ごっちんへ
ごっちん、今、どうしていますか?
そっちの暮らしは、どうですか?
なっちは今、ゆっくり、ゆっくり、歌の勉強をしています。
ごっちんがいなくなって、もう、一年が経つんだね。
ソロデビューが決まったときの、ごっちんの嬉しそうな顔、
目を閉じれば、今でもはっきりと浮かんでくるよ。
そうだよね。ずっと、ソロに憧れていたんだよね。
本当はね、あのとき、なっちは、
ごっちんのことを素直に喜んであげられなかったんだ。
なっちの方が、ごっちんより前から頑張ってるのにって…
それで、ごっちんに、嫌なことを言っちゃったりもしたよね。
ごめんね。本当にごめんね。
ごっちんは、わかってたんだよね。
残された時間が、あと少しだって。
493 :
_:2001/05/08(火) 19:04
コンサートでごっちんが倒れたときは、大騒ぎだったんだよ。
みんな、何が起きたのかわからなくなっちゃって。
裕ちゃんもさ、普段はみんなを仕切ってるのに、
ステージの上でオロオロしちゃってさ。おかしいよね。
それから…
そう。きっと、ごっちんも知ってるよね。
あのね、みんな本当に頑張ったんだよ。それは信じて。
いつかごっちんが元気になって帰ってきたときに、
みんなで「おかえり」って言おうねって。
みんな精一杯、頑張ったんだよ。
でも、やっぱり…、ごっちんがいないとダメだったんだ。
事務所の人から、解散って言葉を聞かされて、
みんな、そんなの嫌だって、泣きながらお願いしたんだけど、
もう決まったことだって…
ごっちんがいなくなったのは、その次の日だったよね。
怒ってるよね。そうだよね。
ごっちんにとっても、大切な場所だったんだよね。
許してなんて、言えないよね。
494 :
_:2001/05/08(火) 19:06
鉛筆の動きが止まる
便箋に涙が落ちる
どうしてだろう
楽しい想い出は
たくさんあるはずなのに
どうして、こんな
悲しいことしか書けないんだろう
もう、戻ってきてくれないの?
もう一度、一緒に歌いたいよ
どうして、出てきてくれないの?
ごっちん―――