1 :
名無し募集中。。。:
ddfgdg
2 :
名無し募集中。。。:04/08/03 13:56
(´・∀・`)ヘー
3 :
名無し募集中。。。:04/08/03 13:56
ナンダッテー
4 :
名無し募集中。。。:04/08/03 13:56
ret
5 :
名無し募集中。。。:04/08/03 13:57
orahasi
300t
このスレ借りますね
第1話「都立竹塚高校女子硬式野球部」
「お〜い、カントク!飯田カントク〜!」
「えっ!?」
ホームルームを終え教室を出た矢先に、どこぞの運動部部員らしき男子生徒に声を掛けられた。
その女生徒の名は飯田圭織。ここ都立竹塚高校の3年生である。
「今日さぁ、グラウンド使う?あんの〜、もし使わないんなら・・・」
「何、使うよ、使うに決まってんでしょ」
「えぇぇ〜っ」
「えーじゃなくて・・・・てゆーか、下らなんこと聞かないでくれる」
「あ〜・・・はい」
男子生徒は「やっぱりね」というリアクションをして、バツの悪そうに後ずさる。
飯田は男子生徒を一瞥すると、階段の方へと歩いていった。
(ったく・・・この時期だからか、久々に来やがったな)
・・・・・・・・・・・・・
教室のあるA棟を出て、中庭を抜け、体育館を通り越すと校庭が広がる。
体育館から続く渡り廊下をしばらく進むと運動系部活用の二階建の部室棟がある。
飯田は左足を引きずるように二階へと上がっていった。
"女子硬式野球部"と書かれたドアの向こうからは、やや激昂ぎみの会話の音がもれている。
「おーっす」
「おっ!カオリ、ちょっと聞いてくれよぉ」
ドアを開けるやいなや、一人の女生徒がバット片手に飯田に近づいてくる。
「な〜、なーによ、もぉ」
ただでさえ狭くてボロくて大声で話す必要など無い部室で、このような大声で
言い合いしている光景は特に珍しいことでもなく、飯田は鞄を下ろしながら動じることも無く返事を返す。
「ヨ、ヨッシ〜、ちゃんと藤本の話も聞かなきゃさーぁ」
ダンボール箱の横で、ちっちゃい体をさらにちっちゃくしながらもう一人の女生徒がなだめるような口調で話す。
「そーだよ、話は最後まで聞くんだよ、副部長さんさぁ」
バットを持った少女の口論相手と思われる女生徒が冷静に言う。
「はぁっ!?聞いたべよぉ!」
"副部長"と呼ばれたその生徒の名は吉澤ひとみ。3年生。上にTシャツ、下はユニフォームといういでたちだ。
折り畳んだマットの上に座り、制服のままコーラを飲みながら吉澤から挑発的な視線を外さない生徒の名は藤本美貴。
こちらも3年生。
そしてその二人の間に挟まってオロオロしながらもちょっと楽しそうな生徒の名は矢口真里。
彼女も3年生である。
つまるところ、この4人は同級生であり、都立竹塚高校女子野球部の部員なのだ。
新学期を迎え、新部長の矢口、新副部長の吉澤、そして部員の藤本の3人で
部の今後について話し合っていたのだが・・・。
「ねぇねぇ、今日は何の話?」
矢口の横に座り、嬉しそうに吉澤に話す飯田。
「何の話ってねぇ・・・いい?今日から新学期だぜ?」
「うん、そーだねぇ、今日は授業無くていいよねぇ♪」
「ちーがう、そーじゃないってさぁ、新学期だよ、新入生だよ」
「んっ?」
「だーかーらーぁ」
必死に伝えようとするも、ニコニコ笑ってばかりの飯田にやきもきする吉澤。
代わりに横で矢口が説明する。
「カオリカオリ、ヨッシーは新勧の準備に焦ってるんだよ」
「ん・・・・あぁ!なるほどねー」
天井を仰いだ状態で静止していた吉澤が飯田の方に顔を向けて叫ぶ。
「そう!いや、マジで初日が勝負なんだって」
そして藤本の方を向きなおし
「それを・・・こやつは・・・」
全身で"ガッカリ"を表現しながら呟く。
「・・・・なによ〜」
藤本もたまらず問いかける。
吉澤は藤本の問いかけにも答えず、ただ脱力状態で突っ立っていた。表情も脱力感満点で。
「くっ・・・なんなのよ、その顔はぁ」
あくまで口論している手前、笑うのははばかられたが、吉澤のやりすぎなしょんぼり顔に思わず吹いてしまう。
要するにこういうことだった。
新学期の新入生部員獲得により活気を、いやそれ以前に野球ができる人員を確保し
部の復興をという吉澤の意気込みに、去年の反省も踏まえ、見込みの無い努力をするよりも
いい加減けじめをつけてそろそろ廃部の方向も健闘したほうが良いんじゃないか
という藤本の意見が入ったのだ。
「見込み無いってなんだよ〜!」
「大体、何人入れる気なんだっつーことだよ!」
「・・・に、にじゅうにん・・・ぐらい」
「はぁっ!?」
「いや・・・まぁ最低4,5人は必要か・・・なっ」
「6人だよ、仮に私とやぐっつぁん入れても6人だよ!」
「か、仮にっておめぇ・・・」
「去年何人入ったっけ?」
「去年は・・・2人か」
「3倍だよ、ありえないって!」
実際、人気があるとは言えない部だった。
それでも去年度は3年生が4人、2年生が5人、1年生が2人在籍しており、夏の大会にも出場した。
そして3年生は秋に引退し、1年生の2人も冬休みに入る頃には退部してしまったのだった。
現在この女子硬式野球部は、3年生ばかりがたった5人在籍している状態なのだ。
「・・・美貴」
「カオリ・・・なに?」
さっきまで笑っていた飯田が少し悲しそうに藤本を見ている。
「部活さぁ・・・・・・その・・・・・もうヤダ?」
「・・・・そうじゃないんだよ、実際問題、部員がいないんじゃさ」
「うん・・・私とかが、プレーできればいいんだけど」
僅かだが沈黙が流れる。
「なに言っ・・・それはいいんだって!だって・・・カオリは膝壊して、でも監督として部に残ってくれてて
・・・それで十分だよ」
「本当?ははっ、よかった、お荷物は邪魔かと思ったよ」
「んなわけないじゃん! そうじゃなくて・・・カオリはさぁ、この部の状態でさぁ・・・いいの?」
藤本の問いかけに、飯田は何も答えず目を落とした。
「あたしだって何も考えないで言ってるわけじゃないのよ・・・・・この中途半端な状態じゃダメなんだよ」
座りなおし、コーラを一口飲んで寂しげな目を窓の外に向ける。
グラウンドでは男子野球部員たちがランニングを始めたところだった。
藤本はゾクッっとくるような視線を感じて部屋の中に視線を戻す。
そこには満面の笑みを浮かべた吉澤の顔があった。
「なっ!?」
「ミキティー!なんだよ〜、やる気満々じゃんかよぉ!」
「ホラ、ちゃぁんと話さないとわかんないでしょ、ヨッシー」
矢口が嬉しそうに言う。
「はぁ!?意味わかんないんだけど」
「よし、ガンガン部員集めようぜ!」
藤本の肩に腕を回し、立ち上がらせる吉澤。
「だから集まんないから言ってんだって!」
「だーいじょうぶだって!その意気込みがあればイケる!」
「ちょっ、本気かよ〜!」
吉澤が藤本にヘッドロックを掛けたような状態のまま、二人は部室の外へと消えていった。
ドアが開きっぱなしになったその部室で、飯田と矢口は二人が騒々しく出て行くのをボーっと眺めていた。
やがてどちらとも無く笑い出す。
「あははっ、仲良いよねぇ、まったく」
「うん・・・・・・・でもさぁ、カオリはどう思うの?」
「どうって?」
「ヨッシーとミキティーの意見さ」
飯田は少し考え、ゆっくりと答えた。
「私は正直、部活続けて欲しい・・・・活動して欲しい」
「うん」
「矢口の部長っぷりとかヨッシーの副部長っぷりが見たい」
「んー、へへへ」
「美貴だって、このまま何もしないなんてもったいない子だもん」
「そうだね」
「あと・・・・」
「なんじゃ?」
「・・・あたし監督なんだから!監督らしいことまだ何もやってないんだから!」
「キャハハ、それが本音かよ〜!」
「ち、違うって!」
「んふふっ・・・・きゃははは♪」
「ふふふっ♪」
「部長〜、鍵、鍵」
いつの間にか、開けっ放しの部室のドアに寄りかかっているユニフォーム姿の藤本。
「ほぃっ」
矢口が倉庫の鍵を投げてやるとグローブでキャッチし、そのままするっと姿を消した。
「オイラもすぐ行くかんね〜!」
校庭のフェンス沿いに立ち並ぶ桜の木は、少しずつ散り始めている。
今日は曇り空の金曜日。来週から新入部員勧誘期間が始まる。
うm
これからだな
期待しよう
スポコンか?
なぜ狼で
なんか面白そうだね!書く気が無くなるまででも良いから書いてくれ
>>13 了解、なんか注文あったら言ってちょ
>>14 多分微妙に違うと思う
>>16 狼住人だから
>>17 ありがとう、お言葉に甘える
タイトル決めました、あと、今日書いた分載せます↓
第2話「サムライバッター(1)」
チャイムが鳴り昼休みが始まると、校舎から中庭へ、校舎裏へ、生徒達が流れ出す。
迷わず一定の場所へ向かう流れに対し、とどまったり、漂ったりする流れがある。
4月ならではの光景だ。みんなどっかソワソワしている。
そんな流れからはみ出すように部室棟の方にゆっくりと歩いてくる藤本の姿がある。
部室棟の近くには"新入部員歓迎"の文字が載った、どこぞの部のチラシが一枚落ちている。
賑やかな声こそ聞こえないが、こっちのエリアはこっちのエリアでまた違ったソワソワ感が漂っているのだ。
藤本が部室に入ると、そこには一つの机を囲む飯田、矢口、吉澤がいた。
藤本はマットの上に座ると、持ってきたコンビニの袋をゴソゴソやりはじめる。
「ん〜、いいんじゃないの?」
満足げな吉澤の声。
「ヨッシー、あとここにさぁ"用具は貸しますよ"みたいなこと書いたほうがいいって」
机に顎をのっけて、両手で机の端っこを掴んだ状態の矢口が指を差して言う。
「そっか、そーだな、よし・・・・・」
「どったの?」
「ん〜、あのさぁ、この場合用具なの?道具じゃねぇの?」
「えっ・・・用具だよ、わかんないけど、あはっ、カオリ〜どっちかなぁ?」
「そーねぇ、じゃあ"グローブあります"にしとこうか」
「いやいやいやいや、キャハハ、ちょっと待ってよ、違うから」
「よーぐだよ」
おにぎりを頬張りながら藤本が入ってきた。
「てか部長、これ・・・なに?」
「これ?これは〜、あれよ、勧誘ん時使う看板よ」
机の上には一枚の模造紙が置いてあった。
置いてあるというよりは、その教室用の机をまるでテーブルクロスのように包み込んでいた。
そしてそこは"女子硬式野球部新入部員歓迎"と大きく書かれており、それ以外にも数々の"売り文句"が書き連ねてある。
ほぼ吉澤が書いたのだろう、気合ばかりが前面に押し出された作品に仕上がっている。
「あっ、そーだよ、板持ってこねーとな」
そう言って吉澤は部室を飛び出す。
「へ〜、朝と昼休みだけで結構仕上げたもんだねぇ」
「だってこの後早速使うかんね」
矢口の言葉にピンこない顔をしてる藤本。
「ミキティ、昼休み終わったら体育館で部活説明会あるの・・・知ってるよね?」
「あっ、えっ・・・今日か!」
耳を澄ますと、体育館の方から生徒達の声が聞こえてくる。
「あっ矢口、部長はもう行ってないとマズいんじゃない?説明会の順番決めあるっしょ」
飯田が思い出したように言った。
「う〜ん・・・」
矢口は返事はするものの、渋い顔をして腕を組み、机の上の模造紙を見て唸っている。
「矢口、どーかした?」
「・・・なんっかさぁ、ちょっと殺風景すぎるかなぁって」
勧誘活動で使わんとしているその白地の模造紙には、黒いポスターカラーで書かれた文字だけが躍っている。
「あー、なんかさぁ、多少絵とか欲しいよねぇ・・・この空いてる真ん中ら辺とか・・・」
「そっ、ミキティもやっぱそう思う?」
「矢口〜、もう行ったほうがいいよ〜」
「・・・・う〜ん、よし!ミキティ、後は任せた!」
「えっ!?」
「その辺にテキトーに絵描いて、持ってきて!」
「うぇっ!?ちょっと、うそ、私?・・・てか、絵って何描くの?」
「ん〜、なんかさ〜、こう・・・テキトーに野球してる人の絵でもさ、描いといてよ、ふふふっ♪」
「え〜っ!ちょっと、部長!」
「頼んだぞー!」
そう言い残して矢口はあたふたと部室から飛び出した。
「じゃ、あたしも行こっと」
「えっ、カオリどこ行くの?」
「私もホラ、一般生徒として見てるからもう行かないと」
「ちょちょちょ、その前に絵描いてってよ!」
「ダメよぉ美貴ちゃん、部長の言うことはちゃんと聞かなきゃ」
飯田はいたずらっぽい笑みを浮かべながらそう言うと、ふわりと外に出て行った。
部室に取り残されたのは藤本と、矢口曰く"殺風景なデザイン"がのっかった模造紙だった。
(そんな・・・絶対ヤバイって)
藤本は部室の畳の上に転がっているポスターカラーを見つめながら、声に出さず呟いた。
なんだここ
すぐ落ちて終わりだぞ
狼の死にスレで小説は無理だよ、誰も保全しないから
羊か狩狩へどうぞ
26 :
名無し募集中。。。:04/08/04 00:48
死にスレに小説を書いたスレに
俺の小説を貼っていいですか?
どうぞどうぞ
みんなで仲良くね
ミキティに絵か 楽しみだ
29 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:10
小説☆アイスクリームと青い空
姉ちゃんの圭織は美人だ。
妹のののはかわいい。
俺だけが何にも取り得がない出来そこない。
「なあ姉ちゃん」
夏のけだるい午後、俺はカキ氷。
メロンにブルーハワイを混ぜて食べる。
毒々しい色だ。身体に悪そうだ。
俺なんか早く死んでしまったらいいんだ。
姉ちゃんは練乳。おいしそうだ。
俺も練乳にしておけば良かった。
「なあ俺ってクズだよな」
俺は2ちゃんとエロゲーしか趣味が無いクズ野郎だ。
「そんな事ないよ。たぶん・・・・・」
姉ちゃんの微妙な笑顔。
たぶんか。やっぱり死のう。
キャンプの残りの練炭があったはずだ。
だけど倉庫まで探しに行く気合もない
30 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:11
>>29 俺の肩を姉ちゃんが叩く。
「あんたはまだ若いんだから頑張りなよ」
姉ちゃんの激励が胸に響く。
2つ上とは思えない。
「そうだよな。頑張ったら俺の夢は叶うかな」
「もちろん。って知らなかった。あんたに夢なんかあったんだ」
失礼な。俺にはずっと夢見てた事がある。
「姉ちゃん手伝ってくれる?」
「もちろん。かわいい弟のためだもん」
俺は深呼吸。そして姉ちゃんの目を見て言う
「俺、死ぬまでに姉ちゃんとセックスしたい。だからはあはあ」
「いやあああ」
バチン
姉の張り手。吹っ飛んだ。
そっから意識はありません。
31 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:12
目が覚めた。なんだかくすぐったい。
姉ちゃんの髪の毛が俺の顔の上でよそいでる。
ほのかに髪の毛の匂いがする。
まあシャンプーの匂いだけど。
どうやら姉ちゃんの部屋みたいだ。
「おはよ。大丈夫?ごめんやりすぎた」
姉ちゃんがほぺったを撫ででくれた。
ああ、俺は今姉ちゃんの膝の上か。
高そうなスカートの生地はすべすべだけど
きっと姉ちゃんの脚はもっとすべすべして
気持ち良いに決まってる。
そしてこのスカートの中には姉ちゃんのかおりんが・・・
いかん興奮してきた。
32 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:12
>>31 姉ちゃんはやりすぎたのかも知れないが
俺はまだやっていない。やるまで死ねない。
姉ちゃんとはあはあ。
俺はまだ目は覚めちゃいないのだ。
「ただいまなのれす」
ののが帰ってきた。
そうだ。ののを使えば・・・。
俺の頭の電卓が
帰省時の高速道路のように高速回転する。
33 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:13
>>32 俺はとりあえずパンツを脱いだ。
「ちょ、ちょっと何してんのあんた」
俺は不敵に笑う。
下半身がいきり立っている。
姉ちゃんはその大きさに失笑する。
俺は出来るだけ声を低く強盗が脅すように言う。
「ののがこれを食べ物と間違えたらどうする?」
姉ちゃんは失笑から大笑い。
「いくらののでもこんなもの食べ物なんて思わないわよ」
「どうかな?ののは革命的な食いしん坊だからな」
それを聞いて姉ちゃんの顔が引きつる。
「お姉たん、お兄たんどこれすか?」
ののの声だ。俺達を探している。
34 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:14
>>33 「は、早く隠しなさい。ののが驚くでしょ?」
姉ちゃんは俺のさっき脱いだパンツを差し出すが
当然俺は受け取らない。
「ののー八段アイスがあるぞ。一緒に食べよう」
俺の呼びかけにすぐ反応があった。
「すぐいくのれす」
「さあ、早くしないとののが俺のちんちんを食べてしまうよ」
姉ちゃんは妙な顔。
「アイス食べたいのれす」
勢いよくドアが開く。
ののだ。
「ののたんほーらここにアイ・・・」
姉ちゃんが俺にタックルをかます。
倒れこんだ俺の腰に手をまわす。
「のの見ないで。アイスなんてないよ!」
俺の股間に姉ちゃんの顔が。吐息が。
やばいほど興奮してきた。
35 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:14
>>34 「ええ?のののアイスはないのれすか?」
ののが泣きそうだ。
「のの泣かないで。ほら、ここにあるよ」
「ないから!来ないでののお願い」
姉ちゃんの願い虚しくののはアイスと言う
甘美な言葉に誘われてゆっくりと近づく。
「お姉たんずるいのれす。ののもアイスを食べたいのれす」
姉ちゃんが抱えてるものをアイスと思い込んでるようだ。
本当は俺の3段程度の熱いアイスなのに。
ののが怪力で姉ちゃんを俺から引き離そうとする。
引き離されたら最後、俺のちんちんは
ののの目に晒されてしまう。
36 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:15
>>35 「のの、早くしないとお姉ちゃんが食べちゃうぞ」
姉ちゃん、早く俺のアイスを食べないと
ののに見られてしまうよ。
こんなものを見たら
ののの清らかな心が歪んでしまうかもよ。
俺の策略を理解した姉ちゃんは
憎悪に満ちた目で俺を見ていた。
ますます興奮した。
37 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:15
「早くのの八段アイスがすごい事になってるよはあはあ」
「食べたいのれす。お姉たんジャマしないで欲しいのれす」
幼く見えるののだが、既に腕相撲なら姉ちゃんに
勝つくらいの力がある。
攻めるののも守る姉ちゃんも汗だくだ。
俺のちんちんも先っぽが汗まみれだ。
「のの溶けてきてるよはあはあ」
「あーいーすー」
ののの絶叫。もう姉ちゃんを引き剥がすのは
時間の問題だ。
さあどうする姉ちゃん。
「のの!残念お姉ちゃんが食べちゃうから」
姉ちゃんはそう言って
俺のちんちんを
食べた。
38 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:16
>>37 姉ちゃんの唇が俺の先っぽを挟み込む。
それだけでもう気が違いそうだった。
「はあはあそれだと姉ちゃん、ののに見えちゃうよ」
慌てて姉ちゃんが
俺のちんちんを根本までくわえ込む。
それに加えて姉ちゃんの長い髪で隠れて
ののにはちんちんが見えないだろう。
最高だ。夢にまでみた事が
現実に起こっている。
俺はちんちんに訊ねる。
気持ちいい。夢じゃない。
39 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:17
>>38 「お姉たんアイスはのののなのれす」
ののが泣いている。地団太を踏んでいる。
俺はののを手招きしてののを呼び寄せ頭を撫でてやる。
ののは時々怒る姉ちゃんより
いつも優しい俺になついているのだ。
俺は優しくののを慰めてやる。
「お姉ちゃんお腹がすいていたんだって」
「ののは年中はらペこなのれす」
涙ぐむののは本当にかわいかった。
姉ちゃんの頭を股間に押し付ける。
「姉ちゃん、どうしたの?おいしくないの?
それだったらののにあげたら良かったのに・・・」
姉ちゃんはしばらく何かを考えていた。
が吹っ切れたようにちんちんを舐め始めた。
40 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:17
>>39 「やれば出来るじゃないかはあはあ。
随分おいしそうに見えるよ姉ちゃん」
姉ちゃんの舌が俺の下を舐めまわす。
俺のちんちんを慰めてくれる。
それをののが羨ましそうに見ている。
「おいしいだろ姉ちゃん」
「おいひいあふー」
姉ちゃんが舐めながら言う。
「ののも食べたいのれす」
必死な姉ちゃん。無邪気なのの。有邪気な俺。
「ののも食べたい?」
「食べたいれす」
「らめよののはらめほ」
「あー残念。お姉ちゃんは駄目だって」
41 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:18
>>40 姉ちゃんはぎこちなく必死に舌を動かす。
早く終わりたいのだろう。
しかし俺は絶える。これまで俺は我慢し続けた。
これくらい我慢してみせる。
「お姉たんひとりじめはずるいのれすー」
姉ちゃんの口が俺を締め付ける。
最高に気持ちが良かった。
「あうっ」
姉ちゃんの舌の動きが活発になる。
要点を確実に刺激する。
俺の反応を見て弱点を探してるみたいだ。
さすが俺やののと違って勉強が出来るだけある。
見事な学習能力だ。
42 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:18
「ああ、いいよ姉ちゃんいいよはあはあ」
「ちっとも良くないのれす」
ののが怒っている。
「ごめんね。ののも食べたいだろ?」
「当たり前れす」
「お姉ちゃんが食べ残したらののが食べなよ。ね、姉ちゃん」
姉ちゃんが必死で俺を舐める。
可愛いののに食べ残しを食べさせる訳にはいかない。
「はあはあ溶けた汁まで飲みなよ姉ちゃんはあはあ」
じゅるじゅると姉ちゃんの唾液と俺の汁が混ざり音がする。
姉ちゃんがのどを鳴らして飲み込む。
それを見てののが羨ましそうに指を咥える。
そして姉ちゃんは俺のを咥えている。
ののはよだれを垂らしている。
43 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:19
>>42 ののはよだれを垂らしている。
「せめて何味かだけでも教えてほしいのれす」
「練乳味だよ」
ののが心から悔しそうな顔をする。
「やっぱりののも食べたかったのれす」
姉ちゃんが何か言おうとしているが
咥えているので何を言っているかわからない。
「じゃあお姉ちゃんが食べ残したらね」
「余らせてほしいのれす」
俺のはかなり余ってるよ。皮だけど。
44 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:20
>>43 「それはお姉ちゃん次第だねのの」
ののは姉ちゃんを恨みっぽく見る。
「お兄たん。また買ってきて欲しいのれす」
「じゃあ買ってくるよ。溜まったらね。お金が」
お金じゃないほうは勝手に溜まるけどね。
それを聞いてののは大ハシャギ。
「れーんにゅう。れーんにゅう!」
飛び跳ねて喜んだのでスカートがめくれあがる。
のののくまさんパンツが見える。
「ああああうっ」
「んんあああん」
練乳を姉ちゃんの口内にぶちまけてしまった。
おしまい
45 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:20
姉ちゃんつまらないからやめてくれよ
46 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:21
47 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:31
共同使用、落ちにくくていいかなと思ったけどもう完結しちったのか
「サムライバッター(2)」
昼休みの終了を知らせるチャイムが鳴る。
体育館の中は、前方に1年生、後方に2,3年生が座っている。
舞台上では卓上マイクを乗せた演壇を引っ張ってくる放送委員とともに教頭が現れ、
演壇を配置し終わると、モソモソと挨拶を始めた。
舞台袖にはメインの説明会に出る、各部の代表者達が待機している。
気ぐるみを着ている部や、やたら大掛かりな道具を持参している部など、様々だ。
かなり後のほうの順番に当たった女子硬式野球部の副部長は、奥のほうで腕を組みながら壁に寄りかかっていた。
傍らには、まだ何も貼られていない大きな板が立てかけてある。
「よしこ!」
吉澤が声のする方を振り向くと、そこにいたのは女子バスケットボール部の部長、里田まいがいた。
「あれ?やぐっつぁんは?」
「トイレ行ってる、なに、またなんか相談?」
里田は目をつぶり、わざとらしく渋い顔をしたまま吉澤を指差しコクコクと頷いた。
「いやぁ実はさ〜、新学期早々、まーた2年が3人ほど辞めましてねー、これが」
「うん」
「来月の支部大会さぁ、ちっとヤバイ感じなんだよねぇ」
吉澤はちょっと困った顔になり、里田から視線を逸らす。
「・・・ダメだよ、まいちん」
「ん〜、やっぱし?」
「大体そんなん、こないだの練習試合みたいのとはわけが違うんだろー」
「うん、よしこに入部してもらわないと」
さらっと言う里田に吉澤は軽く吹き出す。
「ぷっ、だからさぁ、そーゆー事を、今まさに勧誘活動しよーとしてる人間に言うかぁ!お前は〜」
「あはっ、ちょっとタイミング微妙だったか♪」
「タイミングじゃねーよぉ、まったく」
その時は里田以外にも吉澤に接触を試みようとしていた女子運動系の部もあったのだが
このやり取りを聞いて諦めたようだった。だが、いつからそこにいたのか、里田のぴったり後ろに
くっついて、ずっと吉澤を見つめている女生徒がいた。
その生徒に視線を合わす吉澤。もっとも前から気付いてはいたようだが。
「こら、おめーなんか言いたいことがあんのか?」
声を掛けられたその生徒は一瞬体をビクっとさせ、里田の背中に隠れながら
「部長ぉ、もっと頑張って吉澤先輩を勧誘してくださいよ〜」
と弱々しく言った。
「あはは♪ダメだって、吉澤先輩は頑固モンだから無理だよ麻琴」
里田がなだめようとすると、それをスルーして吉澤の前に立ちはだかり
とっさに吉澤の腕を両手で掴み、グイグイ引っ張りながらごねるのだった。
「よ〜しざわせ〜んぱ〜いぃ、い〜っしょにバスケやりましょ〜よ〜ぉ!ねぇ〜」
吉澤の方はもううんざりといった感じで、目をつぶり、一切聞く耳を持たない構えなのだが
腕を引っ張られる力はなかなか強いようで、上半身がガクガク揺れる。
「ねぇ〜、ひとみせんぱ〜ぃ!」
「ひ、ひとみ言うな!気持ち悪い」
「麻琴〜、やめなってば〜」
なぜか吉澤にぞっこんなこの生徒は小川麻琴、女子バスケットボール部の2年生。
「おいっ、静かにしなさい!」
舞台上から教頭の注意が飛んできた。固まる3人。
「まいちん、小川を放し飼いにすんなよな〜」
「ごめんごめん、ほら麻琴、行くよ」
里田は小川を引きずってその場を離れた。
入れ替わるように、矢口と、丸めた模造紙を持った藤本がやってきた。
舞台上では教頭の話が終わり、生徒会長の挨拶が始まったところだった。
51 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:52
>>48 大丈夫。第1部完だから
まだ続くよ、多分
52 :
名無し募集中。。。:04/08/04 01:54
>>52 ん〜、俺「娘。→エロ」ってピンと来ないんだわ
気を悪くしないでくれよ、その方面の嗜好の人に聞いてくれ
「サムライバッター(3)」
「次は〜、女子野球部の発表で〜す」
司会などもちろんいるはずがない。
矢口達の前に発表した男子野球部の一人が、壇上からはける際に笑いながらかる〜く言ったのだ。
この女子硬式野球部はどうも妙な人気がある。
だが真面目に部活動をしようと意気込む矢口達にとって、その人気はあまり喜ばしい類のものではなかった。
3人は演壇の手前に左から吉澤、矢口、藤本の順に並ぶ。2,3年の一部から拍手が起こった。
藤本はたった今できたばかりの看板を片手で支えている。
「新入生の皆さんはじめましてー!私達は、女子硬式野球部です」
矢口のハリのある声が体育館に響き渡る。
が、1年生の前列のあたりの生徒は不思議そうな面持ちで、体を伸ばして演壇を覗く。
その時、3年生の1人の男子が舞台に向かって叫んだ。
「矢口さんが見えませーん!」
ドっと沸く2,3年生。
「ったく、青木のヤロ〜」
藤本が呟く。とはいえかなり小声だったので、前の1年生には届かずに済んだ。
それでも藤本から一番近い距離に座ってる2,3人には聞こえてしまったようだったが。
矢口は演壇に腕を乗っけて、やや前のめりになった形で説明を続けた。
「はいはいはい、新入生の皆さん見えますかぁ?私が部長の矢口です、そしてこちらが副部長の吉澤・・・」
吉澤が軽く頭を下げる。
「と、部員の藤本です」
藤本も同じように頭を下げる。
騒がしい館内でそれだけ伝わったかはわからないが、矢口は現在の部員数から備品の内容から
グラウンドの使えるスペースと曜日まで、部の現状を一息で説明しきった。
そして最後に吉澤が藤本の持つ看板を見ながら、そこに書いてある呼込み文句を読み上げていく。
「ねっ、そして〜"経験の有無は不問!"とまぁこんな感じですねぇ」
説明を終えた吉澤が1年生の方を見ると、なにやらお互いに藤本の持つ看板を指差して笑っている生徒が目立つ。
そしてそれはどうやら看板の最下部の真ん中に描かれている絵のことだということに吉澤は気付いた。
説明に夢中だった吉澤は改めてその挿絵に注目し、そのまま固まってしまった。
「それでは、入部希望者も見学者も、お待ちしてまーす!」
吉澤の挙動を不審がりつつも、看板など見えない位置にいる矢口が締め、3人は舞台から下がった。
「ミキティ・・・コレはなんだ?」
怒りを堪えているのか、笑いを堪えているのかわからないような表情の吉澤が聞いた。
傍らで矢口がぶっ倒れながら声を出さずに笑っている。
「はぁ?見りゃわかんじゃん、野球してんだよ」
不思議そうな目で二人を眺めながら藤本が答える。
「この人はアレか?斬られてるのか?」
「これはピッチャーだろ、打たれたんだよ」
藤本曰く"ピッチャーがバッターに打たれたの図"の挿絵は、上に野球部という文字が無ければ
誰が見ても"残忍な男が刀で人を斬りつけているの図"といったものだった。
「ホラ、見ろこれ、斬られた人が血ぃ吐いてんだろ、これぇ」
「それは打ち返したボールだっつーの!」
舞台上では最後の部、合唱部が合唱の演目を行っていた。
藤本が描いたその鋭い眼をしたバッターは、ふきだしで力強く「喰らえっ!」と叫んでいた。
56 :
名無し募集中。。。:04/08/04 03:30
なんだなんだ
57 :
名無し募集中。。。:04/08/04 05:19
ho
59 :
名無し募集中。。。:04/08/04 09:18
t
61 :
名無し募集中。。。:04/08/04 11:44
>>53 エロってゆうか基本的にネタなんだけど
んまあ貴重な意見ありがと
c
>>44 これを書いた人って
【もしも安倍が姉で、藤本が妹だったら。】
このスレで書いてた人ですか?
もしそうならここで続き書いて下さいお願いします。
64 :
名無し募集中。。。:04/08/04 13:29
>>63 ヽ( ´ー`)ノ<いやです
飯田のののが終わるの待ってちょ
その前にこのスレは落ちるだろうけど
65 :
名無し募集中。。。:04/08/04 14:56
e
まだ終わってなかったのですね、ごめんなさい・・・
飯田ののも面白いので更新待ってます
67 :
名無し募集中。。。:04/08/04 17:29
両方
69 :
名無し募集中。。。:04/08/04 17:45
三菱KUSO
70 :
名無し募集中。。。:04/08/04 17:52
71 :
名無し募集中。。。:04/08/04 17:54
あげません
72 :
名無し募集中。。。:04/08/04 18:29
∋☆ノハヽ∈
ノノ*^ー^)<絵里にも読まして
73 :
名無し募集中。。。:04/08/04 19:05
74 :
名無し募集中。。。:04/08/04 19:18
>>44 こんなに練乳が出たのは記憶に無い。
気が遠くなる程の快感だった。
姉ちゃんを見る。突然口に飛び込んできた
甘くもなんともない練乳に驚いて涙目になっている。
姉ちゃんは口の中の練乳に困惑している。
「のの、UFOだよ」
好奇心旺盛なののは俺が指さした東の空を見る。
「焼きそばれすか?」
その間に姉ちゃんは俺から離れる。
そして俺の下半身に毛布を被せる。
「何もないのれす」
「あれえ確かにさっき見たのに。ね、お姉ちゃん」
姉ちゃんは何も言わずに気持ち悪そうな顔で
口をもごもごしていた。
75 :
名無し募集中。。。:04/08/04 19:20
>>74 「おやおや、姉ちゃんすぐに食べないと
ののが食べたがるじゃないか」
ののはいつまでも姉ちゃんが
何かを食べているので気になってるようだ。
「のの、らめ・・・もうれてって」
姉ちゃんはののを追い出しにかかる。
そうはいかない。
「お姉ちゃんが食べないならののが食べなよ。
なんなら口移しでもいいじゃないか」
「なるほどれす。お姉たんののとキスするのれす」
76 :
名無し募集中。。。:04/08/04 19:21
>>75 「らめ・・・ののは駄目」
姉ちゃんが近づくののを突き飛ばす。
そして口の中のものをゴミ箱に吐き出した。
白濁の液体が姉ちゃんの口を名残惜しむように
ねっとりと吐き出される。
俺の練乳はゴミとなった。
まあ当然だ。俺はクズ野郎なんだから。
s
姉ちゃん飲まなきゃダメじゃん・・・
乙〜
第3話「好きな先輩(1)」
放課後。あっちでもこっちでも勧誘合戦が繰り広げられている。
中にはその迫力を前にして逃げ惑う1年生もいるぐらいだ。
比較的人気のない格技棟の側を、3人組の女生徒が歩いている。
「も〜、もっと落ち着いて見て回りたいのにねぇ」
髪をいじりながら伏せ眼がちに呟くその生徒の名は亀井絵里、1年生。
「れいななんかさっき腕引っ張られたけん、ちょいキレそーんなった」
手首をおさえながら、ちょっと不機嫌そうにしているのは田中れいな、1年生。
「もう運動系じゃなくてさ、また文科系の部見に行こうよ〜」
亀井と田中の後を歩いている同じく1年生の道重さゆみ。
3人が少し休憩しようと、格技棟を抜け、グラウンドの端っこに出た。
そこには投げ込みをする藤本と、それを受ける吉澤がいた。
上背の割に長い手足をしならせ、淡々とした表情のまま投げ込む藤本。
上体を全くぶらさずに、淡々とミットの音だけを響かせる吉澤。
亀井が小声で道重に聞く。
「野球部かな?」
「え〜っ、多分・・・・」
先ほど体育館で見た制服姿の2人と、目の前にいるユニフォーム姿の2人が重ならないようだ。
漸くして、立ち止まったままぼーっと見ている亀井達に吉澤が気付いた。
「どしたの?ヨッシー」
「ん、後ろ後ろ」
藤本は後ろを振り向くと、3人と目が合った。
吉澤が藤本の方に歩み寄り話しかける。
「あれ1年生・・・だよね」
「多分ね」
「・・・細っせぇな」
「文科系希望でしょ」
「どーしよっか」
「ふっ、何躊躇ってんのよ、ヨッシー行ってきなよ」
妙に慎重な吉澤に藤本が笑いながら返す。
2人の会話は亀井達にも届いており、3人はその様子をただ黙って見つめていた。
"ショートカットのカッコイイ2人組"は、部活説明会の後、亀井達3人のクラスの女子の間では
ちょっとした話題になっていたのだが、見学までしようとしている生徒はいなかった。
なんというか"よくわかんない部"であり"下手に触っても危ない"みたいな印象もあったのだろう。
その2人が自分たちに近づいてくる。
吉澤が3人に話しかけた。
「1年生?」
3人は一瞬身構えた。吉澤に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で亀井が答える。
「は・・・い」
「あのっ、け、見学ですか?」
亀井達はお互いに顔を見合わせ、返事に困っている。
「部活は・・・決まったのかな?ま、今部長も来るからさ、その・・・アレだ、見学だけでも・・・」
どんな強引な勧誘責めが来るかと心配していた3人の顔から、自然と笑みがこぼれる。
「ふふふ、見学って一体何見せんのよ」
藤本が笑いながら吉澤の横に立ち、肩に手を置く。
「んっ?・・・どーしよっか」
「あはは♪だめじゃーん」
「う〜ん・・・」
そのまま考え込んでしまった吉澤に亀井が話しかける。
「部員・・・5人なんでしたっけ?」
「んっ?」
吉澤が反応する。横から代わりに藤本が嬉しそうに答える。
「実質3人よ3人、3人で野球部、すごいアホでしょ〜」
「こっ・・・アホ言うな」
「アホだっつの」
「これから増えるんだって」
「それを言うならせめて"増やす"って言おーぜ、副部長」
「そーゆー細かいことはいいんだよ、まずは・・・」
「ちょちょちょ」
2人はハッとして亀井達の方を見ると、3人とも顔を逸らして小さく笑っている。
藤本が慌てて取り直す。
「いやっ、ウチら別にいっつもこんなんじゃないだよ」
「こんなんだろ」
ボソッと呟く吉澤の顎を掴んで藤本は続ける。
「野球とか、やっぱ、興味ないよねぇ?」
ようやく笑いが治まった3人は再び顔を見合わせる。
「実は、何部入るかとかまだよく考えてないんですよねぇ」
ニコニコしながら亀井が答える。
「そう、なんだ」
藤本もそれ以上の押し方がわからない。
「あの!わたし、キャッチボールしたことあります」
亀井と田中の後ろから、道重が声をあげた。
吉澤が反応する。
「ホントに?いいよいいよ、うちは経験者じゃなくったって構わないんだし」
「でも・・・今、他に入りたい部があるんです♪」
「そ・・・そうなんだ」
さっきと同じテンションでそんなことを言う道重に対し、吉澤もそう答えるのが精一杯だった。
「2人は・・・どぉ?」
藤本が亀井と田中に聞く。
「え〜っ、心の準備が〜」
藤本も吉澤も、初めは野球部に対し好意的だと思われた亀井の笑顔は
地なんだということに気付き始めていた。
「てか〜、仮にウチらが入っても・・・・人数合いませんよねぇ」
「うっ・・・」
田中の恐る恐る発した言葉に藤本が詰まる。
そこに吉澤が力強く言う。
「それは大丈夫だ、その・・・絶対に集めるから!」
「ヨッシー、ちょっと!」
「絶対・・・だから、明日にでも気が向いたらまた来てよ・・・・そうだな、体験入部でもいいからさ」
吉澤の言葉にまた顔を見合わせる3人。その場で結論を聞くのが怖かった吉澤は続けた。
「じゃ、考えててね、明日までにちゃんと部員も増やしとくしさ」
「はぁ・・・」
田中が答える。
「ぜってー楽しいから」
吉澤はそう言うと、何か言いたそうな藤本を促して3人の前から離れていった。
3人が立ち去ると藤本が諦め顔で言った。
「ありゃ無理だろ」
何も答えない吉澤に藤本が続ける。
「てかさぁ、明日までに部員増やすって言ったよね?」
「言ったねぇ」
吉澤は藤本にボールを投げてよこした。
「え、なんか当てあんの?」
「・・・・ないね」
「おいっ!」
藤本の投げたボールは吉澤の頭上を越え、グラウンドの真ん中の方へと転がっていった。
校庭の時計は5時を回り、生徒の姿もまばらになっていた。
85 :
名無し募集中。。。:04/08/04 23:22
>>76 俺は飲んでくれなかった事に対しては
それほど何も思わなかったが
ののはそうではないらしい。
「お姉たんはののとキスするのは嫌いれすか?
ののも練乳を食べたかったのれす」
ののは泣いていた。それはそうだろう。
姉ちゃんはののとキスする事を拒んだ。
それがどういう理由であってもののの心を傷つけただろう。
「違うののちゃん・・・違うの・・・・」
姉ちゃんが戸惑う。俺は微笑む。
86 :
名無し募集中。。。:04/08/04 23:24
>>85 姉ちゃんはののが傷つくのを極度に恐れている。
なぜなら姉ちゃんはののが大好きだからだ。
気難しい姉ちゃんが唯一心許せるのがののなのだ。
「のの、お姉ちゃんは風邪気味なんだって。
キスすると風邪が伝染ってしまうからね」
「ののは馬鹿だから風邪はひかないのれす」
自覚があったのか。まあいい。
「あんまりスネるなよ。ちゃんと買ってあげるからさ」
「わかったのれす。お兄たんは優しいから大好きなのれす。
それに比べて・・・・・お姉たんのいじわる!」
ののは姉ちゃんに罵声を浴びせて部屋を出た。
乙〜
88 :
名無し募集中。。。:04/08/05 00:09
90 :
名無し募集中。。。:04/08/05 00:28
「好きな先輩(2)」
朝。
校門の付近は、登校してくる生徒と部活の勧誘をする生徒で混雑していた。
丁寧にポスターを貼り付けた机を持ち出してきて座って声をかける部もあれば、
どこぞのキャッチセールスまがいのノリで、通りかかる1年生に声を掛けまくる部もある。
「すいませーん、1年生ですかぁ? バトミントン部入りませんか〜♪」
校門に差し掛かった1年生の女子2人組に声をかける男子生徒。
軽快なステップで回り込んで声をかけるが、後方に注意がいってなかった為、
1年生の2人組に続いて自転車に乗って入ってきた女子生徒とぶつかりそうになる。
「わ”ーっ!?」
「うぉっ、危ね、ごめんね」
自転車に乗った生徒は、少しバランスは崩したものの立て直し、少し迷惑そうな顔をして
駐輪所の方へと進んでいった。
「バトミントン経験とか、あります〜?」
始業時間が迫っているのが気になって、フワフワと受け答えをしている1年生2人組相手に
男子生徒の勧誘活動は続く。ただ、歩いている2人組の後ろをウロウロしながら説明しているので
やっぱり後方に注意がいかない。校門から走ってやってくる女子生徒とぶつかりそうに・・・いや、ぶつかった。
だがそれは結果的に、走ってきた女子生徒が勧誘中のその生徒を吹っ飛ばした形になった。
男子生徒は倒れているが、大したことはないようだ。その隙に1年生2人は校舎に走って行った。
「・・・痛って〜」
走ってきて体当たりをかましてしまったその生徒は急いでいるようだったが
その場で足踏みをしながら相手の無事を確認すると
「あああ〜、ごめんなさ〜い」
オロオロとそう言ってまた走って言った。
「小川〜、あんのやろぉ・・・」
男子生徒はちょっと腰にきたらしく、しばらく転がったままだった。
小川はそのまま校内を走っていき、前方に自転車に乗ったポニーテールを見つけると元気よく声をかけた。
「愛ちゃ〜ん、待っとくれーぃ!」
「おぉ、マコト〜、おはよー♪」
自転車に乗った生徒の名は高橋愛、小川と同じ2年1組の生徒だ。
・・・・・・・・・・・・・
「で、昨日はさっそく来たの?その1年生」
下駄箱に靴を放りながら小川が言う。
「うん・・・友達2人と一緒にね」
「ふ〜ん」
2人は並んで廊下を進む。
「小川ちゃん、おはよっ」
「おっはー♪」
ジャージ姿の、これから体育の授業に出ようとしている生徒と挨拶を交わす小川。
小川と高橋は自分達の教室のある2階へと階段を上がっていく。
「"先輩、何部に入ってるんですか?"・・・かっ、いひひっ♪」
「あしも急に言われたからびっくりしたわぁ、んで、"あっ、合唱部ですけどぉ"つって・・・」
「で、見学にも来て・・・こりゃ入部するね」
「かなぁ?」
「で、せっかく入ったのに愛ちゃんは私と野球部に移ってていない、と、ふはは♪」
「それぇ、勝手に決めんといてよぉ!」
「まぁまぁ♪」
2人が教室に入ろうとした時、隣の教室からジャージ姿の女子生徒が飛び出してきた。
と思ったら、また素早く教室に入り、体育館履きを持って再度教室から出てきた。
焦っているその生徒に向かって小川が叫ぶ。
「あさ美ちゃん、ピーンチ!」
「おっ、おっ」
急いでいる為、言葉にならない挨拶をして小川と高橋に小さく手を振りながら走って行った。
「階段気をつけろよ〜♪」
高橋も笑顔で手を振って見送る。ダッシュで階段を下りていった生徒の名は紺野あさ美、2年2組。
「そー、そー、愛ちゃん、あさ美ちゃんも誘っといたから」
「なにが?」
「んっ?野球部入る話よ」
「はぁっ!?ちょっと麻琴さ〜!」
「あっ、先生来たよ、愛ちゃん教室入ろっ!」
「も〜っ・・・」
今日は4月にしては汗ばむほど暑い、生徒もまだ授業に身が入らない通常時定開始の日。
95 :
名無し募集中。。。:04/08/05 03:35
j
おぉ!
なかなか面白くなってきたじゃん
98 :
名無し募集中。。。:04/08/05 08:41
ho
99 :
名無し募集中。。。:04/08/05 08:48
左
100 :
名無し募集中。。。:04/08/05 08:48
面白い
101 :
名無し募集中。。。:04/08/05 10:03
hoo
152
103 :
名無し募集中。。。:04/08/05 13:01
ノーコンストライクがお気に入りになってる
105 :
名無し募集中。。。:04/08/05 15:07
ho
106 :
名無し募集中。。。:04/08/05 16:42
107 :
名無し募集中。。。:04/08/05 17:54
ほ
110 :
名無し募集中。。。:04/08/05 20:46
>>86 ののが出た部屋には時計の音だけが響いている。
姉ちゃんはののに嫌われたのがショックなのか
交信中だ。
当然俺は追い撃ちをかける。
「あーあ、姉ちゃんののに嫌われちゃったね」
姉ちゃんを見る。阿修羅のようだ。
「あんたってクズだと思ってたけどそれ以下ね」
怒りのあまり声が震えていた。
「姉ちゃん俺が憎いかい?」
「当たり前でしょ?締め殺してしまいたいくらい憎いわ」
「殺せよ。俺は今すぐ死んでもかまわないよ。
でも姉ちゃんが大好きなののが悲しんでしまうよ。
俺はののの大好きなお兄たんだからな」
姉ちゃんの歯軋りが聞こえる。
111 :
名無し募集中。。。:04/08/05 20:47
>>110 「そう言えばさっき姉ちゃんに締め付けて貰って
天国に行かせてもらったけどな。最高だったよ。ありがとう」
今度は声をあげて泣き出した。お礼を言ってやったのに。
姉ちゃんはどうも精神が不安定みたいだな。
俺はもうぶっ壊れているけど。
「お願い。ののを巻き込まないで。ののは、ののは天使なの」
ののが天使なら俺は悪魔かな?
「それは姉ちゃん次第だよ」
「・・・どういう事?」
姉ちゃんは理解出来ていないようだ。
「ほうら生産過剰で倉庫が練乳でいっぱいだよ」
下半身に被せていた毛布を取る。
俺の練乳アイスは冷凍庫から出したばかりのように
カチカチの状態だった。
「好きな先輩(3)」
都立竹塚高校は川沿いの民家が立ち並ぶ一角にある。
近くに清掃工場があり、学校の目印としても役立っているその高い煙突からは白く細い煙が昇っている。
あとは、歩いて5分程のところにコンビニがひとつあるぐらいだ。
最寄の駅までは自転車でも10分はかかる。
昼休みになると、中庭の一角にある小屋にパン屋がやってくる。
3時限後の休み時間に回収した予約用紙が貼り付けてある大量の紙袋と
できたてのパンがぎっしり並べられた3枚のトレーを持ってやってくる。
4時限目終了のチャイムが鳴ると、ぱらぱらと生徒が集まりはじめた。
10数人ほど集まっているその後ろから、手を伸ばして小屋の中の販売員に叫びかける生徒がいる。
「おばちゃ〜ん、小川で〜す、2年オガワ〜」
「はーい、小川さん・・・・これね!」
トレーの前でパンを買う生徒の頭越しに、パンの入った紙袋を受け取る小川。
「お前それ、何個入ってんだよ」
小川の後ろを通りかかった男子生徒が言った。
「そんな喰ってっからよぉ、おめ〜、朝のマジで腰痛ぇよ」
「ひゃはははは、ごみんねぇ、てかあーれくらいで倒れる中西くんのがダサイってぇ♪」
「くっ・・・うるせーよ」
生徒は半分笑いながらそう言い捨てて去っていった。
小川は向きを変え、部室棟の方へ走っていった。
・・・・・・・・・・・・・
「そりゃイチローはグレートだよ、ただ個人の成績なんてものは結局はだなぁ・・・」
「ちーがーう、美貴が言いたいのは成績じゃなくて、チームの士気の話をしてんのよ!」
部室では吉澤と藤本が昼食をとりながら話している。
「ねー、その話はもういいよ〜」
部室の角に置いた机に向かって何やらノートに記している矢口が言った。
吉澤も藤本も一旦黙り、各々のお弁当を食べ続ける。
缶のウーロン茶を飲み干して吉澤が言った。
「まいいや、それはいいんだけどさ・・・」
そう言いながら自分の隣で黙々と購買のパンにがっついている生徒に目をやる。
「なんでコイツがここにいるんだよ!」
「でへへ、お邪魔してMAX!」
小川は嬉しそうに最後のパンの封を剥いでいる。
「MAXじゃねぇ!巣へ帰れ」
吉澤に怒鳴られても嬉しそうな小川。
「ヨッシー、まこっちゃんは今日からウチの部員なんだよ」
藤本が笑いながら言う。
吉澤は藤本に視線を向け、続けて机に向かっている矢口の背中に向かって聞いた。
「部長、マジで?」
「う〜ん」
背を向けたままの矢口が答える。
「なんだ、当てあったんだ、やるじゃん♪」
コーラを持った手で吉澤を指差し、軽くからかうような感じで藤本が言う。
藤本の言葉には答えず、吉澤は小川に話しかけた。
「大体お前、バスケ部はどーしたんだよ」
「バスケ部は辞めました」
食べるのを止め、あっさりと小川は答えた。
「なんでまた」
「だって色々やりたいんだもん♪若いうちに!」
「ばっかお前、知ってっぞ、今女バスは練習に出て来んのまいちんとお前入れて4人くらいなんだろ?」
「うん・・・」
「部長だって困るだろぉ」
「部長は・・・・」
そう言うと小川は珍しく少し悲しそうな顔になった。
「部長はもう4月いっぱいは来るけど、その後はたまに見に来てくれるだけだって・・・受験だから」
「まいちん自身が言ったのか?」
小川はコクリと頷いた。
「もう私頑張れない、だから・・・いいでしょ?」
吉澤は少し考え、そしてきっぱりと答えた。
「だめだ、どっちにしろ、そんなふわふわした行動とる奴はいらん」
だが小川も引かない。
「もう、途中で辞めたりしないもん!」
「そーんなこと言い切れるかっ」
「いいきれるー!」
「なんでだよ!」
「それは吉澤先輩が大好きだから〜!」
「お前はアホかーっ!」
吉澤が小川の頭を鷲づかみにする。
「まぁまぁ、ぜーたく無しだよ、ヨッシー」
藤本がなだめる様に言う。
「オイラも事情とかよくわかんないけど、小川が野球がしたいってんだから断る理由はないな、部長として」
矢口が吉澤の方に振り返りながら言った。
吉澤は、しばらく小川の顔を見ながら低く唸っていたが
「わかった、新入部員な、オッケー歓迎だ」
「おっけーぼくじょー♪」
小川がにやけながら言う。
「そうと決まったからには・・・」
吉澤はそう言うと、素早く小川の持つパンを取り上げた。
「ひゃわっ!?」
「メシも程々に考えろ、野球はそんなに体を使ったディフェンスはいらん」
「かえして〜」
「それと、もし途中で投げ出したらな・・・」
小川の動きがピクっと止まった。
「えーと、投げ出したらな・・・・ん〜と・・・・・・ぜ、絶交だかんな!」
「ぶっ」
藤本がコーラを吹き出した。
小川の方はというと、いきなり泣きそうな顔になり
「絶交なんてヤだー!」
吉澤に飛びついた。
「ちげーって、おい、話きーてろよ、おい!」
矢口は笑って机の方を向きなおし、藤本は苦笑いで2人を眺めていた。
「ふうっ」
吉澤はどかっと座り込み、雑誌を読み始めた。
「でも入れてよかったぁ・・・・・部長さん、今日放課後にもう2人見学に連れてきますからね♪」
傍らに転がっていた吉澤のミットのほつれ目をいじくりながら小川が言った言葉に、3人がビクッと反応する。
「えっ、ま、まじ!?」
矢口が再び後ろを振り返る。
「まこっちゃんでかしたゾ♪」
藤本が小川の頭を撫でてやる。
「ばか!お前、そーゆーことは先に言え・・・いやむしろその2人だけを紹介しろっ」
「ヨッシっ!」
「ふわぁ〜ん、ひど〜い」
この中学生のようなノリの生徒が、女子硬式野球部にとって吉をもたらすのかそれとも・・・。
そして放課後はあっという間にやってきた。
118 :
名無し募集中。。。:04/08/06 00:04
94
乙〜
120 :
名無し募集中。。。:04/08/06 01:52
>>111 「ば、馬鹿じゃない?自分でなんとかしなさいよ」
姉ちゃんがそこらへんにあったものを俺に投げつける。
だからって俺は怯まない。
「なんとかってどうするの?俺にわかるように教えてよ」
「だから自分で・・・変な事言わせないでよ変態!」
姉ちゃんが顔を真っ赤にする。
姉ちゃんはどうもこういう話題は苦手みたいだ。
前々から思っていたけどまだ処女なのかも知れない。
それにしても変態っていい響きだな。
「好きな先輩(4)」
田中れいなは悩んでいた。
口当たりはキツイ印象を持たれる彼女だが、その実、かなり真面目で心配性であり、
また不器用で、いろんな物を自分の中に溜め込むタチでもあった。
むしろその不器用さを自覚した上での心配性なのかもしれない。
(何部に入ろーとかぁ、悩みどころっちゃねぇ)
どうせ部活に入るのならもちろん一貫。
入ったはいいが上手くいかなくて辞める、なんてことは考えたくないのだ。
考えたくない、というよりは恐れているといっても言い過ぎではない。
(先のことなんて、そんな、わからんしねぇ〜え)
だが実際は何も考えていないに等しかった。
比較もなければ基準も無いのだから。
そんな田中の頭の中に、先ほどから幾度か昨日校庭で会った藤本の姿が浮かぶ。
(カッコよかたい・・・・・・だけん、れいなもあーなれるっちゃ限らんとよ)
「れいなちゃん、行かないの?」
見るとそこには体操着を着た亀井の姿があった。
「えっ、行くって?」
「野球部だよ〜、体験講座行くんじゃないのー?」
体をほぐす様に両腕をブラブラさせながら亀井が言う。
「体験入部ね、え、亀井ちゃん本気で行くと?」
「だ〜からこんなカッコしてんじゃない、ふははははは♪」
「え待って待って、え〜、どーしょ」
「は〜や〜く〜」
「え、ちょ待ってぇ」
考えの途中ではあったが、亀井の勢いに押され、支度を始める田中だった。
(まぁ体験入部だし・・・よかろ)
2人は校庭に向かった。
・・・・・・・・・・・・・
グラウンドには7人の生徒が集まっていた。
グラウンドといってもそこは格技棟と部室棟に挟まれた小さいスペース。
水道もあり、生徒達には"水飲み場"と呼ばれている。
そこが女子硬式野球部の主な活動場所だ。
「よし、では、今日は簡単にかつ楽しく、みんなに野球を体験してもらおうと思います」
吉澤が横一列に並んだ体験入部生に向けて話す。ニコニコ見つめてくる小川のせいでやりにくそうだ。
4人は吉澤から向かって左から高橋、小川、亀井、田中の順に並んで立っている。
3人は体操着を着ているが、高橋が制服のままだった。
「小川、もう1人はどうしたんだ?」
「あさ美ちゃんは、後で来ます!」
小川が無駄にデカイ声で答える。彼女なりの野球部気分なんだろうか。
紺野は化学部在籍で、実質帰宅部だったが、1年の時からやっている図書委員会の仕事でそこそこ忙しいようだった。
「そっか、じゃあとりあえず今日はみんなにトスバッティングというものを受けてみてもらいます」
吉澤なりに考えたメニューだった。
藤本が4人にグローブを配る。4人ともグローブをはめてテンションがあがったようで
きゃっきゃ言いながらお互いにグローブで殴りあうフリなどしている。
そして4人はグローブを使った捕球方法を手取り足取りゆっくりと教わった。
「よーし、じゃあそのラインに順番に並んで、こっから部長がボールを打つから、今教えた要領で捕ってみてね」
そう言って吉澤は矢口の後ろにしゃがんだ。
「よ〜しいくぞぉ、かる〜くいくから、オイラが打ったボールがワンバンしたら捕るんだよ」
カン!
「おりゃ〜っ」
小川がなんなくこなす。
「よし次〜」
カン!・・・・・・・ポッ・・ポッ
「あ〜っ」
「え〜っと、亀井さんだっけ? あの〜、自分から動いて捕りにいくんだぞぉ」
「わっかりました〜」
亀井はそういって列の後ろに回る。
「はい次いくよ〜っ」
「うわ!」
ボールを中空に放した矢口を目の前にした田中は、急速にアガるのを感じた。
(何これ!?ちょっと怖くない?)
カン!
「わぁぁぁ」
明らかに反応が遅く、ボールを捕ることはできなかった。
「いーよいーよ、ボールを怖がんないだけでも、みんないい感じよぉ」
小川達はそのまま何周か矢口の打つボールを受けた。
すでに楽しんでいる小川は、強めの打球を放たれている。
「ちょーっとぉ、私の時だけ違いませんか〜っ?」
「ははは、小川〜そんぐらい捕れよ〜」
吉澤が遠くから笑いながら煽る。
亀井も3周目ぐらいから、両手で挟み込むようにだがボールを捕らえるようになってきた。
田中は・・・まだボールに追いつけない。頭では反応しているのだが、体が遅れるのだ。
「よ〜し田中ちゃん、いくよー、オッケーかぁ?」
「は、はい!」
行われているのはあくまで体験入部。
笑いながら練習する小川と亀井とは対照的に、田中の顔はこわばっている。
「だいじょぶ、ボール怖くないから、よゆーで捕れるぞ」
いつの間にか後ろにいた藤本が田中に向かって言った。
カン!
田中は弾道に追いつき、キレイにキャッチした。
「よっしゃーっ!」
「お〜、捕った捕った」
矢口も一緒に喜んでいる。
(っっかぁー、なんじゃこれ・・・めっちゃ気持ちえーやん!)
そして田中は後ろを振り返り、ボールが納まったグローブを藤本に向けながら無邪気な表情を見せた。
藤本も笑顔でそれに応えた。
高橋は後悔していた。あまり前向きで無かった為、ここへ制服で来た事を。
制服を着ている自分もプレーまで参加していいのものかどうか迷っていたのだ。
そうこうしてるうちに始まってしまい、笑ったり叫んだりしながら
矢口の打つボールを追う3人を見てウズウズしていた。
(は〜っ、楽しそう、でもなんか・・・もうタイミング逃しちゃった感じやわ)
「ねぇ、アナタもやってみない?」
制服のままグローブをはめて水道のヘリに座って眺めていた高橋に、向こうから矢口が言う。
「やりますー!」
高橋は飛んでいった。
「よ〜し、行くぞぉ」
カン!
制服にローファーを履いた高橋だったが、猫のようにしなやかな動きでボールに飛び付くように捕らえた。
そして・・・。
「そりゃーっ」
矢口と吉澤に緊張が走った。高橋は捕球後、そのままの勢いで返球したのだ。
目的というか考えというか、もちろん悪気といったものは無く、まさに勢いのままの行動だった。
「わっ!」
ボールは矢口と吉澤の間をすり抜け、部室棟の一階の奥へと入っていった。
投げた高橋自身もそのまま固まっていたが、次の瞬間には頭を180度近く下げて叫んだ。
「すっ・・・すいません、すいません!」
しばらく呆気に取られていた矢口だったが、我に帰ると高橋に言った。
「あっははははは!びびった〜、きゃはは、いいよいいよ、だいじょぶだから」
「いえ!ホントに、あの・・・つい、夢中になってですね・・・」
「高橋・・・さん?は何部なんだっけ?」
まだ恐縮している高橋に吉澤がたずねる。
「えっ?わたし・・・合唱部です」
「運動、嫌いなの?絶対なんかやったほうがいいと思うんだけど」
「でも・・・私、歌うたうの、好きなんで・・・」
「そっか、でもウチなら兼部でもいいんだよ」
高橋の表情はだんだん重くなっていったが、吉澤の言葉を聞いた瞬間
目を輝かせ、パッと吉澤を見る。
「兼部でもいんですかぁ!?」
「全然オッケー」
後ろから矢口が応える。
「あ、あ、じゃあちょっと考えときますー」
吉澤と矢口は笑って顔を見合わせた。
と、その時。
「高橋先輩、なんでここにいるんですか〜っ?」
「あっ、アナタは・・・」
道重だった。わかりづらいが、普段よりやや興奮しているようだ。
続いて道重の後ろから紺野が小走りでやってきた。
どうやら合唱部の練習部屋で高橋を探してウロウロしている道重に、紺野が居場所を教えてあげたようだ。
「ハァハァ・・・まこっちゃん今終わったよぉ」
「お〜」
「で、面白い話ってなぁに?」
「高橋先輩は合唱部じゃなくて野球部なんですかぁ!?」
「い・・・いえ、一応合唱部なんですけどぉ」
「これ・・・どの子が入部希望者なんだっけ?」
藤本が吉澤に聞く。
「いやなんかよくわかんなくなってきた・・・でも、なんかこいつら面白いな♪」
「それ、答えになってないじゃん」
「ははっ、部長楽しそうだな」
見ると矢口が田中と亀井のトスバッティングを受けていた。
まるで同級生同士で遊んでいるようだった。
・・・・・・・・・・・・・
翌日。
ここのところ用事の為に部に顔を出せなかった飯田は、急いで部室棟へ向かっていた。
(私も勧誘手伝わなくっちゃ)
格技棟を通り過ぎ、部室棟までのこじんまりとしたスペースにさしかかる。
いつも矢口や吉澤や藤本が投げ込みをしたり、ランニングに行く前の準備体操を
したりしているそのスペースに9人の人影があった。
そして飯田はその中に矢口や吉澤の顔を確認し、立ち止まった。
「おぉ、カオリ〜」
矢口が飯田に気付き声をかけると、円陣を組みアキレス腱を伸ばしている他の8人も一斉に飯田の方を向いた。
「みんな、ウチのカントクだ、よろしく」
吉澤に続いて新入生6人が、声を揃えて飯田に挨拶をする。
「よろしくおねがいしま〜す!」
飯田はどんな表情をしていいのかわからなかった。
気を緩めると、顔をくしゃくしゃにしてしまいそうで。
高揚する気持ちを懸命に抑えて、力強く答えた。
「よろしく!」
ノーコンストライク面白くなってきた〜
今は打順とポジションをどうするんだろぉ〜ってのが気になってる
乙〜
ho
131 :
名無し募集中。。。:04/08/06 10:07
ze
n
133 :
名無し募集中。。。:04/08/06 13:54
e
n
z
e
かなりおもしろいんですけど
138 :
名無し募集中。。。:04/08/06 19:02
139 :
名無し募集中。。。:04/08/06 20:18
z
e
n
o
どっちとかないんだよ!
145 :
名無し募集中。。。:04/08/06 23:06
どっちかと言われればノーコンストライクかな
だってノーコンなのにストライクなんだぜ?
まあそれは冗談として、俺は正直飯田さんや辻さんにはあんまり萌えないんで
でも読み物としてどっちも面白いよ
って、どっちとかないんだって!
長持ちしてるな
第4話「ハートに火をつけて(1)」
放課後、吉澤がいつものように部室棟の階段を昇り部室に向かおうとすると、
部屋の外で柵にもたれかかりながらアイスをかじっている藤本の姿があった。
「なにしてんの?」
吉澤がたずねると、藤本は手に持ったアイスで部室を指して言った。
「満員御礼だよ、しっかし毎日元気だね〜」
部室の中からは1,2年生達のはしゃぎ声が聞こえてくる。
「じゃ、じゃあ次ね、うへへ、藤本さんのマネね♪」
小川だ。
「"あ〜、今日ちょーしワリ〜、ちょーしワリ〜から帰る〜"」
「キャハハハハハハハ!」
「あーっは!」
吉澤が声を出さずに笑う。
「・・・聞こえてるっつーの」
藤本が半笑いでドアの方にボソッと言う。
小川達と亀井達は学年はひとつ違うものの、お互い新入部員ということもあって打ち解け合うのは早かった。
それは小川、高橋、紺野の3人ともが、自然と先輩ということを意識させないような人柄であることや
亀井、田中、道重の3人が小川達にとっても素直で可愛い後輩であったということもあるのだろう。
早い話、相性が良かったということだ。
矢口達にとってはまず何よりも嬉しいことであり、そしてそれは新入生軍団が
3年生達とも打ち解けあうことにも、そう時間は要らないということの表れでもあった。
「ま、いんじゃない?最近やっと部室使ってくれてんだね」
笑顔で吉澤が言う。
「まぁね、こないだまでは"ここで着替えていいんだよ"って言っても、どっかで着替えてきてたしね」
「この狭い中でよくあんなはしゃぐよな〜」
「ヨッシーそれ、人のこと言えないから」
いつのまにか部室の中の騒ぎ声は消えていた。
しばらくして。
「うっそぉ、これ吉澤さん!?」
「そーでしょ、これ飯田さんだもん」
吉澤は嫌な予感がして部室のドアを開け、中に入り込んだ。
そこには新入生6人が頭をぶつけ合うようにして一つの冊子を見ていた。
「おいっ、何見てんだー」
6人は別に悪びれることもなく吉澤に迫る。
「これ吉澤さんですかー?」
高橋が冊子に載っている少女の写真を指差し聞いた。
「そっ、そーだよ、だからなんだよ」
表紙に"竹塚女硬 第4期"と記された冊子のその、開かれたページには
去年の夏の大会に出た時の部員の集合写真が載っていた。
「吉澤さんカワイ〜っ♪」
「そんなもん見るなー、ったくどっから見っけてきたんだぁ?」
吉澤がゆっくりと冊子を取り上げようとするが、その手を逃れて冊子を持ったまま
6人は部室の隅っこに逃げていく。
「いや〜!」
「きゃははは♪」
吉澤もムキになってまで取り上げようとは思わず、諦めたようだ。
「お前らそろそろ準備しろよ〜」
「あっ・・・」
冊子を見て、紺野が何か見つけたようだ。
「吉澤さんこれ・・・メンバー表ですかぁ?」
「メンバー表?」
吉澤が紺野から冊子を受け取る。
「あぁ、スタメン表な、大会ん時の・・・・つってもほぼそれで固定だったけどね」
吉澤はそう言うと紺野達の足元に軽く投げて返した。
そこには手書きのスタメン表が書かれてあった。
一塁手 村田(23)
二塁手 大谷(15)
三塁手 藤本(7)
遊撃手 矢口(8)
右翼手 柴田(3)
中堅手 斉藤(10)
左翼手 飯田(21)
捕手 吉澤(6)
投手 石川(17)
6人とも"新事実だ"という顔をしている。紺野が言った。
「藤本さんて、ピッチャーじゃなかったんだぁ・・・」
何か呼んだか?といった顔をして藤本が入ってきた。
事態を把握していない藤本の代わりに吉澤が答える。
「あぁ、そこにも書いてある通りサードだよ・・・あれ、ミキティ、中学の時も内野だったんだっけ?」
「うん、でもたまに投げてたよ、ま、ソフトだけどね」
紺野達の方を見て答えた。
「美貴、肩弱いからさ〜、はやいとこ誰か代わってくれよぅ」
冗談交じりにそんなことを言われても、日々藤本の投球を目の当たりにしている新入生6人は
固まった表情で首を振るだけだった。
「この、石川さんっていう方は?」
道重がたずねる。
「ん?・・・幽霊部員だよ」
吉澤が答える。
「ユーレイ?」
「ヨッシー!」
後ろから矢口が諭すように叫んだ。たった今部室に来たところだった。
矢口はそのまま部室に入ってきて道重達に説明する。
「梨華ちゃんはね、もう受験勉強で忙しいから、活動はしてないの」
矢口は冊子を拾い上げて続ける。
「ウチらだって3年だしさ、梨華ちゃんがそうしてるのは別に普通のことなんだから」
新入生達に向けて喋っているが、半分吉澤にも言っているような言い方だった。
矢口は冊子を机の上に置き、声のトーンを変え、今度は全員に向けて言った。
「それよりも!・・・いぃ?明日は合同練習に行くから!」
「合同練習!?」
新入生が声を揃えて言う。
藤本が矢口に聞いた。
「どこ?松ヶ丘?」
矢口が頷く。
「えぇぇ〜っ」
藤本と吉澤が同時にのけぞった。
「"えー"じゃないのっ!」
「よし、お前達、頑張って来いよ」
吉澤がふざけた笑顔で新入生に言う。
「山田が部長になった松高なんてイキタクアリマセ〜ン」
藤本もふざけたテンションで叫ぶ。
「なに?今、山田が部長なの?うぇ〜ますますウゼ〜」
吉澤が言う。
「おっ・・・こらぁ!新人に変な印象持たせるようなこと言うなー」
ふにゃふにゃしている2人の腕を矢口が掴む。
そして思い出したように後ろを振り返る。
「あっ、新入生みんなチャリ通?」
小川を除く5人が頷く。
「部長、わたし歩きです」
「よし・・・じゃあ小川はそうだな・・・・ヨッシーの後ろ乗らしてもらえ、な」
「はぁい♪」
「ちょと、部長ぉ!こいつ重いんだよ・・・ってイテテ!ばか!」
吉澤の言葉が終わらないうちに、小川は子泣き爺のように吉澤の背中におぶさっていた。
(合同練習・・・・)
新入生達は思い思いに、自分なりの合同練習図を想像していた。
イイネイイネー
続きが楽しみ
「ハートに火をつけて(2)」
都立松ヶ丘高校は、矢口達の通う竹塚高校から自転車で40程の位置にある。
今日は両校の女子硬式野球部による合同練習が行われるのだ。
部員数ギリギリ9名の竹塚に対し、松ヶ丘には全学年合わせて24名の部員が在籍し、
部長は3年生の山田和美が務めている。
「部長、竹高の人が来ました」
「あ来た?じゃ、みんな集合させといて」
「はいっ」
部員はそう言うと校庭の隅の方に走って行った。
校舎の方から矢口を先頭に竹塚高校の一団が歩いてくる。
「おーっ、和美ちゃんひさしぶりー♪」
「あ、矢口さ〜ん、どもー」
山田と矢口が互いに手を振り合う。
40分の道のりを自転車でやってきた部員達は既に少し疲れているようだった。
「おいドカベーン、遠いよばか〜」
矢口の後ろから吉澤が声を出す。
「ばっ、そんなん知るかー・・・えっ、矢口さん、今日も自転車で来たの?」
「うん、今オイラ金欠だし、なんつってははっ♪」
練習内容はどこの高校もやるような基本的なものだった。
そもそも小川ら新入生は未だ基本的な練習しかしていなかったが
松ヶ丘部員も1年生2年生が大半で、そこはやはり女子の運動部であり
両校の部員とも和気あいあいと楽しく練習に取り組んでいた。
練習開始から2時間が経った頃、脇で練習を見ていた松ヶ丘の顧問が言った。
「じゃあ私はもう帰りますから、部長も、ね、もうそろそろ終わらして・・・あ、竹塚のみなさんお疲れ様でした」
顧問は矢口達にペコっと頭を下げると、校庭を去った。
「ありがとうございました〜」
矢口達も立ち上がって頭を下げ、後姿を見送った。
その時を待っていたかのように、松ヶ丘の部員の1人が山田に駆け寄った。
「和美さん、ミニゲームやろーよ♪」
「高井ちゃん・・・へーきかなぁ?」
「へーきへーき、やろ?ねっ」
高井ちゃんと呼ばれたその2年生は、山田にせがみながら竹塚部員達の方をチラチラ伺っている。
「矢口さ〜ん、ミニゲーム・・・やる?」
山田に聞かれた矢口は嫌そうな顔で首を振る。
「ムリムリ、ウチの子達まだムリだよ〜」
「そっかぁ」
それを聞いて高井という部員がさらに詰める。
「じゃあウチは新人から全部出すからさ、どぉ?どぉ?」
「いや〜、それでも多分ゲームになんないからさ〜、ゴメンねぇ」
矢口が申し訳無さそうに答える。
するとその部員はつまらなそうに
「なーん、そんぐらい付き合ってくれてもいいのになぁ・・・」
と言って下がっていった。
「おー、やろうよ!」
矢口の後方で座っていた吉澤が立ち上がった。
「一緒に練習さしてもらってんだから、そんぐらいやってやろうよ、部長」
「いやヨッシー、やるやらないじゃなくて、できるできないの話でね・・・」
「ただのミニゲームでしょ、ミニゲーム、いいじゃん」
藤本も入ってきた。
矢口も2人とは長い付き合いだ。この流れは止めらんないなと感じる。
「矢口さん・・・じゃ、ちょっとやる?」
山田が聞いた。
矢口が頷くと、横から吉澤が口を出す。
「メンバーはさっきそこの子が言ったようでも誰でもいい・・・ただ、松浦は出せ、山田」
「え〜っ・・・・ヤダ」
口を尖らせ、とぼけ顔で山田が言う。
「じゃなきゃやんねーぞぉ」
「え〜っ」
その時山田の後ろから、1人の部員がその輪に向かって走ってきた。
輪の3メートル手前あたりで自ら"とうっ!"と言いながら跳ね
山田と矢口の横に着地すると顔を上げてニコッと笑った。
「ご指名ですね、松浦、投っげま〜っす♪」
松ヶ丘高校2年生、女子硬式野球部のエース松浦亜弥だった。
160 :
名無し募集中。。。:04/08/07 03:42
>>120 立ち上がって仁王立ちする姉ちゃんの前に立つ。
まだ姉ちゃんのほうが背が高い。
仁王立ちした俺のが萎縮する。
「姉ちゃん一度やったんだから恥かしがらなくてもいいじゃん。
姉ちゃんは俺のちんちんを舐めた。そうだろ?」
姉ちゃんはうつむく。思い出したくもないらしい。
「姉ちゃん本当は嫌じゃなかったんじゃないか?
喜んで俺の・・・」
「やめて!」
姉ちゃんが耳をおさえて屈み込む。
今日はこれ以上追い込むのはやめよう。
楽しみは大事に取っておこう。
161 :
名無し募集中。。。:04/08/07 04:01
しかしこれだけ方向が違う話が混在してるスレって凄いな
ノーコンストライクのように
ハロメンは出るけど誰々が主役じゃないとか
もう片方の小説みたいに飯田&辻が主役だけど書くスレが無いとか
他にも書きたいけど
何処で書いて良いか
分からないとか
書くスレが無いって人もここで書いて貰っても良いんじゃないかと?
保全代わりに打順予想
一番 矢口
二番 紺野
三番 高橋
四番 吉澤
五番 小川
六番 藤本
七番 亀井
八番 田中
九番 道重
165 :
名無し募集中。。。:04/08/07 11:31
h
o
167 :
名無し募集中。。。:04/08/07 14:35
z
e
n
171 :
名無し募集中。。。:04/08/07 19:00
>>163 このスレタイでは客は来ないでしょ
つーかノーコンの人はよくこんな
スレタイのところで書く気になったなと
こりゃかなりの掘り出し物ですな
173 :
名無し募集中。。。:04/08/07 20:37
176 :
名無し募集中。。。:04/08/07 21:30
>>175 作者はそういうのが気になるんだよ
うざいとかいうなハゲ
おまえ必死だな
ノーコンストライクの方が面白いって言われたらお前ツライだろ
だからやめとけって、飯田&辻も面白いんだから・・・
178 :
名無し募集中。。。:04/08/07 22:05
必死て
2
2
2
182 :
名無し募集中。。。:04/08/07 23:45
ていうかkusoて
185 :
名無し募集中。。。:04/08/08 01:56
>>160 「じゃあな。練乳が溜まったらののがどうなるかわかんねえぞ」
「何?何言ってるの?」
「姉ちゃんがアイスを食わないならののが食べる事になる。
いや、もっと酷い事をしてしまうかもな」
「やめて・・・・ののだけは・・・お願い」
俺は何も答えずに冷酷にドアを閉めた。
しまったパンツを忘れてきた。
186 :
名無し募集中。。。:04/08/08 01:59
>>185 しばらく平穏な日々が続いた。
まるで何事も無かったみたいに。
せいぜい姉ちゃんが俺を徹底的に無視する
ようになったくらいだ。
「お兄たんののと遊ぶのれす」
「いいよ。何しよっか?」
「お兄たんとならなんでもいいのれす」
それとののが姉ちゃんと遊ばなくなった。
姉ちゃんは明らかにののに嫌われていた。
姉ちゃんは孤独になっていた。
部屋でひとり過ごすようになった。
188 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:00
>>186 がちゃ。姉ちゃんの部屋のドアを開ける。
窓際で姉ちゃんは立っていた。
「ばか、ノックくらいしなさいよ」
姉ちゃんはカーテンで顔を隠す。泣いていたのだろう。
目が真っ赤になっていた。
「入っていいかい」
姉ちゃんの入らないで。の声を無視して
部屋に侵入する。
「やっぱり寂しいかい?ののがいないと」
俺の問いかけに姉ちゃんは静かにうなずいた。
「そうね・・・・。ののは圭織にとって掛け替えの無い
大切な存在だった。それを実感したわ」
姉ちゃん・・・・。俺の胸は罪悪感でいっぱいだった。
「わかるよ。姉ちゃんはののを自分の子供みたいに
愛してたもんな」
「あんた・・・わかってくれるの・・・・」
「もちろん。かわりに俺の息子も愛してくれよ」
俺はちんちんを出した。
「最低・・・・」
姉ちゃんは苦虫を噛み潰したような顔。
189 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:00
>>188 「こっちも涙が溢れ出しそうなんだよ」
ちんちんはビンビンだった。
「出ていって!もうやめてよ!」
姉ちゃんの頭に忌々しい記憶が甦る。
弟のちんちんを咥えるなんて
考えもしなかっただろう。
逆に俺は毎日想像していたけど。
「姉ちゃん今回だけだ。もし俺のを舐めてくれたら
ののに姉ちゃんと仲直りするように言ってやる」
「・・・・本当?ののがののが帰ってきてくれるの?」
「ああ。もちろんだよ」
姉ちゃんの心は病んでいる。
ののの為なら何でもするつもりに違いない。
「・・・・・そこに座りなさい」
姉ちゃんはイスを指さした。
契約成立だ。
>>189 乙 エロいね…(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
「ハートに火をつけて(3)」
3アウト3イニング攻守のミニゲーム。
ミニゲームとはいえ、それは新入部員に緊張感のある打席を経験をさせる手っ取り早い手段であり、
互いのエースの調子を知るためのものでもある。
一見、上級生同士の煽り合いで始まったかのような展開だが、矢口も山田もその効能を知っている。
やりたくないはずが無かった。
スコアボードは用意されない。形式上、両チームの投手による約束乱取りのようなものだからだ。
ミニゲームは投手合戦。
「じゃあウチからいきます」
ホームの部長である山田が言った。
「オッケー、よろしく」
矢口はそう言うとメンバーを集めた。
先ほどからの事の成り行きをポカンと眺めていた新入生達が、ポカンとした表情のまま矢口の元に集まる。
「えっ、試合を・・・やるんですか?」
特にキョトンとした顔の高橋が矢口に聞いた。
「うんうん、ま、そんな大したもんじゃないから」
矢口はさらっと答えたが、もちろん今の高橋達の気持ちぐらい十分わかっている。
新入生達がゲーム形式の練習をしたことがあるか?・・・あるはずが無い、在籍数9名の部で。
「みんな、今からやんのは、初めてやる練習だからね、気合入れていくよ」
相変わらず動揺している6人だったが、矢口の言葉に大きく返事をする。
「ハイ!」
「部長・・・ポジションどーしよ?」
吉澤がたずねた。
「だいじょぶ、一応考えてあるから」
「あっ、マジで?さすが部長だねー♪」
吉澤の言葉に矢口は恥ずかしそうに小さく笑うと、その場に集まっているメンバーをもっと近くに集めた。
「じゃみんな、とりあえず"仮"だけど、今からポジションを教えるからね」
「はい」
「まず・・・ファースト高橋」
「あいっ!」
矢口が全員にポジションを伝えていった。
竹塚の守備配置はこうだった。
一塁手 高橋
二塁手 紺野
三塁手 小川
遊撃手 矢口
右翼手 道重
中堅手 田中
左翼手 亀井
捕手 吉澤
投手 藤本
「よし、頑張っていきまっ・・・」
「しょーい!」
各自がポジションに散って行った。亀井と道重が同じ方向に走って行くのを見た矢口が叫ぶ。
「道重〜!ライトー」
「あっ、はぁーい!」
ミニゲームが始まった。
松ヶ丘の1番手2番手を藤本がさくっと三振に取る。
「ピッチャーマジすぎだよ〜♪」
山田が煽る。
「これでも抜いてんだよば〜か」
マウンド上の藤本が煽り返す。
続いて松ヶ丘3番手の2年生。藤本が放った初球を打ち返す。
打球は低く、藤本の足元で跳ねていく
「しょっ!」
矢口が二塁付近でキャッチし、そのまま流れるように一塁に投げる。
「高橋っ!」
「わ〜っ!」
普段の練習の時では受けたことの無い速さの送球を前に、高橋は捕る瞬間に思わず
ボールから目を逸らしたようだったが、それでも一応グローブの中に収めた。
「あはは♪ナーイス」
高橋のプレーに、藤本が拍手をしながら笑った。
竹塚の攻撃。
またもメンバーを集めて矢口が話す。
「1,2年、いい?打とうと思わなくてもいいから、まず経験だから」
6人は真面目に矢口の話を聞いている。
「ぷっ、お前らそんな怖い顔すんなって、リラックスしろ」
和ますように笑いながら矢口は続ける。
「いい?とりあえず、ボールをよぉ〜っく見てきて、それだけ」
マウンド上では、松浦が体をほぐしている。
「あいつの球速いぞぉ、ま、どんなもんか自分らで見て来い、ははは♪」
「はい」
「まぁ多分1人1回しか見れないけどね・・・あ、3人ぐらいは2回来るのか」
その言葉の意味を理解した6人は改めて松浦を見た。
松浦は軽く投球練習を始めていた。
「まーだーかーい?」
松ヶ丘の部員が矢口達に催促する。
「あ〜ゴメン、もう出しまーす・・・・・よし、1番誰行く?誰!新人の中の切り込み隊長は誰だ〜?」
「田中れいな!」
藤本が言った。
「えっ!?れいなですか?」
「よし、田中行ってこい」
「あっ・・・はぁ」
田中は先輩達の勢いに押されてバッターボックスへと向かった。
「行くよっ」
松浦は口の端を曲げて不敵な笑みを浮かべ、田中への第一球を投じた。
「ストラ〜イク」
田中はピクリとも動かなかった。続いて二球目。
「ストラ〜イク」
またも田中は微動だにしなかった。
「あの、ちょっと待ってもらってもいーですか?」
田中は審判を努める松ヶ丘の部員に言った。
「んっ!?あっ、タイムね、・・・タ〜イム!」
どうしたんだ?と思って見ていた矢口達の方に田中が小走りでやってくる。
「ど、どした?」
矢口がたずねた。
「あの、部長」
「ん?」
「ボール見てたんですけどぉ」
「うん」
「あの・・・打ってもいいんですか?」
一瞬の間の後、矢口が笑いながら答えた。
「お?・・・・あぁ、もちろん!ボール見て来いって言ったけど、そりゃもちろん打っていいのよ」
「わかりましたぁ」
田中はほっとしたように笑顔でそう言うと、戻っていった。
「ふふっ、頼もしいねぇ♪」
打席に戻った田中を見ながら矢口が吉澤に言った。
カン!
松浦がど真ん中に放った3球目を田中が打ち返した。
勢いは弱いものの、打球はふわりと弧を描いてレフト前に落ちた。
「部長・・・」
吉澤が矢口に言った。
「なに?」
「・・・田中が打ったよ」
「うん、知ってる」
田中は両足で一塁の上に乗っかり、矢口達に向けてVサインを出しながら笑っていた。
196 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:41
>>189 「座る前に脱がしてくれよ」
姉ちゃんは膝をついて淡々と機械のように
俺のジーパンを脱がす。まるで家政婦さんみたいだ。
「パンツもだよ」
姉ちゃんはパンツは嫌なのか目をそむけて
脱がそうとする。が、なかなか降りない。
「ちんちんが引っかかってるんだよ」
姉ちゃんの頭を掴んで強引に前を向かせる。
ついでに皮も剥かそうと思ったがそれは止めた。
それは後のお楽しみだ。
姉ちゃんは頭を掴まれたのが気に食わなかったのか
俺を上目遣いで睨みつける。
俺を喜ばせるだけだ。
ちんちんが大きくなってますますパンツに引っかかる。
197 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:42
198 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:50
199 :
名無し募集中。。。:04/08/08 03:55
>>196 「もう上手くいかないなあ」
姉ちゃんはイライラしているけど大丈夫。
ちゃんと俺をいかしてくれればいいから。
ようやくパンツが脱げた。ゆうゆうとイスに座る。
目の前には四つん這いになっている姉ちゃん。
まるで王様のような優越感だ。
「さあ姉ちゃん触ってごらん」
姉ちゃんのすらりとした白魚のような指先が
俺のちんちんに触れる。気が触れそうだ。
すぐにでもいってしまいそうなくらいだ。
俺は気をそらすのにカーテンの隙間から窓の外を見る。
ののと友達のあいぼんが遊んでいた。
「へえ、これを見て泣いていたのか」
姉ちゃんはとまどいを隠せない。
「いいじゃん。泣いたって。俺のちんちんも泣いてるぜ」
姉ちゃんは缶を握りつぶすようにちんちんを強く握る。
練乳が飛び出そうなほど痛かった。
200 :
川*’ー’)<名無しやよー:04/08/08 03:56
200やよー
>>199 乙 痛そうだね…(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
更新乙〜
いっぱい更新キテター
どっちも面白くなってきた
ho
206 :
名無し募集中。。。:04/08/08 10:26
h
o
「ハートに火をつけて(4)」
「次誰行くー?」
田中の一発で上機嫌になった矢口が言った。
「ハイッ!」
道重が手を上げる。
「よっしゃ、道重!」
元気良く飛び出して言った道重だったが、松浦の球を3球眺めるとそそくさと戻ってきた。
「あの・・・無理でした」
そもそも予想されていたことだった。道重に続き亀井、小川がバッターボックスで
固まっている光景を見て、矢口は現実に引き戻された。
「ひゃ〜っ!」
小川が情けない悲鳴を上げながら3球目に挑むも、バットは空を切るだけだった。
松ヶ丘の2回目の攻撃。
松ヶ丘の新入部員達も藤本から安打を奪えないでいる。
そして松ヶ丘の6番目の打者がバッターボックスに入る。
3球見送り、カウント2-1から藤本の投げた高めのストレートを叩きつけた。
ボールは跳ね上がり、紺野の目の前に落ちてきた。
紺野は落ち着いてボールを捕らえると、一塁へ投げた。
「えいっ!」
そのフォームはあたかも外野手がホームへ返球する時のものであった。
僅か数メートルばかり離れた位置から豪速球を投げられた高橋は、思わずしゃがんでしまった。
一塁を越えて校庭のフェンスにぶつかったボールを藤本が走っていって拾い、
二塁に入っている矢口に投げようとしたが、走者はすでに二塁を踏んでいた。
三回を終え、両チームとも安打一本ずつという結果でミニゲームを終えた。
ちなみに矢口、吉澤、藤本の打席はというと、そこにはブースターモード・オン
の松浦が待ち構えており、ミニゲームにはあまりふさわしくない殺伐とした空気が流れたが
軍配は3:0で松浦に上がった。
両チームが一列に並んで挨拶をし、片付けをする為に方々に散っていく。
挨拶の後、松浦が藤本のところへやってきた。
「お疲れさまで〜す♪」
憎めない笑顔で松浦が言う。
「あ、お疲れさま」
藤本がしれっと答えると松浦は不満そうに口を尖らせたが、すぐにまた笑顔になり
「美貴たん、ピッチャーやるのぉ?」
「さぁ・・・」
学校も学年も違う2人だが、お互いソフトボールを介して中学からの知り合いだった。
「・・・ふ〜ん、ま、夏の大会では美貴ちゃんと戦えるのを楽しみにしてるね」
「ははっ・・・いや、亜弥ちゃんには勝てないよ」
それを聞いた松浦は、藤本に背を向けると2,3歩あるき、藤本の方を振り返って言った。
「ふふっ、顔に書いてあるっちゅーの、この負けず嫌いめ♪」
「ま、お互いね♪」
夕日が差し込むグラウンドで、しばし2人は笑い合っていた。
第5話「ブランニュービート」
5時限目の終わりのチャイムが鳴ると、2年1組の教室から小川と高橋が飛び出してきた。
2人は駆け足で階段の方へ向かうと、1人の女生徒とすれ違った。
「高橋さん!」
すれ違った高橋に向けて女生徒が声をかける。
小川と高橋は立ち止まり、女生徒の方を振り返った。
「愛ちゃん、私、先行ってるねっ」
小川はそう言うと階段を下りていった。
「高橋さん、今日は部活出るんでしょ!?」
立ち止まった高橋に近づいてくるその女生徒は、合唱部の部長だった。
「今日来てくれないとパート分けできないの、知ってるでしょ!?」
「あ、あぁぁ・・・」
高橋は兼部しており、しかも建前では合唱部がメインということになっている。
「てゆーか最近出てないでしょー、中途半端なことされるとみんなも困るんだけど」
どんどん小さくなる高橋。
「どっちかちゃんとして」
どっちかにできないから兼部しているわけだが、それは高橋の都合である。
合唱部の部長の言うことはもっともだった。
高橋もちょっと考えて、部長に対して何か言うべきだと思ったが、頭が働かなかった。
「すいません、今日は、今日はちょっと・・・」
「えっ!?」
「す、すいませーん!」
そう言うと高橋は逃げるようにその場を去った。
「高橋さん!」
高橋は合唱部の部長を尻目に部室へと走って行った。今日だけは絶対にダメなんだ。
途中、1年生の教室から飛び出してきた亀井と田中に会う。
3人はそのまま部室へと走っていった。
・・・・・・・・・・・・・
着替えを終えた吉澤と藤本が部室から出て降りてきた。
「お〜、もう集まってる」
体操着に着替え、おそらく準備運動も終えたと思われる状態で
1,2年生達がグラウンドに揃っていた。
「ふふふ、ヨッシー、みんなねぇ、もう準備体操もやってたよ」
広げたハンカチを頭に乗せて水道の横に座っている飯田が言った。
「あ、そう・・・」
1,2年生達は妙にそわそわしながら、吉澤と藤本を見ている。
吉澤と藤本はその視線を受けながら不思議そうな顔をしていたが、やがて2人とも気付いた。
「ヨッシー」
「あぁ、そっか・・・ばか、お前ら期待しすぎー!」
吉澤が笑いながら言った。
「今日来るんですよね?」
亀井が吉澤に聞く。
「えっ、今日じゃないんですか?」
不安そうな顔で高橋も聞く。
吉澤は沸き立つ1,2年生達を両手で抑えると言った。
「今部長が持って・・・あ、部長」
見ると格技棟の方から大きなビニール袋が歩いてきた。
「♪」
高橋達は騒ぐのを止め、ビニール袋に入った荷物を運んできた矢口に注目する。
「ヤッバ・・・こんだけあるとおーもいわぁ」
矢口は高橋達のいる場所に近づく前に、その荷物を地面に置いた。
「ホレ、取りに来ーい、これは〜・・・小川」
名前を呼ばれ、次々に矢口から荷物の中身を受け取る1,2年生。
「部長!今から使っていいですかぁ?」
小川が聞いた。
「んふっ、いいよ」
それを聞くと小川達1,2年生は部室へと走っていった。
10分後、グラウンドにはピカピカのユニフォームに身をまとった5人の姿があった。
「うおー!」
「カッコいぃ〜♪」
「愛ちゃん、似合ーう♪」
皆、なかなかのはしゃぎっぷりだ。
5人は、はしゃいでいる余り気がつかなかったが、そのうち亀井がハッと気付く。
「さゆ・・・?」
見ると、はしゃいでいる5人を嬉しそうに見ている体操着姿のままの道重がいた。
「えっ!?えっ!?」
5人とも固まって道重を見ている。
「カッコイイねっ♪」
固まっている5人に対して、道重は屈託の無い笑顔で言った。
「部長、さゆのは?」
田中が矢口に聞く。
「うん、道重なんだけど・・・」
そう言いながら、矢口はゆっくりと近づいてきた。
吉澤と藤本も5人の方に近づく。
矢口は5人と道重の前に立つとゆっくりと話し始めた。
「実は、ちょっと前から相談を受けてたの」
「そう・・・だん?」
田中が矢口の言葉を繰り返す。
「そう、道重ね、自分で判断したんだって・・・やっぱり運動はちょっと苦手だなって」
5人が道重の方を見ると、道重が頷いた。
口を結びながらすこし微笑んで・・・道重にしてはと言っては失礼だが
緊張感のある、意思を固めた表情だった。
「その辺はオイラもちょっと気になってたんだけど、なんせこの人数でしょ
もしかしたら、と思うと怖くてね、ゴメン」
「いいんです」
道重が答える。
「いや、道重も言いづらかったと思うんだ、でもその上での決断だから、みんなわかってね」
「えーっ、さゆ〜!」
それでも亀井は叫ばすにいられなかった。
「で!」
矢口がざわめく5人を抑える。
「でね、これは本人の希望なんだけど、みんなに聞いてから考えようと思って・・・・・道重」
矢口に促されて道重が5人に近寄って言った。
「わたし・・・・マネージャーとして、部に残ってもいぃ?」
5人は口をパクパクさせながらお互いの顔を見合ったが、再び道重の方を見ると叫んだ。
「いいよ!」
それを聞くと道重はニッコリと笑った。
「よかった♪」
こうして、竹塚高校女子硬式野球部始まって以来初のマネージャーが誕生した。
・・・・・・・・・・・・・
「ただいま〜」
ここは亀井の家、母親がスーパーの袋片手に帰ってきたところだった。
「絵里〜?、ただいま〜」
母は二階に向けて声をかけると、台所へ入り、テーブルの上に荷物をおろした。
「おかえり〜!」
けたたましい音を立てながら亀井は階段を下りていく。
そしてそのまま台所に向かい、スーパーのビニール袋から
買ってきたモノを次々とテーブルの上に並べている母親に言った。
「おか〜さんっ♪」
「なーにー?」
母親は亀井に背を向けたまま、冷蔵庫に入れるものとそうでないものを分けたりしている。
「おーかーぁさ〜ん」
「なーによ?」
亀井の母はそう言いながら振り向くと、そこにはピカピカのユニフォーム姿の娘がいた。
「わっ」
「カッコイイ?」
バットを構えるポーズをとる亀井。
「家の中でなーに着てんのぉ?」
「カッコイイ?」
「ちょっとそれ汚くないのー?」
「汚くないよ、今日来たんだもん」
「でも家の中でそんなの着ないのっ」
「は〜い」
亀井はしょげ返り、二階に着替えに行こうとした。
「絵里」
亀井の背中に母が言った
「なぁに?」
「・・・カッコイイよ、学校楽しいみたいね♪」
「うん♪」
その時二階から携帯の鳴る音がした。
「絵里のケータイ鳴ってるんじゃない?」
「あっ・・・」
亀井は二階に駆け上がり、自分の部屋にある携帯に飛びついた。
そして発信者の名前をみて、ゴクッと唾を呑んだ。
「もしもし」
「あ、絵里・・・今へーき?」
道重だった。
「へーきだよ」
「うん・・・」
道重は切り出しにくそうだった。
「どーしたのよぉ?」
亀井が促した。
「あの、今日のことなんだけど・・・」
「うん」
「わたし、ホントは最初、絵里やれいなに言おうと思ってたの」
「うん」
「でも、やっぱ色々考えて、それで・・・やっぱりきつかったってのもそうだし」
「うん」
「なんか・・・でも、わたしどっちにしても、絶対みんなと離れたくないって思って」
「うん」
「だから・・・マネージャなりよー思って、反対されてもなりよー思って」
「うん、うん」
「でも、8人になってしまうし、みんなに迷惑・・・」
「そなことないよ!」
「でも、でも・・・みんなほんと、実際はどーなんだろって」
「心配ないよ」
「でも、みんなとか、先輩とかといると、楽しいし」
「うん」
「わたし、どーしたらいいかと思って」
「うん」
「でね・・・でね」
「うん、うん」
必死に話し続ける道重に、亀井は携帯を握りしめ優しく頷き続けた。
574
いやー乙です
マジでおもろいよ
乙〜
乙です
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
第6話「高気圧ガール(1)」
6月に入り、パッとしない天気ばかりが続いていた。
お天気レポーターが梅雨入りを報せるのを待っていたかのように、
降り出した雨はほぼ休むことなく、日々グラウンドを濡らしていた。
今日はそんな梅雨の中休み、久々に気持ちよく晴れた空の下で
いい感じに汚れてきたユニフォームを着た5人が走っている。
「竹高〜、ファイ!」
「オー!」
「ファイ」
「オー!」
「ファイトで行くぞ〜!」
「オウ!」
先頭を走り、掛け声の指揮を取っているのは小川だ。
グラウンドの反対側では、部室へと入っていく飯田と藤本の姿があった。
「ラースト1周〜!」
ストップウォッチを首から提げ、麦茶のたっぷり入ったサーバーをポンポンと
叩きながら、道重が小川達に叫ぶ。
ランニングを終え休んでいる5人のところへ、飯田と、着替え終えた藤本が降りてきた。
ちょうどその時、矢口と吉澤もやってきたところだった。
「お待たせ〜、悪いね〜」
矢口はそう言いながら、吉澤とそのまま5人の前を通過し部室に着替えに行った。
矢口ら4人も3年生だ。今日のように練習に参加するのが遅くなることもあれば
練習自体に参加できない日も徐々に増えてきていた。
しばらくして矢口と吉澤も降りてきた。
「今日はまずミーティングやるから、みんな部室入ってくれる」
「ハイ!」
部員達は部室に入っていった。
・・・・・・・・・・・・・
部室の真ん中に机が置かれ、3年生4人は立て膝の姿勢で机を四方から囲み
またそれを囲うように後ろに1,2年生達が立っている。
矢口は自分のカバンの中から一枚の紙とペンケースを取り出した。
紙には内野から外野にかけての図が描かれている。
さらにペンケースからは一枚一枚に部員達の名前が書いてある紙切れが出てきた。
「ぷっ」
吉澤が吹き出す、その息で"亀井"と書かれた紙切れが机から飛び落ちた。
「なによぉ」
ワザとらしく顔をしかめて矢口が聞く。
「だぁってぇ・・・やぐっつぁん、授業中にこれ作ってたんだよぉ」
そう飯田に報告する吉澤。
矢口は少し照れた笑みを見せ、"亀井"を拾う。
1,2年生達は矢口が机の上に用意したものを見て、これから何を話し合うのか大体わかった。
そして飯田が話し始めた。
「足りないメンバーに関しては、今ウチらが頑張ってなんとかしようとしてます」
飯田は全員の顔を見渡し
「夏の大会には、何が何でも出るつもり」
キッパリと言った。
「で、大会に向けてあと約二ヶ月間、もう各自ポジションを決めて練習してくからね」
そう言うと、飯田は矢口に進行を譲った。
「よし、じゃあ決めてくか、まずは亀ちゃん」
「ハイ!」
「オイラは今のまま外野でいいと思うんだけど、どうかな?」
「そ〜ですねぇ、せっかくですから、そ〜ですね」
「くっ、なんだぁ?どっちだよ?」
亀井の不思議な答えに、矢口は思わず笑いながら問い直す。
「このままがいいです♪」
これについては吉澤達も特に異論は無いようだった。
「はい、じゃぁ次はこれっ・・・こんこんか」
"紺野"と書かれた紙切れを矢口が拾い上げる。
「紺野は〜・・・・」
「外野!」
飯田と吉澤と藤本が一斉に言った。
遠投をさせてみれば部員一。紺野の肩はみんなに認められていた。
「うん、あさ美ちゃんは外野やろ〜」
一塁手として、紺野の近距離豪速球を喰らい続けてきた高橋も賛同する。
「ほぉほぉ」
紺野自身も納得しているようだ。
「で、あと田中が今まではセンターやってたワケだよね?」
「はい」
そこで矢口がいったん机から顔を上げた。
「でね、ウチらで結構話し会ったんだけどね、外野ちょっと不安なの」
「はぁ」
「だから、フォローの役割としてもここに・・・」
矢口はそう言うとホームベース上に置いてあった紙切れをズイーっと引っ張ってくる。
「ヨッシーね」
「えっ!?じゃあキャッチャーは?」
小川がたずねる。
「キャッチャー?ふふっ・・・キミだ!」
「うぇ〜っ!?あた、あた、あたし・・・」
動揺する小川に吉澤が言う。
「マコト、頼んだぜ」
小川は何も言えなくなり、まるで罰ゲームでも喰らったかのような顔をしている。
「みんなどっかしら頑張んなきゃいけないんだから、よゆー無いんだからさ」
藤本が小川をなだめる。
そして矢口は一塁に高橋、三塁に田中、ピッチャーマウンドに藤本の紙切れを置いた。
「とまぁこんな感じだけども・・・」
ポジションの変わらなかった高橋は内心ほっとしたような、でもどこかドキドキして
損したような気分だった。
「ミキティ的にはどぉ?これ」
矢口が藤本に聞く。
「そうだねぇ、確かに現時点ではベストかもね」
そう言ってしばらく机の上の紙を眺めると
「でもね、こーゆーのもあるんだよ」
藤本はそう言うと紙の上に手を伸ばし、一塁の高橋と三塁の田中を交換させた。
そしてさらに自分の名前が書いてある紙切れを三塁に移動させ、代わりに
高橋をマウンドに移動させた。
「あははは♪」
冗談だと思った矢口は藤本の方を向いて笑ったが、藤本は笑わなかった。
「え・・・マジ?」
笑うのを止めた矢口が聞くと藤本は答えた。
「マジ」
こんな早朝に更新が
あるとは思わなんだ
更新乙!
こぉ〜成るのか?
藤本(投)兼(三)
小川(補)←(三)
高橋(一)兼(三)&(投)・????(二)
田中(三)←(外)
矢口(遊)
吉澤(外)?←(補)
紺野(外)←(二)
亀井(外)
240 :
名無し募集中。。。:04/08/09 09:51
乙〜
ho
ze
n
246 :
名無し募集中。。。:04/08/09 16:00
ze
ノーコンストライク予想してた ポジション
(投)藤本
(補)吉澤
(一)小川
(二)高橋or矢口
(三)田中
(遊)矢口or高橋
(左)亀井
(中)紺野
(右)道重
予想が当たったのは
田中のサードと紺野亀井の外野ぐらいか
まぁ、保全がわりって事で
h
o
飯田ののはどうした
今日は更新無しでつか?
252 :
名無し募集中。。。:04/08/09 23:01
ほ
>>251 書き溜めてたのを使い切ったのもありますけど
他のスレのが忙しいので。
書く気はちょっとだけありますよん。
まあみんなが大絶賛してる
ノーコンさえあればこのスレは大丈夫でしょう
俺なんて俺なんて・・・・。
254 :
名無し募集中。。。:04/08/09 23:03
>>253 そんなにすねるなって
道重スレのヤツ面白かったよ
257 :
名無し募集中。。。:04/08/10 00:30
>>257 だからダメじゃないってオレは作者さんが書く表現が好きだよ
うんこさんとか、美貴のミキティとか・・・
早く飯田ののを終わらせて、なっちとミキティのヤツ書いて欲しいだけ
とにかくガンガレ!
>>258 なっちミキティを書きたくないから
書きたくもない飯田を書いてるんだよ!
ってのは半分マジだけど
早く飯田のの終わらせろってorz
>>259 自分自身が書きたくないとか言ってる作品を他人が見て面白い訳がない
どうせ書くなら自分の書きたいのを書いてくれ
「高気圧ガール(2)」
1,2年生にはそれぞれ係があった。
倉庫の鍵を借りて用具を準備する係。
生徒会や顧問からの連絡等を伝える係。
そしてグラウンドや部室の掃除と用具の片付けをする係。
最初のうちは順番に回していたが
そのうちめんどくさくなり固定で受け持つようになっていた。
後片付けを受け持っていたのが小川と高橋だった。
2人はしばしばグラウンドに居残って遊んでいた。
遊んでいたといっても、他の部から見れば練習していたように見られただろう。
マウンド上の高橋がホームでミットを構える小川に
毎度毎度、あたりが暗くなるまで20分も30分も投げ込んでいたわけだから。
藤本と吉澤はその光景を幾度か目にしていた。
「いぇぇ、あれはただ遊んでただけですってぇ!」
高橋が慌てて言う。
適材適所を考慮してのポジション決めにおいて、自分はどうなるんだろう?
ドキドキしながら待っていたものの、まさかその位置に自分の名前が置かれるとは
思ってもいなかった。
「え、ちょっ、ちょっと待って・・・・どっ・・・どーなのかな?カントク」
矢口もコメントのしようが無かった。
飯田は少しの間をおいて矢口に言った。
「・・・よし、なんなら見てみようか、美貴がこんだけ言うぐらいだし」
高橋はこれ以上ないくらい目を見開き、ポカンとしたままだった。
部員達は再びグラウンドに出て行った。
さっきまで晴れていた空には、どんよりとした薄い雲が広がっていた。
マウンド上には高橋。
その高橋をワクワクしながら見つめる1,2年生。
それとは対照的に、心配そうに見つめる飯田達。
ミットを持った吉澤が腰を落として言った。
「おし、じゃあ高橋ちょっと投げてみ」
「・・・あい」
グローブの中のボールを握りこんだ高橋を見て、吉澤が付け加えた。
「いつもどーりに投げてくれよ」
高橋は何か心の内を見透かされたような気がして、素直に返事をした。
「わ、わかりました」
吉澤はニッと笑うと、ミットを構えた。
吉澤の背後では小川が心配そうに高橋を見つめている。
高橋がモーションに入る。
それを見て、飯田と矢口はぎょっとした。
高橋は重心を下げて前方に大きく歩を取ると、上体を斜めに傾け
まるで自分自身も飛んでいくかのような勢いで投げ込んだ。
パァン!
吉澤は少し立ち上がって高橋のボールを受けた。
「あら〜、やっぱまっすぐいかんわ、すいません」
高橋はそう言うと、マウンドを降りようとした。
「高橋、もっかい投げてくれる?」
飯田が言った。
「あ、はい」
高橋は吉澤からボールをもらい、再び投げた。
今度はほぼ吉澤の構える位置に投げ込めたようだった。
高橋は照れ笑いしながら飯田達の方に戻ってくる。
「高橋さぁ、その投げ方どこで覚えたの?」
矢口が聞いた。
「えー・・・あのですねぇ・・・」
「愛ちゃんがいつも使う選手の投げ方だもんね♪」
横から小川が言った。
「使う?・・・はあっ?」
矢口は怪訝そうな顔で小川の顔を見たが、すぐにピンときた。
「って・・・テレビゲームかよ!」
野球ゲームからアンダースローを覚えた経緯はこの際置いておくとして
実際、高橋の投げる球はスピードだけなら藤本と張れるほどだった。
また、問題は別のところにもあり・・・。
「私がいっつも肩弱い肩弱いって言ってるのは、別に冗談じゃないんだよ」
高橋にボールを渡しながら藤本が言う。
「愛ちゃんが肩に自身があるかどうかわからないけど、今からちょっとやってみてさ
いい感じだったら美貴の代わりに・・・いや、美貴と一緒にピッチャーんなって欲しいの」
黙って話を聞いていた高橋は、ふっと矢口と飯田の表情を見る。
2人を見て高橋が気付いたのは、すでに藤本の言葉は矢口と飯田の言葉だということだった。
「あの・・・・が・・・がんばります!」
高橋はそう言うと、先輩達に深々と頭を下げた。
他の1,2年生も、まるで自分達の事のように嬉しそうだった。
「高橋さん、すごいっ♪」
小さく拍手をしながら道重が言った。
夕闇があたりを包み始めるとともに、空からは静かに梅雨の雨が降り始めていた。
「ミキティ、今日来るんじゃなかったの?」
矢口が藤本に聞いた。
「う〜ん、いや来るって言ってたんだけど・・・」
「あ〜、美貴の後輩の話?」
飯田が入ってきた。
「いくら中学ん時の先輩の頼みだからって、そんな・・・ふつー来ねーべ」
吉澤が誰ともなしに言う。
「来るよ!入るかどうかはわかんないけど、来るって言ったら来る奴なんだよ」
藤本が吉澤に喰いつく。
吉澤はふーんといった表情でそっぽを向いている。
「でもなぁ、もう時間も時間だし、雨降ってきたしなぁ」
矢口が言った。
藤本は悩んでいたが、やがて諦めたようだった。
「まぁこれ以上待つのもあれだし、いいよ」
矢口達はお互いに黙っていたが、雨の量は徐々に多くなっていった。
矢口が飯田をうかがうと、飯田はしょうがないといった感じで頷いた。
「よし、じゃあ最後に一回みんなで新しいポジションについてみようかぁ!」
「はーい!」
レフトに亀井、センターに吉澤、ライトに紺野
ショートに矢口、ファーストに田中が走っていく。
「えっとぉ・・・とりあえずあしはどっちに・・・?」
「ピッチャーピッチャー、ピッチャーんとこ行け」
藤本はそう言うとサードへ、そして高橋がピッチャーマウンドへ
最後に小川がホームベースの手前に、各自が持ち場に付く。
「どーよ!?」
ダイアモンドの下にいる飯田に、でっかい声で矢口が聞いた。
あたりはだいぶ暗くなっていたため、外野の部員の顔を確認しづらいようだったが
飯田は全体をしばらく眺め、叫んだ。
「なかなか面白いよ!」
「きゃはは♪面白いってなんだよ!」
矢口を含め、みんなも笑った。
先ほどから降り始めた雨はいつの間にか止み、
グラウンドからは湿気と、甘ったるい匂いが立ち昇っていた。
「あー、あとこれでセカンドが埋まってれば最高・・・・・・えっ?」
飯田は言いかけてセカンドの方を見た。人影がある。
「カオリ〜、そっから見た感じ、あとなんかある〜?」
矢口ではない。
「亀井!・・・いや」
亀井のはずが無いと思った、その人影は制服を着ている。
「な〜んですか〜?」
向こうから亀井が叫んだ。
「カントク・・・あれ・・・?」
飯田の前でしゃがんでいる小川も、セカンドを指差す。
「やぐっつぁーん、後ろ、てか隣、誰〜?」
吉澤が言った。
矢口はそれを聞くとセカンドの方を振り返った。
「わっ!あなた誰っ?」
矢口の声の先には他校の制服姿の少女がいた。
二塁ベースに片足を乗せ、腰に手を当ててつっ立っている。
少女は矢口に対してニコッと笑うと言った。
「こーこが空いてちゃあ、試合でーきないっすよね〜♪」
「・・・お豆!」
「あはっ、もっさんにゃか〜なわねぇなぁ♪」
藤本にお豆と呼ばれた、ややべらんめ口調のその少女は
都立梅平高校の2年生、新垣里沙だった。
更新乙
>>261 ヽ( ´ー`)ノ<書きたいのはうんこだけです。
完全に本気で言ってると思われても困るんだけど。
自分が書いたのはみんなかわいいですよ。
自分的にはどこか面白いところを作ってるつもりだし
単に飯田さんが好きじゃないから
筆が進まないってだけで
ほ
h
羊は小説仕切りたがり屋がいるんだよなあ
こっちはただ垂れ流し気味に書きたいだけなのにさ
読み手側の方も面白ければ読めば良いし
つまらなければ読まなければそれで良いんじゃないか
狼にも 狼=エロ小説みたいな発言する一部のアフォが居るけど
羊の小説総合スレのテンプレ凄いね
280 :
名無し募集中。。。:04/08/10 19:33
5
omoi
283 :
名無し募集中。。。:04/08/10 21:13
age
285 :
名無し募集中。。。:04/08/10 21:28
kuso
289 :
名無し募集中。。。:04/08/11 00:01
☆マイコのマ○コはあはあ
マイコの指がベースの指板の上を滑る。
まだぎこちないけどマイコは確実に成長していた。
ミズホのドラムとベースが絡み合う。
と言えるほどではないのはステージの上でも
楽屋でも同じ。それでもふたりはリズムを刻む。
わたしは新入りのトモカを無視しながら
ギターソロ。上手くいった。
わたしはほっと一安心。でもまたサビだ。
顔が自然と強張る。
その前にマイコの見せ場だ。
練習では時々失敗していた。
真剣な表情で1弦を使う細かいフレーズを弾く。
出来た。マイコがにっこりと微笑む。客に応える。
マイコはステージを楽しんでいる。
292 :
名無し募集中。。。:04/08/11 02:07
マイコたんハァハァ