もしも矢口がエッチな幼馴染だったら 2

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360やぐラブ ◆yagu8XjKM.
教室の扉が開く。誰か入ってきたみたいだ。
その人物に気付き僕は振り返る。
あの人は…女子学年NO1の安倍なつみさんだ…
彼女も顔は良いと思うのだが、真面目過ぎる性格と眼鏡のせいで人気ランキングに入っていない。
灯台下暗しとはこういう事を言うのだろう。
矢口さんも彼女に気付いたようだ。
「あ、なっちも同じクラスなんだ〜楽しくなりそうだね。」
「あ、矢口…おはよ。」
安倍さんは荷物を机の上に置いて、勉強しようとした。矢口さんは安倍さんの席に近づく。
「なっちも一緒に話そ。ホラあそこ、学年トップの山本君。」
「うん…知ってるよ。」
安倍さんは軽く頷き、矢口さんを見つめた。実際に安倍さんとは模試で何度か一緒になり話したことがある。
矢口さんとは中学からの友達らしい。しかし矢口さんは模試に1回も出席していない。
矢口さんはモテるからデートだろうか?
「何で紹介してくれなかったの?おいら凄く興味あったんだよ、山本君。」
えっ…そうなのか?初耳だ。矢口さんみたいな可愛い子が僕みたいなのを…
「どんな人か分からなかったけど、話し易くていい人だよ。ホラ、なっちも。」
矢口さんは安倍さんを僕の近くに引っ張ってくる。
「ねぇ、なっち。また買い物行こうよ。」
「うん…でも勉強が…」
「もう、なっち。勉強よりも面白いこといっぱいあるんだよ?あ、そうだ美味しいケーキ屋見つけたんだ、今日行こうよ。」
「ホント?行こうよ。矢口色んなとこ知ってるね」
安倍さんのあんな笑顔初めて見た。矢口さんには心を許せるみたいだ。
僕は小鳥の囀りを聞いているような気分になった。本当に清々しい気分だ。
矢口さんの声を聞いているだけで心が洗われる。

再び扉が開いた。
朝っぱらから下品で五月蝿い笑い声が聞こえる。