白血病の娘。を救(きゅう)え!2タスク目

このエントリーをはてなブックマークに追加
492―――   手紙   ―――

   ごっちんへ

 ごっちん、今、どうしていますか?
 そっちの暮らしは、どうですか?
 なっちは今、ゆっくり、ゆっくり、歌の勉強をしています。


 ごっちんがいなくなって、もう、一年が経つんだね。


 ソロデビューが決まったときの、ごっちんの嬉しそうな顔、
 目を閉じれば、今でもはっきりと浮かんでくるよ。
 そうだよね。ずっと、ソロに憧れていたんだよね。

 本当はね、あのとき、なっちは、
 ごっちんのことを素直に喜んであげられなかったんだ。
 なっちの方が、ごっちんより前から頑張ってるのにって…
 それで、ごっちんに、嫌なことを言っちゃったりもしたよね。
 ごめんね。本当にごめんね。

 ごっちんは、わかってたんだよね。
 残された時間が、あと少しだって。
493_:2001/05/08(火) 19:04

 コンサートでごっちんが倒れたときは、大騒ぎだったんだよ。
 みんな、何が起きたのかわからなくなっちゃって。
 裕ちゃんもさ、普段はみんなを仕切ってるのに、
 ステージの上でオロオロしちゃってさ。おかしいよね。

 それから…
 そう。きっと、ごっちんも知ってるよね。
 あのね、みんな本当に頑張ったんだよ。それは信じて。
 いつかごっちんが元気になって帰ってきたときに、
 みんなで「おかえり」って言おうねって。
 みんな精一杯、頑張ったんだよ。

 でも、やっぱり…、ごっちんがいないとダメだったんだ。
 事務所の人から、解散って言葉を聞かされて、
 みんな、そんなの嫌だって、泣きながらお願いしたんだけど、
 もう決まったことだって…


 ごっちんがいなくなったのは、その次の日だったよね。

 怒ってるよね。そうだよね。
 ごっちんにとっても、大切な場所だったんだよね。
 許してなんて、言えないよね。
494_:2001/05/08(火) 19:06

 鉛筆の動きが止まる
         便箋に涙が落ちる

 どうしてだろう
      楽しい想い出は
          たくさんあるはずなのに

 どうして、こんな
     悲しいことしか書けないんだろう

 もう、戻ってきてくれないの?
       もう一度、一緒に歌いたいよ

 どうして、出てきてくれないの?

               ごっちん―――