___________新垣里沙と送る高校生活____4ヶ月目
1 :
名無し募集中。。。:
2
>>1 できる子乙!
もっともっと高校生活をエンジョイしよう
6 :
名無し募集中。。。:04/05/30 19:55
8 :
名無し募集中。。。:04/05/30 20:14
夏のような日差しだがまだ風は涼しく
隣のガキさんの髪を揺らす
10 :
名無し募集中。。。:04/05/30 20:55
青い屋根の下
新垣里沙がねむる
細い電線をわたり
ぼくの部屋に灯がともる
11 :
名無し募集中。。。:04/05/30 21:53
真っ直ぐな青春
駈けていく少女…
キラリと陽光に輝く汗
13 :
名無し募集中。。。:04/05/30 22:41
ho
14 :
名無し募集中。。。:04/05/30 22:53
テスト
15 :
名無し募集中。。。:04/05/30 23:37
復活Z!
落ちて正直すげぇ悲しかった。
すぐまた落ちそうな予感
17 :
名無し募集中。。。:04/05/31 00:13
ネタがあんまし書かれなくなったからなー
小説の連載だけじゃー狼では無理だ
18 :
名無し募集中。。。:04/05/31 00:26
校舎屋上で佇むリサ
クリトン「やあ、リサこんなところで何をしているんだい?」
リサ 「いや、すこし考え事をしていたんだ。」
クリトン「まったく君らしいね」
リサ「君は自分に備わってる正義や徳が充分だと思ったことはあるかい」
クリトン「いや・・私は満足できていないと思っている」
リサ「いやー私もだよ」
終わり
19 :
名無し募集中。。。:04/05/31 00:41
>>17 よし!路線変更!
多少エロでもネタスレで行こう
落ちるよかいい
職人はその間にガンガッテくれ
20 :
名無し募集中。。。:04/05/31 00:53
正義と徳を愛したひと
ガキさんの高校の校訓は
歌
踊り
キャラ
夢の中…
hoho
( ・e・)
おはよう!
26 :
名無し募集中。。。:04/05/31 08:53
( ・e・)<ほぜんするのだ
ho
そよ風になびくセーラー保全
29 :
名無し募集中。。。:04/05/31 12:45
howa
chan
31 :
名無し募集中。。。:04/05/31 14:16
pon
chang
一足早く夏服で登校するガキさん
ho
一日まちがえて夏服着てっちゃって
はずかしがるガキさんか
いいな
37 :
名無し募集中。。。:04/05/31 18:01
ずぶ濡れガキさん
38 :
名無し募集中。。。:04/05/31 18:18
新垣里沙「まこっちゃん おはよー」
小川麻琴「ガキさんおはよーガキさん元気〜?ところで争いごとやケンカをするには
あなたのようにすべきだといわれていますがね・・・」
新垣里沙「えっ?それでは諺にあるように私は祭りが終わったあとに来てしまった訳なの?」
小川「そうなんですよ、それは大変優雅な祭りでしたよ。なにしろあの歴代?宸Pの知恵者
紺野あさ美がどんな質問でもたちどころに答えてしまうんですから・・」
新垣「それは残念だよ、もし君の都合と紺野あさ美の都合がよければもう一度
私にその機会を与えてくれないだろうか?」
小川「ではまだ三日間ぐらいは高橋愛の家に泊まっていくようですから、行ってみましょう」
新垣「あーでもいいや めんどくさい じゃあね」
終わり
39 :
名無し募集中。。。:04/05/31 18:20
図書館でプラトンを読んでるガキさん
40 :
名無し募集中。。。:04/05/31 18:22
ソクラテスはゲイだと言い切るガキさん
42 :
名無し募集中。。。:04/05/31 18:57
今日は中間テストだ
僕はやるだけのことはやった あいつはどうだろ?
「テストはじめ」
あーこれは昨日勉強してよかった 楽勝だ
教室中に響き渡る新垣の声
「ぜんぜんわかんない 一個もでてこない 私全然関係ない 習ってない」
「おーい新垣うるさいぞ〜」
先生の声が聞こえた途端
教室中があまい空気に包まれ全員眠りについた
ho
44 :
名無し募集中。。。:04/05/31 21:24
あんまり走っちゃ駄目だよ
45 :
名無し募集中。。。:04/05/31 21:28
お医者さんにも駄目って言われてるんだからね
46 :
名無し募集中。。。:04/05/31 21:52
病弱ガキさん
47 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:26
キムチの匂いさせないでよ
48 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:27
11月@日
文化祭当日もいよいよ目前に迫り、俺たち文化祭委員の間にも緊張と疲労と焦りが
色濃く横たわり始めていた。特に内装に関しては、どうやら人手を総動員しても
前日の徹夜は避けられない情勢である。
学校行事のために徹夜か。俺も変われば変わるもんだ、まったく。
鋭気を養うために2限目の現国を睡眠の時間と定め、あくびをしながら大きく
伸びをしていると、新垣が教室に入ってきた。相変わらずの重役出勤だ。
・・・すぐに気がついた。明らかにおかしい。新垣は教室の入り口から自分の席まで
うつむいたままトボトボと歩き、席に着くなり深い溜め息をついて机に突っ伏した。
新垣の上だけ雨雲が垂れ込めているかのような空気。普段とのあまりのギャップから
俺は声をかけることすら出来ないでいた。
現国の教師が入ってきて、授業が始まる。既に眠気はふっとんでいた。
「仕事、入っちゃった」
俯き加減の顔に前髪がかかり、伏せた目を隠す。弱弱しく俺にそう告げた新垣の目は
うっすら充血していた。新垣を、モームスを取り巻く大人たちの無神経さに
俺は憤りを感じた。文化祭当日と、前日は授業が無いのは確かだ。
だが、これ幸いとばかりに2日連続で終日仕事を押し込む横暴は、新垣を一人の
人格としてではなく、単なる商品として扱っていることの証左といえるだろう。
新垣は、クラス委員をはじめとするクラスの文化祭委員に、参加できない
ことを伝えて回った。「しょうがないよね」そんな反応が返る。
しょうがないのかよ。なんなんだよそれ。納得できねぇよ。
だが、俺が納得するしないに関わらず、既に決まった事実なのだ。
俺は釈然としない思いに包まれながら、新垣を乗せた黒い車が校門の脇からするりと
発進するのを、教室の窓から眺めていた。
新垣が赤い目を持つ漆黒の怪物に全身を絡めとられ、地獄の底に引きずりこまれる
イメージが、黒い車と重なった。俺は窓を開け、赤い目ならぬテールランプを
見据えながら、届くはずの無い叫びを放った。「ふざけんな!!」
49 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:27
11月◆日
文化祭を明日に控え、俺たち文化祭委員は喫茶店の準備に追われていた。
冷蔵庫の搬入、食材の準備を一通り終えた頃にはとっくに太陽は空から姿を消し、
星を数えることが出来るぐらいになっていた。
校内にはまだ大勢の生徒がおり、それぞれが忙しそうに働いたり、あるいは
さぼって談笑したりしている。お祭り前夜の非日常的空間は、皆の気持ちを
浮き立たせるに充分な雰囲気を持ち合わせている。
だが俺は、無言で立て看板用のベニヤ板にノコギリの刃をあてていた。
青臭い言い方になるが、俺は新垣の分までひっくるめて、この文化祭に情熱を
注がねばならないと思っている。顔をほころばせて語る文化祭への思い、
高校生とアイドルの二重生活、そして仕事を選ぶほかない環境、プロ意識。
俺が新垣のために出来ることは、せいぜいこの文化祭を成功させることまでだ。
男友達がガラっと扉を開け、まだガラクタの散らかる教室を見て俺に言った。
「おいおい、間に合うのかよ」
「そう思うなら手伝ってくれよな」俺は言葉を返す。
「わりぃな、部活の方の出し物があるもんだからよ」
友達は慎重に足場を見定めつつ教室内を歩き、俺のそばに腰を下ろした。
「結局参加できないらしいな、アイツ」
俺はノコギリを引く手を止めて、軽く溜息を吐いてから言った。
「仕方ないだろ。人手が減ったのは痛いけどな」
すると、このやりとりを脇で聞いていた女子が口を挟んできた。
「そーそ。仕方ない。なんたってあちら、アイドルさまだもんねぇ」
別の女子が、折り紙で内装に使う飾りを作る手を動かしながら続ける。
「どうせ仕事で忙しいんだから、最初から無理に参加しなくてもね」
それはもっともな話だ。だが、アイツにはアイツなりに夢があったに違いないし、
それだけに学生とアイドルという2つの夢の板挟みに、常に翻弄されているアイツが
なんだか可哀想にさえ思えてきた。
50 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:28
(つづき)
ところが、女子たちの話はいつしか思わぬ方向に転がっていた。
「あのこ、遅刻早退も先生公認なんだってね。超特別扱いじゃん」
「なんかフツーに自動車通学してるしね」
「お父さんが偉い人で、学校に圧力かけてるとかなんとか」
「マジー?」
堰を切ったようにしゃべりだした女子たちの口から出てくるのは、普段一切俺の耳に
届いてこないような、新垣に関するネガティブな話題だった。
「お前ら一体何を・・・」
血液が逆さまに流れていくような感覚。
「テストの点もゲタはかしてもらってるみたいよ」
え・・・ゲタ・・・? さんざん苦労して新垣を追試に合格させた俺を目の前にして、
こいつら何を言ってるんだ。
「あのなぁ・・!」今の発言は撤回させてやる。俺は女子に掴みかからんばかりの
勢いで怒鳴りつけた。その瞬間グイと肩を引っ張られる。男友達だった。
友達は俺を腕で制するように、俺と女子の間に割り込み、言った。
「ただの噂だよ。な?」
そして、友達はそのまま俺の腕をとり、俺を廊下に連れ出した。
「ヘンな話題出しちまって、すまん」俺に軽く頭を下げながら、言った。
こいつが謝るこっちゃない。いや、そもそも何で俺が謝られなきゃいけないんだ?
なおも頭を下げつづける友達。俺はおかげですぐに冷静になることが出来た。
「こっちこそ悪い。あやうく女子相手にエキサイトするとこだった」
友達は顔を上げ、俺の両肩をぽんぽんと叩く。それから真顔になって、言った。
「やっぱ、お前は知らないほうが良かったよな」
俺は一瞬なんのことか分からずに、しばし友達の言葉を反芻し、それから思い至った。
『色々は、色々だよ』そういうことか。そういうことなんだな。
俺って奴は、まるで道化だな。結局なんにも知らないじゃないか。
敵を作らない新垣の性格は、女子たちの表層的な友好関係の裏に渦巻く、妬みに
近い感情を見事に覆い隠していた。明確な対立が生まれないだけに、根底に流れる
ドロドロとした澱みは、それだけで新垣を圧迫しつづけていたに違いない。
51 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:28
(つづき)
俺は、部活に戻らないとと言う男友達を見送ってから、教室に戻った。
出来うる限り平静を装いながら、いまだ新垣の話題尽きない女子の放つ言葉を聞いた。
「最初から、住む世界が違うしねー」
最初から。そう、最初からなのだ。新垣がアイドルと知っていた彼女たちなのだ。
一度かかったフィルターはそう簡単には外れない。フィルター無しだった俺とは
決定的に違う。あの時、友達でいてくれること、それを望んだ新垣。
それが簡単には叶わぬことを理解しているからこその、心からの新垣の声を、
俺は完全には受け止めきれていなかった。今更ながら後悔の念が押し寄せる。
だが、新垣はここにはいない。
再びノコギリを手に持つ。俺は無言でベニヤに刃を入れつづけた。
52 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:28
(つづき)
夜も更けてきて、校内に残る生徒の数も大分減っているのだが、我がクラスの
準備状況は、当初想定どおり徹夜は不可避の見積もりであった。
おおまかなレイアウトは完了し、あとは内装の飾り付けの仕上げである。
俺の力作である立て看板はまだベニヤが晒された状態であり、ここに絵心のある
誰かが美しくデザインをすれば、見栄えの点でも見劣りしないものになるはずだ。
「で、その誰かって誰よ」
クラス委員の女子がメガネを指で押し上げながら俺に言う。シラねーよ。
誰かいるだろ。「ま、後で決めようぜ」俺はこんなことすら決めていなかった
段取りの悪ささえ、これも手作り喫茶の醍醐味か、などと半ば楽しんでいた。
・・・いや、楽しさの中にもやはり、一部分がぽっかりと抜け落ちたような
虚しさは消し去りようがなかった。新垣は今ごろまだ仕事をしているんだろうか。
それとも明日の仕事に備えてもう寝ているのか。
アイツもこの場に居たかったろう。そうすりゃ女子との連帯も深まったはずだ。
本人だってそういうことを、考えなかったはずはない。
・・・もうよそう。今更あれこれ考えたってしょうがない。
俺は無人の学食で煌々と光を放つ自販機で缶コーヒーを買い、昇降口から校庭に出て
一息ついていた。いくつかの教室の窓がまだ明るい。もうすぐ日付が変わるってのに。
俺は花壇の縁に腰を下ろして、夜の冷気を肌で感じながら、かすかに湯気をのぼらせる
コーヒーの缶をぼんやりと見つめていた。
しばらくして、俺は背後の校門からぱたぱたと人が駆け込んでくる気配を感じた。
こんな夜中に元気のいいこった。そう思いながらコーヒーの最後の一口をぐいと
あおっていると、足音が急に背中で大きくなり、次の瞬間どかんと体当たりをされた。
カランカラーン。取り落とした缶が転がる。振り向いた俺は、我が目を疑う。
肩で大きく息をしながら、敬礼のポーズをとる新垣が、大きな声で言った。
「ちぃーす! ただいま到着しましたっ!」
53 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:29
(つづき)
元気よく教室に飛び込んだ新垣を見て、やはりというか、誰もが目を丸くした。
「明日はやっぱ無理だけど、準備だけはさせてもらいますんで!」
ペコリと頭を下げる。今日一日仕事をこなし、明日も仕事だというのに
わざわざ文化祭の準備に駆けつけるなど、誰も予想だにしていなかったはずだ。
だが俺は、心のどこかでこの光景を期待していた気がする。文化祭に参加したい、
新垣のこの意気込みは、まごうことなく本物だった。
戸惑う女子たち。信じられないという表情。そりゃあそうだろうて。
「あたし、何したらいい?」さっそく腕まくりを始めた新垣に、クラス委員が
メガネを光らせながら仕事の分担を勘案している。俺は、クラス委員に目配せした。
視線を移動させた先に、まだ何も描かれていない立て看板があった。
新垣に絵心があるかどうか、俺は知らない。でもそれはどうでも良かった。
俺は、この喫茶店の看板に新垣の思いのたけをぶちまけてもらいたかった。
俺はポスターカラーを新垣に手渡した。
「えぇー、ちょっとあたしに絵任せたらダメだって」
そういいながら右手にポスターカラーを構え、床に寝かせた看板を前に正座をする。
どうしようか考えている。俺はそばに立ち、新垣が何か描き始めるのを待つ。
なかなか動き出さない。一人、また一人と新垣の動向に注目し始め、やがて
全員が新垣と看板を取り囲んで、一挙手一投足を見守る体勢に入った。
54 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:29
(つづき)
やがて、新垣はポスターカラーを振り下ろし、ついに何かを描き始めた。
固唾を飲んで見守る一同。やがて全貌が明らかになる。ロゴっぽくデザインされた文字。
『きっさ店』
俺は苦笑した。皆は膝を折ってコケた。クラス委員は脱力したように首を振った。
せめて漢字で書いてはどうか。そうつっこむ間もなく、新垣はさらに文字の周りに
何かを描き続けている。可愛らしくデフォルメされた人間のイラストだ。
それも、何人も。
「それは、客か?」俺は訊いた。
「うん、それもあるけどね・・・」新垣はメガネをかけた女の子のイラストに着手した。
それを見た皆が、一斉に首を上げ、同じ方向を見た。クラス委員のメガネに視線が集まる。
「みんなで、作る喫茶店だもんね」新垣はさらに描きつづけた。
新垣の描く人物は、皆屈託の無い満面の笑みを浮かべている。
俺は、虚しさという穴の開いた心に、ぱちっとピースがはまった気がした。
「あーっ!あたしも描く!」女子の一人が、ポスターカラーを持って
新垣と一緒になってイラストを描き始めた。残りの連中も、めいめい各自ポスカを
持ち、空いてるスペースに思い思いのイラストを描き始める。
輪になって、皆でワイワイと看板に群がる様子を、俺はただ眺めていた。
やがて、会話が弾みだす。嬌声が上がる。連帯感が、互いの間にあった壁を
突き崩してゆくのが、俺にも分かった。
いつの間にか教室の入り口に男友達が立っているのに気付いた。
「まだいたのかよ」「まぁな」俺たちは顔を見合わせ、ニッと笑うや否や、
回し蹴りの真似と、正拳突きの真似を繰り出した。
55 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:30
11月Σ日
文化祭は盛況のうちに無事終了した。
教室に差し込む夕日が、テーブルクロスを敷いた机の上に並ぶ食器類に長い影を作る。
今頃皆は体育館で行われている後夜祭のダンスパーティーで乱痴気騒ぎを繰り広げて
いるはずだ。俺は一人教室に残り、伝票と売上金のチェックを行っていた。
作業も一通り済み、俺は生まれて初めて本気で取り組んだ文化祭の残滓を改めて
見回した。教室内に引き上げた立て看板が目に入る。
新垣と、みんなで書き上げた看板のイラストは、カオスといって良いほどの出来では
あるのだが、俺は『きっさ店』のロゴと、それを取り巻く数々のイラスト一つ一つが
心地よい体温を放射しているような気がしていた。
BGM用に用意したラジカセのスイッチを入れ、ラジオに切り替えてチューニングする。
軽いホワイトノイズをバックに、少女たちの喋り声が聞こえてきた。
「・・・世間は文化祭シーズンですよねー」甘ったるいアニメ声。
「そーそー、どうですか文化祭の思い出とかー」ハスキーボイスが引き取る。
ラジオを聴くなんて久しぶりだ。けたたましい嬌声を聴きながら椅子に座る。
背もたれに首を乗せて他愛も無いやり取りを聴き続ける。これは、新垣の今日の
仕事のはずだ。だが、新垣の声はついに一度も聞こえてこなかった。
エンドタイトルが流れる中、アニメ声が言う。
「今日はお豆こと新垣は前半だけの登場でしたが、なんでも今日ちょうど文化祭とかで」
「ずいぶん慌てて出て行きましたが、間に合うんでしょうかねー!?」
俺はその瞬間、椅子から立ち上がり、その勢いで椅子ががたんと倒れた。
教室の窓に駆け寄り、校庭を見下ろす。夜のとばりがおり始めた校庭は人影もまばらだ。
ラジオのスイッチを消す。体育館からかすかに漏れる音楽が風に乗せて聞こえてくる。
廊下を駆けてくる足跡が近づいてきた。俺は目を閉じた。
56 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:30
(つづき)
「あー、やっぱり終わってる!」
勢いよく扉を開けて教室に飛び込んできた新垣を見て、俺はしばしの間をおいて言う。
「・・おせーぞ」
新垣はふうふう言いながら椅子にどかっと座り、息をついた。
「ざーんねん。ギリギリと思ったんだけどねー」
俺は立て看板のほうに近寄り、手でこつこつと叩きながら言った。
「評判、良かったみたいよ」
それを聞いた新垣は、少しうつむき、鼻の頭をかきながら口元をほころばせた。
そして、顔を上げてにっこり笑い、大きくひとつ頷いた。
「そうだ!」新垣はぱっと立ち上がり、ロッカーで仕切ったスタッフスペースの
奥に駆け込んだ。カーテンをシャッと閉じ、中でなにやらごそごそやっている。
やがてカーテンが開き、中からウェイトレスの衣装に身を包んだ新垣が出てきた。
「じゃん!どお?」
フリルのついたエプロンを両手で広げ、すましたポーズをとる。
新垣自身が選んだ衣装だ。似合っていないはずが無い。俺はくすりと笑う。
「ご注文は何にいたしますか?」
芝居がかった口調で言い、首を少しかしげる仕草をする。俺は言った。
「楽しい高校生活」
57 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:31
(つづき)
新垣はスカートを大げさに広げるようにくるんと体を回し、後ろを向いた。
俺は続ける。「今回は、まぁ、あれだ。残念だったな」
両手を腰の後ろに回し、こつこつと教室を歩く新垣が、やがて口を開く。
「残念じゃないよ。準備にも参加できたし。今も、こうやってここにいるんだもん」
くるんと回り、こちらを向く。また、スカートとエプロンが派手に広がる。
「あたし、モーニング娘。も、学校も、どっちも大切だよ」
「でもさ、2重生活、大変だろ?」
新垣はふるふると首を振る。長い黒髪がふわっと舞う。
「2つの夢をかなえる、あたしは2倍幸せだ」
たおやかな微笑をたたえ、新垣は俺を黒い瞳で見つめる。そして、言った。
「ありがと、感謝、感謝だよ。みんなにもね」
俺はコイツにはかなわないと思った。俺なんかとは比べ物にならないほど激動の
人生を送っている新垣。それなのに、コイツは。
俺は素直な感情を、口に出した。
「お前、すごいな」
新垣は、キョトンとした顔で俺を見て、それからばん!と俺の背中を叩いた。
「いまごろ気づいたぁ!?」
それを聞いて、急に今の自分の言葉が陳腐なもののように思えた。
俺は新垣の頭を小突き、言った。「なんてな!」ああ、照れ隠しさ。
「後夜祭、まだやってるよね、行こう!」
新垣は急に思い出したように言って、俺の手を引っ張る。
「おい、着替えろよ」
「いいっていいって、このままで!」
ま、いいか。どうせみんな仮装まがいの格好をしてるんだ。
俺たちは、まだ音楽と歓声が響く体育館に向かって、走り出した。
58 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:31
感動した。
さいこーよ!職人さんGJ!!
61 :
名無し募集中。。。 :04/05/31 22:44
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
いいんよ、いいんよ、たまんないねー!
63 :
名無し募集中。。。:04/05/31 22:56
最高です あなたの作品全て保存してます
この続きもヨロシク
ヤッパ、最高。 良い、兎に角良い!
イイヨー
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !
まじ最高!!
(・∀・)イイ!
>>48-57 自分の中の新垣を完璧に再現してもらった感じ
全く文章力がないので自分にはできなかった
とにかく読めて嬉しい
69 :
名無し募集中。。。:04/06/01 00:06
読ませるねー
ガキサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!
つーか、これはマジで(・∀・)イイ!
71 :
名無し募集中。。。:04/06/01 00:40
>>48-57 本当にお疲れ様です すぐに読み切ってしまうのはもったいない気がして
一行一行噛み締めつつ、所々目を閉じシーンを思い浮かべながらじっくり拝読しました
そして
>>68に禿同 自分の中の新垣像そのまんまだわ
リアルのガキさんより作品中のガキさんの方が語彙が豊富だけどねw
他の職人さん達もどんどんよろすく〜
自分は思い浮かべてたネタ先に書かれちまったyo!
いいね
新垣がさらに好きになった。
濡れたグラウンドのにおい
照り返すアスファルトのにおい
ほのかにかおる
ガキさんの汗のにおい
76 :
名無し募集中。。。:04/06/01 03:12
GJじゃ済ませられない名作だ
正直に言おう
マ ジ 泣 き し た
h
今日もミュージカルの事が気になって、
あまり寝られなかった、新垣さん。
79 :
名無し募集中。。。:04/06/01 07:37
青春保全
化学の実験で張り切りすぎて試験管割っちゃうガキさん
その試験管で切った指先から流れる血を・・
82 :
名無し募集中。。。:04/06/01 12:00
カプリと咥え、血を吸う新垣。
「よく鉄の味がするって言うけど、鉄の味なんてあんま知らないよねw」
笑いながらも新垣の指先を咥えた仕草にひとりドキドキする俺
高校野球の応援するガキさん
( ・e・)
85 :
名無し募集中。。。:04/06/01 14:37
かちわり冷たいっっ
校舎裏保全