思春期の僕は色んな卑猥なことをカオリさんにしている。最も身近な女性だったから。
子供だから許されたものの現在なら立派な犯罪だ。
「急にカズ君が漫画の本持ってきて『カオリさん、この2人何してるの?』って
キスシーンを見せてくるのね。更に『どんな感じなの?』って聞くの。
昔から好奇心旺盛だったよね。」
僕は無言で料理を口に運ぶ。熱くもないのに全身汗だくだ。
「その後、本当にしたよね。キス…カズ君はビックリしてたよね。」
「で…どうだったの感想は、山本君?」
矢口さんが身を乗り出して聞いて来る。今度は安倍さんも興味を持ったようだ。
「わ…忘れたよ…それも。」
今度は本当に覚えていない。しかし、この場合も言いふらしていたと思う。
これは小学3年位か?勿論英雄扱いだ…僕は自分で種を撒いている気がする。
「そうそう、良く後ろから抱き付いてきて、『僕カオリさんのこと大好き、大人になったら結婚しようね』って
毎日のように言ってたね、熱でうなされた時も『カオリさん、カオリさん』って寝言を…」
死にてぇ…本当に死にてぇ…手が震えてコップもまともに掴めない。
矢口さん達はクスクス笑っている。完全に軽蔑されたかも…
まぁ、でも僕が勉強しか取り柄がなく、運動オンチなのに全く苛められなかったのは
不良でも怖がるカオリさんにベタベタしていたのが幸いしていたのかも?
「起きたら『カオリさーん』って抱きついて泣きじゃくるのがお決まりだったね。
あ、そうだ。自慰行為の時もまさかカオリを?」
「さあ…どうだろ?」
あったような無かった様な、でも僕がカオリさんを好きだったのは間違いない。
でも、同年代の女の子が2人もいる前で言わないでくれ…恥ずかしい。