もしも矢口がエッチな幼馴染だったら 2

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368やぐラブ ◆yagu8XjKM.
ブス達の騒ぎにクラスメートも怪訝な表情で観察する。
それに全く気付かない傍若無人な態度。更に声のトーンを上げ続ける。
「いや〜真里のおかげで楽して特進入れたね〜。」
「ホント、ホント。このクラスなら推薦でいい大学いけるからね。」
「大学行ったら100人斬りに挑戦しようかなぁ?」
「感謝してるよ、真里。そうだ、アンタも今度の新入生狩り参加する。」
「いいよ…おいらは。経験多い人が偉いなんて思ってないし…」
「何言ってんの?経験多い方が良いに決まってんじゃん!」
お前らどうせ矢口さんを利用するつもりだろ?矢口さんが居なけりゃお前らなんか誰が付いて行くか!
矢口さんは安倍さんをかばいながらブス達の誘いを払っている。ブス達は後ろの安倍さんと僕に話題を変えた。

「おい!こいつネクラ安倍じゃね〜?」
「うわ〜マジィ?こっちはキモカズだよ〜。」
「真里〜こんなダサい奴らと一緒にいるとうちらの価値が下がるからさぁ、向こう行こうよ。」
「ダサい奴はダサい奴同士くっ付いてな!」
ネクラ安倍…キモカズ…男女トップである僕らをこいつらは常にそう呼んでいる。
勉強ばっかりしている糞つまらない奴…それが僕達に対するイメージだ。
矢口さんは連中に無理矢理連れ去られる。僕と安倍さんは呆然と立ち尽くす。
連中は矢口さんを取り囲み馬鹿笑いをしている。矢口さんは引き攣った愛想笑いを返している。
僕の記念日はこんな形で終わってしまうのか…そう思うと闇の中に放り投げられた気分だ。
一瞬矢口さんが振り返り、手を合わせ「ごめん」と合図を送ってくる。
その仕草を見て、僕の胸は鋭利な刃物で切り付けられたように、酷く痛んだ…
彼女には全く非が無いのに…矢口さん、もう君とは話せないのかな…