モ娘。コンサート統一スレPart342

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 ブームも最高潮のある日、たまごっちが欲しくて欲しくてたまらない僕の耳に、「駅前のパチンコ屋にたまごっちがある、玉1万円分と交換できる」という噂が飛び込んできました。
 当時中2だった僕はパチンコ屋には入れないので、おじいちゃんに1万円を渡して「玉を買って直接たまごっちと替えてきて」と頼みました。
 日頃はほとんど口も利かない孫に頼りにされた事が嬉しかったらしいじいちゃんは、「まかせとけ」とばかりに家を出ていきました。
 僕もおじいちゃんがいて本当に良かったと思いました。
 2時間後にじいちゃんが帰ってくるまでは。

 たまごっちを一つだけ持って帰ってくるはずのじいちゃんは、景品をたくさん抱えて帰ってきました。
 お菓子に、変なウォークマンにCDと色々な物を抱えて帰ってきました。
 おじいちゃんは、たまごっちはもう既になかったので、店員さんに聞いて中学生の男の子向けの物を色々見繕ってもらったというような事を言っていたとは思いますが、そんな話を聞く冷静さは僕にはありませんでした。

 「この、泥棒ジジイ!なかったんなら1万円返せよ!そんなもの、いらねーよ!」

 僕はそう言ってじいさんを責めました。
 じいちゃんは何度も何度も、
 「ごめんな、じいちゃんは、もう、じいちゃんだから。」
 と言って、財布から1万円をくれました。
 僕は1万円をひったくるように取ると、自分の部屋で一人で少し暴れました。

 それからしばらく、じいちゃんの部屋の前を通ると、背中を丸めて子供向けの菓子をボソボソと食べているじいさんの姿が見えて、嫌な気持ちになりました。