
名無し募集中。。。:04/10/10 02:13:46
5 :
名無し募集中。。。:04/10/10 02:18:35
乙
6 :
名無し募集中。。。:04/10/10 03:32:41
とりあえず保全
7 :
名無し募集中。。。:04/10/10 04:17:22
8 :
名無し募集中。。。 :04/10/10 06:01:00
スレ立て乙です。
前スレは素敵な作品だらけでしたね。今回も・・・
9 :
名無し募集中。。。:04/10/10 06:20:20
だめだこりゃの精神を忘るべからず
10 :
名無し薬学君 ◆KusuriJBSQ :04/10/10 10:10:11
11 :
名無し募集中。。。:04/10/10 10:13:09
ぷ
緊急保全
埋め終わった。
さあ新スレだ
乙ですた
ho
ze
n
从 ´ ヮ`)<保全たい!
20 :
名無し募集中。。。:04/10/10 16:24:43
上へ
21 :
名無し募集中。。。:04/10/10 16:29:39
パン
ほ
また祭りか
そろそろ保全しとくか
ほ
も
新スレ乙どす〜!
舞妓さん乙
ho
ze
「4時にいつもの喫茶店で」
授業中、学校を休んで病院に行っていた美貴からメールが届く。
いよいよ検査の結果が美貴に言い渡されたのだ。
正直言うと、その結果を聞くのは怖いし、なるべくなら約束の場所へも行きたくない。
それでも仕方がない。
これは僕と美貴、2人の問題なのだ。
午前中には小降りだった雨は、昼過ぎから大雨に変わっていた。
僕は家から持ってきた傘を差して、いつもと違う道を通って約束の喫茶店へ向かう。
退屈な授業から開放された級友たちは、誰もが明るい顔つきで学校を後にする。
世界中で、一番不幸なのは自分だけのように思われた。
約束の喫茶店に着いた。
僕は雨でずぶぬれになった傘を丁寧にたたんで、店の中に入る。
「いらっしゃいませ」と喫茶店のおばさんが言う。
僕は、自分を案内しようとするおばさんを手で遮り、
一番奥のテーブルに、無表情で座っている美貴のもとへ向かった。
僕が現れても、美貴は眉一つ動かさずに、頬杖をついて窓の外で雨が落ちる様子を眺めている。
こんな時に言うのもなんだが、僕はその姿を美しく思った。
秋の雨は、僕の手を凍るように冷たくさせた。
僕は吐く息で自分の手を温めながら、美貴の向かいの席に腰掛ける。
「で・・・どうだった?」
僕は早速本題に入った。悠長な話をしている場合でもない。
「3ヶ月だって」
美貴は依然として無表情のまま、衝撃の事実を宣告した。
「・・・そうか」
美貴の返事を聞き、僕は天を仰いだ。
そうなのだ。
3ヶ月前、僕と美貴は、僕の部屋で一晩愛し合った。
この一回が、こんな事態を招いてしまうとは、あの時の僕には予想もつかなかった。
そして、それは美貴だって同じことだったろう。
「・・・で、どうすんの?」
僕は目線をなるべく美貴の方に合わせないようにしながら聞いた。
「どうするのじゃないわよ!私たちの問題でしょ?私1人に決めさせるようなことしないで!!」
美貴は急に言葉を荒げた。
喫茶店にまばらに座っていた客が、一様に僕たちの方を見たので、気まずくなった。
「・・・そうだよな・・・ごめん」
僕は自分の無神経さを詫び、それからさらに言葉を続けた。
「それでも・・・やっぱり堕ろすしかないんじゃないか?」
「・・・!!」
美貴は息を飲んで、目を丸くした。
きっと美貴は、僕の口から別の答えが出てくるのを期待していたのだろう。
「そんな・・・私さっき病院で、お腹の子がカメラに映ったのを見てきたんだよ?
あんなに小さくて、可愛い子を殺しちゃうなんて、そんなことできない!!」
「仕方ないだろう。僕たちはまだ高校生なんだから・・・
そんな無責任に子供なんか産んでしまっても、将来ちゃんと育てられるかどうか・・・」
僕が美貴に話した答えは、現実を踏まえた、的確なものであると信じている。
しかし、人間は必ずしも理論だけで動くものではない。
カメラでお腹の子が生きている姿を見てしまった美貴と僕の間には、その意識に天と地ほどの差がある。
「そんな言い方ないでしょ?やることだけやっておいて、責任を取らないってどういうつもり?」
「仕方ないんだよ!!」
僕はテーブルを叩いた。あたりに沈黙が広がる。
もう議論をしても無駄だと感じたのだろう。
美貴は再び、僕がこの喫茶店にやってきた時と同じ姿勢に戻り、
頬杖をついて窓の外の雨を眺めだした。
窓の外にはランドセルを背負い、傘をさした、小学生の男の子と女の子が
ふざけあいながら仲良く歩いている。
この小学生達も、10年後にはこんな生々しくて残酷な試練に遭遇するのだろうか?
そんなことを考えると、胸が痛くて堪らない。
美貴もまた、僕と同じように、その小学生のカップルに目を向けていたらしい。
こんなことを言った。
「このお腹の中の子も、あと何年かすれば、あの子達みたいに
ランドセルを背負って学校に行くんだよ?未来があるんだよ?
その未来を・・・えーっと・・・勝手に・・・じゃなかった・・・なんだっけ?」
―――――カットカットカーーーーット!!
監督の松浦さんの声が現場に響いた。
松浦さんは、折りたたみ式のディレクターチェアから立ち上がり、僕たちの方に歩いてくる。
「だめじゃない、みきたん。
昨日も同じトコでつっかえたでしょ?ちゃんと台本読んできたの?」
松浦さんは、明らかに不必要な黄色いメガホンで、美貴の頭を軽く叩いた。
「いや・・・つい・・・寝ちゃってさ・・・」
美貴は申し訳なさそうにうつむく。
「今度の文化祭までに間に合わせないといけないんだから、しっかりしてよね、まったく・・・」
松浦さんはかなりご立腹の様子。
「やっぱり台本が長すぎましたかねえ・・・」
脚本の紺野さんが首をかしげる。
「馬鹿なんだよ、ただの馬鹿。」
僕がそういって美貴の方をつつくと、
「寝ちゃったって言ってるでしょ!!」
と美貴は僕を睨みつける。
僕たちのクラスは「高校生の性」についての映画を、
ドキュメンタリータッチで撮影している真っ最中で、
僕と美貴は妊娠してしまったカップルを演じているのだ。
何もこんな暗くて重苦しいテーマをやることもないだろうと思ったのだが、
監督に名乗りを上げた松浦さんが、何か賞を取れる映画を撮らないと意味がない、
そのためにはコメディとかラブストーリーじゃだめで何か社会的なものをとらないと駄目、
などと言い出したため、半ば彼女の独断専行でこういうことになった。
「大体なんで私と○○が、こんなカップル役なんてやらなきゃいけないのよ・・・」
と、美貴は髪を整えながら、映画の計画を根底から覆すような文句をぶつぶつと言っている。
「あら、だってみきたんと○○君くらいしかいなかったんだもん。
カップルみたいなオーラ出している人たちは。」
松浦さんが当たり前のように言う。
「なんで私がこいつなんかと!!」
「なんで俺がこんなバカと!!」
僕と美貴が松浦さんに猛抗議をしたのは、まったく同時のことだった。
その様子を松浦さんは手を叩いて笑い、
「それそれ、その雰囲気がカップルっぽいのよ。
○○君、将来みきたんを妊娠させても、こんな風に泣かしちゃ、駄目だからね。」
とイタズラっぽく言った。
「だからなんで俺がこんな奴と!!」
「なんで美貴がこんなアホなんかと!!」
僕たちはまた、声を合わせて否定し、お互いの顔を見合わせた。
「バカ」
美貴は僕に向かって声を出さずに、口の動きだけでこう言った。
だめだこりゃ
乙!
良かったよ
オチは予想は出来たけど、面白かったよ
38 :
名無し募集中。。。:04/10/10 23:49:49
いいね
いいね。声が合う所なんかは映像で観たほうが効果あるんだろうな
>>37 おれはちょっと途中までマジブルー入ってしまった保全
GJ!
俺も小説キターとテンション上がったけど
途中でついにきたかと思ってテンション下がったよ
乙
紺野いい脚本書くな
良かった
このスレで紺野と聞くとズッコケを思い出してしまう
いちご100%か…
>>31-35 18冊目最初の作品にして、このスレのお手本みたいに良く出来てる。 GJ!
48 :
名無し募集中。。。:04/10/11 04:51:18
だめだこりゃ夜明け前保全
だめだこりゃおはよう前保全
良かったです。乙。
またこのスレ盛り上がってきたね
ho
ho
hozen
ほ
ぜ
む
む
む
む
っ
61 :
名無し募集中。。。:04/10/11 16:30:10
またか
もういっちょ
ほほほ
ほじぇ
保
全
ノノ*^ー^)<保全ですよ?
念のため保
ほ
70 :
名無し募集中。。。:04/10/11 18:12:22
age保全
ぜ
72 :
名無し募集中。。。:04/10/11 18:19:26
age
73 :
名無し募集中。。。:04/10/11 18:23:38
age
74 :
名無し募集中。。。:04/10/11 18:28:33
age
終わったかな
ほ
77 :
名無し募集中。。。:04/10/11 19:37:51
ぜ
ん
ho
po
うちの学校の体育祭は、組ごとに区切った5チームで優勝を争う。
例えば、1年A組、2年A組、3年A組で1チーム、
1年B組、2年B組、3年B組でもう1チーム、といった具合だ。
各学年ごとにE組までクラスがあるので、合計5チームである。
まあ、そんなことは僕自身には何の関係もない話だ。
別に足が速いわけでもなく、かと言って遅いわけでもなく、
力が強いわけでもなく、かと言って弱いわけでもない。
そんな僕は体育祭で学園ヒーローになることも、ブーイングの対象になることもない。
ただ種目を淡々とこなして、後は弁当を食って帰るだけだ。
とは言え、体育祭で熱くならないとかと言えば、それもまた嘘になる。
こういうあからさまで、目に見える競争の渦中に立たされると、
なぜか今まで何とも思っていなかった同じ組の連中が妙に頼もしく見えて、
不思議と連帯感が生まれ、他の組に対して敵意が芽生える。
普段、物事に無関心で、クールな風に装っている僕には、
この熱狂に素直に入り込んでいくのがどうしても気恥ずかしい。
本心では「うおおおおおっ」と絶叫して、真っ先に輪の中に飛び込んで行きたい。
でも、そんなことをすると、今まで築き上げてきた俺のクールなキャラが台無し。
そんなジレンマがひどくもどかしかった。
まあ、そんな風なわけだったから、自分の中での葛藤に疲れ果ててしまって、
肝心な体育祭のことは何一つ覚えていない。
ただ一つ覚えていることと言えば、組対抗綱引きの順番を待っている時に、
横にいた1年生のグループがしていた馬鹿馬鹿しい会話の内容だけである。
「なんかでかい声出すと、力出ねえ?」
「ああ、出る出る」
「よっしゃ、俺らも声を合わせて叫ぼうぜ」
「ファイトー、一発!!とか?」
「イマイチだな」
「じゃあ、好きな女の名前を叫ぶってのは?」
「おっ、それいいなぁ」
「じゃあおまえは、えりーっ、えりーって叫ぶんだな?」
「な・・・なんだよそれ」
「おめーが亀井さんのこと好きってことはバレバレなんだよ」
「なにーっ!?てめー裏切ったな!!」
なんてテンションの高いやりとりが聞こえてきたのだ。
僕はそんな会話を、若い者はいいのぅ・・・と爺さんのように、
グラウンドに生えた草をむしりながら、背中を丸めて聞いていた。
それだけの話である。
帰り道。
僕は暗くなった道をいつもと同じように、美貴と2人で歩いていた。
僕は終始黙りっきりで、
おしゃべりな美貴の話に耳を傾けるでもなく、適当に相槌を打っていた。
美貴の話も別に面白くもなんともない。
美貴は100m走1位だったとか、全体的には今年はビリだったけど、
来年は必ず優勝だとか、そんなどうでもいい話をだらだらとしている。
一通り話が終わったのかとを思うと、
美貴は急に思い出したような声を上げ、語調を変えてこんなことを言った。
「あー、そうだ。
○○アンタさあ、綱引きの時美貴の名前呼んでたみたいだけど、ダメじゃないちゃんと前向いて集中してなきゃ。
アンタが本気出して引っ張ってれば5位が4位くらいになってたかもしれないのにさ。
そりゃあ、あの時○○のお弁当箱から唐揚げを盗った美貴も悪いけど・・・。
あの唐揚げだっておばさんが美貴ちゃんの分も作っておいたからって言ってくれた奴なんだから。
・・・ってちょっと○○聞いてんの?」
「・・・・・・。」
聞こえてたの?
だめだこりゃ
クールな落ちですね
いいよこういうの好き俺。乙
乙
若い者はいいのぉ
ほ
きゃわいいな。乙。
落ちるぞ
保
92 :
名無し募集中。。。:04/10/12 04:31:40
だめだこりゃ夜明け前保全
保
ho
ZE
n
ほ
98 :
名無し募集中。。。:04/10/12 15:15:31
保
99 :
名無し募集中。。。:04/10/12 15:19:21
age
復活
保全
102 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:19:05
あげ
103 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:33:11
保全
またかよ
105 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:36:43
落ちた
106 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:37:42
落ちてへんで
107 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:48:45
保全するのだ
108 :
名無し募集中。。。:04/10/12 18:57:34
激しく保全
お前ら強いな
110 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:14:23
うげっ、またきた
111 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:14:56
でっちage
112 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:21:41
落とすと美貴様にお仕置きされるぞ
113 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:22:08
age
114 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:28:01
ほ
115 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:33:07
ほ
116 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:38:08
ほ
117 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:46:33
ほ
118 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:52:16
119 :
名無し募集中。。。:04/10/12 20:52:48
荒らしのおかげで最速幼なじみスレになりそうだな
121 :
名無し募集中。。。:04/10/12 21:07:46
やす
ミキミキ♪
中味も薄くなりそうだがな
124 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:06:21
保全
125 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:09:23
またかよ
126 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:13:48
age
127 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:14:29
ほ
129 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:26:16
あげてもいいですか?
130 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:27:04
どうぞ
もういや
負けるな
雑談でもして盛り上げるか
134 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:43:22
川V-V)
こういう時こそ作品祭りを
ストックあるやつ吐き出せ!
137 :
名無し募集中。。。:04/10/12 22:52:07
しかしまあなんですなぁ
どないしました?
寝るな!死ぬぞ!
はっ…寝てた…あぶねぇ
もう大丈夫か?
前スレ822から
今日は久しぶりに晴れた。
梅雨の雨ともまた違って、秋の雨って何だか寒々しい。
これから冬が来るんだなって嫌でも、教えられてしまう。なんか薄着から厚着に変わってく
この季節って、余計に一枚羽織った動きづらいカッコのせいでダルイんだよね。
休みの日に出かけるのもちょっとおっくう。
まあ、引き受けちゃった美貴が悪いって言われればそうなんだけどさ。
時計の針がカチカチ刻んで行くに連れてどんどん体調が悪くなってきた。胃が痛い。
今、午前の10時を少し回った所。
授業は数学だ。
マヅイ…かなりやばい。話が何処をどう転がっていったのか、よく分からない内に
こうなった。
元はと言えばこの学校のなんでも高校と中学で日にちをずらす、訳ない風習のせいだ。
そして、その極めつけがこの創立記念日を一日だけずらして取るってホントに分からない、多分初代校長の
イヤラシイ性格の賜物。
いや、多分俺があの場でプリント見せた瞬間に全部きまったんだろうけどさ……。
午後に向けてのカウントダウンが刻々近づいている。
どうしよう?
どうしたらいいと思う、俺?
「どうした○○? 早く前に出てこの問題を解いてくれ」
わかんねーよ!!
実は現在Wピンチ。
「解いてくれっていわれても、そもそも何ページですか?
それより俺、数学苦手なんですよ先生…この前のテストの点忘れたとは言わせませんよ」
と言いたい。
「まさか今の時間内にやってない分けないよな?
内容も今日やったとこの練習問題だぞ? 授業をちゃんと聞いていれば分かるはずだ」
いや聞いてなかったんで…
何となく、周りの雰囲気に促されて立ち上がっては見たものの足はどっちかっていうと後ずさった。
こんな時たよりになりそうなのは…もう口聞いてない人ばかり。
だめだ、終わった。
俺は諦めて素直に謝ろうと顔を上げた。
これで余計な宿題を増やされるのは決定的。ああ、さよなら今日のテレビ。がんばれビデオ
と、
言葉を出そうとした俺の手になにやら紙切れを握らされた。
後ろの席を振り向くと亀井さんがうんと頷く。
ビックリした俺の表情にちょっと困ったハニカミを浮かべた。
かわいい……。
でもどうしてだ? 美貴姉ぇのせいで俺の事すごく誤解してたはずなのに?
「どうした○○!」
やべ、あれこれ考えるよりまずこの厄介ごとを解決しなくては。
窓際に立つ教師に背を向けて紙を開くと可愛い字でなにやら公式が書いてある。
もちろん黒板に丸写し。
「……正解だ」
「あっはっは、そりゃもちろん! ちゃんと聞いてましたよ先生」
「そうか、だが次はもっと早くやるようにな」
「はい、わかりました」
してやったり、内心スキップしそうな気分で席まで戻った。
「起立、れ〜」
そして、無事に授業も終わって10分の準備時間。
俺は早速、亀井さんに振り返った。
俺の勢いに圧倒されたのかウサギみたいに目がまん丸だ。
「さっきは、ありがと。かなり助かったよ」
「えっ、あ…うん」
「でも、嫌われてると思ったからビックリした」
話すのかなり久々でなんか緊張してきた。首の後ろ辺りがぴりぴりする。
「ごめんね、私よりれいなが怒っちゃってて中々話せなかったんだ」
「あ、そうだったんだ」
確かに俺にパンチくれたのも田中さんだったし、なんとなく分かるような気が……
「でもね、やっぱり何時までもあのままじゃ酷いなって…ほんとに、ごめんなさい」
何となく気まずい顔をして、誰かの席の方をチラッと見てから小さく頭を下げた。
その視線を追っていくと……腕組みした田中さんがそっぽを向いた。
「全然気にしてないから、俺の方こそ気使わせちゃってホントにごめん」
この件のせいで、二人が仲悪くなったら嫌だなー、と思いつつとりあえず今までの誤解は
解けたんだろうか……?
ちょっと表情からは読み取れない。
これでやっと五分に戻ったって事なのかも?
素敵な学園生活にまだ希望の芽?
って……午後の授業参観…美貴姉ぇが来る……元通りになるんじゃね?
ダメだこりゃ
美貴姉ちゃん更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
お疲れ様です
次回も波乱の予感!
乙
乙です
ho
ho
151 :
名無し募集中。。。:04/10/13 12:20:19
昼休み保全
ho
ho
ho
ho
156 :
名無し募集中。。。:04/10/13 20:27:05
だめだこりゃ保全
sageだこりゃ保全
新作あげます
1
「そうじゃないって。それはこっち!」
「早くしてよ、ホントに…グズグズしないの!」
日が落ちかけた頃。
暴言を吐かれながら、美貴の部屋の片付けを手伝うはめになったのはこんな理由がある…。
その日は日曜日。俺は耳障りな物音で目を覚ました。
枕もとの目覚まし時計は正午を指している。
昨日眠るの遅かったんだよなぁ。誰だよいったい…。うつせぇっての。
ベッドから身を起こして外を見ると、美貴が自分の部屋の中をせわしなく動いているのが分かった。
「なにやってんだよ…。うるせえな」
窓を開けて俺が声をかける。
「あっ、やっと起きたんだ。日曜だからってダラダラしてんじゃないの」
美貴の部屋の窓は開けっ放しだ。
「昨日遅かったんだよ…」
「そんなの知んないよ。なにやってたの?」
「なんでもいいだろ。お前は?」
俺は大きなあくびをひとつ。
「え?ミキは昨日は早く寝たよ」
「そうじゃなくて、今なにやってるんだって聞いてんだよ」
「部屋片付けてんの」
そう言って、美貴は部屋の中の片付けを再開した。
俺はまた布団をかぶったが、もう完全に眠気がさえてしまっていた。
「あー、もう!」
仕方なくベッドから起きあがる。
少し睨むように美貴のほうを見ると、美貴は悪戯っぽく笑いながら俺を見ていた。
2
一階でゆっくりと昼ごはんを食べて自分の部屋に戻ると、そこには当たり前のように美貴が座っていた。
「なにやってんだよ。勝手に人の部屋に入ってきて…」
「部屋片付けてたら、古いアルバム見つけたんだ。あんたも写ってるから一緒に見ない?」
目線はアルバムに向けたまま美貴が言った。
「いいよ。俺は」
「なんでよ。せっかっくなんだから一緒に見よ」
「CMでも言ってたろ。『昔の自分を見たがる男は少ない』だったかな」
俺はマンガを取るとベッドに横になった。
「ふーん。そんなもんなのかな」
美貴は少しつまらなさそうにそう言うと、アルバムのページをめくる。
「なつかし〜」
美貴の声を気にしながら俺はマンガを読んでいた。
「ちょっとちょっと!これ覚えてる?」
「あ?」
美貴が指差す写真には園児服を着た幼い頃の俺たちが写っていた。
「幼稚園の入学式だろ」
「そうそう。端にジャングルジム写ってる。あんたここから落ちたんだよ。で、頭切っちゃったの」
「これだろ?」
俺は前髪をかきあげておでこに出来た傷を見せた。
「お前が後ろから押したんだよ」
「押してないって!」
抗議の声を上げる美貴から目を逸らすと、一枚の写真が目に付いた。
幼稚園の学芸会の写真だ。
美貴はお姫様の役で、俺は後ろの木の役だった。
劇のクライマックス。王子様役のやつとお姫様役の美貴が抱きつくシーン。
美貴はなにを思ったのか、後ろでおとなしく木になりきっている俺に抱きついてきたことを思い出した。
クスクス聞こえてきた大人たちの声に少し恥ずかしくなりながらも、やっぱりうれしかったのを覚えている。
「だから、ミキは押してないって。聞いてるの?」
「…あっ、あぁ。そうだな」
美貴を見るのが少し照れくさく、そしてそれを照れくさいと思ってる自分が恥ずかしかった。
3
「あっ!これ…」
「ん?どうした?」
美貴は一枚の写真を見つめていた。写真の下には、『体育祭にて』と書いてある。
体操着姿の美貴。徒競走の順位を表す旗。美貴の横の旗には6と書かれていた。
「小学校三年の時のやつか…」
「…うん」
小三の体育祭。徒競走で美貴はコケた。幼稚園のときから、ずっと美貴は徒競走は一位だった。
初めての最下位。この写真を撮った直後、美貴の目に涙が浮かんだ。
「思い出しても、まだ悔しい?」
「ううん。そうじゃない」
美貴は懐かしそうに笑った。
「この日の帰り。あんたミキのこと慰めてくれたんだよ。覚えてる?何も言わないで、やさしく背中叩いてくれたの」
「……」
「子供だったけど、…すっごくうれしかった」
俺はマンガに目を移した。
「どうした?もしかして、照れてるの?」
「そんなことねぇ」
美貴の笑い声が聞こえた。
「はい、おしまい」
そう言ってアルバムを閉じる。アルバムには小学校卒業するまでの写真があった。
「結構懐かしかったな」
「そうだね…。アルバムとか見るとあらためて思うよね」
「なにがだよ」
「ミキとあんた。いつも一緒なんだなって…」
「……」
「また照れちゃって。気持ち悪い」
美貴はアルバムに目を戻した。
「どうした」
アルバムを開き、急いでページをめくり始める。
「なくなってる…」
4
「なにがだよ」
「絵」
「はぁ?」
美貴は俺の顔を見る。
「絵だよ。ミキの似顔絵。あんたが描いてくれたやつ。昔、描いてくれたじゃんか」
少し必死になって、アルバムのページをめくる。
「ああ。そんなこともあったな。あの絵、まだ持ってたんだ」
「だから、なくなっちゃったんだって。このアルバムに挟んでおいたのに。…ちょっと、部屋探してくる」
美貴は急いで部屋に戻っていった。
ガサガサという音と、「もう…」とか「どこいったのよ!」という美貴の声が聞こえてくる。
俺はしばらく残されたアルバムを一人で見ていたが、それにも飽きて読みかけのマンガを見ていた。
「見つかんない…」
美貴がつぶやきながら俺の部屋に入って来た。
ふと窓の外に目をやると、片付けていたはずの美貴の部屋が、今度は嵐の後のように散らかっているのが見えた。
「なんでそんなに必死なんだよ。ただの絵だろ。しかもあんなガキの頃のへたくそな絵」
「だって…」
自分が描いた絵を必死に探す美貴に悪い気はしなかった。
俺はマンガを閉じて本棚にしまった。
「分かった。また今度書いてやるから。それでいいだろ?」
美貴の顔が一気に明るくなる。と思ったら
「今から書いて」
「今から!?」
「いいじゃん。どうせ暇でしょ」
そう言って笑った。
5
「やっぱ、めんどくせぇなぁ」
美貴は俺の部屋のベッドに腰掛けて、ポーズをとっていた。
「なに言ってんのよ。あんたから言い出したんじゃないの。ちゃんと描いてよ。ちゃんと描けば…」
「きれいになるから、だろ?」
「そう。モデルがいいからね」
俺は物置から古い落書帳を取り出し、片手で落支えてもう片方の手に鉛筆を取った。
「美貴の絵描くのなんて久しぶりだな」
俺がそう言うと、美貴は表情を作る。
「美貴、緊張しすぎで表情が硬い。リラックス、リラックス」
「そんなこと言ったって…。あんたがなんとかしてよ」
「なんとかって…。俺にどうしろって言うんだよ」
俺は鉛筆を動かしながら答えた。
ちなみに俺は絵、特に似顔絵はかなり得意なほうだ。
ホントは美貴の顔を見なくても、美貴の顔くらいは描ける。何年見てきたと思ってるんだ…。
俺はからかい半分で、モデル気取りの美貴にいろいろ注文をつけながら似顔絵を描き続けた。
美貴の困りながらも真剣な表情を楽しみながら。
「出来たぞ」
切り取って美貴に渡す。
「おおっ。なかなかやるじゃん。昔からうまかったもんね」
美貴は似顔絵を手に取ると満足そうにうなずいた。
「お前と比べれば誰でも上手だ」
美貴は俺を睨んだ。が
「…わたしもあんたの似顔絵、描いてあげようか?」
小声で俺にささやく。
「お前が!?だってお前…」
「…なにが言いたいのよ。美貴の絵は芸術よ。芸術!」
美貴は俺から鉛筆と落書帳を取り上げる。
鉛筆と消しゴムをふんだんに使いながら、美貴は俺の似顔絵を描き始めた。
俺は黙ってモデルを続ける。
美貴の困りながらも真剣な表情を楽しみながら。
6
「…出来た」
美貴は自分でも首をかしげつつ、ためらいながら落書帳を俺に見せた。
「……」
「…なによ。なんか言ってよ!」
「さっ、流石だな。芸術的だよ」
俺がそう言うと、美貴は無言で立ち上がり…
「やめろよっ。やめろって…」
落書帳で俺の頭を叩き始めた。
その拍子に落書帳から折りたたまれた紙が落ちる。
「あっ!」
「なにこれ?」
美貴はその黄ばんだ紙を拾い上げ、目の前に広げた。
「なにこの下手な絵?ってか誰よこれ。この絵のモデルあんたなの?誰が書いたのよこの絵?」
ニヤニヤ笑いながら俺のほうを見た。
「…お前だよ」
「えっ!」
美貴の顔が凍りつく。
「お前が描いたの。忘れたのか?」
「……」
「ガキの頃、俺はお前の似顔絵を書いた。お前が失くしたって言ったやつな。その時、今みたいにお前も俺の似顔絵書いてくれたんだよ」
俺はその黄ばんだ紙を、さっき美貴が書いた俺の似顔絵の横に置いた。
ガキの頃に美貴が描いた俺の似顔絵。さっき美貴が描いた俺の似顔絵。
「お前、あの頃から全然成長してないな」
二つの絵は瓜二つだった。
7
美貴は顔を真っ赤にして怒るだろう。と思ったのに…。
「……」
「…どうしたんだよ。怒んないの?」
美貴は視線を下に向けていた。
「……あんたさ、この絵まだ持ってたんだ」
「あぁ。…まぁ一応」
「ミキは失くしちゃったのに…。あんたは大切に持ってた」
「……」
「ごめんね。今度は大切にするから…」
美貴は俺の目を見つめた。
「あ…あぁ」
思いも寄らない美貴の真剣なまなざしに、顔を赤くしたのは俺のほうだった。
「…ところでさ。美貴」
「なに?」
「…お前、部屋の片付けしてたんじゃないのか?いいのかよ、もう夕方だぞ」
「あっ!!」
「しっかり持って。男でしょ!」
「あんた、勝手に引き出し開けないで!スケベ!」
「掃除機かけるからどいてって。あんたじゃま!!」
暴言を吐かれながら、美貴の部屋の片付けを手伝うはめになったのはこんな理由からだった。
「なんで俺が…」
「なんか言った!?」
「…なんでもないです」
だめだこりゃ
了
だいぶかけ離れてしまいましたが、Judy And Maryの『風に吹かれて』です。
GJ
乙です
ジュディマリとスピッツが好きなエレカシさんは俺と同世代と予想
やっぱりあんた最高
乙〜
寝る前にいいもの読ませてもらいました
感謝
エレカシさん乙!美しい…。
>>169 ってことはオレも同世代の予感。
この話のミキティは特にかわいいなぁ
175 :
名無し募集中。。。:04/10/14 05:20:59
作家さんガンバレ保全
エレカシさん乙。
ほ
ほ
ぜ
ゴマキファンの人許してね。
『元カノ』
【美貴の涙の理由】
突然だが最近、美貴にはなにか悩みがあるみたいだ。俺と一緒にいる時、よくため息をつくし
俺としゃべっている時もどこか上の空だ。俺に悩みがあるなら打ち明けてほしいのだが・・・
美貴は頑固で強情な奴だから俺に弱みをみせたくないのだろう。
ある日の放課後、事件は起こった・・・
「・・・○○!?」
教室に戻ると美貴の目から涙が流れていた。なぜか服が少しはだけている・・・
「美貴、どうしたんだよ!?」
「な、なんでもないから・・・心配しないで。」
そう言うと美貴は逃げるように俺の前から走り去った。
「へえ・・・あんた、美貴の彼氏じゃん。なんか用?」
煙草を銜えながら隣のクラスの後藤が俺の前に現れた。なにやら喧嘩の強そうな男も一緒に
「○○ってんだろ、あんた?巷の噂でよく聞くぜ。」
そりゃどうも・・・とこいつに挨拶でもしたらいいのか。それにしても感じの悪い奴らだ
「あ〜質問!○○様は美貴とセックスしたことありますか〜?」
後藤がバカみたいな質問してきた。もちろん俺はこんな奴に答えるつもりもない
「・・・」
「なに黙ってんのよ!こいつ、ちょ〜感じわる〜い。」
感じ悪いのはお前だ!とツッコミたいがこの女、すぐにキレそうなので止めておこう。
「○○様、美貴って以外とウブだよね〜。」
なに言ってやがるこの女・・・お前に美貴のなにがわかるんだ?男も笑ってやがる
そうだ、こんな奴の相手してる暇はない。俺は教室を飛び出し、急いで美貴を探した
「○○様は帰っちゃいましたね〜。それにしてもいい男だね〜。」
「おい!あんな奴のどこがいいんだよ。」
「さあね〜。」
「それより藤本、ヤリそこねたから。マキ、ヤラしてくれ。」
「いいよ〜・・・で、ゴムはまだあるの〜?」
美貴はあいつらと教室でなにがあったんだ?それにしてもむしゃくしゃするな・・・
「あやや〜俺といい事しようぜ。」
亜弥ちゃんが不良にからまれている。みんな見てみぬふりだ・・・もう、あいつでいい
「あやや〜、パンツ何色?・・・なんだてめえ!!」
「今、すげーイライラしてるんだよね・・・お前、殴らせろ。」
「・・・あ!?」
俺はこいつを躊躇なくおもいっきり殴り飛ばした。少し気分がすっきりしたが亜弥ちゃんは脅えていた・・・
「いてぇえええええー!!マジ、こいつ頭おかしいんじゃねえの!?」
「お前、死ねよ。」
俺はこいつを押し倒し上からグーで殴り続けた・・・顔面が張りあがり血が噴出している。
俺はバトルサイボーグと化したのだ・・・もう誰の言葉も耳には入らない
「○○君、お願い止めて!!」
亜弥ちゃんが止めに入った。邪魔だからのいてくれ、こんな奴には体で覚えさした方がいいんだよ。
「○○君、美貴たんに嫌われてもいいの?」
うるさい・・・美貴の名前は今、聞きたくないんだ
「○○君、美貴たんのそばにいてあげて・・・いま酷い事されてるんだよ!!」
・・・美貴が酷い事されてる?なんだよ、それ
「○○君!!」
俺は急いで家に帰った。美貴の事を思いながらその時の俺の速度は多分、高橋尚子より速かったであろう
「美貴!!」
美貴は自分の部屋にいた・・・泣いているのか?
「・・・○○!?」
美貴の体は全身アザだらけだ・・・美貴は素早く布団にもぐった
「美貴、あいつらとなにがあったんだ?」
「・・・なんでもないよ。それより○○、出てってよ!!」
後藤のある計画を俺はその時、知るよしもなかった
「こいつも馬鹿ね・・・ヤラせるだけで利用できるんだから男って単純よね。
ふふっ、藤本に石川に松浦・・・特に藤本、あんただけは許さない。
お前だけはとことん哀れにしてやる。」
後藤・・・悪魔のような女
保全だー!
続き気になる・・・。
186 :
名無し募集中。。。:04/10/14 17:41:23
だめだこりゃ保全
ほ
昔のほのぼのしたのが読みたい
例えば?
>>189 例えはないけど、ミキティがミキティらしくてほのぼのしてるやつ
過去スレあさればあるんじゃね?
注意ほ
保全
194 :
名無し募集中。。。:04/10/14 22:19:33
いったんあげ
ミキティらしさって何かね?
胸に手をあててごらん。
みんなの中にミキティはいるんだよ。
ほんとだ!いたよ!
川V-V)<…
ほぜん
ho
良スレ保全
ほ
>>183 次の日
「おはよう、絵里ちゃん。あれ、美貴は?」
「○○君、おはよう。お姉ちゃんならもう学校に行ったよ。」
美貴が俺に黙って学校に行くのは喧嘩をした時くらいで、一晩眠ればよっぽどの事がない限り、美貴とは仲直りするから・・・
美貴が心配で仕方ない・・・俺に言えないような事ってなんだ?
「○○君・・・大丈夫?」
絵里ちゃんが心配そうな顔して俺を見つめている
「怖い顔して黙ってるの○○君らしくない・・・」
俺らしくないか・・・悩んでてもしょうがないよな
「絵里ちゃん、俺は大丈夫だから学校行くね。」
「○○君・・・」
絵里ちゃんは少し安心したようだ。絵里ちゃんは笑ってる顔が1番似合うから
学校へ着くと俺を待ち伏せしていたかのように昨日の感じの悪い女がやってきた
「○○様〜、おはよ〜。」
こいつの顔を見ているだけでも気分が悪い・・・美貴はどこだ?
「○○様〜、無視ですか〜。あたし〜男の子の無視されたことないんですけど〜。」
なんとでも言え、俺は他の男のようにお前に興味などはないんだ
「○○、放課後に放送室で待ってるから・・・来なきゃ美貴がどうなっても知らないよ。」
急に口調が変わり意味深な事を言った。俺はすぐさま振り返ったが女の姿はなかった
教室に着くといつものように美貴の笑顔はそこのあった
「○○、おはよ。」
美貴は昨日と打って変わり、いつものように女友達としゃべっていた
「○○、どうしたの?ポカ〜ンとして・・・」
心配して損した・・・でも美貴の昨日のアザはなんだったんだ?
そしてなにごともなく昼
「○○、コロッケ食べる?」
美貴は言った
「ああ、もらうよ。」
「○○、あ〜ん。」
「○○、藤本、俺らに見せつけるなや!あ〜、俺も彼女欲しい。」
岡村先生は羨ましそうに言った
「美貴、別にこいつの事なんて・・・」
顔を赤くしてよく言うよな、美貴
「俺も別に、それにどっちかと言うと俺、隣のクラスの石川さんの方が・・・」
「なに言ってるのよ!!」
美貴はポコポコ俺を叩く・・・みんな、『またかよ』といった感じで見ている
俺と美貴はクラス公認のカップルなのだろう
「○○、藤本、なんやねん!そんな喧嘩は帰ってやれ!!」
「・・・」
ニヤッと笑いながら後藤が自分のクラスに帰っていった・・・なんなんだあの女
そうして後藤の言っていた放課後の時間・・・ほとんど生徒は帰った
もちろん俺も帰ろうと思ったが美貴がどうたらこうたら言ったので帰るわけにもいかずに放送室に向かった
これから俺に起こる悲劇も知らずに
「○○様、待ってたよ〜。」
満面の笑みを浮かべた後藤が一人、足を組み俺を出迎えた
「こうして見ると○○様ってかっこいいですよね〜。」
「当たり前だろ、俺はなにもかもイケてるからな。」
俺の意外な言葉に少し後藤の顔が変わった
「・・・○○様〜。」
「なんだよ?」
「バイバイ。」
バゴッ
何者かに後頭部を鉄パイプで殴られた。俺は気を失った・・・
だが薄れゆく視界に後藤の顔が俺の顔に近づき、唇が触れた
続きが気になる保全
ho
おとーさん
おかーさん
すっげブルーになるのを読ませていただき有り難う
尚且つ勝手な予想だがここからどう快進撃が炸裂するのが気になる保全
○○様カッケー
最近ミキティがいじめられる小説多すぎるよママン
川V3V)
あの、長め小説ってどうしたらよいのですか?
216 :
名無し募集中。。。:04/10/15 18:41:20
このごっちんむかつくな
自分勝手で偉そうだし
>>215 いや、うp祭のために書いたから書き終わってるんだよね
うp祭のときはアク禁になって書き込めなかったからさ
最近長編がブームなの?
ho
>>217 一気にうpしてもいいし、小出しにしてもいいし
一気に行こうぜ
うp期待し保全
ぽ
うpは無しか?
「○○ハイキング行くわよ」
「ハイキング?」
「そっ!」
確かに秋晴れに晴れに晴れてはいるが、よりによってハイキングぅ?
ちょっと違うだろ。
どうせなら、縁側に寝転んでどっちが先に寝れるかとか、どれくらい長く寝れるかとか。
「ダラダラしてるだけでしょ、それ?」
「……何でわかった?」
「無意識に縁側探してた」
「マジで?」
「多分」
「…ってそれただの勘だろ!」
「勘の鋭い女、藤本美貴。なかなかでしょ?」
片目でウインクする美貴は心底楽しそうだ。そう、ついついぼーっと眺めてしまうほど
「何見てんの? 綺麗すぎるとか?」
「目ヤニついてる」
「バカ! 何処見てんのよ」
結局すった揉んだで、近くの公園に行くことになった。
ブツブツ文句を言う美貴はどうやら紅葉が見たかったらしいが、この時期日本で紅葉が
見れる場所ってあるのか? 甚だ疑問だ。
とりあえず、公園のベンチに座って缶コーヒーを啜る。
「秋だな」
「そうだね、いつの間にかコーヒーもホットに変わってる」
「ああ」
「ちょっとだけ不思議」
そんな会話をしてると何となくしんみりしてしまう。
とは言うものの街路樹は青々として、何となく雰囲気に欠ける。
たまに半そで小学生とか走ってるし…
と、美貴が何かを見つけたように、残りのコーヒーを一気飲みしたまま動きを止めた。
「○○、あれ…」
幻を見たような、素っ頓狂な目で俺に訴えかける。
俺にも見えた。
緑の中に黄色く紅葉した一本の木。
「嘘じゃないよね?」
狐に摘まれたまま、美貴はゆっくりと近づいていく。
俺はそんな美貴の後ろ姿を見ながら思った。
あの木、枯れてるだけだろ……
藤本美貴、違いの分からない女。だめだこりゃ
保全
乙
>>205 その頃、美貴は
「あ、雨だ・・・」
晴れていた天気は突然、夕立に変わった・・・すると美貴の前に昨日の男がやってきた
「一体、なんの用?」
「美貴、昨日の続きしようぜ。」
「一回、死んだら?それに美貴って言わないでよ。」
「じゃあ、処女って呼ぶぜ?」
「・・・」
「お前、処女だもんな。ケケケ・・・キスぐらいであんな嫌がるんだし?」
「誰だって、あんたなんかとキスなんかしたくないわよ。」
「後藤はしてくれるぜ・・・」
「あっ、そう。」
「マジでむかつく女だな・・・昨日みたいにまたボコるぞ。」
「・・・」
「ケケケ・・・また泣いちゃいますか。」
「最低・・・」
「・・・キスぐらいさしてよ〜お願い。」
「プッ・・・あんたなんかそこのごみ箱にでもキスしたら・・・超お似合いよ。」
「あっ?言うねえ・・・」
「それより、美貴帰るから。それと二度と美貴の前に顔見せないでね・・・吐き気がする。」
「それよりさ〜、愛しの○○様とセックスした〜?」
「なによ、あんたなんかに関係ないでしょ。」
「関係あるんだよね・・・」
「なにが?」
「放送室で後藤と○○が・・・」
「○○がどうしたの!?」
「後藤〜、この俺をゴミみたく捨てやがって・・・むかつくんだよ!だから、お前を犯してやる・・・せめてもの俺の慰めだ!!」
「!?」
男は美貴に襲い掛かった・・・そして放送室、ようやく俺の意識が戻った
「・・・うっ、うん?」
「後藤で〜す。・・・○○様、気づきました〜?」
「!?」
気づくと全裸の後藤が俺の目の前に立っていた・・・なぜか俺も上半身裸だ
「ふふっ・・・後藤の体、どうですか〜○○様?」
そう言うと後藤は俺に軽く口付けた・・・甘い味がした
「あ〜あたし、うまいでしょ・・・キス。」
「ご、後藤、なにすんだよ!?」
「顔、真っ赤なんですけど〜美貴よりは全然いいっしょ?」
「そ、そんな事、後藤に関係ないだろ?」
「カンケーあるんですよね〜。それよりおちんちん窮屈じゃないですか〜?」
「どういう意味だよ?」
「あたしとセックスする?」
「な、なんなんだよ、それ!?」
「動揺・・・」
「うるせえ!!」
「あたしが○○様とセックスしたいの・・・」
後藤は急にしおらしくなり、また口付けしてきた。今度は舌が俺の口の中に入ってきた・・・舌が絡み合う
そして自然と俺の手は後藤の胸を触っていたんだ。美貴のピンチなのにね・・・
エロ物ではないんで一応
ほ
ほのぼのしたのとドロドロしたのがきてるー
どっちも乙!
ほ
ho
賢者の贈り物という話があります。
ある貧しい夫婦がいて、夫は妻のために髪飾りを買おうとしました。
しかし、お金がないので自分の大切な時計を売って髪飾りを買いました。
妻は夫のために時計の鎖を買おうとしました。
しかし、お金がないので自分の大切な髪を売って時計の鎖を買いました。
二人の贈り物は意味を持たなかったけど、二人がお互いを思う気持ちが最高の贈り物でした。
そんな美しいお話。
ここに似ていて非なるお話があります。
少年はたまに届く幼馴染からの郵便物を持って自身の部屋へ上がった。
郵便物は開けられることなく机の引き出しの中に入れられた。
「ふう。」
ため息をつき、中身の予想がつく郵便物を眺めた少年はそのまま引き出しをしまい、
鍵をかけ、自分の部屋の窓から見える隣の家の窓を眺める。
その窓に明かりがつかなくなってから早二年。もう彼女のいないことにもだいぶ慣
れたし、当たり前の日常となっていた。
それでも彼女のことを忘れたことはなかったし、忘れるつもりもなかった。
だから、彼女がこうしてたびたび贈り物をくれたり、忙しい合間をぬってメールや、
電話をくれたりすることはうれしかったし、
彼女も自分のことを忘れていないのだと安心もした。
だけど、贈り物を開けたことはなかった。ただの一度も。
「ねえ、○○!美貴ちゃんから電話。降りてらっしゃい。」
「え?あっ、うん。今行く。」
少年は母に呼ばれ一階の家の電話に出る。家の電話に彼女からかかってくることは
珍しいことだった。世の中便利になったもので、携帯電話というものが高校生にも
持てるようになったからだ。
「もしもし?」
『あっ、もしもし、○○?』
受話器の向こうの幼馴染の声は相変わらずで、なんだか今でも裏拳が飛んできそう
な勢いだ。いつだって彼女は半歩先にいた。
「ああ、どうした?家のほうに電話なんて?」
『えー携帯に電話してもつながんないんだもん。』
「ん?うそ?」
少年はポケットを探って携帯を取り出すと電池切れで電源が入っていなかった。
「あーわりぃ、電源は入ってねぇわ。」
『あはは、やっぱりね。あんたってどっか抜けてるよね。』
「馬鹿にしてんのかテメェ?」
『してる』
「てめー」
ずっと幼いころから変わらない会話。
君と僕の会話
今では電波を介さないと出来ない会話。
「で、なんか急な用事か?」
『ああ、そうそう、急ってわけじゃないけど美貴からの郵便届いた?』
「えっ、ああ、今日届いてた。」
『じゃあ、中見たよね?』
「う、うん。新曲のCDとプロモだろ?」
『そうそう。』
ウソだ。中身なんか見てない。ただ予想はついただけだ。
「それがどうかしたのか?」
『どうかしたじゃないでしょ!美貴のソロコンサートのチケット入ってたでしょ?
美貴の初めてのソロコンサートなんだよ。すごくない?ねえすごくない?』
これは予想外だ。まさかそんなものが入ってるなんて。
まったく何を考えてるんだか。美貴は一言も来いとか来るよね?とか言わない。
だからそれは、なんというか、彼女の中で自分が来ることは確定してるわけだ。
つまり、これは、この電話は確認だ。
「行けるかわかんねぇぞ?一応俺だって受験生なわけだし。」
『へぇ、あんた美貴の晴れ姿見たくないわけ?
あたしもうすぐ娘。に入るんだから次はいつになるかわかんないよ。』
そういえばそんはこと新聞で見たなと他人事のように少年は思う。
しかし次いつになるかわからないと言われたらそれはそれで・・・
「わかったよ。行くよ。いきゃあいいんだろ?」
『初めからそう素直に言いなさいよ。見たくてしょうがありませんでしたって』
「誰も見たくてしょうがないなんて・・・」
『なんか言った?』
「いや何も・・・」
『まあ、関係者用のプラチナチケットだからゆっくり楽しんで。』
「自分でプラチナとか言うなよ・・・」
『なんか言った?』
「いや何も・・・」
『ん、じゃあオーケー。あっ、それと用事ないと電話しちゃいけないわけ?』
「当たり前。俺は忙しい。」
電話口でもわかる彼女の怒ったポーズの声。それはやはりポーズであって本気
じゃないことはすぐわかる。いつだって彼女は自分に本気で怒ったことなんてない。
それは逆もいえる。いつだって自分は彼女のことを本気で怒ったりしたことはない。
だからそれは二人の揺ぎ無い世界観だった。
他の誰かに聞かれたら喧嘩でも二人にとっては幼いころからの恒例行事みたいな
もので、いわば単なる遊びでしかない。だからそれはな認識で儀式だった。
『あーそういうこと言う?』
「言う。」
『じゃあ可愛い美貴ちゃんがとっても寂しいときどうすればいいの?』
「はいはい。いつでもお電話お待ちしておりますよ。可愛い美貴ちゃん。」
『○○が可愛いとか言うな。キショイ。』
自分は良くて、こっちが言うのはダメなのかよ。しかしまあ見事なツッコミで。
「まあ、授業中は困るからな。」
『それくらいわかってる。おっ?亜弥ちゃんからキャッチだ。んーまた今度ね。バイバイ』
「ああ、じゃあな。」
少年は電話を切ると自分の部屋に戻り、さっき鍵をかけた引き出しを開け、小包を
取り出した。さっきの手順のまったくの逆のことをしてる。
さっきのことは一切の無駄というわけだ。
そうだ無駄足だ無意味だ無価値だ無意義だ。だけど無意識じゃない。
ひどく意識的に中身を開けず、認識しているにもかかわらずしまって、認知して再び手に取ったのだ。
意を決死って中身を空ける。
中からは彼女の新曲のCDとDVDが出てきてて、その上にはチケットがたった一
枚だけのっていた。
―――――君は僕の気持ちを知っているのだろうか?
とりあえずここまで。これで4分の1くらい
長いな・・・
乙です。途中で止めるなよ
楽しみ
乙
乙
248 :
名無し募集中。。。:04/10/16 17:02:34
乙
とてもいい!
(・∀・)イイ!!
ho
ze
久々にすごいのキタ
254 :
名無し募集中。。。:04/10/16 23:53:32
>>229 いえいえ
むかついてもごっちんはかわいいからいいんですよ
本人がこうだとかなり引きますけど
ほ
新作うpさせてもらいます
1
目を覚ました時には雨が降っていた。
時間は午後三時。
少しの昼寝のつもりが、ずいぶん時間が経ってしまっていた。
窓を開けて空を見る。ついクセで目の前の家を見た。
見えたのは見慣れた家じゃなくて、大きなマンションの薄汚れた外壁。
真下の路地を原付が水しぶきを上げながら走り抜けた。
俺はため息を付く。
体に染み付いたクセが少し恨めしかった。
高校に入学した頃から、傾き始めていた親父の工場。それが高三の夏、とうとうつぶれた。
親父はとりあえず深夜の警備員のバイトを始め、母さんもレジ打ちのパートに出た。
俺はなんとか高校を卒業させてもらうと、家を出て工場で働き出した。
大学に行きたくないわけじゃなかったけど、しょうがない。
親父に文句を言うわけにも行かないし、大学でやりたいことも特になかったし。
そんなこんなで、この町に来て半年。
仕事はたしかに大変だけど、思っていたほどじゃない。
中学の頃から、親父の仕事を少しだけど手伝っていた俺は、工場の仕事にもすぐなじめた。
仕事仲間もみんな気のいいやつらだし、特に不満もなくそれなりに楽しくやっていた、
でも…。
『それなり』はやっぱり『それなり』なわけで…。
俺は窓を開けるとつい、美貴の姿を探してしまっていた。
2
休日の午後。テレビを見ながらなんとなしに時間をつぶす。
洗濯は午前中に済ませたし、掃除は先週した所だし。特にすることはない。
四畳半の殺風景な部屋の中にタバコの煙を吐き出した。
「……」
俺は携帯を握っていた。ディスプレイには一つ年下の幼なじみの名前。
俺が家を出た直後は、連絡を取り合ったりあいつも遊びに来たりしてたんだけど…。
それも時間の経過とともに少なくなり、最近ではさっぱりだ。
まだ学生の美貴と働き出した俺。
いつも隣にいた、そして今はもういない。
いつの間にか大きな隔たりが出来ているような気がしていた。
少し寂しいけど、それもしかないことなのかもしれない。
俺たちはたまたま家が隣同士だっただけの、ただの幼なじみなんだから…。
結局俺は今回も通話のボタンを押すことなく、その携帯を机の上に投げ捨てた。
大きく伸びをすると、立ち上がってトイレに入る。
その時。
トイレのドア越しに俺の携帯が大きな音を立てるのが聞こえた。
その音は二、三回鳴ってすぐに止んだ。
急いでトイレを済ますと携帯を引っつかむ。
着信は、美貴。
俺はもう一度携帯のディスプレイを睨むと、思い切ってボタンを押した。
トゥルルルッ、トゥルルルッ。
美貴はなかなか出ない。
この時間がもどかしかった。
『…もしもし?』
美貴の声が聞こえてきた。
なぜかちょっとうれしかった。
3
『もしもし?もしもーし?』
「…あっ、美貴か?俺だけど」
『わかってるよ。…なんか、ひさしぶりだね』
「そうだな。…元気か?」
『まぁ普通だよ。あんたは?』
「俺も普通だ」
『仕事はどうなの。大変?』
「もうなれた。うちの親父やお袋は?元気にしてる?」
『会ってないの?元気にしてるよ。たまには帰ってきなよ。三十分もあれば帰れるでしょ』
「まあ、そうなんだけど…。で、なんか用か?」
『なにが?』
「いや…。電話してきたから」
『…別に用はないよ。どうしてるかなぁ、って思っただけ』
「そうか…。なんとかやってるよ」
『…あんた今日は?休みなの?』
「ああ。今日は休み。お前は?今なにしてるんだ?」
『学校からの帰り道』
「そっか…」
『うん…』
「……」
『……』
「…今日、ヒマか?」
『えっ!?う、うん。大丈夫だけど…』
「ちょっと…会えるか?」
『…うん。どうする?わたしが行こうか?』
「いいよ、俺が行くから。…じゃあ、駅前で。一時間後、四時半くらいでいいか?」
『わかった』
「じゃあ、また後で」
『うん。また後で…』
気が付くと、雨は上がっていた。
4
二十分後。
俺は電車に揺られていた。
電車の中は学校帰りの学生で溢れている。
俺はつり革につかまって、そんな学生たちに少し前の自分の姿を重ねていた。
あの頃は…。
俺が高校二年生になるとあいつも同じ高校に入ってきた。
俺はサッカー部で、あいつはマネージャでもないのに俺を待っていてくれて、一緒に電車に乗って帰っていた。
窓の外の暮れていく太陽や、いつもと変わらない流れる景色を眺めたりしていた。
一人だけ座れるスペースが出来ると、俺はあいつに座るように促す。
あいつは『練習後で疲れてるでしょ』って言って、俺を座せようとして…。
お互い譲り合い、結局二人とも立ったままくだらない話を続けていた。
なんでもないことで声を出して笑い、ちょっとしたことでケンカして、当たり前のように仲直りしていた。
ほんの半年前のこと。
俺にとっちゃそれは学生時代の思い出で。
美貴はまだ今もその学生時代、真っただ中なわけで…。
俺が物思いにふけっていると、電車が止まり、目の前に座っていた人が立ち上がって降りていった。
俺は座りもしないでその空いた席を眺めていた。
電車の中のアナウンスが聞き飽きた駅名を告げて、ゆっくりと電車の扉が開く。
俺は騒いでいる学生たちをもう一度眺めると、駅のホームに足を踏み出した。
見慣れた風景が俺を向かえ、懐かしいにおいが鼻をくすぐる。
いつもいた初老の駅員さんが、ほうきとちりとりを使って駅のホームを掃除していた。
改札を出る。
半年前まではなかったコンビニが、そこに出来ていた。
俺は昔からある小さな時計台の前で美貴を待った。
5
沈んでいく夕日を背中に感じていた。
俺の影が長く伸びていく。
その伸びた影の先に、まぶしそうにまつ毛を伏せてこっちに向かってくる女の子が見えた。
「おまたせ」
少し息を切らせながらそう言う。
「遅いぞ。もう五時じゃんか」
「ゴメン、ゴメン。ちょっと時間掛かっちゃって…」
「なににそんなに時間掛かったんだよ」
「ちょっとね」
美貴は赤いシャツに白い上着。短めの茶色いスカートと黒いブーツを履いて現れた。
「珍しいな。スカートなんて」
「そう?あんたは普段着のほうが見慣れてるもんね」
俺は改めて美貴の姿を見た。
「今日は普段着じゃないのか?」
「まあ、一応。久しぶりに会うから…」
美貴は照れたように笑った。
「髪、伸ばしてるのか?」
「うん。短いのも飽きてきたし…。変かな?」
「似合ってるよ。髪もその服も」
「……あんたがそんなこと言うなんて、キモチわるーい」
美貴はまた笑って歩き出した。俺もその後に続く。
「どこ行くの?」
「どこがいい?」
「うーん…。とりあえずお腹すいたかなぁ」
「まだ五時だぞ」
「だって…」
「…ファミレスでいいか?」
「おごってくれんの?」
俺がうなずくと、美貴は屈託なく笑った。
6
「ふー、食った食った」
「…あのさ、パフェ頼んでいい?」
「まだ食うのかよ」
「うん。今日お昼ちゃんと食べてないんだ。だから…いい?」
「あぁ。いいよ」
俺は笑いながらウェイトレスを呼んだ。
美貴がチョコレートパフェを注文をしている間、俺はニヤニヤしながらその様子を見ていた。
「…なに笑ってんのよ」
「いや。美貴も遠慮するようになったんだなって」
「どういう意味?」
「昔はメシおごるって言ったら俺が止めるのも聞かないで、これでもかって言うくらい注文してたのに…。頼んでいい?だってさ」
「なによそれ」
「しかもパフェって…。女の子みたい」
美貴はプクッとほほを膨らませた。
「ミキは昔から女の子だよ。それに気付いてないのはあんただけ」
「言ってくれるねぇ。それじゃ俺がすごいバカみたいじゃんか」
「そうよ。あんたはすごいバカ」
そう言ってくすくす笑った。
「一人暮らし、どうなのよ。大変?」
「まぁな。タバコいいか?」
美貴がうなずくのを確認してタバコに火をつけた。
「一人暮らしすると、親のありがたみがわかるって言うもんね」
「ああ、それはあるな。洗濯とか掃除とか。めちゃめちゃめんどくせーし…。メシはだいたい外食だし」
俺はタバコの煙を大きく吐き出す。
「…ミキは?」
「あ?」
「ミキのありがたみもちょっとは分かった?」
「…バーカ」
7
「お腹いっぱい。ゴチになります、どうもありがとね」
支払いを済ませると美貴がふざけながら言った。
「ああ。ゴチになられます」
言いながら店を出る。もう外は真っ暗だった。
「最近日が落ちるの早いな。もう秋ってことか」
「そうだね。…次はどうする?どこ行くの?」
「そうだなぁ。ちょっと歩こうか」
「うん」
俺たちは雨上がりの夜空の下を歩き出した。
「ここ…、確か駄菓子屋だったよな」
「駄菓子屋もう閉まっちゃったんだよ。普通の家が出来るみたい。少し前に工事始まったんだ」
「駅前にもコンビニ出来てたし」
「あれは最近」
「そっか…」
変わっていっちゃうんだな。そう言いかけてやめた。
口に出したら、変わって欲しくないことまで変わっていく気がしたから。
「…学校どうだ?サッカー部のやつらはがんばってるか?」
「まあそれなりにね。全国大会一回戦で負けちゃたけど」
「なんだよそれ。ダメじゃん」
俺が笑うと、美貴もつられて笑顔を見せた。
「あんたがいた頃は、結構強かったんだけどね」
「ああ、まぁな。顧問の小沢、まだいるんだろ?」
「小沢先生?まだいるよ。あの人結婚したんだって」
「へー、そうなんだ。…お前は?」
「…なに?」
「恋人。出来たか?」
美貴は黙ったまま、少し悲しそうに俺を睨んだ。
俺は気付かないフリをした。
8
「出来たとしたら、…あんたどうする?」
「えっ!?」
「どうするの?」
「…出来たのか?」
「……」
美貴は何も答えない。それが答えだった。
「そっか。よ…」
よかったな。そう言いかけてやめた。
「今『よかったな』って言いかけたでしょ」
「……」
「ねぇ。…よかったって思ってるの?ミキに彼氏が出来たこと」
「思ってる。…のかなぁ」
美貴は俺の顔を覗き込んだ。
「素直には喜べない?」
「まぁ…な」
「なんで?」
「なんでって…」
俺が言いよどむと
「ねぇ。なんでよ」
ニヤニヤしながら聞いてきた。
「お前…、ウソか?」
「バレちゃった?」
美貴はケラケラと笑う。
「ミキにまだ彼氏はいません」
「まだ?」
「そう。…予約済みだからね」
俺は美貴を見た。美貴は俺をチラッとだけ見た。
9
「俺に彼女がいたとしたら、どうするよ?」
「えっ!?」
「俺だって、全然もてないってわけじゃないんだぜ」
「…ウソでしょ?}
「それに、社会人になってそれなりのお金もあるし。先輩にいろんな遊び場所教えてもらったし…」
「……」
美貴は悲しそうに俺を見ていた、
「…ウソだよ、ウソ。ただのジョーダン。そんな顔すんなって」
俺は美貴の髪を撫でる。と
ボスッ
お腹に強烈な一撃を喰らった。
「そんなジョーダン嫌い!!」
「…お前も…。ウソついたクセに…」
ツカツカ前を歩いていく美貴の後姿につぶやいた。
「月、きれいね」
「ああ、そうだな。雨上がりだからな」
俺は夜空を見上げる美貴を見ていた、
「…寒くないか?」
「大丈夫。ありがと」
すぐそこに美貴の手がある。手を伸ばせばすぐのところに。
「どうしたの?ボーっとして」
「あっ、いや。なんでも…」
俺がそういうや否や、美貴は俺の手を握った。
「…なんでもないよ」
10
聞きなれた音楽?が聞こえてきた。
聞きなれたメロディ。聞きなれた音。
美貴の鼻歌だ。
「その曲…」
「ん?」
美貴は鼻歌をやめて俺を見た。
「懐かしいな。その曲と…美貴の鼻歌」
「そう?」
美貴は調子に乗って、少し大きめに鼻歌を歌う。
その鼻歌が不意に途切れた。俺はつい美貴を見る。
「…今日はどうしたの?」
「なにがだよ」
「いきなり、『会えるか?』ってさ。ちょっとびっくりしちゃった」
美貴は悪戯っぽく俺を見た。
「…いいだろ。突然、会いたくなったんだよ。わりぃかよ」
「ううん。悪くない。悪くないよ、…でも」
「でも?」
「なんでミキなの?」
「なんでって、…さあな。わかんねぇよ」
「わかんないか」
美貴の顔が少し曇った。
「…俺たちってさ。物心付いた頃から一緒だったじゃんか」
「うん」
「家もたまたま隣同士でさ」
「うん」
「もしも…、もしも俺たちが隣同士の幼なじみじゃなかったら、どうだったんだろうな」
「……」
11
「今、俺の横に美貴はいないのかな」
「…そんなこと知らないよ。どうでもいいじゃん。美貴とあんたは昔から一緒だったんだから…」
「美貴はそう言うと思ったよ」
俺は少し笑った。
「でも、今は一緒に居ないじゃんか」
「なに?ひょっとして寂しいの?」
美貴はからかうようにささやいた。
「……朝起きて、窓を開ける。そこにさ、十何年見てきたものがないんだ。…美貴がいないんだよ」
「……」
「正直、寂しい」
自分でもびっくりするくらい、素直に言葉が出た。
「…情けない。かな?」
自分でもびっくりするくらい、美貴のことを思っているのに気付いて、俺は照れ隠しにまた笑った。
「そんなことない」
美貴は真剣な顔になっていた。
「…っていうか、ちょっとうれしい。あんたも、…あんたもミキと同じこと思ってたことが」
そう言うと、顔を逸らした。
「美貴も寂しかったんだ?」
「うん。…ちょっと。ほんのちょっとね」
なぜかちょっとおかしくなって、俺たちは笑い合った。
「ありがとな。今日、電話してくれて」
「…こっちこそ。ありがと、誘ってくれて」
美貴はそう言うと、またあの鼻歌を歌いだした。
俺は黙ってその音に耳を傾けていた。
12
「変わってないな」
いつの間にか俺たちは俺と美貴の家の前に来ていた。
「たった半年だもん」
「長い半年だったけどな」
「…もういいよ。その話は」
俺は自分の家の前で立ち止まる。
「今日は実家に泊まってったら?おばさんたちにも会ってないんでしょ?」
「ああ…」
「そしたらさ。明日、美貴が起こしてあげる。…明日の朝は寂しい思いしないですむよ」
「そうだな。泊まっていくか」
俺がそう言うと美貴はニコッと笑った。
「どう、やっぱり美貴のありがたみ。わかった?」
「ああ。身に染みたよ。……愛してるよ、美貴」
美貴の顔が一気に赤くなる。ボンッて音がするみたいに。
「なーんちゃって。ただのジョーダン。そんな顔するんだ」
「……」
ボスッ
お腹に強烈な一撃を喰らった。
「そんなジョーダン嫌い!!」
了
今回は小沢健二の『愛し愛されて生きるのさ』です
最近CM、よく流れてますねぇ
乙です
ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
流石としか言い様がない。最高です。
乙です 相変わらず上手いなぁ
GJ過ぎ
数週間後、少年は関係者席に座っていた。
遠路はるばる北海道の真ん中ら辺から何時間もかけて東京までわざわざ。
ただ1つゆりかもめを使ったのは間違いだった。高いし駅から遠い・・・
会場の前には美貴のファンであろう人たちでごったがえしていて、
入るのに何時間も並ぶのかなと初めて来たのでそう考えていたのだが、チケットを
見せると別口から入れてもらえて並ばず入れた。
プラチナというのも案外間違いではないかと少年は思った。
この何週間か来るか来ないか、かなり悩んだが結局次はいつになるかわからないと
言われたら来るしかなかった。
開演までまだしばらくあるし、寝てようかなと思い目をつぶろうとしたとき、
隣に女の子が座った。この夏場に帽子にサングラスをしていた。
「あ〜暑かった。」
そう呟きながら女の子は帽子とサングラスを取った。
そりゃそうだろ、9月とはいえまだ東京の気温は高しそう少年は思ったが、
帽子とサングラスをとった顔を見て、ああ、なるほどと意見が変わった。
だって、松浦亜弥だもん。
「ん?タンのお友達?」
亜弥が少年のほうを見て話しかけた。
一度周りを見渡してそこには二人しかいないことを確認して、さらに「俺?」と
亜弥に問いかけた。
「そうそう、君。君、美貴タンの友達なの?」
「ええ、まあ、友達つーか幼馴染つーか・・・」
「ああそう君が。」
何が君がなのかよくわからないがニコニコ、テレビと変わらない笑顔で微笑む亜弥
にとりあえず頷いた。
「なんで俺のこと?」
「さっき、タンの楽屋に遊びに行ったら、幼馴染が来るっていってたから。」
さっきから、なんでタンなんだよとツッコミたい気持ちを抑えて芸能人と
お話してるんだなあと思ったが、そういえば美貴だって芸能人かと苦笑した。
「何笑ってるんですか?」
「いや、松浦さんはゲーノージンなんですけど、美貴もそういえばゲーノージン
なんだよなぁと思って。」
亜弥は何言ってるのかわからず頭に疑問符を付けて首を傾けた。
「当たり前じゃないですか。売れっ子アイドルですよ。美貴タンも私も。」
自分で言うあたり美貴から聞いていたとおりの人だなと思い、少し面白かった。
美貴から亜弥のことや二人の仲は少しだけ聞いていたので、
彼女の性格や変な癖は知っていた。
「ほら、俺、美貴とは物心ついた時から一緒だから、なんだかそんな風に思えなくて。」
「ああ、私もよく言われますよ。昔からの友達に、『お前芸能人だったけ?』
って。失礼な話ですよね。バリバリ現役アイドルやっちゅーの。」
「そうですね。」それだけしか言わなかった。いや、言えなかった。
それから亜弥と少年は二人で昔の美貴の話や芸能界のことを話した。
それはお互いにとって知らない話。共通項は藤本美貴ただそれだけ。
やがてライブが始まる。
「美貴タンはすごいですよ。」
亜弥は一曲目が始まるとそう呟いた。
何がすごいのだろうと少年は思い亜弥を見た。わからないことを察したのか亜弥は
言葉を待たずして話し始めた。
「美貴タンを見ればわかります。」
亜弥の言ったとおりだった。
美貴はたった一人でこんなに多くの人の声援を受け、たくさんの照明に綺麗に照ら
され、たくさんの歌を歌う。
彼女は輝いていた。150センチそこそこしかない彼女は大きく見えた。
それは彼女の今までの二年間の努力の成果であり結果であり結晶であり、
それで手にした勝利なのだ。
「ね?すごいでしょ?」
そう、一言で言うならそれは凄い。
たしか、亜弥自身の応援メッセージが終わったあたりで亜弥はそう言った。
「焼肉武将が?」
「違いますよ。美貴タンの歌。」
「・・・そう・・・だね。俺の知ってるあいつとは別人みたいだ。」
「・・・タンは『藤本美貴』なんです。」
「『藤本美貴』・・・?」
当たり前のことを当たり前のように亜弥は話す。
しかし、それは彼にとってどうにも違和感があった不和感に襲われた不安感をかきたてられた。
自然なことのはずなのにひどく不自然でならなかった
「あっ!タンがこっちに手を振ってますよ。美貴た〜ん!」
亜弥は前に乗り出して美貴に手を振り返してる。しかし、美貴はこちらに手を振る
のを止めないので、おかしいなと思い、少年も軽く手を振る。
そうすると、彼女はニコッと笑い今度は別のほうに手を振った。
亜弥は落ち着くとさっきの話を続けた。
「・・・私が『松浦亜弥』であるみたいに。タンは『藤本美貴』で私は『松浦亜弥』。
だから・・・あっ!」
亜弥の言葉が終わる前に少年はその場から立ち去った。
会場を出て走ってひたすら走った。
そこには現実も意味も意義も正義も義理も理由も理想も思想も自由すらなく走った。
それは逃亡だった。逃亡するしかなかった。
白旗揚げて尻尾巻いて、敵に尻向けて一目散に脱兎のごとく逃げた。
闘争からの逃走。
人は圧倒的ものに直面したとき、戦う自由すら与えられない。
絶対的な完全敗北。相対的な無条件降伏。
亜弥が言いたいことは言わずともわかっていたこと。
二年前、彼女が自分の元を離れたときからずっと感じていたこと。
いや、どんどん膨らむ違和感。
藤本美貴は『藤本美貴』であると。『藤本美貴』は何万人からも愛される歌
手だ。だから、だからしょうがないんだ。
それは圧倒的なまでの現実。戦うことすら許されない事実。絶対的な真実。
―――――僕は現実がわかった・・・悲しいけれど
>>242 の続きです
あーこれでやっと半分・・・ホント無駄に長い
それに時間軸がムチャクチャwソロコンサートって確か春だったような・・・
エレカシさん乙です
いつも楽しみにしてます
乙ん
ヾゝノノノ_,ハ,_ヽ ソノノハヾ
Σゞ川;VvV)O ノノノノハ´ Д `*川
(つ ノ 从 * ^v) , と ノ)ソ
| | | ん ,., ,.,つ |
(_)_) 彡 `ー-´_ノ(_)
。ヾゝノノノ_,ハ,_ヽ 。゚
゚从;VvV从っ゚ <浮気したら殺す
( つ /
| (⌒)
(__)⌒^
。 ノノノノハヘ 。゚
゚从; ^∀ ^*っ゚ <助けてくれ〜〜〜!!!
( つ /
| (⌒)
(__)⌒^
エレカシさん相変わらずGJ!
>>280氏の今後もすげぇ気になる!! 朝から⊂⌒~⊃。Д。)⊃シアワセ
朝のうちから読めるなんて何たる幸運
でもおかげで今日一日⊂(´д`⊂⌒~⊃マンドクセ
エレカシさん、280さん乙です。
エレカシさんたまんねっす
280さんも良いっす
あややついに登場キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
ほ
ho
ze
ん
ho
ze
>>280 乙!
俺こういう文体凄い好きです!特に>279の真ん中から下の部分とか
続き期待してます!
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ほ
ぜ
ん
301 :
名無し募集中。。。:04/10/18 03:04:44
>>231 「○○様〜、キス上手・・・美貴と普段の練習の成果?」
「いや、美貴とは1,2回位した事ない。」
「はあ〜、そうっすか〜。」
「あの〜、一つ言いたいことが・・・」
「なんすか〜?」
「その・・・ゴメン!やっぱ無理・・・」
「はあ〜、何が無理なんすか〜。」
「その・・・後藤とセックスするの。」
後藤は鞄から煙草を取り出し火をつけ吸いだした
「○○様〜、ここまできて普通の男はあたしとセックスしたいんだと思うけど?」
「はあ・・・そうだよね。」
「ところで○○様〜、セックスした事あるの?」
「・・・」
「○○様〜、まさか童貞っすか?」
「違うけど・・・絶対、美貴に言うなよ。」
「○○様の頼みなら何でも聞いちゃうよ〜、あたし。」
「・・・一応あります。」
「○○様〜、一応ってなんすか〜?あたしよくわかんねえんですけど〜。」
「だから人並みにって事だよ。別に面白くないから言いたくないんだよ。」
「言いたくないならいいっすよ〜、○○様〜。」
「そうか・・・案外いい奴だな、後藤。」
「照れるっすよ〜、○○様〜。ところで美貴は大丈夫かな〜?」
「美貴に何かしたのか?」
「○○様〜、怒らないで聞いてね〜。」
「怒ると思うけど言ってくれ。」
「わかった〜、美貴が昨日・・・」
昨日の女子更衣室、美貴、石川さん、亜弥ちゃん、後藤の4人で着替えながら談笑していた
石川「みんな聞いて・・・この前、うちのクラスに矢口さんっているじゃん。あの人さ、大野君に告白したんだって。」
松浦「大野って、野球部の嵐の大回転魔球の人だよね。」
美貴「梨華ちゃん、わかった・・・で、玉砕したんだ矢口さん。」
石川「美貴ちゃん、先に言っちゃ駄目じゃん・・・でね、その理由が笑えるの。」
美貴「なに、なに?」
石川「『俺〜、ヤリマンは駄目なんだよね。お前、ヤリマンにしか見えない。』だってさ
それで矢口さんは次の日、髪の毛黒くしてまた告白したんだって・・・そうじゃないだろ?ってえの。」
松浦「あはは・・・石川さん、それひど〜い。」
美貴「梨華ちゃんって結構性格キツイよね・・・」
石川「だって〜、面白いんだもん。○○君には清純派の石川梨華ちゃんって事になってるからナイショだよ。」
後藤「大野君はあたしと何回かエッチしたよ。ヤリマンが嫌なんじゃなくて多分、矢口が嫌なだけだよ。」
シ〜ン
三人「・・・」
後藤「黙っちゃって〜、どうしたの、みんな?」
松浦「後藤さんてエッチした事あるの?」
後藤「30人くらいかな?今までヤッた数・・・」
美貴「後藤さんはあたし達と大違いだね。」
石川「あ!あたしは処女じゃないよ。(嘘だけどね・・・でも、もうじき○○君と結ばれるからね。)」
松浦「あたしは2人!美貴たん、どうぞ〜。」
美貴「美貴は処女だけど・・・悪いの、後藤さん?」
後藤「嘘だ〜。」
美貴「ほ、本当だよ!!」
松浦「美貴たんは○○君、一筋だもんね〜。」
美貴「う、うるさい!!」
松浦「美貴たん、顔が赤〜い。」
美貴「ね、熱があるのよ!!」
後藤「・・・で、その○○様ってバスケ部の人?」
石川「○○君はバスケ部のスーパーエースで、あたしの彼氏だから手は出さないでね。」
美貴「いつ、あんたの彼氏になったのよ!!」
石川「あたし、○○君とはすご〜くあつ〜いキスしてるんだから!!」
美貴「あんたが○○を誘惑したんでしょ!!」
松浦「美貴た〜ん・・・また、始まっちゃった。」
後藤「あの〜、亜弥ちゃんちょっといい?その2人の好きな○○様ってバスケ部のマネージャー・・・と」
松浦「えええ〜〜〜〜〜〜っ!?」
「・・・亜弥ちゃんに言ったのか?」
「○○様〜本当の事じゃん・・・でもごめんなさ〜い。有名だよ、○○様と高橋愛ちゃんは。」
「あああああああ〜〜〜〜〜っ!!」
「ど、どうしたんすか〜、○○様〜?」
「・・・いや、なんでもない。」
「高橋愛ちゃんはとりあえず置いといて続き、話しますね〜。」
「・・・よろしく。」
>>254 ゴマキのキャラが確かにむかつくだけのキャラなのでバカっぽく?して見ますた。
松坂・・・
乙
ほ
梨華ちゃんはそんな娘じゃないよ。.゜.(ノД`).゜.。
なんてねw
ほ
乙
こんな取り合いに巻き込まれてぇよ・・・orz
いちご100%みたい
311 :
名無し募集中。。。:04/10/18 15:52:25
美貴様
ほ
も
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
みきみき♪
ほ
っ
ぺ
よん
320 :
名無し募集中。。。:04/10/19 01:08:03
>>303 余談だが
/ノハヾヽ ノ从ヾヽ ノハヽヽ ノノノノハヽ
(^▽^ 从と川*‘ 。‘)と( ´ Д `) と川VvV从 か・・・
ノノノハヽ
川VρV从<○○、なによ。
美貴だけ、あきらかに胸が・・・
「○○様〜、なんでニヤけてるんですか〜?」
「・・・ヒミツ。」
松浦「美貴たん、石川さん、喧嘩はやめようよ〜。」
美貴「亜弥ちゃん、ちょっと黙って!!」
石川「○○君の事のなるとすぐムキになるんだから〜美貴ちゃんかわいい〜。」
美貴「誰が○○の事でムキになってるのよ!!」
石川「今、ムキになってんじゃん!!」
美貴「べ、別に美貴は○○なんてどうでもいいし・・・」
石川「じゃあ〜、○○君はあたしが貰うね。ん〜、どう誘惑しようかな。」
美貴「○○はあんたの誘惑に負けないんだからね!!」
石川「美貴ちゃんは色気ないからそうだけど、あたしは胸も色気もあるし・・・」
美貴「キモッ!梨華ちゃん・・・なんで自分の事、自慢するの〜。」
石川「あ〜わかった!美貴ちゃん、あたしに妬いてるの?」
ブチッ
美貴「もう、怒った!今日という今日はもう許せない!!」
石川「ち、ちょっと、美貴ちゃん!?」
パチ〜ン
松浦「み、美貴たん!?」
美貴「・・・」
石川「・・・う・・・ぐすっ・・・」
後藤「プッ・・・」
美貴「・・・なに笑ってるのよ。」
(・∀・)イイ!!
ほ
323 :
名無し募集中。。。:04/10/19 04:42:21
だめだこりゃ夜明け前保全
>>320 パチーン
美貴「い、痛っ・・・あんた、なにすんのよ!?」
松浦「い、石川さんまで!?」
後藤「フフッ・・・」
美貴「だからなんであんたなにがおかしいのよ。」
後藤「ん〜と・・・」
松浦「み、美貴たん!?危ない!!」
美貴「えっ・・・」
パチーン
石川「・・・」
美貴「ま、またっ・・・ぶった・・・」
石川「・・・み・・・美貴ちゃんが悪いんだから・・・」
パチ〜ン
美貴「・・・」
石川「・・・やったわね・・・」
パチーン
パコッ
パチ〜ン
バ〜ン
5分後・・・
松浦「もうやめてよ、2人とも!涙流しながらする事じゃないよ!!」
後藤「ふぁ〜・・・ねむっ・・・」
ノノ_,ハ,_ハヽ ノハヾヽ
川 ;VvV;从 ( ;^▽^; 从 <うるさい!!これは女の意地なのよ!!!
「ん〜・・・○○様〜、顔すげえ青いですよ〜?」
「・・・2人とも怖い女だな。なんで石川さんまで・・・」
「そうっすよ!じゃあ・・・○○様はあたしにしとけば〜?」
「・・・それは遠慮しときます。」
なんかギャグっぽくなったので美貴ちゃんがレイプまがいの事をされるのどうしよう?
立浪・・・
ho
ze
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ほ
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それから数日たって、少年は日常に戻っていた。
結局のところ彼女は『藤本美貴』で彼女の日常があり、自分には自分の日常がある。
あの日、あの場所から逃げても、それでも日常は進む。
そうやって少年は穏やか思い、強い夏の日差しを浴びながら下校しする。
北海道といっても結局夏は暑いものだ。
夕食を済ませ、部屋に戻り、机に向かう。受験生だ。
当たり前の高校三年生の夏だ。特に夢があるわけでもないがとりあえず、
それなりの大学に入って、卒業して、それなりの会社に入って、それなりの収入を
もらって、それなりの人と結婚して何人かの子供ができて、それなりに幸せな家庭
を築いて一生を終える。漠然とした未来。
誰もがとは言わないが、ほとんどの人がそうなるだろう。
たぶん、自分だってそうなるはずだし、そうなるために今勉強してる。
彼女はそんな普通とも呼べる毎日から未来から飛び出して、夢を追ったのだ。
それはひとえに生き方の違い。
漠然とした未来の中に彼女がいたらいいなと思う自分との違いだった。
そんな風に思うとひどく悲しくなって、シャーペンを置いて、窓から出た。
窓を出るともう夜だというのにやっぱり明かりのついてない窓があった。
窓は未来のように。突然消えてそして点かなくなった。
彼女は突然自分の未来の願望の中から消えて、そして点くことはない。
彼女への自分なりの思いはたぶん、ステージに立つ彼女を見て完全に消えた。
今も未来も自分の隣にはもう彼女はいない。いたらいいなという願望もなくなった。
彼女への思いと共に。
突然明かりの点くはずのない窓に部屋に明かりが点る。
「え?」
初め美貴のお母さんが点けたのかなと思うが、すぐに間違いだと気づかされた。
窓が開き制服姿の彼女が出てきたからだ。
「あっ!そこにいたのか。行く手間はぶけた。」
「なっ・・・なんで?」
これは夢か幻か、はたまた自分は頭でも狂ってしまったのだろうか?
「おーい、○○?大丈夫ー?」
何がなんだかわからないでいる少年に美貴が手を振っている。少年の目の前で。
現実なのだろうか?
「美貴・・・なのか?」
「他に誰だって言うのよ?ここ美貴んちの美貴の部屋だよ?」
「いやだって・・・」
「あんた、たかだか2年やそこらで大事な幼馴染の顔忘れたの?」
二年たって多少髪型が変わったって幼さが消えたって忘れるわけない。
そう言いたいはずなのに驚きで言葉にならない。
「あの・・・」
「ったく。ホント薄情なんだから。この前だって途中で帰っちゃったし。」
彼女は気づいていた。コンサートで帰ったこと。
「それは・・・ゴメン・・・」
「ホントはさ、一番最後の曲聞いてもらいたかったのにさ。見たらいないんだもん。」
「だからゴメン。でもどうしてここに?」
「んー休みもらったの。」
美貴は背伸びをしながらあっけらかんと言い放った。
「休みもらったって・・・それにその格好。」
「ああ、これ?美貴半年しかこれ着なかったからさ、どんなもかなって。
でも我ながら似合うと思わない?高校生みたい。」
「・・・どこが・・・どっかのキャバクラ嬢みたいだぜ。」
似合ってる。だってお前が歌手にならなきゃ今でもそれ着て一緒に学校行ってたんだぞ。
そう言いそうになるのを口の中で飲み込んで、実際口から出たのは悪態づいた言葉だった。
現実には存在しないはずのもう1つの現在。
彼女の選択によりわかたれた、である今とであった今。
「殴るよ?」
「・・・悪い。」
「あのさ、プール行きたい。」
「はあ?」
「だから、プール行くから今すぐ準備して。」
そう言うと美貴は部屋に引っ込んで行った。
――――どうしてこんなことするかな・・・
あきらめたのに。しょうがないって、もうどうしようもないって。
だってそうだろ?美貴は美貴の好きなことを選んだ。
漠然とした未来を確然たる今にした美貴と漠然たる未来すら失った自分とは
歩むべき道が交わらないのだから。
「遅い!もう、早く出てきてよね。下で待ってても出てこなし。」
今度は後ろから声が聞こえる。
「え?あっ、ゴメン。」
振り返るとやはりそこには美貴がいて、彼女はなんだか笑ってる。
「あんた、さっきから謝ってばっかり。もう、行くよ!」
美貴は少年の手を引き駆け出した。ドタドタと下段を降りて玄関に向かう。
玄関に着くと履き慣らされたスニーカーをトントンとやりながらそれでも、
二人の手はつながれたままだった。
家をでて、美貴は少年の手を引きまた駆け出す。
「なあ、美貴・・・どこ行くんだよ?」
「だから、プールって言ってんじゃん。」
「だから、どこの?」
「ガッコ!」
走りながらされる会話。それはまるで世界にはたった二人しかいないような感覚。
それはまぎれもなく存在する、である今だった。
「あーやっぱり閉まってる。」
「当たり前だろ。誰が開けとくんだよ。あきらめろよ、ほら帰るぞ。」
「やーだ、やーだ、泳ぎたい。」
お前は子供か。そんな気持ちになる。
「無理なものは無理。帰るぞ。」
「えー、あれ?でも、柵登れば入れるじゃん。んしょ・・・」
美貴は柵を登ってプールに入ってしまった。
「早くおいでよ。」
「ったく。しょうがない。」
少年も嫌々ながら柵をよじ登って結局入ってしまった。
美貴は少年が来たのをうれしそうに眺めると、へへっとわらって制服のままプールに
飛び込んだ。そして飛び込んだまま浮かんでこない。
「あっ!おい美貴!・・・美貴?」
「ぷはっ!驚いた?心配した?美貴がいなくなるんじゃないかって不安になった?」
突然浮かんできて、美貴はまくしたてて話す。
「してない。」
えーウソだーと笑いながら言って美貴は仰向けで顔だけ水から出してその場に浮いている。
「でもね、美貴は○○の前からいなくなったりしないよ。」
「え?」
それはひどく唐突だった。唐突で突発で突然で雑然で自然で不自然な台詞だった。
だから理解できなかった。唐突で狡猾さのない思いがけない重さのない言葉だから。
雲間から月明かりが漏れ出して、水に浮かぶ美貴をスッポトライトのように照らす。
そんな彼女を見てやっと理解する。
―――――そんなの卑怯だ。そんな言葉ズルすぎる。
君への思いはあきらめたんだ。君のために。君が大事にしてるもののために。
「あーきもっちイイー。○○もプール入りなよ。」
「どうして・・・どうして・・・」
「ん?」
美貴は泳ぐのをやめその場に立っていた。濡れた髪、頬をつたう雫、水浸しの制服、
水が美貴を濡らす。そのすべてが月明かりによってかすかな光を反射していた。
それはあきれるほど綺麗で、誤魔化しようのないほど善美で、どうしようもないくらい
艶美で、悲しくなるほど純粋で、何もかもを包み込むように壮美で、
まるで世界のすべてが自分を愛してるのだと、そう言ってるようだった。
綺麗なものは綺麗だ。
だけど、綺麗なものは綺麗でないものがあるから成り立つ。何かは何かの対比でしか基準がない。
何かを綺麗だと思うときそれは必ず何かを汚いと思うこと。
何かを肯定するとき必ず何かを否定するということ。
だからそれは――――
極論、何かを手に入れるために必ず何かを捨てるということ。
「なんで美貴は・・・そうなんだ?」
「そう?」
美貴の顔が曇る。彼の言いたいことがわからないから。
――――なんで僕はこんなことを言わなきゃならない?言いたくなんか本当はないのに・・・
「俺とは違うんだって、違う世界にいるんだって。なのにどうしてそんなこと・・・
やっとわかったのに・・・どうしてこんなに切ないか・・・」
「○○・・・」
「美貴は『藤本美貴』で歌手なんだろ?歌手でいたいんだろ?俺はわかってる。
わかってるさ。だから、もうやめてくれよ。もう嫌なんだよ、美貴の顔見るの。」
「ねえ・・・○○・・・」
美貴がゆっくり水を掻き分けて歩いて少年のほうに近づく。
少年は逃げるように拒むように後ろ向く。
「こっち来るなよ。」
「なんで・・・?なんで?」
なんでって・・・それは君が出した答えで僕が理解した答えだから。
君が歌手になりたいと願うなら僕は喜んで自分の気持ちを捨てよう。
君の願いを肯定するためなら僕は喜んで何もかもを否定しよう。
それは君の願いが僕の手に入れたいものだから。
手に入れたい手に入れたくない捨てたい捨てたくない触れたい触れたくない
抱きしめてたい抱きしめたくない愛したい愛されたくない・・・伝えたい伝えない。
「俺は帰る。美貴も東京早く帰れよ。事務所の人とか心配してるんじゃねぇの?」
「それは・・・」
「なあ、もういいだろ?美貴が歌手でいるために俺は必要なんかないし、てか邪魔じゃん。
俺はさ、お前にずっとそばにいてほしいて思うんだぜ。
きっと歌手辞めて俺だけを見て欲しいって願うんだぜ。邪魔じゃん。ウザイじゃん」
「待ってよ。お願いだから。お願いだから美貴の話聞いて。」
美貴の言葉はひどく弱弱しくて今にも泣き出しそうな声だった。
しかし振り返ることはなかった。それでも立ち去ることはしなかったのは、
はっきりとした絶望がほしいのか、微かな希望があるからなのかはわからない。
「なんで、そうやって一人で勝手に決めて勝手にいなくなるの?コンサートの時だって
勝手に帰っちゃうし。」
「あれ見て美貴のことわかったから。」
「違う。わかってない。美貴の幼馴染のくせに何にもわかってない。亜弥ちゃんは
わかってたよ美貴の気持ち。」
亜弥、彼女が美貴の気持ちをわかっているというのならそれは自分が正解ということだ。
あのときの彼女の言葉は自分と同じ。つまり美貴と同じということなのだから。
美貴は『藤本美貴』。だから・・・
「ならやっぱり、俺の考えは間違いじゃない。」
「ううん。間違ってる。全然わかってない。」
無性に苛立つ。いい加減にしてほしい。はっきり言って不快だ。
これ以上何をわかれというのだ。わかってないのは彼女のほうだ。
今まで振り返らなかったのに、苛立ちのせいで少年は思わず振り返ってプールに近づく。
気がつくと美貴もプールサイドまで来ていた。
君は僕を見上げる。
僕は君を見下ろす。
月明かりの中で、一瞬の静寂が場を満たす。
地球の自転が止まったなら多分こんな感じだというような静けさ。
静寂は打ち破られる。
「わかってないから、美貴がはっきり言ってあげる。
美貴はあんたが好きなの。○○がなにより大切。オーケー?わかった?」
再び静寂が場を満たす。彼女の顔は朱に染まっていた。
自分もたぶん彼女に負けず劣らずだろう。
結論が出た。わかってないのも間違ってたのも自分だ。
「○○が嫌なら美貴歌手辞めるよ。そのつもりだったんだ。ていうか○○と一緒にいたい。
だから、最後のコンサート見てほしかたったんだ。どうしても。」
「なっ!?」
「だってさ、○○に好きになってほしくてさ歌手になったし、○○がいないんじゃ
意味ないじゃん。あれ?覚えてない?小さい頃言ったじゃん。
美貴ちゃんが歌ってるとこ好きだって。あっ、でも仕事は好きだよ本当に。」
「そんな理由で?」
「そんな理由って言うな!ものすごい悩んだんだからこれでも。
だってさ、歌手になるのはいいけど○○と一緒にいられなくなるじゃん。」
彼女は彼に喜んでほしくて歌手になりました。彼と共に過ごす日常を捨てて。
彼は彼女の願いをかなえるために自分の気持ちを捨てました。
結局二人の贈り物は意味を持ちませんでした。
でも、そんな互いを思う気持ちが最高の贈り物。そんな綺麗な物語。
だけどこの物語はそんな綺麗なものじゃない。
「俺のために辞めるとか大迷惑。」
「やだ。歌手は辞める。○○のために!」
なんて強情張りな。
「だから、迷惑だっての。ていうか、俺が美貴のこと好きじゃなかったらどうすんだよ。」
「はあ?」
はあ?って・・・
その自信はいったいどこから・・・
「好きじゃないわけ?信じらんない!美貴がこんなに好きなのに。」
美貴はそう言ってまた顔を染める。
美貴が好きだと言うのはだいぶ勇気がいることらしい。それを口を滑らせて言って
しまったのだ。それは間違いなく疑いようもなく誤魔化しようもなく
まぎれもなく彼女の本心なのだろう。だったら、こっちも本心で返してやるのが筋って
ものだろう。別にその筋の人じゃないけど。
「ていうか、好きじゃないし。」
「・・・なら、もういいよ・・・。」
「ていうか、愛しちゃってるから好きじゃないし。」
愛してるから好きじゃない。矛盾という言葉が似合う台詞だった。
しかし、間違いなく疑いようなく誤魔化しようなくまぎれもなく本心だった。
彼女のことは昔は好きだった。これは結構自信がある。
でも、今は好きじゃないと思う。それは愛してるから。
愛しちゃっているから彼女と一緒にいることをあきらめられる。
好きじゃないから彼女の幸せを一番に考えられる。
ひどく矛盾しているようでそれでも素直な気持ちだった。
「だから美貴には夢も全部好きなようにやってほしい。それが俺の今の本当の願い。
そういう美貴でいてほしいし、そうするべきだから。」
「・・・ならしかたないかな。」
二人は何一つ捨てずに大切なものを手に入れました。
いや、何一つ否定せず捨てないからこそ手に入れられた大切なもの。
現実には何一つ変わらなかったもの。
それは結局ゼロになる物語。物語にならない物語。
この物語は賢者の贈り物みたいに綺麗な物語にならなかったけど、
でも、きっと素敵な物語。
嬉しいのも、楽しいのも、悲しいのも、辛いのも、切ないのも
全部自分のことだから素敵なんだ。
何かを手に入れるために肯定するために、何かを捨てたり否定するのは簡単だし楽だ。
でも、何かを捨てなければ手に入れられないものなんて本当に大切には出来ない。
何かを捨ててまでいける所なんてどこにもない。
何もかもを抱え込んで、それでも大切な何かを守ることは容易じゃない。
でも、何もかも捨てないないから大切に出来る。後悔しない。どこにだって行ける。
「俺が東京の大学受けるから。それで一緒にいられる。」
「バッカ、落ちたらどうすんのさ?」
「そんときはそんとき。」
そしたら、今度は二人で考えよう。誤解やすれ違いがないように。
最高の贈り物なんてまっぴらゴメンだ。最高じゃなくても、素敵な贈り物がある。
「ああ、そうだ。亜弥ちゃんからの伝言。」
「伝言?」
「人の話しは最後まで聞け。って言っといてだって。」
「ああ、ゴメンって言っておいて。」
「それと、だから『松浦亜弥』は私なんです。だって。意味わかんないね。」
思わず苦笑する。
つまり、それは『藤本美貴』は美貴であるというのだろう。
―――――なるほどね。そうきたか。
やっぱり、わかってないのも間違ってたのも自分だった。
美貴は『藤本美貴』で『藤本美貴』は美貴であると。
それはまぎれもなく普遍の事実。そして疑いたくなるような不偏の真実。
それでも誤魔化したくない不変の現実。
逃げる必要も意義も意味も理由すらなかったのだ・・・
だって戦う必要のない彼女からの素敵なプレゼントなのだから。
Do you want the best present?
No,No,I wish …
ということで
>>279からの続きでラストまでです
我ながらに無駄に長い・・・最後はどうしても転結一気にいきたくてこうなっちゃいました。
さて、その後二人がどうなったかはわかりませんw
乙
いいよ。うんいい。
乙です
凄くよかった
良いよ。凄く(・∀・)イイ!!
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
最高
深い
正直漏れには難し過ぎて意味不明
2chで初めてじっくり読んだ。良作。作者乙。
スゲーいい!激しく乙!
「ねぇ聞いてる?」
「あ?ごめん」
「もう…」
美貴はほっぺをプクッと膨らませて怒ってみせた。
だめだこりゃ
激乙!
ナレーターは森本レオあたりを。w
乙!
ほ
>>347 こういう力の入った作品ほど作者は忌憚のない意見を求めてると思う
だから素直に感想を言わせてもらう
各所に見受けられる言葉遊びだが、これは作者の味としていいとは思う
しかし読む人によって、良いか悪いかは分かれると思う
ちなみに俺はうざいと感じた
その他の文章や話しの筋、キャラ作りなど、そういったものも極めて平凡だし、
これといったものもないね
それと一番ダメな点
小説全体から「俺を褒めてくれ」オーラが出てる
「俺はこんなにすごいんだ」「どうだ俺の小説はすごいだろう」
こんな言葉が小説全体からにじみ出てる
こういう「俺を褒めてくれ」オーラの作品は極めて若手に多いんだけど、特に20前後に多いね
まぁこれからもがんばってね
出版させませんよ
ションナ!!
>>361は他の作品も読んでるの?
あえてこの作品にレスつけたってことはそれだけ買ってるってこと?
366 :
名無し募集中。。。:04/10/20 01:26:37
作家さんがんばれ保全
言葉遊び俺は大好きだな凄い好き
特に褒めてくれオーラとかは感じなかった
たぶん文体が嫌いだからそういうふうに感じたんだろ
ってかこの感想には「俺はこんなにすごいんだ」オーラが溢れ出てますね
特に20代前後に多い。
まあこれからもがんばってね。
369 :
名無し募集中。。。:04/10/20 02:53:45
じゃあ・・・
「この子〜、処女なんだって?」
「ケケケ、マジかよ・・・いいねえ〜処女。」
「なによ・・・こっちこないでよ。」
「ケケケ、こいつ怯えてるぜ。そうだ・・・後藤2人でこいつ、ボコッて処女奪っちまおうか。」
「いいね〜、さんせ〜い!!」
「後藤!俺がこいつを後ろから抑えるから後藤は服とか脱がしちゃえ、ケケケ。」
「・・・や、やめて!!」
「るせえ!静かにしろや!!」
ドゴッ!!
「あ〜、ひど〜い。婦女暴行だよ〜。」
「ケケケ、脅せばいいんだよ・・・こいつ、どんな体してんだ?俺、起ってきちゃったよ。」
「脅迫罪も追加で〜す。」
「後藤、いいから脱がせろよ・・・」
「は〜い・・・まず、上からいきま〜す。」
【レイプ中、不適切なので自主規制】
「見たいな事はなかったんだよな?」
「ん〜、美貴に別になんもしてないっすよ。」
「ほっ・・・よかった。」
「○○様〜、美貴たちレイプする計画をあたし練ってたんですが・・・どうしたらいい〜?」
「それはやっちゃ駄目。」
「は〜い!あたし、愛する○○様の言う事だから聞きま〜す。」
「・・・ところで後藤、お前キャラ変わってない?」
「ギクッ!?・・・き、気にしちゃ駄目っすよ。」
「俺は別に気にならないけど気になる奴だっているんだよ。」
「昨日のあたしと今日のあたしを一緒にするな!っていう事ですよ〜。」
「まあ、よくわからんけど・・・俺だって美貴が1番好きな日もあれば石川さんが1番好きな日もあるしな。」
「男なんてみんなそういうもんですよね〜。あたしは『マキ、愛してるよ。』って言われても素直に喜べないし
お前は今、ここにあたしよりタイプな女が現れたら少しは気持ちも動くだろうって言うんだよ!!」
「そうだな、俺は少しならずかなり気持ちが動くね。古き幼馴染より新鮮な出会いってよ。」
「○○様〜、この出会い運命じゃねえっすか〜。」
「そうかも、俺も薄々感じていたんだ。」
「そうっすか〜、○○様〜とりあえずあたしはセフレからでもいいよ。」
「すまん、俺はじっくり女を落とすタイプなんだ、後藤・・・」
「○○様〜、そんなのめんどくせえっすよ。とりあえず1回ヤっちまえばいいんですよ。」
「聞け後藤!!お前のやろうとしている事はガチャガチャで言えば『ワンピースのチョッパーが欲しいな〜でも専門店に行けば480円で買えるし、なに当るかわからないし
ウソップとかいらないしやる必要はないな。よし480円で買おう。』って言ってるようなもんだ。」
「○○様〜、どういう意味?」
「つまり、わくわくドキドキ感がないんだよ!!」
「・・・?」
「ガチャガチャの面白さは何が出るかわからないからだろ、2000円使いようやくチョッパーが出る感動がお前にはわからないのか!?」
「○○様〜、なんとな〜くですがわかりました。」
「後藤・・・わかったのか?」
「なんとなくですけどね・・・ところで○○様は美貴の事、忘れてないっすか?」
その頃、美貴は
「は、離せよ!お前、ど、どこ触ってんだよ!?」
「勝気な子、俺は大好きなんだよ。処女ちゃん・・・最初はキスぐらい俺としようね。」
「や、やめて!お願い・・・」
「あ〜・・・泣いちゃった。王子様のキスで慰めなきゃ。」
「い、いやああああ〜!!(○○、助けて!!!)」
乙〜
ho
>>371 すこしアホ臭くなってきたなw
でもいいと思う。がんがって。
ho
「もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら」がもしも本になって出版されたら
UFAがぼろもうけ
全部載せたら何ページくらい行くんだろうね
とてもじゃないけど載せられない作品も多数あるw
エロ系はだめだな
ショミキとか絶対載せられないだろ
ミキティの目に留まってキモッって思われるだけ
最近は長編が多いから本にはしやすいかもしれんな
386 :
名無し募集中。。。:04/10/20 13:58:55
>>370 あんなに憎たらしい後藤が無性に可愛くなってきた
作者乙
387 :
名無し募集中。。。:04/10/20 13:59:28
あんなゴミ屋敷が隣なんていやだよ
>>370 「○○様〜、昨日いた男いるじゃないっすか。」
「後藤・・・あの喧嘩の強そうな奴か?」
「愛しの○○様のために捨てちゃった。」
「捨てちゃったって・・・いいのか?」
「飽きちゃった・・・あいつのセックス自分勝手で愛がないもん。それに『美貴を襲って○○を悲しましてやる』と言ってました。」
「俺って恨まれやすいのね・・・男から。後藤、なんとかならないか?」
「あいつは正直見掛け倒しっすけどね・・・美貴の力なら何とかなるんじゃないっすか?」
「でも、居場所がわからねえし・・・」
ガラガラ
「あ!?○○先輩に後藤先輩、ここでなにしてるんですか?」
放送委員の紺野が不思議そうな顔でやってきた。ちなみにうちの部のマネ高橋の親友でよく試合も観に来てくれる
「コンコン!?どっかで美貴、見てない?」
「○○先輩には言いにくいんですが柄の悪そうな男の人と一緒でした。」
「○○様〜・・・あいつだ。」
「先輩・・・」
なんとかしなきゃ・・・美貴が・・・くそう。助けたいけど、美貴が何処にいるかわかんねえし・・・
ん?・・・でもここは放送室だよな、そうだ校内放送で・・・
\ | /
― (m) ─ ピコーン!
目
「閃いた!二人とも協力してくれ、時間がない!!」
キンコンーカンコーン
「放送委員の紺野です。○○先輩よりガサツで横柄な藤本先輩にメッセージがあるようです。」
「後藤・・・お前の気持ち俺に伝わった。」
「○○様〜、わかってくれました〜。」
「後藤、ヤリたくて仕方ないここでエッチしょう。」
「○○様〜、美貴の事はいいんですか〜?」
「ああ、俺は別にあんな女どっちでもいいよ。」
「○○様〜、素敵で〜す。」
「いつまでたってもセックスさしてくれないし、たいした体でもないくせにお風呂覘くと怒るし
全然乳ないからいつもパット入れてるし、そのくせ見栄張ってFカップとか言ってるし・・・まあ、そういう訳だ。
美貴、聞こえてる?俺は俺で楽しくセックスするんで美貴も勝手に楽しんでいいよ。」
「○○様〜、そんな事よりあたしとセックスし・よ・う。」
「あんな女の事は忘れて、今あるセックスってか?言うねえ、お嬢さん!!っていう訳だ」
「ケケケ・・・愛しの○○様もああ言ってる事だし俺たちもセックス・・・え!?」
「○○、殺す・・・」
美貴はおもいっきり男の股間を蹴り上げた・・・痛みは言うまでもないだろう
「え!?ぐ、ぐぎゃあああああー!!」
「おいコラ!!放送室ってどこにあるんだ?言わねえと・・・てめえのちん○踏み潰すぞ!!」
「め、目が本気ですね。僕はこの上の階だと思うんですけど・・・ケケケ・・・・」
「・・・あっ、あっ、○○様〜、すごい駅弁うま〜い!!」
「後藤、もう逝きそう・・・あ〜〜〜。」
「○○のバカ!!」
バキッ・・・グリグリ・・・
「ぎゃあああああー!!ち、ちん○がーーー!!」
男は股間を蹴り上げしかも足でちん○を容赦なくえぐられ、鬼を見取りながら男は天に召された・・・
>>389 乙。かなり趣旨変わってきてると思うが漏れはこういう雰囲気の方が好き
俺もー
ほ
面白かったよ
乙〜
ho
ze
美貴様ガクガク((((;゚Д゚)))ブルブル
新作です。
1
夜の街を俺は必死で走っていた。
秋になってだいぶ肌寒くなって来たのに、汗で髪の毛がおでこに張り付く。
腕も背中も汗まみれだ。
駅前にも、公園にも、コンビニにもいなかった。
俺は立ち止まり、ポケットから携帯を取り出してボタンを押す。
もう何度目だろう。今度こそ出てくれ…。
たっぷり十回ほどコールの音が続き
「ルスバンデンワセンターデス…」
無機質な声に変わった。
「ったく、どこ行ったんだよ…」
見えない誰かに悪態をつきながらも、また走り出した。
三十分前。
隣の家から大きな声が聞こえていた。
最近、美貴と美貴の親父さんの折り合いが悪い。
俺の前では平気なふりをしていた美貴だが、その顔はやっぱり冴えていない。
ああ見えて、あいつは家族をとても大切にしてたから…。それなりに心を痛めていたんだと思う。
今日も少し暗い顔で俺の部屋に来て、全然関係のない話をして帰っていくんだろう。
と思っていたのに…。
「もういい!!」
美貴の叫ぶような声が聞こえてきた、
俺は窓の外を見る。美貴が玄関から出て行くところだった。
美貴は上目遣いに俺を見ると、なにか言いかけて…そのまま走ってどこかへ行ってしまった。
「おっ、おい!」
俺は急いで階段を降り、外へ飛び出した。
そこには美貴のお母さんがいた。
「…とりあえず、俺が行きます。おばさんは待っててください。美貴から電話あるかもしれないんで…」
心配そうな顔を俺に向ける美貴のお母さんにそう言うと、俺は走り出した。
2
張り切って『俺が行きます』って言ったのに、俺はまだ美貴を見つけられないでいた。
こんな田舎じゃマンガ喫茶も、インターネットカフェもない。
それどころか二十四時間営業してるところはコンビニくらいか。
泊まれるところがないとしたら、やっぱ友達の家か…。
大ごとにはしたくない。
その思いから俺は美貴の友達連中に連絡するのをためらっていた。
そんなことも言ってられないか…。
俺は携帯を手に美貴と仲のいいやつの番号を探した。
その時。
携帯が鳴った。俺は間髪入れずに出る。
「美貴か!?今どこだよ!」
「……」
「おいっ!!」
「…わかんない」
「わかんないってなんだよ!」
「…電車に乗って、気付いたらここ。**駅って書いてあるけど…」
「**駅?すぐ行くから、待ってろ!」
「でも…。もう、電車ないよ」
「なっ!」
俺は時計を見た。美貴の言うようにもう終電は出ている。
「…車で行くから」
「でも、…あんた免許取ったとこでしょ?」
「取ったとこってことは、もう運転できるってことだよ」
「……ゴメンね」
「謝るのは後だ」
俺は急いで自分の車のある駐車場へ走った。
3
「わりぃ。遅くなった。ちょっと道に迷っちゃって…」
美貴はスポットライトのような街灯の下、プラスティックのベンチに腰掛けていた。
「遅いよぉ」
立ち上がり、小走りに近付いてくる。
「遅いよじゃないよ…ったく」
「…ゴメン」
「もういいよ。…寒くないか?」
美貴は秋口にはふさわしくないほど薄着だった。
「ちょっと。飛び出しちゃったから…」
俺は上着を脱いで美貴にかけた。
「ありがと。あったかい」
俺は車の扉を開けた。
「あれっ?この車…」
「そう。叔父さんに安く譲ってもらったやつ。三日前やっと来たんだ。駐車場離れてるから気付かなかっただろ?」
美貴はそのちょっとボロいその軽自動車を眺めた。
「なんで教えてくれなかったのよ。車が来たこと」
「…最近お前、元気なかったから。そんなこと言える雰囲気じゃなかったし」
美貴はちょっとうつむいた。
「ビックリさせたかったってのもあるしな。…どうした?早く乗れよ」
「ミキ、帰んないよ。帰りたくない」
俺は大きくため息を吐いて
「いいから入れよ。寒いだろ?」
無理やり美貴を助手席に乗せた。
4
エンジンをかける。しばらくして暖房が効いてきた。
「…とりあえず、家に電話しろ」
「…でも」
「なにがあったかは知らないし、聞こうとも思わない。けど、ホントにこのままでいいのか?」
「……」
「今まで、俺とお前は数え切れないくらいケンカしてきた。でも最後には仲直り出来たじゃないか。おじさんとも、出来るだろ?」
美貴はなかなか電話しようとはしなかった。
「…わかった。じゃあ、おばさんに連絡しろ。おばさん心配してたから」
美貴はゆっくりと、でもしっかりうなずき、携帯電話を取り出した。
「…もしもし。お母さん?…わたし」
俺は狭い運転席で美貴に背を向けて、窓の外を見ていた。
ここからの会話は美貴も聞かれたくないだろうし、俺が聞くべきではないと思ったから。
しばらくすると俺は背中をつっつかれた。
振り返ると美貴が
「…お母さん。あんたと話したいって」
携帯電話を俺に差し出す。
「もしもし。…はい、俺です。…いえ、大丈夫です。あの…。本人、ちょっと帰りたくないとか言ってるんです」
美貴は少し心配そうに俺を見ていた。
「だから、適当に時間つぶして、落ち着いてきたら責任持って帰らせますんで…」
今度は少し複雑に笑い顔を作る。
「はい。…大丈夫です。…はいどうも」
俺は電話を切り美貴に返した。
美貴は黙ってこっちを見ていた。
「で、どこ行きたい?」
「…どこでもいいの?」
笑いかけながらうなずく。
「じゃぁ。…海」
「海…か」
俺はサイドブレーキを下ろしギアを入れた。
5
季節外れの海。当然のように周りに誰もいない。
俺は車を路肩に止めた。
「着いたぞ…、降りようか」
ドアを開けると、磯のにおいが鼻をくすぐる。
俺たちはコンクリートで出来た、塀の上に腰掛けた。
規則的な波の音。
足元には砂浜。視線を先に延ばすと真っ黒な海と真っ暗な夜空。海と空の境目もあいまいだ。
「寒い?これ、返そうか?」
美貴は肩にかけていた俺の上着を脱ぎかける。
「いいよ。お前が着てろ」
そう言って美貴の髪を撫でた。
「……ミキが悪いんだよ。多分」
美貴は海を見ながら口を開いた。
「ミキってさ、言いたいこと、はっきり言っちゃうじゃん。だからお父さんのこと怒らせちゃったんだと思う」
「……」
「こんな性格。直したほうがいいのかなぁ…」
「…それはちがうよ」
俺も海に視線をあずけたまま口を開いた。
「そこは、美貴のいいところだよ。確かにケンカしちゃうかもしれないけど、我慢し続けるより全然いい。と俺は思う」
美貴がこっちを向く気配がする。
「今まで、俺たちだっていっぱいケンカした。ケンカした直後は『なんだこいつ』って思ってたけど…」
「……」
「俺は美貴のこと嫌いになったことは一回もない。仲直りできなかったこともない。そうだろ?」
美貴は少し照れくさそうにうなずいた。
「おじさんのことだってそうだよ。美貴はおじさんのこと嫌いなわけじゃないだろ?」
「…うん」
「だったら、いっぱいケンカしたらいいんだよ。どうせ、仲直りできるんだから。それに…」
「…それに?」
「ケンカも出来ないなんて、つまんないよ」
俺がそう言うと、美貴はゆっくり俺にもたれかかってきた。
美貴の温もりを感じた。
6
「そろそろ帰るか。寒くなってきたし」
俺は車に戻った。美貴も助手席に座る。
俺がエンジンをかけようとすると
「…ちょっと、ちょっと待って」
美貴が俺の腕をつかんだ。
「…どうした。まだ、帰りづらいのか?」
「ううん。…お父さんに会うのはもう平気」
そう言いながらも俺の腕を離さない。
「だったらなんだよ…」
「…もうちょっと、一緒にいよ」
美貴はチラッと俺を見た。
「…あ、あぁ」
少し緊張してきたのをごまかすために、俺はカーラジオをつけた。
スローバラードが流れていた。
「あんた、寒くない?」
美貴がまた俺の上着を返そうとした。
俺は少し考え、それを受け取ると後部座席に置いていた毛布を美貴に渡す。
「あったかい」
美貴は毛布をかぶると、助手席のリクライニングを下げた。
俺も運転席のリクライニングを下げる。
美貴から返してもらった上着を布団代わりに自分の体にかけ、薄汚れた車の天井を眺めていた。
二人とも何も言わない。
不意に美貴が俺の左手を握ってきた。
それでも俺たちは何も言わなかった。
カーラジオからは、スローバラードが流れていた。
7
「…うぅ。ううん」
俺は自分の声で目を覚ました。いつの間にか眠っていたらしい。
起きるのがもったいなくらい、いい夢を見ていた。
ふと手を見る。俺の左手は美貴の右手としっかりとつながっていた。
淡い光りが美貴の顔を照らす。
美貴の顔は優しく、そして幸せそうな笑顔を作っていた。
多分、さっきまで俺もそんな顔をしていたんだろうと思うと、少し笑えて来た。
…待てよ、淡い光りって…
俺は跳ね起きた。
「美貴!起きろ、朝だ!」
急いでリクライニングを戻す。
「…ぅう。…なによ」
美貴は起き上がり、のんきにまぶたをこすっていた。
「寝ちまってたんだよ。もう朝だ」
言いながらシートベルトをする。
「ふぁああ〜。…いいじゃん、今日、日曜でしょ?」
「あっそっか。…でも俺、お前とこのおばさんに、責任持って帰らせるって言っちゃたし…」
「いいって。電話するから。…でも責任はちゃんととってよ」
美貴はまた寝転ぶ。
「…なんか言ったか?」
「なんでもない。ちょっと眠いから寝かしてよ」
そう言って目を閉じる。
「気持ち良さそうに寝てたもんな。どんな夢見てたんだ?」
「いいでしょ、どんなんでも。…あんたは?いい夢見れた?」
毛布に包まって、俺を睨むように見る。
「ああ。いい夢見れたよ。…多分、お前と同じ夢だ」
俺はシートベルトをはずすと、またリクライニングを下げた。
美貴と視線が並ぶ。
「…ばかぁ」
美貴はそう言うと毛布をかぶった。
了
RCサクセションの『スローバラード』です
清志郎乙!
いいっすね乙
イイ!
いやもうなんつーかタダで読ませてもらってんのが申し訳なくなってくるな
その時カーラジオから流れていたのはビートルズのイエスタデイ
すんばらすう。
どうしてこんなにすばらしい作品がかけるのだろう
乙!
毎度乙です
てか素晴らしいの一言に尽きますわ
好きな曲で書いてくれるとなんか照れ臭いね
今の二人には悪い予感のかけらもないのか・・・
も・・・もぉ・・・え・・・エレカシさぁん!
す・・・好きだぁぁ!!
ほ
>>389 「ん〜まいう〜、どうして滝川駅の弁当はこうもうまいんだろ〜。」
「○○様〜、あたしはここの駅弁食ってる時が1番しあわせなんですよ〜。」
「コンコンは弁当、食べないのか?めちゃ×2うまいよ。」
「○○先輩、気持ちは嬉しいんですが・・・太るから。私、太りやすい体質なので・・・」
「ダイエット中なのコンコン?・・・勝手な意見だけど、言わしてもらっていい?」
「先輩の意見、お願いします!!」
「お・・・おお、その最近の女の子はコンコンも含めてみんな痩せていて胸が大きくて足が長いのがいい女だと思ってないか?」
「それがパーフェクトな女のスタイルじゃないんですか・・・それとも先輩、違うんですか?」
「○○様〜卵とじ貰うね〜・・・ん〜おいし〜〜〜。」
「・・・まあ、世間全部の男がそうとは限らないが。少なくとも女は愛嬌がないと駄目だな。」
「先輩、愛嬌・・・ですか?」
「ほとんどの男はまず君たちがいいと思う女は好みじゃない。じゃあ誰がかわいいと思うんだ?」
「あゆと柴咲コウに長谷川京子・・・先輩はかわいいとは思わないんですか?」
「済まない・・・俺は少なくとも、なんとも思わない。」
「先輩、少しおかしいんじゃないですか?みんなかわいい、かわいいって・・・」
「だから・・・男と女の感性は違うんだよ!!」
「コンコンはどう思う・・・フジテレビの内田アナウンサーを?」
「別になんとも・・・思いません。」
「そこだ!!コンコンはフジテレビの内田アナをかわいいとは思わない!!」
「一体どういうことですか?」
「コンコン、内田アナのニックネームを言ってみろ!!」
「ウッチーでしたっけ?」
「そう、ウッチーだ!!わからないか?」
「全然意味がわかりません。」
「ウッチーと気安く呼べるだけの愛嬌が彼女にはあるのだ。長谷川京子にニックネームはあるのか?」
「え〜と・・・長谷川京子。」
「長谷川京子にニックネームがないだろ!!愛嬌がないからだ!!」
「○○様〜、ハセキョーですよ・・・長谷川京子のニックネーム。」
「・・・ふ〜ん。」
「先輩!!」
「でも柴咲コウにはニックネームはない。違うか?」
「・・・そうですけど。」
「男は柴咲コウや浜崎あゆみとセックスしたいとは思わない?なぜかわかるか・・・」
「それは先輩の勝手な意見です。」
「いや違うな、男は彼女たちに魅力を感じない。やはり愛嬌がないからだ。」
「じゃあ、愛嬌ってなんですか?」
「愛嬌とは例えば内田アナから溢れるほのぼのした雰囲気それに時折繰り出すボケに男は安心して惹かれるんだ。」
「先輩が内田アナのファンなだけじゃないんですか?」
「俺はテレ朝の武内アナのファンだ。そ、それは違う!!」
「○○様〜、なんだかだんだん話が矛盾してきましたよ。」
「そう、ウッチーはとりあえず置いておき。今は美貴の事だ。」
「○○様が紺野と言い争ってる内に・・・美貴、もう来ているよ。」
「○○!!さっきから聞いてりゃウッチー、ウッチーって美貴の事、心配じゃなかったの・・・」
「○○様〜!!」
「先輩、頑張って!!」
美貴も俺もマジモード・・・なんなんだこの雰囲気は美貴に告白でもしろと言うのか?
(紺野、放送室のマイクまたオンにしようかと思うんだけど。)
(後藤先輩、私も賛成です。こんな優柔不断な○○先輩にはお仕置きしなきゃいけませんよね。)
「みんな心配したから・・・美貴がここにいるんだろ?」
「○○、じゃあなんで美貴を助けに来てくれなかったのよ!!」
「美貴は昔から俺が他の女の子と仲良くしてたら見境なくなるだろ?」
「それは・・・その・・・」
「美貴はヤキモチ焼きだからなそれを利用したんだ。だから襲われずにすんでここにいるんだろ?」
「でも・・・胸、触られた。」
「み、美貴・・・じ、冗談きついなー。み、美貴の体なんて、お、俺以外は誰も興味ないだろ・・・」
「なに動揺してるのよ。○○らしくない・・・」
「そ、それがマジならとりあえずそいつぶっ殺してやる・・・み、美貴どこにいるんだ!!」
「○○・・・嘘よ。や〜い、○○ひっかかってやんの〜。」
「はは・・・ははは・・・あはははは、嘘か!!あはははは・・・」
「でも、○○が心配してくれてよかった・・・美貴が他の男にキスとかされて○○が平気だったらぶん殴ってたよ。」
(2人が仲良くていいんだけど紺野・・・あたし、なんかだんだんムカついてきた。)
(後藤先輩、私も同じです。○○先輩と藤本先輩なんかムカつく。)
(あたしも本気で恋愛しようかな?)
(○○先輩・・・)
(紺野・・・なんで泣きそうなの?まさか、○○様の事・・・)
(・・・そ、そんな訳ないじゃないですか!?や、やめてくださいよー。)
(紺野、顔が赤いよ・・・やっぱり図星だニャ。)
(・・・)
先輩・・・胸が苦しいです。でも悔しいけど藤本さんとお似合いです・・・
○○様〜・・・あんなに○○様みたいに気が合う男はあたし初めてかも
「美貴、ところで昨日のアザはなんなの?」
「り、梨華ちゃんと殴り合いになって・・・それで。」
「へぇ〜・・・(それにしてもやり過ぎなんだよ・・・女同士だろ!!)」
「○○、心配させてごめんね。」
「美貴・・・色々遠回りしたけど俺、自分の本当の気持ちに気がついたんだ!!今までなんだかんだ言ってはぐらかしてきたけど・・・
今度は嘘じゃない本気で言える!!本当に俺が1番好きなのは・・・」
「○○・・・」
とりあえず次でようやく完結なのですが
あきらかに上のほうに話が中だるみしている部分が・・・
僕が書くとシリアスなものも徐々にコメディのなってしまう( ::T┏┓T:)
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ho
ほじぇん・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
426 :
名無し募集中。。。:04/10/21 09:48:44
ze
ほ
ho
おっつー
431 :
名無し募集中。。。:04/10/21 14:04:14
先が楽しみ。
誰か10冊目のログupしてもらえませんか?
ほ
ほ
434 :
名無し募集中。。。:04/10/21 19:54:22
ほ
一応保全
一応保全2
ほ
438 :
名無し募集中。。。:04/10/21 22:47:35
ほ
保全
田部
圭愛
様人
ほ
川VvV)φほぜん
うひょひょひょひょ(*´・ω・`*)
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ぜ
ん
>>448 まとめサイトだと途中までしか読めないので…
ろだどこ?
もしもろだ辺りでいいんじゃね
もしもろだには無かった…
やるからろだ貼って
ありがとうございます。
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ho
落ちるぞ
ほじぇん
ほす
465 :
名無し募集中。。。:04/10/23 06:40:48
おはよう保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ヒトイネ
じぇ
▼ハヽヽ▼
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⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
保全
保全
ho
ho
ほ
ぜ
ん
ほ
も
ho
mo
hozen
483 :
名無し募集中。。。:04/10/24 03:32:17
>>420 なんだ、この緊張感は・・・普段は告白される方だから知らなかった。
美貴に好きだというのがこんなに勇気のいるもんなんだって事に・・・俺は気づきませんでした
「○○、早く言ってよ!美貴、○○の気持ちが知りたい・・・」
よし・・・翔さん(哀川)、ショーケンさん・・・俺は男になります。
「美貴!!」
「は、はい。」
「俺は美貴が!!1番好きかも・・・知れない。」
「かも・・・知れない?」
「いや・・・その・・・女としての魅力は正直、美貴は石川さんに負けてる。総合で美貴が1番好きなんだ。」
「○○、ふざけてるの?」
「ふざけてないよ美貴、怒らないで最後まで聞いてくれ。例えば、美貴か石川さん・・・ん〜
船が沈没するとするだろ、美貴か石川さんどっちか一人しか助けられないとしたら俺は石川さんを助ける。」
「美貴が1番好きなのに・・・梨華ちゃんを助けるの?」
「美貴の事、よく知ってるから石川さんを助けるんだよ。石川さんは助けてあげなきゃ溺れてしまいそうじゃん。
美貴は船が沈没しても、一人で何とかなるだろ?泳ぎは得意だもんな美貴?」
「得意だけど・・・美貴はそんなに冷静じゃないよ。○○の前では強がってるだけ・・・」
「そうか・・・」
「じゃあ、美貴がもし溺れても梨華ちゃんを助けるの?」
「その時は2人共、俺が死んででも助けるよ。美貴を死なせたりしない。」
「○○が死んだら・・・美貴も一緒に死んであげる。」
「美貴・・・」
「だって○○が死んじゃったら、美貴は生きてても仕方ないもん・・・○○のいない退屈な毎日なんて絶対耐えられないよ
○○、あの世でも仲良くしようね。」
「美貴、あの世にもかわいい子いるかな?」
「○○・・・2人でも大丈夫だって、だって美貴がいるよ。」
「そうだな俺には美貴がいるもんな。美貴・・・抱きしめていいか?」
美貴もやっぱり女の子なんだなと思ったのはいつ以来だろう・・・美貴の体、やっぱり小さいや
俺が守ってやるからね・・・ずっと
484 :
名無し募集中。。。:04/10/24 03:45:09
中部・関東の人は地震大丈夫でしたか?
関西はなんともないんですが、日本も変な国になってきましたね。
台風、地震、台風、地震にうんざり・・・国が災害にやられてる
日本も早く平和になって欲しいですね。
おやす・・・
おはよ・・・
今起きたのれす
ho
ほ
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▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
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ho
▼ハヽヽ▼
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ho
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▼ハヽヽ▼
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⌒⌒''(U 貧 )
▼〜し'~し'
ho
「ちょっと待て、○○」
叫ぶ美貴を置き去りにして俺はひたすら走った。
そりゃもう、後ろから大型ダンプが俺の背中を狙って迫ってくる時並みの必死さで。
って、分かりにくいか……要するにあれだ、えーいい例えが浮かばないな。
俺がこうして暢気に一息ついていられるのも、ちょうどコースも半分。
帰り道にある、屋根つきのバス待合所に逃げ込めたお陰だ。
「なんで置いてくわけ?」
続いて、美貴が走り込んできた。
頭の上に乗せていた鞄の中からハンカチを取り出して、制服の肩を拭いている。
「あーもう全然足りない」
待合所の椅子に鞄もハンカチも投げ出すと、急にスカートの裾を搾り出した。
こういう所、ガードが甘いのは幼なじみの特権なのかも知れない。
ちょっと悲しい気もするけど。
「雨なんか降んなきゃいいのに…ほら、見てよ。絞れるってさぁ……」
突然蹴りを入れられた。
どうやら、ばれたらしい
「何処見てんの、このスケベ」
「って、美貴が見せてんだろ」
「見せても見るな」
乗ったら飲むなってのは聞いた事がある。
と、俺がぼんやり考えているのがどうも気に食わなかったらしい。
「へーえ、本気で殴ってほしいんだ。美貴こう見えても握力は結構ある方だよ」
「拳かよっ!! ちょっと待て、こんなトコで前歯なくすのは嫌だ」
「あ、待てこら!」
結局、町中逃げ回って二人ともずぶ濡れなったとさ。
だめだこりゃ
503 :
名無し募集中。。。:04/10/25 02:37:46
>>483 ガラガラド〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!
「○○君!!どう言うことよ、今の話!!」
「い、石川さん・・・なんで!?」
ジャージ姿の石川さんが表情を引きつり、放送室にやってきた
「○○君!いつまで美貴ちゃんを抱きしめてるのよ!!」
「そ、そんな事より、石川さんどうしてここが?」
「○○君が校内の放送で・・・美貴ちゃんに告白してるの聞こえたから慌てて来たんじゃん!!
○○君、美貴ちゃんが1番好きなんてウソよね!ね?」
校内放送で美貴に告白?・・・後藤とコンコンの奴、俺に黙って電源入れやがったな!!
なんか今日の石川さん・・・それにしてもアグレッシブだな
「○○君・・・あたしが1番好きだよね?」
「あの・・・俺・・・」
石川さんが潤んだ瞳で俺を見つめる・・・
「○○!美貴のこと忘れてない?」
美貴も横から俺を追いつめる
「○○君!!」
「○○!!」
もう・・・ごちゃごちゃうるせえ・・・あーめんどくせー
「2人共うるせえな!俺が1番好きなのは美貴って言ってだろ、2回も言わせるなよ!!」
「○○・・・」
フフッ・・・たまには開き直って男らしく決めてみました。あれ、石川さん!?
「・・・○○君・・・もう・・・あたし・・・う・・・うっ・・・」
「い、石川さん!?」
石川さんはその場で泣き崩れた。俺はどうしていいのかわからず。美貴の手を取り放送室を出ようとしたが・・・
「○○・・・言いすぎだよ。美貴は嬉しいけど、あんな梨華ちゃんを放っておけるの?」
石川さんは泣き崩れたままだ・・・後藤とコンコンが石川さんを慰めている
「先輩の事、みそこないました・・・こんなに酷い人なんだって。」
コンコン!?
「○○様〜、結局は美貴のことが好きだけど言えないラブコメの典型的なパターンじゃないっすか・・・サイテー。」
後藤まで・・・俺が優柔普段だからいけないのか?あーわかんねー
504 :
名無し募集中。。。:04/10/25 02:38:30
ガラガラ
はあ〜、また放送室に誰か来たよ。マジめんどくせー
「○○、貴様・・・なに梨華ちゃんを泣かしてんだよ!!」
「い、岩尾!?」
バキッ
俺は石川梨華ファン倶楽部会長フット岩尾に殴られた。普段は凄い根暗でおとなしい奴なのに・・・
「○○、梨華ちゃんは俺たちのアイドルだ・・・よくも!!」
バキッ
ドゴッ
今度は2発・・・石川梨華ファン倶楽部会長代理の宇多丸先生・・・あんた仮にも教師だろ、生徒を殴るなよ
「○○、梨華ちゃんのかたきだ!!」
今度は石川梨華ファン倶楽部会員120人ぐらいで殴りかかってきた・・・
「うわあああーっ!!」
「○○!!」
バキッ ドゴッ バカッ ドスッ バンッ
俺はボコボコに殴られている・・・もう、駄目・・・ギブアップ
「み・・・美貴・・・もう・・・無理・・・」
俺は気を失った・・・
「○○!!○○!!」
美貴の声はもう届かない・・・俺の頭に恋のサイレンが鳴り響いた
ほ
乙〜
おやす
みきてぃ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
120人強っ!
正直昼間の保全ペースが分からない保全
フットボールアワーの岩尾は美貴オタとテレビで言ってましたよ。
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
どうでもいいけど質が落ちてる希ガス
518 :
名無し募集中。。。:04/10/25 20:12:21
なんていうか、保全
Prologue
人間の体を構成するものを知ってる?
きっと、水分と脂肪とかいうつもりでしょ?
まぁそれも間違ってはいない。
でも、同じ物質で構成されているなら、外見が同じ人間が他に沢山いても不思議じゃないでしょ?
じゃあ、人を構成するものってなんだろう。それは『音』なんだよね。
人いや、この世の全てを構成するものは『音』なんだ。
そんな突拍子もないことを嬉々として語る女の子、藤本美貴。
俺のおさな馴染みにして、密かに恋心を寄せる相手だったりする。
まぁでもホントに恋かもわかんないけどね…
「ふーん…で、どんなマンガ読んだんだ?」
「もう…いい!!ちゃんと聞いてくれないなら帰る。」
―パキッ―
小さな破裂音…
そんな音には慣れっこになっていた。
美貴が怒るとなにかが壊れる。
窓ガラスだったりコップだったりボールペンだったり
美貴が暴力をふるっている訳じゃない、なぜか壊れるんだ。
美貴の気持ちに共鳴するように…
今回は空の芳香剤のプラスチック容器だ。
「あちゃー…まただ…最近は結構抑えられるようになったんだけどな…」
「久しぶりに見た。抑えてたんだ?」
「…ってか私も久しぶりに見た。別に抑えるとか出来ないし…」
「なんじゃそれ。あはは」
「あはは」
笑いあう二人の夜は更けていった。
禿げしく期待
なんかおもしろうそう
エスパー美貴か
515だが期待してます。
がんがれ。
527 :
名無し募集中。。。:04/10/26 00:32:50
>>504 重い目を開けると、薄暗い照明灯と美貴の姿が俺の目に映った
「ん・・・いてて・・・美貴・・・ここは・・・?」
「あ!○○、気がついたの?よかった・・・」
「み、美貴・・・なんで俺、ベットで寝てるの?」
「○○、覚えてないの!?・・・梨華ちゃん泣かして、石川ファン倶楽部にボコボコにされて○○、気絶したんじゃん。
それに、ここまで美貴が保健室に一人で運んできたんだよ。ちょっとくらい感謝してよね・・・」
「美貴、ありがと・・・俺、重くなかったか?」
「別に大丈夫だよ。それよりここ暑いし上着、脱いでいい?」
「美貴、そんなに暑いかな?寒いぐらいだと思うけど。」
そう言うと美貴は制服の上着を脱ぎ・・・俺の目をじっと見つめた
「○○、美貴たちね。そろそろ次に進まなきゃいけないのかな?」
「ん、どういう意味?」
「その・・・○○と・・・セッ・・・」
「美貴、よく聞こえないんだけど?」
「だから、セックスしたいの○○と!!」
美貴は顔を真っ赤にして大声で叫んだ
「えっ!?えぇ〜っ、マジっすか?」
「こんな事、女の子の口から言わせないでよ・・・恥ずいんだから。」
「女の子って・・・美貴が?」
「なによ〜美貴は女の子じゃん。」
「冗談だよ、冗談。さっきから美貴、なんでモジモジしてんの?」
「○○、隣で寝ていい?美貴も疲れちゃった・・・」
そう言うと制服の上着を脱ぎ・・・美貴は俺の寝ているベットに潜りこんだ
「この布団、○○の匂いがする。美貴、なんか落ち着くし○○の匂いが好き・・・」
夜の気味悪い学校の保健室に思春期真っ盛りの男と女の二人きり
ムラムラする俺の下半身にいつもは感じない美貴の女の色気・・・保健室のエロビデオ的な空間
そして静まり返る保健室にシャツのボタンを外す音が聞こえた
【美貴の涙の理由】 おわり
エロ乙
まぁおつ
530 :
名無し募集中。。。:04/10/26 01:48:36
これで完結なのか?
これ以上はショミキの分野だな
532 :
名無し募集中。。。:04/10/26 02:29:36
【美貴ママ登場!】 ↑のは気まぐれでつづきを書こうかと
*注 美貴ママは杉田かおるをモデルに書いています
今日は1週間に1回の美貴ん家での夕食。もちろん実家の焼肉をメインに様々料理が出される
「○○君、キャベツの千切り頼んでいい?」
「あっ、はーい。」
今のは美貴のママさん、気さくで優しいが少しエロい。俺も大好きなママさんだ
「○○君、キャベツ切るの上手ね〜。おばさん感心しちゃう。」
「そうっすか?おばさんに言われると俺も嬉しいですよ。」
トントントン・・・トントントン・・・トントントン・・・キャベツを延々切り続ける俺、世相を斬り続ける木村太朗、女を斬り続ける加藤鷹
「○○君、おばさん、○○君と美貴の事で聞きたい事あるの。」
「なんすか?・・・ここの芯硬いな。」
そうこうしているうちに美貴が帰ってきた
「ママ!○○!ただいま、肉と野菜買ってきたよ。」
美貴はそう言うと
「○○、切るの手伝うよ。ちょっと休んだら?」
と言い、買ってきた野菜を切り始めた
「○○君と美貴は本当に仲がいいわね・・・良い夫婦のなれるわよ。」
「!?」
おばさんはホント突然にとんでもない事を言い出す。俺たちを弄ぶかのように・・・まるで女王様だ
「ちょっとママ!なに言い出すのよ!!」
「美貴、顔赤いわよ。○○君、こんな娘だけどこれからもよろしくね。」
おばさんはクスクス笑っている・・・美貴は照れてこっちを見てくれない。そういう時は絵里ちゃんだ
533 :
名無し募集中。。。:04/10/26 02:30:07
「お〜い絵里ちゃん、ちょっとこっち来て!」
し〜ん・・・
「○○君、絵里はまだ帰ってないわよ。美貴と気まずくしてごめんね。」
「い、いえ・・・あ、そうだ!俺、ちょっとビール買ってきます。」
俺は逃げるようにコンビニへ向かった
「○○君・・・良いお婿さんになるわよ。よかったわね〜美貴。」
「○○からかわないでよ!もう、ママったら・・・」
「でも、○○君は浮気癖あるみたいだから美貴!がんばりなよ〜。」
・・・勘も鋭いママさんだ。そしてこのあと酔ったママさんがとんでもない事を言い出す
カズのビールかけいっぱい、いっぱいで面白かったでつづく
ほ
▼ハヽヽ▼
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⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ho
▼ハヽヽ▼
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⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ほ
541 :
从VvV):04/10/26 16:53:30
ほとんど誰も来なくなったな
もうだめかもわからんね・・・
ネタはでつくしたような気はするし。
543 :
名無し募集中。。。:04/10/26 18:09:46
「美貴・・・」
「ん?」
「いや、なんでもない」
だめだこりゃ
「美貴…」
「ん?」
「その…」
「え?」
「なんか見えてる…」
「…」
「…」
「えっち…」
だめだこりゃ
短いけど、なんかイイ
このスレ立った頃には結構盛り上がってたし
まだまだ死んじゃいないだろ
ho
新作です
1
ドカッ、ガチャ
俺がテレビを見ていると、後ろで物音がした。
心なしかその音も沈んで聞こえた。
俺はゆっくりと振り返る。
「…ミキ、行くことになったの…」
美貴の第一声はそれだった。
「…東京だろ?」
美貴はうなずいた。
「わたし…」
「よかったじゃんか」
俺は美貴の声をさえぎった。
「夢だったんだろ、歌手になるの」
何か言いたげにうなずく。
「スゲーな。本当に歌手になるなんてさ。チャンスだぜ、チャンス」
美貴の沈んだ声なんて聞きたくもない。
「こんな田舎から、スターが生まれる。しかもそれが俺の幼なじみ。サイコーだ。それに…」
俺はそれからも途切れないように言葉をつなげる。
しかし…。
「……」
「……」
それも途切れた。
「わたし…」
美貴が重い口を開く。
俺はそれをさえぎる言葉を捜した。
でも、出てこなかった。
2
「こんな時、なんて言ったらいいんだろうね」
「…思ったことを言えよ」
「うれしいけど…」
「うれしいんだろ?だったら喜べよ。…俺もうれしいさ」
美貴はうつむく。
「でも、もう…」
「毎朝。…毎朝必ず、太陽は昇る」
俺はまた無理やり美貴をさえぎった。
「一日が始まる。始まるんだ」
突然の俺のわけのわからない話。美貴は黙って聞いてくれた。
「始まるだけ、戻ってはこない。ただ、進むだけだ」
「……」
「美貴の前には道がある。それは美貴が一生懸命、努力して掴んだ道。…美貴も進むだけだ。待ってちゃいけない」
「…うん」
「応援するからさ。がんばれよ」
美貴はうつむいたままだった。
俺には美貴がなにを言おうとしているのか分かった。
「…あんた、平気なの?ミキがいなくなっても寂しくないの?」
「……」
予想できたその言葉。
なのに俺の心は大きくぐらついた。
平気なわけない。寂しくないわけない。
でも、それを言葉にするのはためらわれた。
「…美貴。歌ってくれよ」
3
「えっ?」
美貴は俺の顔を見つめた。
「歌ってくれって言ってんの」
「…なんでよ。こんな時に」
「こんなときだからだ。歌手になるんだろ?」
俺は無理やり笑顔を作った。
「歌手ならどんなときにも歌えなきゃいけない」
「……」
「それに、落ち込んでるときにも元気を与えてくれる。はずだろ?」
「でも…」
「でも、じゃないの」
古ぼけたギターを取り出した。
「曲はなにがいいかな…」
俺はわざと明るい声を出して、歌本を広げる。
美貴はただ立ち尽くしていた。
「これがいいかな」
ギターを鳴らす。しかし、美貴は歌わなかった。
俺は手を止めて美貴を見つめた。
「……俺だって寂しいよ。全然平気じゃない」
「……」
「何年一緒に居たと思ってるんだ。寂しくないわけ…ないだろ」
「なら…」
「でも…でも美貴には立ち止まっていて欲しくない」
美貴も少し寂しそうに俺を見ていた。
「俺に出来ることは、笑って見送ることだけ。だから、美貴も笑って東京へ行って欲しい。ずっと歌っていて欲しいんだ」
俺はまたギターを弾き始める。
お世辞にも上手いとは言えない俺のギター。
その音にあわせて、美貴はゆっくりと歌い始めた。
4
「もう、いいでしょ?声、枯れてきちゃった」
美貴に言われて、俺はようやくギターを置いた。
「やっぱり上手いな。歌」
「当たり前でしょ」
美貴はまんざらでもない様子で俺を見て
「気持ちがこもってるからね」
照れたように笑った。
「うん。…ちゃんと感じたよ。美貴の気持ち」
俺がそう言うと、美貴は俺の横に座った。
自然に美貴の手を握る。
「…あったかいね。あんたの手」
「気持ちがこもってるからな」
俺は照れ隠しに笑った。
「うん。ちゃんと感じてるよ。あんたの気持ち」
今度は俺にもたれかかってきた。
「あんたが言ってくれたこと、忘れないよ。ミキはがんばって前に進んでいくから…」
「……」
「ちゃんと応援しててね」
「分かってるよ」
俺は美貴の髪を撫でた。
「しっかり歌えよ。ここまで…俺にまで届くように」
「…うん」
「俺もがんばるから。お前に追いつけるように」
美貴はうなずき、そして…
東京へ行った。
5
数年後。
「あんた洗濯くらい自分でしなさい。春から一人暮らしするんでしょ」
新聞を読んでる俺に母さんがつぶやいた。
「こんなことで大丈夫なの…」
母さんのぼやきに適当に相槌を打って、俺は立ち上がった。
必死で勉強した結果、俺はなんとか現役でそれなりの大学に合格した。
東京の大学に。
美貴にはまだ伝えていない。
今度会ったときに驚かせてやりたかったから。
部屋に戻ると、俺はすぐにテレビをつけた。
テレビの中で今日も美貴は歌っていた。
とても楽しそうに。とてもイキイキと。
テレビの前で笑っていても、楽しいことばっかりじゃないだろう。
裏じゃ、つらいこと、苦しいこともあると思う。
それでも美貴は歌い続ける。
「…がんばれ、俺の歌姫」
俺はテレビの前で一人ごちた。
ドカッ!ガチャ!
俺がテレビを見ていると、後ろで物音がした。
心なしかその音も弾んで聞こえた。
俺はゆっくりと振り返る。
「…ミキ、がんばってるよ!」
美貴の第一声はそれだった。
了
aikoの『歌姫』です
エレカシさん相変わらずGJ!
ええわーめっちゃええわー
すげぇなほんとに
毎度GJ!
559 :
名無し募集中。。。:04/10/26 23:38:02
さっき小田和正の『言葉にできない』がドラマで流れていたのを聞いて
エレカシさんの作品が読みたくなって来てみました
ちょうと新作がうpられてて嬉しかったよ
凄く良かったです
エレカシさんキタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!! GJ!
GJ!!!
まだエレカシさんがいたんだ・・・
まだまだいけるな
だれも保全してねー('A`)
2打席連続カキコ
564 :
名無し募集中。。。:04/10/27 02:44:30
「ビール・・・ビールっと・・・こんなもんでいいか・・・あ!?」
「○○君・・・」
俺の目の前に目を真っ赤にはらした石川さんが・・・気まずい
「・・・」
石川さんは俺を無視してどこかに走り去った。当然だよな、嫌われて当然の事したんだから・・・でも悲しい
店内にはキンキキッズのカナシミブルーが流れていた・・・
「はあ〜・・・泣きたいな・・・1日で石川さんに嫌われちゃって・・・」
<は〜い・・・キンキキッズでカナシミブルーをリクエストくれたのはラジオネーム○○君の馬鹿さんでした
○○君の馬鹿さん、今日好きな人にフラレちゃったらしいけどめげずにがんばってね!!
男なんてたくさんいますから、○○君なんて忘れたいんなら忘れなさい・・・CMでーす。>
「い、石川さん・・・すいません!!」
「ちょっと!お客さん!?」
俺は急いでコンビニを出た。石川さん・・・俺を忘れないで・・・
「○○の奴、遅いな・・・どこまでいったんだろ?」
美貴の気も知らずに俺は・・・
「○○君、どうして・・・」
「石川さんに謝りたくて・・・昨日の事。」
優柔不断な俺はさっきのラジオのリクエストよりまた再開した
つづく
正直しんどいにキンコンでるー!ついでに今日から愛エプ武内アナ・・・楽しみ
ほ
乙〜
ho
なんかよくわかんねな
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
572 :
名無し募集中。。。:04/10/27 14:50:47
作家さんがんばれ保全
>>564 乙。できればどの続きか分かりやすくして下さい。
ho
>>564 正直しんどいのはあなt(ry
残念!!
ho
魔性の女ミキティ
ほ
り
昔書いたやつの焼きまわしなんですが、何となく載せさせて貰います
『もしもミキティが○○の家の妹だったら』
週末の午前12時を過ぎ、俺は日ごろの疲れを取ろうと少し早めにベッドへ潜り込む。
隣の部屋からはそんな俺とは正反対の考えを持った美貴が友達を呼んではしゃいでいた。
初めはうるさく感じられた話し声にも慣れ始めウトウトと眠りつこうとしていると
ちょうどタイミング悪く隣の部屋から誰かが小走りに一階へと降りていった。
その音で俺は完全に眠気が無くなってしまい仕方なく再び電気を灯す。
と、そこへ――
「へへー、○○にぃーちゃん元気?」
一階から戻ってきたやけに明るい美貴が俺の部屋に入ってくる。素っ気無い
家用のジャージから覗く素肌がほんのりと色づき、妙に色っぽく見えてしまう。
そして抱えられた腕の中には数本の見慣れた缶が、
「やぁー、そんなじろじろ見られたら恥ずかしいよ」
そう言いながらさも可笑しそうにケラケラ笑う美貴。だめだコイツ、完全に
出来上がってる……。
「お前なぁビールなんか飲むなよ、ギリ未成年だろ。それ冷蔵庫にあったヤツだし、親に
ばれたらどうする気だ?」
「だいじょぉぶ、昔○○にーちゃんがやってたみたいに予備のヤツ足しておいたから」
そういう事じゃないんだが、酔っ払いをいさめようにも
のれんに腕押しなのはコイツも変わらないようだ。
「で、俺になんか用でもあんのか?」
「んー、もしビールが減ってんのバレたら、にぃーちゃんが飲んだことにして貰おうかと」
「保険かよっ」
俺のつっこみにニコニコ笑いながら抱えていたビールを床に置きその内の一本を差し出す。
「まあまあ、これで手打ちってことで」
「いや、要らないから」
美貴は俺の返事に唸りながら首を傾げると何か考えるとスッと今までより一歩、俺
の方へ近づいてくる。
「○○にぃーちゃん、美貴が困ったら助けてくれるって言ってたよね?」
そりゃお前、小学生とかそんな時の話だろ。美貴はそう言おうとした俺のわき
腹を人差し指でクルクルとくすぐる。こ、こいつ……負けるな俺。
「言ったよね」
さらに、それまで伏せがちだった顔を上げて上目遣いに俺を見つめる。吐き出さ
れる吐息が熱い、色づいた白を基調とした桜色が視線の強さをさらに増幅させた。
そして、
「…ああ、そうだったな」
俺は負けた、大敗北だ。
「じゃあ、頼んだよー。にぃーちゃん大好き!」
再びビールを抱え直し、嬉々として部屋を出て行く美貴を背に
俺は残された一本のプルタブに手をかけた。
……だめだこりゃ
GJ
いい作品だけど俺的には違和感ありすぎすぎた
これはミキティでなく小川だと思ったほうが違和感がない
俺は後藤だったりする
石川さんは少し睨むように俺と美貴を見て、そして去っていった。
「…いいの?梨華ちゃん、行っちゃったよ」
石川さんが完全に見えなくなると美貴はようやく口を開いた。
「いいんだ。これで。自分にウソをつき続けても、余計石川さんを傷付けるだけだ…」
「……」
「分かってる。俺が悪いってことは。お前と石川さんの仲も裂いちゃう形になっちゃって…」
美貴は少し顔を曇らせる。
「でも…、あんた言ってたじゃん。梨華ちゃんは俺の太陽だって。…美貴はただの空気だって」
「あぁ…そんなことも言ってたな」
俺は美貴を見つめた。
「だからお前が必要だと思ったんだ。空気がないと生きていけない」
「……」
「太陽を失ってでも、俺はお前が必要なんだ」
俺は美貴を抱きしめた。
「身勝手でゴメン。バカでゴメン。俺は卑怯な男だ。でも、お前が必要なんだ」
俺の腕の中で美貴が身じろぎ、そして俺の胸にほほを寄せた。
「…あんたに嫌な役を押し付けちゃってゴメンね」
美貴は胸の中で声を出す。
「美貴も卑怯だよ。平気なふりをしながら…あんたと梨華ちゃんが分かれてくれたらいいのにって思ってたの」
俺は強く美貴を抱きしめた。
「ちょっと、苦しい…」
「あっ、ゴメン」
俺は力を緩める。
「美貴にだって『空気』は必要なんだからね…」
ほ
ho
590 :
名無し募集中。。。:04/10/28 04:32:40
【追憶編】
パチッ
「○○、電気もつけないでなにしてんのよ。」
「・・・」
「○○、聞いてるの!!ねえ、○○・・・もしかして泣いてるの?」
「・・・うるさい、あっちいけ。」
「○○、また誰かと喧嘩したんだ。喧嘩、弱いくせに・・・○○のばーか。」
「・・・美貴になにがわかるんだよ。お前なんかに俺の気持ちわかってたまるかよ!」
「○○・・・」
「亜弥ちゃんが中学生にからまれてたんだ・・・そんなの助けて当然だろ!」
「だからって○○、あんまり無茶しないでよ!○○は小5でしょ、勝ち目ないよ!」
・・・
「・・・なんで美貴が泣いてるんだよ。」
「○○が泣くから・・・なんか美貴まで泣けてきたのよ。」
「はい・・・ハンカチ。涙をふいて、美貴の泣き顔なんて俺、見たくないから・・・」
「○○・・・優しいね。ありがと・・・」
・・・
「夢か・・・懐かしい夢だったな・・・」
ガチャ
「○○、いつまで寝てるのよ!学校遅れるよ!!」
「・・・もう、泣いてないんだな美貴。」
「○○・・・」
「いや、さっき見た夢の話・・・」
「美貴も同じ夢見た・・・○○が泣いていて美貴も泣いちゃう夢。」
不思議な事もあるんだな
おしまい
591 :
名無し募集中。。。:04/10/28 04:40:16
どっちも良いよ〜
ほ
ho
「ねぇ美貴、話あんだけど・・・」
「何?」
「いやぁ〜・・・そのぉ〜・・・」
「だから何よ!?」
「・・・好きだよ、美貴」
「・・・美貴も好きだよ」
「・・・」
「・・・バカ」
だめだこりゃ
ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!
いいねえ
(・∀・)イイ!!
え?
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
600
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
今日は天気がいい。
久しぶりの秋晴れで窓からこぼれる光が、俺を外へ誘っているいるようだった。
机の上で首を傾けて支えた右手。目を細めて何時もと変わらない風景を眺めているのに
何故か心が躍る。
日が暮れ始めた河川敷で、美貴の投げたボールが俺の上を通り過ぎて大きな弧を描いたまま
川の浅瀬に着水する。
いや、着水は免れたけど川面に群生したススキの中へ。
水面は燃えるように赤いのにその水の冷たさに裸足の足を躊躇わせていると、美貴が後ろ
から近づいてきて言うんだ。
『いくじなし』
そして、無理やり体を伸ばして……慌てた俺も結局川に浸かる羽目になって、二人して泣きながら
美貴の家の風呂に入ったっけ。
夕暮れがやってきた。
学校が終わって家に帰った俺は、空を見上げてなんか損した気分になった。
ニュースによればまた台風が近づいているらしい。今日の空ともまた当分お別れだ。
ま、いまさらキャッチボールなんて柄でもないしなぁ。
思ってみてから改めて苦笑する。なんか本気で誘ってしまいそうな勢いだ。
今だったらどうだろう?
相変わらず俺が川に面した側に陣取って、美貴がその反対の土手側。
俺がコントロール効かせて投げるのに美貴は、わざと暴投させそうだ。
○○が本気で投げるから手が痛いとか言って……ああ、なんかありありと見える。
風景画が出来そうだ。
ちっちゃい頃はただ、負けず嫌いで思いっきり投げてただけだろうから、それに比べて今は
凶暴なだけかも。
「……なにニヤついってんの?」
「うおっ!」
そんな事を考えていたら本人を呼び寄せてしまったらしい。
怪談話で寄ってくる霊かっつーの、まったく。
「別にニヤついてなんかねーって、ただちょっとイメージ固めてただけだ」
「イメージって…どうせ、誰かのパンツ覗いたとかそんなんでしょ?」
「んなわけない」
「おっ、タモさん」
心外なやつめ。
そういう種類のものはちゃんと心の別フォルダ内、心の思い出記念館に寄贈済みだ。
「……いや、手拍子付けられてもポーズとか取んないから。お友達の紹介にも行かないし」
「ノリ悪いよ」
「普通だろ?」
「電話は繋がってるよっ!」
高速な右手が俺のおでこを正確に捉えて、乾いた音が鳴り響いた。
「いってー、訳分かんない突っ込みは止めてくれ。こっちの心の準備ができない」
美貴は登場一発目の突込みを決めて、満足したのか着替えた部屋着の袖を捲って満足げに笑った。
この笑い方は昔から変わってない。
ずっと一緒にいる俺が言うのだから多分間違いないだろう。
高校も一緒なんてほぼ奇跡か呪いのどちらかだ。
「そう考えると、俺らも付き合いなげーなぁ」
「そう考えると?」
「いやさ。川原でキャッチボールとかしたの憶えてねー?」
「んー?」
美貴は少し考えるように、腕組みしながら窓辺の枠に座った。
空は、益々赤くなってもう日が暮れようとしている。
夕焼けに紫が混じって、もうすぐ黒になる。美貴はそんな空を見上げながらゆっくり腕組みを
解いた。
「キャッチボールは分かんないけど、川に落ちた記憶ならある」
「それだ、それ。キャッチボールしてて落ちたんだよ」
「そうだっけ?」
まだ記憶がおぼろげなせいか、美貴は少し自信なさげの髪の毛をかく。
「なんか落ち葉集めて焼き芋焼こうとしてたら凄く怒られたのはわかるけど」
「ほら、俺が川側で美貴が土手側でよくボール拾いに行かされた」
「あーー」
そのフレーズに覚えがあったのか美貴は窓辺からジャンプして床に両手を着いた。
捲くっていた袖がするりと落ちて、嫌な顔しながら捲りなおす。変な癖だ。
「俺も今日急に思い出してさ」
「なつかしーね。そうそう、あったそんなの」
「で、またちょっとやって見たいかな、と」
「うん」
そして美貴は俺に相槌をうちながら、なにか思いついたようにチラッと笑う。
「でももう、川に落ちても一緒にお風呂とかは入んないから」
「ば、ばかっ。何言ってんだよ」
「あはは、いくじなし」
今思い出したばかりの大切な言葉を口にして、美貴は満足そうに頷いた。
だめだこりゃ。
非常に乙!
かなりイイ!!
光景が目に浮かんでくるよ(*´∀`*)ポワワ
GJ!!
ほ
いくじなし、っていいフレーズだなあ
616 :
名無し募集中。。。:04/10/29 05:16:18
そういやゴロッキーズで袖を捲り上げてはズリ落ちては捲り上げてたな保全
617 :
名無し募集中。。。:04/10/29 05:27:05
【松坂に捧ぐ・・・】
俺はビールを飲みながら美貴とすぽるとを観ていた
「ウッチー、今日もかわいいな〜。美貴もそう思うだろ?」
美貴はほっぺたを膨らませながら
「まあかわいいんじゃない・・・三十路のおばさんにしては。」
と言った。美貴は少し妬いちゃったようだ。ウッチーより美貴の方がかわいいに決まってるだろ
「ん?・・・松坂だ・・・えっええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「ど、どうしたの○○!?」
「ま、松坂が・・・結婚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「○○ショックなの?・・・松坂のファンだもんね。」
俺は机の引き出しからカードアルバムを取り出した
「美貴、見てくれよ・・・これ・・・」
「松坂・・・のカード?」
「ルーキー時代のカードなんだ・・・そしてこれが2年目・・・」
俺は美貴と松坂のカードを眺めている
「・・・なんか複雑な心境だ。男なのに・・・好きなアイドルが結婚しちゃう心境だ。」
「それにしても・・・すごい数だね。」
「松坂のカードだけで80枚以上はあると思う。(実話)」
「松坂・・・21の時からプロポーズしてたんだ。」
「・・・15勝15敗の年だな。ローズに55号打たれたんだ・・・」
618 :
名無し募集中。。。:04/10/29 05:27:41
「○○もいつかは・・・にプロポーズするんだよね。」
「松坂・・・」
「だから美貴にプロポーズ・・・」
「松坂・・・なんで柴田と・・・誰か慰めて。」
「○○・・・美貴が慰めてあげるよ。ほら・・・こっちに・・・」
「・・・今日から中島だな。ナカジ・・・」
「み、美貴は!?」
バキッ
美貴の拳が俺の顔に・・・おろ〜〜〜・・・
☆★☆★松 坂 結 婚 お め で と う☆★☆★
おしまい
ワラ乙
620 :
名無し募集中。。。:04/10/29 06:56:52
松坂ヲタあげ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ヒトイネ
保
ほ
ぜ
ほ
ん
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
品川キモイw
保全
川 ゚ v ゚ )ホゼン
ho
ze
【美貴から○○へ】
从VvV)<一句できた!!
浮気だね
梨華を抱きしめ
美貴怒る
n
637 :
名無し募集中。。。:04/10/30 07:11:32
だめだこりゃの精神を忘るべからず
ほ
639 :
名無し募集中。。。:04/10/30 11:31:36
作家さんがんばれ保全
ho
乙
ho
ho
ほ
从VvV)<一句できた!!
結局は
夢オチばかりで
だめだこりゃ
さっそくパクらせていただきやした
だめだこりゃ
ほ
ho
美貴姉ぇ・・・
落ちた?
落とすかよ!
そこぉ!迂闊なやつ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
美貴好きだ
夢で言ったら
聞かれてた
だめだこりゃ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
香田保全
まとめサイトに17冊目入れてくれませんか?
ほ
659 :
名無し募集中。。。:04/10/31 14:22:42
だめだこりゃ保全
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
★2004/11/3(水)
モーニング娘。 new single 『涙が止まらない放課後』 release!
購入お願いします。
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ほ
ho
▼ハヽヽ▼
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▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
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▼ハヽヽ▼
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▼ハヽヽ▼
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▼〜し'~し'
ほ
ぜ
ん
ほ
ら
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▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ほも
ほ
ho
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
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▼〜し'~し'
ほ
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
618からネタがないんだけど・・・
もう終幕か?
落ちそうだし・・・
落ちたら終わりってことで
まだだ!まだ終わらんさ!
やらせはせん!やらせはせんぞぉー!
ひきこもって書いてたのに
落ちそうになってる・・・
全く作品の上がらない時代があったよなぁ 前に
いつだっけか
今のこのスレには狼一といってもいいほどの優秀な作家が
ついていることを忘れてはいけない
ズッコケはいなくなったから
そして保全する人もいなくなってきてるから・・・
ガーソ
695 :
名無し募集中。。。:04/11/02 03:54:42
たまには上げないと閉鎖しちゃいますよ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
これしかないんかい!!
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<4日もネタあらへんがな。
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
847 :名無し募集中。。。 :04/11/01 05:54:21
ジャニで言えば
松浦・・・どつよ
安倍・・・滝沢くん
ゴマキ・・・光一
美貴茶・・・長瀬
898 :名無し募集中。。。 :04/11/01 06:09:05
松浦・・・岩隈
安倍・・・ 松阪
ゴマキ・・・上原
美貴茶・・・井川
保全がわりにこれでもやれば?
とにかく保全する価値はある
だな
ズッコケさんよりもエレカシさんの方が作品多くなってるんじゃないか?
そろそろエレカシさん降臨の予感
ここって何人くらい書いてる?
このままでは終わらんぞー
まぁ、エレカシさんは単発専門だからね
ほ
ho
ほ
ぜ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
ho
ほ
新作です
1
秋という季節はあまり好きではない。
暑さを通り過ぎたものの、まだ冬には遠い。中途半端な季節。
勢いで通り過ぎていった夏とは違う。立ち止まる季節。
秋風に木の葉が舞い、物悲しさを誘う。そんな心と退屈を持て余してしまう季節。
俺は公園のベンチに腰掛ていた。早すぎる秋の夕暮れに。
なにをするでもなく、久しぶりに訪れたその公園内を見回した。
ガキの頃からある、白い時計台を見る。午後五時半。約束の時間まで三十分ほど。
木々の葉はほぼすべてが色付き、地面にも枯葉が敷き詰められていた。
端っこのほうに、遊具が撤去された跡があった。でも、俺はもうそこになにがあったのか思い出せないでいた。
そして、また退屈を持て余した。
当たり前のようにあった、あいつがいた日々。
そこに俺は何かを見落としてしまっていたのだろう。
確かに感じていた、あいつと俺だけの感覚。
誰かが言っていた『確かなものなど何もない』と。
あいつが行ってしまって、一年足らず。
退屈にも、この心の空洞にもそろそろ慣れてきた。
あいつとの感覚も薄れていってしまうのか。
そして、俺はそれを望んでいるのだろうか。
冷たい風が髪の毛を揺らした。
その新しい風にのって枯葉が舞う。
そして、また割り切れない心を持て余した。
2
行ってしまってからも、あいつはちょくちょく暇を見つけては地元に戻ってきていた。
俺はうれしかった。
俺だけに会いに来てくれてるなんて、自惚れてはいない。
ただ、あいつに会えるのがうれしかった。
いつからかそれが辛くなってきた。
あいつはまた行ってしまうのだから。
あいつが帰ってくるたびにまた、別れが待っているんだから。
あいつに会うと、誰かがどこかでタイマーのスイッチを入れる。
それは、あいつがまた行ってしまうまでの、時限タイマーのスイッチ。
俺はその時計を気にしながら、気にしないフリであいつとの時間を過ごす。
押し迫る時間におびえながら、自分でも哀れなくらいの空元気を見せる。
でも必ずその時は訪れるんだ。
時限タイマーのブザーが鳴ると、俺は
「じゃあな。…あっちでもがんばれよ」
平気なフリをしてそう言い、あいつは
「うん。…また今度ね」
そう言ってまた戻って行く。
あいつは平気なのか、それとも平気なフリをしているだけなのだろうか…。
今の俺には、それすら分からなくなっていた。
それまで存在しなかった、あいつとの距離を感じていた。
『確かなものなど何もない』
誰かが言っていた、その声が聞こえていた。
3
気が付くとすでに薄暗くなっていた公園内に、明かりが点いていた。
時計台は六時十分を指している。約束の時間をもう過ぎていた。
「ふぅ。やっぱ遅刻か…」
俺は秋空の下、苦笑いを作った。
その時、後ろからカサッ、カサッと枯葉を踏む音が聞こえた。
俺は振り返る。美貴がいつもどおりに笑顔でそこに立っていた。
「おまたせ」
そう言いながら俺の隣に腰掛ける。
「遅いぞ、十分の遅刻」
俺はわきあがってくる、なんともいえない気持ちを抑えながら口を開いた。
「ちがうよ、まだ六時五分だもん」
美貴は自分の腕時計を俺に見せた。確かに時計は六時五分。俺は自分の腕時計を見た。それも六時五分。
なんてことはない、公園の時計台が狂っていただけだった。
「遅刻には変わりないだろ」
「まぁね。…でも、なんでわざわざこんな時間なの?お昼には着いていたのに、なにやってたのよ」
美貴が、今日のお昼にはこっちに着いていたことぐらい知っていた。
でも、俺はあえてこの時間を指定したんだ。
「いいだろ、そんなこと」
「携帯もつながんないしさ…」
「お前、今回はいつまでだ。…明日か?」
「…うん。明日の昼には…ね」
少し美貴の顔が曇る。
「明日の昼か…」
誰かがタイマーのスイッチを入れた音がした。
いつもは気付かないフリをするその音が、今日はやけに耳に障った。
今日こそ気付かないフリは止める。
そのために、俺は夏でも冬でもないこの時期の、昼でも夜でもないこの時間に美貴を呼び出したんだから。
4
「…秋ってさ、中途半端だと思うだろ?」
俺は立ち上がった。
「はぁ?…あんた、いきなりなに言ってんの?」
美貴は少しバカにするように俺を見上げた。
「いいから聞けよ。…中途半端な時期だからこそ、いろいろはっきりさせたいんだよ、俺は」
「……」
「俺とお前ってさ、なんて言うか…、その、幼なじみって言うか…。そうじゃなくて。いや、ちゃんと言うわ」
俺は大きく息を吸った。
「お前が行ってから、俺とお前の関係、変わっちゃったと思わないか…」
「変わった…?」
美貴は少し悲しそうに首をかしげた。
「まぁ、もう、お前が隣にの家にいないんだから当たり前っちゃ、当たり前なんだけど」
「…うん」
「勘違いすんなよ。俺はお前が…美貴が夢を追うのが嫌なわけじゃなくてさ…」
「……」
「でも…」
「…なにが言いたいの?」
「……」
珍しく半泣きになってる美貴の顔を見て、俺は一瞬言葉を失った。
また風が吹き、舞い上がる枯葉と共に俺の心を揺さぶった。
「…どうしていいのか分からない。すごく不安になるんだよ」
「……なにが?」
美貴は俺より不安そうな顔を俺に向けた。
「ずっと、お前とは昔みたいにいられるのかどうか。確かなものなんて…」
「…何もないから?」
美貴が俺の言葉を引き継いだ。
「…あぁ」
俺がそう言うと美貴は俺の胸に飛び込んできた。
5
「なっ、なんだよ」
「…確かなことが何もないなら」
「……」
「それがホントなら、こうしていて」
美貴は俺の体をギュッとした。
少し驚いた。美貴のいきなりの行動に。
「…わたしだって、不安なんだから…」
消え入りそうな美貴の声が聞こえた。
俺はしっかりと美貴を抱きしめた。
「わたし…ミキ、あんたのこと…」
「俺は美貴が好きだ」
俺は強引に美貴をさえぎった。
「ミキもスキだよ、あんたのこと。…ずっと前から」
「…じゃあ、俺は生まれた時から」
「それなら、ミキは生まれる前からだよ」
美貴は笑いながらささやく。
俺は美貴を抱きしめながら…。
確かに感じる二人だけの感覚。
それが消えないように。
消してしまわないように…。
そう思っていた。
6
「…お前さ。明日帰るんだな…」
抱く手を少し緩めながら俺は、美貴の耳元にささやいた。
「うん。…ゴメンね」
「ちがう、ちがう。それはいいんだよ。夢を追う美貴が、俺は…好きだから」
「…うん」
「たださ、やっぱり…寂しいな」
もう平気なフリをする必要はない。俺は素直に心の中を打ち明けた、
「…ミキもだよ。だから…」
美貴は俺の胸に顔をうずめた。
「次ぎ帰って来た時も、こうしてね」
またギュッとする。
「あぁ…」
「こんなに好きなのに、あんたがが相手ならもっと好きになれそう…」
美貴がささやいた。
「『満たされる事は決してない』って言うからな…」
美貴は俺を見上げる。
「それがホントでも、こうしていて」
そう言って俺の胸に耳を当てた。
「あぁ。わかってるよ」
俺はまた美貴を抱きしめた。
秋の風が俺たちの髪を揺らす。でも俺の心はもう揺れなかった。
あのタイマーは、多分もう永遠に鳴らない。
了
今回は真心ブラザースの『それが本当なら』です
すげえ切ないけどいい
乙です
乙〜
えええええええええれれえええれかしさぁぁぁぁぁぁぁん!!
泣いたぞ。マジ泣いたぞ。乙。
ほんとに毎度乙です!
すばらしい
ぅれれえええええええるぇぇえぇえええかすぅしししししすうぁあぁぁぁぁあああああんんん!!!!!
乙です。
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
729 :
名無し募集中。。。:04/11/03 09:03:04
素晴ら〜しきこの世界〜♪
真心とはねぇ・・・。
いいですね!乙です。
エレカシさん最高
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
泣けてきた
734 :
名無し募集中。。。:04/11/03 17:33:06
(・∀・)イイ!!
乙。
美貴姉ぇ・・・・・
アッシュアッシュK綬
ふおふお
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
「あんたさミキのこと、どう思ってるの?」
「…さぁな」
「さぁってなによ」
「お前への気持ちは…言葉に出来ない」
「……」
思わず口が滑った。
そんな秋の夜長。
741 :
名無し募集中。。。:04/11/04 01:28:17
742 :
名無し募集中。。。:04/11/04 02:59:53
h
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
イイ
745 :
名無し募集中。。。:04/11/04 10:47:51
落ちる。
落ちないよ。
圧縮のタイミングが難しいね
落ちてないので良かった
ho
ze
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
No,1600って凄いな
復帰
復帰
756 :
名無し募集中。。。:04/11/05 03:31:21
だめだこりゃ保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ho
ほ
ほ
ほ
ほ
763 :
名無し募集中。。。:04/11/05 20:07:19
作家さんがんばれ保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<圧縮きそうだから緊急みきみき♪
⌒⌒''(U 貧 )
▼〜し'~し'
作家募集中。。。
「駅前の大ハプニング」の歌詞ってこのスレ的に合ってると思う
ミキティ視点の「だめだこりゃ」な感じ
767 :
名無し募集中。。。:04/11/05 23:58:57
作家不足あげ
768 :
名無し募集中。。。:04/11/06 00:53:47
だめだこりゃ保全
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
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▼ハヽヽ▼
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▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从´D`)<きみきみ♪
⌒⌒''(U 希 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从´D`)<てへてへ♪
⌒⌒''(U 希 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<あんたにも書ける恋愛小説
⌒⌒''(m9 美 )
▼〜し'~し'
777 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:49:27
新作です
778 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:49:50
1
「どうしたの?最近。夜覗いても部屋にいないし、大学もサボったり、授業出ても寝てばっかだったり」
「あぁ。ちょっと…ふぁぁぁあ」
俺は大きなあくびをひとつ。
「ちょっとバイト。忙しくて」
目をこすりながら、美貴の問いに答えた。
「ふーん、…あんた、だいぶ前からそんなこと言ってない?」
「欲しいもんがあるんだよ」
「なによ。それ」
「んー…内緒。べつにいいだろ」
俺の言葉に美貴の顔が少し不機嫌なものに変わる。
「あんたちょっと働きすぎだよ。バイト、バイトで。一緒に帰るのもなんか久しぶりだし」
「そうか?」
「…まあいいけど。体には気をつけなよ」
「ああ。わかってるって」
言いながら歩を進める。
昼下がりの帰り道。寝不足の体にまだきつさを残した太陽が降り注ぐ。
俺はまた大きなあくびをひとつ。
「そうそう。明日、どこいこっか?」
「え…?」
「明日だよ。約束…」
その時、俺の目に街頭のデジタル時計が映った。
「あっ!ワリい、バイトの時間だ。行かなきゃ」
走り出すと
「明日!どうするのよ!」
美貴の声が背にかかる。俺は振り返りながら
「悪いけど、明日もバイト入っちまったんだ。だからムリ!」
そう叫んで、また走り出す。
「約束してたでしょ!!この前もいきなりダメになちゃったじゃんか…」
美貴の叫び声が聞こえたが、俺は脚を止めなかった。
頭の中には見慣れた美貴の怒った顔が浮かび、それに対するいいわけを考えていた。
「あと、ちょっとなんだよ…」
779 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:50:11
2
次の日。
大学は休みなので、朝からバイト先のコンビニに向かうために家を出た。
その時、向かいの家の窓から美貴が俺をすごい目で睨んでいるのに気付いた。
美貴は俺に気付くと、ピシャッとカーテンを閉める。
少し罪悪感が心を刺したが、俺はそのままバイト先へ向かった。
その日から、美貴は俺に会おうとしなくなった。
いつも、朝起こしてくれたり、時間が合うときは一緒に大学へ行ったりしていたのに…。
それでも俺はバイトを続けていた。
「ありがとうございました〜」
出て行く客に言いながら、俺は小銭をレジの中に入れた。
俺の顔には、自然に笑顔が浮かんでくる。
「どうした?ずいぶん楽しそうだな」
まばらになった店内で、先輩が話しかけてきた。
「へへっ。わかります?やっと明日、来るんです」
「おっ、やっとか。がんばってたもんな」
先輩は棚からスケジュールの載ったファイルを取り出し、それを見る。
「だからか。来週から、あんまりバイトに入らなくなったのは」
「まあ、…そういうことです」
「彼女もほったらかしだったもんな。…これから、大切にしてやれよ」
ファイルを仕舞いながらそう言った。
「だから。彼女じゃないですって…」
「今は、だろ?」
「……」
「彼女になって欲しいんだろ?」
「……」
「だから、一生懸命バイトしてたんだろ?」
ニヤニヤしながら俺を見る。
「…先輩、お客さん来てますよ」
俺は苦し紛れにそう言った。
780 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:50:36
3
次の日の夕暮れ。待ち焦がれていた『それ』を手に入れると、俺は急いで自分の部屋に戻って窓を開けた。
美貴の部屋のカーテンはしっかりと閉じられている。
「…美貴。おいっ!美貴!!」
俺はその閉じられたカーテンに向かって、声をかける。美貴が部屋の中にいることは知っていた。
しばらくすると、そのカーテンがためらいがちに少し開いた。
しかし、美貴は俺の顔を見るなり、またピシャッと閉じてしまう。
「おいっ!!ちょっと待てよ」
この前のように、俺の頭の中に美貴の怒った顔が浮かんできた。
厄介なことになってるな。俺は頭をかいた。
あいつが人一倍頑固で意地っ張りなことは、俺が一番よく知っている。
そんなときには…。
「美貴!俺が悪かったって、ゴメン。ちょっと話し聞いてくれ!」
素直に謝るしかない。
そうすればあいつは不機嫌全開な顔で俺を見て、文句を言いながら許してくれる。
その目の中の少しうれしそうな色を浮かべながら。
いつもそうだ。
だから俺は、美貴の部屋のカーテンに向かって謝罪の言葉を並べていた、
でも美貴はなかなか出てこない。
いつも以上に厄介なことになってるみたいだ。
俺の声が少しかすれてきた頃になって、ようやくゆっくりとそのカーテンと窓が開いた。
俺は少し胸をなでおろす。
しかしまた俺の顔はこわばった。
美貴は不機嫌全開な顔じゃなかった。
その顔には今にも泣き出しそうな…悲しい色が浮かんでいた。
781 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:50:59
4
「どうした…」
「…あんた今日、バイトは?」
美貴はその顔のまま俺を見る。
「今日は休み」
「そう…」
美貴は目を伏せる。
「で、なんの用?」
いっそのこと睨まれた方がましだ。
「…あのさ。美貴ヒマだろ?今からちょっと出掛けないか」
「あんたさ。身勝手だと思わないの?」
美貴は俺とは目を合わさず、静かでつぶやくように口を開いた。
「……」
「さんざん約束破っといて今さら…」
「悪いと思ってるよ。でも、どうしても欲しいものがあった…」
「そんなのどうでもいい」
美貴は俺の言葉をさえぎる。
「ミキには関係ないもん」
「…関係なくない。俺は…」
「……」
「俺ももっと美貴と一緒にいたかったから」
「だったらなんで…」
美貴がこっちを見た。
俺は間違っていたのかもしれない。
そう思わせるような目だった。
「……あんた、なにが欲しかったの?」
俺が欲しかったもの。
それは…。
782 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:51:20
5
「…ちょっと出てきてくれよ。下に止めてある」
「止めてる?」
「あぁ…」
俺はそう言って窓を閉めた。
美貴が来てくれることを信じて。
玄関のドアを開け、『それ』の前で美貴を待つ。
俺の目は美貴の家の玄関に注がれていた。
一分が何倍にも感じられる。それでも美貴を待っていた。
カチャ
その扉がゆっくりと開く。
遠慮がちに美貴が出て来て、『それ』を見た。
「…あんたが欲しかったのって、これ?」
美貴は中古の軽自動車を見て言った。
「あぁ。そうだけど…、厳密に言うとちがう」
「車が欲しいから、ミキのことほったらかしにしてたの?」
「……」
「ミキより車のほうが大事なんだ」
「ちがう」
「ちがわないよ。だって…」
「ちがう!!そうじゃない」
俺は思わず大きな声を出していた。
美貴は黙って俺を見る。
「俺はただ…」
783 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:51:41
6
「俺はただ美貴と…ドライブしたかった。一緒に出かけたかった」
「……」
「車があれば、どこへだって行けると思ってた。これからのために。これからも、もっといい思い出を作るために…」
「じゃあなんで…」
「黙ってたのは驚かせたかったから…。喜んでくれると思ってた。俺の独りよがりだったんだな…」
「……」
俺はその軽自動車を見た。
昨日まで、いやさっきまであんなに待ち焦がれていたその車。今は色褪せて見えた。
俺が欲しかったのは車なんかじゃなかったんだ。
「…まだ、間に合うよね?」
「えっ?」
「つれてってよ」
美貴は目を伏せながらポツリと言った。
「…どこへ?」
「思い出を作りに」
「あぁ、…いいよ。行こう」
俺は大きくうなずいた。
ようやく美貴の顔に笑顔が浮かぶ。
美貴と一緒なら、どこだって行ける。
美貴の笑顔を見てそう思った。
車を走らせる。行き先はどこでもよかった。
俺は助手席に座る美貴をチラッと見る。
美貴は窓の外を眺めていた。
「…寂しかったか?かまってやれなくて」
「自惚れないでよ。そんなわけないじゃんか…」
美貴は少しむきになって言い返す。
「俺は寂しかったよ」
わざと美貴に聞こえるように俺はつぶやいた。
了
784 :
名無し募集中。。。:04/11/06 22:52:05
奥田民生の『And I Love Car』です
乙です
(*^ー゚)b グッジョブ!!
いいわぁすごいいいわ
すいません、ageてしまってました
…全然気付くかなかった
いいねえ
きゅんきゅんくるよ
gj!
そして保全
エレカシさんGJ!!ちょっとしたすれ違いで色あせて見える車…切なくてイイ!!
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
毎度いい仕事しすぎ!
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<GJ♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 貧 )
▼〜し'~し'
保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
えれやかしゅさああぁぁぁぁああああああああんんんんっっっっ!!!!
乙です。
エレカシさんをエレカシさんと初めて呼んだのは俺と自慢してみる。
乙!
803 :
名無し募集中。。。:04/11/08 02:05:17
作家さんまだまだ募集中
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
807 :
名無し募集中。。。:04/11/08 17:30:47
あげ
なぜageる?
なんか書いて盛り上げようと思うんだが何書いていいか分かんないや
迷わず書けよ書けば分かる
「美貴ね、ホントはね」
「???」
「スーピー、スーピーzzz」
「なんだよ、寝言かよ」
だめだこりゃ精神を和するるべ駆らず
813 :
名無し募集中。。。:04/11/09 02:37:26
作家さんまだまだ募集中
書いてみるか・・・と思わせて保全
815 :
名無し募集中。。。:04/11/09 02:45:40
夜中、部屋で寝ころがってると窓からミキが入ってきた
ミキ「○○、タイタニック見よーぜ」
俺「えー、またー?このまえ見たばっかだろ」
ミキ「いいのいいの」
そう言いながらうれしそうにビデオデッキにテープを入れるミキ
よっぽどこの映画が好きなんだろうな
ミキ「ん?なんか入ってる。なんだろ」
俺「あっ、お前それ!」
ミキ「やだ!ちょっとなにこれ!!」
俺「げっ」
ミキ「はあ?なにが巨乳だよ!なんでこんなモノ見てんの?もうサイアク、帰る!」
俺「お、お前が急に来るのが悪いんだろ!それに男ならみんな見るんだよ!」
怒って部屋から出て行くミキが窓際で少しうつむいた。
ミキ「○○、おっぱいおっきい子好きなんだ……」
俺「へ?な…なんだよ、悪いかよ!」
ミキ「バカ!!!」
だめだこりゃ
ああ、こういうの待ってたよ
818 :
名無し募集中。。。:04/11/09 04:11:00
だめだこりゃ深夜保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
820 :
名無し募集中。。。:04/11/09 13:08:49
次いってみよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
長介がいるな
こんなんでもいいのかな
誰もいない朝の教室
昨日買っておいた「電車男」を熟読していた
すると、いつの間にか背後に人の気配が…
次の瞬間
「おい、○○!!何読んでるんだ!?」
美貴の腕が俺の首にからみついてきた
腕が太くない分、余計苦しい
焦って振りほどく
「殺す気か!?おもいっきりチョークはいってたぞ!」
ブチギレて美貴の背後にまわりこむ
「同じ技かけてやる!」
首に腕をまわした瞬間、はっとした
美貴の首が思っていた以上に細いことに気づく
哀しい気分になった
823 :
名無し募集中。。。:04/11/09 19:55:40
だめだこりゃ保全
824 :
名無し募集中。。。:04/11/09 22:27:31
夏休みも始まったばかりのある日、美貴をデパートで見かけた。
親友の松浦さんと水着をえらんでいるらしい。
「亜弥ちゃんこの水着どう?」
「たん…それじゃースクール水着じゃん」
「へへっ冗談だよ。ほんとはこれ。」
「おっ!いいじゃーん。試着してみればー」
「うん。」
「じゃー亜弥はもうちょっと他の見てるね。着替えたら呼んでねー」
「はいよー」
825 :
名無し募集中。。。:04/11/09 22:28:01
やべっ、松浦さんと目があった…
「あっ!△△君!君も水着買いに来たの?」
「ども。そう。松浦さんも?」
「うん!この水着にしようと思って。」
松浦さんは大胆なピンクのビキニだ。
きっと彼女なら似合うに違いない。
「みきたんも一緒に来てるんだ。もうすぐ試着終るから一緒に見よう。」
えっ!?えっ!?えっ!?
「亜弥ちゃーん。終ったよ」
「みきたんみせてー」
シャー
「きゃっ!○○!」
「ど、ども」
水色のビキニを着た美貴が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてた…
だめだこりゃ。
GJ
俺も前に読んだ記憶がある
おれも。
ミーも
美貴姉ぇの更新は?
ワシもじゃ
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ほぜん
835 :
名無し募集中。。。:04/11/10 11:48:28
まだまだ作家さん募集中。。。保全
先生こそそっちばっか見すぎですよ〜ゲラゲラ
と、矢口
誤爆
圧縮こないのかな?
840 :
名無し募集中。。。:04/11/10 17:03:05
ガチャ
美貴「ようっ!○○!」
俺 「おい、またズケズケと人の部屋に…」
美貴「おっ!ポテチじゃん。いただきぃっ!」
俺 「あっ!袋ごと奪い取るなよな…」
美貴「(゚д゚)ウマー。欲しい?」
俺 「欲しい…って、それ俺のじゃんか…。」
美貴「ほ〜しぃ〜い〜?」
俺 「…欲しい。」
美貴「あぁ〜ん。」
俺 「…自分で食えるよ。」
美貴「ほぉ〜らぁ〜。あぁ〜ん。」
俺 「…パリパリ…(*-_-)」
美貴「んフフ…」
だめだこりゃ
(*´д`*)
美貴姉ぇ編ってもう更新ないのかな?
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
845 :
名無し募集中。。。:04/11/11 02:22:13
作家さんがんばれ保全!
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
ho
849 :
名無し募集中。。。:04/11/11 20:10:43
だめだこりゃ保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
851 :
名無し募集中。。。:04/11/11 22:20:54
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
853 :
名無し募集中。。。:04/11/12 02:12:38
いよいよこのスレも終焉かもね?保全
そして次のスレへ向かうのだな
エレカシさんが健在なのになんで終焉とか
パパに似てる彼保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
858 :
名無し募集中。。。:04/11/12 19:55:15
だめだこりゃ保全
ほ
にゃたろー・・・
おいおい本当に終わってしまうのか?
862 :
名無し募集中。。。:04/11/13 02:48:08
作家ガンバレ!!!!!
【パーソナル・ジーザス】
「先輩〜、お疲れっス!じゃあ、俺たちも帰るんで鍵よろしくです。」
「ん〜、わかった。お疲れ〜・・・」
今日は金曜日、現在時刻4時30分。バスケ部の部活の時間が終了した。
他の野球部にサッカー部、バレー部は毎日遅くまで練習している。
うちの部活はなぜか木曜日と金曜日は夕方5時までに確実に終了する。
うちの顧問の浜田先生が言うには
「お前等、若いんは今だけなんやから、今のうちに遊んどいた方がいいで。
スポーツばっかしているとな、女も知らんでお前等損するだけやし。
俺、お前等に恨まれたらたまらんしな、木曜日と金曜日は、はよ終わらしたるさかいな。
お前等思いきっし遊びを満喫せい!俺からの命令や!!」
だとさ・・・自分がめんどくさいだけなんだろうが俺たちにとってありがたい。
俺がさっさと帰りの支度をしていると恥ずかしそうにうちの部のマネの高橋愛が俺に声をかけた。
「せ、先輩・・・あの・・・あ、あたしと・・・その・・・」
高橋は声がこんがらがっていて何が言いたいのかわからない。
「なんだよ、高橋?俺に恋の相談でもするのか。」
「ち、ちゃうよ!あ、あたし、先輩とこれから・・・デ、デートしたいんよ!!」
俺はビックリして美貴と昔に買ったお揃いのくまのプーさんのキーホルダーを踏んづけて潰してしまった。
「高橋・・・俺とデートしたいんだ?」
「先輩、駄目ですか?」
「ごめん高橋!今日は予定があるから無理、また今度でいいかな?」
「今日は駄目なんだ・・・あたし、勇気出して先輩に・・・ぐすっ・・・」
高橋は堪えきれずに泣き出した。俺はどうしていいのか、わからんかったのでとりあえず高橋にハンカチを差し出した。
美貴と石川さん以外にまた女の子を泣かしてしまった。俺って罪な奴・・・
「高橋・・・あの・・・その・・・俺、デートするからもう泣かないで。」
高橋は顔を引きつらせ俺に言った。
「馬鹿にせんといてや!藤本先輩とデートでもなんでもすればいいんよ!!」
バタン!!
高橋は部室のドアを大きい音で開け、そして出て行った。怒ってる証拠だな。
「美貴じゃなくて、俺は武内アナが・・・」
俺は家に帰ってスーパーJチャンネルが観たいだけなのに高橋は誤解したまま出て行った。
ふざけた理由だと思うかもしれないが男は以外とこんな理由でデートを断るのだ。(俺のまわりだけか?)
高橋を傷つけちゃったかな・・・まあ、月曜日に謝るか。高橋に嫌われたくないしな。
「・・・とりあえず歌でも聴くかな。」
俺はヘッドホンを耳に当て、もっぱらヘビロテで聴きまくってる。
俺はニルヴァーナとストロークスのMDを聴き始めた。
とりあえず『テリトリアル・ピッシングス』から再生。今の気分はニルヴァーナで落ち着こうかな。
俺はバスケ部の部室のドアを閉め。野球部とサッカー部が汗を流すなか帰路についた。
カートコバーンのやさぐれた感じの声に俺は浸っていた。
「○○〜、ちょっといいか。」
俺の気分をぶち壊すかのようにサッカー部の大野が声をかけた。
「お前、いつから美貴ちゃん以外に新しい女作ったんだよ〜。俺にも紹介してよ。」
ん?何のことだ。大野の言ってる意味がわからん。
俺はヘッドホンを外し、大野に聞いてみた。
「大野、何のこと言ってるの?俺、別に女なんか作ってないぜ。」
大野はニヤニヤしながら俺を軽く締め上げた。
「○○く〜ん、嘘はいけないな〜早く答えてよ〜。」
「大野、意味わかんねえし俺の新しい女って大体、誰の事だよ・・・」
「○○、しらばっくれないで答えろよ〜・・・後藤との事。」
後藤との事?大野、お前たち1回ヤったんだろ・・・俺はなんにもしてないし関係もない。
「○○〜、後藤とのセックスをさぞかしご満喫されたんでしょうな〜。」
大野の締め上げがだんだんきつくなってきた・・・苦しい。
大野は俺と後藤の間になんかあったと思って嫉妬してるのか・・・早く誤解を解かねば。
「○○〜、後藤のパイズリ気持ち良かったろ〜。どうなんだよ!!」
後藤のパイズリ!? 大野はそんなこと後藤からしてもらったのか!お前の方が羨ましいじゃねえかよ!
美貴は・・・
_, ,_
川*VvV)<むっ!
考えても仕方なかったな。
俺たちの前に1人の女がやってきた。
「2人ともなにケンカしてんの〜?」
後藤だ・・・のほほんとした後藤真希がやってきた。
「後藤〜、いやケンカなんかしてないよ〜。○○が俺とじゃれ合いたいっ言うからさ・・・ははは。」
そう言うと大野は俺の首から腕を離した。そして照れくさそうに後藤に近寄り、言い訳してる。
ああ・・・大野は本当に後藤が好きなんだな。2人共仲良さそうだしお似合いじゃん。
大野、後藤とうまくやれよ。俺はこそっと2人の前から離れたその時。
「○○様、どこ行くの〜?あのさ〜○○様、あたしとこれから2人でゲーセン行こうよ〜。」
「!?」
ご、後藤・・・空気読めよ。
うわっ!?大野が凄い形相で俺を睨んだ。やば〜大野は怒らすと何するかわからんし・・・
後藤!なんでお前はいつもそんなに落ち着いてるんだよ!?
お前のせいで大野と俺の友情が・・・
しかし俺はこいつらのせいで忘れていた、武内アナのことを・・・
そして俺は美貴の会話がよく考えたら一切出ていない事に気づかないでいた
乙です。
今日はこれで終わりですか?
ゴメン意味わからん
もう終わりだな・・・このスレ
872 :
名無し募集中。。。:04/11/13 12:56:27
だめだこりゃお昼保全
873 :
名無し募集中。。。:04/11/13 15:13:42
だめだこりゃ三時のおやつ保全
>>668 「後藤から○○様に質問〜、どうしてそんなに顔が青いんですか〜?」
「後藤・・・お前のせいだよ。」
「後藤のせいですか〜?」
「大野、ちょっと後藤借りるぞ・・・後藤、ちょっとこっちにこい。」
「まさか、○○様が後藤に告白?やだ〜どうしよう。」
「しねえよ!お前、大野の気持ちを少しは考えろよ!」
「○○様〜どういう意味っすか?」
「大野はお前が好きなんだよ。なのに俺とゲーセン行こうなんて大野からしたらいい気しないだろう?」
後藤はいきなり腹を抱えだし笑い出した。なんか俺、変なこと言ったか?
「○○様〜、そんなのもう古いっすよ。今は平成16年、そんな昭和の時代みたいな男はもうダサいっすよ〜。」
「ダサいってなんだよ?好きな女が他の男と一緒にいたら普通は嫌だろ?」
「キャハハハ!○○様〜もうダサダサっすよ〜。今時、純愛なんてキモイだけっすから
男も女もとりあえずヤってみなきゃ!純愛なんてドラマだけの話っすから〜。」
「そうかもしれないが大野はそうは思ってないんだよ。後藤が真剣に好きなんだよ・・・なあ、大野?」
「ああ、俺は後藤が好きなんだ。誰にも渡したくない・・・」
後藤はさっきよりいっそう笑い出した。
「大野キュン〜、あたし遊びの男に本気になられると困るんだよね〜。マジうぜぇっつーの。」
「後藤・・・俺があげたエルメスのリングつけてくれないな。どうしたんだよ、なくしたのか?」
「ごめん大野キュン〜、3万円で売っちゃった・・・えへっ。」
「ご、後藤・・・」
「その金で○○様の為に、マイケルジョーダン限定シューズを買っちゃいました。
後藤はもう○○様しか目に入らなくなっちゃいました。
もう美貴の事なんかほら忘れちゃってくださいよ〜。はい、○○様にプレゼント。」
後藤は微笑みながら、俺にマイケルのシューズを渡した。受け取れるか!
「お、大野・・・ははっ・・・」
俺は恐る恐る大野の方をチラッと見た。
「ゆあまいそうそういつもすぐそばにある・・・ゆずれないよだれもじゃまできない・・・」
大野!?だめだ発狂してる。俺、何されるか分からんぞ・・・まずい逃げるか!
「あ!○○様〜どこ行くんすか。ほらシューズ忘れちゃってますよ〜・・・行っちゃった。」
俺は全速力で2人の前から姿を消した。これからは後藤の奴とはあまり関わりたくないと俺は思った。
後藤と関わると俺の命がいくつあっても敵わないからな。
美貴は後藤に比べるとだいぶマシだな。男を弄ぶような事はまずしないし・・・それより家に早く帰って武内アナを
「○○!!」
走る俺の背後から誰かが俺に声をかけた。
聞き覚えのある声・・・振り返ると美貴だった。俺は走る足を止めた。
「美貴、俺急いでるんだけどなんか用か?」
「○○、あそこ見てよ!助けてあげてよ!!」
美貴の指差す方向にはうちのクラスの出川がチンケな不良にカツアゲされいてた。
「もう、勘弁してくださいよ〜。」
「うるせえ!金を出せよ!!」
「やばいよ、やばいよ!誰か助けて!!」
しかしなんだな、大人たちは出川たちを見て見ぬふりをして通り過ぎて行く。
まあ、今の若い奴(俺も含めて)何するか分からんし係わりたくないのは分かるが
それにしても最近の大人は冷たいよな。お前らがそうだから未成年の犯罪が増えるんだよ。
美貴は心配そうに出川を見つめる・・・どうする美貴の為に助けてやろうか?
「美貴・・・男には自分の力のみで越えなきゃならない壁もあるんだよ。
出川は今、その壁に当っているんだ。」
「でもさ、このままだと出川君ボコボコにされちゃうよ!かわいそうじゃん、○○助けてあげてよ!!」
「悪いな美貴、俺にはこれから大事な用があるんだ。出川にかまってる暇はない。」
「大事な用?」
「美貴、俺は武内アナを愛しているんだ。だからスーパーJチャンネルを家に帰って観るという大事な使命が・・・」
「ふ〜ん、○○はこんな時に冗談言うなんて・・・美貴にぶっ殺されたいの!?」
「冗談じゃなくて真剣に武内アナを・・・って美貴、なんだよ何する気だよ。」
「○○が助けないから、かわりに美貴が助けてあげるの・・・だから早く帰って○○は武内アナを観てたらいいじゃん。」
「がんばるんだ〜さすが女の子。」
「・・・」
美貴は不良たちに一人立ち向かっていった。とりあえず俺は美貴たちを見守る事にした。
「あんた達!弱いものイジメはやめろよ!!」
「あ〜ん?姉ちゃん、なんだ正義の味方のつもりか〜。お兄さん、泣かしちゃうぞコラ!」
「なめんじゃないわよ!!」
美貴はいつもの調子で不良に拳をふるった。美貴の右ストレートが不良に炸裂した。
「いっ、いってぇー!このアマ・・・ぶっ殺すぞ!!」
「きゃ、きゃあっ!ちょ、ちょっと離してよ!!」
美貴は不良たちに背後から押さえ込まれた。美貴はかなり苦しそうだ。
乙
一旦終了でいいのかな?
____ r っ ________ _ __
| .__ | __| |__ |____ ,____| ,! / | l´ く`ヽ ___| ̄|__ r‐―― ̄└‐――┐
| | | | | __ __ | r┐ ___| |___ r┐ / / | | /\ ヽ冫L_ _ | | ┌─────┐ |
| |_| | _| |_| |_| |_ | | | r┐ r┐ | | | / | | レ'´ / く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
| r┐| |___ __|. | | | 二 二 | | |く_/l | | , ‐'´ ∨|__ ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
| |_.| | / ヽ | | | |__| |__| | | | | | | | __ /`〉 / \ │ | |  ̄ ̄|
| | / /\ \. | |└------┘| | | | | |__| | / / / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄
 ̄ ̄ く_/ \ `フ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | |____丿く / <´ / `- 、_// ノ\ `ー―--┐
`´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'  ̄ ` `´ `ー' `ー───-′
ズッコケとかどこいったの?
もうズッコケは休ませてやれよ
ズッコケはNO1でありながら行方不明
ズッコケはある意味誉め殺された
誉め殺されていなくなってしまった
ズッコケは富樫病
ズッコケさんはミキティがメインなんだけど、毎回スポットが当たる人物が
変わっていくのがよかった
俺は吉澤の話を待ってるんだがなぁ・・・
まぁだれも
>>874のアンカーが間違ってようがなんだろうが知ったこっちゃないわけだが
今更だけど
>>145から
もうすぐ授業参観の時間がやってくる。とは言え俺の家の親なんて、共働きの貧乏一家なのだから
当てになるわけはない。
たいして当てもせずに差し出したプリントにまぁ、何時もの反応が返ってきた。
そこまでは予想通りだった。
所が何処をどう間違えたのか、バケツをひっくり返したのか、法律が改正されたのか
隣に住んでる三歳半上の高校生が変わりに出席する事になった。
近所付き合いの一環とは思える訳も無く、どちらかと言ったら多分にバラエティ系の要素が
含まれてる気がしてならない。
そんなこんなで俺は最悪の事態を阻止すべく校庭の端っこらへんに佇むのだった。
ヤバイ、やべーよ……どうしよ。
L字型の三階校舎をほぼ見渡せる正面の中学用正面ゲート前で、俺は美貴姉ぇがやって来るのを
ただひたすら待っていた。
チラッとゲートの脇の時計に目を移すと、もう時間がない。
やべーよ、本当にどうしよ…。
校庭でサッカーしてた集団が校舎の中に消えていく様子を横目に俺はそわそわと方膝を動かした。
考えてみれば、時間に遅れるのなんて美貴姉ぇのお家芸とさえ言える大得意技だ。
ちょっと前、夏休みの中盤に差し掛かった辺りに美貴姉ぇから携帯が来た時だってそうだった。
隣町の駅前で待つこと一時間、遅れて現れた美貴姉ぇは何故か一文無し。
駅ビルの3階にあるゲーセンで気に入ったぬいぐるみが取れなかったとか言って、むちゃくちゃ
不機嫌だった。
奢って貰うはずだったファミレスメニューも帰りの電車賃も俺持ちで、その上逆切れされた。
『男ならユーフォーキャッチャーぐらい上手くやれよっ!』
いい感じに突っ込みを受け間違って触ったボタンが、クレーンを全然見当違いの場所に降下させる。
「何やっての? 全然違うじゃん」
「美貴姉ぇーうるさい」
また百円が無駄になった…。恨めしげに美貴姉ぇの顔を見返して俺は軽くなっていく財布の中身に溜息を漏らす。
これじゃ、今月買う予定だったCDも買えそうに無い。
物価の安い大正時代に生まれたかった。
「もう止めようよ…」
「まだ、勝負は諦めたらそこでおしまいなの」
獲物に狙いを定めたまま、聞く耳を持たない美貴姉ぇに溜息で返事を返しながら
またもう一枚千円札を両替しようとカウンターの隣に歩き出す。財布の中が空になるのを覚悟した方が良さそうだ。
ところが、そんな俺を美貴姉ぇが突然呼び止めた。
「ちょっと○○、これって…」
「え?嘘??」
奇跡は何時だって突然起こる。
力の無いクレーンの片端に金色のヒモが偶然引っかかって、こんもりとぬいぐるみの山が盛り上がる。
俺は駆け寄って状況を確認した。美貴姉ぇも信じられないと言った風にガラスで区切られたハコの中身を
見守っている。
「神様っているんだね」
何時に無く美貴姉ぇは神妙に一人頷いて、ガラス板に右手を添えた。
俺は頷く。
神様……無宗教の俺に恵みをありがとう。
所がだ…
中から現れたのはただならぬ雰囲気を持ったぶち柄のウサギだった。ぶち柄なのに派手だ。
そして完全に目が据わっている。欲しくない…。
「神様…居留守?」
「な…R15?」
「いや、18禁じゃ…」
ガラスに顔を貼り付けて美貴姉ぇが呆然と呟くと、ウサギは引き上げられた反動でご丁寧に
一回転して、全身をくまなく見せ付けてくる。
こんなのが部屋に居たらきっと、呪われる。
ゲームで力技を使うなんてご法度だとは思うけど、甲高いエマジェンシーコールを聞きつけて
俺はとっさにユーフォーキャッチャーに体当たりをかました。
「あ、○○ナイス!!」
はっとした美貴姉ぇがすかさず蹴りを入れる。これでも二人ともに地元のゲーセンじゃ恐れられるコイン落しの
常連だ。
クレーンに引っかかったぬいぐるみくらい楽に落とせなきゃ名前が泣く。
落ちろ、落ちろ、落ちろォーーー。
「お客様…」
美貴姉ぇの蹴る音がピタッと止まった。後ろに寒気を感じる。
「美貴姉ぇ…」
「○○……」
ただ俺達が見落としていたのは、此処は地元の好き勝手やっても注意されないような暇なゲーセンではなく、
マニュアル管理の徹底した全国展開されたれっきとした企業だったって事だ。
そして、二人してその事に気付かない程度にほんの少しだけ冷静さを失っていた。
コトンと音をたてて滑り落ちてきたぬいぐるみを無視して顔を見合わせたまま、俺達はアイコンタクト
で会議を重ねた。
もちろんお互いにぬいぐるみのコトなんかもう頭にない。
美貴姉ぇの顔が引き攣ってる。俺は頷いた。
「あ、ちょっとーー!!」
店員の立ちふさがる反対側に駆け出して、俺は美貴姉ぇの手を掴んだ。
「あーあ、行っちゃった……」
ポツンと一人取り残されたバイトの店員は
長身の背を折り曲げてぬいぐるみの取り出し口に手を突っ込んだ。
「んー結構上手く出来たと思うんだけどなぁ」
困惑して首を傾げながらぬいぐるみの頬を突いてみる。
最近アートな世界に目覚めた彼女は自分の作った作品をこうやって、景品の中に混ぜ反応を
見るのが楽しみになっていた。
もちろん店長に見つかれば大目玉は必至だから、目立たない場所にこっそりと混ぜておく。
今回の自信作も不評に終わり彼女はかっくりと肩を落とした。
「やっぱ耳はもっとファンキーにした方が喜ばれるのかも……」
青のビニール毛を施したウサギの耳を撫でながら次は耳自体の形を変えてモヒカンッぽくしてみようと
心に誓うのだった。
「来年までには絶対売ってやるぅー」
逃げた二人ずれの姿はもう無い。
俺と美貴姉ぇは、そのままエレベータの横にある階段をわき目も振らず駆け下りた。
階段から出た途端、人ごみの多さに肩をぶつけながらそれでも走り続ける。
追っ手はないように見えたがそれでも気は抜けない。やっと安心できたのは、地元の駅に入った電車のドアが閉まった瞬間だった。
「あーー疲れたぁ。全力疾走なんて結構久しぶり」
美貴姉ぇは一度大きく深呼吸をしてから辺りを見回し近くに自動販売機を見つけて当然のように手を差し出した。
「お手?」
「あのさ、疲れてる時にそういうボケ止めてくんない?」
「もうお金そんなに無い」
「それぐらい後で払うからさ、ほら早くッ」
「そんならゲーセンのも」
「あはは、今日も月が綺麗だねぇ」
「見えねーよ……」
電車の去っていくホームに佇んで美貴姉ぇは空を見上げた。月は厚い雲に覆われてその光さえ届かない。
「そういや、あの時のお金返して貰ってないぞ」
「何一人でブツブツ言ってんの? 見えないお友達?」
と考え事をしていると探し人、美貴姉ぇが目の前に突っ立っていた。
あまり突然だったせいか、怒りというか唖然として言葉が上手く出ない。
「いやそうじゃなくてさ……って遅せーよ」
「ん? 別に父兄は遅れてついてもいいんでしょ?」
授業開始の鐘は……聞こえてないだけでとっくに過ぎてる。
「んじゃ、サボってどっか買い物でも行く?」
何しに来たんだよ美貴姉ぇ……だめだこりゃ…
895 :
名無し募集中。。。:04/11/14 00:56:43
乙
「や、やだ・・・どこ触ってんのよ!!・・・や、やめて!!」
「へっ、やめてだってよ・・・かわいい〜!キスとかしちゃおうかな〜。」
「マジで、や、やめろよ!離してったら!!」
嫌がる美貴を見ているのも面白いけど・・・そろそろ俺の出番かな。
カッコよく登場するには・・・
・・・
「おい、そこまでにしてくれないかな〜。美貴の奴、嫌がってるから。」
「あ〜ん?なんだてめえは〜・・・」
「助けて、○○!!」
「美貴〜、1分でかたずけるから少し待っててね。ほらかかって来いよ。」
「おい糞餓鬼!俺たち、なめてんのか!!」
「お前等、汚いから舐めるのはいやだな・・・俺。」
「てめえ殺すぞ!!」
1分後・・・
「申し訳ございませんでした・・・俺、いや!ぼ、僕たちはこれからは、カ、カツアゲなんてしませんので許してください!!」
「ふーん・・・お前等さ。俺、喉渇いちゃったからジュース代くれよ。」
「は、はい・・・ご、500円でいいですか?少し多めに・・・」
不良Bは俺の右手に500円を差し出した。
「あの・・・ぼ、僕たちこれから塾があるんで、失礼さしてもらってよろしいでんしょうか?」
おどおどする不良たちに俺は少し悪戯してやろうと思い立った。
「ちょっと待てよ。俺、おなかも空いちゃったんだよね〜・・・お金頂戴。」
「え!・・・1000円でいいんでしょうか?僕ら、お金ないんすよ・・・」
「ん〜・・・僕ちゃん育ち盛りだからさ〜よく食べちゃうんだよね。君たち閻魔様に逢いたいのかな〜?」
「す、すいませんでした!お前等、財布だせ・・・1000円、2000円・・・全部で8764円しかないすけど許してください!!」
「わかった、君たちもう行けば。お金ありがとね〜?」
「それじゃあ僕たち帰るので・・・し、失礼しました!!」
不良たちは猛スピードで俺の前から逃げ去った。
ホント、手ごたえねえ見掛け倒しの奴らだぜ・・・出川の奴もいつの間にか逃げてるし・・・美貴の立場がないだろう。
俺は尻餅をついている美貴の手を取り、起こしてあげた。
「・・・美貴、大丈夫か?」
「う・・・うん!その・・・○○、あ、ありがと。」
美貴は少し照れくさそうに言った。ホント、素直じゃないんだから。
「・・・じゃあ、俺は先帰るから。(やっと、武内アナが観れる。)」
「○○、ちょっと待って!」
「なんだよ、家に帰ってから聞くからさ。じゃあ美貴、一緒に帰ろうぜ。」
「そうじゃなくて・・・○○、あいつらから8764円カツアゲしたよね〜。そりゃ〜当然、美貴に奢ってくれるんだよね〜。」
「ん?どうして俺が美貴に奢るのよ。」
「男はそんな細かい事を気にしてちゃ、かっこ悪いよ。○○行こうよ、マックに〜。美貴、おなか空いたもん。」
「わかったよ・・・奢ればいいんだろう。(こいつ、ちゃっかりしてるな。)」
俺は美貴から強引にマックで奢らされるハメになった。
ここのマックはカップルばかりで俺はあんまり好きじゃないんだよな。
美貴はすごい楽しそうだし・・・武内アナは忘れるか。美貴もかわいいしな・・・
注文
「○○、なに頼むの?」
「じゃあ、ラーメンでいいや。」
「マックにはねえよ!」
「ふーん、ラーメンセットにしとくわ。」
「セットもないって!」
「美貴、ギョーザはあるんだろ?お姉さ?ーん、ギョーザ2人前!」
「だからないって!○○、さっきから王将のメニューばっかりじゃん!」
「バレたか・・・お姉さん、スマイルを一つ。」
「それはあるけどさ・・・○○、いいかげんハンバーガーを頼めよ!!」
そんなこんなで15分が過ぎた。俺と美貴はポテトを食いながら談笑していた。
「○○、清原って巨人辞めるの?なんかしょぼい選手しか残ってないじゃん。巨人戦って来年、数字は大丈夫かな?」
「まあ、そこはスポンサーの問題だな。局は1億円以上の放映料を払って一桁だもんな。
スポンサーは確実に減るだろうし。清原がいないんじゃ、数字はまあ1パーは下がるだろうな。」
「松坂はメジャー行くのかな。」
「松坂のメジャー挑戦は再来年だと思うよ。第一俺が観に行った松坂の試合って松坂が勝った事、一度もないんだよね。」
「西武も身売りされるしね・・・ただ200億は高いよね。」
「高すぎるよ!松坂しか客を呼べる選手いないのに・・・それに来年は俺が観に行って松坂に勝って欲しいものだ。
それより美貴、ちょっとポテト食いすぎじゃないか・・・太るよ。」
「そうかな・・・あのさ、○○の食べかけのハンバーガー、一口頂戴。」
「なに言ってんだよ・・・美貴のまだ残ってるじゃんっておい!?」
美貴は勝手に俺のハンバーガーを手に取り食べた。しかも俺が口付けたとこから・・・
「おいし〜、○○も美貴のハンバーガーちょっと食べていいよ。」
「え、遠慮しとくよ。美貴・・・俺、もうおなかいっぱいだから。」
美貴は目を細めながら俺に言った。
「○○、美貴の食べかけを食べるの嫌?なんかやましい事でもあるの?」
「そうじゃないけど・・・わかったよ!食べればいいんだろう!!」
俺は美貴のハンバーガーを遠慮なくガバッと食べた。ほとんど食べてしまったけど・・・
「美貴のほとんど、食べちゃったね・・・おいしい?」
「ゴクン・・・これスゲー、おいし〜。俺、もう1個注文しようかな・・・」
「○○〜、美貴のも注文してね。」
「・・・先輩、やっぱ藤本先輩と一緒なんや・・・仲良さそうやね。」
後ろを振り返ると眉間に皺を寄せた高橋が立っていた。
「○○、この子・・・バスケ部のマネージャーの子だよね?」
これが美貴と高橋の初遭遇・・・のちに2人は俺を取り合うライバルになる事を俺はこの時、知るよしもなかった。
乙です。
結構長老スレだったんだなここ
904 :
名無し募集中。。。:04/11/14 13:51:32
作家さん乙!
905 :
名無し募集中。。。:04/11/14 14:48:52
だれか17冊目を過去ログまとめサイトに補完してください
ho
907 :
名無し募集中。。。:04/11/14 18:52:53
保全するよ
狼フカーツ記念保全
ほ
ぜ
まとめサイトの管理人どうしたのかな?
17冊目は幼なじみスレ屈指だったからな
随分遠い昔に感じるが
915 :
名無し募集中。。。:04/11/16 01:25:24
作家さん募集中。。。
916 :
名無し募集中。。。:04/11/16 04:35:25
だめだこりゃ早朝保全
917 :
名無し募集中。。。:04/11/16 05:26:55
「なぁ美貴、お前好きな奴とか・・・居る?」
「い、いきなりなによ!?」
「とりあえず、居るか居ないのかどっち?」
「まぁ・・・居るよ・・・」
「・・・居るのか」
「じゃあ、○○はどうなの?」
「俺も居るよ」
「へ、へぇー・・・どんな娘なの?」
「う〜ん・・・単細胞で怒りっぽくて体がまな板。だけどスッゲー可愛くて憎めない奴かな・・・」
「・・・」
「あっ!一つスッゲー分かり易いヒント忘れてた・・・」
「・・・どんな・・・ヒント?」
「今、俺の目の前に居る奴」
「それって・・・ミキの事?」
「そういう事」
「・・・ホント?」
「お前にこんな嘘付いたって、なんの得もねーよ」
「・・・」
「そういや、美貴の好きな奴って誰?」
「アンタに・・・決まってる・・・でしょ」
「じゃあ・・・両想いって事?」
「そういう事。・・・もう!こんな事、女の子に言わせないでよ!○○のバカッ!」
「ごめんごめん」
だめだこりゃ
乙です。
会話オンリーってのも懐かしいですね。
乙。
920 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:57:19
新作です
921 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:57:42
1
いつもの学校の帰り道。
自分の心を表すように俺はうつむいて歩いていた。
高校三年の秋。
ご多分に洩れず俺もいわゆる受験地獄に陥っていた。
第一志望の合格率はBマイナス。
『ちょっと厳しいけど、まだ時間もある。お前ならがんばれるだろ?』
誰にでも言いそうなセリフを、乾いた笑いとともに吐き出す担任の顔が浮かぶ。
進路のことなんて全然考えず、遊びまくっていたツケが一気に来た。
「もっとまじめに勉強しておけばよかった。…はぁ」
ため息もつきなれたもんだ。
冷えてきた空気に少し身震いをする。
俺は少し足を速めた。帰って勉強しないと。
明日は予備校だ。
あさっても勉強。その次の日も、そのまた次の日も…。
なんか、精神が腐っていくような気がする。
「はぁ…」
ふと、頭を上げた。
そこには夏の盛りを通り過ぎ、頭を垂れるひまわりたちがいた。
太陽を見失って黒ずみ、力なくうなだれるひまわり。
思わず足が止まった。
今の俺を見ているようだった。
922 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:57:59
2
毎日、そのひまわり畑の前を通って帰っていたにもかかわらず、今年の夏にひまわりを見た記憶がない。
無理もない。
今年の夏といえば、俺が受験を意識し出したころ。
俺がうつむき始めたころ。
ひまわりなんて、気にしていられなかった。
受験というもののために、俺はいろんなものを見落としている。見過ごしている。
そんな気がした。
「おいっ、なにやってるんだよ」
後ろからの聞きなれた声。
俺は振り返りもしなかった。
「返事くらいしてよ」
そこで俺はようやく振り返る。
「あぁ…わりぃ。ちょっとな」
俺がそう言うと、美貴は俺の隣に来て、枯れてしまったひまわり畑を眺めた。
「…ひまわり、枯れちゃったね」
美貴の声が少しさびしく聞こえた。
「そうだな」
秋の風が俺たちに突き刺さる。
「もう秋だからな…」
「うん。そうだね」
ひまわりを見る美貴。
遠い夏。太陽とひまわり。
そして、幼い俺と美貴。
「…あんた、覚えてる?」
「あぁ。覚えてる」
美貴の問いに間髪いれずに答えた。
俺の記憶は、一気に遠い過去へ帰って行った。
美貴もあの夏を思い出していることが、少しうれしかった。
923 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:58:36
3
灼熱の太陽。田舎の広すぎる空。
その大きな空の大きな太陽から、目を離さないひまわりたち。
俺と美貴の背がそのひまわりたちより低かったころ。
靴をドロドロにしながらこのひまわり畑の中で遊んだ。
ひまわりの見ているものを見ようとして、目を細めた。
真っ青な空を、何かを描くように飛行機雲が横切った。
「目、悪くなっちゃうよ」
美貴は笑いながら言った。
でこぼこの地面に足を取られて倒れる体を、畑のやわらかい土が受け止める。
草と土のにおいが胸に広がった。
心配そうに見る美貴に俺は笑顔で答えた。
かくれんぼして、俺が鬼で。なかなか見つけられなくて。
心配になって、必死に探して。
やっとっ見つけたときには、美貴はひざを抱えて座っていた。
「…見つけてくれないかと思った」
半べそでそう言う美貴の隣に座り、そして手をつないだ。
日が落ちかけても、それでもその陽だまりは暖かくて。
顔を赤く染めながら、落ちていく夕日を眺めていた。
夕日を見ながら、美貴の手を握りながら、俺の胸はなぜか高鳴っていた。
幼い俺は、なぜ自分の胸が高鳴っているか分かっていなかった。
今の今まで、その日のことを忘れてはいない。
ひまわりを見るたび思い出していた。
今年はそれさえなかった。
924 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:59:01
4
「今年。ひまわり見たか?」
「はぁ?なに言ってんの、毎日この道通ってるんだよ。見ないわけないじゃん」
「……」
「どうしたのよ。もしかしてあんた…」
俺は小さくうなずいた。
「俺、今年はひまわり見てない気がする。他の事に気がいっぱいで…」
「……そっか」
美貴は少し複雑な表情を見せた。
また風が吹いて、枯れかけのひまわりを揺らした。
「夏ごろからだもんね。あんたが勉強始めたの」
俺は無言でひまわり畑を見ていた。
「毎年、当たり前のように見てたのに…な」
「…うん」
「見るのも忘れるなんて。そのことにも気付かないなんて…な」
「……」
「こんふうにいろんなことを見逃しながら、大人になって。…あのひまわりみたいに枯れちゃうのかもな」
つぶやくように俺は言う。と
「なに言ってるのよ」
美貴は俺の胸をドンッと叩いた。
「来年。来年の夏にもひまわりは咲く太陽に向かってね」
そういってニコッと笑った。
「大変なのは今だけよ。多分…」
「そうだな」
俺も笑った。
925 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:59:38
5
「…大変なの?受験勉強」
伏し目がちに美貴が俺を見た。
「あぁ、まあな」
「がんばってよ。ミキ、何も出来ないけど、…応援してるから」
俺は美貴を見た。
「あぁ。絶対合格するよ」
「…うん」
美貴の言葉に少し元気が出た。
「帰るか」
「来年の夏…」
家の前まで来たとき、美貴は口を開いた、
「また、一緒にひまわり見ようよ」
「あぁ。合格したら、一緒に見よう」
俺の顔に自然に笑顔が浮かんだ。
「…もしも、合格できなくても…」
「おい、そんなこと言うなよ」
「わかってる。でも…、もしも、もしもダメでも…」
美貴は少し真剣な顔になっていた。
「…一緒に見よう」
「わかった。もしも、ダメだったとしても、絶対に一緒に。…約束だ」
美貴の顔に笑顔が戻った。
美貴が太陽なら、俺はあの夏のひまわりになれる。
そんな気がした。
了
926 :
名無し募集中。。。:04/11/16 20:59:54
CURIOの『ひまわり』です
927 :
名無し募集中。。。:04/11/16 21:17:27
つくづく俺にもこんな幼なじみがいたらなぁ・・・と思わせるな
乙です
キュリオってまた懐かしすぎる
929 :
名無し募集中。。。:04/11/16 22:13:35
相変わらずいい仕事するねー
あんたの作品はいつも情景が目に浮かぶよ
エレカシさんGJ!
エレカシさんは最後の希望だな・・・
乙
933 :
名無し募集中。。。:04/11/17 01:55:40
ミキティは受験は良いのか?
目を覚ますと七時半すぎだった。思いっきり朝寝坊である。こうなっては
走ったとしても学校は遅刻、もはや行く気は起きない。行く気は起きない
というより、もともと行く気はなかったのかもしれない。とある人物と顔をあ
わせたくないからだ。
そいつの名前は藤本美貴、うちの隣に住んでる幼なじみだ。 あいつは
今日、学校行ったのかなぁ。
実は、中三の頃からヤツを女として意識している。頑張って同じ高校に
も入った。そうやって、気づいたらもう三年近く美貴に片思いしたまんま、
高校生活がオナニーのように過ぎてしまっていた。
だが、そんなある日、昨日のことである。俺にとって大事件が起きた。
>>934 「なぁ美貴。お前さぁ、好きな人いないの?」
「えっなんで?」
「いや、最近A組の松本といい感じだって噂を聞いたからなんとなく」
「・・・噂話のスピードって光よりも速いね」
「え?」
「いや、うん・・・松本君好きだよ。この前桜木町行ってきたー」
「あ〜・・・そっかーorz」
この時、今にも涙が溢れそうになったのを覚えている。
「あんたはどうなのよ?」
「もうなんもない」
「嘘つくなバカ。こないだ一年のさゆみちゃんと駅前のカラオケBOXに
入ってくとこ見たもんね。しかも二人で」
「あぁ、行ったな・・・」
あまりの音痴さに笑いをこらえるので必死だったな。
「付き合わないの?あ、もしかしてもうできてたり??」
「あのな美貴」
「ねぇねぇ、今度ダブルデートしようよ。あんたいればたぶん緊張しなくて
済むと思うん」
「話がある」
公園の前を通りすぎる直前、美貴の言葉を遮り、腕をつかんで暗い公園の
中に入った。
>>935 「えっえっ!何?」
俺は美貴に向き直り、両手で美貴の両肩をつかんだ。自分でも焦るくらい
身体を引き寄せていた。
「ちょ、ちょっと・・・」
「もし俺が美貴のこと好きだって言ったらどうする?」
「えっそんなこといきなり言われても困るし」
困った顔でこちらを見上げている。その表情がたまらなく愛しかった。
「美貴」
美貴の身体に腕を回し、思いっきり抱きしめる。この日を何度夢見たことか。
だが、俺の頭ん中はしっちゃかめっちゃかである。
「やっ、やだ離して」
美貴の腕が俺を押しのけようと力を入れた。その力で俺は我に帰り、美貴を
離す。
美貴はなにも言わずに走って行ってしまった。自分のブレザーの胸元に、ほ
んの少し水滴がついていた。
完
938 :
名無し募集中。。。:04/11/17 04:15:18
>>937 なに?処女作かな?
いいじゃん。未熟っていうとそう思うかもしれんが。
それでもいいじゃん。乙!次回作もよろすく。
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
乙です。
完って・・・
続きキボンぬ。
珍しい終わり方ですね
この先はミキティの涙で推測しろということですか
続けてもらわないと困る
945 :
名無し募集中。。。:04/11/18 03:03:47
だめだこりゃ深夜保全。
>>936 >>934からの続き
家にいてもすることがないので、意味もなく服装を決めて家を出た。
たぶん今日は、ブラブラした挙句いつものゲーセンで時間つぶして終わり
なんだろうな。寂しい男だよ俺は。
駅に向かう途中、昨日美貴を抱きしめた公園に通りかかった。朝早いの
で、さすがにまだ若い奥さんやその子供たちが砂場で遊んでるということ
もない。
俺は、青いベンチに腰かけた。そーいや、学校帰りに美貴とこのベンチに
座って、夜中まで他愛もないこと語り合ったりしてたなぁ。もうあんな日は
戻ってこないんだよな。そうやって、俺は美貴が手を振っていたあの日を
思い出していた。
「美貴、好きだ」
誰もいないことをいいことに、ボソッとつぶやく。誰もいないはずなのに口
にするのも恥ずかしい。俺は深いため息をついた。
「あ〜、マジ会いてぇ・・・」
告んなきゃよかった。しかも、なんだあの微妙な告り方orz
「○○」
はは、ついに幻聴まで聞こえてきた。俺、このままおかしくなるんじゃないか?
「○○?」
・・・幻聴か?俺はドキッとして振り返った。
>>946 この青いベンチは背中合わせになっている。でも、まさか背中合わせに
美貴がベンチで寝っ転がってるなんて思ってもみなかった。
「学校行かないの?」
「いや、お前こそ」
美貴は、しっかり制服を着ていた。ってことは、家でてからずっとここに
いたってことか?つーか、寒くないのかよ。
「あたし、今日学校行く気分じゃないんだよね。すごく顔あわせづらい奴が
いてさ」
「へぇ・・・」
「なんかさ、好きな人に自分の気持ちバレるのが恥ずかしくってね・・・あたし、
ずっと好きだった奴いるんだけど、付き合いの長いそいつにさえ、意味わかん
ない嘘ついちゃったんだ」
「どんな嘘?」
「そいつに好きでもない人のこと好きって言ったの。今思えば気引かせたかった
んだよね。そしたら、抱きしめられた」
「マジか」
「うん、あたしびっくりして逃げちゃった。一晩中泣いたよ・・・」
「そっか・・・これからどうするの?」
「そいつはきっと学校帰りにこの道通ると思う。だから、制服のあいつの胸に
飛び込むんだ」
「美貴・・・」
「あたし、ずっとここで待ってるから。あんたが制服でこの道を通るまで」
完
>>946 >>947 続き書いてみたんですが、どうでしょう。
なんかわけのわからん内容になってしまった・・・汗
949 :
名無し募集中。。。:04/11/18 07:42:49
短いけど内容はいいと思う 乙でした
(・∀・)イイヨイイヨー
曲がりくねった道を切り取る空の色 あの時君が見てた夕暮れに似てる
風のない十字路できのうが流れ出す たくさんの「はじめて」と交差してた終わり
君が選ばなかった毎日を今も過ごしている
風が吹いたら 別なあしたを歩き始めよう
風が吹いたら ほんとの自由を君に返すために
手のひらが覚えてる薄い肩と背中 今も心をきつく縛りつけるけど
君が涙見せた 最初で最後の あの日の何故 終わらせたい
Let all the memories go 胸にからまる記憶をほどいて
Let all the yesterdays go 時の流れに そっと見送ろう
風が吹いたら 別なあしたを歩き始めよう
風が吹いたら ほんとの自由を君に返すために
風のない十字路できのうが流れ出す 僕は僕らしいままで今もここにいる
風のない十字路/TM NETWORK
懐かしいな
954 :
名無し募集中。。。:04/11/19 00:56:46
>>948 なかなか萌え萌えな内容でした。ご馳走様。ぽわわ〜。
955 :
名無し募集中。。。:04/11/19 02:44:36
だめだこりゃ深夜保全
ほ
今の狼のシステムに驚いた
まさか落ちた?
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
962 :
名無し募集中。。。:04/11/20 13:23:43
作家さんがんばれ保全
▼ハヽヽ▼
/|\从VvV)<みきみき♪
⌒⌒''(U 美 )
▼〜し'~し'
次スレの季節
ほ
まとめサイトは入れないね
次スレイラネ
irune
いりまくり
新作です
1
「美貴、ちょっとどこ行くの!?」
玄関で靴を履いていると、母さんが後ろから声をかけてきた。
「ちょっと出てくる」
「せっかく帰ってきたのに…。ゆっくりしなさいよ。今夜戻るんでしょ?」
あたしはそれには答えないで立ち上がった。
「あんたも、もう有名人なんだから気をつけないと…」
「大丈夫、ここ地元だよ。心配しないで。じゃ、行って来ます」
母さんの言葉を振り切るように玄関の扉を開いた。
忙しい合間に出来た、いきなりの休み。
昨日の朝帰ってきて、もう今夜戻らないといけない。
あたしの目は自然と隣の家の二階のベランダの方を向いた。
窓は締め切られたまま。
その締め切られた窓に、赤い夕日が映っていた。
今夜戻らないといけない。
東京に…。
でも、あいつには会えそうにない。
あたしは通り飽きた懐かしい道に足を踏み出した。
2
「わりいな。どうしても、明日と明後日ははずせない用事があるんだ。家にも帰れないし…」
帰省する前日、あたしは携帯に話しかけていた。
相手はもちろんあいつ。
「そっか…、しょうがないね」
「ホントごめん」
「いいって。いきなりだったし、あんたもいろいろ忙しいだろうし……ね」
あたしはムリに元気な声を出した。
「……大丈夫か?」
「なにがよ。…全然平気に決まってんじゃん。自惚れないでよ」
茶化すように言った。
「なにぃ〜。自惚れてなんていねぇよ。ちょっと心配してやっただけだろ」
「それが自惚れてるって言うのよ」
そこからいつものような会話が始まった。
あたしはあいつをからかい、あいつは少しムキになって言い返す。
そして、今度はあいつがあたしをからかって、あたしも少しムキになって言い返す。
あいつの言葉にあたしは自分を取り戻せるような。自分が自分でいられるような。
そんな気がした。
「じゃあな、また今度」
「うん。次に帰るときはもっと早いうちに連絡できると思うから」
「ああ。次は会おう。美貴が俺に会いたいならな」
「なっ、なに言ってんのよ!ミキに会いたいのはあんたでしょ!」
「はいはい。じゃあな」
それを最後に、携帯はあいつの声を発さなくなった。
ツー、ツーと言う音だけが聞こえていた。
今回、あいつに会えないということを改めて思い出す。
あたしは少し涙を流していた。
誰もいない部屋で、あたしは目にゴミが入ったせいにしていた。
3
あたしは坂道をのぼっていた。子供の頃からあるその長く急な坂道。
子供の頃、その坂道を息を切らせながらのぼり、頂上にあるベンチに腰をかけて空を見るのが好きだった。
その坂道は太陽に続いている。何の疑いもなくそう信じていた。
だから、急なその坂もがんばれた。
歌手になるのが夢だった。そして念願かなって、あたしは歌手になった。
芸能界は楽じゃない。
その辛い道を歩いてきた。その先に太陽があると信じて。
デビューしたての頃は、がむしゃらの頃はよかった。
何も考えず、ただ必死にその道を進んでいけばよかったから。
自分がしてきたこと。それが間違っていたとは思っていない。
なのに…。
この坂を上っていた頃のあたしと今のあたし。そこにズレを感じていた。
最初は小さかったそのズレが、ドンドン大きくなっている。そんな気がしていた。
自分が自分でなくなってしまうような、そんな気が…。
どこかになにか忘れ物をしてしまったの?
なにか落としてしまったの?
それに気付いていないの?
あたしはどこに行くんだろう。
たった一人で…。
4
あたしは坂道をのぼっていた。子供の頃からあるその長く急な坂道。
子供の頃感じていたキモチと、あたしがなくしてしまったものを取り戻すため。
頂上目で来ると昔からあるベンチに腰掛けた。
そして…。
思い切って空を見上げる。
夕暮れの空は鮮やかな茜色。
真っ赤な太陽の光が雲にかかって、少し紫がかって見える。
懐かしい。
とてもきれいで…、あたしを癒してくれる。安らかな気持ちにしてくれる。
でも…。それも一瞬のこと。
空はあたしの心を満たしてはくれなかった。
「はぁ」
自分のため息がやけに大きく聞こえた。
「ミキ、どうしちゃったんだろ…」
こんな気持ちになるなんて。
「ミキ…」
あたしはもう一度つぶやこうとした。
「ど…しちゃ…」
言葉にならなかった。あたしの目から雫くが垂れていた。
泣いていた。
今まで人前で泣いた事なんてない。ましてやこんな道中で…。
ちがう。
一人だけいた。あたしの涙を見たやつ。
「逢いたい…。逢いたいよぅ…」
あいつ思って泣いていた。
5
こんなことはあの時以来。
あたしが東京に行く、前日。
その日の晩。あたしはあいつの部屋にいた。
その時も今のように泣いていた。
『どうした?』
あいつはただ、あたしの背中を撫でてくれていた。
『……』
あたしはなにも言えなかった。
あいつはあたしに笑いかけながら、背中を撫でてくれていた。
『…不安なの』
そう言うと、あいつはまた笑いかけてくれた。
『そんなの、当たり前だよ。美貴はずっとこの町にいて。それでいきなり東京へ行くんだから』
あたしはあいつを見た。
『あたし、…ミキ、どうなっちゃうんだろう…』
『どうもならないよ。美貴は…美貴のままだ』
『でも、でも…』
『大丈夫だって』
『…ミキ、変わっちゃうかもしれないよ。あんたのことなんて忘れちゃうかも…』
『俺は忘れない』
『でも、東京へ行っちゃうんだよ。ここからいなくなる…』
『…美貴が東京へ行っても、どこか遠くに行っちゃっても…』
あいつの笑顔は、今まで見たこともないくらいやさしかった。
『美貴が自分を見失っても、俺がかならず…』
6
『俺がかならず…』
あいつがあの時、言ってくれた言葉。
『俺がかならず…』
とてもやさしくて、大切なその言葉。
『俺がかならず…』
俺がかならず。なんだったっけ…。
その続きを思いだせない自分に気付いた。
また涙があふれる。
こんなに大切な言葉も思い出せないなんて…。
思い出せなくなってるなんて。
涙が止まらない。
あたしはどうなっちゃうんだろう。
どうなっちゃったんだろう。
今のあたしを見て、あいつはどう思うだろう。
怖い。怖いよ。
『美貴は間違ってない』
あいつにそういって欲しい。お願いだから…。
あたしは背中を丸めて、泣いていた。
その背中に、暖かい手が触れた。
そして…。
「どうした?」
あたしは跳ね起きる。
今まで見たこともないくらいやさしい笑顔がそこにあった。
7
「…あ…んた、…うして…?」
声にならない。
あいつはあたしの隣に腰掛けた。
「こんなことだろうと思ったよ」
そう言って、あたしの頭をクシャッと撫でる。
「…な、…んで。ここに…」
「明らかに、電話の声がおかしかったからな」
「……」
「俺には何でもお見通しだ」
あいつは笑顔を見せる。
「で、どうした?」
「あっ、あ、あたし…」
「あせらないで、ゆっくり話せ。まず、深呼吸」
あたしは大きく息を吸って、そして吐いた。
あいつはそれを笑いながら見ていた。
「…ミキ、変わっちゃった。そんな気が…」
「美貴は変わってないよ。美貴は美貴のままだ」
「でも…」
「美貴は俺のこと忘れてないだろ?」
あたしは大きく首を振った。
「俺も美貴を忘れてない。だから俺もお前も変わってない」
「…不安なの」
あいつはまた笑った。
「美貴は間違ってない。だから、今のままでいいんだよ」
「でも…」
「不安なんだろ?でも、俺にいえるのはこれだけだ。美貴は間違ってない」
「……」
「大丈夫。美貴が自分を見失ったときは俺がかならず…」
「俺が必ず…?」
「お前を、…美貴を見つけてやるから」
8
『俺が必ずお前を、…美貴を見つけてやるから』
あの時もあいつはあたしにそう言って、そしてちゃんとあたしを見つけてくれた。
あたしはあいつの口からその言葉を聴くために…。
そのためにその言葉を忘れていたんだ。
呆然と見つめるあたしに、あいつは照れたように笑った。
あたしが忘れたもの、落としてしまったもの。
それと、なくしたと思ったあたし自身。
それをあいつが見つけてくれた。
涙が止まらなかった。
さっきまでとは全然違う涙を流していた。
あいつはただ、笑いかけながらあたしの背中を撫でてくれていた。
それで十分だった。
「…あんた、今日、大丈夫なの?」
「心配すんなよ。ちょっと先輩から大目玉喰らうだけだ」
「…ごめんね」
「あれっ?美貴が俺に謝った?何年ぶりだ?」
あいつはおどけて見せた。
「もう、真剣に言ってるのに!」
あたしは怒ったふりをしながら、あいつのお腹を叩いた。
「…約束したからな、あの時」
あいつはマジな顔を夕日に向けていた。
ありがとう。
心の中でつぶやいた。
了
Judy And Maryの『あたしをみつけて』です
禿げしく乙!!!
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
素晴らしすぎる
泣けるなぁ、おい。
984 :
名無し募集中。。。:04/11/22 16:00:29
>>979 お疲れ。何度も読み返したよ。いい作品でした。
ようやく規制解除・・・
ナイス作品です。
相変わらず背景が頭に浮かびますな
987 :
名無し募集中。。。:04/11/22 21:22:15
まとめサイトに行けない・・・
乙です。
作家さんがいるかぎりこのスレは続く。
もしも れいなが幼なじみの隣の娘だったら っていうのはないよね
ねぇ、もし…あんたと美貴がおさな馴染みでなく、普通の同級生だったら…
こんな仲になってたのかな?
恋愛小説ならあんたはこういうだろう
「どこに美貴が居ようときっと俺は美貴を探し出す。」
そして…
はぁ…あたしは何考えてるんだろう…
でも、あいつは何て言うのかな…
「おまえもヒマだな」かな… でしょ。
…
「おまえヒマなんだな。」
ホラ、やっぱりね…
991 :
名無し募集中。。。: