哀のバカやろう、デブの惑星の思い出を胸に、希美と圭織を乗せた999号は、
小さな惑星に近付いている。ナレーター(松尾貴史、以下N)の声が聞こえる。
N 「その星は遠くから見る分には、あまり地球と変わらないんです。ところが
近寄って、夜の部分を観察してみると、無数の金粉みたいな輝きが動き
回っているのに気付くんです。そして、この惑星で希美には、とんでもな
いことが起こってしまうんです! 衝撃の邂逅、この後すぐ大公開です!」
座席横の窓から、惑星の様子を眺めている希美と圭織。
希美「なんて綺麗な星なんれしょうね? まるれ夢を見ているようなのれす。あの
光って動いているものは何なのれしょうか?」
圭織「ここは夢みたいに変わった惑星だよ。惑星そのものは普通なんだけどね・・・」
希美と圭織のもとに車掌がやって来る。
車掌「エー次の停車駅は【籠の中の蛍】。停車時間は24時間5分!」
圭織「良かったわ。この星で夜を過ごすことができるんだね」
車掌「キャハハ、そうだね。この星は泊まってみないと、本当のことが分からないよねー」
ブレーキを軋ませながら、飯田鉄道999号は、籠の中の蛍駅へ降下していく。
希美「ケフン・・・あの光の点々が、汽笛の音を聞いて一斉にこっちを見上げたような
気がするのれすが?」
圭織「見てるんだよ、みんなこの列車ををね・・・」
999号が駅に到着する。希美と圭織はホームに降り立ち、改札口のほうへ向かう。
見送る車掌の声が聞こえる。
車掌「希美さん圭織さん、お気をつけてー!」