【ショミキ】処女なのに非処女の振りするミキティ 2回目
一個前の席に着席した松浦亜弥の後姿を見て、俺はあることに気がついた。
「松浦さん髪切った?」
「ほあ! 気がついた?
でもちょーっと切られ過ぎたなーって思ってるんだよね」
「そーか? いいんじゃねーか、明るくて。いいと思うよ」
「ひははっ! ズッコケ君に褒められちゃったよ」
松浦亜弥は少しおどけて隣の席の美貴スケと顔を見合わせた。
美貴スケは「だから似合ってるって言ったじゃん」と苦笑いを浮かべた。
どうやら、松浦亜弥は今の髪型に不服の様子で、美貴スケにとっては何度目かのフォローになるようだな。
そんなやりとりを見ていたゴマキさんが、ふと俺に聞いてきた。
「おとーさんてショートのほうが好みなの?」
「ぇえ? んーー……」
美貴スケと目が合った。
「……うん、キライじゃない」
ゴマキさんはほおほお、と頷き、
美貴スケは小さく「キライじゃないってなんだよ」と俺の微妙な言い回しにツッコミを入れた。
「あたしも切ろうかなぁー」
「えーっ、もったいない。ごっちんの髪、綺麗なロングなのに」
73 :
名無し募集中。。。:04/01/15 01:10
hz
次の日。
「あれ…お前、少し髪短くした?」
「うん。しばらく切りに行ってなかったからさ」
「そっか」
「……言っとくけど、別に亜弥ちゃんのことがあったからってわけじゃないよ」
「はいはい」
俺がニヤニヤしていると、キモイ!とローキックを入れられた。
なんだよ。コイツも可愛いところあるじゃねーか。
「おっはよぉーおとーさん、美貴」
「おはよ真希…って」
「おお!? ゴマキさん、ショートだ」
「んぁー、思い切って切ってみた。おとーさん、どうかなぁ」
「お、おう。いいんじゃねーか。可愛いよ」
「ホント? よかったぁ」
ゴマキさんはくすぐったそうにフニャフニャと笑って頭をかいた。
なんだよ…俺の発言がそんな影響を及ぼすとは思ってもいなかった。
美貴スケ、松浦亜弥、そしてゴマキさん。
俺の前の席に座る3人は、そろいも揃ってショートになってしまった。なんだこりゃ。みんな似てるぞ。
「おはよー。あれっ、ごっちん!? ショートになってる」
石川さんが驚いて思わずのけぞった。
「うん、切ったんだぁ。おとーさんはショートが好みなんだってさぁ♪」
「ズッコケ君、そうなの?」
「えっ? いや、なんつーか。う、うん」
「そうなんだ…」
石川さんは少し考え込むと、くるりと俺たちに背を向けて、自分の教室へ帰って行ってしまった。
「どわっ、後藤!? アンタ髪切ったん?」
「んぁ〜、切りましたぁ」
石川さんと入れ替わりに教室へ入ってきた中澤先生が、全く同じようにしてのけぞった。
「アンタらみぃんな同じ髪型やな。そこのごまっとう」
「『ごまっとう?』」
「教卓から見て左から後藤・松浦・藤本。だから『ごまっとう』。
アンタらのその並び、男性教師から妙に評判ええんやで」
ああ。そういえば最近どうも、最前列の三人にしゃべり掛けるようにして
授業を進める先生が多いな。特に男の教師。
次の日。
「さむっ! この髪型、さむっ!」
「自分で切りに行ったんだろーがよ」
「そうだけど、寒いよぅ」
「マフラー巻いてりゃなんとかなるだろ」
「アンタのマフラー、暖かそう」
「あったけーよ」
「貸して」
「や・だ♥」
「大人しく貸せよバカ!」
美貴スケにヘッドロックをかけられた。どうでもいいけど、登校中にするなよ。人が見るだろーがよ。
「おはようっ! ズッコケ君、ミキティ!」
聞き覚えのあるアニメ声が聞こえて、美貴スケが慌ててヘッドロックを解いた。
「おはよ石川さん…って」
「おお!? 石川さん!?」
思わず声を上げて驚いてしまった。
そこには髪をショートにした石川さんがいた。
「思い切って切ってみたのっ! ズッコケ君、どうかなぁ?」
石川さんは身をよじらせて、嬉々として聞いてきた。どうかなぁって。マジかよ。
述べるべきコメントを考えている隙に、俺の隣で美貴スケがぼそっと何事かを呟いた。
「キモイ」
だめだこりゃ。
>>72-76 即席で「髪切った?」編です
つーか石川が髪切ったってのはマジですか
>>77 おっとスマソ。幼なじみスレのつもりがショミキスレにうpしちまったっす
リアルでボケた。逝ってキマス