∬∬´▽`)<天使まこの別荘だよ♪

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1名無し募集中。。。
  ⊂⊃
〆〃ハハ
∬∬´▽`)<別荘だよ♪ 全員集合〜!


【sage徹底】
2名無し募集中。。。:03/06/02 16:55
2ゲット
そしてさゆみん最高の証明
3名無し募集中。。。:03/06/02 16:55
川o・-・)<いんたーこんこん
4名無し募集中。。。:03/06/02 16:55
蓮貼ってよ
5从^▽`∬ ◆aRKMKx7XiE :03/06/02 16:55
2?
6名無し募集中。。。:03/06/02 16:56
>>2
ちがう、最強はカカロットだっつーの
7名無し募集中。。。:03/06/02 16:57
8名無し募集中。。。:03/06/02 16:59
〜始まり〜

「お疲れ様でしたー。」
やっと今日の仕事が終わった。
いつもの様に楽屋に入ると、既に他のメンバーは私服に着替えたり、帰る準備をしたりしている。
明日は久し振りのオフなので、皆嬉しそうに早々と楽屋から出ていく。
私の心は晴れやかではなかった。
なぜなら、あさ美ちゃんと遊ぶ約束をしていたのに、急に
「まこっちゃん、ごめん。明日やっぱり遊べない。
ほんとにごめんね。次のオフの時は絶対に遊園地行こうね。」
って言われたから。
(おまけに、おばあちゃんやお母さんたちがしばらく新潟に帰っているから、
家に帰っても一人ぼっちなんだよね。)そんなことを、誰もいなくなった楽屋の隅で俯き、
目を瞑りながら考えていた。
9名無し募集中。。。:03/06/02 17:00
「はぁ〜・・・」
「ん?小川、帰らないの?」
少し遠くの方から誰かの声が聞こえる。

(あれ?みんな帰ったのに、気のせいだよね。)
「お〜い!小川〜!」やっぱり聞こえる。
明らかにさっきより近くで声がする。
私はゆっくりと目を開けた。

「わっ!!!」
私は想像よりはるかに近い所に顔があったため、驚いてしまった。
(近すぎだよ〜!こんなに近付いてたら、女同士でもドキドキしちゃうよ。)
「あ、矢口さん。居たんですか?」
「居たんですか?って・・・。」
と言って、矢口さんはわざとらしく、怒った様に顔を膨らませていた。
(ずっと思ってたんだけど、矢口さんってどんな表情しても可愛く見えちゃうんだよね。
うらやましいな。)
10名無し募集中。。。:03/06/02 17:02
「あっ!すいません。小さいからとか、そういう意味で言ったんじゃなくて・・、
みんな着替えて出て行ったのかと・・」
「ハハハ。わかってるって。みんなはもう先に帰ったよ。」
「そうですか。矢口さんはまだ帰らないんですか? 」
「ん?おいらは、楽屋に誰か残ってないか確認にきたんだよ。
それより、さっきからずっと溜め息ついてるけど、どうしたの?何かあった?」

矢口さんは、さっきの表情からうって変わって、心配そうな顔でこちらを見ている。
(こんな小さな事で落ち込んでるなんて知られたくないよ。
ほんとは弱いこと。誰にも知られたくない。特に矢口さんには。
矢口さんに憧れて娘。に入ったんだから。)
「あの〜、何で矢口さんはいつもそんなに明るいんですか?」
11名無し募集中。。。:03/06/02 17:03
矢口さんは一瞬困った顔をしたが、すぐにいつもの表情を取り戻し、
「小川、明日ヒマ?」と聞いてきた。
あさ美ちゃんとの約束はパーになってしまったので、もちろん明日は一日中暇だ。

私が「はい、予定が入ってたんですけど、急にキャンセルになったんで。」
と答えると、矢口さんは更に顔を近づけて
「おいらも予定入ってないから、明日家に来なよ。いろいろ教えてあげる。」
と言ってくれた。

が、明日になるまで[つまり、これから帰って家で一人きりの時間]
が嫌なので、思い切って矢口さんを
「もしよかったら、これから私の家に来ませんか?ちょうど、家の人みんな新潟に帰ってるんで一人なんですよ。」
と誘ってみた。
すると、矢口さんは<何でも言うことをきく>
という事を条件にOKしてくれた。
(何でもって・・ちょっと心配だけど、まあいっか。)
12名無し募集中。。。:03/06/02 17:04
{私はこの時、これから起こる想像も出来ない出来事に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
まさか、こんな事になるなんて。
あの時私が矢口さんを家に誘わなければ、
あるいは楽屋に来たのが他の人だったらこの状態を回避できたかもしれない。 }
とりあえず、矢口さんはいったん帰ってから私の家に来てくれるらしい。
ふっと顔を上げて楽屋の掛け時計を見た。時計の針は8時を少し回ったところだった。

「じゃあ、すぐに行くからね。あっ!そうだ。
途中で夕食の材料買って持っていくよ。おいらが料理するから一緒に食べよう。」
「いやいや。悪いですよ。私、手伝いますよ。」
「そう?じゃあ、一緒に作ろうか。あ〜、楽しみだね。何作ろうかな。
おいらさー、最近麻婆豆腐にはまってるんだけど、どうかな?」

「あっ!いいですね〜。
私、辛いものちょっと苦手なんですけど、麻婆豆腐は好きなんですよ。」
「じゃあ、決まり!」
私と矢口さんはテレビ局の出入り口でいったん別れた。
13名無し募集中。。。:03/06/02 17:04
〈帰り道〉
「もしもし。圭ちゃん?おいらおいら。あのさー、今から面白いことするんだけど、来ない?」
『行きたいんだけど、今石川が来てるんだよね。』
「え?石川が?じゃあ、一緒に来てよ。超面白いからさあ。」
『しょうがないわね。で、どこに行けばいいの?』
「じゃあ、とりあえず、12時頃に小川の家に行って。」
『小川?ってまさかあんたまた・・・』

「そう。だから、アレも持って来てね。」
『はぁ・・分かったわ。12時に小川の家に行けばいいのね。』
「ありがとう圭ちゃん。じゃあ、よろしく〜。」
ピッ
《さてと・・もうこんな時間か。急がなきゃ。》
14名無し募集中。。。:03/06/02 17:05
〜パーティー〜

真里は家に帰り、紙袋を右手に提げ、家を出た。
途中で夕食の材料を買い、急いで麻琴の家へと向かった。

《やっと着いた。小川の家って結構遠いな。》
ピンポ〜ン♪
「は〜い!今開けま〜す。」
ガチャッ
「ごめんね。ちょっと遅くなっちゃった。」
真里が家の中へ入ると、淡いピンク色のエプロンを着けた麻琴が立っていた。
15名無し募集中。。。:03/06/02 17:06
「おっ!可愛いエプロンじゃん。すごく似合ってるよ。」
「えへへ。そうですか?これ、去年おばあちゃんに買ってもらったんですよ。
私いつも男っぽい色の服ばかりなんで、たまにはこういうのもいいかなって。」
「へぇ〜。そうなんだ。じゃあ、さっそく作ろうか。」
「あっ!はい!どうぞ。上がってください。」
麻琴はそう言って真里の足下に青のスリッパを置いた。

「おじゃましまーす。」
真里はスリッパを履き、麻琴の案内でキッチンへ向かった。
ひとまず材料をテーブルに置き、手を洗う。
ふと横を見ると、脱衣所がある。
真里はそこに気付き、麻琴に聞いてみた。
16名無し募集中。。。:03/06/02 17:07
「ねえねえ、あそこって、お風呂?」
「はい。そうですよ。」
「ちょっと拝見!」と、真里は浴室を覗き込んだ。
「おっ!結構広いじゃん。」
麻琴も、濡れた手をタオルで拭きながら浴室の方へやって来た。
「はい。だから、愛ちゃんや里沙ちゃん達が遊びに来た時はいつも一緒に入るんですよ。」
「ほー、じゃあ、触り放題ってわけだ。
あっ!4人で何か変なことでもしてるんじゃないの?」
真里がわざと意地悪そうに言うと、麻琴は頬を真っ赤にして黙っている。
「・・まさか・・あんたたち本当に・・?」

「いっ・・いやだな〜。矢口さん、何も無いに決まってるじゃないですか。」
そう言うと、麻琴は逃げるようにキッチンへと戻って行った。

  真里は、知っていた。
今、自分の目の前にあるこの場所で何が起こったのか。
全てが真里の計画だった。
17名無し募集中。。。:03/06/02 17:08
真里は、麻琴がこちらに来ないことを確認すると、
持って来た紙袋の中から超小型カメラを取り出した。
そして、まるで何度もこの家に来ている様に、
それを素早く脱衣所・浴室の天井付近に2ヶ所ずつ設置した。
実は一ヶ月程前、真里は梨華が麻琴の家に頻繁に出入りしている事を知り、梨華に家の中の事を細かく聞き、
カメラを一つだけ渡して麻琴の家の分からない場所に置いてきてほしいと頼んでいたのだ。 
その日から梨華は毎日のように麻琴の家に行った。

カメラは脱衣所に設置され、梨華は麻琴の家を訪れるたびに設置、回収を繰り返した。
何日か経ったある日、いつものように、梨華が回収したカメラを
自分の部屋でパソコンに繋いで見ていると、まず里沙の姿が映った。
続いて愛、麻琴、あさ美の順に入ってきた。
ここまではいつもの光景だ。
麻琴の脱衣シーンは真里の最も好きな場面だった。
《はやく脱げ!》
真里は、そう心の中で叫んだ瞬間、画面に映っている彼女たちの行動を見て、目を疑った。
18名無し募集中。。。:03/06/02 17:09
「矢口さ〜ん。何してるんですか?早く夕飯作りましょうよ。」
麻琴は、真里がなかなか戻って来ないのでキッチンから叫んだ。
真里はその声に驚き、慌ててキッチンへと向かった。
「も〜。矢口さん何してたんですか?私、もうおなかペコペコですよ〜。」
「ごめんごめん。さあ、作ろうか。あっ!そうそう。
小川の為に、かぼちゃのケーキも買って来たんだよ。後で一緒に食べよう。」
真里がそう言うと、麻琴は目を輝かせて真里に抱ついた。
「私の為に?矢口さん大好きです!」
「麻琴・・・。」
《おいらも好きだよー!でも、ここで何かしちゃうと計画が崩れるんだよね》
真里が腕をすり抜け、顔をあげると麻琴は少し驚いた表情をしている。
「矢口さん。今、麻琴って・・」
「何?圭織はいいのに、おいらは駄目なの?」
真里の珍しく悲愴な表情に麻琴は驚いた。
「いっ・・いえ。なんか、ビックリしちゃって。麻琴って呼んでもらえると 、嬉しいですよ。」
「良かった。おいら嫌われてるのかと思ったよ。」
麻琴は真里の笑顔を見て、ホッとした。
(矢口さんって子供みたい。かわいいな。)
19名無し募集中。。。:03/06/02 17:10
「じゃあ、おいらはなんて呼ばれようかな。」
「矢口さんは、“矢口さん”ですよ。」
「え〜!つまんないよ。」
そんな話をしながら、二人は夕食を完成させた。
「「いただきま〜す」」
二人ともおなかが減っていたので、あっという間に食べ終わってしまった。

「おいしかったですね。もうおなか一杯ですよ。」
「麻琴、結構食べたもんね。かぼちゃのケーキ(おなかに)入る?」
「はい。私のおなかには、かぼちゃ用の部屋があるんですよ。
だから余裕で入りますよ。」
麻琴の言葉を聞いて、真里は思わずふきだしてしまった。
「かぼちゃ用の部屋?かぼちゃ部屋?なにそれ。どの辺にあるの?」
真里がいたずらっぽく尋ねると、麻琴は服を捲り、おなかの右下辺りを指差した。
「よく分からないんですけど、多分この辺です。」
「盲腸?あんた盲腸にかぼちゃ入れてるの?」
「えっと・・」
ピ〜ンポ〜ン♪
20名無し募集中。。。:03/06/02 17:11
麻琴が返事に困っていると、インターホンが鳴った。
「あっ!お客さんだ。でも、こんな時間に来るなんて誰なんでしょうかね。」
時計を見ると、12時5分前だった。
《この時間だと、圭ちゃん達だな。》
二人は急いで玄関へと向かった。

麻琴はドアの前まで来たが 、なかなか開けようとしない。
その姿を見て真里が声をかけた。
「麻琴、どうして開けないの?」
「怖いんですよ〜。」
「なんで?」
「だって、誰か判らないんですよ?」
「大丈夫だって。そんなに怖いなら、おいらが開けようか?」
「はい。お願いします。」
麻琴は、そう答えて真里の背後にまわった。

ガチャッ
真里がドアを勢いよく開けると、圭ではなく、高橋愛が全身ビショ濡れで立っていた。
21名無し募集中。。。:03/06/02 17:12
いつの間に降りはじめたのか、外は滝のような雨が降っている。
「高橋?カサも差さないでどうしたの?」
真里が声をかけても、雨の音にかき消されて聞こえていないのか、愛は何も反応しない。
「愛ちゃん、とりあえず入って。」
真里の後ろにいた麻琴が出て来て、愛の手をとり、家に入れた。

「愛ちゃん、こんな時間にどうしたの?」
麻琴がドアを閉めながら尋ねたが、愛は俯いたまま何も答えなかった。
「とりあえず、体濡れてるから拭かなきゃね。麻琴、タオルどこにある?」
「あっ、私取ってきます。」
「いいよ。おいらが取ってくるから。高橋も、麻琴に話があって来たみたいだし。
タオル、脱衣所にあったよね。」

そう言いながら、真里はタオルを取りに行った。
 麻琴がつないでいた手を緩めると、愛の手が麻琴の腕をギュッとつかんだ。
22名無し募集中。。。:03/06/02 17:12
「愛ちゃん?」
麻琴が振り向いた瞬間、愛は崩れるように倒れた。
「愛ちゃん!!」
呼びかけても反応がない。
麻琴の声を聞き、真里がタオルを持って急いで戻ってきた。
「麻琴、どうした?」
「あっ。矢口さん。愛ちゃんが突然倒れちゃったんですよ。」

真里は、玄関に倒れている愛に目をやった。
そして、持ってきたタオルで愛の濡れた体をつつむ様にして拭いていった。
その様子を心配そうに見つめている麻琴に、真里が声をかけた。
「大丈夫だって。心配することないよ。…そうだ、この服着替えさせたいんだけど、替えの服ある?」
23名無し募集中。。。:03/06/02 17:13
麻琴は、愛が5日ほど前に、泊まりに来たとき置いて帰ったパジャマがあることを告げた。
「じゃあ、そのパジャマに着替えさせるから持ってきて。」
真里がそう指示すると、麻琴は急いでパジャマを取りに行った。
「麻琴ぉ…」
真里は、うなされている愛を見て、なんとも言えない顔をして、あの計画を実行すべきか悩んでいた。

麻琴がパジャマを持って戻ってきた。
真里は愛の服を脱がし、慣れた手つきで着替えさせている。
麻琴はその様子を、少し驚いた顔でじっと見ている。
「おいら、こういうの慣れてるからさあ。」

「えっ?」
「ほら、圭ちゃんってよくお酒飲むでしょ?おいらいつも付き合わされて、
最後には倒れて寝ちゃうわけ。で、その度に着替えさせてるから。」
「そうなんですか。大変ですね。」
麻琴がそう言うと、真里は手を止め、一呼吸おいてゆっくりと話しはじめた。
24名無し募集中。。。:03/06/02 17:14
前のモーニング娘。のこと、今のモーニング娘。のこと。 そして、圭の卒業のこと。
話し終わると、真里の目には涙が溢れていた。 涙を止めようとするが、全く止まらない。
「矢口さん…。」
麻琴は、真里にどんな言葉をかければいいのか悩んでいた。
そんな麻琴を見て、真里は鼻をすすり、
「うん。大丈夫。」と、静かに言って作り笑顔をして見せた。
「圭ちゃんの卒業まであと3ヶ月もあるのに、今泣いてたらおかしいよね。」
真里はそう言い切って、また愛の服を着替えさせはじめた。
着替えさせ終わると、二人は、ぐったりしている愛を麻琴の部屋まで運び、ベッドに寝かせた。

「愛ちゃん…」
麻琴は愛の苦しそうな顔をみて、愛の右手を両手で包み、呟いた。
その時、携帯の着信メロディーが鳴り響いた。
真里の携帯のようだ。
「あっ。メールだ。」
真里はポケットから携帯を取り出し、届いたメールを見た。
内容は、圭に急用ができてしまったので梨華が一人でこちらに向かうという事だった。
25名無し募集中。。。:03/06/02 17:15
「誰からですか?」
「ん?圭ちゃんから。」
真里はそう答えながら、メールの返事を打っている。
《こっちも、ちょっとした事件があったから今日は中止。っと…。》
送信ボタンを押すと、すぐに返事がきた。
《石川は、もう小川の家に着く頃…

ピ〜ンポ〜ン♪

真里がメールを読んでいると、またインターホンが鳴った。
麻琴と真里は顔を見合わせ、玄関へと走った。
そして、先ほどと同じように、真里がドアを開けた。
麻琴は、真里の腕の間から顔を覗かせていた。
「な〜んだ。石川さんか。」
26名無し募集中。。。:03/06/02 17:16
麻琴はホッとした表情で梨華を迎え入れた。
いつもなら、麻琴の部屋でおしゃべりをしたりするのだが、
今は愛が寝ているので3人はコタツのある居間に行くことになった。
「あの、適当に座っててください。」
麻琴は居間に入ると、そう言ってすぐに出て行ってしまった。
真里と梨華は向かい合わせになるように座り、コタツに足を入れた。
掘り炬燵になっていた為、お互いの足がぶつかることはなかった。
真里は、計画の中止を梨華に告げ、愛のことを話した。
梨華はその話を聞き、残念そうな顔を見せたが、内心喜んでいた。

「でも、これせっかく買ってきたんですから、パァッとやりましょうよ。」
と、梨華はコンビニ袋を指した。
袋の中には、大量のアルコール類やおつまみが入っていた。
真里は困った顔をしたが、梨華がしつこく言うので、許可してしまった。
「お待たせしました〜。」
麻琴がペットボトルのウーロン茶とグラスを3つ持って部屋に入ってきた。」
3人は、それぞれグラスを持ち、とりあえずウーロン茶を飲み始めた。
27名無し募集中。。。:03/06/02 17:18
「…ですよね、矢口さん。」
梨華が真里に同意を求めたが、真里は返事をしない。
どうしたのかと、梨華と麻琴が不思議そうにしていると真里は突然立上がり、
さきほどの事で疲れたから少し寝ると言い出した。
麻琴は、隣の部屋に布団を敷き、真里にそこで寝るように言った。
麻琴が居間に戻ると、梨華は買って来たおつまみを広げ、 缶ビールや缶チューハイを開けていた。
「石川さん、なにやってるんですか?」
「これ、矢口さんに頼まれて買ってきたんだけど、矢口さん寝ちゃったし勿体ないなと思って。」
「でも、2人とも未成年だから飲めないじゃないですか。」

梨華は麻琴を座らせ、
「え〜!まこっちゃん飲んだことないの〜?」
と、少しバカにするように言った。
「そんなことないですけど…」
麻琴は嫌がったが、梨華は「ちょっとだけでいいから。ね、はい。」
と麻琴のグラスに残っていたウーロン茶を飲み干し、そのグラスにチューハイを注いだ。
「ほんとに少しだけですよ。」
麻琴は何度も念を押し、グラスに顔を近づけた。
28名無し募集中。。。:03/06/02 17:18
透明のグラスには、鮮やかなオレンジ色の液体が入っていて、
麻琴の鼻を美味しそうなオレンジの香りが刺激した。
麻琴がグラスに顔を近付けたまま、梨華の方を見た。
梨華はジッと麻琴を見ていたが、麻琴の視線が自分の方へ向けられると、
サッと目をそらして缶ビールをグイッと飲んだ。

麻琴もそれを見て、オレンジ色の液体を少し口に含み、コクッと喉を鳴らして飲んだ。
「どう?美味しいでしょ?」
「ん〜、まだ少ししか飲んでないんで、よく分からないですよ。」
「じゃあ、もうちょっと飲んでみようか。」
梨華はそう言って、大して量の減っていないグラスにオレンジ色の液体を注ぎ足した。
29名無し募集中。。。:03/06/02 17:19
「え〜!ちょっとだけって言ったじゃないですか。」
「だめだよ。せっかく飲んだんだから、このアルコールの味が分かるようにならないと。
それに、ほんとはもっと飲みたいんでしょ?」
麻琴は少しムッとしたが、梨華の言う通り、何故か口が物足りなさを感じていた。
梨華は手に持っていた缶ビールを飲み干し、ニッと笑った。

それを見た麻琴は、先ほどと同じ様にグラスに顔を近付けた。
そして、今度はグラスの側面を見て、何を思ったのか一気に胃にそれを流し込んだ。
「ちょっ、ちょっとぉ。まこっちゃん大丈夫?」
麻琴は顔を真っ赤にしてゴホッゴホッとむせながら、
「大丈夫です。」と答えようとしたが、声にならなかった。
梨華は、右手で優しく麻琴の背中をさすった。
しばらくするとせきも治まり、楽になった。
「もう大丈夫です。ありがとうございます。」
30名無し募集中。。。:03/06/02 17:20
そう言う麻琴は、目が潤んでいて頬はほんのり桜色になっていた。
「はあ〜。それにしても、暑いですね。」
「そう?じゃあ、ちょっと風にあたって来ようか。」
梨華は麻琴の返事を待たずに立ち上がった。
「ちょっと待って下さいよぉ。外はすごい雨ですよ?」
麻琴は愛が来た時のことを思い出し、梨華を止めた。

しかし、梨華はクスッと笑い、首を横に振った。
「あたしが来た時は雨降ってなかったよ。」
(そういえば、石川さんが来た時は雨の音がしなかった様な‥した様な…。
ん〜、あれ?私何考えてるんだっけ?)
「も〜、まこっちゃん何してんの?行くよ!」
梨華は麻琴を立たせ、手を握り部屋を出ようとした。
「あ、あの〜ちょっと待って下さい。私たちが外に行ってる間に、
矢口さんや愛ちゃんが起きてきたらどうするんですか?
きっと心配しますよ。」
麻琴はそう言って梨華を止めた。
31名無し募集中。。。:03/06/02 17:21
梨華は、自分のバッグからメモ帳とペンを取り出した。
そして、メモ帳の一枚目に真里と愛へのメッセージを書き、それをちぎってコタツの上に置き、
「こうして置き手紙しておけば安心でしょ?」
と半ば強引に同意を求めた。
「はい…。」麻琴は頷くしかなかった。

二人は外に出た。
梨華が言っていた通り、雨は降っていなかった。
幸い、人の通りは少なく暗かったので、すれ違う人々は誰もあのモーニング娘。の石川と小川だと気付かなかった。

家を出て5分以上経っている。
その間ずっと、麻琴は無言で歩く梨華に、ただ着いて行くだけだった。

更に5分程経った時、麻琴は少し前を歩く梨華に追いつき、尋ねた。
「どこまで行くんですか?」
32名無し募集中。。。
梨華は前方を指差した。
麻琴は顔をあげ、梨華が指差す方を見た。
そこには、うっすらと明かりのついた公園があった。
公園に着くと、梨華はベンチに座ろうと麻琴の手をとった。

ベンチは全部で5つ並んでいて、両端のベンチには若いカップルが二組、肩を寄せ合って座っていた。
二人は一組のカップルの前を通り、真ん中のベンチに座った。
少しの間、沈黙が続いた。
麻琴は、梨華の様子がおかしいことに気付いていたが、なかなか聞き出せないでいた。
一方、梨華の方も麻琴への想いを言い出すことができないでいた。


−つづく−