(私ってこんな女の子だったの?夜な夜なこんな事をしている。
棒を抜いたり入れたりしてニヤニヤとしている。恥も外聞も無く。
でも止まれない。大好きなあの人を思うだけで指の動きが止まらない。
最初は慣れない手つきで5分くらいするだけだった。
でも今は毎日、毎晩、身体が勝手に動いていつまでもしてしまう。
大好きなおにい・・・)
「おーいあさ美セーター編むのもいい加減にして寝ろよ」
オレは跳び飽きて苛立った声を隠す事なくあさ美に言う。
コタツの向かい側で座っているあさ美が考え事をしていたのかビクリと動く。
「あれぇお兄ちゃん居たの。気付かなかった。もう寝るよ」
そう言いながらも編み棒の動きは止まらない。あさ美の格好を見たら
学校から帰った時のままの制服姿だ。ずーと編んでいたのだろう。
「早く寝ろよ。眩しくて眠れないんだよ」
オレは明日早朝から部活があった。早く寝ないとまずい。
「自分の部屋で寝たらいいじゃない。今、居間で寝なくても」
あさ美は呟いた。ちょっと笑っていた。オレは怒って即座に返事する。
「仕方ないだろ。部屋のストーブが急に壊れたんだから。
今日はここで寝るしかないんだよ。」
あさ美は申し訳なさそうな顔をした。
「ごめん・・でも早くしないと間に合わないの」
と言った。
つづく