1 :
可愛い奥様:
モーニング娘を卒業し、はや一年経つが
なんの音沙汰がない。
噂によると卒業後移籍に失敗し
芸能界からほされたらしい。
2 :
名無し募集中。。。:2001/05/28(月) 14:13
あっそう
3 :
名無し募集中。。。 :2001/05/28(月) 14:14
うんうん
4 :
モー吉:2001/05/28(月) 14:15
ぼくが誰だかわくぁ〜〜るかい?
5 :
これが真相:2001/05/28(月) 14:19
引退時のドサクサでUFAから分捕った2000万円で千葉市内の中古住宅を買い
母親と再婚した義理の父を交えて3人で暮らしはじめたが、この義理の父(ヤーサン)が
市井を犯そうとしたため家を飛び出し、某バンドのギタリストと板橋区内で同棲を開始
ところがこの男、ヤクの遣り過ぎで昨年10月にくたばってしまった
その後、市井は行方不明となり、どこにいりか誰にも分らない
一説によると、義理の父の手で北朝鮮に送られたという
6 :
名無し募集中。。。 :2001/05/28(月) 14:38
あげたいのであげ
7 :
北朝鮮にいる:2001/05/28(月) 14:47
市井に合掌
どこにいりか
9 :
明神智和:2001/05/28(月) 15:13
まだココにいるの?
10 :
タモリ:2001/05/28(月) 15:15
あげっちゃーあげ
11 :
名無し募集中。。。 :2001/05/28(月) 15:15
ちゃむは義理の父親に犯されたのか…
12 :
名無し募集中。。。 :2001/05/28(月) 15:17
うんうん
13 :
:2001/05/28(月) 15:17
子供がいるのは有名な話だぜ
14 :
gw00.rosenet.ne.jpさん:2001/05/28(月) 15:19
そんな狼と言う厨房
氏ね。
神のモッ娘マニーァに失礼だぞ
>今年(6月21日予定)、資生堂から発売される『モーニング乳液』という商品に
>母さんこと、市井紗耶香がCMなどに起用される事が決定した模様です!
>発売元の資生堂には、もうすでに、会社内にポスターが貼られているそうです!
>まだ、正式発表されていない為、これ以上、詳しい事は分かりませんが、
>これが本当なら、歌手デビューをするのも、時間の問題ではないでしょうか!?
>市井紗耶香ファンはもちろん、他の娘。ファンの方も、期待大ですネ♪
うそこけ!!
あっそう
うんうん
18 :
通りすがりのちゃむファン:2001/05/28(月) 18:00 ID:32vcb7wI
照美さんには一生独身でいてほしかった・・・。
あげるんですか?
20 :
名無し娘。:2001/05/28(月) 18:21 ID:OvjCnlNY
亜衣する人よ照美照美
21 :
名無し募集中。。。:2001/05/31(木) 01:42
うん
適当な市井スレがないので拝借。
使っていないよね?
短編のつもりですので、お許しください。
たぶん1週間程度で終わります。
荒らしても構わないですけど、恐らく無視しますので、それもお許しを。
何の告知も無しなので、突然スレ削除されるかもしれません。
そしたらまたどこかで見つけてください。
では。
せっかくのスレタイトルなので、そのまま使います。内容とリンクしてるかは謎。
『市井紗耶香のその後・・・。』
-0-
久しぶりの一日丸々のオフという事で、一応学生であるところの吉澤ひとみは高校へ行って
いた。何事もなく授業は進み、それは下校の段になって起った。
普段聞き慣れない着メロを奏でる携帯電話。
吉澤は一瞬、誰の携帯が鳴っているのかわからなかった。が、次の瞬間、それが自分のから
発せられている事に気づいた。そしてその曲は、ただ一人が相手の場合にしか、鳴らないもの
だった。
「市井さん……」
ピッ
-1-
まだぼんやりとする頭で吉澤は考えた。今、自分はソファに寝かされている。まわりを
見ようと首を動かすと、酷くからだが痛んだ。
(ここはどこなんだろう)
視線の片隅に映る窓。カーテンの隙間から見える空は、かなり暗くなっていた。ここ最近
日が延びてきてた事を思えば、下校時間から3時間くらいは経っている事が考えられた。
(この3時間に何があったんだろう。私は駅近くの通りを歩いていて……)
「気がついたんだね」
耳元で声がした。見上げると、市井紗耶香の顔がすぐ近くにあった。と同時に、下校
途中から今までの事を思い出した。
突然の自分を呼び出す電話で、吉澤は市井の住むマンションへ向かった。
今すぐ来て、それだけの内容だったが、逆らう事は出来なかった。
数ヶ月ぶりに訪れたそこは、最後に訪れたときのままだった。入り口のインターホンで、
開けてくれよう頼むと、ガラス戸が目の前で開いた。マンション内部の淀んだ空気が鼻をつき、
全身にまとわりついてくる。どれもこれも大嫌いな感覚だった。
今すぐに逃げ出したい心境にかられたが、それを我慢してエレベーターに乗り込んだ。
手元のパネルを確認して、市井の住む階のボタンを押しかける。そこで初めて吉澤は躊躇
した。ここで押してしまえば、またあの生活に戻ってしまうかもしれない。今の幸せな生活が
壊れる、それだけは絶対に嫌だ。
しかし無意識の内に、指はボタンを押していた。身体に染み付いてしまった習慣の様に。
エレベーターから出て、重い足取りで市井の部屋の前へ行く。
娘。を辞める少し前から、市井が一人で住んでいる部屋。家族との連絡は、もうあまりして
いないと言っていた。ここへ何度も来たことがあるのは、吉澤ともう一人、あの子しかいない
だろう。
「はい」
「吉澤です」
「あちょっと待ってねぇ、今開けるから」
ドア越しに聞こえてくる市井の足音。
ガチャリ
「よく来たね〜、さ、上がって上がって」
そう、いつもこうして笑顔を浮かべながら、私を迎え入れてたくれたんだっけ。吉澤は少し
だけ懐かしい気持ちがした。
26 :
妄想を書いていて:2001/06/01(金) 17:19
どこがそんなに楽しいの?
27 :
名無し募集中。。。:2001/06/01(金) 17:28
どうせエロ小説だろ。
せめて自己満足で終わらない展開にしろよ。
28 :
名無し募集中。。。:2001/06/01(金) 17:56
暇つぶしには丁度いい 張り切って書けよ
普通に質問されちゃったので、普通に答えます。
>>26 貴方がどれほど2ちゃんを楽しんでいるのかわかりませんが、
どの板もかなりの数で主観的、妄想的なレスがあります。
モ板においてそれはかなり顕著で、ほとんどが所詮は妄想、想像の産物に過ぎません。
しかしながら、アイドルという偶像、赤の他人を主体にした板ですから、
それは致し方ないと僕は思っています。
それを楽しめると言う人間は、モ板に来れば良いし、嫌だと言う人間は、来なければ良い。
選択権は常に己にあります。
僕は、一歩引いた立場で娘。を見ているので、適当に想像したりしてる方が楽しいと感じるので、
モ板に来ます。
>>7 一体どこから「エロ」であるという断定的意見が出るのかわかりませんが、
まぁぶっちゃけてそれに類するものを書こうとしていた事は認めます。
そしてモ板に来てる人間のせめて半数が、「自己満足」でないレスや書き込みをしていけると、
よりいいものになるのにと、僕も常々感じています。
なので、可能な限り少しでもたくさんの人に、面白いと思ってもらえるものを書くつもりです。
もし出来なかったら、板にはびこる有象無象と所詮は同じなんだよと蔑んで諦めて下さい。
>>8 はい。
-2-
「どうしたのよ、早く上がりな?」
「あ、はい。じゃお邪魔します」
「これ」
市井は微笑みながら、スリッパをこちらへ押しやった。
「これって……」
「そう。吉澤がウチに来たときいつも使ってたやつ。ずっと仕舞っておいたんだ」
差し出されたスリッパを履きながら、吉澤は改めて市井の顔をよく見た。
短くカットされた髪は、あちこちが伸びてきていて不衛生な感じがした。均整のとれていた
身体は、妙に痩せてしまっている。頬も同じようにこけていた。
そんな中で、顔だけが上気したように紅色をしていた。
「ぼ〜っとしてないでよ。さ、とりあえずソファにでも座ってて」
「あ」
「暑かったでしょ? 何か冷たいもの出すよ」
「はぁ」
早口でまくしたてる市井に圧倒されながらも、あとに続いて部屋に入った。
コンクリート打ちっぱなしの冷たいシンプルな作り。散らかっている様々なモノの奥に、
原色のしゃれた感じの家具が見てとれる。
(片付けてさえいればきっと綺麗なのだろうに)
ここに来る度に感じていた事を、再び吉澤は考えていた。そういえば、以前そのことを口に
した事があった。じゃあ片付けてくんない? 確かそんな風に返したのだろう。ここって殺風景
でしょ、だからこんくらい散らかってるのがいいんだよ。こんな風にも言っていた。
寂しそうに語る彼女に同情していた、それもあった。言い訳かもしれないが。
「どうぞ」
そう言ってグラスを渡した市井は、テーブルを挟んだ向こう側に腰を下ろした。
「懐かしいよねぇ」
笑顔の市井は続けた。だが、その笑顔が本物じゃないことを吉澤は知っていた。この世界で
鍛えられたんだよ。一緒のメンバーだった当時彼女はそう語った。吉澤もいずれ慣れるよ、
楽しくなくても、嬉しくなくても、笑顔を絶やさないことに。最上級の笑みでそう語ったのだ。
今の市井もそれに違いない。
「あの、今日は何の用なんですか」
近況を探りあったあと吉澤は本題を切り出した。自然を装おとしたが、ぎこちなかったかも
しれない。手にしたグラスを口に運んだ。
「うん。ちょっと、ね」
保全。
珍しいね、3日書き込み無くてスレ消えないの。
33 :
狼:2001/06/05(火) 23:19
イチイチャム
34 :
!!!:2001/06/06(水) 00:10
!!!
すいません、-1-と-2-を少しだけ変更したので載せておきます。
とはいえ、内容そのものには変更はないので(語句とかを少しいじりました)、
読み直さなくてもいいかと。
-1-
まだぼんやりとする頭で吉澤は考えた。今、自分はソファに寝かされている。まわりを
見ようと首を動かすと、酷くからだが痛んだ。
(ここはどこなんだろう)
視線の片隅に映る窓。カーテンの隙間から見える空は、かなり暗くなっていた。ここ最近
日が延びてきてた事を思えば、下校時間から3時間くらい経っている事が考えられた。
(この3時間に何があったんだろう。私は駅近くの通りを歩いていて……)
「気がついたんだね」
耳元で声がした。見上げると、市井紗耶香の顔がすぐ近くにあった。と同時に、下校
途中から今までの事を思い出した。
突然自分を呼び出す電話で、吉澤は市井の住むマンションへ向かった。
今すぐ来て、それだけの内容だったが、逆らう事など出来なかった。
数ヶ月ぶりに訪れたそこは、最後に訪れたときのままだった。入り口のインターホンで、
開けてくれよう頼むと、ガラスの戸が目の前で開いた。マンション内部の淀んだ空気が鼻をつき、
全身にまとわりついてくる。どれもこれも大嫌いな感覚だった。
今すぐに逃げ出したい心境にかられたが、それを我慢してエレベーターに乗り込んだ。
手元のパネルを確認して、市井の住む階のボタンを押しかける。そこで初めて吉澤は躊躇
した。ここで押してしまえば、またあの生活に戻ってしまうかもしれない。今の幸せな生活が
壊れる、それだけは絶対に嫌だ。
しかし無意識の内に、指はボタンを押していた。身体に染み付いてしまった習慣の様に。
エレベーターから出て、重い足取りで市井の部屋の前へ行く。
娘。を辞める少し前から、市井が一人で住んでいる部屋。家族との連絡は、もうあまりして
いないと言っていた。何度もここへ来たことがあるのは、吉澤を除けばもう一人しかいなかった。
「はい」
「吉澤です」
「あちょっと待ってね、今開けるから」
ドア越しに聞こえてくる市井の足音。
ガチャリ
「よく来たね〜、さ、上がって上がって」
そう、いつもこうして笑顔を浮かべながら、私を迎え入れてたくれたんだっけ。吉澤は少し
だけ懐かしい気持ちがした。
-2-
「どうしたのよ、早く上がりな?」
「あ、はい。じゃお邪魔します」
「これ」
微笑みながら市井はスリッパをこちらへ押しやった。
「これって……」
「そう。吉澤がウチに来たときいつも使ってたやつ。ずっと仕舞っておいたんだ」
差し出されたスリッパを履きながら、吉澤は改めて市井の顔をよく見た。
短くカットされた髪は、あちこちが伸びつつあり不衛生な感じがした。均整のとれていた
身体は、妙に痩せてしまっている。頬も同じようにこけていた。全身から色が抜け落ちたように、
覇気すら感じられなかった。
そんな中で、顔だけが上気したように薄紅色をしていた。
「ぼ〜っとしてないでよ。さ、とりあえずソファにでも座ってて」
「あ」
「暑かったでしょ? 何か冷たいもの出すよ」
「はあ」
早口でまくしたてる市井に圧倒されながら、あとに続いて部屋に入った。
コンクリート打ちっぱなしの冷たいシンプルな作り。様々なモノが散らかっている奥に、
しゃれた感じの原色の家具が、隠れている。
(片付けてさえいればきっと綺麗なのだろうに)
ここに来る度に感じていた感想を、再び吉澤は思い出していた。そういえば、以前そのことを口に
した事があった。じゃあ吉澤が片付けてくんない? 確かそんな風に返したのだろう。
殺風景だからさ、こんくらい散らかってるのがいいんだよ。こんな風にも言っていた。
命令ではなかったが、吉澤は何度か片付けた。寂しそうに語る彼女に同情していた、それも
あったかもしれない。言い訳かもしれないが。
「どうぞ」
テーブルを挟んだ向こう側に腰を下ろしながら、市井はグラスを手渡した。
「懐かしいよねぇ」
笑顔の市井は続けた。だが、その笑顔が本物じゃないことを吉澤は知っていた。
この世界で鍛えられたんだよ。一緒のメンバーだった当時、彼女はそう語った。
吉澤もいずれ慣れるよ、楽しくなくても、嬉しくなくても、笑顔を絶やさないことに。最上級の
笑みで市井はそう語ったのだ。
目の前にあるこの笑顔も、きっと作られたものに違いない。
「あの、今日は何の用なんですか」
近況を探りあったあと吉澤は本題を切り出した。自然を装おとしたが、恐らく市井には
ぎこちなく映っただろう。心に去来する動揺を隠すために、手にしたグラスを口に運んでみた。
その動揺を知ってか知らずか、市井は静かに話し始めた。
「うん。ちょっと、ね」
-3-
下校途中からの流れを思い出した吉澤は、そこで止まってしまった。
(まだ思い出せないの?)
自問してみたが、それは、思い出せないのではなかった。思い出す以前に、それは記憶にある
はずが無かったのだ。
自分は眠りついていたのだから。
「ちょっと効き過ぎちゃったみたいだね」
何かの薬を飲まされた。今吉澤は、はっきりとわかっていた。
「怯えてるの? 大丈夫だよ、普通の睡眠薬だから身体に異常はないと思う。市井もさ、初めて
使う薬だったから、量とかわかんなかったんだ。でもさ、全然起きないから超心配したよ。
死んだかと思った」
ここへきて、吉澤はますます混乱していた。なぜこんな事をするんだ、私が何をしたんだ、
市井さん、あなた何を考えてるんですか? いくつもの疑問が頭の中を駆け巡った。
「そんな不思議そうな顔しないでよ。ちゃんと説明するからさ」
今が楽しくてたまらない、そんな顔を浮かべた市井は、吉澤の髪を撫でた。
「触らないでくだっ」
髪を撫でられた事に不快感をあらわそうとし、その手を払おうとした刹那、二の腕から胸、
背中、首に鋭い痛みが走った。状況を把握した途端、吉澤は愕然とした。
縛られてる。
1cmほどの太さの縄で、身体のあちこちが縛られていた。
「ああ、動かない方がいいよ。無理に動かすと痛いと思う」
「な、何なんですかこれは!」
大声を出した瞬間、また身体中に痛みを感じた吉澤は、続く言葉を失った。
「言わんこっちゃない。せっかくの綺麗な肌してんのにさ、傷物にでもなったらことだよ」
吉澤が寝かされているソファの少し空いた部分、丁度頭の横辺りに、市井は腰を下ろした。
しばしの沈黙。
首をひねり見上げると、市井の顔が見えた。横顔と言うには、下からのアングル過ぎだろうか、
その表情までは読み取れなかった。
唯一見える唇が、少し動いた。
「後藤とは……、仲良いみたいだね」
42 :
:2001/06/07(木) 13:21
age
yasusda
44 :
名無し:2001/06/11(月) 02:22
続き希望
-4-
やっぱりその事なのかと、吉澤は重く沈んだ気持ちになった。
薄々感づいてはいた。市井紗耶香との関係を絶って数ヶ月、初めのうちは悪夢から開放された
事が信じられず、携帯が鳴るたびに心臓が止まりそうになるほど緊張していた。
吉澤と市井を繋いでいたもの、繋ぐきっかけを作ったもの、それは後藤真希の存在。
娘。に入ってしばらく経った時、吉澤は衝撃の事実を知った。
同い年という事もあって、オーディション以前から不思議な親近感を抱いていた後藤真希。
彼女から聞かされた真実は、それまで生きてきた自分の常識を、遥かに超えたものだった。
「帰り一緒に買い物に行かない?」
案の定、数回会っただけで意気統合した吉澤と後藤は、仲の良い友人同士がするのと同じように、
仕事の前後はいつも行動を共にした。
時には吉澤から、時には後藤からと誘いあっていたのだが、何度かに一度、後藤は誘いを
断ることがあった。
「ごめん、ちょっとこの後行かなきゃいけないとこがあるの」
最初は向こうにも向こうなりの用があるのだろうと、特に気にする事も無かった。
しかしいつだったか、何気なく理由を尋ねた事があった。
別に吉澤は詰問するつもりではなかった。だが、自分と後藤の仲をより深いものだと感じて
いた吉澤は、はっきりと返答しない後藤に少し苛立ってか、かなり強い調子で理由を問いただして
しまった。
その時だった。
それまで曖昧な笑みを浮かべて答えていた後藤の表情が一変した。
「どこだっていいじゃない! 友達にだって言えない事もあるんだよ!」
怒鳴り気味に言い放った後藤は、その目にうっすらと涙を浮かべていた。
わけのわからない吉澤は、一言だけ謝ってその場は後にした。いつも大人しい後藤なだけに、
吉澤は動揺していた。
後藤真希には何か隠し事がある、これだけ仲良くなった私にも言えない何かが。一晩考えた末に、
吉澤は思いきって聞いてみることにした。どんな事であれ出来る限りの事はしてあげたいと思った
からだ。
翌日、楽屋にやってきた後藤をつかまえ、廊下の一角にまで誘った。何事かという表情で立つ後藤には、
昨日の件がまるで無かったかの様に感じられた。
いや、普通に明るく挨拶をしてきた後藤からは、断固とした拒否があいありとみてとれた。
吉澤は何も言えなかった。散々迷い決意したのに。
今思えば、ここで後藤との距離を一定に保てば、あんな地獄を経験せずにすんだ。何度も何度も、
引き返すチャンスはあったはずだ。しかし、それは出来ない相談だった。自分の中で、後藤に
対して、友達以上の強い気持ちが生まれていることに、吉澤は気がついていた。
?
-5-
「ごめん今日も用が……」
またかと感じた。最近の後藤は、断るのに特に理由をつけることがなくなっていた。
人には、他人に踏みこまれたく無い空間と時間がある。吉澤自身も、それは理解出来ていたし、
何より、後藤との関係は良好なのだ。これ以上何を望むのか。
「うん、いいよ。じゃまた明日にしよっか」
「マジでごめんね」
口でいいよと言いながら、心の中で気にしないと思いながら、それでも吉澤は行動してしまった。
普段ならタクシーを使って帰るはずが、今日の後藤は人目を避ける様にして、ただ独りで
歩いている。そのあとを、数十メートル後方から追う吉澤。
人目を気にしてながら歩くのはアイドルとして当然だと思ったのだが、それ以外に後藤は
何か気になる事があるようだった。
恐らくバイブ機能にして、バッグのポケットに入れている携帯電話。それに、先ほどから
しばしば触れているのだ。
友人なのか家族なのかを推し測るすべは無かったが、、誰かからの連絡を待っているのは
確かな様だ。ただ、待ち遠しいから気になるというよりは、電話がかかってくる事に怯えている、
そんな感じがした。
どれくらい歩いただろうか、後藤は急に、物陰に入っていった。連絡がきたようだ。
内容が気になった吉澤が、その場に近づこうとしたとき後藤はまた姿をあらわした。辺りを
見渡すような仕草をしたのち、ふと、一点を見つめたまま止まった。
運が良かったのだろう、それは後方の吉澤とは正反対の位置に向けられていた。
「市井……さん?」
後藤の先には、かつてモーニング娘。だった少女がいた。
ほんの少し前に娘。を脱退していった市井紗耶香、その人だった。
市井と後藤は仲が良かった。それは誰もが知っていたし吉澤も知っていた。なにより彼女達が
師弟関係にあるのはテレビで流れていたのだ。
その二人が後藤の帰りを待って合流し、どこかへ行く。何の不思議もないように思えた。
何故そんなことを隠すのか気にはなるが、一方で誘いを断っておいて、もう一方で人と遊ぶのは
気がひけたのかもしれない。自分の為というより、相手を傷つけたくないから。後藤はそんな子だった。
友達同士なんだからそこまで気を使わなくてもいいのに、そんな風に吉澤は思ったが、その人には
その人なりの考え方があるんだろうなと、尾行を終えようとした。
この後、当然二人は挨拶を交わし仲良くどこかへ行くんだろう、吉澤はそう思っていた。
しかし、吉澤の目にはとても奇妙な光景が映った。
52 :
:2001/06/16(土) 09:07
ちかkdfjdsfl;kさdfさd
54 :
y:2001/06/18(月) 15:39
yasu
ichiyoshi
57 :
名無しちゃむ:2001/06/23(土) 21:57
ちゃむ祭り実施中
59 :
名無しちゃむ:2001/06/24(日) 13:44
ちゃむ祭り実施中
60 :
名無しちゃむ:2001/06/25(月) 00:24
ちゃむ祭り実施中
61 :
名無し募集中。。。 :2001/06/25(月) 00:25
62 :
名無しちゃむ:2001/06/26(火) 17:19
ちゃむ祭り実施中
63 :
名無しちゃむ:2001/06/28(木) 16:00
ちゃむ祭り実施中
64 :
保全:2001/06/30(土) 01:22
自分で。
おお、再開?
66 :
名無しちゃむ :2001/06/30(土) 18:01
.
66をスレッドストッパーと認定します
68 :
こ:2001/07/01(日) 19:07
ひ
一件落着
70 :
これが真相:2001/07/01(日) 20:11
引退時のドサクサでUFAから分捕った2000万円で
千葉市内の中古住宅を買い母親と、再婚した義理の父を交えて
3人で暮らしはじめたが、この義理の父(ヤーサン)が
市井を犯そうとしたため家を飛び出し、某バンドのギタリストと
板橋区内で同棲を開始ところがこの男、ヤクの遣り過ぎで
昨年10月にくたばってしまった
その後、市井は行方不明となり、どこにいりか誰にも分らない
一説によると、義理の父の手で北朝鮮に送られたという
-6-
視界に市井を認めたからこそ、後藤は止まったのだろうし、市井にしても、目前に立っている
後藤に気付かぬはずがない。電話で知らせたのが何よりの証拠だ。
にもかかわらず、二人は離れたまま距離を縮めようとせず、市井に至っては踵を返して歩き
出してしまった。
足早に遠ざかる市井。100mくらいは離れてしまっただろうか、間に幾人もの人が入り、吉澤の
ように初めから見ている人間でなければ、二人が待ち合わせしたとは考えつかないだろう。
この状況を確認したのか、後藤も歩き始めた。同じ方向ではあるが、決して近寄ることもなく、
付かず離れずで先を行く市井を追いかけていた。
吉澤は、押さえきれない興味が胸の内に膨らむのを感じていた。
明らかに、一緒にいるところを見られたくないという様子の二人。物陰からそれを覗く自分。
まるでドラマの登場人物になった気がした。それも不倫物のような。
そんな経験した事もなかったが、今ならかなり上手に、素でやれそうだった。
緊張する自分に吉澤は問い掛けた。市井と後藤はどんどん遠ざかる、後をつけるならすぐに
行かなければならない。しかし、この先何が待ちうけるのか。もちろんサスペンスドラマみたいに、
誰かが死ぬなんて事はないだろうけど、良くない事がありそうな予感はした。言葉では言い
表せないが、それは確信にも近かった。
放っておけば良かったんだ。何でこんな事しちゃったんだろう。頭の中で色々な声が渦巻いた。
そして、吉澤は追跡を再開した。
-7-
「後藤とは……、仲良いみたいだね」
もう一度市井はつぶやいた。今度は吉澤を覗きこみながらだった。
言葉から伝わる穏やかさとは裏腹に、市井のその目からは冷たさしか感じられなかった。
「な、仲良いですよ。同じグループのメンバー同士なんだから当たり前じゃないですか」
自分ではキツく言ったつもりだが、恐らくは震えたような声になっていただろう。しかし
身体中を縛り上げられてソファに転がらされているこんな状況では、それも仕方なかった。正直、
吉澤の心は恐怖でいっぱいだった。
「メンバー同士だから、か。そうだね、そうかもしれないね」
少し目線をそらせた市井は、口の端を少し上げながら続けた。
「私もさ、最初はそのつもりで仲良くしてたんだよね」
別に、市井紗耶香の表情が特に気になるわけではなかった。
といって、首を少し動かすのがやっとの姿勢では、自然目の前にある市井の顔を見るしか
なかった。目そのものを閉じるという方法もあったが、それで何が解決するわけでもないし、
むしろ何かされるかもしれないという恐怖があまりに強かった。
冷たい顔をしたと思ったら急に薄笑いを浮かべたりと、市井の表情はころころと変化した。
「いつだったかな、私の中で後藤の存在が大きくなりだしたのは。もしかしたら吉澤、あんた達
が入ってきた頃かもしれない。私だけの物だった後藤が離れていく感じ。わかる?」
そう聞かれても、吉澤はなにも答える事が出来なかった。それは市井の独り言のようだったから。
自分の中にある何かを探り出すように、彼女は喋り続けた。
「いつだったか私達のあとを付いて来た事があったよね。あそうか、そういやその時に私達の関係
を知ったんだっけ? 私全然気づかなくてさ、何日か経ったあと後藤からバレたって聞かされて驚いたよ」
本当にあの時市井は気付かなかったのだろうか。二人して隠れるようにホテルに入ったとき、
市井がこちらを振り向いたように吉澤には見えた。そして、笑顔を浮かべたように。
「でもさ、もっと驚くべき事があのあとあったんだよね?」
今度こそは同意を求めるように、市井は問うた。
-8-
12畳ほどの部屋の中にいる二人の少女。一人は、部屋の壁に沿って置いてあるソファに寝かされ、
もう一人も同じソファに座っている。わずかばかりの隙間にその身を埋めながら。
長時間この状況が続いているのを表すかのように、漂う空気が淀んでいた。もしかしたら、
ここ何日も窓すら開けていないのかもしれない。
都心を少し離れたこのマンションの一室に、清潔感とは程遠いこの部屋に、それこそ片方は
死を意識するほど圧倒的な立場の差を感じている二人の人間がいる。
静かに熱く溢れ出る互いの心の葛藤は、隣人でさえ気が付いていないのだろう。
死すらも意識している側の人間、吉澤ひとみは、ただひたすらに恐れ戦くだけだった。何故なら、
先ほどから一方的に喋り続ける市井紗耶香のやりたい事がわからなかったから。
自分に一体何を言わせたいのか。今更私を呼び出して、今更後藤の話しを始めて。もう
終わったはずなのに。