もしも矢口がエッチな幼馴染だったら 2

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434やぐラブ ◆yagu8XjKM.
「カオリお父さんに子供の頃から殴られてて、それが非常に怖くて…トラウマなんだ。
だから、お父さんが怒鳴っただけで身体が竦んで何も出来ないの。」
そう言えば彼女と一緒に風呂に入った時、身体にいくつもの痣があった。
「で…逆らえなくて。仕方なく…家の家計殆どお母さんの稼ぎでやっと持ってるくらいだから
 お金も無くて…手に入れるには万引きしかなくて。」
カオリさんの父親は毎日ロクに仕事もせず酒ばかり飲んでいる人だ。
もしかして、僕らが初めて出会ったときも既に暴行を…?
「痣だらけの身体なんていじめの原因にされかねない。だからカオリは不良になるしか道が無かった。」
カオリさんは寂しそうに呟く。僕らは暫く無言で歩いた。

暫く歩くと近所の人達の声が聞こえる。
「あの子、また万引き?」
「隣の子、山本さんの息子さんじゃない優秀で有名な。あの子まで不良にするつもしかしら?」
「何でなの子はいい子なのに、あんな不良と…」
周囲の声に僕は苛立ちを覚える。誰もカオリさんのこと分かっていない…
「あなた達はカオリさんのこと何も知らないんだ!彼女は本当は…」
「カズ君…いいんだ。」
僕の精一杯の叫びはカオリさんの呟きで遮られた。
カオリさんの目に輝くものがあった…カオリさん、泣いてるの?
僕は悔しくて堪らなかった。本当の彼女を理解しない世間が…
しかし、本当の事件は翌日起こった。