都心にあるとある公園。
一組の男女がベンチに座って楽しそうに話している。
いままで笑っていた男が急に真剣な表情に変わった。
「あのさぁ」
男は唐突に切り出した。
「俺、後輩の子に告白されたんだよね」
女は一瞬驚いた表情をしたがすぐに笑顔に戻り、
「おめでと、ずっと彼女なんていなかったもんね」
女は一気にまくし立てた、何かを隠すかのように
男は、ふと気付き尋ねた。
「なつみ・・・泣いてるのか?」
「えっ、泣いてなんてないよ」
なつみは泣いていた、涙をポロポロこぼしながら。
「え、何で泣いてるんだろ?嬉しいはずなのに」
「なつみ・・・」
男はなつみをギュッと抱きしめた。
なつみは堰を切ったように泣き始めた。
「やだよ、やだよ〜。彼女ができるなんて」
・・・・・・
「あのね、今までは全然そんな感覚はなかったの。
でも、彼女ができるって聞いた途端、急に悲しくなって・・・
恋愛には絶対にならないと思ってた・・でもそうなっちゃったね」
なつみは寂しげな笑みを浮かべながら言った。
「本当はこの気持ちに気付いてたのかもしれない。
でも今までの関係が崩れるのが怖かったのかも」
「なつみ・・・」
「でも今なら正直に言える、わたし、わたし・・」
言う終わるか終わらないかのうちに男は再びなつみを抱き寄せた。
「俺も正直後輩と付き合おうか迷ってた。 でも、お前に話して気持ちが変わった。
後輩の子には断っておくよ」
「・・・・」
なつみは声を発することができず、ただ腕の中で泣いていた。
2週間後
二人は今までと変わらず買い物に行き、映画に行っていた。
ただ一つ違うところはお別れのキスをすることだけ・・
以上、なんとなく書いてみた