1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:04/09/23 09:40:00
職人さん来てくれるかなあ
3 :
名無し募集中。。。:04/09/23 10:31:32
どこかで宣伝してこないと
あ?
5 :
名無し募集中。。。:04/09/23 12:11:20
梨沙子のやつ転載した方がいい?
6 :
名無し募集中。。。:04/09/23 13:43:17
よろ
7 :
名無し募集中。。。:04/09/23 13:46:16
8 :
名無し募集中。。。:04/09/23 14:39:25
まられすか?
9 :
名無し募集中。。。:04/09/23 16:12:44
ちょっとまって
10 :
梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ :04/09/23 17:58:16
あの、よければ自分のも・・・
11 :
名無し募集中。。。:04/09/23 18:26:39
過去ログ倉庫作った方が早いかな
12 :
名無し募集中。。。:04/09/23 18:27:29
まられすか?
13 :
名無し募集中。。。:04/09/23 18:36:21
おまえら目を覚ませよなホント
14 :
名無し募集中。。。:04/09/23 19:19:41
ん?
15 :
名無し募集中。。。:04/09/23 20:39:14
もう少し待ってください
‘ o‘リ
17 :
名無し募集中。。。:04/09/23 22:48:57
まだです
63 名前:名無し募集中。。。 :04/09/11 18:12:54
「かあさーん、この子誰?」
俺の部屋のベッドにちょこんと座る女の子は小首をかしげて俺のほうを見ている。
階下の母親に大声で尋ねるが、返事が無い。俺はもう一度声をあげる。
「ちょっとかあさん、聞いてる?この子、誰よ?」
「・・・えー?この子って?」
台所から出てきた母親がめんどくさそうに階段を上がってきて俺の部屋を覗き込む。
母親は女の子を一瞥してから俺に哀れみを込めた眼差しを向けた。
「あんたどうしちゃったの?妹の顔、忘れたわけ?」
やれやれと呟きながら階段を下りてゆく母親を俺は呆然と見送る。
そして、改めて女の子の方に向き直った。 「・・・妹?俺に?」
俺は生まれてこのかたずーっと一人っ子だった。
友人から兄弟姉妹のエピソードを聞くにつけ、羨ましさや妬ましさが
綯い交ぜとなった感情を覚え、一人の我が身を恨んだものだった。
だが、母親にクリスマスプレゼントのリクエストを聞かれ「弟か妹が欲しい」と
せがんで苦笑されたその意味も分かる年齢となり、俺の中の兄弟願望も
幼き日々の思い出の淵に消えつつあった。
なのに、なぜ? これは夢なのか?
女の子はそんな俺の戸惑いを見透かしたかのようにくすくすと含み笑いをして見せる。
「お兄ちゃん、どうしたの? 何かすっごいカオしてるよ?」
そう言ってから再び右手を口に当ててくすくすと笑う。
「俺には・・・妹は居ない。きみは誰だ」
女の子は不思議な笑みをたたえながら部屋を見回している。
左手で枕をまさぐりあて、ぽんぽんと叩く仕草を見せる。
そして、吸い込まれそうな瞳を俺に向けて、言った。
「私? お兄ちゃんの妹、だよ。りさこ。りさこって呼んで」
71 名前:名無し募集中。。。 :04/09/11 18:27:07
(
>>63続き)
父親が帰宅するなり俺は玄関に飛んでいって詰め寄った。
「なあ、どういうことなんだよ、かあさんに聞いてもお前の妹の一点張りだし」
父親は、それを聞くとすぐに居間に飛び込んでいった。
「あら、おかえりなさい」 母親が涼しげな表情で迎える。
足元には麦茶をすすりながらテレビを見ているりさこが居た。
「ああ・・・なんてこった・・・」
父親は力なく膝から崩れ落ちた。駆け寄る俺。
「どうしたんだよ、とうさん、あの子は一体・・・」
「おかえりなさーい」
りさこが能天気な声で父親に声をかける。
その声にビクンと体を震わせた父親の顔色は蒼白だ。
「いや・・・なんでもない、なんでもないんだ」
弱々しく首を振る父親は俺のほうを向いて、言った。
「バカだな、お前、あれはお前の妹のりさこじゃないか、忘れたのか」
夕飯の食卓を4人で囲む違和感。俺は黙って箸を動かしながら、
俺の「妹」りさこを見ていた。
どこからどう見ても昔から家族の一員だったような振る舞い。
食器の場所・家庭ごとに異なる食卓のルール・そして話題。全てが完璧だ。
「お兄ちゃん、塩昆布食べる? すきでしょ?」
りさこはそういって迷うことなく棚から塩昆布の壜を取り出し、机の上に置いた。俺の大好物。
父親は黙ってその光景を見ていた。顔色はいまだなお悪い。小刻みに震えているかもしれない。
「ごっそうさん」 俺は混乱する頭を抱えながら、早々に俺の部屋に戻った。
81 名前:名無し募集中。。。 :04/09/11 21:40:57
(
>>71つづき)
一体どうなってるんだ。俺には妹が居たのか。そんなはずはない。
わけがわからない。自室に戻った俺はベッドに突っ伏してこの状況を少しでも
整理しようと努めた。そして、頭を持ち上げてからその異変に気付いた。
俺の部屋、こんなだったか・・・?
小さ目の学習机、見慣れない洋服箪笥、カラーボックスに並ぶファンシー小物・・・。
昨日まで確かにただの壁が剥き出しになっていたはずの一角から、明らかに
生活の臭いが漂ってくる。それも、女の子のそれだ。
一朝一夕で築き上げたような代物ではない。何年も前からそれがそこに存在して
いたかのような、経年の佇まいがそこにある。
なんで、今まで気付かなかったんだろう・・・? 俺はどうかしてしまったのか?
がちゃっ。
部屋のドアが開き、りさこが入ってきた。
「お兄ちゃん、めちゃイケ見ないの? いつも見てるじゃん」
俺はりさこに目を向ける。いつの間にかパジャマに着替え、上気した頬をほころばせ
ながらタオルで長い髪の先端を丁寧に拭っている。
「先にお風呂はいったよ」
りさこは、タオルを俺に向かって放り投げ、カラーボックスから大きなブラシを
取り出し、髪を梳き始めた。タオルがふわりと俺の頭にかかり、俺の視界を遮る。
少し湿り気の残るタオルを手に取る。
りさこは洋服箪笥の扉を開くと、内側に貼り付けられた姿見鏡を見ながら
鼻歌交じりにブラッシングを続けている。
この部屋は、りさこの部屋なのか? ぐるりと見回す。俺の机はりさこの一角の
ちょうど反対側、いつもの場所に鎮座している。もちろん、箪笥も、スチールラックも、
見慣れたものは全て揃っていた。じゃあ、共用の部屋ということなのか・・・。
そこまで考えて、俺は反射的にベッドから立ち上がった。部屋を駆け出し、廊下を見回す。
別に、新しい部屋があるわけではない。では、どういうことなんだ?
俺の部屋には、ベッドは一つしかない。
85 名前:名無し募集中。。。 :04/09/11 23:16:11
(
>>81つづき)
「とうさん、どういうことなんだ?」
父親は明かりもつけずに寝室に篭ったまま悄然とした様子でいた。
「俺に妹なんかいたっけ?」
父親が顔を上げる。窓から差し込む月明かりが眼に反射し、異様な眼光となって
俺を射抜いていた。
「ふ・・・ふふ・・・いつかこの日が来ることは分かっていたんだ・・・」
もごもごと口の中で呟く。眼鏡がずり落ち、じゅうたんの上で弾む。
父親は俺の両肩を腕で掴み、力なく言った。
「いいか、あれはお前の妹だ。それだけは間違いない・・・」
「説明してくれるよな?」
父親は深く息を吐き、それから軽く頷いた。
俺はごくりと唾を飲み込み、父親の言葉を待つ。
「実はな・・・」
ぴろろろろろ!
突然父親の携帯電話が鳴った。「ちょっと待ってろ」父親はそういって携帯を掴む。
「もしもし・・・・もしもし?」
訝しげな表情で繰り返す父親の表情が急変した。目を見開き、何かを言いかけて
そのまま声にならずに口だけを動かす。
やがて目を閉じ、「わかった」とだけ言って、電話を切った。
そして、俺に向き直り、言った。
「すまん・・・今は何も言えん。りさこはお前の妹だ。それだけだ」
「ちょっと待ってくれよ、隠し子かなんかにしたって昨日今日来たって感じじゃねーぞ」
「・・・そうだ、あの子は生まれたときからこの家にいる。そう思え」
再び混乱が訪れる。あの子は父親の妾腹の子かなんかというわけでもないのか。
「じゃぁ、部屋も?」
「そうだ、子供に2部屋割り当てるほどウチは広くない。同部屋だ」
「それも生まれたときから・・・ってわけか」
「うむ」
なんの解決にもなっていない。そういう話なら、あの部屋は2人部屋にも関わらず
ずっとベッドは一つしか無かったということになる。そんなバカな。
17 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/12 00:42:50
(
>>11つづき)
りさこは、部屋で漫画を読みながらごろごろしていた。
俺はりさこの前に立てひざを突いて座り、ひとつ咳払いをしてから口を開いた。
「お前、俺の妹、なんだよな?」
りさこはきょとんとした表情で俺の顔を見つめる。そのまま姿勢を正し、正座で
座りなおしたりさこはなおも俺の目を見つめ続ける。
俺は少々気まずくなり視線を逸らせてから言った。
「あ、あのさ、なんかいえよ」
少し日本人離れした整った顔立ちがたちまち崩れ、りさこは腹を抱えて笑い転げ出した。
何も言えずに俺はその様子をただ見ている。りさこはひとしきり笑ってから、
乱れたパジャマの裾を両手で整えながら、まだ含み笑いの残る顔をこちらに向けて言った。
「お・に・い・ちゃん!」
笑みを向けたまま、俺の反応を伺っている。俺は改めてりさこの顔を眺める。
どう考えたって見覚えは無い。まして、生まれたときから一緒だって? ありえない。
お前は誰なんだ、そう口に出して言おうとしたその瞬間、りさこは人差し指を
俺の唇に押し当てた。それから、りさこは静かにこう言った。
「なーんちゃって」
はぁ!? なんだよそりゃ。俺の表情の激変を見てまたりさこは笑った。
完全に俺の反応を楽しんでいる。りさこは人差し指で俺の唇をぽんぽんと叩いた。
「今日からよろしくね、お兄ちゃん」
今日から。やはりそうなのだ。今日、急に俺には妹が出来た。それにしてはおかしな
ところが多すぎるではないか。父親も変だし、とにかく事情が分からなさすぎる。
だが、とにかく俺は、まるで10年間一緒にいたかのような初対面の妹と
これから暮らしていくことになるのだ。
「もう寝ようか」りさこはこともなげに言って、ベッド下の収納からマットレスと
掛け布団を引き出した。そりゃぁそうだよな。俺って奴は。
しかし、妹か。一体どういうことなんだ。そして、これからどうなってしまうんだろうか。
78 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/14 00:43:55
(
>>17つづき)
―――夢を見ていた。
白い建物。白い部屋。白い廊下。
誰かが泣いている。小さな女の子だ。
やけに天井が高い。・・・いや、俺が小さいのか。
ぼそぼそと聞こえる大人たちの声。
俺と女の子を取り巻くように聞こえてくるそれは、明確な嫌悪。
俺は女の子の手をとって駆け出した。どこまでも。白い空間を走りつづけた。
―――おにいちゃん
声が聞こえる。黙って走りつづける俺。
息が苦しい。呼吸が・・・
―――おにいちゃん!
「おにいちゃん! いつまで寝てんの?」
目の前にりさこの顔がある。瞬時に状況が理解できない。
胸の圧迫感は、どうやらりさこの体重のようだ。パジャマのままのりさこは
馬乗りになって、俺の顔を見下ろしている。垂れ下がった髪の毛が
俺の頬をくすぐる。
「もうこんな時間だよ!」
りさこは目覚し時計を俺の鼻先に突きつけた。7時15分。早すぎるっつーの。
俺は目をこすってから、伸びをして体を仰け反らせる。りさこはその拍子に
俺の体から転げ落ちた。「わっ」小さく声をあげたりさこははずみでベッドから
落ちそうになる。俺は咄嗟にりさこの腰に手を回して体を支えた。
華奢で軽い体は、少し力をこめればぽっきりと折れてしまいそうだ。
あわてて手を引いた俺は体を起こしながら言った。
「んな早起きしてどうすんだよ・・・」
りさこはベッドにうつ伏せに寝転んで、顔だけをこちらに向け上目遣いで俺を見た。
「朝のジョギング。毎日やってるじゃん」
「はぁ? やってねーよ・・・」
りさこは足をぱたぱたさせながら頬をふくらませた。
「りさこに付き合って走ってくれるって約束したのに・・・」
79 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/14 00:44:25
(
>>78つづき)
「あのなぁ、昨日が初対面だろ」
りさこはしばしの沈黙のあと、憮然とした表情で小さく呟いた。
「ちがうもん・・・」
「違わない」そっけなく返す俺。
りさこの不満そうな表情は見る見るうちに堤防決壊の様相を呈し始めた。
ベッドに顔を突っ伏して肩を振るわせ始めるりさこ。
「わかったよ・・・走りゃいいんだな?」
俺は立ち上がって、溜息を一つついた。
りさこはぱっと顔を上げ、嬉しそうな笑みを浮かべながらこっくりと頷いた。
演技派め・・・。
俺は自分の洋服箪笥からスウェットを取り出し、いつもの調子で着替えようと
Tシャツに手をかけてから、はたと気を取り直してりさこの方を向いた。
この場で着替えるのはどうなのか・・・?
ところが、俺の目は既に着替えを始めた、上半身裸のりさこの姿を捉えていた。
視線に気付いたりさこが不思議そうに首をかしげて俺を見返す。
俺は首を大仰に180度回して、そのまま硬直した。
相手は10歳の少女だ。それも妹、を自称している。
そういえば小学校の頃は体育のとき男女一緒に着替えてなかったっけ・・・?
いや、低学年だけだったか・・・? そういえば10歳って何年生だ・・・?
とりとめなくまとまらない思考が脳を駆け巡る。
ぽん。
肩を叩かれて振り返ると、ランニングシャツと短パンに着替えたりさこが立っていた。
「なにしてんの? 早く着替えて着替えて」
80 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/14 00:44:56
(
>>79つづき)
りさこと並んで川沿いの道を走る。川面に反射する朝日がまぶしい。
「なんでジョギングなんだよ」
息を切らせながら、俺はりさこに話し掛ける。
「健康第一でしょ」
そうは言いながらも、りさこの息も上がり気味だ。
既に20分は走った。こんなに走ったのは久しぶりだ。ギブ・・・。
「もうちょっともうちょっと!」
さらにしばらく走ると、角店が見えてきた。
店先で足を止め、りさこはあくびをかみ殺して座っていた店主に声をかけた。
「おばちゃーん!牛乳!2パックちょうだい」
「おや、りさこちゃん、今日も早いねぇ」
冷蔵ケースから四角い牛乳パックを2つ取り出しながら目を細める店主。
少し遅れて追いついた俺は、店主と目を合わせた。
「お、今日もお兄ちゃんと一緒かい? よく続くねぇ」
りさこに声をかける。
「え? いや、今日初めてですけど」
俺は目を丸くしながら手を振る。それから、俺は改めて居住いを正し、訪ねた。
「俺、毎朝ここに来てます?」
店主は訝しげな表情で俺を見た。店主が口を開きかけるのと同時に、りさこが
俺の手を引っ張って、大きな声で言った。
「さ、いこ! 牛乳ぬるくなっちゃうよ!」
川べりに並んで座り、牛乳を一気に飲み干した。乾いた体に染みわたる。
しばし朝のそよ風に吹かれながら、汗が引くのを待つ。それから、俺は口を開いた。
「やっぱりよく分からないな」
「なにが?」
「そりゃぁ・・・だってなぁ、おかしいだろ、どう考えたって」
りさこは、くすっと笑って、それから俺のほうを向き、言った。
「じゃあ、教えてあげるよ」
112 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/15 00:09:06
(
>>80つづき)
俺はりさこの方に向き直り、続く言葉を待った。
りさこは少し俯き加減になり、それからぽつりと言葉を吐いた。
「一緒に・・・居たいから」
は? 俺は眉間に皺を寄せ、訊き返そうと顔を寄せる。
りさこは、さらに顔を伏せ、目をぎゅっとつむった。
「いや・・・ちょ・・・意味がよく・・・」
俺はりさこの伏せた顔を起こそうと肩に手を触れた。すると唐突にりさこは顔を上げ
大きな声で言った。
「だからジョギングなの!」
川原で犬の散歩をしていた爺さんが何ごとかと顔をこちらに向けた。
犬も一緒にこちらに顔を向け、それからわん!と一声吠えた。
川面が吹き抜ける風にさざめいている。高い空に雲が流れてゆく。
耳まで赤くなったりさこの顔を、俺は唖然として見つめていた。
別に、ジョギングをする理由を訊いたわけでは無いのだが。
小馬鹿にされたような気分になり、俺はきつい調子で声を荒げた。
「あのなぁ、りさこ・・・」
りさこは潤んだ瞳を俺に向けた。ちいさな唇を動かして、ちいさな声を出す。
「やっと一緒になれたんだもん・・・・」
俺は詰問するのをやめた。とてもそんな雰囲気じゃない。
なにがなにやら事情はわからないし、小悪魔的な態度で俺を振り回すりさこに
多少辟易していたのも事実だが、今ここにいるのは、10歳のか弱い少女なのだ。
そんな子供に、俺は大人気ない態度をとろうとしていた。
俺は、ふぅと溜息をついてから、りさこの頭にぽんと手を置いた。
りさこは、少し躊躇して、それからおずおずと俺の胸に顔をうずめた。
―――この子は、本当に俺の妹なんだろうか。
俺を除いた世界の全てが、俺たちを兄妹と認知している。
俺が、どうかしてしまったのだろうか。いや・・・そんな馬鹿な・・・。
俺の腕の中で、りさこの小さな肩が規則的に動き始めたのに気付いた。
こいつ、こんなとこで居眠りを・・・・。
113 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/15 00:09:36
(
>>112つづき)
「いってきまーす!」
ランドセルを背負ったりさこが元気よく玄関を飛び出してゆく。
俺はのろのろと食パンをかじりながら、笑顔で手を振るりさこを窓越しに見送った。
流しで食器を洗う母親の背中に、俺は声をかけた。
「ねえ、かあさん。りさこのことだけどさ」
「なによ? 急に」
俺は、はたと言葉に詰まった。昨日の様子では、何を訊いても俺が変になったという
扱いを受けるだけなのではないか。
「いや、なんでもない」
不思議そうな顔を見せる母親を残して、俺は自室に戻った。
今日の講義は午後からだ。まだ時間はたっぷりある。もう一眠りするか?
ばたんとベッドに倒れ込み、仰向けになって天井を見つめる。
そのまま視線を動かす。りさこの学習机。ほどよく使い込まれたそれは、
昨日今日買ったようなものではない。
ふと思いつき、俺は起き上がって机の脇に立った。それから、机の端を持ち上げ、
少しだけ手前に動かしてみた。机に隠れていた壁紙は、それ以外の箇所と比べて明らかに色が違う。
再びベッドに倒れこむ。
もう明らかだ。ここにあるりさこの家具は、もう何年も前からこの部屋にある。
ああ、なんだか、もしかしたらりさこは実際にこの部屋にずーっといたのかも知れん。
俺がちょっと忘れてるだけで、りさこは・・・俺の妹・・・・。
―――そうか、きみは、俺の・・・・?
繋いでいた手を離し、俺は少女の顔を見る。
白い空間が反射する光の影となって、顔がよくわからない。
いずこからともなく現れた大人たちが、少女の腕を掴んで連れ去ろうとする。
俺は引きとめるため大声を出そうとするが、声が出ない。
いくら息を振り絞っても、声に、ならない・・・・
反射的に掴んだ枕元の目覚し時計は、俺がたっぷり3時間の睡眠をとったことを示していた。
「やべぇっ!」
43 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/19 23:07:22
(前スレ
>>113つづき)
ぎりぎりで間に合った午後の講義も済み、大きく伸びをしながら自分の空腹に気付いた。
そういえば昼飯を食わずに飛び出してきたんだったな。
俺は学食へ向かう道すがら、校門前の掲示板を確認しようと足を向けた。
これといって重要なお知らせは貼り出されていないな・・・。
掲示板から目を下ろし、ふと校門の方に目を向けた。ここまで来たんなら
外でメシ食ってもいいな。吉野家のソースカツ丼でも食うか。
校門に向かった俺は、守衛室でなにやら押し問答をしている声を聞いた。
一人は女の子、それもちいさな子供のようだ。
「だからお嬢ちゃん、呼び出してあげるから名前教えて・・・」
守衛さんが、子供をなだめすかすような声で対応している。
「お兄ちゃんはわたしが探すからいいの!」
頑として譲らないらしい、その声を聞いて俺はそちらに顔を向けた。
ランドセルを背負った女の子が背伸びをして守衛室の受け付け越しに守衛さんと
話をしている。すぐに分かった。俺は女の子に声をかける。
「おい、りさこ」
くるりと振り向いたりさこは、ぱっと顔をほころばせて、俺のほうに駆け寄ってきた。
そのまま俺に抱きついてきて、その勢いで俺とりさこは体を半回転させた。
俺は守衛さんに苦笑を向ける。呆れ顔の守衛さんが言った。
「その子はキミの・・・・」
俺は溜息を吐き出してから応える。
「俺の、・・・妹です」
ほっとしたような、呆れたような表情の守衛さんを後にして、俺とりさこは校門から外へ出た。
「一体何しに来たんだよ。それに、学校は?」
「学校はもう終わったよ? お兄ちゃんを迎えに来たの」
迎えにって、まるで俺の時間割まで把握してるみたいじゃないか。
これも、例によって俺だけが知らない毎日の恒例行事なのか。
44 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/19 23:07:51
(
>>43つづき)
「そうだよ。お兄ちゃんが寄り道しないようにね」
俺の考えを見透かしたかのようにりさこは言ってから、俺の顔を見上げる。
でも、待てよ。もしそうなら、なんで守衛室で押し問答しなきゃならないんだよ。
怪訝な表情でりさこの顔を見つめ返す俺。りさこは再び俺の考えを読んだように、
くすくすと笑い出してから言った。
「なーんてね。今日初めてだよ」
「だと思ったよ。で? 何の用だ」
そう言ってから、俺の腹から派手に空腹を知らせる音が鳴った。
しばし無言のあと、りさこと俺は、小さく笑った。
国道沿いのファミレス(さすがにりさこを連れて吉野家でもあるまい)で、
りさこはプリンアラモードを嬉しそうにスプーンでつついていた。
それから、生クリームと一緒にプリンをすくい上げ、ぱくんと口の中に運ぶ。
両目をきゅっとつぶり首を左右に振って、大袈裟においしさを表現する。
なんとも表現しがたい気分でその様子を眺めながら、俺はりさこに訊いた。
「まさかおごってもらおうと思って来た、わけじゃぁないよな?」
むぐむぐと口を動かしながら、りさこは俺の顔を見る。
こくんと飲み込み、それから口を開いた。
「あたり!」
俺は、伝票を引っつかんでそのまま席を立ちたい衝動に駆られながら、それでも
気持ちを落ち着かせようと、深く息を吸って、吐いた。
違う。俺は今の異常な状態になんとか説明をつけるべく、りさこの行動全てに
いちいち理由を深読みしようとしているが、違うんだ。
10歳の少女のやることに、たいした理由なんかない。
俺が、大学に居るから、会いに来た。それだけでりさこには充分理由になるのだ。
今朝のジョギングだってそうだ。一緒に居たい・・・・それが理由だった。
でも、どうなんだ。普通の兄妹ってのはそんなに一緒に居たいものか?
ずうっと一人っ子だった俺には、そのへんの心の機微がわからない。
だが、違和感を感じるのは、事実だ。
45 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/19 23:08:13
(
>>44つづき)
「ただいまー!」
りさこが元気よく玄関に飛び込み、続いて俺が敷居をまたぐ。
「おや、二人一緒だったの、珍しい」
母親が台所から声をかける。りさこはそのまま母親のもとに駆け寄り、
「おやつは?」などとまとわりついている。
おやつはさっき食ったろうに。俺は心の中でそう呟きながら階段を上り自室に向かう。
鞄を放り投げ、ベッドに倒れこみ、天井を見つめながら考えを巡らせ始めた。
―――りさこは俺の世界にごく自然に溶け込んでしまった。
時計に目をやった。このベットに座ったりさこと、俺が初めて会ってからちょうど
24時間が経過したことになる。わずか1日で、俺すらもりさこの存在が自然と思える
ようになっていた。もしかして、俺は記憶喪失になったのだろうか。
昨日突然、りさことの生活の記憶を全て失ったのか。そう考えるのが自然だ。
いや、そうではない。昨日りさこ自身が放った一言を急に思い出した。
『今日からよろしくね』
この言葉こそ、俺の記憶に間違いが無いことの証明のはずだ。
どうなっているんだ・・・。悶々としながら体をよじってうつ伏せになり、頭を抱える。
するとそこに、りさこがドアを開けて入ってきた。
俺は飛び起き、りさこに駆け寄り、そして両肩を掴んで体をゆさゆさとゆすりながら言った。
「今日からよろしくって、昨日たしかに言ったよな!?」
そしてすぐに、俺は後悔した。りさこの目は怯えてきっていた。
きっと俺は凄い形相だったのだろう。口調も明らかにきつかった。
「・・・・・・ごめん」俺はそういってりさこの肩から手を離した。
46 名前:名無し募集中。。。 投稿日:04/09/19 23:08:42
(
>>45つづき)
俺はくるりと向きを変え、りさこに背中を向ける。
次の瞬間りさこは、意外な行動に出た。
りさこは、後ろから俺の背中にそうっと抱き付いてきたのだ。
そして、さらに意外な言葉を吐いた。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
――――大丈夫?
俺はりさこに、心配をさせている。
何故だ? おかしくなってしまったのは、やはり俺なのか。
10歳の少女に「大丈夫」と言われてしまう俺の現在の状況とは一体?
閃光のような衝撃が俺を貫いた。
俺はなんでりさこが10歳だと知っているんだ?
りさこは、一言も自分の年齢を言わなかった。父親も母親もそうだ。
それなのに、俺は最初からりさこを10歳だと信じて疑っていない。
かすれる声で、俺はりさこに訊いた。「りさこ、何歳だ?」
なんでそんなことを訊くのかと、不思議そうな様子で「10歳」と答えるりさこ。
もやのかかった頭の中で、俺は必死にさまざまなことを考えていた。
・・・・・10年前・・・・白い建物・・・・あの夢は・・・・・
俺が心ここにあらずの様子だったのを心配したのだろう、りさこは俺の体に回した
腕にさらに力をこめて、言った。
「お兄ちゃん、もう、どこにも行かないで・・・」
無言。りさこはなお続ける。
「りさこを、置いていかないで・・・・・」
置いて・・・・・。違う、置いていったんじゃない・・・・・!!
乙
歩
さて明日の朝まであるかどうか
保全してみる
38 :
梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ :04/09/24 04:45:40
わしも
乙
また保全
ピリリと保全
お昼食べたら梨華姉。さんの保管します
mada-?
44 :
名無し募集中。。。:04/09/24 15:17:53
いつまで昼飯食ってんですかー
ほ
13 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ :04/09/10 03:22
ただいま〜
「おかえりなさい」
『...』
あれ?その子は?
「今日からウチで引き取ることになったのよ、お名前は雅ちゃん。
あんたの妹になるわね」
へぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ??!このお人形さんみたいな子がぁ?
続く...かな...
22 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ :04/09/10 12:24
>>13の続き
ひょんなことから我が家の一員になった雅ちゃん。ひとりっこだった漏れは
妹ができて嬉しいし、雅ちゃんもお兄ちゃんが出来たのが嬉しいらしく、
漏れがどこへ行くにも「お兄ちゃんお兄ちゃん」と言って離れずについてくるの
でつ。
18 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 00:43:28
学校での授業が終わり、帰宅しようと校門にさしかかると遠目にも分かる美少女が
門柱にもたれて立っている。妹の雅だ。
『あっ!お兄ちゃ〜〜〜〜ん、私だよ〜、雅だよ〜』
元気な声で、手を振っている。
19 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 00:47:35
>>18の続き
...ええっ?誰なの、あの子?めちゃかわいいじゃん?日本人?ハーフとか?
いろんなささやき声が聞こえる中、俺は雅に歩み寄った。ウチに来てまだ
日数は浅いが、大事な妹だ。
「ただいま。雅、いい子にしてたか?学校は楽しいか?」
『うん!すっごい楽しい!』
雅が腕をからめてくる。俺は学友達の羨望と嫉妬と懐疑の視線を浴びながら
帰路についた。
20 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 00:52:14
>>19の続きです
『お兄ちゃん、今日ヒマ?』
唐突に聞かれた。まあ、まっすぐ帰るだけだしな...。
「ああ、特に予定はないよ。雅は?」
まだ名前で呼ぶ時に迷いと照れが残ってる。
『じゃあ、いっしょに遊びに行こう!プリクラ撮ろうよ!』
プリクラ??!俺、産まれてこのかた、ンなもの撮ったこと無いんだった...。
『ねぇねぇ、行こうよ?』
雅が大きな目で俺の顔をのぞき込んでくる。ああ、分かった、行こう。
『うれしいっ!お兄ちゃん大好き!』
こらこら、いくら兄妹だからって人前ですよ?
25 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 03:39:09
夜中、ベッドでゴロゴロしながらTV観ていると部屋のドアを遠慮がちにノックする音が。
『お兄ちゃん...入ってもいーい?』
ん?どうした、雅。もうこんな時間だよ?いくら明日日曜日だからって、
もう遊んでないで寝なさい。
『...あのね、風の音がすごくてコワイの。いっしょに寝てもいーい?』
...っ!!!か、カワユイ!!!俺はズリズリと体をずらした。さ、おいで...
26 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 03:43:43
>>25の続き
...ベッドに入れてやると安心したのかすぐに寝入ってしまった。ゆっくりおはなしでも
しようかとおもたが、まぁ、いいや。
すぅすぅという規則正しい寝息。体が小さく上下する。夜目にも鮮やかなオレンジ色の
髪からえもいわれぬ良い香りがする...想わず股間がムクムクと...!妹相手に何を!
27 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 03:46:23
>>26の続き
改めて寝顔をじっと見つめる。起きてる時はとても小学生とは想えない大人びた風貌だが、
こうしてるとまだまだこどもだな。「女子児童」そんな言葉が浮かぶ。まつげも長いなぁ...。
この子が妹になってくれて、本当に良かった...。
45 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 20:17:14
雅といっしょに電車に乗ろうとして切符をまとめて買ってやる。
「あれー?お兄ちゃん、これ間違ってる」
ん?料金表ちゃんと見て買ったぞ?180円区間じゃないか。
「そうじゃなくて。わたし、まだ小学生なんだよ?」
当たり前のようにおとな2枚買ってたよ。
46 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/12 20:23:46
渋谷にて...
『お嬢ちゃん、お嬢ちゃん。3万円でどうだい?』
「むか〜〜〜〜っ!!あたしはまだ小学生だ〜〜〜〜〜!」
『えええっ?そんなバカな...』
帰宅後
「お兄ちゃ〜ん!ねぇねぇ、聞いて聞いて!今日、渋谷でねぇ...」
58 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/13 03:20:14
ひょんなことから妹になった雅。俺がどこへ行くにも「お兄ちゃんお兄ちゃん」
といってついてくる。ひとりっこだった俺はこんなに可愛い妹が出来て心底嬉しい。
ただ、ご近所のひとにはあらかた分かってもらえたが、学校の連中にはまだこの
ことを知らないやつが多い。
『あれー?その女の子どうしたんだ?さらって来たのか?』
「ちげーよ!妹だよ」
『お前、妹なんかいねーじゃんよ』
「いや、ついこないだ妹になった子でさ...」
いちいち説明するのが面倒だが...雅はなぜか嬉しそうだ。
67 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/13 16:18:44
居間でNHKのドキュメンタリー番組を観ていると、妹の雅がやってきた。浅くソファに
腰掛けてまっすぐに背筋を伸ばし、TV画面を見つめている。まさにお人形さんのようだ。
このままガラスケースに入れて飾っても違和感がないだろう。雅、分かるか?世界は
まだまだ貧しくて、戦争やっている国も多いんだ。お前は日本に生まれて幸せだぞ?
「...わたしはお兄ちゃんと一緒だから幸せなの。日本だからじゃないよ?」
大きくて深い目でまっすぐに俺を見つめてくる。コイツなんか不思議だな...。
72 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/13 20:23:53
お昼にパンを食べる時に妹の雅が小首を傾げて上目遣いで俺を見た。
「あれ?ピーナツクリームないの?」
ウチはマーガリンかジャムだよ。ピーナツクリームなんか生まれてこのかた
ウチのテーブルに並んだためしがないよな、母さん?
「...」
そんな悲しそうな顔するなよ〜。
...スーパーになかったので、隣町まで買いにいきましたとも。
95 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/14 14:36:51
今日は雨だというのに傘を持ってこなかった。しょうがない、走るか...
カバンを小脇に抱え込みダッシュの姿勢をとった時に誰か話かけてきた。
「傘持ってきてないの?帰り、方向おんなじだから入れてあげるよ」
クラスは違うが小学校からおなじ学校に通っている新垣さんだ。幼なじみとは
言えないだろうが、顔を合わせれば話はする程度の中。とにかくラッキーだ。
これで濡れずに帰れる。いつもの通りに学校であった事とかTV番組のこととか
話ながら家まで傘に入れてもらった。ただいまー、...あれ、いつも飛び出して
きて迎える雅がいないな?
「おかえりなさい...あら、ひとり?雅ちゃんと会わなかった?」
へ...?会わなかったけれど??
96 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/14 14:45:18
今日は朝から曇り空。夕方近くになって雨が降ってきた...やっぱり降ってたな、
よしっ、計画実行♪お兄ちゃんの学校まで傘持っていってあげよう。え〜と、
これこれ。お兄ちゃんの大きな黒色の傘...わたしは小さな水色の傘...。
行ってきま〜す。
足下がぬかるんでるけど、お兄ちゃんのお迎えだからルンルン♪お兄ちゃん、
わたしが傘持ってきたからビックリするかな〜?おっ、傘持ってきてくれたのか、
偉いぞ、なんちゃって。アタマなでてくれたりなんかして...きゃん。
あ、もう着いちゃった。そろそろ下校時間だな...。来ないなあ...。テストの点が
よくなかったのかなあ?...あ、わぁ、相合い傘してるよ〜、あのひと達。彼氏彼女
なのかな〜?
...えっ??お、お兄ちゃん??な、なんで、お兄ちゃんが女のひとと...?!!
お兄ちゃん、わたしに彼女いないって言ったじゃん!あれウソだったの??
ひどいよひどいよ、お兄ちゃんたら。もう知らないもん...
116 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/15 03:21:11
ここ数日、妹の雅がなぜか口をきいてくれない。さすがに気になってきた。
居間のソファにちょこんと腰掛けていた雅に立ったまま訊ねた。
雅、どうした?最近なにも話さないじゃないか。なにかあったのか?
悩み事あるんなら話してみろよ、俺が力になるぞ?
「...ズズズッ...」
雅は黙ってスープの入ったマグカップをすすりながら俺を上目使いで見つめる。
一体どうしたというんだろう?さっぱり分からない。俺は雅の隣に腰を下ろした。
「なあ、雅...」
雅は黙ったまま、マグカップをテーブルの上に置くと、きゅっと俺にしがみついて
きた。
「...お兄ちゃん...」
ん?どうした。
「雅のこと...嫌いにならないでね...?」
お前を嫌いになるわけないじゃないか。お前は大事な可愛い妹じゃないか。元気だせよ。
「...ありがと...」
俺はしばらくそのままにさせておいた。母さんが買い物から帰ってくるまでは、な...。
178 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/17 19:58:51
土曜日の午後。ようやく目を覚ました俺は地下にある部屋から1Fのリビング
に上がっていった。家の中はしんとしている。親は共働きだが、雅もどっか
出かけていったのかな?2Fに上がり、雅の部屋をノックするが返答はない。
そっと扉を押してみた。ついこないだまでは物置として使用されていた部屋だが、
今ではすっかり女の子の部屋だ。...きちんと整理整頓された部屋だ、どこかしら
甘酸っぱい匂いだかすかにする。スチール製の学習机...ぶあついノート、ん?
これは日記帳...?手が表紙に触れる。ハッ!いかんいかん、何をやってんだ、
俺は。いくら家族でもやっていいこと悪いことのけじめは...ああ、だけど...
ちょこっとならいいかな...?
179 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/17 20:05:23
>>178より
おそるおそるノートは机に置いたままでページを繰る。
小さな丸い女の子らしい文字を予想していたが、以外にも角張った大きな文字。
「...月...日
とうとうこの家にいるのも今日で終わりになった。明日私はこの家を出て、遠くへ行く。
私を家族として受け入れてくれるはずの家へ。だけど、不安...」
「...月...日
今日から私はこの家の一員になった。お父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん...
写真で見ていたお父さんとお母さんは想ってたよりもずっとやさしいひとだ。
お兄ちゃんは写真でも見たことなくて、全くのはじめてだったけど、やさしそうな
ひとだ。私のことを全然知らなかったみたいで、目をまん丸くして驚いていた。
お兄ちゃん...私のことをきっと大事にしてくれるだろう...」
俺はそっとページを閉じた。
180 名前:梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ 投稿日:04/09/17 20:10:27
>>179より
俺は2Fから1Fに降りてきた。リビングのソファにどさっと座り込む。
母親からいきなり「この子は今日からあんたの妹よ」と言われた時は驚いたが、
雅のほうがもっと大きな不安や心配を抱えてきたんだな...。雅のために、
俺はもっと立派な兄にならねば、そう想った。
从;’w’)ドキドキ
りさこの作者は気付いてくれてるのかな?
どうだろう・・・
‘ o‘リ
梨沙子スレにも貼っておくか
あげた方がいいのかな
ちょこッとSister
テレビつけたら母ちゃんがキッズになってた
シスターBerryz
姉貴がキッズ連れて出戻ってきた
軽いネタもどんどんどうぞ
ビンネタみたいなやつのことね
ほ
77 :
名無し募集中。。。:04/09/25 03:42:32
78 :
梨華姉。 ◆Xoc7YYtdHQ :04/09/25 05:41:49
‘ o‘リ
∂_∂'ル
‘ o‘リ
82 :
名無し募集中。。。:04/09/25 11:11:25
ちょっとネタ考えてみるか
83 :
名無し募集中。。。:04/09/25 13:35:21
千聖と一緒にお風呂
ほ
85 :
名無し募集中。。。:04/09/25 17:24:54
作者さん待ち
∂_∂'ル
87 :
名無し募集中。。。:04/09/25 19:48:41
‘ o‘リ
∂_∂'ル
89 :
名無し募集中。。。:04/09/25 21:39:31
なんかネタ考えなきゃな
‘ o‘リ
91 :
名無し募集中。。。:04/09/25 22:49:25
小ネタが思い浮かばん
∂_∂'ル
K-1の試合を評価する茉麻
94 :
名無し募集中。。。:04/09/26 00:27:24
(⌒⊂⊃⌒) (⌒⊂⊃⌒)
(ヾ( ´(,,ェ)`) (ヾ( ´(,,ェ)`)
(ヾ川*^∇^) (ヾ从*´∇`)
''//( つ つ ''//( つ つ
(/(/___|″ フヨフヨ (/(/___|″ フヨフヨ
し′し′ し′し′
‘ o‘リ
97 :
名無し募集中。。。:04/09/26 03:16:04
保全しときます
ほ
100ヘコヘコ
oioioi・・・w
∂_∂'ル
‘ o‘リ
∂_∂'ル
‘ o‘リ
ほじぇん
梨沙子編作者、スレ立ったのに気付いてないんじゃないかな
かもね
どうしよっか
菅谷ヲタって感じじゃないし
どこ見てそうか見当つかんからな
どうしたものか
111 :
名無し募集中。。。:04/09/26 16:21:42
まずは我々で小ネタやりましょうよ
なんか良いお題ある?