再開することになりました
2 :
名無し募集中。。。(一日目):2001/03/12(月) 03:42
なんですか?そりは?
探検家を父に持つ後藤真希はヒマラヤで父と共に遭難してしまう。
しかし、デーモン族の勇者アモンと一体化した真希は・・・
4 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 03:46
デブルモーニング
安倍、加護
5 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 03:47
吉澤忘れてる
6 :
名無し募集中。。。 :2001/03/12(月) 03:50
札幌中島体育センター大会カード発表
第1試合 ハンデキャップマッチ
あさみ&りんね&石川梨華 VS メロン記念日
第2試合
石黒彩 VS 辻希美
第3試合 Jrヘビー級選手権
チャンピオン チャレンジャー
矢口真里 VS 加護亜依
第4試合 二冠タッグ選手権試合
チャンピオン チャレンジャー
飯田圭織&吉澤ひとみ VS 中澤裕子&平家みちよ
第5試合
安倍なつみ&鈴木あみ VS 市井紗耶香&保田圭
第6試合 二冠ヘビー級選手権
チャンピオン チャレンジャー
後藤真希 VS 福田明日香
>>7 見所と解説
第1試合ではインディー系団体のカントリーと緊急合体した石川
相手はメロン記念日4人とのハンデ戦
4人なのは僕がメロンの名前をまともに知らないから名前を書けない説が有力
第2試合はテーマなき一戦のようにおもえるが何かが生まれれば
第3試合は加護が念願の矢口超えに挑む一戦。
矢口は10回目の防衛戦だが闘うたびに下との差は詰まってる
油断してると足元をすくわれる可能性も
第4試合のタッグタイトル戦は先日引退報道が流れた中澤が盟友平家と
再び手を握った。かつての名チームが数年振りに王者になれるかどうか
第5試合は安倍がかつてのライバル鈴木あみとのタッグ結成を直訴
去就が注目される鈴木のファイトに注目
相手の市井&保田は強力だがどこまで食い下がれるか
第6試合の二冠選手権はこれが初対決となる後藤と福田。
意識的にカードを組むのを避けられていて温めつづけたカードだけに
注目度も高い
10 :
狼:2001/03/12(月) 04:18
書きたい人がいたら遠慮なく書いてちょ
1人で書いてたらワンパターンに陥り見てる人が飽きるからね
11 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 04:27
【今までのあらすじ】
風魔忍者の末裔、後藤はプロレスの道へ進む・・・
帝国プロレスへ入団した後藤は持ち前の運動能力と忍法によって
めきめきと頭角を現していく。そんなある日後藤はウルフと呼ばれる
一人のレスラーと戦い、コテンパンにやられ負けてしまう。
負けた悔しさから修行の旅に出た後藤は途中、ウルフろ出会い、
ウルフが自分と同じ風魔忍法を使うのを目の当たりし、
ウルフが失踪した師匠市井ではないかと考えはじめる。
インドでレスリングの極意を学んだ後藤は、所属する帝国プロレスの許しを得、
ウルフの正体を確かめるべく、ウルフがいるというアメリカに向けて旅立つ・・・
12 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 08:39
リメイクか
13 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 08:43
_____ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|_ Lions _|_<ヒッキーとガイシャうざ!! 〇 (´ー`)
(● `∀´●) \投球の的にしてやれ____ ( )
( ) ||||||||
| | | 〇 〇
(__)__)
_____ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|_ Lions _|_<ヒッキーとガイシャうざ!! 〇 (´ー`)
(● `∀´●) \投球の的にしてやれ____ ( )
( ) ||||||||
| | | 〇 〇
(__)__)
_____ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|_ Lions _|_<ヒッキーとガイシャうざ!! 〇 (´ー`)
(● `∀´●) \投球の的にしてやれ____ ( )
( ) ||||||||
| | | 〇 〇
(__)__)
14 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 08:44
狼って小説荒らしてたやつだよな?
15 :
名無し:2001/03/12(月) 09:22
>>7 今は道立スポーツセンター(きたえーる)に完全移行してるぞ(藁
16 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 11:47
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`) < まんこー
( ) \_____
| | |
(__)_)
17 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 11:48
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`) < ちんこー
( ) \_____
| | |
(__)_)
18 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 11:49
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´∀`) < 天気予報ー
( ) \_____
| | |
(__)_)
19 :
:2001/03/12(月) 11:50
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| おまえらも |
∩_∩ | |
(´ー`) < 暇な奴 |
( ) | |
| | | | だなぁ |
(___)__) \_____/
20 :
なちぺぺ:2001/03/12(月) 11:59
16と17は逆にしたほうが語呂がいい
22 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 21:01
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
ミ / / ⌒ ⌒ | ブーン♪
ミ | | 【゜ ) (。】 |
(6 つ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| _____) < モー板のプロレスファンのみなさ〜ん
∩ \ \WWW__∩\___目を覚ましてくださ〜い!
|  ̄ ̄\  ̄ ̄/ |
 ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ |  ̄
23 :
某スレの3:2001/03/12(月) 21:04
狼ウザ
24 :
狼:2001/03/12(月) 21:09
25 :
某スレの3:2001/03/12(月) 21:12
狼ツマンネーヨ
26 :
名無し募集中。。。:2001/03/12(月) 21:46
また、スレたててんのか。いいかげんにしてくれよ。
27 :
狼:2001/03/12(月) 21:49
発注受けたんだよ。書いてくれって頼まれたんだよ
それと今日の未明に取引もしたしね
>某3
もう辞めようや。君とからんでもアレだしね。
狼>羊にもデビルモーニングスレ立ってるが?
29 :
狼:2001/03/13(火) 00:41
>>28 あっ本当だ。羊なんて逝かないからスレ立ってるの知らなかったよ
結局再開してないね。
31 :
狼:2001/03/13(火) 05:28
第1試合
あさみ&りんね&石川 VS メロン記念日
石川が団体の方針によりレンタル移籍でカントリーのりんね&あさみと緊急合体。
チャンスにするかダメにするかは石川の頑張り次第。
メロン記念日の4人も久々のモープロ出場だけに気合の入り方が違う。
第1試合とは思えぬレベルの高い攻防を繰り広げる。
途中あさみが捕まる場面もあったが、自力で脱出。タッチを受けたりんねが輪廻を連発する。
最後は石川が粘る柴田を雪崩式ダイアモンド・カッターで押さえ込んだ。
8分23秒
あさみ&りんね&○石川(ダイアモンドカッターからの体固め)●柴田(メロン記念日)
32 :
狼:2001/03/13(火) 05:29
第2試合
石黒彩 VS 辻希美
若手の高い壁として前座でのファイトで現役を続ける石黒
道場での厳しいコーチぶりをマット上でも繰り広げる。
この試合も辻の知らない関節技を多用する。まさに公開スパーリングだ
シビアな攻撃は辻にそのまま伝えようとしているようでもある。
辻も意地を見せ得意のフルスイングDDTを叩き込み、得意のノノクラッチ
だがカウント2でクリアされる。イスを持ち出して一撃食らわしてから
イスの上でのパイルドライバー。カウント2で返すものの裏拳をもらいダウンする。
仕上げに石黒は膝十字固め。膝を伸ばされた辻はマットを叩いた。
11分2秒
○石黒彩(膝十字固め)●辻希美
33 :
狼:2001/03/13(火) 05:30
>>30 人の少ない時間に更新しないとヘンなことするヤツがいるからな
マターリマッターリやるから長い目で見てちょ
34 :
狼:2001/03/13(火) 05:32
第3試合 Jrヘビー級選手権
チャンピオン チャレンジャー
矢口真里 VS 加護亜依
Jr王者として長期政権を築いてる王者矢口は更なる飛躍を求めて市井・保田と3人で
チームを結成しヘビー級進出も果たしている。矢口の目標は個人でのベルト独占だ。
タッグの方は射程圏内だがヘビーのベルトには市井の王者時代に挑戦権を強奪したものの
惜敗した過去がある。実績を作る為にもJr選手権で負ける訳にはいかない。
加護は過去に矢口を何度も追い込む場面は作るものの最後にはマットに沈められる。
通算3度目の挑戦になる加護が何と奇襲攻撃を仕掛けた。入場途中の矢口を急襲する。
ありとあらゆる凶器を矢口に投げつける。いつのまにか矢口が流血している。
加護はノリノリ状態になりアイーンダンスで場外で倒れたままの矢口をからかう。
35 :
2001/03/13(火) :2001/03/13(火) 05:34
石川雄規について語ろうぜ
36 :
狼:2001/03/13(火) 05:35
ようやくリングに生還した矢口だが流血は止まる事を知らずに顔面を赤く染めていく。
まるで矢口のもう1つの顔であるMARIのペイントのように
リズムに乗った加護は容赦なく矢口の顔面に狙いを定めて
パンチ・キック・イス攻撃、あらゆる手段を用いて攻撃の手を休めない。
余裕の加護は観客のリクエストに答えてアイーンダンス。
そして観客にアピールする余裕を見してからオリジナルの必殺技Iボムを決めた。
後頭部からマットに落とされた矢口だがかろうじてロープに手を伸ばしてエスケープ
そのまま場外に転がり落ちる。矢口の流血は果てしなく流れ続けている。
カウント3を逃した加護は悔しがるそぶりも見せなかった。
いつでも仕留めれる状態まで矢口を追い込んでいた
37 :
狼:2001/03/13(火) 05:38
「もう一発Iボム行くでー」
調子のいい時に出る関西弁まで飛び出して場外に逃げた矢口をリングに無理矢理入れる。
矢口を起こした加護はIボムの体勢に入る。
その瞬間。加護の顔が赤く染まった。
毒霧?
いや、違うようだ。毒霧じゃなく矢口は自分の流血した血を口に含んで加護目掛けて発射していた。
目を押さえてリング上を転がりまわる加護。
矢口はニヤッと藁う。毒霧じゃなく血霧が直撃して目を開けれない加護に対し
顔面キックをお返しとばかりに叩き込む。そこまでやるか?とばかりにシビアな攻撃を続ける。
38 :
狼:2001/03/13(火) 05:40
噛み付き攻撃まで見せた矢口はMARIになっていたのだろうか?
最後は戦意喪失してる加護に馬乗りパンチを連発してからスリーパーホールドで
瞬時に絞め落とした。
24分34秒
○矢口(裸絞め)●加護 矢口が防衛に成功
観客を威嚇しながら引き上げた矢口だがスタンドから見えない地点まで来ると倒れ込んだ
市井がタオルで応急処置をしながら叫ぶ
「救急車、早くしろって、やばいって」
市井の声がいつまでも響き続けていた。
39 :
狼:2001/03/13(火) 05:42
>>35 藤原組にいた石川か?
マニアックすぎて語れないべ
あんまり知らないしね
40 :
狼:2001/03/13(火) 05:43
ここまでです。続きはまだ書けてませんです。
41 :
名無し募集中。。。:2001/03/13(火) 06:24
>狼
もっとおもしろくしてくれ。
42 :
狼:2001/03/14(水) 11:17
>>7
第4試合 二冠タッグ選手権
チャンピオン チャレンジャー
飯田圭織&吉澤ひとみ VS 中澤裕子&平家みちよ
チャレンジャーチームの中澤&平家の入場前から物凄い中澤コールだ
先日100人を超す報道陣の前で1人で会見してフリー宣言したばかりだった
後から入場してきたチャンピオンの飯田と吉澤は不満一杯の顔でリングに上がった。
コールを受けてゴングが鳴った。リング上は中澤と吉澤だ。
一部で不仲説も流れる危険な顔合わせだ。物凄い中澤コールの中、闘いにくいのか
吉澤は間を取る為なのか?リングを降りマイクを取ってきてすぐにリングに戻ってきた。
「おい、中澤、辞めるヤツがなんでベルトに挑戦してくるんだよ?
辞めるなら大怪我しないうちにサッサと辞めればいいのに・・・」
43 :
狼:2001/03/14(水) 11:20
吉澤の言葉を待たずに中澤が突っかける。中澤はブチキレモードに入ったようだ
拳を強く握り吉澤の顔面を何発も何発も殴る。カットに入ってきた飯田にも鉄拳を振るう
怖い中澤が数年ぶりに甦ったようだ。平家も相乗効果で非常に動きがいい。
会場全体を敵に回した吉澤もヒールを楽しんでいるようでもあった。
札幌が地元の飯田もいつもより動きがいい。4人がハイレベルな攻防を繰り広げる熱戦も
気がつけば30分を越していた。平家に狙いを定めたチャンピオンチームは飯田と吉澤が
合体してのパイルドライバー。続けて吉澤が平家を羽交い絞めにして飯田が助走をつけての
浴びせ蹴り。だが間一髪で平家は脱出していた。
44 :
狼:2001/03/14(水) 11:22
>>7 平家に攻撃するはずの飯田の浴びせ蹴りが吉澤にジャストミート!!
平家は誤爆して動揺している飯田を場外へブレーンバスターで投げ捨ててから中澤にタッチ
中澤タッチを受けると割れんばかりの中澤コールが鳴り響く。
吉澤を起こして延髄斬り。そして久しぶりに披露したコブラツイストで締め上げて
最後は教科書通りの腕ひしぎ十字固め。飯田がカットに入るが阿吽の呼吸で平家が
飯田をしっかり抑えている。このまま腕を伸ばされれ続けば非常に危険である。
吉澤は自分からギブアップしなかったが、吉澤の将来の為を思い現場監督のつんくが
レフリーに試合をストップさせた。
40分54秒
○中澤&平家(レフリーストップ)飯田&●吉澤
中澤&平家が二冠タッグ王座を奪取。
45 :
狼:2001/03/14(水) 11:23
吉澤を介抱しに飯田が駆け寄ってきたが吉澤がマイクも使わずに泣き叫んでいる
「飯田サンが私に誤爆しなきゃ勝ってた試合ですよ。それに最後だって助けきてくださいよ」
飯田が言葉を返した
「人のせいにするんじゃないよ、負けたのは吉澤が弱いから、地元なのに恥かかせるなよ」
「なんだと、このロボット、キモインだよ」
売り言葉に買い言葉とはよく言ったもんである。壮絶な仲間割れが始まった。
さっきまでチャンピオンとしてタッグの頂点にいた2人が喧嘩をしている。
修羅場と化したリング上で殴り合いを続ける飯田と吉澤だった。
ようやく2人を分けてそれぞれ別の控え室に隔離した。
46 :
狼:2001/03/14(水) 11:24
とりあえずここまでです。
セミの安倍&鈴木VS市井&保田は次回です
競馬小説も書いてくれ
48 :
名無し娘。:2001/03/14(水) 18:48
マルチ狂いの石川の話しなんて、プロレス板でしろや!
49 :
名無し募集中。。。:2001/03/14(水) 18:57
以前書いてた奴らはもういないのか?
二章の、保田が市井を救出しにきたあたり、すきだったんだが。
50 :
狼:2001/03/15(木) 10:38
更新まで時間をください
51 :
狼:2001/03/17(土) 11:13
>>7 第5試合
安倍なつみ&鈴木あみVS市井紗耶香&保田圭
落ちるとこまで落ちた鈴木を見かねて安倍自身が鈴木とのタッグ結成を直訴
先シリーズ最終戦の武道館で加護亜依にシングルで完敗したのは記憶に新しい。
特別ルールとしてこの試合でフォールまたはギブアップを取った選手には
次期2冠ベルトへの挑戦権が与えられることになっている。
館内にBE TOGETHERが流れる中、安倍&鈴木が入場してきた。
距離を開けて入場する2人。この曲であえて入場してきた安倍の胸中はいかに・・・
52 :
狼:2001/03/17(土) 11:15
市井&保田がタッグを組む時にしか入場テーマ曲に使用しない曲が流れる。
デビュー当時から入場テーマに使用している愛着のある曲だ。
リング上に4人が揃い。鈴木が市井に視線を送るが市井は気がつかないフリをした。
かつて小室プロレスの入門試験を市井と鈴木は同じ時期に受けていた。
鈴木が合格を勝ち取り、不合格の市井は当時弱小インディー団体であったモープロの門を叩いた過去があった。
その2人が同じリングに立つのも因縁なんだろうか?
試合開始を告げる乾いたゴングの音色が響く。
安倍・市井・保田が高度な攻防を繰り広げる中、やはり鈴木の動きの悪さが目立つ。
所属団体とのトラブルに巻き込まれトレーニングも満足にできない状況とは言えあまりの
動きの悪さに観客から失笑を買う連続だ。
何度も市井&保田に捕まりピンチに陥る度に安倍がカットに飛び込む。
53 :
狼:2001/03/17(土) 11:16
動きの止まった鈴木からタッチを受けた安倍は猛スパーク。
コーナーで控えている市井にナッチバンクラッシュ。たまらず市井が鉄柵まで飛ばされた。
試合権利のある保田にナッチラリアットの乱れ撃ちから体重を乗せたパワースラム。
必殺のモーニングハンマーで保田に大きなダメージを与えてから鈴木にタッチを要求している。
安倍は鈴木にフォールを取らせて二冠ベルトへの挑戦権を獲得させてそれを復活のきっかけに
してほしいと考えていた。だがプライドの高い鈴木は安倍の伸ばす手を放置し続けた。
保田が息を吹き返し蘇生してきた。仕方なく保田に攻撃を続ける安倍。
サソリ固めで安倍が保田を捕らえた時に事件は起こった。
54 :
狼:2001/03/17(土) 11:18
ようやくエプロンまで戻ってきた市井が保田を救出する為にリングインする。
安倍は市井が自分の間合いまで近づいたらサソリ固めを解いて市井に攻撃する考えだった。
市井の動きを集中して間合いを計算する安倍。
だが安倍すら予期できない攻撃が安倍を襲った。安倍の視界に白い物体が突如飛び込んできた
白い物体の正体は白いリングシューズを履いていた鈴木だった。
鈴木は安倍の死角から強烈な顔面キックを放っていた。
無防備の安倍の顔面は大ダメージを受けいつもより多めに膨らんでいる。
鈴木はリングを降りマイクを握り安倍に向けて一言だけ叫んだ
「お前に同情されたくないんだよ、落ちぶれた私なんかほっとけよ」
55 :
狼:2001/03/17(土) 11:19
そう言い残し鈴木はリングに背を向けて嵐のようなブーイングの中を去っていった。
このチャンスを百戦錬磨の市井&保田が見逃す訳は無い。顔面にダメージのある安倍に
市井と保田が顔面キックと延髄斬りのサンドイッチ攻撃
そこから保田が急角度のバックドロップ。2発目のバックドロップをそのままホールドして
カウント3を奪った。
16分23秒
市井&○保田(バックドロップホールド)●安倍&鈴木
特別ルールによりピンフォールを奪った保田が二冠ベルト挑戦権獲得
矢口の大流血に始まり飯田と吉澤の仲間割れ、鈴木あみが味方の安倍に対し不意打ちの顔面キック
雪の降る季節の札幌にモープロが試合を行うと事件が起こるジンクスは今年も消えなかった。
まもなくメインでシングル初対決となる後藤VS福田が二冠ヘビー級選手権として行われる。
56 :
:2001/03/19(月) 04:08
57 :
狼:2001/03/19(月) 05:29
見てる人いるのかな?
いたら更新は待ってて
話がまとまらないのよ
58 :
狼:2001/03/21(水) 00:57
第6試合 二冠ヘビー級選手権
チャンピオン チャレンジャー
後藤真希 VS 福田明日香
>>7 「このベルトを汚す人間は絶対に許さない。リングに舞い戻ってきた天才、福田明日香入場!」
リングアナウンサーからコールを受け青コーナーから福田が入場してきた。
横には中澤、平家、飯田、石黒そして安倍の姿まで見える。一期生全員が福田のセコンドに集結した。
後藤打倒の為に福田を援護するのなら手段を選ばないとまで言ってのけた安倍の言葉は現実だったようだ
「誰が相手でも邪魔するヤツは潰すだけ、王道驀進中、後藤真希入場!」
赤コーナーから後藤が入場してくる。いつも通りベルトを吉澤と石川に持たせて入場してくる。
59 :
狼:2001/03/21(水) 00:58
リング上から吉澤と石川が無造作にベルトを本部席に投げ捨てる。その様子を見た福田は顔を
しかめたが後藤から右手を差し出した握手には右手を出して応えた。
両雄の握手という意外にクリーンな雰囲気なままゴングが鳴った。
ファイトスタイルが水と油とまで言われていた後藤と福田だが試合が始まれば見事に
噛みあった攻防を繰り広げている。
後にモープロ史、最大の汚点と語り継がれることになる後藤VS福田の幕が落とされた。
60 :
狼:2001/03/21(水) 00:59
後藤の右腕を徹底的に攻撃していた福田が狙いを換えて銀杏エルボーを乱射する。
思わず怯んだ後藤に低空ドロップキックから後藤のバックを捕りジャーマンの体勢に入ろうとするが
後藤はロープを懸命に掴んでなりふり構わず脱出する。25分が過ぎた頃から福田のセコンドの
中澤がさかんにエプロンまで上がってきて後藤を挑発しだした。
「後藤、明日香のジャーマンに怖がってんちゃうで、チャンピオンやろ逃げてたらかっこ悪いで」
それだけでなくロープに走った後藤の足をリング下から安倍が引っ張りそのまま場外に引きずり降ろす
場外に落とした後藤を安倍・飯田・石黒・平家・中澤の5人でストンピングを叩き込む
61 :
狼:2001/03/21(水) 01:01
反対側から血相を変えて石川・吉澤が後藤を救出する。
「汚いで、外野は黙っとけや」
加護が火に油をそそぐ
「全面戦争だべ、なっち達も戦ってるべ」
「関係ないヤツは黙っとけ、ここでやってやろうか?」
熱くなった辻がいつもより早口になって挑発している。どうやら素に戻っているようだ
リング下で福田派(安倍・飯田・石黒・中澤・平家)と後藤派(石川・吉澤・辻・加護)が
一食触発の状態で睨みあっている危険な状態が続いている。
異常な雰囲気に気がついた後藤の攻撃が雑になってきた。集中力が明らかに落ちだした。
またもやエプロンに上がった安倍にレフリーのまことが注意している横から蹴りを叩き込む。
62 :
狼:2001/03/21(水) 01:02
続いて本来の相手の福田にラリアットを狙うが、イライラしていたのかかなり大振りになっていた。
落ち着いてしゃがんで回避した福田は背中にスキのあった後藤の背後を捕り投げ捨て式のジャーマンを放った
「ジャーマンは芸術性のある技なんで投げ捨て式じゃなくホールドにこだわりたい」
かつてインタビューで語っていた福田が勝利優先の為に投げ捨て式を放った。
脳天からマットに突き刺さりダウンしている後藤の髪を引っ張り起こして
今度はブリッジの利いた美しいジャーマンスープレックスホールドだ。
しかもホールドした手を離さずに福田は回転してジャーマンを連発する。
かつてデビュー当時に使用していたローリングジャーマンだ。
63 :
狼:2001/03/23(金) 10:23
この技をビデオでしか見たことの無い観客が驚きの声を上げている。
5回目のジャーマンをホールドしてカウントが入る。
福田の勝利を確信して安倍と飯田がリングに入ってきてレフリーと一緒にマットを3回叩いた。
だが、レフリーだけはカウント3を数えなかった。微妙なタイミングだったが後藤の肩が
上がったと主張している。リングに無法侵入している安倍と飯田に対し後藤のセコンドの
吉澤と石川がイスを何個も何個も投げつける。安倍と飯田はイスの直撃を受け場外に退避したが
リングに投げ入れたイスがレフリーのまことの顔面に当たり、まことはリング下に転落する。
64 :
狼:2001/03/23(金) 10:23
ローリングジャーマンでもカウント3を奪えなかった福田だがあくまでもジャーマンに拘る。
十分にブリッジの利いた美しい橋がリング上に架かった。
だがカウントを数えるべきレフリーは場外に転落している。クールなイメージの福田が露骨に悔しそうな表情を見せた。
レフリーのまことは場外で加護にあちらこちらに粘着力の強いシールを貼られて呼吸が苦しそうだった。
ノーレフリー状態のままでも試合は続いている。驚異的なスタミナを誇る後藤が福田に突進するも
福田は見事なフランケンシュタイナーで切り返す。が、後藤は踏ん張って福田の回転を止めた。
65 :
狼:2001/03/23(金) 10:24
空中で逆さまになった福田の体をそのままパワーボムのような形で頭から落とした。
高角度垂直落下式パワーボムとでも呼べばいいのだろうか?極めて危険な角度で叩きつけられ
ピクリとも動かなくなった福田。絶妙のタイミングでレフリーをリングに戻した吉澤を見て
後藤がムーンサルトで宙を舞うためにコーナーに上る。
最上段に後藤が到達した時に白煙が後藤を襲った。なんと中澤が消火器を使って後藤に噴射した。
そのまま後藤のセコンドの4人にも消火器を噴射する。
消火器を浴びて視界を奪われた後藤はコーナー上で目を抑えて苦しみの表情を浮かべている。
66 :
狼:2001/03/23(金) 10:25
そこにまたも安倍&飯田が乱入してきて飯田が雪崩式の垂直落下式DDTで後藤を襲う。
そして安倍が目の見えない後藤にナッチバンクラッシュで圧殺して飯田が長い脚を振り上げカカト落とし
今度は安倍が体重を乗せたムロランスタンピートで後藤をKOして倒れたままの福田の体を抱えて
大の字の後藤の体の上に重ねる。石黒がレフリーのまことを脅してカウント3を数えさせた。
46分11秒
○福田(体固め)●後藤
福田が二冠王座を奪取
67 :
狼:2001/03/23(金) 10:29
後藤を二冠王座から転落させることに成功したを安倍・飯田・石黒・中澤そして平家が抱き合って
喜んでいる。乱入攻撃からの王座移動に納得できない後藤派の観客が怒りのブーイングをしている
興奮した観客がペットボトルや紙コップなど物を投げ入れる。ぬいぐるみが直撃した中澤が逆キレ
するなど札幌の会場内に不穏なムードのまま、消火器を浴びた後藤のセコンドの4人が各々右手に
イスを持ってリングに駆け上がり、オリジナルと新メンバーの構図で大乱闘が始まった。
気がつけば試合でダメージを受け場外で倒れたままの後藤と福田、そして市井・矢口・保田の5人を除く
モープロ所属全レスラーが乱闘をしている。
68 :
狼:2001/03/23(金) 10:31
人数と経験で勝るオリジナルメンバー派が新メン派を蹴散らしマイクを握った中澤が叫ぶ
「明日香、なっち、カオリ、彩っぺ、みっちゃん、そして私。まだまだ私達の時代やで」
続いてマイクを中澤から受けた安倍が続ける
「後藤、そして紗耶香。私達の邪魔をするなら潰す。」
一致団結をアピールしたオリジナルメンバー達はペットボトルや缶ビール、そして嵐のような
ブーイングの中を堂々と花道から去った行った。
リングの興奮そのままに観客席でもあちらこちらで乱闘が始まっていた。
「物を投げないでください。お客さま同士での乱闘は危険ですので止めてください」
エンドレスで流れる場内アナウンスと担架で運ばれる観客が止まる事は無かった・・・
69 :
狼:2001/03/23(金) 10:32
数時間が経過し着替えを終えて控え室から出てきた後藤をたくさんの記者とフラッシュが待っていた。
質問に何も答えないで終始うつむいたまま後藤はただ一言だけ言葉を発した
「こんな会社辞めてやる」
衝撃的な言葉を残して雪の降る札幌の町に独りきりで姿を消した。
70 :
名無し募集中。。。:2001/03/24(土) 14:33
橋本VS健介
藤田VSノートン
そんなの見たくないね
長州VS橋本じゃなきゃつまらないよ
71 :
名無し募集中。。。:2001/03/24(土) 23:36
シンニチツマンナイネ
72 :
名無し募集中。。。:2001/03/24(土) 23:37
橋本=安倍豚
ここのところずっと狼さんが書いてるけど、
書きたいネタがあるので、割り込ませてもらいます。
できる限り、これまでの流れを損なわないようにしますが、
狼さんが書こうとしてるやつに差し支えがあったら
このネタはなかったことにして続けてください。
第1世代と第3世代が大乱闘を繰り広げていたその時、
「下らないね。こんなつまらないメイン、久しぶりだよ」
控え室でモニターを見ていた市井が口を開いた。
「こんな風に内輪で争ってたって、見てる人は白けるだけ。
私が訴え続けてた事が、何一つみんなに伝わってない」
このところ、モープロに対する批判が目立つ市井。
横にいる保田と矢口も、黙ってそれにうなずいている。
――後藤選手が市井さんから奪ったベルトを失いましたが、どう思われますか?
「さすがに今日の試合は、後藤も考えるところがあったと思う。
まぁ、お互いプロなんだし、今さら私は口出ししないよ。
一つ言えるのは、今日からしばらくの期間が、あの子の将来を決めるって事」
――それに対して、市井さんはこれからどうするんですか?
「まぁ…私も、ちょっと企んでる事あるから。次のシリーズ、見てて」
市井は、意味深なコメントを残して引き上げた。
ドームでの2冠王座陥落以来、他団体のマットに上がることが増えてきた市井。
しかも、各団体のトップどころを、ことごとく破っている。
「今はまだ、水面下で動いてる状態だから。コメントはできない」
市井は、終始その一点張りを続ける。
そして、モープロの新シリーズが開幕。その初日第1試合、
モープロを離れてVT界で活躍していたダニエルが緊急凱旋し、
市井とのタッグで登場。石川・あさみ組がこれを迎え撃った。
最近の市井の言動に、嫌が応にも期待が集まったが、試合内容は意外なものだった。
ダニエルがドラゴンスクリュー6連発からアキレス腱固めであさみの足を破壊。
孤立した石川を市井がスリーパーで絞め落とし、新技の膝蹴りを顔面に決めてフォール。
カットやタッチワークなど、市井とダニエルの連携は完璧だった。
わずか2分20秒のあっけない試合に、場内がどよめきに包まれた。
「期待はずれな試合で悪いね。でも、明日だ、明日。びっくりさせてやるよ」
市井・ダニエルはその後の試合を見ることなく、さっさと帰っていった。
翌日、第1試合で市井と飯田のシングルマッチ。入場した市井の後ろには、
なんと沖縄プロ・Folder5のジュニアスターAKINAと、ホリプロの
ヘビー級王者深田恭子。さらにダニエルが続き、市井は得意満面の表情でリングイン。
観客だけでなく、飯田とそのセコンドの安倍・石黒もあっけに取られた。
ゴング後も動揺のせいか動きが鈍い飯田。
市井はそれを見逃さず、エルボーの連打から久々のタイガードライバー。
ふらふらと起き上がる飯田に、容赦なくペティグリーを決める。
セコンドの檄でなんとか意識を取り戻し、市井をチョークスラムに捕らえる飯田だが、
市井は素早い切り返しで脇固めに取ってみせる。ロープに飯田の足が掛かると、
いったん間合いをとって昨日と同じ膝蹴りで飯田を沈めた。
試合時間は4分8秒。観客は“強い市井”の復活に酔う。
リング上に集まった4人は、がっちりと握手をしてアピール。
“団体の枠を超えたユニット”という構想が、ついに明らかにされた。
「こっからだ。内輪でごちゃごちゃやってる連中、みんな潰していくぞ」
“市井ユニオン”と仮名がついたこの団体は、一気にモープロの台風の目となった。
後日、保田・矢口両選手のコメント。
「いいんじゃない? 面白そうじゃん。確かに、マンネリ化してたからね。
まぁ、市井ユニオンってのは…早いうちにちゃんとしたチーム名決めなきゃ」
「紗耶香が動いてたのは知ってた。でも、ウチら3人はそういうの関係なく、
仲間だから。一緒にモープロを変えていけたらって思ってる」
この言葉通り、保田・ダニエルや矢口・AKINAのタッグが間もなくして実現し、
オリメンと新メンの抗争が霞んで見えるほど市井ユニオンは暴れまわった。
そして、その熱が頂点に達したのはシリーズ終盤、
メインで行われた市井保田ダニエル組と安倍飯田石黒組の6人タッグ。
試合は15分35秒、保田が安倍をバックドロップホールドでフォールしたが、
エキサイトした6人の乱闘は収まることを知らなかった。しかしその時、
昨年ミリプロからアメリカに主戦場を移し、極秘帰国していた宇多田ヒカルが乱入。
第1世代軍をタックルの乱打で蹴散らし、市井と握手。
ダニエルのマイクで、“God's Ark Translate Trading(国境を超えた神の船)”
略してGATTという正式チーム名も発表された。
これを受け、プロデューサーつんくは最終日のカードを大幅に変更。
GATT対正規軍の全面戦争という形になった。
シリーズ最終日・後楽園ホール大会
第1試合
鈴木あみ 対 深田恭子
第2試合 ジュニアヘビー級選手権試合
王者 挑戦者
矢口真里 対 辻希美
第3試合
石川梨華・吉澤ひとみ 対 市井紗耶香・宇多田ヒカル
第4試合
安倍なつみ 対 ダニエル
第5試合
加護亜依 対 AKINA
第6試合 二冠ヘビー級タッグ選手権試合
王者 挑戦者
中澤裕子・平家みちよ 対 飯田圭織・石黒彩
第7試合 二冠ヘビー級選手権試合
王者 挑戦者
福田明日香 対 保田圭
第1試合は、プライベートでも親交の深い二人がついに初対決。
片や引退危機の鈴木に対し、ホリプロのベルトをもはや私物化している深田。
オープニングから、非常に厳しい闘いが予想される
第2試合は、GATTという刺激を受けて絶好調の王者矢口に、
今シリーズ中オリメンにしごかれ続けた辻が挑む
第3試合は、GATT最大の目玉である市井と宇多田のタッグデビュー。
タッグ戦に強いといわれる石川・吉澤が、夢のチームにどこまで通用するか
第4試合は、久々の対決となるパワー頂上決戦。今の二人の調子を考えると
タイトルマッチでもおかしくないほど。迫力ある闘いに期待
第5試合は、事実上の次期ジュニア王座挑戦者決定戦。
矢口へのリベンジを目指す加護が、沖縄プロの誇る
ジュニアスターAKINAを破って弾みをつけられるか
第6試合は、当初の予定通り第1世代同士のカードとなった。
元祖デビモニと元祖タンポポの闘いは、オールドファンが待ちに待った対決といえる
第7試合は、GATTによる外敵の出現で意気上がる二人の、
最近には珍しく遺恨めいた感じがない二冠戦。
しかし、実力派で売ってきた二人だけに、ハイレベルな攻防は必至
ベタベタなマッチメークですいません。
試合の方はこれから書いていきます。
また、先に誰かが書いてくれても構いません。
その際には、カード変更なんかもどんどんしちゃって下さい。
第1試合
鈴木あみ 対 深田恭子
かつて名コンビとして名を馳せたこの二人。華麗にして緻密な鈴木と、
パワーで押す深田。安倍・福田と同じく、シングルでの対決が最も期待されていた。
しかし、それはもう過去の話。今の鈴木は、どん底をさまよっている。
ゴングと同時に深田がラリアットで鈴木をなぎ倒す。
さらに仰向けの鈴木を無理やり持ち上げ、高角度のパワーボム。
秒殺を狙ってそのままホールドの体勢に入るも、
カウント1で鈴木が深田を吹っとばし、仕切り直しとなった。
エンジンのかかった鈴木は、これまでの低迷がウソのように動きが良かった。
延髄斬り、ローリングエルボー、ドロップキック。リング上を縦横無尽に
駆け巡る鈴木が帰ってきた。しかし、深田はそれらを全て受け切って、
手を叩いて“もっとガンガン来いよ”とアピール。恭子コールが起こる場内。
だが、約5分ほど続いた深田の流れは、深田が蹴りに転じた時に動いた。
5発目のローキックが放たれると同時に鈴木が踏み込んで、なんとグーパンチ。
この日初めて深田が倒れると、すかさず伝家の宝刀・STFを決める。
しばらくは振りほどこうとしていた深田だったが、10分経過のアナウンスと同時に
鈴木をロープ際まで引きずってブレイク。ここはスーパーヘビー級の面目躍如か。
再び仕切り直した二人は、嬉しそうな表情をしている。
タッグを組んでいた頃のように、二人だけの世界に入り込んでいるようだ。
少しの膠着状態のあと、深田がラリアットを叩きこむ。
しかし、鈴木はすぐに立ち上がって背後から低空ドロップキック。
さらにセカンドロープから顔面へのジャンピングエルボーをぶち込み、
ドラゴンスクリューからSTFを再びガッチリ決める。
並み居るヘビー級の敵を沈めてきた“あみフルコース”の復活だった。
足にダメージを負った深田は今度こそリング中央から動けず、
決まったかと思われたが――ふいに、鈴木の意識が一瞬だけ遠のいた。
予想外のスタミナ切れに、深田の方が一瞬驚いたが、すぐに体勢を逆転。
強引に鈴木を抱え上げ、雪崩式のスプラシュマウンテンからそのままホールド。
誰もが“終わった”と思った、その時――
カウント2で、弾かれたように鈴木の体が跳ねた。どよめく場内。
リング上で二人は大の字になるが、先に立ち上がったのは鈴木の方だった。
“鈴木あみは、まだ死んでない”目の輝きが、そう語っていた。
そんな鈴木の首に、するっと巻きつく腕。深田が、背後からのスリーパーを仕掛けたのだ。
完全に虚を突かれた鈴木は、10秒以上ふらふら歩き回った後、倒れた。
なおも絞め続ける深田。鈴木の目はすでに閉じ、レフリーの声にも反応しない。
どよめきと悲鳴が入り混じった地鳴りのような歓声の中、無情のゴングが響いた。
○深田(レフリーストップ、19分42秒)鈴木●
勝ち名乗りを上げた深田は、号泣する鈴木を抱え起こし、
二人で花道を引き上げた。どこからともなく拍手が起こる場内。
花道の真ん中で、鈴木はリングに向かって深く礼をした。
第2試合 ジュニアヘビー級選手権試合
王者 挑戦者
矢口真里 対 辻希美
モープロのジュニアベルトは、もはや矢口だけの物になろうとしていた。
さらに、盟友・市井が立ち上げた新ユニットGATT。
今までにない、団体の枠を越えた夢の対決を実現するためのこのユニットで、
ベルトを守る立場にあった矢口は新たなモチベーションの拠り所を得た。
その充実ぶりは、今シリーズで安倍、飯田、吉澤、中澤と破っている事からも覗える。
対する辻は、ここの所伸び悩んでいる。フルスイングDDTを始めとした
強力な持ち技を、持て余しているような印象を受ける。
このタイトルマッチが決まってから、格下のメロン大谷にしか勝っていない。
二人のテンションの差は、リングに入った瞬間に表れてしまっていた。
しかし、その状況はすぐに一変する。
ベルト返還の瞬間、辻が猛然と矢口に“殴りかかった”のだ。
矢口をリング下に叩き落とし、注意したレフリーを睨み付ける。
その、とても辻のものとは思えない目つきに、場内が騒然となった。
場外では、辻のセコンドの加護が矢口を執拗に、鉄柵に叩きつけている。
予想外の展開で、思わぬダメージを受けた矢口だったが、
加護をドロップキックで迎撃してリングに復帰。そこでようやくゴングが鳴った。
すると今度は辻がうって変わって、辻らしからぬ試合運びを見せる。
上体を落とし、どっしり構えて矢口の攻撃を受け流す。5分過ぎ、
矢口が放った姿勢の低いタックルも上手く腕を取り、グラウンドを展開。
次第に焦りを募らせる矢口に対して、辻は確実に関節を攻めていく。
矢口の足をロックしてポーズを決め、倒れ込むというオリジナルレッグロックも披露。
そのレッグロックをロープブレイクした瞬間、矢口はキレた。
そして、それを待っていたと言わんばかりに激しい攻めに転じる辻。
そこから後は、ジュニアとは思えないほど壮絶な試合だった。
まるで暗黙の了解でもしているかのように、倒れた相手をカバーせず、引きずり起こす。
だが次第に、前半の関節技のダメージが、矢口の体に重くのしかかっていく。
短期決着を狙った矢口は、一瞬の隙を突いて辻を抱え、そのままツームストン。
さらに、頭を抱えてもんどりうつ辻に、トップロープからのムーンサルト。
そしてそのまま、スコーピオンデスロックの体勢に入る。
加護が思わずエプロンに上がった。しかし、苦しい体勢の辻がそれを制した。
これだけのダメージを覚悟で、辻はこの焦った仕掛けを狙っていたのだ。
スコーピオンが決まったと思った瞬間、辻は矢口の股下をするりと抜け、
反対側のロープを悠々と掴む。最後の賭けに失敗した矢口はもう余力がなく、
辻のフルスイングDDTから正調ライガーボムで完璧にホールド。
エプロンサイドの加護が腕を振り上げて3カウントを叫んだ。
○辻(ライガーボム、14分08秒)矢口●
辻が初のジュニア王座奪取
悲願の初タイトルを手にした辻は、リング上で加護と抱き合って泣いた。
矢口がよろよろと退場すると、辻がマイクを手にした。
「ここの門を叩いてもうすぐ1年になります。今日が、辻希美の本当のスタートです」
辻&加護、事実上のジュニア新時代宣言。
95 :
名無し募集中。。。:2001/03/27(火) 08:32
期待あげ
96 :
サルサ:2001/03/27(火) 15:05
石黒って、新人の登竜門だったんだ…
石川ファイト!
第3試合
石川梨華・吉澤ひとみ 対 市井紗耶香・宇多田ヒカル
カントリーと合体し、インディーを転戦している石川のおかげで、
他団体のファンが多数この会場に集まっている。そんなお祭りムードの中、
今日の本命ともいうべき市井・宇多田組が大歓声と共に入場。
そのセコンドには、ミリプロから椎名林檎と浜崎あゆみが駆け付けた。
ファンの期待をさらに越える、まさに夢の競演だった。
続いて石川・吉澤組が入場。なんと、吉澤が顔にペイントを施している。
「なんのつもり? ヒールにでも転向するの?」
リング上で問いただした市井に、吉澤が毒霧を浴びせた。
「気分転換だよ。文句あんのか?」
視界を奪われ暴れ回る市井と、それを見てケラケラと笑う石川。
しかし、得意げな顔をしていた吉澤に宇多田のスワンダイブが炸裂。
ホールの盛り上がりが頂点に達した所で、ゴングが鳴らされた。
吉澤と宇多田の組み合いになると、しばらくその体勢が続く。
しかし、会場が静まり返った瞬間、吉澤が超高速ブレーンバスターを繰り出す。
予想外の速さで叩きつけられた宇多田は、たまらず市井にタッチ。
ようやく毒霧に奪われた視界が回復した市井が先制のエルボーを打ち込むと、
負けじと吉澤はラリアットで応戦。その威力に思わず倒れた市井は、
“今までの吉澤じゃない”という事を初めて感じ取った。
吉澤もまた、この最終日に照準を合わせていた。
飯田とのタッグが崩壊して、初めてのベルトを失ったことで決心がついた吉澤は、
パートナーに同期の石川を指名し、ペイントによる自らの意識改革に踏み込んだのだ。
そして、それを封印していたシリーズ中の鬱憤を晴らすように、吉澤は爆発した。
起き上がりかけの市井を抱え上げてパワーボム。市井が場外にエスケープすると、
迷わずトペを敢行。自らも鉄柵に激突したが、すぐさまリングに上がった。
市井に代わって宇多田がリングに入ると、吉澤も石川にタッチ。
さっきまでとはまるで違う、静かながらレベルの高い攻防を展開した。
「日本最強」を謳ってアメリカに乗り込んだ宇多田のグラウンド技術は、
宇多田にとって久々のモープロリングでもやはり際立っていた。
同じくグラウンドの評価が高い石川に対し、お手本のような足殺しを展開。
それでいて、隙あらばカットに入ろうという吉澤を、しっかり牽制している。
ロープにしがみ付いてアキレスホールドをしのいだ石川は、吉澤にタッチ。
すると吉澤は、さっきのお返しとばかりにスワンダイブを宇多田にぶち込む。
反対側のロープ際まで吹っ飛ばされた宇多田だったが、すぐにタックルで切り返し。
そのまま吉澤からマウントを取ると、何発も顔面にパンチを入れていく。
だが、体格に勝る吉澤は体勢を逆転して間合いを取る。
そこから、お互いに決め手がないまま長い膠着状態が続いた。
局面を変えたのは25分過ぎ、市井が石川に対し、エルボーからスリーパーを決めたシーン。
吉澤がカットに入ろうとした瞬間、市井はノーザンライトボムに移行して石川をKO。
一人になってしまった吉澤だが、スタミナはまだまだ残っている。
汗でペイントがほとんど落ちており、そのせいで吉澤の眼光が一層鋭く感じられた。
ラリアット3発からの雪崩式フランケンシュタイナーで市井を脳天から叩きつけて、
そのままフォールの体勢に。しかし、宇多田がカットに入ると、
それを逆水平チョップで迎撃し、なんとエメラルドフロウジョンで宇多田を失神させる。
すぐにトップロープからのローリングセントーンが市井に炸裂。
片エビ固めに取る吉澤だったが――市井が、無意識にロープに手をかけた。
セコンドの椎名の檄に反応したのだ。大技を連発した吉澤は、息が切れている。
復活した市井が、最後の力を振り絞ってサヤカスタナーを決めた。
石川と宇多田はまだ場外に転がっている。大歓声の中、レフリーがマットを3回叩いた。
○市井・宇多田(サヤカスタナー、28分14秒)石川・吉澤●
「今日は二人とも良かった。特に吉澤、あの子はようやく脱皮したね。
これからは、もうあいつらを若手呼ばわりしないよ」
市井は嬉しそうに報道陣の前でそう語って、控え室に入っていった。
「石川ちゃん――あの子、気に入った。弟子にしたいくらい」
久々にグラウンドの手応えを掴んだ宇多田も、嬉しそうな様子だった。
GATTの控え室で、うつむいたまま座り込んでいるダニエル。
そのいつもと違う様子に、宇多田が気付いた。
「Alright. We got it@` so you can get it.
(大丈夫、私達が勝ったんだから、あなたも勝てる)」
ダニエルの肩に手を置いた宇多田がそう励ますと、ダニエルは微笑んで応えた。
しかし、ダニエルの中にあるのは、何かもっと別の不安だった。
「そろそろ時間だよ。行こうか、ダニエル」
市井の一声で、GATTメンバーは花道に向かった。
これまででもっとも長く、無冠が続いている安倍。
さらに世代闘争が勃発し、それに喝を入れるように市井がGATTを結成。
モープロは、また安倍自身も、迷走期に入ろうとしていた。
しかし、たった一人でモープロに反旗を翻した後藤を思い、安倍は踏み止まった。
このシリーズ最終日、安倍は自分なりの答えを用意したつもりだ。
GATTのメンバーと共に入場してきたダニエルを、リング上からまっすぐ見つめる。
第4試合
安倍なつみ 対 ダニエル
ゴングが鳴ると同時に、ダニエルが安倍の足をとりにいった。
そのまま巨体を揺らして強引にドラゴンスクリュー。
すぐに起き上がった安倍が、お返しに重いローキックを連発。
6発目のあとに逆から延髄切りを叩きこんでダウンさせる。
重量級同士とは思えないスピーディーな攻防に、場内は沸き上がる。
3分が経過した頃、安倍がラリアットでダニエルを倒すと、そのまま抱えてロープに登った。
そして、コーナー近くのテレビカメラに向かって叫んだ。
「ごっちん、しっかり見とくべさ! これがなっちの答えだべ!」
雪崩式DDTを決めると、ブレーンバスターのように再び抱え上げる。
そのままの姿勢で数秒間とどまって、意を決してジャンプ。
ダニエルの体を捻りながら、その脳天を思いっきり叩きつけた。ついに初公開された、
“スノーランドスクリュードライバー”。GATTのメンバーに、戦慄が走る。
これだけでは終わらない。なんと、もう一度SSDを決める。
危険な技を二度も食らって大の字になったダニエルを見て、
安倍は髪をかき上げ、天井を仰ぐ。ため息をついて視線を戻すと、
再びダニエルを抱え上げた。GATTのメンバーがエプロンから身を乗り出す。
「やめろ、なっち! それ以上やったら――」
市井の制止を無視して、3度目のSSD。騒然となる観客。
今にもリングに乱入しそうなGATTメンバーと睨み合いになる安倍。
その安倍の後ろで、レフリーがダニエルの頬を張って意識の有無を確かめると、
ゴングを要請。ダニエルは、すぐに担架で運ばれた。
○安倍(レフリーストップ、4分35秒)ダニエル●
リング内に押し寄せたGATT勢を無視して引き上げる安倍。
初めて見せるその冷たい表情に、報道陣も近づけなかった。
控え室前で立ち止まった安倍は、カメラに向かって一言だけ、力強く言った。
「なっちと試合したい奴は、墓を用意して来い」
第5試合
加護亜依 対 AKINA
先程ベルトを奪取した辻を引きつれて、加護が登場。
第2・第3試合での四期生の活躍で、ファンの期待が加護に集まっていた。
もちろん、加護自身も燃えていた。久しぶりのジュニアでの外敵。
しかも、ジュニア王国といわれる沖縄プロのベルトを1年前から防衛中のAKINA。
そのAKINAがFolder5のメンバーと共に入場してくると、
加護はリングを飛び降りて花道の上で急襲。ドロップキックでAKINAをふっとばし、
またダッシュでリングに戻って辻と“アイーン”を決める。
加護はこれで、観客を完全に味方につけた。
しかし、試合が始まると、極悪ヒール軍団MAXをリスペクトするAKINAが、
メンバーがリングに投げ入れた凶器を使ってペースを取り戻す。
ダウンした加護に顔面キックを10発以上叩きこむと、ついに流血。
さらにAKINAは、DDTで加護の顔面を責める。
うつ伏せで動かなくなった加護の髪を掴んで起こし、顔を近づけると、
「クソガキが、10年早いんだよ。プロレスをナメやがって」
ドスの利いた声で凄んだ。それを見た観客は、“格の違い”を感じ始めていた。
だが、全く動かなかった加護が突然目を見開き、AKINAの顔面に唾を吐いた。
AKINAの右頬に、血の混じった唾が付いた。初めて味わう、屈辱的な行為だった。
「このっ……ブッ殺してやる!」
物騒なセリフを吐いて、AKINAがパワーボムの体勢に入った。
しかし、加護は宙に浮いた足でAKINAの首をはさみ、素早いウラカンラナで切り返す。
思わぬ反撃に慌てて起き上がったAKINAだったが、目の前に加護の姿はなかった。
「そっちこそ、ガキをナメてたら痛い目にあうで」
背後からその声が聞こえた瞬間、ものすごい衝撃が背中を襲い、吹っ飛ばされた。
一瞬でトップロープに登っていた加護の、ミサイルキックだった。
場外まで転がったAKINAを、加護も追いかける。
いち早くAKINAを捕らえ、鉄柵に思いっきり叩きつけると、
間髪入れずに顔面へのドロップキックが、鉄柵との串刺し状態でモロに入る。
メンバーのサポートで、加護に遅れてリングに戻ったAKINAは、流血していた。
リング上で、マット界を代表する美少女二人が、鮮血に顔を染めている。
それから約20分間、フラフラのまま闘い続けた二人だったが、
顔面への張り手で加護の意識が途切れ、AKINAに勝機が訪れた。
満を持してパワーボムの体勢に捕らえたが、違和感に気付く。
「!? 持ち上がんない――ウソでしょ」
途切れた加護の意識は、氾濫した記憶に埋もれていた。
その時、一つの言葉が、その意識をかすめる。
『後藤はさぁー、1番ヤバい時に咄嗟に出るのが、本当の必殺技だと思うのね』
それは、このモープロに入って初めて人に教わった事。
“あの人”に言われて、目から鱗が落ちた言葉だった。
加護は、素早く体勢を入れ替えた。血が目に入って、前がよく見えない。
だが、加護にとってはそれがちょうどいいような気がした。
加護には、死ぬほど練習してきた“目をつぶっても出せる技”が、一つだけある。
のちにジュニア史上最高の名必殺技といわれることになる、iボム。
AKINAは、全く抵抗することができず、それを食らってしまった。
だが、加護もそこまでが限界だった。リング上で大の字になる二人。
レフリーの呼びかけにも、全く反応しない。そして、ゴングが“引き分け”を告げる。
実に今日3回目のレフリーストップだが、不満に思う者は誰もいなかった。
加護(レフリーストップ、38分53秒)AKINA
惜しみない拍手の中、それぞれセコンドに抱えられて引き上げる二人。
AKINAには意識はなく、ダニエルに続いて病院に直行した。
「のの、ちょっと止まってくれへんかな」
辻におんぶされていた加護が、ようやく意識を取り戻した。
「なぁ、試合はどうやった?」
加護が、近くにいた記者に尋ねた。
「引き分けです、レフリーが――」
「ちゃうねん。あんたの感想や」
一瞬戸惑った記者が、慎重に言葉を選んで「素晴らしい試合でした」と言うと、
「そうか……ほんなら良かったわ」
加護はまた目を閉じた。辻が報道陣に一礼し、控え室に入っていった。
殺伐としてるね…
第6試合 二冠ヘビー級タッグ選手権試合
王者 挑戦者
中澤裕子・平家みちよ 対 飯田圭織・石黒彩
目の前で後輩達の大熱戦を見せつけられた中澤は、ため息をついた。
「なんかなぁ…世代がどうのとか、アホらしくなってきたわ」
「確かにそうかも知れんな。まぁ、姐さんもフリーになるんやし、
これからは堅苦しいのは無しで楽しんだらええんちゃう?」
「そうやな。よっしゃ、行こか」
初代デビルモーニングは、気合を入れ直してセミのリングに向かった。
もう一方の控え室では、飯田が加護の試合に涙していた。
「ねぇ、カオリ。あの子達は、自分を対等に見てほしくて、噛み付いて来たんだ。
でも……今日からは、ウチらの立派な敵だよね。認めてあげようよ」
ひたすら後輩をリング上でしごき上げ続けていた石黒は、
今日の試合を見て、今までの認識を変えた。飯田も、その言葉にうなずく。
「わかったよ、彩っぺ。ウチらも、あの子達に見せて恥ずかしくない試合しなきゃね」
初代タンポポも、決意を新たにして、花道の前に立った。
一時はモープロにおいてタッグの名勝負として親しまれたこのカードも、
実に1年半ぶりの顔合わせとなる。気合の入った表情でリングに上がった4人に、
昔からのモープロファンは胸を躍らせるような思いだった。
まずは、先発した中澤と飯田ががっちり手四つ。いきなり場内が沸く。
長身を生かして飯田が押し込もうとした所に、絶妙なタイミングで中澤のヘッドロック。
しかし、中澤が首狙いに移った瞬間、飯田が豪快なバックドロップを放つ。
その後しばらくは打撃戦となった。交代した平家も、全力でキックを叩き込んでいく。
“あの頃”を彷彿とさせる試合に、場内から拍手が起こる。
リング上の4人も楽しそうだった。ハイレベルな攻防が続いた。
25分が過ぎた頃、中澤が飯田に対してブレーンバスターを決め、
平家がムーンサルトフットプレスを合わせた。さらに、ロープに走った中澤がエルボードロップ。
寸分の狂いもなくあの頃のままのコンビ技を決めた中澤が、飯田の髪を掴んで強烈なアピール。
しかしその瞬間、スイッチが入ったように飯田が中澤を持ち上げ、すぐさまパイルドライバー。
受けが上手い中澤だが、完全に隙を突かれてもろに脳天から落ちた。
飯田はすぐに平家に突進してチョークスラムを決めると、石黒にタッチ。
朦朧としている中澤にチキンウイングアームロックが決まり、厳しい状況になるが、
ぎりぎりで平家がカット。そのまま中澤のタッチを受けた平家だったが、
ほぼ1対2になってしまい、最後は飯田のハイアングルパワーボムでピンフォール。
フラフラの中澤が必死でカットに向かうも間に合わず、久々のベルトを守れなかった。
○飯田・石黒(パワーボム、34分16秒)中澤・平家●
飯田・石黒組がタッグ王座を獲得
セミにふさわしい熱戦に、歓声が鳴り止まない。飯田がマイクを取り、
「どうしてもベルトが欲しかった。誰の挑戦でも受けて立ってやる」
名前は出さなかったが、四期生へのメッセージを送った。
「しょっぱい試合してもうたわ。加護が頑張った後やったから、余計にそう見えたかもな。
老衰や。これ以上あがいても、若い子らに示しがつかん。ベルトからは身を引くわ」
中澤は対照的に、花道の裏でこんなコメントを残して控え室に向かった。
中澤の控え室前に、石川が立っていた。緊張した面持ちをしている。
「何や? 疲れとるんや、後にしてくれるか」
すれ違おうとした中澤の肩が乱暴に掴まれ――頬を張る大きな音が、通路に響いた。
「私の知ってる中澤裕子は、相手を徹底的に叩き潰すヒールレスラーです。
今のあなたを、このまま逃がすわけにはいきません」
頬を押さえて呆然としていた中澤が、むっとして口を開く。
「別に逃げるなんて――」
「あなたには、まだ忘れ物があるはずです。このモープロのリングに」
「……」
「私と、1対1で勝負して下さい」
しばらく黙っていた中澤が、石川の頬を思いっきり叩いた。
「私に説教なんて100年早いわ。リングで会ったら捻り潰したるからな」
中澤が控え室に入ると、緊張の解けた石川は胸を撫で下ろした。
――これは事実上、中澤選手への挑戦状と見ていいんでしょうか?
「はい、構いません。あの人に認めてもらって、初めて自分が一人前になれると思いました」
――こうする事は、前から決めていたんですか?
「ついさっきです。さっきの試合で、私は何もいい所がなかった。
私一人だけが、取り残されていた気がして…これじゃダメだと思ったんです」
――石川さんはシングルで中澤選手に対して勝ち星がないですが。
「そうですね。中澤さんは、正直言って苦手なタイプです。
でも、だからこそ本気の中澤さんに勝ちたいんです。必ず、越えてみせます」
そう宣言すると、石川は自分の控え室の戻っていった。
石川と中澤の関係の詳細希望
石川ヒール転向か?
負けたら勝った方の命令に絶対服従するデスマッチガみたい
122 :
名無し娘。:2001/03/29(木) 14:23
凸(●`∧´●)凸<ケビン・ナッチだべ!
第7試合 二冠ヘビー級選手権試合
王者 挑戦者
福田明日香 対 保田圭
たった一人の控え室。初めて2本のベルトを手にした福田は、ある決意をしていた。
“ベルトの権威を高めるためには、王者がそれに相応しい試合をしなければならない。
それができなければ……たとえ防衛しても、ベルトは返上する”
前回の2冠戦。待ちに待った後藤との決戦を、世代闘争という名目の内輪もめで
台無しにされた。自分が王者だと胸を張ることは、どうしてもできなかった。
控え室のドアが開いた。試合を終えたばかりの石黒が、
「明日香、時間だよ。――頑張って来て」
短い言葉で激励した。旗揚げ当時からの仲間で、1度は引退した身で、
はぐれモーニングとして共に復活した両者。この二人に、もはや言葉は要らないのだろう。
福田は、無言で頷き、控え室を出ていった。
もう一つの控え室。ゲストである二人が病院送りになり、GATTの面々は
沈み気味だった。それだけに、最も権威ある2冠に挑む保田への期待は大きかった。
入団以来の下積みが、最も長かったといわれる保田。しかも、今回の相手は、
デビュー時から大きな壁として自分の前に立ちはだかってきた天才・福田。
周囲の人間は地味なカードだと言うが、本人にとっては、特別な意味がある試合だった。
保田は、プロレス人生で最大の高揚を感じながら、リングに向かった。
ベルトの返還が終わり、クリーンな雰囲気で始まった試合。
先に仕掛けたのは保田。福田の膝元やボディに、速く正確な蹴りを叩き込む。
何度も足を捕らえようとする福田だったが、蹴りの速さがそれを許さない。
だが、何発目かの蹴りが放たれた瞬間に、福田が素早いタックルを決め、グラウンドになだれ込む。
保田は福田の膝を、福田は保田の腕を狙っている。
モープロのマットで久々に、読み合いや駆け引きのプロレスが展開する。
そのハイレベルな一進一退の攻防に、観客は息を呑んだ。
一旦ロープブレイクすると、今度は一転して打撃技の応酬となる。
福田が出し惜しみする事なくエルボーを繰り出せば、
保田は渾身の力をこめたチョップとラリアットで対抗。一発毎に、歓声が増していく。
だが突然、保田が低空ドロップキックを放ち、福田は思わず倒れる。
すかさず保田がパワーボム。そのまま、足4の字の体勢へ。
4の字がガッチリ決まって、福田が苦悶の表情を浮かべる。
突然動き出した試合に、俄然盛り上がる場内。保田が、勝利に向かって吼える。
その状態が実に3分以上続いた後、福田の手がなんとかロープに届く。
しかし、福田は立てない。狙われ続けた膝が、ついに悲鳴を上げ始めたのだ。
保田はそれを見逃さなかった。無理やり起こして、滅多に見せないドラゴンスクリュー。
さらにもう一発決めようとした保田だったが、福田が起死回生の延髄斬り。
この1発で、保田の意識が飛んだ。起き上がれない保田にギンナンズエルボーを決めると、
痛む足をこらえて福田が意地のジャーマンを決めてホールド。保田は動けない。
だが、カウント3が入ると同時に美しいブリッジが突然崩れ、福田は足を抱えてうずくまった。
○福田(ジャーマンスープレックスホールド、18分25秒)保田●
福田が初防衛に成功
拍手を受けて退場した保田は、観客から見えない所まで来ると、
膝をついて息を切らした。目には悔し涙が浮かんでいる。無理もない。
一時はタイトルを総なめにした保田が、入団以来の目標をまたも逃したのだ。
セコンドで見守っていた市井が、肩を抱いて頭を撫でる。同じく福田という壁に
悩まされ続けた市井には、保田の悔しさが手に取るように分かっていた。
石黒に肩を支えられてベルトを受け取った福田は、予定されていた王者への
インタビューを中止して引き上げた。ため息を漏らす観客。
だが、その時――聴き慣れない曲のイントロが、会場に流れ始めた。
その曲は、今シリーズから新たに使われる“はず”の『愛のバカやろう』だった。
そして、花道に現れたその人影に、場内が割れんばかりの歓声に包まれた。
そこには、いつも通りの後藤がいた。スポットライトに照らされた花道を
駆け足でリングに向かい、前方宙返りでロープを飛び越す。
無人のリングに足を踏み入れた後藤は、超満員のホールを見渡し、マイクを手にした。
今日一番の歓声に驚いた選手達が、控え室を飛び出し、花道に現れた。
次第に、場内が静寂に包まれていく。後藤が、口を開いた。
「私は、ずっとこのモープロのリングが大好きでした」
どよめく場内。後藤がそれを遮るように続ける。
「私は、安倍なつみと鈴木あみの試合を見て、プロレスラーになろうと決めました。
たった一人でモープロの門を叩いて、最高のデビューを飾りました。
だけど……リングに上がるのが恐くなった事もあります。
このモープロを、潰そうと思ったこともあります。皆には、たくさん迷惑をかけました」
後藤が少し涙ぐんで、言葉が一瞬途切れる。リングサイドから、全選手が見守っている。
後藤はすぐに、凛とした表情に戻った。
「でも、モープロはこのままじゃいけないって、ずっと思ってた。
リングの上の二人を周りが邪魔して、本当に強いのが誰なのかは曖昧なまま。
ファンが期待する試合を台無しにしてまで、派閥争いに拘ってる。それじゃ、ダメなんだよ」
相変わらず世代ごと、3集団に分かれている選手達を、後藤が睨み付ける。
「今のままここにいたら、自分もダメになってしまうような気がした。…この前の試合で」
選手達は、ばつの悪そうな表情でうつむいている。
「私は、今でもこのモープロのリングが大好きです。
ここが自分の家だと思ってるし、みんなを家族だと思ってる。
だから…後藤はちょっと家出してきます。行き先も期間も、まだ決まってません。
だけど、あらゆるベルトを獲って、またここに帰って来る事を約束します」
衝撃の宣言に、会場が騒然とした。その時、放送席にいたつんくが
リングに上がり、後藤からマイクを受け取った。
「まぁ、そういう事です。後藤はしばらく、このリングを離れることになりました。
でも幸い、今日は皆いい試合してくれたんで、後藤も安心して、頑張ってもらいたい」
後藤が大きく礼をして、また『愛のバカやろう』が流れる中、退場して行った。
残された選手達も、それぞれの思いを胸に、引き上げていった。
翌日、福田が膝の精密検査を行った結果、緊急入院。無念のベルト返上が発表された。
次回興行・4/15大阪城ホールで二冠王座争奪トーナメントが行われる。
また、中澤対石川のシングルマッチも決定した模様。これが中澤のモープロでの最後の試合となる。
数日後、各スポーツマスコミ宛に、こんなFAXが届いた。
前略
この度、契約上の問題で折り合いがつかず、現在所属している会社を
辞めることになりました。今後についてですが、恩師でもある小室・
つんく両氏に相談した結果、新団体を設立することを決めました。
現在、5月の旗揚げを目指して準備中です。
つきましては、団体名及び旗揚げ興行の対戦カードを、マスコミ及び
ファンの皆様に募りたいと思います。現時点では私一人ですが、皆様
が見たい試合を、全力で実現させるつもりです。団体間の枠を越えた
プロレス新時代の為に、是非ご意見をお寄せください。
鈴木あみ
132 :
狼:2001/03/30(金) 04:53
プロレス好きな人がいたら書いてくだしゃい
デビルモーニングを盛り上げていってくだしゃい
モースポより速報:
後藤真希選手がミリプロ参戦を発表。ミリプロ武道館大会のセミで、
いきなり椎名林檎のミリプロ認定ストリートファイト王座に挑むことが明らかになった。
後藤選手にとって久々のハードコアマッチとなり、注目が集まる。
ちなみ同大会のメインは、浜崎あゆみ対宇多田ヒカルのミリプロ認定世界シングル選手権。
また、先日の安倍戦でSSDを3発食らって首の状態が心配されていたダニエル選手は
現在療養中で、担当医師は“現役続行は難しい”と話している。
安倍選手は「プロレスラーの宿命だべさ。残念だけど、仕方ないっしょ」とコメント。
モープロ4・15大阪城ホール大会における中澤・石川戦が、中澤側の強い希望により
メインに決定した。石川選手はシングルでのメイン出場は初めてとなる。
さらに中澤はデスマッチを要求しており、ハードコアルール・電流爆破などの採用が検討されている。
石川選手も「どんなルールでも構いません。目の前の敵を倒すだけです」と気合充分。
134 :
保全:2001/03/31(土) 06:53
保全
4・15大阪城ホール大会
第1試合 二冠王座争奪トーナメント1回戦
矢口真里 対 柴田あゆみ
第2試合 二冠王座争奪トーナメント1回戦
市井紗耶香 対 平家みちよ
第3試合 ジュニアヘビー級選手権試合
王者 挑戦者
辻希美 対 加護亜依
第4試合 二冠王座争奪トーナメント準決勝
安倍なつみ 対 第1試合勝者
第5試合 二冠王座争奪トーナメント準決勝
深田恭子 対 第2試合勝者
第6試合 ヘビー級タッグ選手権試合
王者 挑戦者
飯田圭織・石黒彩 対 保田圭・吉澤ひとみ
第7試合 二冠王座争奪トーナメント決勝戦
第4試合勝者 対 第5試合勝者
第8試合 時間無制限エスケープルール金網デスマッチ
中澤裕子 対 石川梨華
シンニチネタショッパインデ゙ヤメテネ
第1試合は、まさかのジュニア王座陥落を喫した矢口がメロンのエース柴田と一騎討ち。
柴田もメロンの興行が不振で苦しいだけに、なんとか大舞台で見せ場を作りたい。
第2試合は、GATTでマット界に旋風を巻き起こしており、他団体での試合でも好調の市井が
平家の意地をかけた挑戦を迎えうつ。ハードコア王座復活の噂があり、このカードは要注目。
第3試合は、ジュニア新時代を宣言した2人がベルトを賭けて激突。先日の後楽園では
素晴らしい試合を見せてくれた2人。実力伯仲の熱戦が予想される。
第4試合は、新必殺技・SSDでダニエルを葬った安倍が登場。誰よりもベルトに対する
執着の強い安倍が、千載一遇のチャンスにどんな戦いを見せるか。
第5試合は、後楽園のシングルで快勝を収めた深田がシードで登場。先日12回目のホリプロ
ヘビー級ベルト防衛を成し遂げたばかり。体力・気力共に充実している。
第6試合では、かつてハードコアのベルトを争った面々が集結。前シリーズで大化けした吉澤が
久々となる保田とのタッグで二度目の戴冠なるか。また、奇しくもタンポポ対プッチの構図でもある。
第7試合は、福田無念の返上による新二冠王者を決める1戦。下馬評では深田が本命視されている。
もしそうなれば初の二冠ベルト他団体流出。モープロ側は何としても阻止したい。
第8試合は、高さ4mの金網から場外へ先に脱出したほうが勝ちとなる。「デスマッチといえども
リングの上で凶器を使わず体一つで勝負するべき」というモープロ上層部の判断。
モースポより速報:
沖縄プロ認定ジュニアヘビー級選手権試合結果
○加護亜依(片エビ固め、24分11秒)AKINA●
加護が王座獲得
AKINAの強い要望でベルトを賭けて行われたこのリターンマッチ。
地元・沖縄のリングを所狭しと走り回って加護を翻弄したAKINAだったが、
ヘッドバットの連打で流れを引き戻した加護がAKINAの得意技である雪崩式の
フランケンシュタイナーを決め、最後は初公開の御堂筋スタナー。沖縄プロのベルトを初めて
モープロに持ち帰った。これを受けて、4・15の加護−辻戦は急遽ダブルタイトルマッチに。
辻・加護両選手は共同で、
「沖縄のベルトなんて序の口。これから2人でジュニアのベルト全部取ってやる」
というコメントを発表。また、沖縄プロでは早速、挑戦者決定リーグ戦が行われることが決定した。
モースポより、各参加選手の4・15に対する意気込み:
安倍「矢口か柴田、勝った方が次で引退だべ。なっちが統一したベルト…誰にも渡さない」
飯田「やっぱり彩っぺだと、息が合うんだよね。吉澤が調子いいみたいだけど、ウチらの敵じゃないよ」
石黒「久しぶりにキツめの試合ができそうだね。圭ちゃんと思いっきりやり合いたい」
中澤「最後の晴れ舞台や。石川が何考えてるか知らんけど、容赦なく叩き潰したる」
市井「GATTで世界中のベルトをかき集める。これをその第1歩にしたい」
保田「明日香のいない二冠より、このタッグの方が自分的にオイシイ。面白い試合にするよ」
矢口「こないだのは辻にしてやられたけど、引きずってられない。このチャンス、絶対ものにしてやる」
吉澤「マッチメイクに感謝します。今の私にはお誂え向きのメンバー。引立て役になってもらう」
石川「これに勝てば、どんなヒールもはね返せる。中澤裕子の全てを、受け切ってみせます」
辻 「大きなことは言いません。試合の内容で、ファンの目をこっちに向けさせる自信がある」
加護「こんなローカルベルト取っても嬉しないわ。ジュニア界全部を支配するんや」
平家「ウチかて崖っぷちなんや。紗耶香には悪いけど、どんな手を使っても勝つ」
柴田「いつまでも若手なんて言ってられない。胸を借りるんじゃなく、死ぬ気で向かって行きたい」
深田「恭子ね、退屈してた所だったの。誰と戦えるのか、わくわくするよ」
中澤「入門したときと変わったな?」
矢口「毎日寮で、今日も筋トレだけだったんって文句いってた。」
保田「私は関節技にうなされてた。」
安倍「彩っぺに言ってやろ」
中澤「それはアンタの筋力が無かったからでしょ?」
大乱闘のため収録中止
モースポより速報:
ミリプロ認定ストリートファイト選手権試合
○後藤真希(レフリーストップ、6分53秒)椎名林檎●
後藤が王座獲得
入場してきた椎名をいきなり後藤が襲撃して始まったこの試合。
後藤は、予告していた通り顔にペイントをして“グレート・ゴマ”としての登場。
入場ゲートから外に出てしばし乱闘した後にリングに上がると、既に椎名が流血している。
竹刀での滅多打ちをものともせずに後藤がラリアットで椎名をなぎ倒し、
高々と持ち上げるとリング上から場外に向かってジャックナイフパワーボム。
KO状態になった椎名に乗っかって後藤が殴り続けていると、レフリーが試合をストップした。
後藤はベルトを受け取ると、乱暴にマイクをつかんで
「ゴマ様曰く!――邪魔する奴は、誰だろうとぶっ潰してやる!」と力強くアピール。
ミリプロファンを完全に虜にして退場していった。
ちなみに、メインのミリプロ認定世界シングル選手権は、GATT加入で勢いに乗る
宇多田が浜崎を徹底した関節責めで下し、久々の王座奪取を果たした。
翌日、早速最初のベルトを手にした後藤が会見。
「ゴマはハードコア用の顔です。…って、そう思ってたんだけど、意外とウケが良かったんで、
いつ何処で出るか分かんないですね。素の時とは違った気分でできるし」
――次の目標は?
「そうですねぇ…、春といえどもまだ冷えるんで、南に行ってみたいですね。
そうだ、沖縄って言えばSPEEDの残党とかいたよね。あれ潰しとこうかな」
――モープロの4・15大阪城ホール大会については?
「それどころじゃないですよ。まぁ、祐ちゃんと梨華ちゃんの試合は興味あるけど。
あんまり聞き慣れないルールだし。二冠は…知ったこっちゃないね。家出してる身だから
大きいことは言えないけど、どうせ帰ってきたら私の物になるんだよ。
え?乱入ですか?…後藤もあんまり暇じゃないんですけどねぇ〜。まぁ、時間ができたらってことで」
数日後、後藤が沖縄上陸。羽田空港でレフリー同伴での椎名の襲撃を受けるが
スタンガンで見事に撃退し、ちゃっかり初防衛を成功させての新天地となった。
沖縄プロの黄金カード・hiro対今井絵里子戦にゴマの顔でいきなり乱入すると、
試合のダメージがある2人を殴り倒し、ノーコンテストに追い込んだ。
「とうとうゴマ様がここ沖縄に帰ってきたぜ!イェー!」
リングになだれ込んだ沖縄プロの選手と大乱闘をした後、ゴマコールの中で退場。
これに激怒した沖縄プロの重鎮・安室奈美絵が、後藤とのシングルマッチを直訴。
安室が持つ沖縄プロのヘビー級ベルトを賭けて1週間後の鹿児島アリーナで実現することになった。
「安室って誰? いつの時代の人ですか?…まぁ、ベルトくれるんなら一応やるけど」
翌日組まれた上原多香子戦を1分半で終わらせた後藤は、挑発的なコメントを残した。
GATTでマット界を席巻している市井紗耶香選手が、都内で会見。
鈴木あみが設立する新団体にGATT全員で協力することを発表した。
「彼女はいつでもモープロにとっていいライバルでいてくれた。それに応えたい。
圭ちゃんと矢口もやるって言ってくれたし、彼女が言う“プロレス新時代”にも興味がある」
また、単独での活動を始めた愛弟子・後藤選手については、
「最近いいよね。敵でも味方でも面白い存在になった。個人的には、
あの“グレート・ゴマ”って奴とハードコアルールで勝負してみたい」とコメント。
さらに、最後は復活の噂もあるハードコア王座にまで言及し、
「大阪が終わって、その次のシリーズからハードコアマッチが組まれていって、
それで様子を見てベルトが復活する。今聞いてるのはそれだけ。まぁ、楽しみではあるね」
と興味深い言葉を残して会見終了。マスコミはモープロの今後に期待を高めた。
145 :
:2001/04/05(木) 13:06
146 :
:2001/04/06(金) 21:39
147 :
p18-dn02kanoya.kagoshima.ocn.ne.jpさん:2001/04/07(土) 02:03
沖縄プロ認定ヘビー級選手権試合結果
○グレート・ゴマ(体固め、9分52秒)安室奈美恵●
沖縄に乗り込んで負けなしの5連勝を飾った後藤が、2つ目のベルトにゴマとして挑戦。
傍若無人な後藤の行動に怒りが収まらない安室だったが、序盤からゴマのペース。
要所要所で毒霧を吹き出し、完全に流れをものにしたゴマがジャックナイフ・パワーボムからの
ムーンサルトプレスで決めた。ゴング後も安室を殴り続けるゴマに沖縄プロ選手が襲いかかるが、
勢いづいたゴマはそれすら蹴散らし、突如乱入してきた椎名林檎も強烈なラリアットと
パワーボムで秒殺。ミリプロのストリートファイト王座も、2度目の防衛達成。
「ゴマ様曰く!――お前ら、つまんねーんだよ! 沖縄ってこんなもんかよ?
いいか、何時でも何処でもかかって来い! 誰でも相手してやるよ! 誰だろうがブッ倒してやる!」
マイクを投げ捨てると、伝統ある沖縄プロのベルトをブンブン振り回しながらゴマは退場。
しかし、それにブーイングをする観客はいない。沖縄プロは、たった一人の外敵に制圧された。
「あー楽しい。最高の気分だね。次はどうしようか? 格闘技もあるけど……
やっぱり、宇多田・浜崎あたりかな。そういや、宇多田っていえばGATTだから――
あの人とは敵同士になるね。まぁ、あの人とはもう師弟関係じゃないし、容赦しないよ」
集まった記者たちの前で、後藤が珍しく興奮気味に語った。
グレート・ゴマになった事で、今までにない高揚を味わっているようだった。
やべ。実家のPCから書き込んでんのに晒しちまった。
何を焦ってるんだか…あぁ鬱だ
4・15大阪城ホール大会
第1試合 二冠王座争奪トーナメント1回戦
矢口真里 対 柴田あゆみ
後楽園で屈辱のジュニア王座陥落を喫した矢口。モープロのベルト独占を目標に掲げて、
いきなり出鼻をくじかれたが、いつまでもそれを引き摺っている暇はない。
不動の王座に君臨すると思われた福田がまさかの返上で、またとないチャンスが巡ってきた。
とはいえ、1回戦で柴田に勝っても、次はあの安倍。最後には深田が待ち構えている。
長い夜になる予感を胸に、矢口は控え室をあとにした。
インディー団体・メロンのエースとして闘っている柴田。しかし、メロンの興行は振るわず、
窮地に立たされている。トーナメントに大抜擢されたものの、1回戦の相手はこの間まで
ジュニア王座に君臨していた矢口。勝ち目は万に一つもないように思えた。しかし――
戦う前から結果のことを考えていてもしょうがない。柴田は、大きく息をついて立ち上がった。
試合は、ゴングと同時に矢口の強烈なドロップキックで幕を開けた。
場外に落ちた柴田を追う矢口だったが、柴田に捕まってコーナーの鉄柱に叩きつけられる。
さらに串刺し状態で浴びせ蹴りが炸裂すると、いきなり矢口は流血してしまった。
すぐさま起き上がった矢口は柴田に殴りかかり、カウント18まで場外で乱闘。
リングに上がってもキレた矢口は止まらず、ものすごい形相で掌底を乱打し、
柴田に反撃の隙を与えない。その姿は、久々にハードコアの血が目覚めたようだった。
首投げで柴田を倒すと、赤い毒霧を天に吹き出してコーナートップへ。
だが、ここで柴田が起き上がる。トップロープの矢口を捕まえて雪崩式ブレーンバスター。
さらに腕ひしぎ逆十字を決めると、肘に故障がある矢口は苦しそうな表情を浮かべる。
腕が伸びきる寸前に矢口の足がロープに届いて出直すが、すぐに柴田が矢口を捕らえて
場外に放り投げた。すかさずトペを放つが、矢口は間一髪でこれを回避。鉄柵に激突した柴田に
矢口が追い討ちをかけるようにイスで攻撃し、とうとう柴田も流血してしまう。
こうなると、あとは気力の闘い。打撃を1発打つ度に二人の叫び声が響く。
またその度に、歓声が大きくなっていった。柴田が渾身の卍固めで締め上げれば、
矢口は飛びつき腕ひしぎ逆十字を豪快に決める。しかし、互いに決め手がなく、20分が過ぎた。
クライマックスとなったのは、柴田の張り手で矢口が倒れたシーン。
柴田は素早くロープに登って必殺ドラゴン・ラナの構え。ふらふらと立ち上がった矢口だったが、
柴田が跳ぶと同時に目つきを変え、なんと空中の柴田を脇固めに捕らえて見せる。
完璧に決まった。しかし、柴田は意地でギブアップをしようとしない。悲鳴を上げる肩をこらえて
ぎりぎりでロープに足を掛ける。立ち上がった柴田は矢口に逆水平、ローキックと決めて
高さのあるドロップキック。さらにそこから腕ひしぎを再び決めていった。
ニアロープで矢口はなんとか脱出するが、既に肘が限界に来ている矢口は、
今度こそ必殺のドラゴン・ラナをまともに食らい、ついに力尽きた。
○柴田(ドラゴン・ラナ、23分29秒)矢口●
柴田が準決勝進出
いつもは記者の質問には全て答える矢口が、何のコメントも残さず控え室に消えたことが
その悔しさを物語っている。また、一方の柴田も、険しい表情を崩すことはなかった。
第2試合 二冠王座争奪トーナメント1回戦
市井紗耶香 対 平家みちよ
他団体との試合もこなし、異種格闘技戦・ハードコアマッチにも興味を示す市井。
その強さは誰もが認める所だが、やはり燦然と輝く2冠のベルトは自分の手に取り戻したい。
一時はベルトへの関心が薄れていたが、GATT結成時にまたその“強さの証”に
対する思い入れが蘇ったようだった。気合の入った市井は、前シリーズ以降無敗で今日を迎えている。
「ベルト獲ってくださいね。次は私が市井さんに挑戦するんですから」
保田とタッグのため控え室が同じ吉澤が、からかうような激励を送った。
「そうそう、GATTのリーダーなんだから、相応に活躍してもらわないと」
「私はリーダーじゃないよ、圭ちゃん。GATTはみんな仲間。自由な集団だから」
傍目にはリラックスしているように見える笑顔を浮かべると、
「よしっ、じゃあそろそろ行こうか」市井はGATTメンバーを引き連れて出陣した。
平家は中澤と二人きりの控え室だった。互いに大事な試合を控えていてあまり話さないが、
モープロ旗揚げ前からの仲である二人には言葉を越えた信頼関係があるようだった。
時間が迫り、平家が立ち上がると、「終ったら飲みに行こうな」中澤が一言だけ言った。
それは平家にとって、何よりも力になる言葉だったのかもしれない。
プッチ以来の信者が根強いため、市井のシングルマッチはいつも異様な雰囲気に包まれる。
ゴングが鳴っても、サヤカコールが止まる気配はない。それに応えるように、
まずは市井が様子見のローキック。そこから蹴り合いになり、市井が押してペースを掴む。
市井のドラゴンスクリューが飛び出すと、歓声はさらにヒートアップしていった。
市井は、蹴りを得意とする平家の足を殺す作戦を選んだ。今その蹴りを数発貰っただけで、
痺れるような衝撃が走っている。市井のそれとは、段違いの威力だった。
関節技に関しての評価は高くない市井だったが、さすがは練習の鬼といわれる第2世代。
世代闘争を3人で闘ってきたその技術は、ありとあらゆる方面に渡っている。
平家のボディスラムを受けながらアキレス腱固めに捕らえて見せると、場内がどよめきに包まれた。
蹴り足を狙われていることに気付いた平家は慌ててロープを掴む。相手の思わぬ作戦に動揺するが、
蹴りは平家にとって生命線である。これを打っていかない限り、市井に勝てるわけがない。
平家は逆水平とドロップキックで市井の注意を上半身に向けようとするが、その目は未だに
平家の右足一点を睨んでいる。業を煮やした平家は、市井をロープに振った。
市井も当然切り返しを狙ってタイミングを覗っていたが、そこに待っていたのは意外にも
ローリングソバットだった。完璧に意表を突かれ、市井のみぞおちに衝撃が走る。
たまらず市井は腹部を抱えて場外にエスケープ。ダメージの回復を待つ。
しかしその時、平家のスワンダイブ式ジャンピングニードロップが市井の後頭部に直撃した。
鈍い音が場内に響き渡り、もんどりうって倒れる市井。予想外の光景だった。
「作戦ミスだったか……最初からまっすぐ行きゃよかったよ」
首を振ってそう呟くと、市井はリングに戻った。
再びリング中央で対峙すると、市井が仕切り直しのビンタを張る。平家もビンタを返す。
向き直った市井は気合の入った声を上げて、渾身のラリアットをぶち込んだ。
フィニッシュの予感に沸き上がる場内。市井が膝十字固めの態勢に入る。
膝に止めを刺すような完璧なロックだが――平家はタップしなかった。市井を引きずって、
強引にロープまで這いつくばる。三度向かい合う両者。どちらも、かなりのダメージを負っている。
しかし、それでも平家は蹴りを放つ。何度も何度も、大木を切り落とすように叩き込んでいく。
フラフラになる市井。だが、ついに平家の足を捕らえる。満を持してドラゴンスクリューが炸裂。
今の平家からはギブアップを奪えない――そう判断した市井は、往年のままのムーブで
平家をロープに振り、サヤカスタナーを決めにいった。
だが、ロープで反動をつけた平家は再びローリングソバットを放つ。その渾身の一撃を打った先には――
誰もいない。「そう来ると思ってたよ。大したもんだ」声がした方に振り返ると、
ロープから市井が猛然と走ってきていた。カウンターのカウンターでサヤカスタナーが決まった。
最後は市井が一枚上手だったが、あくまで自分の蹴りにこだわった平家に敬意を表して
さらにペディグリーを叩き込んでからフォール。辛くも市井が深田戦にコマを進めた。
○市井(片エビ固め、14分2秒)平家●
市井が準決勝進出
中澤の肩を借りて退場する平家の目に、悔し涙が浮かんでいた。
「ようやった。自分を信じて闘った結果や。悔やむことなんて何もあらへんで」
その言葉に、平家は何も答えられず、一度だけうなずいた。
第3試合 ジュニアヘビー級ダブルタイトルマッチ
UFA認定王者 沖縄プロ認定王者(参照
>>138)
辻希美 対 加護亜依
前シリーズで文字通り“大化け”した2人。いつのまにか、ベルトを巻く姿が様になっている。
普段は親友だが、リングの上では最高のライバルと認め合う2人の試合が、ジュニア界の
黄金カードと呼ばれる日も近いだろう。今日の闘いは大きな意味を持っている。
試合は、挨拶代わりの頭突き合戦でゴング。これは、加護が手四つの押し合いを避けるために
いつも仕掛けるものだ。このカードではすでに名物になりつつある。
序盤は打撃の打ち合いをしながら、必殺技で秒殺するチャンスを互いに狙っているような動き。
組み合いの格好になったら、相手を必要以上に警戒して、すぐにまた離れる。
たまにドロップキックなども交えながら、最初の5分は様子見が続いた。
だが5分過ぎ、加護が場外に降りるとスイッチが入ったように二人が凶器を持ち出す。
放送席からゴングを奪い取っている辻の背後から加護がイス攻撃をすれば、
すぐに辻も加護の顔面をゴングで強打。慌ててレフリーが割って入り、厳重に注意した。
加護は苦笑い、辻は首を傾げてリングに戻る。しかし、リング上でも2人はラフファイトを始める。
顔面へのパンチやエルボーを互いに連発して流血すると、2人はさらにヒートアップし、
どちらからともなくコーナーポストのカバーを外し始める。レフリーの制止を無視して
コーナーの金属部分を露出させた2人はようやく組み合って戦い始めた。
だが、グラウンドにもつれ込んでも関節技にいかず、マウントの奪い合い。
パンチが入るたびに、その顔から血がマットに飛び散った。
このような試合に慣れている加護が主導権を掴み、辻の顔面をコーナーポストに叩きつける。
2発目を狙って加護が構えると、辻はなんとかこらえて体勢を逆転して反撃。
辻の怪力で、しかも後頭部を叩きつけられた加護は軽い脳震盪を起こしてグロッキー状態。
辻は加護を持ち上げて、エプロンサイドに立たせると、コーナーに登った。
「まさか…場外にフルスイングDDTを!?」
辻のセコンドに入っていた飯田が駆け寄った。
「ちょっと辻、危ないよ! やめとけ」
その声に振り向いた辻は飯田を睨み付ける。――飯田が、それに気圧された。
「ウソ……あれが辻? あんな目つき――ヤバイよ」
その場から動けなくなった飯田を尻目に、辻は場外へのフルスイングDDTを決行。
場内に最前列の観客の悲鳴が響いたが、加護の顔面はマットが敷かれた部分に叩き付けられた。
だがそれでも、その衝撃は半端なものではない。加護はピクリとも動かなくなった。
ゆっくりとリングに戻る辻。辻の方も、イス攻撃のせいで少し意識が飛びかけていた。
レフリーの場外カウントがこだまする。辻はコーナーでそれを聞いている。
その時、辻の背中を、ものすごい衝撃が襲った。リング下から現れた加護が、
スタンガンで攻撃したのだ。タイトルマッチにあるまじき試合展開に、レフリーが激怒。
「今度どちらかに反則があったら即負けにする」と警告した。
これに対してムッとした表情を見せる二人。渋々組み合って一通り技を仕掛け、
辻のバックドロップのあと加護がiボムを決めると、どよめいていた観客に歓声が戻った。
すると、2人同時に場外へエスケープ。加護はスタンガンを、辻はイスを持ち出し、
とうとう本格的な乱闘を開始。場外カウントを待たずに、レフリーがゴングを要請した。
辻(ノーコンテスト、17分44秒)加護
王座は移動せず
「キレイな試合じゃ意味ないねん。ウチらはもっと熱い試合がしたいんや。そうやろ、みんな?」
加護のマイクアピールに、観客が大声援で応える。
「もう1回や。今度はハードコアルールでやったるわ。ベルトなんてウチらで賭ける必要ない。
ベルトが欲しい奴はいつでもかかって来い。せやけど、ウチらの決着は自分達できっちりつけなあかん」
加護にマイクを受け取った辻も、続いた。
「私も、今回の結果じゃ納得できません。でも次は、皆さんを満足させる試合をしてみせます」
それぞれのベルトを受け取ると、二人は花道を引き上げていった。
その後しばらく、場内には2人への大歓声が響き続けた。
160 :
:2001/04/09(月) 19:58
第4試合 二冠王座争奪トーナメント準決勝
安倍なつみ 対 柴田あゆみ
安倍は、完全復活しようとしていた。脅威の必殺技・SSDで物凄いインパクトを残した
後楽園大会で、目の前の敵は全て葬ることを宣言した。福田と後藤がいない今、
自らが統一したこの2冠ベルトを、逃すわけにはいかない。モープロの看板は、自分しか背負えない――。
初代2冠王者は、“覚悟”を胸に、立ち上がった。
1回戦で番狂わせを演じた柴田だったが、激闘によるダメージはかなり残っている。
それは、2試合分のインターバルで回復することはなかった。しかも、相手はあの安倍。
つくづく自分のくじ運の悪さを呪いながらも、柴田は意を決してリングに向かった。
鈴木あみ戦で2冠を統一したときのテーマ曲「トウモロコシと空と風」で入場した安倍。
その静かな表情に、ヒートアップしていた観客までもが静まり返る。続いて入場してきた柴田を
見つめる目は、その炎を隠すように冷たく輝いていた。
ゴング後は、中央でどっしり構える安倍の周りを柴田が立ち回る。時々組み合っては、
やはり柴田がSSDを警戒しているのか、すぐに離れてしまう。じれた安倍が、重い蹴りを打つ。
柴田の太腿に当たって、ものすごい音がした。安倍はさらに、続けて3発蹴った。
柴田はその足を掴んで安倍を倒し、グラウンドに展開。ここで柴田が素早くスリーパーを
決めた。短期決戦を狙ったのか、ぐいぐい締め上げる柴田。しかし、体重に勝る安倍はそのままロープへ。
その圧倒的な対格差に苦笑いを一瞬浮かべた柴田は、一転して攻勢に出る。
ドロップキック2連発からラリアットで倒し、起き上がった所にミサイルキック。
さらにラリアットを狙うが、そこに安倍の張り手一閃。柴田はコーナーまで吹っ飛んだ。
串刺し状態でナッチラリアットをぶち込んだ安倍はその勢いで柴田を抱え上げる。――SSDだ。
「やばい!」柴田が慌てて暴れて、どうにか脱出。しかし、続けざまに安倍がDDT。
隙を突かれた柴田はさらにパワースラムからのナッチバンクラッシュを食らい、万事休す。
最後は改めて完璧にSSDを決めた安倍がフォール。柴田は、1回戦でのダメージが悔やまれる。
○安倍(片エビ固め、7分5秒)柴田●
柴田の健闘を称える歓声が止まない。安倍は、柴田と握手を交わして、また静かに
退場していった。リングにうずくまっていた柴田も、しばらくして引き上げた。
第5試合 二冠王座争奪トーナメント準決勝
深田恭子 対 市井紗耶香
深田のGATT加入のきっかけになったホリプロリングでの試合以来、2ヶ月ぶり2度目の対決。
多岐にわたるレスリング技術と強烈な必殺技でかつて2冠王者に登り詰めた市井と、
ペースを譲らない狡猾さと圧倒的なパワーを併せ持ち、ホリプロの頂点に君臨する深田。
前回の闘いは、ホリプロファンの間で早くも今年のベストバウト候補に挙がっている。
試合は、序盤から深田がめいっぱい飛ばしてペースを掴んだ。袈裟斬りチョップの連打から
重量感満点のドロップキック。市井は場外まで吹っ飛ばされ、ひゅうっと口笛を吹いてみせた。
リングに上がった市井を深田が捕らえると、いきなり必殺の餅つき式パワーボム。叩き付けた市井を
強引に持ち上げて再び後角度で落とす様は圧巻だった。3度目でホールドするも、さすがに
市井がカウント2で返す。しかし、市井はいきなり予想外のダメージを負ってしまった。
その後も体格に似合わぬハイスパートレスリングを展開する深田に、どうにもやりづらそうな市井。
前回はグラウンドと中距離での打撃戦で市井が制したが――あるいはそれ故に、深田は戦法を
変えたのかもしれない。深田が盛んに市井をロープに振って、ラリアットやドロップキックを叩き込む。
並みの選手の受けでは、とっくに潰されていただろう。だが市井は、ひたすら我慢し続けた。
局面は、市井のカウンターのハイキックで大きく展開した。思わぬ反撃に深田がひるんだ一瞬の隙に、
市井の必殺技ペディグリーが炸裂。静まっていた場内が一気に沸いた。
深田は油断したことを自戒するように自らの頬を張り、その豪腕で再びラリアット。
決して軽くない市井の体が空中で回転し、うつ伏せに叩き付けられる。モープロ史上でも
稀に見る凄まじいラリアットだった。一呼吸おいてペディグリーのダメージを振り払い、
深田が大迫力の雪崩式スプラッシュマウンテンを繰り出すと、豪快な音と共に市井がマットに沈む。
すかさずカバーに入る深田だったが、カウント2.8で市井が返すと、場内の興奮は最高潮に。
すぐに起き上がった市井は攻め疲れの見える深田をロープに振ってサヤカスタナー。
しかし、深田は市井の片エビ固めをまさかのカウント1で返す。技という技を出し切ってしまった
2人の死闘は、そこからさらに10分以上続いた。
市井がもう一度サヤカスタナーを狙って深田をロープに振ったが、深田はロープに捕まって
市井のタイミングを外し、全身全霊の力を込めたラリアット。恭子コールの中でトドメの
パワーボムを決めた深田は、ホールドこそ崩れたものの、大の字に倒れた市井にすぐ覆い被さる。
その瞬間、市井が素早く深田に絡み付いて丸め込む。起死回生のサヤカクラッチだ。
深田に、それを返す気力は、もはや残っていなかった。カウント3が入り、
ゴングが鳴ると、今日一番の大歓声がホールを揺るがした。
○市井(26分41秒、サヤカクラッチ)深田●
市井が決勝進出
ロープに振るスタナーって見たこと無いよね。
第6試合 ヘビー級タッグ選手権試合
王者 挑戦者
飯田圭織・石黒彩 対 保田圭・吉澤ひとみ
鳴り止まないサヤカコールを遮るように「BABY!恋にKNOCK OUT!」のイントロが
流れ、挑戦者組が入場。保田は、花道の上で市井とガッチリ握手をするが、吉澤は応じない。
苦笑いしながら市井が退場すると、2人はリングイン。続いて「たんぽぽ」の曲と共に王者組が入場。
オールドファンからの熱狂的な支持を集めるこの二人の登場で、サヤカコールがようやく消える。
先発は石黒と保田。飯田は、この間まで共にベルトを巻いていた吉澤をじっと睨んでいる。
吉澤はそれを無視して、リング上に視線を送る。リング上では、いきなりエルボーとヒザ蹴りの
鈍い音が響いている。お互いに倒れることなく、何度も何度も相手を殴りつける。
石黒がエルボーからブレーンバスターを決め、そのカバーをカウント1で返した保田は、吉澤にタッチ。
リングに入った吉澤は、「電波、お前だ。入って来い」と石黒を無視して飯田を挑発。
石黒がすぐタッチに行って飯田がリングインすると、いきなり吉澤が裏拳で飯田の顔面を強襲。
モロに入ってしまい、飯田がうずくまる。また目線を上げたとき、そこに吉澤はいなかった。
その時、ものすごい衝撃。吉澤の、後頭部へのエルボーだった。飯田の意識が一瞬で飛ぶ。
飯田が崩れ落ちるように倒れ、場内がどよめきに包まれた。
すぐに吉澤がフォールの体勢に入るが、すぐ石黒がカットに入り、飯田を叩き起こしてタッチ。
しばらく打撃での攻防を展開すると、吉澤が保田にタッチした。リング上が保田と石黒になると、
途端に正統派のレスリングになる。グラウンドでじっくりと関節を狙いながら、石黒は飯田の
回復を待っていた。だが、エプロンサイドの飯田はまだ目が虚ろだ。しかしその時――
「よそ見してんなよ、彩っぺ」保田が一瞬の隙をついてスリーパー。キレイに入ったかに見えたが、
石黒は「ちっ」と舌打ちしてみせると、すぐに脱出して逆にフロントネックロックに捕らえる。
虚を突かれた保田だったが、とっさに体勢を変えてロープに足を掛けた。“関節の鬼”同士の
見ごたえ充分の攻防に、超満員の観客が息を飲む。保田が、再び吉澤にタッチした。
リングに入るなり吉澤は石黒を捕らえ、フランケンシュタイナーを豪快に決めた。
さらに抱え上げてアルゼンチンバックブリーカー。そのままエプロンの飯田に近付く。
約1mの距離まで近づいた時、飯田がまさかの毒霧攻撃。ぎりぎりで目を閉じて直撃は避けたが、
吉澤の目つきが変わり、「上等だコラァ! ブッ殺してやる!」――完全にキレた。
石黒を投げ捨てると、猛然と飯田に殴りかかってパンチを2発。そのままロープ越しに
チョークスリーパーを決める。吉澤の蹴りで飯田の足がエプロンから場外に放り出され、
宙吊り状態に。危険な体勢で絞められ続けた飯田は、すでに意識を失っている。
「ちょっと、吉澤! 圭織じゃなくて彩っぺだよ! 早く離さなきゃ試合が――」
パートナーである保田の制止も聞かない。その時、フラフラの石黒が吉澤の背後からしがみ付いた。
石黒がなんとか吉澤のスリーパーを引き剥がすと、飯田は場外に転落。完全に失神している。
「邪魔すんじゃねぇよボケが!」吉澤が振り向きざま石黒に裏拳を叩き込み、抱え上げた。
パワーボムかと思われたが――さらに高く、石黒は持ち上げられた。吉澤の肩と背中に仰向けに乗っかった
石黒は、わけが分からないまま地面に叩き付けられた。初公開の、アウトサイダーズエッジだった。
そしてすぐに石黒にスリーパー。これも、完璧に入った。だが、ニアロープだったため、
なんとか石黒が足を掛ける。しかし――吉澤は離そうとしない。保田が引き剥がそうとするのを
振り払い、審判の反則カウントも完全無視。どよめきの中、ゴングが鳴った。
○石黒・飯田(反則、12分51秒)保田・吉澤●
吉澤が雄叫びを上げる。保田は半ば呆れた様子で引き上げていった。
勝者2人が意識を失ってノビている異常な雰囲気の中、吉澤がマイクを取った。
「こんなもん、負けだとは思ってない。今日やった人達じゃ、吉澤の相手としては
役不足だってことだよ。だから今日は、吉澤の本当のベストフレンド、紹介してやる! カモン!」
照明が暗くなった。花道にスポットライトが落とされ、現れたのは――グレート・ゴマだった。
思いっきり両手を振り上げて、中指を突き立てる。吉澤も、同じポーズでそれに応えた。
今やカリスマ的ヒールとなったゴマが、大声援と共に入場してきた。両肩には、
2本のベルトが掛けられている。リングインすると、吉澤とハイタッチを交わす。
「とうとうゴマ様がここ大阪に帰ってきたぜ!イェー!」
マイクを受け取ったゴマが叫ぶと、場内がゴマコール一色となった。
「ゴマ様曰く!――ヨッスィー、今日の試合はサイコーだったぜ! あれこそホントの闘いだよ!
ウチらこそ、チャンピオンに相応しいんだ! なのに、今のチャンピオンは何だよ? だらしねぇ。
次で必ず獲ってやる! ルールなんて要らねぇ、完全に叩きのめして、ベルトはウチらのもんだ!」
「そういう事で、最強コンビ・B−EGGS、復活だからな! ガンガン行くぞコラ、エェー!」
以前は第2世代の影に怯えていた2人が、今やすっかりリングの主役に躍り出た。
2人が退場しても、異様な盛り上がりを見せる場内。――次はいよいよ、二冠王座決定戦。
>>167 技の性質からして、それもありかと思ってしまいました。
市井オリジナルってことで勘弁してください。あと、文章が下手糞ですいません。
つーか、そろそろネタが切れてきた。それに、ゴマが暴走しすぎてるような…
やっぱり、昔アメプロネタ書いてた人が戻って来てくれなきゃダメかも。
後の人になんとかいいネタフリして、俺はそろそろ引き上げようかな。
話の流れがめちゃくちゃになって、狼さんには悪い事した気もするし
入場口前で、安倍とB−EGGSの2人がはち合わせた。安倍は、笑いながら言った。
「大したもんだべさ。オイシイところ、全部持って行っちゃって」
「へへ……今はまだ外と闘ってるけどさ、帰って来たら一番になっちのベルトに挑戦するからね」
後藤も笑顔で答える。吉澤は、意外な光景を見た気がした。“モープロのエース”という看板の重みは、
この2人だけが共有してきた十字架。さしもの吉澤も、この特別な関係には入り込めなかった。
B−EGGSの2人は控え室前の通路で、今度は市井とはち合わせ。
「……久しぶり」市井が複雑な表情で言った。だが、後藤は、
「そう? あんまりそんな気しないけど。まぁ、頑張ってね。今のなっちは、スゴいよ」
あっけらかんとした表情で言ってみせた。吉澤は、後藤が決勝の結果を分かっているように見えた。
市井が笑って、「おうよ、ガンバるぜ。じゃあな」入場口へと歩き去って行った。
「どうする、よっすぃ〜? 夜の大阪にでも繰り出す?」
「……そうだね。久々に2人で遊ぶか」
2人は、報道陣を無視して控え室に消えた。
第7試合 二冠王座争奪トーナメント決勝戦
安倍なつみ 対 市井紗耶香
実に久しぶりの一騎討ちとなる2人。タッグマッチでは幾多の名勝負を繰り広げてきたが、
シングルでのタイトルマッチは初めて。入場してきた2人には、緊張の色が覗える。
だが、ゴングと同時に市井が飛び出した。今日2試合、計40分余りを闘ってきたにもかかわらず、
そのスタミナはまさに驚異的だ。安倍をコーナーに追い詰めて、打撃を打ち込む。
不意を突かれた感があったが、今日の安倍は至極冷静だった。市井の打撃をほぼ完璧にガードし、
最適なタイミングでヒザ蹴りを放って割り込む。さらに間合いを取った市井にナッチラリアット。
そのまま安倍の猛攻が始まるかと思われたが、市井も激しい反撃で序盤は互角の打撃戦。
5分近くまでスタンディングで市井の蹴りと安倍の手技が豪快に飛び交った。
安倍が張り手からエルボーに移行して、徐々に押し始める。だが、助走のついたエルボーが入った所で、
市井がその反動でロープに走り、なんとサヤカスタナー。いきなりの必殺技に、観客がヒートアップする。
スタナーをきっかけにペースを掴んだ市井が、今度は関節で安倍を攻める。要所でパンチを
打ち込みながら、丈夫に鍛え上げられた安倍の腕を少しずつ痛めつけていく。
ところが、市井がスリーパーに行こうとした瞬間に安倍が体勢を逆転。強引に立ち上がって、
そのままダイヤモンドカッターを炸裂させる。そしてすぐに市井を持ち上げる構えに入る。
今SSDを食らったら、市井といえどもタダでは済まない。市井はその姿勢のまま走って、
タックル気味に安倍をコーナーポストに叩きつけた。しかし、安倍が間髪入れずに
パワーボムを放ってホールドを狙いにいった時、市井が素早い切り返しで膝十字を決めた。
リング中央でがっちりロックされたが、安倍はなんとかロープまで這いつくばった。
立ち上がると、さすがに2人とも息が切れている。大歓声の中で安倍がロープに走り、
ラリアットを狙う。しかし市井がその腕を受け止め、素早く体勢を変えて渾身のペディグリー。
市井が雄叫びと共にカバーに入るが、安倍はカウント2で返す。すぐに市井が安倍を捕らえて
今度はタイガードライバーを決めるも、またしても安倍がカウント2で肩を上げる。
大技2発でも決まらなかった市井は、今度はロープに走って2度目のサヤカスタナーを狙うが、
安倍がラリアットで迎撃。大の字に倒れた市井にナッチバンクラッシュから止めのSSD。
最後はパワーボムで、全体重をかけたピンフォール。安倍が悲願のベルト奪回を成し遂げた。
○安倍(パワーボム、12分35秒)市井●
安倍が2冠王座を獲得
2冠に返り咲いた安倍が、控え室で会見を行った。
――久しぶりにベルトを手にした感想は?
「いや、まだ自分は本当の王者じゃないべさ。明日香と後藤を相手にベルトを守ってから、
王者として胸を張りたいと思ってるべさ。これからが勝負だべ」
――最初の防衛戦の相手は?
「今は考えてないべさ。まぁ、あの2人がまだ帰って来れないようなら、相手は誰でもいいべさ」
――第3世代の台頭が目立っていますが。
「あんまり当たってないけど、確かにいい感じだべ。でも、このベルトは渡さないべさ」
――モープロファンに一言。
「もっと熱い試合、もっと激しい試合をして、どんどんこのベルトを防衛していくから、
これからも楽しみにしてて欲しいべさ」
一方の市井も、どこかスッキリしたような表情を見せていた。
「やられたね。全部受け切られた。市井もまだまだ、修行が足りないッスね」
――今後、何か考えていることは?
「う〜ん……今はまだ何とも。だけどまた、何か面白いことがしたいね」
――GATTも何か新しい展開が?
「だからまだ何とも。まぁ、そろそろ新しいメンバーを考えなきゃって思ってるけど」
――具体的には誰か候補は?
「それはまぁ……お楽しみって事で」
懐かしいな。
俺が考えた設定がまだ残ってるとは。