もし矢口が気の強い姉さんだったら 7

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782ぷいぷい ◆MariW.4Klg


『顕微鏡下のいたずら』


登場人物:
矢口真里(県立葉朗高校2年)
真里の弟(市立照東中学3年)
藤本美貴(真里の同級生・友人)
石川梨華(真里の同級生・友人)
藤本絵里(美貴の妹・私立岡村女子学園中等部3年)

場所:
矢口の自宅。

783ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:16:44
「おい○○、入るぞー」
姉ちゃんはそう言うやいなや、返事もしない間に俺の部屋に入ってきた。
俺はそのとき、中間考査に向けて社会の勉強をしているところだった。
姉貴はと言うと、呑気に友達とバカ話を隣の部屋でしていた様で、
数人の若い女の子の笑い声が隣の部屋から響いて、
思春期真っ只中の俺は、正直言って、
勉強も少し手につかなかったところだった。
でも、姉ちゃん、わざわざ俺に何の用だろう?
「ねぇ○○、お願いがあるんだけど・・・」
いつも偉そうにしてる姉ちゃんがこんなふうに下手に頼んでくるのは
なにかわけがありそうだ。
「なんだよ?」
俺はそっけなく聞き返した。
「ちょっと、手伝って欲しいことが、あるんだー」
姉ちゃんの顔が少しニヤついている。
「俺じゃないとだめ?いま勉強中だから」
「男の人じゃないとダメなことなんだ。ね、お願い。」
男じゃないとだめって何なんだ?普段は必要以上に男っぽいくせに。
でも、どうせ電球を替えるくらいのことだろう。仕方ないな。
「ねえ、すぐ終わるからおいらの部屋に来てよ」
784ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:17:34
俺は姉ちゃんに言われるままに、隣にある姉ちゃんの部屋に入った。
そこには、カワイイと評判の制服に包まれた、姉ちゃんの友達、
たしか藤本さんと石川さん・・・ちょくちょくうちに遊びに来てたから、
名前は知っていた・・・と、もうひとり、どこかで見たことのある女の子がいた。
「あ、矢口くん〜、ひさしぶり〜」
その女の子が話しかけてきた。あ、そうだ。小学校のときいっしょのクラスだった
絵里ちゃんだ。勉強がよくできて、進学校の岡村女子に進学したんだっけ。
昔もクラスで一二を争うほど可愛かったけど、今はいっそう
可愛くなってる。岡女のシンプルなセーラー服を着てるせいだろうか。
でも、なんで絵里ちゃんがここにいるんだろう?この不良女集団に。
「あ、○○クンって絵里と同級生だったんだよね。絵里は美貴の妹なのよ」
藤本さんの言葉で、どういうことか理解ができた。
でも、まだ理解ができないのは、なぜ俺がここに呼ばれたということだ。
「で、なに?用事って?」
俺は姉ちゃんに聞いた。姉ちゃんは少したどたどしい口調で、たしかに、
こう言った。いや、あまりに衝撃的な一言だったので、正確には覚えていないけど、
確かこのようなことを言ったのだと思う。


「あのさ、○○の精液が欲しいんだ」


785ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:18:27
「えっ?」
「だから、せーえき、出して、せーえき。」
「な、なに言ってるんだよ、姉ちゃん、ははは。あ、わかった、罰ゲームでしょ」
俺は姉ちゃんが何を言ってるのかよく分からなかった。
今まで黙っていた石川さんが、横から口を出してきた。
「そりゃー、いきなりそんなこと言われちゃびっくりしちゃうよね、○○クン」
そりゃびっくりするさ。
さらに石川さんが、すこし鼻に掛かったような可愛い声で続ける。
「あのね。罰ゲームでも何でもないの。わたしたちね、○○クンの精液が必要なの、
 ねえお願いっ。梨華のお願い、聞けないかな?」
おいおい、そんなこと上目遣いでお願いされたって・・・
ちらっと絵里ちゃんの方をみた。絵里ちゃんは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに
下を向いていた。
「梨華ちゃん、説明になってないじゃない」
つぎに口を開いたのは藤本さんだった。
「あのね、○○クン。わたしたちね、精子の観察をすることになってたの」
精子の観察って、顕微鏡なんてうちにないぞ。
「それでね、美貴ね、こんなの買ってみたんだけど」
藤本さんの指には、なにやら厚紙のようなものが挟まれていた。
<カード型特殊顕微鏡『ここぴゅ』>
なるほど、これ(ttp://www.coco19.com/coco2.htm)で観察するんだ。
って俺、納得してる場合かよ。
786ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:19:17
「あのね、美貴、これネットでみつけて面白そうだと思ったの。
 精子って、見たことないじゃん?精液はよく見てるけどね。
 でさ、学校でこないだ、そんな話でみんな盛り上がっちゃって、
 じゃあ、こんどみんなで観察会しようってことになったのよ。
 ホントは美貴の彼つれてきて、彼のを見ようって思ってたんだけど、
 彼、風邪引いちゃってね。今日はあきらめなきゃいけないかなーって
 言ってたらね、真里が」
「ちょっとー、おいらが言い出したんじゃないじゃーん」
「私は冗談で言ったのよ。『オトコなら○○クンがいるじゃん』って。
 そしたら真里が『それ名案!』ってノリノリになったんじゃない」
「ま、そうなんだけどさ・・・」
おのれ姉貴め・・・
「でね、お姉さんがいいって言ってるんだし、せっかく絵里まで
 呼んじゃったんだから、○○クンにお願いしようかなって・・・」
787ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:19:43
姉貴連中なら考えそうなことだ・・・。ほんとこんな馬鹿なことやる連中が
よく県立高校に入ったよな。俺は県立に入るために必死に勉強してるって
いうのに。でも、こいつらは分かるとして、なんで真面目な絵里ちゃんまで
この場にいるんだろう?そんなことを考えてると、こんどは石川さんが
俺の内心を見抜いたように、こう続けた。
「『真面目な絵里ちゃんがなんで?』って思ってるでしょ?
 絵里ちゃんはね、まだ精液も見たことないんだよね?」
絵里ちゃんは視線を下に伏せたまま、軽く頷いた。
「絵里ちゃんは保健の教科書に載ってる精子を一回この目で見てみたいって、
 だから、来たんだよね?ねぇ、そうでしょ」
絵里ちゃんが恥ずかしそうに口を開いた。
「は、はい・・・。でも矢口くんのだと思わなかったから・・・」
俺だって恥ずかしいけど、絵里ちゃんだって恥ずかしいだろう。
あ、でも俺は恥ずかしがってる場合じゃないんだ。なんとか拒否しなきゃ。
姉ちゃんや絵里ちゃんに精子を覗かれるのなんて、恥ずかしいよ。
788ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:20:08
「ねえ、○○。まさか嫌だって言わないよね?
 おいらの顔にドロを塗るようなこと、○○にはできないよね?」
俺は黙ったまま、なんとかこの場を逃れる口実を必死に考えていた。
「白い液で汚れたパンツをママに内緒で洗ってあげた恩、忘れたかぁ?」
「えーっ、きゃきゃはは。そんなことあったんだー」
藤本さんと石川さんが足をばたつかせて爆笑した。
絵里ちゃんは、正座して下を向いたまま。でも笑いをこらえているみたい。
ああ、姉ちゃん。姉弟の間にも守秘義務ってのがあるだろ。
わざわざ絵里ちゃんの前でそんなこと言わなくても。
「ね、○○。あんたのハスカシイこと、これ以上ばらされたくないよね?」
もう、姉ちゃんの言葉は、命令以外の何物でもなかった。
俺は覚悟を決めた。
「わ、わかったよ。じゃあ、自分の部屋で、出してくるから。
 それでいいだろ」
「よっ、男前。そう来なくっちゃ」石川さんがいの一番に喚起の声をあげた。
絵里ちゃんが顔をあげた。目が合ってしまった。
お互い、百分の一秒で視線をはずした。
「じゃー、これに取って来てね」
理科室からパチってきたらしいシャーレを、石川さんは俺に渡した。
石川さんの白くて細い指が俺の指に触れて、どきっとした。
789ぷいぷい ◆MariW.4Klg :04/09/16 01:22:21
「いってらっしゃーい」
姉ちゃんの意地悪な声に見送られながら、俺は自分の部屋にむかうべく、
ドアノブに手をかけた。出て行きぎわに、聞こえよがしに大きくため息を
ついてやろう。俺はおおきく息を吸い込んだ。
そして、息を吐き出そうとしたその瞬間だった。姉ちゃんが叫んだのは。
「○○、ちょっと待ってー。おいら、いいこと考えついちゃったー」
ん、もしかして俺はこの恥ずかしい行為をしなくても済むのか?
いやいや、姉ちゃんのことだから、また余計なことを思いついたに違いない。
でも、曲がりなりにも俺の姉ちゃん。可愛そうな弟のことを思って、
ひょっとしたら、ひょっとして。
しかし、そんな俺の一縷の望みは、もろくも崩されてしまうのであった。


「絵里ちゃん、保健の教科書に載ってる精子を実際に見たいんだったらさー、
 やっぱり保健の教科書に載ってる"ペニス"とかぁ、"勃起"とかぁ、
 "自慰"とかぁ、それから"射精"とかも実際見てみたいんじゃない?」


え、え、ええぇえぇぇぇぇーーー!?



                                         <つづく>