1 :
奈菜氏募集中。。。:
小説です。
学園モノです。
2 :
名無し募集中。。。:2001/02/03(土) 21:42
なっち「今日の給食当番だれだべ?」
やぐち「まだ2時間目だよ」
3 :
名無し娘。:2001/02/03(土) 21:43
ふむ
4 :
まる:2001/02/03(土) 21:45
上げんなよ。
まるの小説?
6 :
まる:2001/02/03(土) 21:49
logですか?
8 :
名無し募集中。。。:2001/02/03(土) 23:25
あげ
9 :
まる:2001/02/03(土) 23:27
上げんなよ。
梨華っちにスクールボーイで丸め込まれて
3カウントとられたい。
ブックマークしておきますです
了解。。
-1-
朝比奈女学園。都内某所にあるこの学園は、20年前に、現理事長である山崎直樹によっ
て創立された。彼は現在56歳。理事長になる前は、いくつもの会社を経営する、いわゆ
るやり手であったわけだが、34歳の時に自動車事故で下半身不随になってしまい、夜の
ほうも役立たずになってしまったため、妻にも逃げられるという羽目になった。愛する妻
に逃げられた山崎には、800億という財産だけが残された。そこで彼が提案した事はと
いうと、『女子校を建てて、うら若き乙女達を死ぬまで眺めていようじゃないか』である。
こうして、彼はコンサルタントを雇い、学校経営についての知識を身に付けると、すぐさ
ま優秀な教師をかき集め、校舎を作り、生徒を呼び込んだ。朝比奈女学園のモットーは、
『清く、正しく、美しく』というありがちなものだが、事実、これを守れているところな
んて皆無に近い事は、嫌でも知っていた山崎は、このモットーを生徒たちに徹底した。そ
して、長年の努めが功を奏してか、朝比奈女学園は今現在も荒れずに、健やかな学園生活
が行われている。服装こそ今時のルーズソックスやミニスカートも見られるのだが、成績
優秀者が勉学でもスポーツでも非常に多いのである。
と、長々と説明してきたわけであるが、所詮は前フリである。朝比奈女学園――中等部生
徒数1050名。高等部生徒数1050名。教師数30人(理事長含まず)
とこれだけ人がいれば、日々色んな事が起こらないはずはないのである。これから語られ
る出来事は、そんな起こらないはずはない学園生活の数々である。
-2-
朝。正門から続々と生徒たちが入ってくる。今日から新学期という事もあってか、皆が濃
紺のブレザーを着込んで、赤のネクタイをきっちりと襟元まで留めていた。生徒たちは、
共に歩いている友達と語らったりしながら歩いている。そんななかを、ひとりの少女がさ
っそうと通り抜けた。少しだけ茶色がかったショートヘアー、大きい二重の瞳に、きりり
とした眉、白い肌には、少しばかりほくろが見える。美少女…というよりは美少年といっ
たほうが合ってなくもない、そんな感じだ。彼女を見た生徒たちのなかには、一瞬だけ立
ち止まって見惚れているものもいた。
――あれって吉澤さん? 髪、切ったんだぁ〜。もったいなぁ〜い
――中等部だっけ? 見えないね〜
そんな声に、耳を傾けているわけではないのだが、吉澤と言われた少女は、その言葉に何
ともいえないといった微妙な表情になり、その場を通り過ぎていった。
「(髪ぐらいいいじゃんかよぉ〜……)」
大きくため息をつく。彼女――名を吉澤ひとみという。今年から中等部3年である。朝比
奈学園には中等部から在籍している。スポーツ万能、成績は中の上、バレー部に所属。面
倒見の良さから、後輩にはかなり慕われていて、先輩にはルックスの良さで好かれていた。
実際、他女生徒に告白された事もあった。が、彼女は断ってきた。同性同士、という事の
抵抗ではなくて(かといって同性愛者ではないのだが…)好きではなかったから、それだけ
だ。
-3-
とその時、歩く吉澤の背後で、生徒たちが再びどよめいた。それに反応して、後ろを振り
向くと、吉澤と同じように、ひとりの少女がさっそうと歩いてきた。ただ一つ違ったのは、
黄色い声があがってるというところだろうか。吉澤は、その少女を知っている。茶髪のシ
ョートヘアーに、ギリギリで二重な感じの瞳はどことなく虚ろで、しかし鋭さも持ってい
て。背は吉澤より少し低い。立ち止まって少女を見ていた吉澤に気づいた少女は、吉澤の
前で足を止める。周りが一瞬だけしんと静まる。2人はその一瞬の間、見つめ合う。そし
て、
「吉澤じゃん。おはよ。髪…切ったんだ。」
さらりとした口調でその少女は言った。吉澤は唇をきゅっと引き締めて、
「おはようございます、市井先輩。」
負けじといわんばかりに、冷静さを前面に出して返した。妙な間が空いてから、
「…んじゃね。」
市井先輩、と呼ばれた少女は、そう言うと正門から見て右側の高等部校舎へと続く道に足
を向けて再び歩き出した。吉澤は、その背中を切なげに横目で見つめる。市井先輩――市
井紗耶香は高等部3年である。朝比奈学園には、高等部から入ってきた。勉強もスポーツ
もそれといって抜きん出ているわけではない。一応、剣道部に籍を置いている。他人から
は、常に一歩距離を置いているのだが、そのクールさに惚れ込む生徒が多く、表立っては
言われないが、校内一モテてたりする。そして吉澤も、市井に惚れた一人であったりする
のである。
-4-
数ヶ月前。12月の寒い朝。人気の無い体育館裏に、吉澤と市井はいた。
「ごめんね……吉、澤。吉澤とは、付き合えない。」
聞いたばかりの吉澤の名前をぎこちなく言って、市井は答えた。
「…いいんです、市井先輩。気持ち伝えれて……。後悔しないですみます。」
そう言って、吉澤は精一杯の笑顔を見せる。顔を下げた市井の表情は、垂れた彼女の前髪
で吉澤に窺い知る事はできなかった。
「じゃ、行くから。」
市井は、慣れた感じでそう言うと、その場を去っていった。優しい言葉をかけたところで
どうにもならない。市井なりの『優しさ』なのであろう。吉澤は思った。少しして、吉澤
がその場に膝を抱えると、止めていた涙が粒になって落ちていった。涙で濡れた膝が、冬
の冷たい空気に晒されて、痺れを生んでいく――
あの時の膝の痺れを思い出し、吉澤はカバンで膝を撫でつける。そのまま踵を返して、高
等部校舎と対称的に建っている中等部校舎に向かうと、玄関に黒い人だかりができていた。
新学期によく見られる風景だ。吉澤が軽く背伸びをして見ると、案の定ガラスの戸に、白
い大きな紙が貼ってある。クラス表である。後ろのほうでは、同じクラスになる事を喜ん
でいる生徒や、離れる事を嘆いている生徒が騒いでいた。吉澤も自分が何組か早く確認し
ようと、前に行こうとするが、人の多さに圧倒されて動けない感じだった。そんな吉澤の
横を、一人の少女が通り過ぎて、人ごみの中に入っていった。その少女が醸し出す威圧感
にも似たようなものに、生徒たちは自然と道を作らされていった。
更新です。
学園モノは久しぶりだ。説明文って加減がわからん。
更新頻度はできるだけ多めにしたいとこですな。
まだ読んでないけど、スクールライフってなんかカタカナのほういいかもね、なんとなく
19 :
まる:2001/02/03(土) 23:58
応援してます。頑張って下さい。
うぉい、市井アリですか!穏やかじゃない予感。。
威圧感(?)のある少女って誰だ?
もしかして、g・・・止めとこ。
娘。全員が出るのだろうか・・・
もしかして、新ジャンル市・吉・・・?
-5-
その少女は、あっという間にクラス表の前に辿り着き、しばらくそれを凝視すると、横に
向きを変えて、中に入っていった。吉澤が見た限り、赤みがかった茶髪で、美術の時間に
写生する西洋の彫刻物のような立派な鼻が、印象的であった。少女が去ると、静まってい
た場が再びうるさくなり始めた。吉澤は、少女が作った道にうまい具合に滑り込み、よう
やくクラス表に目を通す事ができた。一組から順に指でなぞって見ていき、
「…あった。」
六組で指を止めた。出席番号は35番。ちなみに朝比奈学園は一クラス35名という、他
の学校から比べれば、一クラスの人数が少ないほうである。これは学園創立当初から変わ
っていない。理事長いわく「生徒と教師の関係をより密にするため」という。それのおか
げなのか、現在のところ生徒と教師の間で問題らしい問題は起きていない。
中等部校舎一階の三年六組教室。吉澤は、教室の後ろのほうから入り、出席番号最後尾の
席について、教室を見渡した。生徒は七、八人ほどしか揃っていなかった。その時、先程
玄関で見た赤みがかった茶髪が目に入った。吉澤の側からは顔までは見えないが、吉澤は
先程の少女であると、確信した。かといって、声をかけるというわけでもなく、そう思う
だけに留まった。悪いとは思っていても、どうしても「怖そう」という偏見を持ってしま
ったのだ。その少女以外の教室にいる生徒も、彼女に寄ろうとはしなかった。彼女が机に
伏せって眠っているせいもあるのかもしれない。そう思いながら、吉澤は少女から目を離
した。
-6-
吉澤が教室に入り、程なくして他の生徒が続々入ってきた。その中で吉澤は、同じ部活動
の生徒を見つけて会話を始めていった。会話してる間に、再びあの少女が目に入ったので
吉澤は、
「ね…あの髪の赤い、あの娘さ。転校生…なのかな?」
「さぁ、でも見た事無いかも。なんて名前?」
「知らな…」
言いかけたときに、HRの開始を告げるチャイムが鳴った。それに混じって、廊下にヒー
ルの音が響いていた。教室のドアがガラリと開いたと同時に、生徒たちは一斉に個々の席
に着いた。入ってきた女性は、金髪に、銀の縁なし眼鏡に、黒のスーツに大きなスリット
の入ったスカートという、とても教師には見えない感じであった。吉澤は半開きになった
口を慌てて閉じた。金髪の女教師は、すっと生徒たちを一望すると、教壇に出席簿を置き
黒板に字を書き始めた。白チョークに縦書きで「中澤裕子」と書き終えると、
「中澤裕子です。前年度まで高等部で教えてました。担当は数学です。これからよろしく。」
丁寧な口調で皆にそう言うと、チョークをしまった。中澤の事を名前だけしか知らなかっ
た吉澤は、見た目とは裏腹に上品な中澤に息を吐いた。が、次の瞬間、
「ほんならちゃっちゃと出席すますでぇ〜。あ、その前に挨拶やなぁ。今日はセンセが言
うけど、明日からは日直の仕事やでぇ〜。はい、きりぃ〜つ! 礼! 着席!」
ばりばりの関西弁でしゃべりだして見事に最初の印象を壊した中澤に吉澤はがくりと肩を
落とした。とはいっても悪い意味ではなく、ちょっとびっくりしただけだ。
-7-
「後藤真希。」
「ふぁい。」
歯切れよく出席をとる中澤とは正反対に、眠そうに返答を返す声。吉澤が目を移すと、そ
の声の主は、あの少女であった。中澤が、
「転校生やったっけ? ほなら、こっち来て挨拶して。」
手招きをして言った。少女は、面倒くさそうに立ち上がると教壇の横に立った。一息吸っ
て生徒たちに向かってしっかり顔を上げた。大きい離れた目に、大きく高い鼻という特徴
的な顔立ち。
「後藤真希です。よろしくお願いします。」
元気があるのかないのか判断がつきにくい感じの高い声で、そう言って少女は軽く頭を下
げた。照れているのか、少し頬が赤くなっている。その時、吉澤を始めとして、クラスの
全員が後藤に好感を持った。
「吉澤ひとみ。」
「はい。」
自分の名前が呼ばれて、出席確認が終わったと一瞬気を抜きかけた吉澤に、
「バレー部…やったっけ?」
不意に中澤が聞いてきた。
「え? あ、はい……。」
吉澤は動揺しながらも答えた。中澤は、そーなんやと小さく言うと、出席簿を閉じて、今
日の予定を連絡し始めた。釈然としないものを感じながらも、吉澤は連絡に耳を傾けた。
更新。
>>18 激しく同意。藁
横文字やめとけばよかった…ま、あとでどーにかなるか。
増えてきたね。あの娘はまだか、あの娘は。
転校生ってことは、後藤と市井はまだ出会ってないのかな。
ああ穏やかじゃない予感。。 カタカナor横文字は、あまり気にならなかった。
いいとこで・・・
続きが気になるじゃないか・・・学園物だいすっき!
logの書く学園物っていうとピンチラ2を思い出すよ。
学園物かぁ、超期待だな。
1クラス35名で少ないって…。(w
-8-
伝えるべき連絡事項を生徒に伝えた中澤は、
「ほなら、今言った班分けで掃除して、一時間後に教室戻ってくる事。遅れたらあかんで。
あ、さぼったらキツイ説教やからな。」
最後の一言には睨みをつけて言った。生徒たちは班毎に固まって、教室を出て行った。吉
澤の班は教室の掃除である。
「ほなら、掃こか〜。」
中澤は用具箱から箒を取り出して生徒たちに渡していった。そんななか吉澤には、
「水、汲んできてな。」
青のポリバケツが渡された。中澤は笑顔だ。綺麗な流れに吉澤は引きつった笑顔で素直に
応じる。
「外で時間かせいだらあかんで。」
中澤の発言にぎくりとさせられながら、吉澤は水を取りに行った。
水のみ場には人がごった返していた。5分ほど並んでいてもなかなか進まないので、吉澤
は体育館脇の水飲み場を思い出し、そちらに向かった。
体育館外。
「(去年はここで…)」
市井への告白を思い出しながら、吉澤は壁伝いに水飲み場へ向かった。近づくにつれて水
の音が聞こえてくる。見ると、一人の生徒がいた。
-9-
その生徒は水を飲み終えると、体育館の壁にもたれて、ため息をついた。
ネクタイの色を見る限り、高等部の生徒だと吉澤は確認した。中等部と高等部の生徒の制
服の違いと言えば、中等部は赤、高等部は青というネクタイの色なのである。
吉澤が少しの間、その生徒を見つめていると、その視線に気づいた生徒は慌てて去ろうと
した。が、
「きゃっ!」
足がもたついたのかその場に転んだ。吉澤は、慌てて駆け寄って、その生徒を受け止めよ
うとして、そのまま尻餅をつく。
「…っ痛! だ、大丈夫すか? 」
立ち上がり、生徒の身体を起こしながら問うと、
「……あ、ありがと。」
生徒は恐る恐る吉澤を見ながら礼を言った。
肩にかかるぐらいの黒髪に、切れ長の二重。肌の色は少し黒い。スカートから細く長い足
が見える。その生徒の醸し出す、どことなく魅力的な雰囲気に吉澤は少しだけのまれた。
吉澤に見つめられた生徒は、その視線から逃れるようにして、
「ありがとう……。」
特徴的な高い声を掠らせて言って、逃げるようにしてその場から去った。
更新です。
35 :
まる:2001/02/05(月) 23:41
応援してます。頑張って下さい。
だんだんと役者が揃ってきたね〜
楽しみだ・・・どんな展開になるやら
石川の登場なのか・・・。
結局ここもいしよしなのか?
38 :
紅:2001/02/06(火) 17:25
個人的にはいしよしがいい。
娘。全員でるんかな?楽しみです。
徐々にみんなが出てくるね
このドキドキ感がたまりません
40 :
心:2001/02/06(火) 18:55
ごまなちが良いな
-10-
「お・そ・い、っちゅうねん。」
そう言って中澤は、戻ってきた吉澤の額を叩く仕草をした。
「すいません。」
吉澤がそう言うと、中澤はふっと笑顔になった。吉澤もつられて笑う。少しして、班員と
中澤で手分けして机を拭き始めた。机を拭き終えて、バケツのほうに吉澤が向かうと、中
澤がちょうどそこから立ち上がるところだった。吉澤はバケツの中に雑巾を放って、
「先生、さっきどうして私にバレー部?って聞いたんですか?」
洗いながら聞いた。返事がないので、吉澤は中澤を見上げる。
「…気になっただけや。」
そう言った中澤の表情からは笑みが消えていた。
「そうですか……。」
そう言って、吉澤は顔を下げて再び雑巾を洗う。中澤は、一旦教室から去っていった。
数十分後。それぞれの場所で掃除を終えた生徒たちが教室に戻ってきた。後藤は、すっか
り他の生徒たちと馴染んでいるようで、うるさいぐらいに騒いでいる。
その時、教室のドアが開いて中澤が顔を出し、
「全員いる? 廊下出て並んでな〜。」
そう言って生徒たちを誘導した。そうして一同は体育館へと向かった。
-11-
始業式はさっさと進んでいき、最後に理事長の一言となったが、姿が出てこない。が、生
徒たちはいつものことだと慌てる様子はなかった。しばらくして、校長である寺田がラジ
カセを持ってステージに上がり、さっそくスイッチを入れた。スピーカーから雑音交じり
の音が出てくる。少し間を置いて、
【え〜、理事長の山崎です。生徒諸君、進級おめでとう。】
低い中年の男の声が響く。そのまま無音が続く。寺田が、
「あ、終わり…ですね。」
そう言ってラジカセを片手に去っていった。生徒たちから小さく笑いが洩れる。教頭の和
田が退場を指示する。
「え〜、これで終業式を終わります。え〜、先生方、このあとの入学式のことも忘れない
ように…では、高等部二年の一組から順に退場お願いします。」
そうして生徒らは教室へと戻っていった。
教室。
中澤が慌ただしく次の指示を出す。
「ほなら椅子を全部体育館運ぶで、ええなぁ〜。」
生徒たちは各自で椅子を持ち、体育館へと向かい始める。皆が一斉にそうなるので、階段
のあたりで人がつまっていた。吉澤は並んで、人が流れるのを待っていた。
「すっごい人だぁねぇ〜…」
やる気のない語尾の濁った口調。吉澤が横を向くと、椅子によっかかる後藤がいた。
-12-
「そ、そうだね……。」
吉澤は慌てて返す。別に後藤を意識しているわけでもないのだが、あまりにも自然に入ら
れて驚いただけだ。そんな吉澤に後藤は声を休めずに聞く。
「吉澤…さんだっけ?」
「うん。あ、さんづけはいいよ。かたっくるしいからさ。…よっすぃ〜でいいよ。」
「よっすぃ〜?」
ものめずらしい感じで後藤は口元を緩ませて聞き返す。吉澤は笑顔で頷いて、
「私はぁ……ごっちん、って呼んでいいかな?」
後藤に聞いてみた。後藤はにぃと笑い、頷いた。こうして吉澤と後藤は、話すきっかけを
得たのであった。
体育館。教師に指示された場所に椅子を置き終えると、吉澤と後藤は体育館を出ようと入
り口へと向かった。見ると、青いネクタイの人の塊ができていた。高等部生徒だ。吉澤は
気にしないで突っ切ろうとしたが、後藤が立ち止まった。吉澤は戻って、
「どしたの、ごっちん。」
後藤に聞いた。後藤ははっと気がついて、
「あ…なんでもないよ。」
それだけ言うと、体育館を出て行った。後藤を追いかけようとした吉澤に、
「あ、よっすぃ〜じゃん。」
高等部の生徒の一人が声をかけた。
学園物は読みやすいのかな。よかったね。
中澤が気になる。
更新途中でオソロはじまって聴いているのか(w
-13-
振り向くと、先ほどの高等部生徒の一団の中から、背の低い少女がひょっこりと出てき
て吉澤に近づいた。
担任の中澤とは、また微妙に色合いの違う金髪を真っ直ぐ肩まで下ろして、耳には大き
なリングのピアスをつけている。唇はグロスで潤んでいて、どことなくセクシーさを感
じさせた。
「矢口先輩。」
吉澤はその少女を知っていた。矢口先輩――矢口真里。高等部3年。見た目は、ギャル
なのだが、成績は悪くない。性格は明るく、学校中の生徒とは中等部・高等部関係なく
顔がきく、そんな娘なのである。高等部の生徒に陰で結構人気がある吉澤は、そんな矢
口にかわいがられていたりする。吉澤も矢口を「明るくて良い先輩」としているので、
悪い気はしていない。余談だが、「よっすぃ〜」というあだ名を定着させたのも矢口で
あったりする。
吉澤と矢口は数分ほどの雑談をした。矢口の友達が、矢口を呼んだので、
「あ、じゃあね、よっすぃ〜。そうだ…」
一瞬背を向けた矢口が再び吉澤のほうを向いて、
「さっき一緒にいた娘って…」
「ごっちんですか?」
間髪いれずに吉澤は返した。矢口は頷いて、
「そう。後藤真希……っていう?」
上目遣いで聞いた。
-14-
「……そうですけど。」
吉澤は不思議に思いながらも、そう答えた。矢口は、一人で頷いて、
「…そっか。うん、ありがとう。じゃね!」
笑顔でくどいぐらいに手を振って、彼女の友達のほうへと合流していった。釈然とし
ない吉澤はしばらくそこで立ち尽くした。
「(ごっちん……矢口先輩と知り合いだったのかな? 顔…広そうだしね、ごっちん)」
吉澤が教室から戻る途中に通った玄関前には、このあとに行われる入学式に参加する
新入生の父母の姿がまばらに見られてきた。それを通り過ぎながら、
「(新入生かぁ……バレー、強い娘いるかな……)」
そんなことを漠然と考えた。
それから30分ほど経って、吉澤は再び体育館にいた。吉澤だけではなく、新入生を
除いた中等部・高等部生徒や新入生の父母らが皆、席にかけて新入生の入場を待った。
「新入生が入場します。皆様拍手でお迎えください。」
教頭和田のアナウンスが入り、体育館に拍手の音が響きだす。ほどなくして中等部の
新入生から順番に入場が始まった。そのほとんどが、小学生らしいあどけなさを残し
た生徒ばかりであった。続いて、高等部の新入生が入場する。その時吉澤は、体育館
外の水飲み場で見知ったあの少女を見つけた。
「(あの人……新入生だったんだ。どうりで知らない顔わけだ……。ん? でも、新入
生って入学式直前の登校だったような…)」
そんな他愛もない疑問が吉澤の頭に浮かぶ。
-15-
堅苦しい入学式が終わり、新入生が帰った後に、後片付けが始まった。が、吉澤ら三
学年は、自分たちの椅子を戻すだけであるので、すぐにHRが始まった。
「ほなら、明日から普通どうりに授業始まるから。忘れ物しないようにな。」
中澤の連絡に生徒たちは、はいと答える。号令がかけられ、生徒たちは帰っていった。
部活もないので、吉澤は真っ直ぐと玄関に向かった。そこで、後藤と遭遇する。
「ごっちん。途中まで一緒に帰ろっか?」
吉澤がそう声をかけると、後藤は、
「うん、いいよぉ〜。」
すんなり答えた。
どうして転校を? 後藤は、果たして今日何回こんな質問をされたかは定かではない。
悲しいかな話題がない吉澤も、否応なくそういう質問をする事になってしまった。後
藤はため息をつくでもなく、話し始める。
「親の転勤でこっちに戻ってくる事になったんだ。あ、ちっちゃい頃はこっちに住ん
でたんだよね、私。でぇ、親が薦めてきたんだよね。中高一貫にしときなさぁ〜い、
ってね。」
拍子抜けもなにも、後藤が嫌な顔せずさっさと答えてくれたので、吉澤もなぜだかほ
っとした。
更新。
ほ、ほのぼの。。?
-16-
固さが抜けたせいか、吉澤は矢口とのことを思い出して、
「そういえばさ、ごっちん。矢口先輩と知り合いだった?」
聞いてみた。後藤は、大きく目を開けて、本当に何も知らないという顔になって、
「……誰それ?」
吉澤に返した。嘘の感じられないその言葉に吉澤は、
「そ、そう。知らないんだ……。あ、矢口先輩って高等部の三年生なんだ。すごく明
るい人で、学校中知らない人はいないって感じの人なんだ。」
そう答えて、矢口の紹介をつなげた。
吉澤の「高等部」という言葉に後藤は無意識に反応を示す。もちろん吉澤は気づかな
い。駅が近づき、
「じゃ、よっすぃ〜ここでね。バイバイ。」
後藤はそう言って住宅街のほうへと消えていった。吉澤は後藤の背中をしばらく見送
って、駅に向かった。
同じ頃。夕日が差し込むある高級マンションの一室。その寝室に響く、少女の喘ぎ。
しばらくそれが続いて、悲鳴のような喘ぎを最後に途絶える。喘ぎをあげていた少女
はベッドに寝そべっている少女に倒れこむ。寝そべっている少女は、外ずされた上着
のボタンを指先で遊ばせている。倒れこんだ少女はムッとする。それでも、一瞬で機
嫌を治したかのように笑顔になり、
「そーいえば…後藤真希って娘…転校してきたって。」
意地悪そうな口調で言った。
-17-
そう言った少女の思惑とは裏腹に、相手の少女は眉一つ動かそうとも表情を変えるこ
ともなく、
「そう。」
素っ気無く言って、立ち上がり、ベッドのそばに落ちている青いネクタイを取り上げ
て結び始める。ベッドに残された少女は慌てて起き上がって、
「帰るの? 今日は親帰ってこないのに…」
名残惜しそうに漏らす。
「いっぱい男のお友達がいるでしょ。矢口せ・ん・ぱ・い。」
そういう風に呼ばれて少女――矢口は怒りと悲しみを表情に露わにする。矢口が嫌が
ることを承知の上で言った少女は無表情に振り向く。そんな無表情な虚ろな目でも見
られた矢口は、いとおしさを捨てれない。
「紗耶香だけだよ……、私が好きなのは。」
弱さを見せないように、矢口は訴える。紗耶香――市井は、それにすら表情を変えず
に部屋を後にした。重い玄関が冷たい金属音を立てて閉まる。
翌朝7時すぎ。
早起きした吉澤はいつもより早めに学校に着く。HRは8時半なので早すぎるくらい
だ。玄関に入り、そのまま体育館に直行する。昨日、部活がなかったにも関わらず、
誰かが自手練したのか、バレーボールが一個だけ転がっていた。
「ちゃんと片づけろよ。」
吉澤は独り言をつぶやいて、カバンを置いて、一人でトスを繰り返し始めた。
更新。。。
ええのう
後藤の無意識の反応。ああやっぱり穏やかでない予感。。
訂正です。誤字とかそーいうレベルでない…
>>15 の-3-ですが、
×市井紗耶香は高等部3年である
○市井紗耶香は高等部2年である
というわけで市井は高2です…すんまそ
ちょっとでもさやまりが入ってて嬉しい。
-18-
規則正しく空(くう)を舞うバレーボール。とんとんという音が体育館に響く。その音
に混じっている違う音を吉澤は聞く。バレーボールを手に収めて、音のする方向へと
移動する。校舎につながっているほうでない入り口――外に出るための入り口から、
渡り廊下を渡って、吉澤は歩く。音が聞こえるのは、体育館に程近く隣接する格技場
だ。吉澤は格技場の木の引き戸を少しだけ開けて、中を見る。
一人の少女がいた。
剣道着姿で、大きく太い木の棒に防具をつけたものと向き合っている。
長い黒髪のポニーテール。背はすらりと高く、肌が白い。大きな長いまつげの瞳で、
目の前の防具付きの木を睨みつける。
一瞬、すっと息を吸って、一気に竹刀を叩きつける。竹が木とぶつかり合う音がしば
らく続いて、止む。
「誰?」
少女が吉澤のほうを睨みつける。吉澤は引き戸をさらに大きく開けて、顔を出し会釈
する。
「…吉澤か。」
小さく息を吐いて、少女は薄く笑う。
「おはようございます、飯田先輩。」
吉澤も声を出して挨拶をする。
-19-
飯田先輩こと飯田圭織。高等部三年。剣道部部長。
吉澤と飯田はそんなに互いをよく知っているわけではない。知っているのは、名前と
その他諸々の簡単な事ぐらいだ。
腰にかけた手ぬぐいで額の汗を押し付けるようにして拭いながら飯田が、
「剣道部、入る?」
冗談めかして言った。吉澤は、
「私は、バレーボール一筋ですよ。」
少し表情を引き締めてきっぱりと言った。
飯田は、少し寂しそうな表情になって、
「…そうだよね。吉澤には、バレーが似合ってるよ。今時、剣道なんてね……。」
ちらりと横に首を捻って、先ほど竹刀で打った棒を見た。吉澤がどう返すべきか迷っ
ているのを察知したのか、
「じゃ、圭織シャワー浴びるから。じゃね。」
そう言って吉澤のいるほうと真逆の、校舎につながるほうの戸を開けると、そこから
出て格技場を後にした。
飯田が去ったあと、吉澤は格技場の戸をしっかりと閉じて、元来た道を歩き始める。
その時、格技場・体育館の並びにあるテニスコートを囲むフェンスの前に一人の少女
を見つける。近づいていくにつれ、あの水飲み場で会った生徒だということに吉澤は
気づいた。
更新です。
部活重視なお話なのかな。飯田先輩かっこいいなあ。髪は黒だよね?
logの小説って一貫してどこか翳りがある
そういう雰囲気がある小説だね
明るい学園物と勝手に思ってたんだけど
そうじゃないのかな?
各人物が徐々に出てきて続きが気になる
>>62 >長い黒髪のポニーテール
だってさ。
やっぱ飯田は黒髪。
-20-
一瞬迷ったものの、吉澤はその生徒に近づいていき、
「おはようございます。」
少し声を大きくして言った。
突然のことだったからなのか、挨拶をされた生徒は驚きで肩をすくめて吉澤のほうを
向いた。そして見知っている吉澤の顔を見て、
「あ……。」
小さく漏らした。
声をかけてはみたものの、吉澤も次はどう接すればいいのかわからなくなって戸惑っ
た。
「昨日は……ありがとう。お尻、もう治った?」
生徒のほうから、吉澤にそう言ってきた。その表情はなぜか照れている。
その表情を見ている吉澤も感化されてか、
「あぁ……いや、たいしたことないですよ。」
尻をさすり、照れ隠しに笑顔を作って返した。
再び沈黙。
石川が首を曲げて、校舎の時計に目を向けて、
「……約束あるから。そろそろ行くね。ありがとう…えっと…」
吉澤の名前を窺うようにして視線を向けた。
-21-
吉澤はすかさずつなげる。
「中等部三年の吉澤です、吉澤ひとみ。先輩は?」
「えっ? あ……私は、高等部一年の石川。それじゃ行くから…吉澤…さん。」
後輩である吉澤をそう呼んで、石川という生徒は校舎のほうへと走っていった。吉澤
は石川が校舎に入っていくまでを目で追った。
「(先輩なのに……吉澤『さん』か……)」
謙虚すぎるというか礼儀正しいというのか、石川のそんなところに、吉澤は少し新鮮
なものを感じた。
HR開始5分前。中等部三年六組の教室。
ギリギリで登校してきた後藤が、席についていた吉澤に、
「よっすぃ〜、おはよ。」
少し眠たそうにしながら言って、自分の席についた。程なくしてチャイムが鳴り、担
任の中澤が入ってきた。昨日と同じようなスーツだが、色は赤だった。
日直である生徒が号令をかける。元気な声が教室に響く。簡単な連絡が伝えられて、
HRはすぐに終わった。
「ほなら、一時間目の授業の準備してな。」
中澤はそう言うと、教室を出ていった。吉澤は後藤のほうへ行こうとしたが、後藤は
さっそく伏せって眠っているので、そのまま席にい続けた。
移転後初更新
やはり伏線は石川だったか
何気にゴマキが気になるが。
赤いスーツの中澤先生。いいね。
さて石川と吉澤の面が割れて、これからどう動きますかな。期待。
-22-
新学期の一番最初の授業といっても、通常どおりと変わらない内容で授業は行われた。
生徒たちは退屈に思いながらも、必死にノートを取ったり、こっそりメールを送りあ
ったり居眠りしたりして、授業時間を潰していった。
そうして、ようやく昼休みとなった。
「よっすぃ〜、ゴハン食べよ。」
朝の眠そうな顔はすっかり消えて、生き生きした後藤が弁当片手に吉澤の肩を叩く。
ちなみに朝比奈学園には、給食はない。
「ごっちん、ずっと寝てたね。」
一口目のご飯を飲み込んで、吉澤が言った。
「眠かったからね。」
そんなことを言いながら、後藤は紙パックの牛乳をすすった。そんな後藤に吉澤は口
元を緩める。
「そーいえば、ごっちん部活とかはどうすんの? なんかスポーツとかやってた?」
「剣道…」
朝の飯田の事もあってか、吉澤は平素以上に反応を示す表情になる。
「よく見てた。」
そんなオチをつけた後藤に、吉澤は笑う。後藤も笑う。そうして昼休みを過ぎていく。
そのときの話によると、後藤は部活が好きではないので興味はないらしい。後藤がバ
レー部に入部する事を淡く期待していた吉澤の期待はそこで消えた。
-23-
時を同じくして、高等部校舎の屋上。
そこに市井の姿があった。
彼女は、一人、屋上から高等部と中等部校舎に挟まれる中庭で、戯れている生徒を眺
めていた。彼女の後方から、ふっと弱い風が吹き、彼女の髪を撫で上げる。
「……矢口?」
風にのって香ってきた覚えのある匂いに、市井はそう言いながら振り向く。
矢口が、風で暴れる髪を押さえながら、無表情で立っていた。
市井は大きく息を吐いて、手すりに背をつけてふんぞり返るような姿勢になり、矢口
をじっと見つめる。
矢口は大股で歩き、市井の前に立つとすぐに抱きしめた。市井は矢口にされるがまま
になっている。無表情を崩さずに、焦点の合わない目で遠くを見ていた。
矢口は顔を上げて、市井の頬に触れて顔を引き寄せて、口づける。市井は目を開けた
まま、矢口の唇の感触をただ感じていた。
胸が熱くもならない、そんなキス。少なくとも市井はそうだった。
市井はただ矢口を受け止めてやる、それだけだ。
しばらくして、矢口が唇を離す。細い唾液の線が、風に吹かれて、消える。
市井は指先でそれを拭い、
「気ぃすんだ?」
相変わらずの無表情で矢口に聞く。矢口は何か言いかけて飲み込むと、踵を返して屋
上を後にした。市井は、矢口のその背中を視線の隅にして、空を眺めた。
更新。
73 :
こ:2001/02/11(日) 23:24
lk
市井がよくわかんないな。。まだわかんないでいいのか。
さやまり。
クソッ・・・面白い・・・
クソッ・・・市井がカコイイじゃねーか・・・
クソッ・・・logが何故市井ヲタの俺のツボを知っている・・・・
結局何しに来たんだ、矢口は(w
78 :
まる:2001/02/12(月) 21:53
あれは雨の降り続いた重苦しい夜のことだった。
日曜日だというのに、待ちも俺の心もどこか浮かなかった。
まる「出ていく!!!」。まるはあわてふためいたまま、母親を怒鳴りつけた
まる母「勝手に出ていきな!」
母親の言葉はどこかやるせない気持ちと怒りを遮るかのように、
娘に目もやらず、黙々と濁ったお茶を飲み干すだけであった。
東京狂った町ーーーー煙草を吹かしながら部屋には音楽が流れている。
チーズ母「チーズ、まるちゃん来たわよー。」
チーズ「アッン?」音楽を切り、時計に目をやり。
チーズ「何時に来てんだよ!!!電話ぐらいしろよ」
少し戸惑いなから部屋を出、玄関に向かったのである。
チーズは、まるのいつもと違う表情を一瞬でとらえチーズの
めんどくさそうだった顔は突如まるを気遣いする顔に変わったのであった。
まるもチーズのジャージにT−シャツ姿を見て安心感が漂っていた。
いつもの場所だという安心感に・・・
79 :
まる:2001/02/12(月) 21:54
僕は高校3年生。そして妹は高1。
童貞を捨てたのは妹が相手でした。
ヘッドホンをしてオナニーをしていると、後ろから肩をたたかました。
死ぬほどビックリしてふりむくと、そこには隣の部屋にいるはずの妹の由佳が・・・
由佳はいわゆるコギャルで、普段から携帯でHな話をしています。
いつもそれを聞いて興奮していました。
「お兄ちゃん、気持ちよかった?」
ごくフツーに聞いてきて、オロオロになっていると、
「ね、お兄ちゃんって童貞でしょ」
その翌日、二人とも学校を休みホテルへ行きました。
ホテルの入り方から始まり、全てを妹に教えられました。
今、由佳のことが好きで好きでたまりません。
80 :
まる:2001/02/12(月) 22:08
さっき妹を、犯しました。
両親は法事で泊りがけで大阪へ行ったので
2人きりです。妹の部屋に入りパジャマを剥ぎ取り
一本筋のワレメをなめました
「おにいちゃん、きもちいいよー」といったので
ぎんぎんになったアレをねじ込みました
血が大量に出ました。そして中で出しました
最初は痛がりましたが3回目は痛がらなくなりました
明日もやる約束しました
がんば
82 :
まる:2001/02/12(月) 22:14
の
84 :
名無しちゃむ:2001/02/12(月) 22:22
まるは妹いない
-24-
時を同じくして、中等部と高等部の校舎の共有部に位置する保健室。
共有しているため、その広さは通常の学校よりも少し広く感じられる。
珍しく誰も来室をしていない、静かな保健室の戸がせわしなく開けられる。
入ってきたのは、中澤だ。
「失礼します。」
中澤の声を聞いて、棚の整理をしていた養護教諭が立ち上がる。
肩の上の辺りまで切って耳にかけられた明るめの茶髪。その服装は、黒のVネックに
黒の革のパンツの上に白衣を羽織ってるといういたってシンプルな格好だ。
養護教諭は白衣のポケットに両手を突っ込みながら中澤に歩み寄って、ふと顔を寄せ
て匂いをかぎ、わざとらしく言う。
「あれっ? 二日酔いじゃないんだ?」
「ちゃうわ。手、プリントで切ってん。」
と、中澤が養護教諭の前に少し血で汚れた手を突き出した。
「冗談だよ、裕ちゃん。」
養護教諭はさっそく中澤の手をとると、傷口に消毒をし始めた。
この養護教諭、名前を保田圭という。新卒で、去年から朝比奈学園に養護教諭として
身を置いていて、はっきりとした物言いで、彼女は教師からも生徒からも信頼されて
いる。
-25-
「どう?」
傷口にガーゼを当てて、テープで貼りながら、保田が中澤に聞いた。
「どうって何が?」
質問の意味がわからずに、中澤が聞き返した。
「中等部の生徒たち。」
と言って、保田は中澤に視線を合わせる。
「せやなぁ……言うても、まだ二日目やけどな。ウチかてもう新米教師ちゃうねんか
ら、そんな心配してくれんでもええよ。」
「心配っていうかね……。どうして中等部に、って思ってさ。しかも自分から直接理
事長に頼み込んでってたから…」
「気まぐれや。」
眉間にわずかに皺を寄せて、中澤は言った。
保田が言葉を返す前に、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴る。
「ほなら行くわ。手、ありがとう。」
険しくなった表情を直して、そう言い残すと、中澤は保健室を出て行った。
「気まぐれ……ね。」
一人残された保田は呟き、いらなくなったテープの切れ端をごみ箱に投げ入れた。
更新です。
保健室の保田先生ですか!いやはや。中立苦悩役なのかな。。
それぞれがいろんな事情を抱えてるみたいで
どんな展開になるのか楽しみだ
やがては一本に繋がるのか?読んでてワクワクするぞ!
保田と中澤の微妙な関係がたまらない
クソッオモロイ・・クソッ・・・なんてアンビバレンツ・・
92 :
名無し募集中。。。:2001/02/13(火) 05:56
チーズの童貞喪失物語(近親相姦)も読めるlog小説!
93 :
名無し募集中。。。:2001/02/13(火) 08:23
hayaku kake
-26-
放課後。
吉澤は、バレーボール部の部室へと向かい、ジャージに着替えて、グラウンドに行き
春休み中に鈍った身体を動かすために走り始めた。部活見学に来ているのか、中等部
や高等部の新入生と思われる生徒がちらほら見られて、いつも以上に賑やかになって
いる。
吉澤がグラウンドの三分の二を走り終えた時、数十メートル先に見える格技場から飯
田と市井が出てきた。飯田は朝と同じ剣道着姿で片手に竹刀を持っていて、市井は制
服姿で片手にカバンを持っていた。二人は何かを言い争っているように見えたが、吉
澤には聞こえない。
「紗耶香、話聞いてってば。」
顔をくしゃくしゃにした飯田が市井に食って掛かる。
「もう十分聞きましたよ、飯田先輩。何回も言うけど、もう考え直す気はないです。」
興奮気味の飯田とは違って市井は落ち着いた口調だ。
吉澤と格技場の距離はさらに縮まり、飯田と市井が走ってくる吉澤のほうに目を向け
た。市井と吉澤の目が合う。
と、その時格技場の戸が大きく音を立てて開いた。
-27-
飯田と市井と吉澤が目を向けると、戸が開いたと同時に、生徒が飛び出してきて格技
場の低い石段を飛び降りて、竹刀片手に飯田と市井に向かって行った。
吉澤が声を出す間もなく、市井に向かって竹刀が振り下ろされる。
ぱん、と竹刀の音が辺りに響き、音に驚いた生徒たちが市井たちのほうに目を向ける。
市井は――革のカバンで、竹刀を受け止めて、カバンを振り上げて、襲ってきた生徒
を跳ね飛ばす。生徒はその場に尻餅をつく。
「……ごっちん!?」
生徒を見た吉澤が駆け寄って、生徒――後藤を起き上がらせる。
「久しぶりだね、後藤。」
無感動に市井が言った。そんな市井を見て、後藤の表情に落胆の色が拡がる。吉澤と
飯田は、混乱を隠せないで、二人のやり取りにただ耳を傾けていた。
「それじゃ、失礼します、飯田先輩。」
市井は、後藤が落とした竹刀を飯田に押し付けて、ざりっと砂を蹴って、校舎のほう
へと歩いていった。飯田は竹刀を押し付けられてから、はっとしたように顔を上げる。
「紗耶香、待って!」
市井は飯田の声を無視して、歩みを止めずに、視界から消えていった。
-27-
飯田と市井と吉澤が目を向けると、戸が開いたと同時に、生徒が飛び出してきて格技
場の低い石段を飛び降りて、竹刀片手に飯田と市井に向かって行った。
吉澤が声を出す間もなく、市井に向かって竹刀が振り下ろされる。
ぱん、と竹刀の音が辺りに響き、音に驚いた生徒たちが市井たちのほうに目を向ける。
市井は――革のカバンで、竹刀を受け止めて、カバンを振り上げて、襲ってきた生徒
を跳ね飛ばす。生徒はその場に尻餅をつく。
「……ごっちん!?」
生徒を見た吉澤が駆け寄って、生徒――後藤を起き上がらせる。
「久しぶりだね、後藤。」
無感動に市井が言った。そんな市井を見て、後藤の表情に落胆の色が拡がる。吉澤と
飯田は、混乱を隠せないで、二人のやり取りにただ耳を傾けていた。
「それじゃ、失礼します、飯田先輩。」
市井は、後藤が落とした竹刀を飯田に押し付けて、ざりっと砂を蹴って、校舎のほう
へと歩いていった。飯田は竹刀を押し付けられてから、はっとしたように顔を上げる。
「紗耶香、待って!」
市井は飯田の声を無視して、歩みを止めずに、視界から消えていった。
更新です。
久しぶり、久しぶりなのか市井&後藤!何があった!
さて動き出してきましたな。穏やかでない予感、高まる。
うん。確かに2重カキコだ(w
>>99 気づかんかった…
-27-は二重カキコですが、今日の分はそこまでですんで…
あ〜、やっちゃった♪
logの情景描写ってダルくて好きじゃなかったけど、
71でこういうのも良いなって思った。迂闊だ。
市井よクールだな・・・
市井を中心に皆が繋がってるのか?
早く続きが読みたい!面白いわ
-28-
吉澤が起き上がらせた後藤に目をやる。後藤の表情は暗く沈んでいた。吉澤は、後藤
のスカートの埃を叩き落とした。その時、後藤の手にたくさんの擦り傷を見つける。
今さっきできたものだ。
吉澤は無言で後藤を引き寄せて、保健室へと向かった。
保健室へ向かう間、二人は何も話さなかった。後藤はさっきの表情を崩さないままだ。
『ごっちんと市井先輩は知り合いだったんだ。いつ、どこで?』
なんて聞けそうもない吉澤は、保健室をめざした。
保健室。
「ちょっと染みるよ。」
と言って、保田は洗浄した後藤の手に消毒液を含んだガーゼを押し当ててやる。
後藤は唇を噛む。ここにきて、ようやく表情が変わった。保田は、後藤の手に治療を
施しながら、後藤の隣に立っている吉澤を見上げる。
「バレー部、だよね? そこのブランドのジャージ着てるって事は。」
「えっ? はい、そうですけど…」
吉澤は自分のジャージを見ながら保田に答えた。
「そっか。」
聞いた保田は口元で笑う。吉澤は保田の笑みの理由がわからなくて首をかしげる。
-29-
吉澤は掛け時計に目を向ける。
「あっ……部活、始まっちゃう。ごっちん、私行くけど…」
「一人で大丈夫だよ。ありがとね、よっすぃ〜。」
ようやく笑顔になって、後藤は吉澤に手を振った。吉澤はそれに頷くとバタバタと保
健室を出て行った。
途端に、室内が静まり返る。
「後藤……真希ちゃん?」
確かめるように保田が聞く。
後藤は驚いて顔を上げる。
「そうですけど…」
戸惑いを見せながらも答え、
「どうして……名前を?」
すぐに聞き返す。
「紗耶香から聞いたこと、あるんだ。知ってるよね?」
保田は治療を終えた後藤の手を離して、窓のほうに目をやって言った。
後藤は頷く。
同時に、教師でありながら、市井を「紗耶香」と呼ぶ保田に邪推をせざるを得なくな
る。
「別に変な関係じゃないからね、紗耶香とは。」
後藤の頭を見透かしたように保田が付け加える。
更新です。
う〜むいろいろと想像が膨らむな
それぞれがどんな関係なのか早く知りたいような
知りたくないような・・・
「いつからどういう関係なのよっ」と問いただしたい関係が次々と。
保田が気になるじゃないか。。ああ波瀾の予感。(←待ってる)
108 :
名無し募集中。。。:2001/02/14(水) 23:37
ののたんでオナニーしてもいいれすか?
109 :
名無し募集中。。。:2001/02/14(水) 23:40
一橋一 一橋一
一橋一 一橋一
一橋一 一橋一 一橋一
一橋一
一橋一
小説スレをあげないでくらさい!
111 :
高校生:2001/02/15(木) 00:36
小説スレをあげないでくらさい!
-30-
「じゃあ…」
と、後藤が問いただそうとすると、呼び出しの放送が鳴る。
【保田先生、至急職員室までお越しください。】
「……薬剤業者さんが来てるんだよね。遅くなるだろうから…今日はもう話せないよ。」
放送にかぶらせながら、保田が言う。
後藤は素直に頷いて、保健室を駆け足で出て行った。
「後藤真希、か……。」
保田は、薄く笑みを浮かべた表情で呟き、保健室の鍵を閉めて、職員室に向かった。
職員用更衣室。
にわかに夕日に照らされ始めている室内。
中澤は、銀縁の眼鏡をそっと外し、赤のスーツを脱いで、ジャージに着替え始めた。
重い鉄製のドアが音を立てたので、驚いてそちらに目を向けると、一人の女性が顔を
覗かせた。
中澤は安心して、止めていた息を吐く。
「なんや、みっちゃんか……。」
みっちゃんと呼ばれた女性は静かにドアを閉めて、ロッカーに腕をつけて寄りかかっ
た。みっちゃん――平家みちよ。高等部で古文を教えている。中澤より6つ年下では
あるが、年関係なく最も通じ合った仲であったりする。いわゆる『親友』というやつ
である。
-31-
平家は、更衣室のロッカーに寄りかかった姿勢のままで中澤に聞く。
「中等部、どう?」
「みんな聞くねんな。問題ないよ。」
中澤は、昼間もされた同じ質問に笑いながら答えて、ロッカーから卸したてのスポー
ツシューズを取り出し、履き始める。
その時、ロッカーから一通の白い葉書サイズの封筒が滑り落ちる。中澤が慌てて、手
に収めて握り締める。
「……あやっぺからやろ?」
平家の問いに、中澤は重く頷く。
「ウチにも、同じ封筒の届いたからな。手書きやったけど、内容はだいたい同じやと
思う。結婚式はやらん、って。子ども順調みたいやし、元気みたいやな。」
平家は、背を向けている中澤に淡々と言った。
あやっぺ、というのは前年度に退職した教師――石黒彩のことだ。彼女は、中等部で
教鞭をとっていて、バレー部の顧問も務めていた。生徒と勘違いしてしまうほど、明
るくハキハキした性格の女性だった。
中澤は、石黒に惹かれていた。
中澤が、自分の石黒に対する気持ちに気づいた頃の去年の冬に、石黒は妊娠をしてい
ることを学校に伝えて、去っていった。
-32-
去年の冬。雪がちらつく夕暮れ時。
朝比奈学園の校門前。
二人の女性が、校門へ続く道に積もった雪に足跡を付けていく。
「裕ちゃん、色々相談のってくれてありがとうね。」
校門を出ると、石黒は明るい笑顔で、白い息を吐きながら中澤に言った。
「幸せに……なってな。」
中澤は頷き、石黒に手を差し出して、握手する。
しばらくの間、中澤は石黒の手を離せなくなる。
「裕ちゃん?」
石黒が不思議がり、笑う。それにハッとして、中澤は慌てて手を離す。
「バイバイ。」
石黒への気持ちを全て飲み込み、中澤は別れを告げた。石黒は警官のする敬礼ポーズ
を中澤に見せて、彼女を口元で笑わせると、背を向けて学園を離れていった。
結局、中澤の石黒に対する想いは届かなかった。
そしてこれからも届く事はない。中澤自身が、強く思い、そう望んだ。
あの時握手した手を眺めて、中澤は呟く。
「好きな人が……幸せならえーねん。」
「前は、好きな人ならどんなことしても奪うって言うてたのにな。」
意地悪な平家の言葉に、中澤はロッカーを睨む。
二人の間に、嫌な空気が流れる。
更新です
登場人物がみんな何かしら背負ってるんだな
毎日読むのが楽しみになってきてる
頑張って書いてくれ
ハロプロ総出演なのか??
吉澤と面が割れたっきり、石川が出てこないのでさみしいよう。。
もう、、バカなんだからぁ!!・・ック
いつイギータ出てくんのかな・・・ドキドキ。
-33-
わずかな沈黙のあと。
「理想と現実…ってやつや。はよ、忘れなな…ウチも。」
中澤は自嘲気味に言うと、バンと大きくロッカーを閉めて、更衣室を出て行った。
「思いきり、引きずってるやん……。」
一人になった平家は、ロッカーに挟まれるところに位置する黒い革の長椅子に腰を
下ろした。
吉澤は、体育館ではなく部室にいた。
自分のロッカーを開けて、肘用のサポーターを引っ張り出してポケットに突っ込む
と、廊下に出た。夕日で照らされた廊下が長く影を作る。
「あ……こんにちわ。」
部室を出るなり、吉澤は挨拶をする。バレー部の部室と対角線上のところに位置す
るテニス部部室から、ちょうど石川が出てきたところであった。
「こんにちわ。」
吉澤のほうに向きなおして、石川も返した。
白のポロシャツに、黒のジャージを履いて、テニスラケットを抱えてる石川の姿を
見て、吉澤は笑顔で言った。
「テニス部入ったんですね、石川先輩。長いんですか?」
「ううん、中学生のころから……。」
真中で分けて、二つに縛って束ね下ろしている髪を揺らして、石川は言った。
-34-
吉澤は石川の一挙一動に目を追っている自分に気づく。
「バレーボール部なんだ。背、高いもんね……吉澤……さん。」
生まれた疑問に考える間もなく、吉澤を上から下まで見て、石川が言った。
「さんづけはいいですって、石川先輩。」
「ごめんね、どう言えばいいのか迷っちゃって…」
そう言って、口元を隠して照れ隠しする石川。
「お友達にはなんて呼ばれてるの?」
「えっと……よっすぃ〜とか、そのまんま呼び捨てだったり。」
石川の質問に、吉澤は頭を掻きながら綴るように答えた。
石川は真剣な表情で考え込む。
「(まじめな人だなぁ…)」
と、吉澤は石川を見て思った。
その時、ふと吉澤と石川の目が合う。
途端、吉澤の顔が熱くあり、吉澤は石川から目を離す。
「(どーしたんだろ…)」
「時間、大丈夫?」
石川は、右腕に着けているスポーツウォッチを見て、聞いた。
-35-
「あ…行かなきゃ。それじゃ……。」
吉澤の声がうわずる。
なぜか震え始めている唇を拭うようにして押さえ、吉澤は身体の向きを変えた。
「うん、またね。……ひとみちゃん。」
歩き出した吉澤の背中に、ぎこちなく言う石川。
吉澤にとっては新鮮な『ひとみちゃん』という呼び方。
しかし、その時の吉澤にはそれを気に留める余裕はなくなっていた。
保健室を出た後藤は、中等部校舎と高等部校舎とをつなぐ一本の広い廊下を歩
いていた。
「……後藤さん?」
中等部校舎へ向かおうとしていた後藤を呼び止める声。
後藤は振り向いて、視線を少し下げると、青いネクタイが目に入る。
高等部生徒だ。そう思いながら後藤は、相手の顔のほうに目をやる。
「誰ですか?」
相手を知らない後藤は、目をパチパチして聞く。
「矢口真里。」
生徒はにっこりと笑みを浮かべる。聞いた後藤はとりあえず、へぇといった顔
になる。
「紗耶香の知り合いなんだ。」
と、後藤が聞いてもいないことを矢口は付け加えた。
更新です。
たまにはレス返してみよう…
>>117 生きてくってそーいうもん…(多分
>>118 極力オリジナルキャラは出したくないしな。
いや平家が必要不可欠だったのさ
話しが同時進行しててどれもこれも気になる
でも一番気になるのは市井矢口後藤かな
いや吉澤の石川への視線も気なる
そいでもってなかざーの過去も・・・結局どれも気になる
みっちゃんが主役とみた!
吉澤。ほう。。 肩入れは、んー、じゃあ中澤。
イギータはどんな登場の仕方なんだろ・・・ワクワク。
保田刑おもしろい
生きるって事は変わ(略
矢口VS後藤が一番楽しみだったり…
132 :
まる:2001/02/17(土) 10:49
__
_|__|_
__ ( ゚Д゚)
_|__|_ / \
J ゚Д゚L //| l |
/ \ | | | | |
//| l | | |/ /| |
| |/ /| | | || / | |
| || / | | φ| | | U
φ| | | U // .| || |
// | || | __ // .| / | |
// | / | | _|__|_ __ // // | |
// // | | (゚д゚) _|__|_ // // | |
/ // | | ⊂|÷|⊃ ⊂(゚Д゚)⊃ / // | |
U U J UU J UU U U
-36-
「……そーですか。」
矢口に不愉快さを感じた後藤は、沸きあがる好奇心を無意識に抑えて、無関心
を装う。
後藤の出方をある程度予測していた矢口はひるまずに言う。
「ごと……ごっちんでいい?」
「別に、いいですけど…」
後藤はしぶしぶ返す。
矢口はにやにやしながら後藤の肩に手を置いて、手の上に顎を乗せて、後藤の
顔に自分の顔を近づける。
「そんなに固くならないでさぁ、友達なろーよ。ねっ?」
矢口の思惑がつかめない後藤は返事を躊躇する。顔を接近させている矢口から
目を外して、そのまま少し矢口から離れて背を向ける。
「とりあえず……番号だけ。」
矢口に背を向けたまま、後藤は自分の携帯を取り出す。矢口が歯を見せて笑う。
体育館。
バレーコートの上で、二十数人ほどの部員が一列に並んでいる。その生徒たち
と向き合うようにして立っている教師――
「今年度は、私が顧問を務めます。中澤裕子です、よろしく。」
と言って、中澤は小さく頭を垂れる。
-37-
「よろしくおねがいします!」
部員たちは、声を張り上げて、腰を折って挨拶をする。
部員の中には吉澤の姿があった。
「(だから……出席とった時に、部活の事聞いたのかな?)」
あの時――中澤と初めて会った時の事を、吉澤はふと思い出した。
「ほなら、練習始めよか? あとは部長に任せるで。」
平素よりは声を張り上げて、中澤が部長である生徒に向かって言った。
「じゃあ、みんなサーブからするよ。中等部二年はボール拾いね。」
部長の指示で、部員たちはそれぞれの場所へと動き始める。
中澤は腕組みをして、体育館の壁に背をつき、じっと部員たちを凝視する。
吉澤は練習に集中し始めていった。
テニスコート。
4面あるうちの一つのコートにテニス部の部員たちが集まっていた。人数は
三十数人ほどだ。
部長と思われる生徒が、列から離れる。
「紹介するね。」
列から離れた生徒が、列の端で下を向いて立っている石川を手招く。
石川はぱたぱたと駆け出して、呼ばれたほうに向かう。
「高等部一年の石川梨華です。よろしくおねがいします。」
かすかに語尾を震わせて頭を下げた。
-38-
「石川さんは、推薦枠で入ってきた娘なんだ。だから今日から入ってきたわけ。」
部長の言葉に、部員たちは耳を傾けていた。
『推薦枠』という事でプレッシャーを感じている石川にとっては、部長が話し
つづけている時間はひどく長く感じた。
「じゃ、練習始めるよ。」
ようやく出てきた部長の言葉に、石川はほっとする。
ぱこーん、という小気味いい音が、休むことなくテニスコートに響く。
テニスコートの片側は、数分ほどで黄色いテニスボールで埋まっていた。
中等部の部員がそれらを集めている短い時間の間に、高等部の生徒は談笑した
りしていた。
石川はまだ馴染めずに、ぼーっとしていた。
「サーブなんて飽きるよね。」
不意の声かけに石川は驚いて横を向くと、一人の生徒が横にいた。その生徒の
後方から夕日が差し込んでいたので、石川は目を細める。
背は、石川より少し低くて、髪は肩より少し長く茶色い。大きな丸い目に、長
いまつげ。厚い唇。髪に見え隠れする頬は少しぽっちゃりしている。
「そんな、サーブだって大切ですよ……っと……」
「あぁ、安倍なつみっていうんだ。なっち、って呼んでね。」
安倍という生徒はそう言うと、顔をくしゃくしゃにして笑顔を見せた。石川か
ら少しだけ肩の力が抜ける。
更新です。
じわじわと
なっちテニス部っ。斬新。 矢口はナンナンダヨー。。
オール出演なのか?面白いじゃないか
矢口に番号を教えて大丈夫なのか?と後藤の心配をしてみる
某所で自信満々のlogさんを見かけましたよ。
俺もおもしろいと思ってるよ。
-39-
緊張しながらも、石川は安倍との会話をつなげようと努める。
「安倍先輩は……テニスは、どれくらい?」
「んーとね、中学一年の終わりくらいからかなー。」
と言って、安倍は転がってきたテニスボールをラケットで鮮やかに拾い上げて、
ぽんぽんとラケット上で跳ねさせる。
「5年くらいですか……。」
特に意味もなく言葉を出す石川。安倍が少し高めにボールを跳ねさせ始める。
「石川は…いつから…テニス…やってるの?」
「中学、からです……。」
「あ、じゃ同じくらいか…そかそか…」
ボールがそれて、安倍が石川から離れる。その直後に、ボールを落とした安倍
は、落としたボールを拾い上げた後輩と話し始めた。
石川は、金網に背をかけて、その光景を安倍と話す前と同様にぼーっと眺めた。
夜7時ごろ。
辺りはすっかり暗くなり、雲ひとつない夜空にいくつかの星が瞬いている。
部活を終えた生徒たちが、大きく間を空けながらも次々と家路についている。
着替え終えて学校を出た吉澤は、駅に向かって歩き始める。
ふと視線を上げると、電柱3本ほどを隔てたぐらいの距離に、吉澤は、石川ら
しき生徒に気がつく。そして、背負っているテニスラケットで石川だと確信を
した。
-40-
吉澤のローファーが小石を踏みつけてアスファルトを擦る。
同時に、吉澤は一瞬間だけ足を止めて、再び歩き出す。声をかけるべきか、そ
れともこのままの状態を保ちつづけるか。
吉澤は葛藤をしていた。
つまらない事で迷うなよ、と吉澤は自分に呆れる。葛藤は、吉澤の歩く速度を
緩ませ、石川との距離を遠のかせる。
初めてのような、懐かしいような――わけのわからないまま湧き上がる感情は
吉澤の足どりをさらに重くさせる。
石川の姿が吉澤の視界から消えると、言いようのない喪失感が現れて、消えた。
同じ頃。
中澤は着替え終えると、かつかつとヒールの音を響かせて正門へと続く道を歩
いていた。正門に人影を感じる。
見ると、平家が立っていて、中澤と目が合うとニッコリ微笑んだ。
部活に披露していた中澤からもつられるように笑みがこぼれる。
「どないしてん、みっちゃん。」
「飲み初め、いうやつや。」
いたずらぽく平家が言った。
-41-
朝比奈学園から程近い、朝比奈公園。
広くもなければ狭くもない公園。周りが木々に囲まれていて、それらが夜風で騒
いでいる。
飯田は公園を通って自宅へと向かっていた。
目の前に、同じ制服の少女の姿があった。じゃり、と砂を踏みしめて、飯田は立
ち止まる。そして歩幅を狭めて、ゆっくり進みだす。
目の前の少女が、突然立ち止まり、恐る恐るといった感じで振り向き、飯田を確
認して、
「圭織じゃん。」
にこりと笑う。飯田も仕方なしといった感じで不器用な笑顔で応える。飯田に声
をかけたのは、安倍だった。
安倍と飯田は、小学校の三年生までを、北海道で過ごしていた幼馴染であったり
する。小学四年から、親の転勤で二人は離れ離れになり、そして高校一年で再会
した。
が、幼かった頃のように互いに屈託なく話すという事はできなくなっていた。
9年という歳月は、二人にとっては長かったのかもしれない。
「一緒に、帰ろっか?」
安倍の言葉に飯田は顔を上げて、頷く。
2人は、共に歩き出したが、一言も会話らしい会話はなかった。
更新です。
>>139 見つかったか…
ま、この作品だけどなー。藁
吉澤。。いいねえ、スクールライフって感じで。←なんじゃそりゃ。。
う〜んって感じかな
次回に何かあるんだろうと期待してみる
146 :
ジャン:2001/02/19(月) 11:57
これは削除対象スレですね。
全発言をあぼーんさせていただきます。
147 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:02
ジャンっていいやつじゃん
早くlog小説全部消してくれ
目障りなんだよ
148 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:05
早くしろよバカ削除人
149 :
名無し募集中。。。:2001/02/19(月) 12:13
logなんて大ッキライだ!
150 :
おじちゃん:2001/02/19(月) 12:14
ジャンとジャンケンぴょん
151 :
名無し募集中。。。:2001/02/19(月) 12:14
非処女だからな
152 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:20
チンカス削除人早くしろよ
ビビってんのかよばか
153 :
カカロット:2001/02/19(月) 12:22
ジャンは偽者だ!!いつもの気と違う!!
154 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:23
ジャンってあの「鉄鍋のジャン」からとったのかな?
そんなことはどうでもいいから早く消せ。
155 :
名無し募集中。。。 :2001/02/19(月) 12:24
ジャンクロードバンダムからだよ
156 :
名無し募集中。。。:2001/02/19(月) 12:25
157 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:26
勘違いバカ発見
158 :
名無し募集中。。。:2001/02/19(月) 12:27
ジャンケンぴょん
159 :
ぎっち:2001/02/19(月) 12:29
「ジャンジャンバリバリ」っていうのもあったな
懐かしい
160 :
まる:2001/02/19(月) 17:20
この馬鹿スレまだあんのか・・・
-42-
繁華街。そこのビルのひとつ。
中澤と平家は階段で地下へと降りていた。二人のヒールの音が不規則に交じり
合ってコンクリートの壁に響く。
「裕ちゃん……居酒屋にしよや……。」
「たまにはええやん…」
止める平家を無視して、中澤は下へと降りていく。平家は小さく舌打ちをする。
地下一階に降り立った中澤は突き当たりにある店に向かう。他の、淫靡な雰囲
気を醸し出す店とは違う、しゃれた感じのバーだ。中澤は、足を止めずに直進
してドアを押し開ける。カランというお決まりの音が、廊下に響く。
バーに入った二人は、カウンターの端に寄って、座っていた。
中澤は、華奢な手の中に収めたウィスキーグラスを持ち上げて、一気に中身を
飲み干した。大粒の氷がからりと音を立てる。隣の平家は、それを見届けて自
分のカクテルをちびりと舐める。お酒に弱いわけではないのだが、ひどく気を
そがれた気がしてならなかった。
半ば忌々しいげに中澤を見て、平家はカクテルグラスを乱暴にテーブルに置く。
「ここって、アレやろ。」
「アレ、て?」
平家の心中を見透かした、そんな目つきで中澤が聞き返した。
平家は、高ぶりそうになる感情を必死に抑える。
-43-
「裕ちゃんが…あやっぺと…初めて飲んだ店やろ? さっきは忘れなな、言う
たやないか。せやのに…」
「みっちゃんには、カンケーないやろ。」
部活疲れと慣れないウィスキーのせいなのか、中澤はいつになく冷たく言い放
った。
中澤の言葉に、平家の顔が怒りでかっと熱くなる。
そんな平家の怒りを知ってか知らずか、中澤は空のウィスキーグラスの中で溶
けかかってる氷を指先で撫でている。
「せやなぁ……カンケー、ないよなぁ……。」
興奮を抑えながら、自嘲気味に平家が言った。
数秒の間があいて、平家が立ち上がり、財布から何枚かのお札を出して、
「今日はウチの奢りな。」
立ち上がり去ろうとした。
「ええて…」
中澤は少し乱暴に、お札を手で滑らせてどかす。平家がその手を押さえつける。
「奢り言うたら、奢りや。」
と、言い放ち、平家は大きく音を立ててドアを閉めて、出て行った。中澤は平
家の出していった札をたたんでバッグにしまい、もう一杯ウィスキーを頼んだ。
更新です。
荒れてるな〜どうしたなかざー
そらやってられないわな。色々と思い出したのか?
-44-
朝。
とあるマンションの一室。
「ぅ……。」
小さくうめいて、ベッドで寝返りを打つ少女――市井だ。
カーテンの隙間から洩れて、睡眠を妨げる太陽光。市井は、立ち上がってカー
テンを閉めなおして、ベッドに倒れこみ眠りにつこうとする。時間は、7時を
少しまわったところだ。
水曜。
当たり前だが、学校はある。
市井は、勢いよく起き上がり、洗面台に直行する。
居間に行くと、ソファの前のテーブルが書類で埋まっていた。やれやれといっ
た感じで、市井は膝をつき、散らばった書類を一束にまとていると、部屋から
着メロが流れてきた。ディスプレイに目をやると[おとうさん]と表示されてい
る。
「もしもし。うん、ちゃんと行くってば。欠席した事なんてなかったじゃん。
うん、わかってる。はい、じゃね。」
携帯を、テーブルにおいて、朝刊に手を伸ばし、キッチンへ向かい、食パンに
かじりつく。
市井は、この高級でもボロでもないマンションに、父親と二人暮しをしている。
母親はいない。生きてはいるのだが、ほとんど消息はつかめていない。わかっ
ているのは、他の男と逃げた、という事だけである。よくある話だ。
-45-
「いってきます。」
誰もいない玄関に市井の声が響き、ドアが閉まり、鍵がかけられる。
エレベーターを使わず、軽快な音を響かせながら階段を駆け降りて道へ出る。
途端、市井の表情がきゅっと引き締まる。口を一直線に、目は虚ろに、そん
な表情。市井は駅に向けて歩き出す。
歩き始めて一分過ぎた頃。電柱の陰からひょっ、と矢口が現れる。
「おはよ、紗耶香。」
「おはよーございます。」
やっと聞こえるぐらいの無気力な声を出して、市井は止まらないで進む。
「待ってよぉ。」
矢口は笑いながら、市井のあとをついていく。腕を組もうとする矢口をあし
らう。何回か同じ事が続く。
突然、矢口が市井の前に立って、自分の携帯を市井の鼻先に突き出す。
「……なにさ?」
少し怒りを込めた口調で、市井が後ろに下がり矢口の携帯のディスプレイに
浮かんでいる文字に焦点を合わせる。[後藤真希]と表示されている。息を吐
く。
「これがなにさ?」
「昨日、後藤真希に聞いたんだ、電話番号。」
矢口は携帯をカバンに押し戻す。
-46-
「で?」
前髪をかきあげて、市井が矢口を見る。
「どー思ってるのさ、後藤真希の事。興味、本当にないわけ?」
「ないよ。」
ふっと鼻から息を出して、口だけで笑う。
「本当?」
「ないよ。」
「信じていいわけ?」
「……なんなんすか。」
市井の表情が一変して、獣のような目つきで矢口を見据える。
矢口は小さく唾を飲んで、再び市井に食い下がる。
「いつだったかな……去年の終わりぐらい。紗耶香、寝言で言ってたんだよ。
ごとー、って。ずっと、気になってた。でも、朝比奈にも近くの学校にも、
紗耶香が関わってそうな『ごとう』って娘はいなかったから、聞き違いだっ
たんだって思ってた。でも…」
「『後藤』が朝比奈に来た。」
市井の言葉に、矢口は頷く。
市井は、歩き出した。矢口は追いかける。
「ねっ、後藤真希とは…いつから知り合いなの? いつ、どこで…っ…!」
市井が振り返り、矢口の肩を強く掴む。
-47-
殴られる、と思った矢口は目をつぶる。
「昔、近くに住んでいた女の子。これで満足ですか? そんなんまでいちい
ち気にしてたら、こっちが疲れますよ。皮相過ぎですよ、考え方。」
と、言い切って、矢口の肩を離そうとする。
矢口は、市井の手に自分の手を重ねる。
「そんなになっちゃうぐらい……紗耶香が好きだからだよ。ウチラって何な
の? 紗耶香は私のこと……どう思ってるの?」
「矢口先輩が付き合って、って言ってきた。だから、付き合ってる。好きと
か嫌いとか関係なく、ですよ。」
早くに言う市井。覚悟をしていたからなのだろうか、矢口の顔からは驚きの
色は見られなかった。
「紗耶香は、人を好きになった事あるの?」
市井にとっては、矢口の質問は陳腐以外の何者でもなかった。
途端、うんざりした顔つきになる。
「もういいすか? 遅刻するんで…」
矢口の手から肩を外して、市井は歩き出す。
足こそ出かけたものの、矢口は市井を追わなかった。
「なんで好きなんだろう…」
市井と関わって以来、思ったことはあっても、一度も口に出す事がなかった
疑問を、矢口は吐露した。
更新。
登場人物多いと、悲しいかな偏るな。藁
そこんとこは承知しといてください…
いいな〜なんかこの市井好きだ
後藤によって変わるんだろうか・・・
矢口よガンバレといっておこう
171 :
名無し。:2001/02/20(火) 23:35
ちょっとは矢口に優しくしてやれよ市井…。
なんか一途な矢口が可哀想だ。
なんかみんなちょっとずつちょっとずつ歯車が合わないのね。まあ現実もそっか。。
誰が主役!というわけではないのかな。。
↑うぜ
-48-
時を同じくして、朝比奈学園。
登校してきた吉澤は、正門に背をつけて立っている後藤を見つける。
昨日、後藤が市井を竹刀で襲った事を思い出しもしたが、気を取り直して声
をかける。
「ごっちん、おはよ。」
「おはよ、よっすぃ〜。」
後藤の表情に気まずさのようなものはなかった。
吉澤も出来る限り、平静を装う。
「誰か…待ってるの?」
「ん、まぁね……。」
お茶を濁す後藤に、吉澤は「市井先輩?」と言ってしまいそうになったが、
止めた。
市井の事を好きだったのは、過去の事だ、と自分に言い聞かせる。
「よっすぃ〜?」
急に顎を引いて、しょげた風になった吉澤を、後藤が覗き込む。
「じゃ、じゃあ…用事あるから、行くよ。ごっちん、遅刻しちゃダメだよ。」
動揺を隠せないまま、吉澤は正門を抜けていった。
後藤は、吉澤がいなくなると登校してくる生徒たちの顔を眺め始めた。
それを、遠くから見つめている生徒がいた。市井だ。後藤に気づくと、息を
吐いて向きを変えて、裏門に向かう。
-49-
職員室。
職員会議を終えた教師たちがそれぞれの席について、諸準備を始める。
中澤は、昨日の酒が抜けきらないのか、少しだけつらそうに机に手をつく。
さりげに横から手が伸びてコーヒーが置かれる。
目を向けると、平家だった。
「ありがとう。」
「……。」
平家は、何も言わずに自分の席に戻っていった。自分に非があることをわ
かっている中澤は、仕方ないといった感じで息を吐き、席について入れた
てのコーヒーをすする。机に敷いた透明なカバーの下に置いた写真に目を
落とす。
何人かの生徒たちと撮った写真数枚に混じって、石黒との2ショット写真
が目に入る。
大きくコーヒーを飲み込み、出席簿を取って、立ち上がり、職員室を出る。
HRまでは、まだ時間がある。寄り道をして、バレー部の部室に向かう。
部室の入り口が並ぶ廊下に出ると、小さな足音が聞こえてきた。
顔を上げて、眼鏡をかけて、見ると、外靴を持って、靴下で歩く市井だっ
た。市井も、中澤に気づいて顔を上げて、会釈する。
「久しぶりやな。」
中澤は、久しぶりに子に会った親のような目で、市井を見据える。
更新です。
市井の殻の堅さもそうとうだなあ。何があったねん。。
市井、ちょっとこっち来い!なんでそんな冷たいんだ
氷の女と呼ばせてもらう
カコイイねぇ・・
-50-
中澤と市井は、一瞬間見つめあう。
市井は、ほんの少しだけ頬を紅潮させて目線を中澤から外す。
中澤は、昨年度――市井が一年のときの担任だった。
全くクラスメイトを関わりを持とうとしなかった市井を、中澤は溶け込ま
せよう、とはしなかった。
中澤は特別放任主義というわけではない。
どちらかといえばそういう気(け)がないわけでもないが。
ただ、生徒が望んでもいない事を押し付けたくない、そういう考えなだけ
なのである。
「どないしてん?」
外靴を持っている市井にすかさず聞いてみる。
「あぁ…ちょっと色々ありまして…」
「モテモテやもんなぁ〜。」
中澤が市井をからかい、小さく笑う。
「そんなんじゃ、ないっすよ……。」
意に反して、沈んだ表情で返す市井に中澤は笑うのをやめて、市井の肩を
小さく叩く。
「たまには他人に悩み話してもええんやで?」
心配そうな中澤の表情に、一瞬、市井の表情が緩んだ。
が、すぐに引き締まる。
-51-
市井は、中澤の手から自分の肩を逃がす。
「一人で、大丈夫ですから。」
中澤を通り過ぎて、教室へ向かった。廊下を曲がると、やって来た吉澤と
ぶつかりかけて、後ろに下がる。
吉澤はひどく慌てていた。
「お、おはようございます。」
「……おはよ。」
市井は、冷静に返してそのまま通り過ぎようとする。
「あ、あのっ!」
吉澤の呼びかけに振り返り、次の言葉を待つ。
「ケガ、なかったですか? 竹刀…」
「ないよ。カバンで受け止めたから。」
さらりと返し、背を向けて、去っていった。
市井が見えなくなってから、吉澤は息をつく。昨日から、市井と後藤の事
が気になって仕方がなかった。でも、聞くことはできなかった。フラれて
しまったから、という理由もあるが、いきなり私情に口を挟むほど、親し
くないからだ。
吉澤は、市井への気持ちに整理をつけることの出来ていない自分にいらつ
き、壁を叩いた。
更新です。
吉澤〜。。スクールライフだなあ。いらついてんなあ。石川なんとかしたれや〜。
今から読むです。。。
オイオイなんで市井はなかざーに会って頬を紅潮させてるんだよ
なんだかぁゃιぃ・・・
ちゃむ・・・
長州がジャパンプロで全日に上がっていた頃の話だ。
まだ健介は、入門したばかりの一番下っぱの新人で、
長州の付き人をすることとなった。
長州のデカパンを洗いながら健介は思った。
「憧れの長州さんのパンツを今、俺は洗えてるんだ。
まるで夢みたいだ・・・・テイクアドリーム。」
そこへ長州がやってきた。
長州「健介!!まだアレか?!」
健介「?!」
そういうと長州は、健介の方に尻を見せたかと思うと
尻の穴を見せつけんばかりに、尻をめいっぱい手で広げた。
長州「健介!!アレだ!!アレでアレさせてやる。」
健介「ちょ、ちょしゅ・・・さん!!」
健介はドキドキと胸の高鳴りを感じた。
長州「コイッ!!コラッ!!健介!!」
健介は心の中でつぶやいた。
「テイクアドリーム・・・・・・」
ズブリっ!!健介のモノが長州のア◯ルを貫いた。
健介「ラ、ライク ア ストォオオオオムゥウウ!!」
長州「ア、ア、アレだぁあああああ!!ケンスケェエエ!!」
こうして、健介の初体験(童貞喪失)は、終わった。
解読
(健介、お前まだ童貞か?!)
(健介、尻だっ、俺の尻でお前の童貞捨てさせてやるよ)
長州「アレだっ!!健介!!アレをアレしろ。」
健介「ハイッ!!ちょしゅさん!!」
健介は、長州のアレをおしゃぶりした。
長州「健介、アレはまだアレだな、アレにアレするぞ。」
健介「?!」
長州は、健介のバックを取ると、いきなり健介のア◯ルを貫いた。
長州「ぱわぁあああ、ふぁおおおおおるぅうううう!!」
健介「ぱわぁあああ、うぉおおおりあぁあああ!!」
長州「ア、ア、アレだぁあああああ!!ケンスケェエエ!!」
こうして、健介の初体験(処女喪失)は、終わった。
解読
(フェラだ、健介、俺のチ◯ポをフェラだ)
(健介、尻はまだ処女だな、お前の尻にチ◯ポ入れるぞ)
黒いビキニの水着一枚で日光浴する長州の横で、
トランクス型のぶかぶかな水着一枚の貧弱な真っ白な体のGK(ゴング金沢)こと金沢がいた。
GKは、長州が脱税して購入したプライベートビーチへとまねかれていたのだ。
長州「オイッ!!金沢っ!!」
GK「ハイぃいっ!!監督っ!!」
長州「アレだっ、お前のところはアレか。」
GK「ハイッ!!取材したいです。」
長州「そうか、それならアレだ、アレにアレだ。」
GK「か、かんとく?!」
長州「アレだ。」
長州は無言で金沢に、雪印のマーガリンを手渡した。
GK「?!」
長州「アレにアレだっ!!」
GKは悟った、これからも記事を書くためには、やるしかないと。
GKは、マーガリンをヘラですくい、長州の体にぬりはじめた。
長州の褐色の肌は、強い日ざしとマーガリンの脂でキラキラと照かっている。
GKは思った、「監督は、まるで黄金色のメスカブト虫のようだ」。
長州「オイッ!!金沢っ!!」
GK「ハイッ!!監督っ!!」
長州「アレだ、アレにもアレしてくれ。」
そう言うと長州は、黒いビキニを脱ぎ、素っ裸になった。
GK「?!」
長州のイチモツは既にギンギンに勃起している。
GKはその長州のイチモツにたっぷりとマーガリンをぬりたくった。
長州「アレにもアレだ。」
長州 は、まるでオムツ交換をするかのように大股開きをした。
GKは、パクパクと開いている長州のアナルにマーガリンをもっさりと
つめこんだ。
長州「アレしてくれ。」
GKは思った、「犬になれ、とことん犬になれっ!!」。
GKは、ペロペロと舌でマーガリンまみれの長州の体を舐めまわした。
長州の体臭とマーガリンの臭いが暑さでムンムンと臭ってくる。
アナルに舌を捩じ込むようにして舐めると、長州はよがり狂った。
そしてイチモツをくわえこんだ。ジュルルルずジュュウウウ!!
長州「ア、アレダァアアアアアアアア!!」
長州は発射寸前のイチモツをGKの口から抜き取ると、
GKの顔の前にあてがった。
長州「じぃいいけぇええええええええ!!」
ピュッドピュュュっ!!
顔面シャワーを浴びたGKの顔はスペルマでベットベトになっている。
GKは思った、「熱い新日本が帰ってきた」と。
控え室のモニターで現場監督の長州は選手の戦いぶりをチェックしている。
しかし、最近、長州がモニターを見ている間は
誰も長州のいる控え室に入ってはならないという厳戒令が出された。
それが何故なのか気になった健介は、思わず控え室をこっそり覗いてしまった。
すると、健介は見てはならないものを見てしまった。
長州が永田の試合を見ながら、オナニーをしているではないか!!
長州は「永田ぁっ!!今だぁっ!!アレだぁ!!」と叫びながら
ギンギンに勃起したイチモツを激しくしごいている。
そして、いよいよ永田がナガタロックの体勢に入った。
永田が敬礼ポーズをとった。
すると長州もナガタの股間を凝視しながら敬礼ポーズをとっている。
もちろん、片手ではイチモツをしごいている。
そして、永田が敬礼ポーズのまま、ナガタロックにいくため背後に倒れた。
すると、長州も「ナガタコォックウウウウウウウ!!」
と絶叫しながら、片手でイチモツを握ったまま、敬礼ポーズで背後に倒れた。
ナガタロックが完全に決まり、相手も「ギ、ギブアップ!!」とタップし、ゴングが鳴る。
と、同時に長州も「ジ、ジィイイエッグゥウウウウウ!!」と叫ぶなり、
イッてしまったようだ。
長州は、横になりグッたりしたまま、動かない。
さっきまでギンギンに勃起していたイチモツは、
まるで塩をかけられたナメクジのように小さく縮まりしなっている。
そして、長州のお腹の上には、射精したスペルマがのっている。
健介は、ナガタに対して、激しいジェラシーを覚えながらも、
長州のオナニーシーンを見ながら、自らのイチモツをしごいていた。
そして、イきながら長州のお腹の上の精液を舐めたいとも思った。
長州力のオナニーを見てしまった健介。健介「永田なんかに負けるか!!クソォ!!チョシュさんのオナペットは俺なんだぁ!!」
ジェラシーに燃える健介は、イチモツをしごき、ビンビンに勃起状態にした。
さらに健介は、黒タイツを食い込ませるようにはいてみた。
すると勃起したイチモツが黒タイツの上からでも際立つようになった。
健介は鏡の前でポーズをとりながら叫んだ、「スタンバイオォケェ!!」と。
今日の試合は、健介&永田&中西vsT2000だ。
健介「チョシュさんも俺のことを見てくれてるはずだぁ!!」
健介達が入場しはじめた頃、長州も控え室にこもり、モニターを見ていた。
長州「今日は、アレだ、最高のアレだ。」(解読・今日の試合は、我ながら最高のオナニーカードを作ったものだ。)
試合が激しくなるにつれ、長州のイチモツをしごく手も激しくなっている。
永田が敬礼ポーズをとった。長州も永田の股間を凝視しながら敬礼ポーズを作った。長州「永田のアレにケイレィッ!!」(解読・永田のイチモツに敬礼ッ!!)ナガタロックがカットされたので、長州も発射を自らカットした。
しかし、今日の長州のイチモツはやたらと元気なようだ。
中西がドスンドスンと足踏みする野人ダンスをはじめると、長州も素っ裸になって同じ踊りをはじめた。
リング上で中西の腕がブルンブルンと回っている頃、控え室で全裸で踊る長州のイチモツもブルンブルンと回っている。
リング上で中西がアルゼンチンで小原をかつぎあげた!!控え室で全裸の長州はフルチンでブリッチした!!
中西が小原を揺さぶると、長州も腰を上下させる。
小原「ギ、ギブアップ!!」、かつがれた小原がタップして試合が決まった!!長州「フクダァアアアアアアア!!」、ブリッチの体勢のまま長州もイった!!
リング上で、勝ち名乗りを上げる健介の正規軍。控え室で、ぐったりしている長州の性器。
勝ち誇る健介は思った、「チョシュさん、見ててくれましたか?!燃えタギル俺のことをっ!!」と。
しかし、長州は、永田と中西に夢中で、健介の事など見ては無かった。
長州にとって、健介はもはやアウトオブ眼中なのか?!
長州は、スペルマでベトベトになったお腹をふき、乱れた髪を直しながら、次の試合(オナニー)に備えた。長州「次は、アレだな。」(解読・次は武藤のチンポ頭だな。)
どうやら武藤のチンポ頭とフード姿を、自分の包茎チンポにみたているらしい。
あぁ、健介の恋の行方は・・・。
健介は、またも見てはならないものを見てしまった。
控え室で、ライガーがマシーンを犯しているではないか!!
しかし、よく見ると、
そのライガーはやたらピチピチして、ひとまわり大きいし、
マシーンの方は、やたらと貧弱だ。
しかも、ライガーのコチュームとマシーンのコスチュームの性器の部分には
御丁寧にも切れ目が入れてあり、着たままSEXできるようにしてある。
よく耳をすますと、マスク越しに何か言ってるのが聞こえてきた。
デブライガー「アレだっ!!アレだっ!!」(解読・コスチュームの蒸れ蒸れ感が最高だ!コスチュームのクサイ臭いが最高だ!)
ヤセマシーン「ハイッ!!ハイッ!!」
健介は、その声から正体に気づいた。
健介「ち、チョシュさん?!・・・か、金沢ヘンシュチョっ?!」
パンパンパン!!長州ライガーが激しく腰を振りバックからGKマシーンを攻め立てる。
パンパンパンパン!!
健介「そ、そういえば、ライガーとマシーンが試合後、シャワーを浴びてる間に、
コスチュームとマスクが無くなったって騒いでいたけど・・・、チョシュさんが!!」
パンパンパンパン!!
デブライガー「オイッ!!お前アレだろっ!!」(解読・お前金沢だろっ!!)
ヤセマシーン「ハイッ!!監督っ!!しょっぱい体ですみませんっ!!」
そう言うと2人は、ファックしたまま、マスクを脱いだ。
パンパンパンパン!!
長州とGKが素顔をさらして、2人の顔から汗で湯気が出ている。
2人とも体はコスチュームのままだけに、こっけいな姿だ。
パンパンパンパン!!
長州「やまだぁああああああああああああああああ!!」
GK「おさのぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
2人は果てた。
体だけコスチューム姿の長州とGKが、だらしなく大の字でグッタリと横たわっている。
健介の中で何かが目覚めはじめてきたようだ。
健介「俺の中のパワーが目覚めはじめてきている・・・・・。」
例によって控え室のモニターを見ながらイチモツをしごく長州。
リング上は、小島vs大谷だ。
長州「大谷、アレだっ!!」(解読・大谷はうまそうな体になったな)
小島のプルンプルンゆれる乳をみて長州はすでにギンギンだ。
小島がトップロープにのぼった。
小島「いっちゃうぞっ、ばかやろー!!」
モニターを見てそれに答える長州「俺がイっちゃうってんだっ、ばかやろっ!!」
今にもイきそうな長州・・・・。
ガチャ!!
しかし、そこへ、ヨロイを着た男がいきなり入ってきた。
長州「!!・・・・?!け、健介?!」
パワー「ライクはアナール!!」
長州「こ、これはアレだっ!!アレだ!!」(解読・違うんだ、ビジネスだ)
勃起したチンポを必死にごまかそうとする長州。
パワー「体躯はスモール!!」
長州「こ、こらっ!!ふざけんなっ!!け、けんす・・・。」
有無を言わさずパワーは、容赦なく長州に襲いかかった。
パワーは塩ラリアットを叩き込み、ノーザンライトボムで長州を叩きつけた。
そして、グロッキー気味の長州のアナルをイッキに貫いた!!
パワー「ホォオオオオオオオオクゥウウウウウウウウ!!」
長州「にいくらぁあああああああああああああ!!」
凄まじい腰の動きで長州をバックで突き立てるパワー。
ズコズコバコバコ!!
パワー「どうだっ!!コラァっ!!どうだっ!!コラァっ!!」
長州「アレだっ!!アレだっ!!」(解読・凄いっ凄いっ)
ズコズコバコバコ!!
パワー「俺の気持ちッスよ!!俺の気持ちっスよ!!」
長州「アレだっ!!アレだっ!!」(解読・受け止めたっ受け止めたっ)
ズコズコバコバコ!!
パワー「チョシュさんの可愛い健介っスよ!!可愛い健介っスよ!!」
長州「アレだっ!!アレだっ!!」(解読・お前は俺の健介だ!!健介だ!!)
パワー「あにまるぅうううううううううううう!!」
長州「ぐれぇてすとえいてぃいいいいいいいいいん!!」
2人はイッた。そして、愛を確認し合うように2人は再び結合した。
もうパワーは必要ない。健介に戻った。
長州「健介、お前がアレだっ!!お前がアレだっ!!」(解読・お前が一番に決まってるだろ)
健介「好きッス!!好きッス!!チョシュさんっ!!」
ズコズコバコバコ!!
長州「健介っ!!アレだっ!!健介っ!アレだっ!!」
健介「チョシュさん!!チョシュさん!!」
ズコズコバコバコ!!
長州「イくぞっ!!イくぞっ!!」
健介「俺もっす!!俺もっす!!」
ガチャ!!
健介「!!」
長州「!!」
健之介「パパと長州おじしゃんだぁ!」
北斗「け、健さんっ、な、何やって・・!!」
健介「!!!(ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!)」
北斗と健之介が突如、会場に遊びに来たのであーる。
♪テイクアドリーム・・・・・・ライクアストーーーーム!!
(完)
更新です。
197 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 12:30
面白え!マジでログが書いたの?
驚いてもいいからsageろバカ
199 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 12:40
ぎっちはなんで怒ってるの?
200 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 18:02
ばかだから
201 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 18:09
logがこれ見たら何ていうんだろうか
202 :
ナナ思慕手中。。。:2001/02/23(金) 18:12
爆笑しちまったよ。
今までのlogの小説で一番面白い
203 :
名無し募集中。。。 :2001/02/23(金) 18:15
これ見て笑い転げて早速コピペしておいた。
最近こんなのばっかしだね
205 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 18:28
初めてlogの読んだけど凄い面白いね。
logの他のも読んでみようかな。
楽しみだ〜。
206 :
名無し募集中。。。 :2001/02/23(金) 18:30
>>187-195
が面白い。あとは読んでみたけど糞だった。
logさんって書く小説の内容の差が激しいね。なんか文体も別人のように変わってるし
207 :
名無し募集中。。。:2001/02/23(金) 18:34
logの取り巻きになる事に決めたよ!!
210 :
名無し募集中。。。 :2001/02/23(金) 18:41
211 :
名無し募集中。。。 :2001/02/23(金) 18:48
嗚呼、プロレスホモ小説まで書けるとは、
logはなんて多才なんだ・・・
-52-
吉澤は、バレー部の部室の前に立っていた。
洗い替え用のジャージをロッカーにしまうためだ。部員だけが持たされる
鍵を制服のポケットから取り出す。
「あれ?」
見ると、ドアが開いていた。
わずかな隙間にそっと顔を近づけて、中を見ると、中澤がいた。ドアと向
かい合わせのところにある部室の窓から、外を見ていた。
吉澤は、引き返す理由もないので、ドアを押し開けた。
中澤が振り向いて、吉澤に気づく。
「おはよぉ。」
関西弁訛りの挨拶。
「……おはようございます。」
吉澤は、不思議に思いながら、鍵を開けてロッカーのドアを開け、ジャー
ジを入れる。
「なんや、機嫌悪いなぁ…なにかあった?」
見事に言い当てられた吉澤は、ぎくりとする。
「なんも…ないですよ。」
動揺を隠そうと笑顔を取り繕う。
-53-
「そう。なら…ええねんけどな。」
と、言いながら中澤は窓の外ほうに目を戻す。
「失礼、します……。」
吉澤は部室から出た。
一人になった中澤はため息をついた。
吉澤が部室を出ると、斜め向かいの部室のドアが開いた。出てきた人物を
見て、吉澤は立ち止まる。
「おはよう。」
白い歯を見せて言ってきたのは、石川だった。
「おはようございます…石川先輩。」
吉澤は、石川を前にしたせいなのか、はにかんだ笑顔になる。
「昨日もここで会ったね。」
「そーですね。」
緊張を隠したい吉澤は、素っ気無い態度ととられても仕方ない返事になる。
敏感な石川は、吉澤の態度をストレートに受け取ってしまったためか、笑
顔が消える。しまった、と吉澤が思うと同時に、
「そろそろHRだから…」
と、石川は顔を伏せ気味に言って、踵を返すと駆け足で立ち去った。吉澤
は、石川を引きとめようと無意識に伸ばしかけていた手を、下ろす。
更新。
HRっていう響きが懐かしく感じる今日この頃。
HR。あったねえ。。 吉澤の不器用さがいかにもスクールライフ。がんばれよー。
例えるなら赤と黒のエクスタシー。
218 :
ちんぽこ:2001/02/24(土) 00:52
更新ですです。。。
不器用な吉澤萌え〜
レズ学園
>>220 完璧な批評だ。
わずか4文字で、この小説の内容がすべて凝縮されている。
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
北斗と健之介に長州との結合シーンを見られてしまった健介は
もはや我を失い、まさに暴走戦士となってしまった。
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ぐしゃっ!!ドスン!!ズコズコズコズコズコ!!
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ぐしゃっ!!ドスン!!ズコズコズコズコズコ!!
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ぐしゃっ!!ドスン!!ズコズコズコズコズコ!!
ズコズコズコズコズコ!!ズコズコズコズコズコ!!
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ズコズコズコズコズコ!!ズコズコズコズコズコ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どれくらい時間が経ったろうか、健介は正気を取り戻した。
健介は、我にかえり、自分が今、置かれている状況を目の当りにして、泣叫び狂った!!
健介「うぉおおおおおっおおおおん!!うぉおおおおおおっおおおおん!!」
左手には、妻・北斗のマ◯コにフィストファックしている。
右手には、長州のアナルにフィストファックしている。
2人は意識を失っている。泣叫び狂う健介!!
健介「うぉおおおおおっおおおおん!!うぉおおおおおおっおおおおん!!」
なんと、健介は、自分の愛する息子である健之介を犯してしまってるではないか!!
健之介は尻の穴から血を垂れ流し、グッタリしている。
しかも、膣痙攣ならぬケツ痙攣とでもいおうか、健介のイチモツが、
健之介の小さな尻の穴にジャストフィットして抜けなくなってしまっている。
同様に、左右の手の北斗と長州もはまったまま抜けない。
まるで変な合体ロボのように、健介を中心にして4人が合体している。
健介「うぉおおおおおっおおおおん!!うぉおおおおおおっおおおん!!」
どーする健介?!どーなる健介?!
そこへ、吉江が入ってきた。
吉江「チ、チャンプ、こ、こりゃ、ど、どーなってるっスかぁああ?!」
健介「い、いいから助けろっ!!吉見っ!!」
吉江「吉江っす!!」
健介「い、いいから助けろって!!」
しかし、吉江は無気味な笑みを浮かべながら、健介の背後にまわった。
吉江「イヒヒヒヒヒヒヒヒヒっス!」
健介「な、なんだっ?!」
吉江「イヒヒヒヒヒヒヒヒヒっス!憧れのチャンプを犯すチャンスっス!」
健介「な、なに言ってるんだぁああ?!」
吉江「なにって・・バレンタインの日の事、覚えてないっスか?!・・・・」
健介「?!・・・・・」
(健介の回想シーン)
・・・・2月14日、バレンタイン・・・・
会場から帰ろうとする健介の前に
息をきらしながら、駆け寄ってくる者がいた。
吉江「ま、待って!!待ってくださいっス、チャンプ!!」
(注・健介は後輩達に自分のことを"チャンプ"と呼ばせてる。)
健介「な、なんだ?!吉見っ?!」
吉江「好きっす!!入門した時からずっと好きっス!!」
そう言うと吉江は、チョコを健介に差し出した。
吉江「ォレの気持ちっス!!ォレの気持ちっす!!受け止めて欲しいっス!!」
とまどう健介。
吉江「愛情こもってるっス!!愛情こもってるっス!!ォレ手作りっス!!」
ファンから一個もチョコをもらえなかった健介は少し嬉しかったが・・・。
健介「スマン、受け取れん。」
吉江「チャ、チャンプ!!どーして、ォレじゃ、ダメなんすか?!」
健介「俺には好きな人(チョシュさん)がいるんだ・・・。」
吉江「だ、誰っスかぁああ?!チャンプの好きな人は誰っスかぁああ?!」
健介「うるさいゾっ!!」
吉江「そんなの、い、いやっス!!」
健介「吉見っ!!しつこいゾっ!!」
吉江「だいたい、名前すら覚えてくれてないじゃないスか!!吉江っスよ!!」
健介「そんなの知らん!!だめだっ!!好みじゃない!!」
吉江「チャンプのために、髪切ったんスよ!!」
健介「俺は、髪が長い人(チョシュさん)が好きなんだ!!」
吉江「じゃ、どーすりゃ、いいんスかっ!!」
健介「どーもこーも、ないっ!!お前は醜い!!
お前は(チョシュさんのように)美しくない!!」
吉江「ひ、ひどいっ!!ス!!」
吉江は、泣きながら走りさっていった。
健介はつぶやいた、「あのコは、あれ位強く言わないと諦めてくれないから・・・。」
(注・あのコ=吉江のこと)
そう言いながらも健介は、妻の北斗にファンからもらったと自慢するために、
落ちたチョコを拾っておいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(健介の回想シーン終わり)
健介「・・・・・!!」
吉江「ォレの恋は終ってないっス!!イヒヒヒヒヒヒヒヒヒっス!」
健介「よ、よせっ・・!!」
吉江「ォレの・・・はじめての・・・・こいぃいいいいいっス!!」
吉江は、ギンギンに勃起したイシモツを動けない健介のアナルにねじこんだ。
健介「まっしぶぅううううううううううううううう!!」
・・・・・・・・・吉江「あ、あれっス?!」・・・
ところが、いきなり健介の肛門が痙攣をおこし、吉江はファックするどころか、
イチモツをはめたまま抜けなくなってしまった。
イチモツを引き抜こうとするが、抜けずに混乱する吉江。
吉江「ォレのっス?!ォレのっス?!」
そう言うなり、吉江は気を失ってしまった。
健介「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
なんと、健介を中心に5人が合体してしまった!!
どーする健介?!どーなる健介?!
控え室を間違えて、ドクトル・ワグナージュニアとシルバーキングの兄弟が
入ってきた。
4人と結合し動けない健介を見て、驚く兄弟。
兄ワグナー「ナンデスカコリャ?!」
弟キング「ビバメヒコ!!ビバオメコ!!」
健介「た、たすけてくれ!!」
兄ワグナー「ニホンゴワカラナイヨ?!」
弟キング「エルテハノ!!エルテハノ!!」
健介「バカッ、見ればわかるだろっ!!」
兄ワグナー「オマエ、メヒコノコト、バカニシタ!!」
弟キング「モチョコタ!!モチョコタ!!」
健介「ち、ちがうっ!!」
兄ワグナー「メヒコバカニシタツミオモイ!!」
弟キング「パクチュー!!アナルパクパクチュー!!」
健介「な、なにいってんだっ?!」
兄ワグナー「オモイシラセテヤル!!」
弟キング「フェレサゲレーラ!!」
兄弟は、パンツを脱ぎ、チンポをペローンと出した。
健介「な、なにしてんだっ?!く、臭っ!!」
兄弟の包茎チンポにはチンカスがたっぷりと溜まっているらしく、
不潔なチンポから異臭をただよわせ、さらに
ラテン人の特有な体臭が健介の鼻の嗅覚を酸っぱく刺激した。
兄ワグナー「イチネンカン、チンポアラッテナイ!!」
弟キング「マスカラスノマラカス!!!!」
すると兄弟は、2人同時に健介の口の中にチンポをねじこんだ。
兄ワグナー「チンポクワエロ!!」
弟キング「ノザワチハルオカス!!」
健介「ぐげぇえええええ!!」
ラテン人の特有な体臭とスパイシーな風味のチンカスが、
健介の口の中でブレンドされ、舌の味覚を強烈に刺激した。
健介「ほげぇえええええええええ!!」
兄ワグナー「イクゾ!!イクゾ!!」
弟キング「スペルマデルフィン!!スペルマエストラージャ!1」
ドピュルルル!!兄弟は健介の口の中で大量に射精した。
ラテン人の特有なタコス風味の濃厚な精液が、
健介の舌の味覚を強烈に刺激し、吐き気をよびこんだ。
兄ワグナー「タップリノメ!!タップリノメ!!」
弟キング「エルカネック!!エルカネック!!」
チンポ2本を無理矢理入れたため、
健介のアゴが変なふうにはずれてしまって、
兄弟のチンポが健介の口から抜けなくなってしまった。
兄ワグナー「チンポヌケナクナッタ!!」
弟キング「アゴ・マヒストラル!!」
健介「ホゴォゲェゴオオ!!」
兄ワグナー「ショウベンシタクナッタ!!」
弟キング「シコシコデリコ!!シッコデリコ!!」
どうやら、兄弟は尿意をもよおしたらしい・・・。
健介「(ヒィイイイイイイイイっ)!!」
ワグナー「ニンゲンベンキ!!ニンゲンベンキ!!」
弟キング「セニョール!!デニョール!!ペルフェクト!!」
兄弟は、大量の小便を健介の口の中に放出した。
健介「ホゴォゲェゴオオ!!」
ラテン人の強烈なお腹壊すこと間違いない成分を含んだ小便が、
健介の舌、咽を経て、胃の中までドクドクと突入していった。
ワグナー「スッキリシタ!!スッキリシタ!!」
弟キング「ラスカチョーラス!!オリエンタレス!!」
健介「ホゴォゲェゴオオ!!ガフッ!!」
ゲロが健介のノドまで逆流し、上がってきて、
強烈な吐き気で、健介のアゴが動きかけた。
ガコッ!!ガリッ!!
健介の歯が兄弟のチンポに食い込んだ!!
ワグナー「ウギャアアアアアア!!」
弟キング「アリバァアアアアア!!」
あまりの激痛で兄弟はそのまま失神してしまった。
健介の口から兄弟のチンポは抜けないままだ。
健介「(ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!)」
なんと、健介を中心に7人が合体してしまった!!
どーする健介?!どーなる健介?!
更新。
230 :
名無し募集中。。。:2001/02/24(土) 10:43
すげぇ、log最高!!!
231 :
名無し募集中。。。:2001/02/24(土) 10:54
爆笑!!すげーな、素人の文章とは思えない文章
232 :
名無し募集中。。。:2001/02/24(土) 11:00
久しぶりに涙流して笑ったよ。
あー、ありがとう。
233 :
名無し募集中。。。:2001/02/24(土) 18:36
>>log
2作同時進行って大変じゃないの?
234 :
名無し募集中。。。 :2001/02/24(土) 18:38
>>222-228
log凄いよ!こんな小説書けるなんて!面白すぎる!
同時進行中の作品。(NEWJAPAN PROWRESTLING LIFE)
>>187-195
>>222-228
レズ小説とホモ小説を同時進行とはすごい技量だ。恐れ入るぜ。
ホモ小説の方は抜群に面白い。文才あるよ。
レズの方は読んで無い
>>239 (●´0`●)アーン
ε=(●´ー`●)パクッ!
(●´ー`●)モグモグ、ゴクン
(●´ー`●)<偽はなっちが食べるべ
241 :
名無し戦隊ナノレンジャー!:2001/02/25(日) 00:02
更新です。
戻ってこーい
log目当てで読んでたけどホモ小説もマジおもしろい。
エロの所は濃いくてちょっと気持ち悪いけど。
logがこの小説読んでおもしろいと思ったか知りたい
244 :
log0721:2001/02/26(月) 02:25
おもしろかったよ。
245 :
ふぁ:2001/02/26(月) 02:28
shoool lifeのほうがしっくりくる
247 :
to log:2001/02/27(火) 00:49
余所に行って文句つけてる暇があったら
ちゃんと読め。
ホモ小説の続き読みたいなあ。
健介の行方が気になる。
全部読んだよ(プロレスの)
腹が痛くなるほど笑ったことはあるが
心臓が痛くなったのは初めてだ
なんだよ、アレだぁぁぁぁって・・・
俺を笑い殺す気か
ってゆうか、刑か?書いてるの
刑は読んで無いらしい。
このホモスレ素人の文章じゃないよ。
面白いし、文章が凄く上手だ。
ホモ小説続きが気になる
作者カムバーック
プロレスをろくに知らない俺すら爆笑した
ラウンジのなぐは「馴れ合いうざい」と言われて、
なぐちゃんねる作って取り巻き連れて独立した。
ろぐもそうすればいいんだ。
あいつの小説読んでる取り巻きなんて数が知れてる。
どっかで掲示板でも借りてそこでやってればいいんだ。
邪魔だから消えろ。
>>255 取り巻きですか?
そんな意識ないけどな、こっちは。=ここにいますってことですです。。
>>222-228は天才だよ!
感動した!しびれる〜〜〜〜〜〜〜☆
>log
前の更新から1週間たったぞ。どうした?
>>259 了解。別に催促したわけではないから、ゆっくりやってくれ。
あぼーん
>>262 迷い中です。
でも立ててしまったからには、なんとかしたいですね。。
更新は明日以降。。
あぼーん
あぼーん
プロレスホモ小説の続きが読みたい。
保全します。
あぼーん
プロレス続編期待age
272 :
花山 薫:2001/03/08(木) 19:10
雑談するかい?
273 :
名無し募集中。。。:2001/03/08(木) 19:11
雑談マンセー
274 :
花山 薫:2001/03/08(木) 19:12
まだ やるかい?
あぼーん
276 :
@:えおgと:2001/03/08(木) 23:40
もう、あれか?Yな画像でも見るか?
277 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 01:24
??
あぼーん
んだんだ(藁
280 :
名無し娘。:2001/03/09(金) 03:05
age
あぼーん
282 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 03:21
あらら
283 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 03:26
>>222-228がおもしろかった
ぐっすり眠れそうだよ
284 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 03:27
285 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 03:28
レズ小説とホモ小説を同時進行とはすごい技量だ。恐れ入るぜ。
ホモ小説の方は抜群に面白い。文才あるよ。
レズの方は読んで無い
286 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 03:31
ワラタ、腹痛い
特に187から195
logが羊に逝けば八割がた解決する。
289 :
名無し募集中。。。:2001/03/09(金) 08:00
チョン集あげ
290 :
:2001/03/10(土) 01:53
あぼーん
292 :
羊:2001/03/10(土) 04:47
め〜め〜
あぼーん
294 :
名無し募集中。。。:2001/03/10(土) 23:43
>>293 常駐ヒッキーでぶヲタ、いい加減にしとけよ。
>>293 何度もコピペするなら、もっとましな文章を書いてほしいな。
あぼーん
297 :
名無し募集中。。。:2001/03/11(日) 04:18
>>293 粘着質の常駐ヒッキーヲタでぶストーカー、いい加減にしとけよ。
あぼーん
logどうした?
続き待ってるんだが…
あぼーん
301 :
名無し募集中。。。:2001/03/11(日) 23:32
>>299 粘着質の常駐ヒッキーヲタでぶストーカー、いい加減にしとけよ。
-56-
保田の大きい瞳に見つめられた市井は、動けなくなる。
「でも……私は、話す気ないですから。」
と言って、きっかけを作ったように立ち上がる。
怪我したほうの足を引きづってベッドに向かう。保田がそれを咎めて、ベ
ッドに歩み寄る。
「ちょっと、仮病は認めないわよ。」
「気分、良くないんですよ。」
市井は、背を向けたまま掛け布団を開いて、潜り込んだ。
保田は、やれやれといったため息をついて、掛け布団をぽんと一回叩いた。
一時間目終了後の休み時間。
吉澤は、ジャージを取り出す。次は体育の時間だ。
「ごっちん、行こっか。」
後藤へのくだらない邪推を少しでも取り去ってしまいたくて、努めて普通に
接した。
「うん。」
後藤はといえば、吉澤の心中なんて知る由もないので至って普通だ。
-57-
体育館。
他の生徒たちがマット運動をやっているのを横目に、吉澤と後藤はステージ
に寄りかかっていた。ちょっとした休憩というやつだ。
後藤が体育座りをする。吉澤は立ったままだ。
2人は言葉を交わすことなく他の生徒の練習姿を眺めていた。
「よっすぃ〜。」
吉澤は首を曲げて、足元に座っている後藤のほうを見る。
「なに?」
「なんか……いやじゃない? なんか、変だよ……。」
後藤が吉澤を見上げて、しばらくして下げる。
その時、吉澤は今までの後藤に持っていた先入観を変えざるを得なくなる。
鈍感そうに見えて、実はものすごく繊細だったのだ。それでいて敏感だ。
「……ごっちんに、聞きたい事があるんだ。」
吉澤が観念するのに時間はかからなかった。彼女は、性格上隠し事をするの
が最も嫌いで、苦手だったのだ。
吉澤は膝を折って、後藤の隣に肩を並べて座る。
2人の目の前には、さっきと変わらず、クラスメートたちがマット運動の練
習に勤しんでいる。
こうしん
平仮名Ver初めて見たかもしれん。
待ってたよ。
>>307 うん!!
ストレートなつっこみありがとう
前回までのお話、だね…
やはり昨日のlogはどこか(略
あぼーん
「よろしくお願いします」新メンバーとして紹介された少女を見て動揺
する市井。まだ純粋さが残っていた幼き日の「約束」を交わした相手に
うりふたつのその少女こそ、市井と最後まで運命を共にすることになる
「パイパン娘。」後藤真希であった。
「さやちゃん、タンポポ入れなかったけど頑張ろうね」「うん。いつかは
私達もユニットバスで絡もう」年上ぶって自分を慰めようとする不細工な女に
適当な相槌を打ちながら、「落選」という屈辱を噛み締め、次の策略を
巡らす市井だった。とりあえず、このブスの毛も剃っておくか・・・。
しかし、この狛犬女が将来自分を追い詰めることになろうとは、市井は
この時はまだ知る由も無かったのである。
毛を剃られ、一段と幼さが増した後藤にとって、教育係である市井の存
在感は強烈なものに映っていた。
レコーディングやダンスレッスンで、年上の中澤や飯田を物凄い形相で
調教する姿は、TVで彼女が見せる明るい笑顔からは、想像もできない
ものだった。
「ごめんねえ。びっくりさせちゃった?」
あまりの場の雰囲気に萎縮する後藤の姿に気付いた市井が話しかけた。
「あたし、妥協できないタチなんだよ。メス豚どもを調教している最中はね」
汗を拭きながら爽やかに笑って見せる市井。しかし、後藤は見逃さな
かった。彼女が時折浮かべる大人びた表情を・・・。どこか翳りを帯
びた瞳に潜むものを、後藤は直感的に受け止めていた。
・・・この人は、アソコに何かを入れている・・・・。
更新しました。
-58-
「市井先輩。知ってる…よね?」
吉澤は抱えていた膝を更に小さくする。
「……うん。」
少し気後れたようなものを含んだ後藤の返事。
「昨日…どうしてあんな…竹刀で襲ったりしたの? ごっちん、市井先輩と
知り合いだったの? ごっちんは…」
「市井ちゃんは……ちっちゃいころからの知り合い。」
「市井ちゃん」という後藤の呼び方に、吉澤は言葉を止めた。
「そう、なんだ……。」
と言って、吉澤は、小さく笑った。
吉澤は、今さっきの自分の必死さに滑稽な印象を覚える。恥ずかしさで目頭
が熱くなり、顔にうっすらかいた汗を手で拭った。
「市井ちゃん……変わっちゃったなぁ。」
後藤は吉澤に聞かせるという感じでなく、どちらかというと独り言のように
言った。吉澤は黙ってその言葉を耳に入れる。
「こっちに戻ってくる事になって、ちょっとだけまた会えるかな、って期待
してた。そしたら、同じ学校だったんだ。でも、転校初日で聞こえてくる噂
は全部よくないものばっかでさぁ……。」
後藤は笑いを含ませながら話し始めた。
-59-
「学校一のプレイガールとかぁ……冷徹人間とかぁ…」
話し出した途端、ぷっつりと言葉が止む。
「……ごっちん?」
吉澤が後藤のほうを向くと、後藤も吉澤のほうに顔を向けていた。
「昨日のはね…ほんの挨拶代わり。市井ちゃん、私の事覚えてくれてるか不
安になってさ。刺激を、ね。へへ…」
歯を見せてにぃっと笑う後藤。吉澤はどうすればいいかわからなくなって一
緒に笑う。
「でも…」
後藤の顔から笑みがすっと消える。
「覚えてくれてたみたいだけど……やっぱり変わっちゃってた。よっすぃ〜
は、市井ちゃんの事いつから知ってるの?」
吉澤は不意の質問に慌てて記憶を辿る。
「市井先輩、高等部からここ来た人だから……。去年、私が中二のころから
だよ。」
「市井ちゃん、バレー部入ってたの?」
後藤は、少しだけ目を見張らせる。
「ううん、入ってないよ。市井先輩、いい意味でも悪い意味でも有名だった
から……。」
-60-
後藤は少し身を乗り出した感じで聞いた。
「よっすぃ〜は、市井ちゃんと仲いいの?」
「仲いいとか…全然だよ。廊下ですれ違って、挨拶する程度……だよ。」
「だってそれなら……ごめん、いいや。」
後藤は吉澤から視線を外す。
「言いたいことがあるなら言えばいいじゃん……。」
吉澤は言葉を低くして、怒りを露わにする。
「好き、だったの?」
後藤は再び吉澤に顔を向ける。聞かれた吉澤は、それ以上怒りを覚える事は
なかった。
後藤の質問に静かに頷いて、ため息をつく。
今まで溜めていたわだかまりがすっと消える。
「好きだった。だった、だから今はもう何も……。ちょっと気になってただ
けだよ。」
「そっか……。」
そのまま二人はしばらく言葉を交わさなかった。苦痛にはならない沈黙。
「そこっ、さぼらない!」
体育教師が沈黙を破る。吉澤が立ち上がる。後藤に向けた顔は、笑顔だった。
「行こっか?」
「うん。」
2人は授業に戻った。
-61-
同じ頃。
高等部と中等部校舎の中央に位置する建物にあるロビーに置かれている公衆
電話の前に中澤の姿があった。
中澤はあたりに人がいないのを確認すると、テレホンカードを取り出し、受
話器を取り上げる。メモも何も見ないで迷いなくボタンを押して、受話器を
耳に押し当てる。
5回ほどのコールのあと。
【もしもし?】
明るいハキハキとした声。去年までは、中澤の耳に常に聞こえていた。
声の主は石黒だ。
中澤は、何も話さないで――話せないで立ち尽くす。
【どちらさまですか? もしもーし? ……】
不愉快な空気を残して電話が切れる。
「なにしてんやろ……ウチ。」
中澤は受話器を戻した。
保健室。保田は用事で保健室にはいなかった。
市井は何もしないでベッドに横になっている。保健室のそばの廊下の足音に
気がついて、無意味に身構える。足音が近づいて、消える。間もなくしてド
アが開く。
更新
「明日香・・・何が欲しい?」
「紗耶香のアレがいい」
明日香・・・お前が望むなら、私はこの銀河さえ手中にできた。
なのに、何故・・?あの時の自分に、もっと持続力があったら・・・。
明日香のような処女が幸せにセクースはできる世の中にするためなら、私は
喜んで修羅になろう。生涯を賭けて、約束を果たそう。
なのに、何故お前はそんな目で私を見るのだ?何故、私を哀れむ?
何故なんだ?・・・何故??
「・・いさん、市井さん」
「・・・あすか・・?」
いや、明日香ではない。急に現実に返り、体を起こす。目の前には心配
そうな顔で覗きこむ後藤がいた。
そうか・・・。プッチモニの合宿に来てたんだっけ・・・。
隣では縛られた保田が三角木馬にまたがったまま熟睡している。
ある意味この不細工な女の精神力には感心させられる。
「大丈夫ですか?凄くあえいでましたよ。」
まだ、あんな昔の夢を見るとは・・・。どうやら、自分で自覚している
以上に後藤を「はべらせて」いるらしいことに気付き、思わず自嘲の
笑みを 浮かべる。
「市井さん、ちょっと外の空気を吸いに行きませんか?」
「悪い!起こしちゃったんだね」
「いえ、もともと緊張して寝つけなかったんです。ブサイクガメ…じゃ
なかった、保田さんはガーガー寝てるし。
二人でもうちょっと、楽しみませんか」
「うん。そうしよっか?」
この時、市井のほうも後藤が自分に向ける感情に、興味以上のものがある
ことを感じ取っていた。
更新
気合入ってんね。
息切れしないように。
>log
こういうやり方の方がいいかもしれないね。
しばらくためて、一気に書く。
そしたら読む方も荒しがさほど気になんないし。
とにかく楽しみにしてます。頑張って!
-62-
保健室のドアには在室の有無を示すカードがあるはずだ。それなのに入って
くるという事は。
と、市井は無意味な推理をする。
片足で立って、カーテンのわずかな隙間から訪問者を覗いてみる。
「……中澤先生。」
突然の呼びかけに中澤は飛び上がる勢いで身体をびくつかせた。
市井は笑いを噛み殺して、極めて冷静を保つ。
「なんや珍しいな……。保健室登校なんて。」
眼鏡を直しながら市井のほうへ身体を向ける。
「どないしてん、それ?」
市井の足の包帯を見た途端、目を見開いた。
「別に。大丈夫ですよ。先生、授業は?」
「この時間は空くねん。せやから圭ちゃん…保田センセとお話しようかな、
思てな。」
「先生なら、3時間目始まってぐらいじゃないと戻ってきませんよ。」
市井はけんけんしてベッドに戻る。中澤は市井のいるベッド周りのカーテン
に手をかける。
「なんで、そんな顔してるんすか?」
言われた中澤は驚きの色に満ちた目を市井に向けた。
-63-
「しわ増えたって言いたいんか?」
笑い声を織り交ぜ、ごまかしを繕った中澤の言葉。かえって市井の確信を手
伝ってしまった。
「先生のほうが、悩んでるんですね。」
市井の単調な言葉。中澤の中で何かが弾ける。一筋の涙に変わって流れ出た。
「ごめん。なんでもないで…」
慌てて涙を拭う。
初めて見た中澤の涙に、市井はベッドから立ち上がり中澤に近づく。
スカートのポケットに手を突っ込んでハンカチを手渡す。
「ありがとう……。」
中澤は市井のハンカチを受け取る。市井と視線が絡まる。
教師の耳にも生徒たちの噂は絶えず入ってくる。その中でも市井の噂の数は
飛びぬけていた。全てを信じていたらどれが本当の「市井」かもわからなく
なる。
ただ、今自分の目の前にいる市井は「本当の市井紗耶香」だと、中澤は信じ
たくなった。しなだれるように市井に抱きつく。
市井は中澤を受け止めて、ベッドに座る。ほのかに漂ってくる中澤の香水の
匂い。どこの香水だろう?と、市井はのんきに考えた。
-64-
少しして、中澤が市井から身体を離した。
「ごめんな。何やってんねやろ、ウチ……。」
市井は、立ち上がろうとする中澤の腕を掴んで引き止めて、空いた手で中澤
の眼鏡を取る。
中澤の腰に手を回して、引き寄せ、グロスの効いた柔らかな唇に軽く口付け
る。そのままベッドに沈ませる。今度は唇の少し横に唇を触れさせる。
「あかん、あかんて……。」
中澤は何度も繰り返した。だが、跳ね除けもしない。
市井は中澤のジャケットのボタンを全部外して、下に着ている白いシャツの
ボタンもへその辺りまで手際よく外した。露わにした鎖骨を舌先で舐める。
「っ……やゃ……。」
漏れる息の大きさで市井には中澤の声は聞き取れなかった。
小刻みに震えつづける中澤の身体。
市井は、腹筋の引き締まった中澤の腹部にキスを繰り返す。
そのたびに鳥肌が際立ち始める。
市井は、中澤の履いているタイトスカートの上から、太腿を撫でて、膝に触
れる。ストッキングを着けていない中澤の生足。指先で滑らかさを確かめる。
スカートの中に手を入れかけたその時、二時間目終了のチャイムが鳴る。
こぉしん
>>323 この作品は一回で書く量が多いだけだけどね。
そうだね。貯めてから。ъ(゜ー^)
うほ。
同じカップリングでも、設定が違うだけでこんなにもエロくなるんだね(笑)
女教師マンセー!!
健介小説再開しても良い?
期待sage
>>330 一日10レス以内に抑えてくれるなら。
できれば今書いてるの終わってからのほうが嬉しいけど。
>>330 作者なの?
読みたい読みたい!続き読みたい!
-65-
チャイムの響く中、市井は中澤を見上げる。
中澤は顔を横に逸らして、開いたシャツを手で閉じて、身体を起こす。
市井は一旦立ち上がって、またベッドに座り、ボタンをかけなおしている中
澤の背中を眺める。唇に着いた中澤のグロスを指先で拭う。鼻の下の微かな
汗に気づいて、興奮を覚えたということを確かめる。耳の奥に残ってたチャ
イムの音がようやく消えた。
「……こんなの……あかん。」
市井に背中を向けたまま、中澤が声を震わせる。
「跳ね除ければよかったじゃないですか。先生は……なにが欲しいんですか?」
市井は特に感情を込めるでもなく、素直に疑問をぶつける。
中澤は何も答えないで駆け足で保健室を出て行った。
市井は大きくため息をついて、布団をかぶる。
保健室を出た中澤はまっすぐ職員用のトイレに駆け込み、個室に入る。
自分は何が欲しいのだろう?と、市井の質問の答えを探す。
「っ……。」
嗚咽しかけるのを必死に抑える。次は授業だと必死に言い聞かせる事で何と
か押し戻し、トイレを出て職員室に向かった。
-66-
着替え終えた吉澤と後藤は、教室へと向かっていた。
「次、なんだっけ?」
後藤は、後ろ向きに歩きながら吉澤に聞いた。
「数が…」
と、吉澤が顔を上げると、ちょうど曲がり角から出てきた人影と後藤がぶつ
かった。書類が辺りに派手に拡がる。
吉澤と後藤は一緒になってかき集める。
「すいません……あ……。」
後藤がかき集めた書類を渡そうとして、ぶつかった人物が誰かと初めて気が
つく。白衣の――保田だった。
「後ろ向きで歩くんじゃないよ〜、もう。」
保田は束ねた書類で後藤の頭をふわりと叩く。
後藤は叩かれても無反応だ。ずっと目を見張っている。
「ごっちん?」
吉澤に肩を叩かれてようやくまばたきをする。
「あの、さ…よっすぃ〜先戻ってて。ちょっと保田先生と話したいから……。」
と、後藤は吉澤から保田のほうに視線を流す。
「……うん、わかった。」
吉澤は、戸惑いながらも、素直に応じた。
-67-
吉澤の姿が消えると、後藤は保田のほうを向いた。
「保健室、行ったら?」
と、保田はあっけらかんと言う。後藤に背中を向けて、
「紗耶香、いるから。いっそ、2人きりのほうがいいでしょ?」
「……。」
「まだ、用事残ってるから。」
と、後藤に書類の束を見せて言った。
後藤はどう返事していいかと迷っているのか何も言い出さない。
保田は、一息吸って、言いかけて、後藤に背を向けて去っていった。
3時間目開始のチャイムが鳴る。
中等部三年六組の教室。
少し遅れて中澤が入ってきて授業が開始された。
「後藤真希。」
と、中澤が呼ぶが返事がない。中澤が顔を上げて後藤の席に目をやると誰も
いない。
「後藤どこ行ったか誰か知らんの?」
どの生徒も返事を返そうとしない。吉澤も、後藤がどこにいるかわからない
ので何も言う事ができなかった。
更新
なんか濃くなるな、登場人物多いと。
(; ´D`)ヒー
>log
大変だと思うけどガンバレ。
最近更新多くて嬉しいよ。
また曝してしまった・・・鬱だ。
>>339 ドンマイ
市井と中澤の関係が気になるな
もう一個の方の小説はどうするんだ?
矢口、後藤と市井の仲を邪魔しに行け!
343 :
名無し募集中。。。:2001/03/16(金) 00:54
344 :
名無し募集中。。。:2001/03/16(金) 07:10
このスレ、まだあったんだ
345 :
名無し募集中。。。:2001/03/16(金) 07:12
見つけたからって上げんな
荒らして欲しいのか?
346 :
名無し募集中。。。:2001/03/16(金) 07:20
>>345 心の底から同感。
小説スレは隔離して欲しい。
348 :
名無し募集中。。。:2001/03/16(金) 07:43
更新
なんか濃くなるな、登場人物多いと。
(; ´D`)ヒー
-68-
時を同じくして、高等部三年一組の教室。
飯田圭織、安倍なつみ、矢口真里の姿があった。
黒板の前には平家が立っている。古文の時間だ。
平家は慣れた手つきで教科書に書かれている長文を書き写す。
「ええかぁ? 受験生やから、テストでは赤点取らんようにな〜。」
陽気な口調で平家が言う。
小さな笑い声が教室に溢れて、消える。
繰り返される、おなじみの授業風景。
慣れた、だれた空気に混じる緊張した空気。
何故だか知らないが、安倍を疎ましく思ってしまう飯田。
そんな飯田の真意をつかめずに戸惑うばかりの安倍。
市井との関係に抑えていたものを吐き出し始めた矢口。
つまらない事ですっかり中澤とこじれてしまった平家。
ぽきりという軽い音と、平家のチョークを持っていたほうの人差し指の爪が
黒板を軽く引っかく音。教室にいた全員が折れてちらばったチョークに目を
落とす。
そして何事もなかったかのように、繰り返される、おなじみの授業風景。
-69-
3時間目開始のチャイムが鳴って少し経った頃。
室外に感じる微かな気配に気がついて、市井は身体をぴくりとして起き上が
る。保田なら堂々と入ってこれるはずだ。だとしたら、中澤か?と、市井は
再びくだらない推理でわずかな時間を潰す。
保健室の戸が音が立たないように慎重に開けられた。
恐る恐るといった、そんな具合に入ってくるのが嫌でも伝わってきた。
消そうとしてもどうしても消せない足音。
市井は神経を集中させる。自分がいるベッドの周りを行ったり来たりしてい
るのだろうか?と、頭に考えが浮かんだと同時に、カーテンの隙間から来訪
者の瞳が垣間見える。
――市井ちゃん
カーテンの隙間から見えた瞳が、幼かった頃の市井の記憶とリンクする。
「後藤。」
市井の口元が思わず緩み、声が高くなった。自分で気づいた市井は、くっと
奥歯を噛んで、今さっきの自分を咎める。
「市井ちゃん。」
後藤は昔の雰囲気を感じ取り、満面の笑顔でカーテンを開けて入ってきた。
市井は、心の中で舌打ちする。
自分にも、後藤にもだ。
-70-
市井が何も言わないでいると、後藤は少しづつ市井に近づいて、ベッド脇の
籠の中に無造作に脱ぎ捨てられているブレザーを手にとって皺を直し、たた
んで戻した。
「何しに来たの?」
市井は、笑顔の後藤とは対照的に、無表情を保って、低い声になる。
「保田先生に…」
後藤が言おうとすると市井は大きくため息をついて遮る。語るに及ばずとい
うやつであろう。
後藤はベッドに座る。
ぐっぐと、ベッドが浮き沈む。
市井の中でふつふつと怒りが湧き始める。市井は自分にすら苛立ち始める。
後藤の身体の圧力が掛け布団越しに、市井の膝に伝わる。
市井は、少しでも気を紛らわそうと前髪をしきりに掻き揚げる。
「市井ちゃん……。」
後藤が状態を後ろに傾ける。市井の膝に伝わる圧力が微かに大きくなる。
「なにさ?」
市井は、さっさと話を終わらせてしまおうと、腹をくくって後藤のほうをし
っかり見据える。
-71-
「どうして、そんなに怒ってるのかなぁ〜って。」
少しでもぴりぴりした空気を変えたい後藤はマイペースを貫こうとする。
幼い頃からの自分を知っている市井にとっては、無意味に終わるとわかって
はいても、後藤にはそうするしかできなかった。
後藤は首を曲げて、市井のほうを見据える。
市井の返事を待つ。
「市井ちゃん……肩。」
後藤は身を乗り出して市井に迫る形で、市井の肩を凝視する。
グロスに混じった淡いピンクの口紅。
後藤がそう認識すると同時に、市井は中澤に抱きつかれた時に付いたものだ
な、と冷静に思い出す。
見られたからといって、後藤に咎められる筋合いも何もない。
「別にどぉってことないから、離れてくんない?」
市井は鼻先にいる後藤を睨みつける。
後藤は従順に離れた。
「授業あるから、やっぱ行くよ……。」
後藤は波が引くように市井から離れてドアのほうに歩いていった。
なら最初から来るなよ、とまでは言わずに市井は後藤を視線の隅に見送った。
こうしんです
愛のばかやろう
なんつータイトルじゃ。藁
68よくわからん。
つーかいっぱい出てくるね。いいね。
自分で濃いとか言うなよ
ホモ小説の方も更新頼むぜ。
続き読みたい。
359 :
名無し募集中。。。:2001/03/17(土) 03:11
書いてよ。続き。
続き。続き。
続き。続き。
続き。続き。
とっとと続き書けよ。
てめぇ馬鹿じゃねぇのか?
363 :
名無し募集中。。。:2001/03/18(日) 00:57
書いてよ。続き。
続き。続き。
-72-
後藤は自分の教室へ向かっていた。
市井のシャツの肩についた口紅のあと。それ自体は、特に驚く事でもなかっ
た。どこにでも売っていて、誰でもつけている。
後藤が気がかりだったのは――
「どこ、行ってたん?」
後藤が教室に戻ると、教卓の前に立っていた中澤が教科書を片手に歩み寄る。
「ちょっと調子悪くなって……保健室行ったんですけど、誰もいなくて……。」
中澤は一瞬動揺しかける。が、誰も気がつかない。
後藤は顔を下げて自分の席に戻ろうとすると、中澤が空いた手で後藤の額に
手の甲を当てる。
「別に熱はないみたいやな。大丈夫?」
と、言って中澤は手を下ろす。
中澤の香水が後藤に香る。
後藤は顔を上げて、中澤の顔を見る。
市井のシャツに着いたものと同じ口紅…グロス。今香ってきた香水の匂い。
学校という、広いようで狭い世界。
同じ口紅と香水。
後藤の中で、中澤と市井とがつながる。
-73-
3時間目が終了した。
吉澤は待ってましたといわんばかりに後藤のほうへ向かう。
「ひとみぃ〜、ちょっと。」
声のするほうを見ると同じバレー部であるクラスメートが手招きをしていた。
仕方ない、という感じでため息をついてそちらを優先させる。
用事とは新入部員についてのことで一分ぐらいで話は終わった。
吉澤が後藤の席を見ると、後藤の姿はすでになかった。
職員室前。
後藤はドアについた窓から中にいる中澤をそっと見る。
ここまで来たはいいものの、市井とのことを中澤に聞けるわけがなかった。
内容も内容であるわけだし、中澤が教師であるということも後藤を躊躇させ、
気後れもさせた。
時を同じくして保健室。
ドアが開き、カーテンの閉じられている市井のベッドまで一直線に向かって
くる足音。市井は寝そべったまま目線をカーテンのほうに向ける。少しだけ
カーテンが開いたと思ったら、一気に開いて矢口が現れた。
-74-
矢口を見た途端、市井は不機嫌な顔つきになる。
「珍しいね。紗耶香が保健室でサボりなんて。」
今朝の事なんて嘘のような笑顔を見せる矢口。
「なにか用すか?」
市井は矢口に背を向けて布団をかぶりなおす。そうでもしないと、怒りが抑
えられそうもなかった。むやみな暴力をふるうこと――ふるってしまいそう
なのを市井は最も恐れていた。
「紗耶香ぁ……。」
矢口はすがるような口調で市井を布団の上から揺する。
次の瞬間、市井は掛け布団を跳ね上げて矢口の腕を必要以上の力で掴む。殺
意すらあるのでは、と疑わせるくらいの目つき。
怯えて、声すら殺してしまった矢口。
市井は我に帰って矢口の腕を離して背を向ける。
「マジで一人にしてください、お願いです……。」
怯えた口調の市井。矢口は何も言わずに保健室から走り去った。
市井は苛立っていた。矢口にだけではなくて、色々な事にだ。
「疲れた。」
誰もいない保健室で助けを求めるように呟く。
更新
369 :
名無し募集中。。。:2001/03/18(日) 23:23
そんなもんより健介の続きを書いてくれ。
俺はもう我慢できない。
市井ほんとにワケわからんな。
矢口頑張れ。俺は後藤より矢口を応援してる。
元スレに戻ってきたんですか
後でゆっくり読ませてもらいます
372 :
名無し募集中。。。:2001/03/18(日) 23:29
ここまで読んだ。
んで、続きは?
>>369 あんまりせかすと書くほうも書けなくなるからゆっくり待つのが得策かと
>>371 毎度すいませんねぇ…(;´ Д `)
続き。続き。
-75-
「!」
廊下の曲がり角で矢口は人と接触する。顔を上げると、保田だった。
「ごめんなさい。」
矢口は早口に言って、走り去る。保田は今見た矢口の目が泣きそうだった事
にやれやれという顔になり、保健室に入る。
「ケンカでもしたの?」
保田はベッドの横たわり目をつぶっている市井を見下げる。市井は寝たフリ
を通そうとしているのか何も返さない。
「……いつものことですよ。」
間もなくして、嘲笑交じりに言って目を開ける。
「紗耶香…」
保田は市井の額をそっと撫でて、
「あんた、疲れてるよ。もう、今日は帰んな。帰宅許可カード書くから。」
と、言って手を離し白衣のポケットに突っ込んだ。
「昼になったら……。」
市井は目をつぶった。
職員室から中等部の校舎へ移ろうとしていた後藤は矢口と鉢合わせる。
「こん……にちわ。」
涙で濡れている矢口の目元に気がついて、言葉が途切れる。
-76-
「あ、勘違いしないでね。コンタクトで目にごみ入ると痛いんだよね〜。
へへ…」
何を言えばいいのかわからなくなっている後藤に向かって矢口は嘘を着いた。
「目薬、使います?」
すんなりと信じた後藤はブレザーのポケットから目薬を取り出す。
「いや、大丈夫。もう授業あるから……行くね。」
矢口は後藤の前から足早に立ち去った。後藤は出していた目薬をポケットに
ねじ込み、ため息をついた。
「さぼっちゃお……。」
昼休み。中等部三年六組の教室。
「ごっちん、どこ行ったんだろ……。」
吉澤は自分の席について弁当箱を指でつつきながら後藤に電話をかけるが向
こうが電源を切っているためつながりそうもない。
「ひとみぃ、こっちで一緒に食べようよ〜。」
少し離れたところに座っているクラスメートが吉澤を手招いていた。
「ま、いっか……。」
吉澤は携帯をしまうと、呼ばれたほうへと向かった。
-77-
保健室。
「靴下……。」
怪我したほうの足に靴下を履こうとしている市井を咎める口調で保田が言っ
た。
「みっともないじゃないすか。家、帰るまでですよ。」
市井はブレザーを着てカバンを肩にかけて、保田が差し出しているカードを
取ってドアに向かう。保田が市井に向かって言う。
「気をつけてね。」
「はいはい。さようなら。」
市井は笑いを混ぜながら返事して手を振り保健室から出て行った。
市井は、高等部校舎の玄関へ向かう。一階の音楽室前に差し掛かり、足を止
める。ドアに着いた長方形状の窓からそっと中を覗き見ると、一人の生徒が
ピアノに向かっていた。
市井の側からは後姿しか見えない。茶髪のショートカット。
もうひとつのドアのほうに移動して、角度を変えて再び見る。
白い肌の横顔。
少しの間見入っていると、ピアノを弾いていた生徒が市井のほうへ振り向い
た。むっとしたような顔で市井を見ている。
盗み見は確かに良くはない。市井は珍しく素直にそういう考えに行き着く。
重い鉄製のドアを開けて中に入った。
-78-
空気の塊を作ってドアが閉まる。生徒はピアノの前に座ったまま市井のほう
へ顔を向けている。
「気を悪くしたなら、謝るよ。ごめん。」
入るなり市井は頭を下げた。市井自身も、どうしてこの生徒に対してこんな
態度をとってしまっているのか不思議で仕方がなかった。
「別にいいですけど。」
生徒は怒っているでもなく、冷たくそう言い放つとピアノのほうに向かって
座りなおす。市井は、何も言わずに立ちっぱなしになっていた。怪我した足
が痒み出す。生徒はまた市井を睨む。本人は見ているだけと思っているのか
もしれないがへの字になった口元がそう感じさせてくれない。
「あのさ…聞いても、いいかな?」
市井は自分の言葉に驚く。生徒は少しだけ考え込むような感じになって、
「好きにどうぞ。」
ぷいとピアノのほうを向いて弾き始めた。どこかぎこちないピアノさばき。
それでも惹いてる曲は市井の耳にすんなりと馴染んだ。数分してピアノの音
がやむ。市井は小さく拍手する。
「いい曲だね。……一年生?」
市井はまた驚く。今まで他人に興味を持つ事はほとんどなかったからだ。
「一年六組の、福田明日香です。」
生徒は、窺うような感じで市井を見て、言った。
更新
380 :
紅:2001/03/19(月) 23:31
まさか明日香までも登場するとは・・・
茶パツのショートって誰かわかんなかった。
いっぱいでてくるねぇ( ´ Д `)
FLASHに載ってた福田ですな。
新メンと絡むと面白そう。
383 :
N52cc-03p109.ppp11.odn.ad.jpさん:2001/03/20(火) 01:20
毎日更新なんてすごいっすね。
384 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:29
ガムバッテ下さい
385 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:32
logヲタって著しく偏差値が低そうだな。
386 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:32
引っ越したりして色々大変だろうががんばれよ
387 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:39
「一年六組の、福田明日香です。」
388 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:40
てめーら真性のヲタかヒッキーだろ?氏ね
389 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:42
>>385 偏差値云々はどうでもいいが、頭が弱いことは確かだ。
こんな情けない妄想をまき散らして恥ずかしくないものかね・・・
390 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:42
391 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:47
おかしな奴ばっかじゃなくてほっとした
392 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:48
長州健介小説は終わっちゃったの?
マジ笑えるんだけど。
393 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:49
ところで
市井は小さく拍手する。
「いい曲だね。……一年生?」
市井はまた驚く。
395 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 01:56
引っ越したりして色々大変だろうががんばれよ
てめーら真性のヲタかヒッキーだろ?氏ね
小説です。
学園モノです。
log先生の作品が読めるのは狼だけ!
398 :
toto:2001/03/20(火) 02:54
zenzen ishikawa ga 出てこないじゃないか!
gomen 挙げちゃったよ。
400 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 03:46
zenzen ishikawa ga 出てこないじゃないか!
ここで再開されてたのか・・・
久しぶりに読んだら面白かった
頑張ってこれからも書いてくれよな!
-79-
市井を見つめる福田。その目は何かを促している風だった。
「あ、えっと……市井紗耶香って言うんだ。二年、ね……。」
市井はぎこちなく自己紹介をする。福田のほうに目を向けるときょとんとし
た面持ちでいる。
「……どうかした?」
市井が恐る恐るといった感じで聞き返すと、福田は座りなおして再びピアノ
を軽く弾く。メロディが止んで、
「想像してたより、全然普通なんですね。」
と言って、福田は笑顔になった。市井もつられて笑顔になる。
「も少し、いてもいいかな?」
「どうぞ。」
市井が聞くと、福田はそう言って再びピアノを弾き始めた。市井は福田のピ
アノに耳を傾ける。最近忘れ去っていた安息に似たようなものを思い出す。
ロビー。
中澤は、朝と同じように公衆電話から石黒の携帯にかけていた。が、依然と
して話す事はできずにいた。受話器を置いて、再び取り上げる。その手を止
める手が横から伸びる。驚いて顔を上げると眉間に皺を寄せる平家がいた。
「ただの、いたずら電話やで。」
全てを見抜いている平家は中澤を咎める。
中澤は踵を返して、平家に背を向ける。
-80-
「なんか…勘違いしてへんか?」
中澤は平家のほうに振り返ってごまかし笑いをする。平家の眉間の皺がすっ
と退く。
「やっていい事と、悪い事あんねん。ウチはもうそんな裕ちゃん見たないね
ん。言わんでおこう思うてたけど……、あきらめなアカン。」
平家は、睨むような視線で中澤を見据える。
「ウチは…」
中澤はぐっと拳を硬く握ってその場から逃げ去ってしまった。平家が追いか
けようと踏み込んだ時には姿は見えなくなっていた。
弁当を食べ終わった吉澤は、クラスメートと一緒に中庭でバレーボールを楽
しんでいた。たまにボールがあさっての方向へ飛んでいくたびに携帯で後藤
に連絡をとろうとするが、相変わらず電源は切られていた。
「いったよ〜!」
クラスメートの声と同時に携帯をしまい、頭上のボールを追いかける。見上
げた視線の先に、窓から顔を出している石川の姿が目に入った。
吉澤は膝に激痛を感じる。そのまま芝生に頭から突っ込む。仰向けに空を見
上げる。窓から顔を出している石川の表情は驚きに満ちていた。まばたきを
して目を開けた時には、姿はなかった。
404 :
名無し募集中。。。:2001/03/20(火) 23:16
logヲタって著しく偏差値が低そうだな。
こうしんです。
交信です、、
407 :
名無し募集中。。。:2001/03/21(水) 00:01
404についてどう思う? <ろぐヲタ
NOT FOUND
Yossyaa!
石川だ!石川だ!
410 :
名無し募集中。。。:2001/03/21(水) 00:22
409は酷いな。同じ小説ヲタとして恥ずかしい。
412 :
ぶひ:2001/03/21(水) 00:53
ぶひぶひ
413 :
ぶひ:2001/03/21(水) 23:48
ぶひぶひ
続きは???
415 :
名無し募集中。。。:2001/03/22(木) 23:50
408って馬鹿ですね。
都築は?
418 :
名無し募集中。。。:2001/03/23(金) 02:13
反省の色がないlog
419 :
名無し募集中。。。:2001/03/23(金) 02:15
logって、永谷園のCMみたいだね。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
>>1 だから言ったろ、とっとと回線切って首吊って氏ね、ってな。
ぎっちは「健太マリリン・マンソン同好会」の秘密を探るため、同好会本部へ潜入した。
だがしかし、副会長の高山に見つかり、ぎっちピンチ!!
次号、ぎっちと高山が壮絶なバトルを開始する!
422 :
名無し募集中。。。:2001/03/23(金) 02:44
logって、永谷園のCMみたいだね。
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華は何処でやってんの?
家政婦梨華の続きキボンヌ
-81-
昼休みの終わりを告げるチャイムの音が鳴った。
後藤は屋上から誰もいないグランドを眺めている。
とその時、ぎこちない足取りでグランドを歩き校外へ出ようとしている人影。
「市井ちゃん……。」
後藤の小さな呟きが市井に届くはずもなく、市井は校門の陰に姿を消す。
市井は変わってしまった。少なくとも後藤はそう思った。
矢口や――中澤にとっては今の市井が普通なのであろうか。二人には、今の
後藤が知らない市井なのであろうか。後藤は考えがまとまらなくなる。
「市井ちゃん…」
後藤は屋上の鉄柵に軽く額を打ち付けて、泣きじゃくった。
「ひとみ…」
口々に吉澤に問い掛けて見下げるクラスメートたち。
それに紛れて見える石川の表情。心配そうに吉澤を見ている。
吉澤はゆっくり目を開ける。今の光景は、夢だったのだろうか。
吉澤は少しだけ落胆をする。
-82-
額について揺れている氷嚢。
白色の天井。
微かに匂う消毒液の香り。
首が痛くて回せないから目だけで辺りを見回して、保健室だという事を確認
する。
吉澤は額と膝に感じる痛みに悶えて声を漏らす。
つかつかとベッドに近づいてくる足音。無機質な音を立ててカーテンが開き
保田が姿を現す。
「気がついた?」
「はい。」
声を出すと、肩に痛みを感じた。肩だけでなく、全身がまんべんなくじんじ
んと痛む。
吉澤が怪我した原因を思い出そうとしていると、
「中庭のベンチに足引っ掛けて転んだんだよ。オデコにたんこぶ。あと、膝
に内出血。肩とかも痛いでしょ?」
と、保田がずれた氷嚢を直した。吉澤は頷く。
「部活始まったばかりなのに…」
吉澤は、小さく舌打ちして痛みに顔を引きつらせる。
「今日は絶対安静だよ。」
保田が容赦なく吐き捨てる。
-83-
6時間目始業直後。
黒板に式を書いていた中澤の手が止まる。生徒が異変に気づいて顔を上げる。
「中澤先生?」
一人の生徒が恐る恐るという感じで聞く。
生徒たちに背を向けていた中澤が、ぐるりと振り返り、
「自習しててください。」
と言って教室から出て行った。
教室を出た中澤は眼鏡を外す。鬼気迫る表情といったで廊下を進んでいった。
6時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。
「じゃ、今度から新しいところ入るんで。ノートは事前に作っておいてな〜。」
平家は生徒に告げると教室を出て行くと真っ直ぐ自分が担任を受け持ってい
る教室へ移動し、さっさとHRを済ませると職員室へと向かった。
「誰かに用?」
平家は職員室をチラチラと覗いている2人の生徒に問い掛ける。
「中澤先生いないんですか? 帰っちゃっていいのかな、って。」
声をかけられた生徒は隣にいる生徒と顔を見合わせている。
平家は中澤のデスクの前に立つ。慌てて置かれた印象を持たせる教科書と出
席簿。
やたー。
( ´ Д `)<…
保全…しとくか。
-84-
「帰っていいよ。教室のみんなにも伝えてな。」
平家は2人の生徒に告げる。走り去る2人の生徒。平家は足早に廊下を進み
職員室を離れた。
とあるマンションの前。そこから少し離れたところに立っている電柱の陰に
中澤の姿があった。中澤は腕時計に目をやる。午後4時を少し過ぎていた。
奥歯を噛み締めて再びマンション前に目を移す。数分経った。少しだけ肩の
力を抜きかけて、今まで以上に力を入れなおしてしまう。
「あやっぺ…」
マンションから出てきて商店街の方向へと歩いていく石黒の後姿を廃られた
犬のような目で追う。二、三歩足を出しかけたが、立ち止まって一息つく。
時を同じくして、朝比奈学園の格技場。
剣道部が高等部部員と中等部部員で分かれて練習に励んでいた。
飯田は正座して彼らを見据えている――ように見えるだけで実際は上の空だ
った。
「新入部員、来ませんね……。」
飯田の隣にいる高等部二年の副部長が苦々しい笑みを浮かべて呟く。
飯田からの返答はなく、竹刀がぶつかり合う音が響いていた。
-85-
「おっす〜!」
廊下を歩いていた石川の背後から陽気な安倍の声が響く。
「こんにちわ、安倍先輩。」
石川はわざわざ振り向いて丁寧におじぎする。
「一緒に部室行こっか?」
「……はい。」
安倍の言葉に石川は少しだけ気まずそうな顔になりながらも即答をした。
市井はいつもより二倍の時間をかけて自分の家に辿り着く。
鍵を回してドアを開けようとするが開かなかった。再度鍵を入れなおそう
としているとドアが開いた。
「……お父さん。」
市井は驚いた顔をすぐさま笑顔に変える。
「おかえり、紗耶香。」
「仕事終わるの、早かったんだね。」
「ああ。」
家に入った市井は、入ってすぐ横にある靴棚に置かれている古ぼけた大き
な水槽を見て笑顔を消す。
「これ…」
「ああ……、仕事先で熱帯魚もらってな。玄関も少しは明るくなるだろ。」
市井の父親も困ったような声を混じらせていた。
熱帯魚は、市井の母親がまだこの家にいた頃によく飼っていたからである。
-86-
保健室。
「あ、痛たた…」
ベッドから起き上がった吉澤は、眉間に皺を寄せる。
「はい、カバン。」
「……どれくらいで治りますか?」
吉澤は保田から手渡されたカバンを受け取りながら聞いた。
「気分は?」
「…身体が痛いです。」
「そ。とりあえず今週は部活に参加しない事。来週以降は回復次第ね。」
「そうですか……。」
「自業自得でしょ?」
「はい……。」
吉澤は苦笑いをしながら保健室を出ていった。
石黒が出かけてから30分ほど経った。
中澤は電柱の陰で帰りを待っていた。
石黒が学校を辞めてから三ヶ月経った頃だっただろうか。
中澤はこうやってほぼ毎日のように石黒を見にきていた。そのたびに、気持
ちを伝えようと心に決めてきたものの伝えれずに終わっていた。
-87-
不意に、中澤は昼間の市井との事を思い出す。
あの事がなかったら、今日もいつもどおり何も言えずに終わっていたかもし
れなかった。
市井の言葉が、目が、唇が、中澤を奮い立たせてしまったのである。
腕時計に目を移す。午後5時まであともう少しだ。電柱の陰から石黒が歩い
ていったほうを見る。人影。石黒と、石黒の夫だ。
二人並んで、買い物袋を持って、楽しそうに歩いている。元気いっぱいに笑
っている石黒。楽しそうで、幸せそうで――
中澤は、電柱から離れて駅に向かってゆっくり歩き出した。大きく息を吐い
て、真っ赤に染まった夕空を見上げる。
好きな人の笑顔を奪ってまで気持ちを欲しがって何が楽しいんだろうか。
中澤はわかっていながら、自分で押し込めていた考えをようやく受け止めた。
「幸せなら…えーやんか…」
自分への慰めを込めて吐き捨てる。生来の負けず嫌いが祟って涙が込み上げ
てくる。
「裕ちゃん。」
振り向くと平家が立っていた。心配そうに中澤を見ている。
「みっちゃん。飲み行こか?」
中澤は素早く涙を拭い、ニッコリ笑った。すっきりとした清々しい笑顔。
-88-
同じ頃。市井宅。
「夕飯どうする? 焼肉食べに行くか? 紗耶香、肉好きだろ?」
玄関の水槽の熱帯魚を眺めながら市井の父親が居間にいる市井に聞いた。
「どうでもいいよ。」
居間にいる市井は夕刊をめくる。隣の市井の部屋から携帯の着信音が聞こえ
てきた。
「なんすか?」
足を引きずって部屋に入りベッドに座る。相手は矢口だ。
【足怪我してたから。心配で……。】
「もう家です。そいじゃ…」
【待ってよ。会いたいよ。今からウチ来れない? なんならこっちから行こ…】
「父親いますから。これから夕食食べに行こうとしてたんです。」
沈黙。
【そう……、じゃあね。】
寂しそうな矢口の言葉を最後にぷつっと電話が切れる。
市井は携帯を置いて居間に戻り、
「お父さん。」
「ん?」
「ご飯、食べに行こう。」
柔らかい表情で言う市井に、父親は少しテレ笑いをしながらも頷いた。
koushinn
そういえば最近いろんなところでlogさんの小説見るんですけど
今どれくらい掛け持ちしてます?
できればどこのスレかも知りたい。
掛け持ちって大変じゃないですか?
それぞれの話でのキャラ・・・・吉澤なら吉澤で設定も性格も
違うじゃないですか、それぞれの話に入れている感情が
ごちゃまぜになって書きにくくありません?
なかざー、それはストーカーだぞ・・・?
矢口…。
市井頼むよ〜
いちおう
-89-
時を同じくして、朝比奈学園のテニスコート。
「20分休憩!」
テニス部の部長が声を張り上げる。座り込んで休んでいる部員たちを尻目に、
石川は校内へと入っていった。
保健室前。
ドアにかけられている札は「外出中」となっている。
石川はかいた汗を丁寧に拭って前髪を整えてドアを開ける。
夕日が照って、白いベッドや薬品棚は染められている。少しばかり開いた窓
から吹いてくる風で遮光カーテンが揺れている。
3つあるベッドは全て無人になっていた。
「大丈夫だったのかな……。」
石川は独り言を言って、先ほどまで吉澤が寝ていた窓側のベッドに座り、窓
を見る。
ラケットをベッドに立てかけて、ベッドの真中に手を触れると、まだ微かに
温もりが残っていた。思わず口元が緩む。
「……ひとみちゃん、か。」
名前を呟いて顔を思い浮かべる。が、まだ何回も会ってないから表情が頭の
中であいまいになる。
会って間もないのに、どうしてこんなに気になるんだろう。
そんなことを考えながら、石川は保健室を出てテニスコートへと戻った。
-90-
日が沈んで少し経った頃。
格技場。
「じゃ、今日の練習はこれまで。解散。」
飯田は部員たちに言うと、さっさと部室に向かった。
結局、入部希望者は現れなかった。
副部長の「まだ新学期になったばかりだから」という言葉は飯田にとっては
慰めにもならない。
現在、剣道部は中等部の部員が9人、高等部の部員は飯田を含めて5人だ。
高等部のほうは常に人数の少なさに悩まされていた。
飯田だって少し前までは、「新入部員が入らなくても、今いる部員たちで何
とかなる」と楽観さえしていたのだが、前年度末の大会後に高等部の部員の
一人が辞めたいと言い出してきたのである。
「紗耶香の馬鹿っ…」
部室に戻って袴を脱いでいた飯田はロッカーを叩く。
数ヶ月前の剣道大会後。
朝比奈学園剣道部は中等部、高等部ともに団体戦で優勝をした。
大会後、一行は学園に戻ったあとに解散した。
当時すでに部長として活動していた飯田に市井が声をかけた。
-91-
優勝したせいもあってか飯田は薄ら笑いで市井に顔を向ける。
これから自分が言い出す言葉で飯田がどういう反応を示すかが何となくわか
っている市井は視線を外しながら、
「退部、しようと思ってます。」
市井の予想通り、飯田の表情から波が引くように笑顔が消える。
「えっ……、なん、で?」
飯田は怒りを通り過ぎてしまったのか、吹きだしたような声を出す。
市井は飯田の混乱を肌で感じ始めた。2人の間に嫌な空気が流れる。
「今月中には、退部届出します……。」
市井は飯田の質問に答えないで、さっさと逃げようと言う感じで言葉を吐く。
一拍間を置いて、飯田が市井の肩を掴んで、
「今日だって優勝したじゃん! なんで? わかんないよ! ねぇ、なんで?」
と、狂ったように言葉をぶつけて、市井を揺さぶった。
市井は力いっぱい腕を振って飯田を払いのける。
飯田は後ろに転びそうになるがこらえる。今にも泣き出しそうな目で、市井
を睨みつけている。
「ヤになっちゃったんですよ……。飯田先輩も、他の部員もなんも悪くない
です。全部私の……、わがままですから!」
市井は踵を返し、走り去っていった。残された飯田は、少しも間を置かない
うちに涙を流した。
-92-
再び時を戻して、現在。
制服に着替えた飯田は部室を出る。廊下が騒がしい。それすら今の飯田の神
経を逆撫でる。見ると、着ているものの真新しさから新入部員と思われる生
徒たちに囲まれている安倍であった。
条件反射のように、飯田は安倍の視界から消えようと思ったが、一本道の廊
下では逃げようもない。
「圭織、今帰り?」
屈託もなく安倍が飯田に声をかける。
「……うん。」
飯田はぎこちなく返す。頭の中では普通に返そうと努力すればするほど空回
ってしまう。
安倍が次の言葉をかけようと、口を開きかけた時には飯田は安倍を取り巻い
ている生徒たちが占領している狭い通路を通り抜けていた。
「安倍先輩、飯田先輩と仲いいんですか?」
安倍の隣にいる生徒が驚いた顔で聞いてきた。
「う、ん。同じクラスだしね……。」
安倍は飯田の自分に対する態度から「幼馴染」という事を隠してしまった。
飯田のことを嫌いなわけでもないのに、こんな気を使っている自分にうんざ
りする。
更新
石川と保健室。
「禁断の─」を思い出すわ…。
-93-
色とりどりのネオンで照らされている繁華街。
「裕ちゃん、ほんま大丈夫か?」
平家は千鳥足の中澤に肩を貸しながら駅を目指す。
中澤はなにやら言っているようだがろれつが回っていないせいか平家にはわ
からない。
「わっ!」
突然、中澤に軽く押されて平家は前に転びそうになる。平家は何とかこらえ
て、中澤のほうを振り向く。
「なにすんねんな、危ないやん!」
中澤は、ゆらゆらしながらも直立を保とうとしながら、じっと平家を見据え
て、
「歩いて帰るからええよ。ほななぁ…」
と言うと、背中を向けて人ごみに消えていった。
中澤のどことなく哀愁を漂わせる後姿。
平家は中澤と夕方から数時間も飲んでいたが、中澤は平家に甘えるようなこ
とはせず、終始張り詰めた感じであった。
「ウチッて……、包容力ないんやろか。」
平家はぽつんとこぼす。
-94-
あと数分ほどで日付が変わろうとしていた。
いつもより二倍の時間をかけて風呂から上がった吉澤は、これで最後、と思
いながら後藤に電話をかける。
電話はつながり、コールし始める。
【……よっすぃ〜?】
後藤の声はこれといって元気がないような印象を感じさせなかった。
「ごっちん、いつ帰っちゃったの? 昼休みに消えちゃってからずーっと戻っ
てこなかったから心配したよ〜。」
【あはは……、なんかね…どーでもいいや、ってなっちゃって。】
吉澤は後藤と会ってから全く日が経っていないから、後藤はそういうやつな
んだな、と疑いもなく認識した。
2人は、数十分ほど雑談をしてから電話を切った。
吉澤は慎重にベッドに身を沈める。
微かではあるが、身体が痛む。
明日からの部活動の事を懸念しながら、石川の事を思い出す。
転倒してからの曖昧な記憶の中に刻まれた石川の心配そうな表情。
夢なのか、現実なのかはハッキリしない。
はっきりさせたところでどうともしないのだが気になって仕方がない。
吉澤は布団をかぶって眠りにつく。
-95-
中澤は平家と別れてから一時間ほどかけて自分の部屋に辿り着いた。
玄関を開け、鍵を閉めて、電気を点けないまま暗い部屋のフローリングを
滑るように歩き、ベッドに倒れる。
中澤は身体は酔いでフラフラになっているのに、頭だけはなぜか鮮明であ
った。
ベッドに沈めた顔をそのままに部屋の置時計のある方向に視線だけ移す。
11時――数秒して、12時になった。
たった今から昨日に変わった日の出来事を思い返す。
さっきまで平家と飲んでいた。
その前に、石黒への未練を捨て去った。
その前に市井と――
市井との情事を思い出した途端、中澤の身体を侵していた酔いもふっと消
えた。
「ウチ……、なにしてんねやろ。」
中澤は改めて反省をする。過去に教え子でもあった生徒――しかも少女――
に、あんな事をしてしまった(されてしまった)からだ。
しかし、市井に口づけられた瞬間、胸がときめいてしまった事は変えよう
がない事実だったりする。中澤は苦悩する。
-96-
朝。
矢口は自分の家ではない他人の部屋で目覚める。
煙草臭いベッドシーツが心地よい眠気を妨げるため、ろくな睡眠をとれな
かった。
ベッド脇の床に落ちている自分の下着を拾い上げて素早く着ける。
「ガッコ、行くの?」
低い男――になりかけている少年――の声。
年は矢口より一つ下だが、身体は大きい。茶髪に黒い肌の今時の少年だ。
「そうだよ。」
矢口は早口に答えながら、あらかじめバッグに入れていた制服を引っ張り
出す。少年が吸い始めた煙草の紫煙が矢口の周りを曇らせる。
「匂いつくからやめてよ。」
矢口は少年に膨れ面を向ける。
少年はベッドに寝っ転がったまま横目だけで矢口を見て、目尻に皺を寄せ
る。どことなく軽蔑をしているような目つき。
矢口は視線から逃げるように背中を向ける。
「今日もやらせてくれんの?」
少年の嘲笑を含んだ言葉。矢口は遅すぎる後悔をしながら、部屋を出て、
学校へ向かう。
更新
一人二役
なるほど
PPP
-97-
中等部三年六組の教室。
吉澤が足を引きずりながら入ると、
「よっすぃ〜?!」
というすっとんきょうな声が響いた。吉澤が顔を上げると後藤だった。
「ごっちん、こんな時間にいるなんて……奇跡だね。」
吉澤はおもしろくないながらも冗談を付け加える。
「それより、どーしたの?」
吉澤の前に立った後藤が吉澤の額の左側に張ってある湿布を凝視する。
吉澤は、困ったような表情で薄く笑いながら、昨日の昼休みに派手に転
倒したという事を告げながら、話を聞いている後藤を無意識に観察する。
が、特に違和感を感じる事はなかった。
時を同じくして、各部の部室のドアが並ぶ廊下。
石川は、部室から出ようとドアを開けた。途端、人がぶつかったような
衝撃と音。
「ごめんなさい!」
石川は廊下に躍り出る。視線を落とすと、生徒が座り込むようにして倒
れていた。慌てて引き起こすと、飯田だった。
-98-
テニス部やクラスの間では、怖いという噂ぐらいしか聞いた事のない石
川は萎縮しきったように肩をすくめる。
飯田は痛いと呟きながら立ち上がる。石川は見下げられる。それが余計
に恐怖心を煽る。が、そうも言ってられない。
「すいませんでした……、怪我は?」
石川は自分の過失から恐怖を拭って、飯田に詫びた。
「大丈夫だよ。」
飯田は表情こそぶすっとしているものの、口調は淡々としていた。
「テニス部……?」
飯田は、部室のドアに張られているプレートをこつこつと手の甲で叩き
ながら石川を見据える。
「はっ、はい……。」
ボーっとしていた石川は慌てて答える。その様子に嵌ってしまったのか、
飯田は不器用な薄ら笑いを浮かべる。
石川は、飯田は安倍の事を嫌っていると言う噂がまことしやかに流れて
いる事を思い出した。何かされるのだろうか、というわけのわからない
心配をしながら、早く解放される事を望んだ。
-99-
「頑張ってね。」
どことなく心が篭ってないように聞こえなくもない飯田の言葉。
石川が顔を上げると、飯田は背を向けて歩き始めていた。
石川は去っていく飯田の背中を見ているうちに、噂とは違う人なのかも
しれない、と思った。
市井は、教室にカバンを置くと、音楽室の前を通り過ぎて、立ち止まる。
誰もいなかったことに、寂しさにも似たものを込めたため息をつく。
携帯が鳴った。矢口からだ。
「はい?」
【今日、昼休みに会って。】
「昼休み、ですか……。」
昨日の福田と会ったのも昼休みだった事からか、市井は微かな動揺をし
てしまう。最近、そんな市井を見たことのなかった矢口が瞬時に悟る。
【誰かと会うわけ?】
市井は悟られた事も、悟られる自分にも気にくわなくなる。
「いや……。いいですよ。すぐ済みますか?」
【屋上で待ってるから。】
市井は質問に答えてもらえないまま電話を切られた。
更新
.
-100-
昼休み。
昼食を食べ終えると、後藤は吉澤を置いてどこかへ行ってしまった。
怪我をしてる吉澤は、他のクラスメートと遊ぶ事もできずに、教室で一人、
ぼーっと過ごしていた。
「つまんないよ〜……」
と、その時、教室のドアが開いた。中澤が、先日生徒に提出させた数学の
テキストの山を教壇の上に置いて、吉澤に気がつく。
「怪我、したんやったっけ?」
吉澤は少しだけ姿勢を正して頷いた。
中澤は吉澤の席の前まで歩み寄って、ちらりと怪我した吉澤の足に視線を
落とす。吉澤は顔を上げる。
「はよ治して、練習しよな。」
柔らかな中澤の言葉と表情。ここ最近のぴりぴりしたような口調とは打っ
て変わっていた。
中澤は教室を出て行った。
嬉しいような照れくさいような、吉澤は一人で顔を緩ませる。
中等部校舎の屋上。
所々ペンキが剥がれてサビが剥き出しているドアが、ぎぃっという年季の
入った音を立てて静かに開き、閉じる。
-101-
屋上に立った後藤は、誰もいない事を確かめるように一周して見回す。
くすんだ、白っぽいコンクリートの床を、ゴム底の上履きで静かに歩む。
誰もいない事を確認して、鼻をすする。建設以来染み付いた有機溶剤の匂
い。髪の毛を吹き乱されながら、手すりに近づいて、中庭を見下ろす。
中等部校舎屋上と数メートルの間を隔てて建っている高等部校舎の屋上の
入り口付近。
矢口と市井がいた。
ドアのついた建造物の陰にいるので、ちょうど後藤側からは死角になって
いる。
「ここで初めて会った時のこと、覚えてる?」
矢口の第一声は、このあとの話の長さを表しているようなものだった。
市井は腹をくくって、とりあえずという感じで頷く。
矢口にとっては、たとえ市井に嫌がられたとしても、話す機会を貰えただ
けで十分だった。
ひぅと風が吹き、市井の香水の匂いが矢口に届く。
矢口は記憶を手繰らせる。
-102-
矢口が二年生の秋の終わりごろ。
当時付き合っていた彼氏にフラれたのかただ単に友人とケンカしたのか。
原因は忘れてしまったが、矢口はいらついていた。頭を冷やそうと屋上に
向かった。
屋上へのドアを開けると、矢口に背を向ける状態で手すりによりかかって
いる先客がいた。
引き返す事も鬱陶しくて、矢口は小さく舌打ちをして、ドアを音を立てて
閉めた。
先客は特にびくついた様子も見せずに、ゆっくり首だけ矢口のほうを向く。
目を閉じる機会を失った死人のような虚ろな目。
威圧してやろうかと意気込んでいた矢口のほうが逆に気圧されると同時に
見覚えのある顔だな、と考えさせられた。
(実際、矢口の気のせいなのだが)先客に嘲られたような気がした矢口は声
を投げかけた。
「できればどいてほしいんだけど。」
先客は、矢口を睨みつける事もなく、あっさりと手すりから離れて、ドア
のほうへ行こうと、矢口の横を通り過ぎる。
「市井紗耶香?」
矢口はようやく名前を思い出し、さっそく聞いてみた。
-103-
「そうですけど。」
市井は全く表情を崩すでもなくポケットに手を突っ込んだまま矢口のほう
へ振り返る。
市井は、上級生の間では「生意気そうな下級生」という像を作り上げられ
ていた。
実際、市井は上級生にも同級生にも、まして下級生にも自らで絡んでいく
ような事はなかった。
矢口は話だけに聞いていた市井を目の前にして、正直、感嘆すらしていた。
「ね、これから暇?」
矢口の好奇心は膨らむままであった。笑顔で市井に問い掛ける。
学園から一駅ほど離れたところにあるカラオケボックス。
矢口は、一人で歌い、市井は無表情にタンバリンを鳴らしたり、ドリンク
に口をつけながら聞き入っていた。
カラオケボックスを出る頃には、矢口はすっかり市井の事を気に入ってい
た。市井の腕に絡み付いて笑っている矢口に、市井は怒ろうとも、まして
喜びもせず、並んで歩いていた。
-104-
その日矢口は、初対面にも関わらず、市井を自分の家へと招いた。
2人は向かい合わせにソファに座った。
「ねーねー、なんて呼ぼうか?」
矢口は初対面が嘘のようなぐらいの態度で市井に話し掛ける。
「好きに呼んでいいっすよ。」
市井は、態度を崩さず、無表情に、あっさりと返す。
「じゃ、紗耶香ね。」
矢口は市井の隣に座り抱きつく。
矢口が顔を上げると、市井の表情がほんのわずかであるが緩んで、微笑し
かけていた。
「紗耶香の目、綺麗だね…」
矢口は市井に唇を重ねる。市井は全く抵抗を示さなかった。
その日を境に、矢口は市井と一緒にいる事が多くなり、今に至った。
再び時を戻して現在。
「紗耶香、全然笑わなくなったよね。」
矢口が語気強く呟いた。
更新
>無表情にタンバリンを鳴らしたり
なんかワラタ
>log
更新は2日に一回になったの?
イイッスネ。100ッスカ。ハヤイッスネ。
-105-
「別に…」
笑ったところに何になるんだろう、と肝心の部分を言葉に出さないで、市
井はため息をつく。
「紗耶香。」
矢口は市井の腰に腕を回してぎゅうと身体を押し付ける。
「矢口といると、つらい?」
市井を見上げる矢口。
市井は力を抜いて、矢口に腕を緩ませる。
最近の市井は、確かに矢口につらくあたっていた。
が、決して矢口の事が憎らしいというわけではなく、すんなり彼女に甘え
る事ができなかった。つまり原因は自分にあるとわかっているのだ。
と言う事を口に出して説明すれば、多少なりとも道は開けるはずなのであ
ろうが、市井はそうしようとはしなかった。
市井の返答の遅さは、否応なしに矢口に言葉を促させた。
「やめようか。 あ……、別れる、って事ね。」
別れを告げた矢口のあまりの痛々しく悲しい笑顔に、市井は小さく口を開
けたままになる。次の瞬間には、抱きしめていた。
「矢口先輩のせいじゃ……ないっすから。」
悲しみを秘めていながらも、優しさを感じさせる市井の瞳に見つめられて
矢口は未練を大きくするばかりになる。
-106-
「ね、紗耶香。最後に…」
矢口はとろんとした目で市井の首に手を回す。
触れ合う矢口と市井の唇。
市井は焦らしながら、矢口のブレザーを脱がして、ネクタイを緩ませて、
シャツのボタンを器用に外していく。露わになった矢口の肩に、寄りかか
った建物のコンクリートの壁が擦れる。
市井の視界にわずかづつ、中等部校舎の屋上が入り始めるが、気にはかけ
なかった。ある人影が入るまでは。
矢口との行為に耽りながら、よく注意して見てみると、後藤がいた。
市井たちのほうを驚きと困惑と混乱と軽蔑が入り混じったような表情で見
ている。
市井は、覚悟を決めたように、後藤を無視して行為に没頭し始める。
後藤は耐え切れなくなったのか、逃げ出すように屋上から去った。
5時間目の終了のチャイムが鳴り響いていた。
昼間よりも太陽が雲に覆われて、風の強い屋上は余計に肌寒く感じた。
市井は座った状態で自分の膝についた細かいコンクリート片を払う。
「バイバイ。」
ネクタイだけをポケットに押し込んで、制服を着け終えた矢口が屈んで市
井に口づける。
市井を残し、屋上の鉄の扉が閉まる。
更新
481 :
:2001/04/07(土) 07:48
-107-
放課後。バレー部部室。
「よし。」
制服からジャージに着替えた吉澤は体育館に向かった。
曲がり角を曲がる時に、石川に出くわす事を無意識に望んだが、かなう事
はなかった。
今日、吉澤は掃除当番であったため、体育館にはすでにネットを張り終え
て、練習を開始している部員がいた。
膝をかばうような、おぼつかない足取りで部員たちのいるほうに向かおう
と歩み始めると、目の前に、少女が現れた。黒髪を横に二つで結っている。
背は吉澤の肩ぐらいだ。
少女が、学校指定のジャージを着ているところから、吉澤は彼女は新入生
であろう、と判断する。
「吉澤先輩ですか?」
少女の上目遣いに舌足らずな口調。
吉澤は子ども扱いするように微笑み、頷く。
少女は、笑顔になり、八重歯を見せた。
「今日からバレー部に入ることになりました。辻希美です!」
「そっか。よろしくね。」
吉澤は気兼ねなく手を差し出して、小さな辻の手を握る。
辻は驚きながらも、少しだけ顔を赤らめてテレ笑いをした。
-108-
吉澤と辻が自己紹介をしあって少し経つと、中澤がやってきて、部員全
員を集めて新入部員を紹介した。高等部には、10人。中等部には、辻
を含めて8人の新入部員が入った。
「ほなら、中等部、高等部それぞれで練習開始してな。」
中澤が叫ぶと部員たちは立ち上がって、ボールを手に取り始めた。
「新入部員、どうしよっか?」
吉澤と同級の中等部のバレー部の部長が壁に寄りかかっている吉澤のほ
うを向く。
吉澤は部長ではないがバレーボールを部の誰よりも長くやっていた事か
らどことなくコーチのような感じで見られているのである。
「とりあえずサーブからやらせてみようよ。」
吉澤はボールを部長に投げ渡した。部長はOK、と手でサインを作って
見せて指導しに向かう。
中等部の新入部員全員がボールを片手に、横一列に並び、サーブを打ち
始めた。サーブの打ち方から見てまったく初めてであろう生徒がほとん
どであった。が、一人、辻だけは他の部員とは違う打ち方で正確にサー
ブを決めていた。
眺めていた吉澤は素直に感心した。
-109-
「吉澤ぁ。」
関西弁で吉澤を呼ぶ声。声のしたほうに顔を向けると、中澤であった。
「はい?」
吉澤は少し遅れて返事する。
「素人目に見て思ったんやけど、辻って巧いほうにはいらへん?」
バレーボールに関しては、今のところ全く無知である中澤の、戸惑いと
生徒に聞いてしまう事の恥ずかしさを込めた口調と表情。
「いやぁ……、まだ断言できませんよ〜。」
中澤に気遣ってか、吉澤はつい道化を装おう。
「なに、気ぃ使ってんねん。」
中澤はすぐに見破ってしまった。吉澤は背中に汗をかき、苦笑しつづけ
た。中澤は怒りはしなかったが、呆れた。
「のの〜!」
体育館の雑踏に、明るいハキハキとした声が響く。その声の主を知って
いる辻は、顔を上げて、体育館を見回し、声の主を見つける。
辻に見つけられると、少女は部活をしている部員たちの間をお構いなく
進んで辻の前に立った。
「なんや、あれ?」
吉澤と中澤は呆然としていた。
更新
ののたーん
-110-
「亜依ちゃん、どうしたの?」
辻に亜依ちゃんと呼ばれた少女は、背は辻と同じぐらいで、黒髪を下ろ
しながらも後ろでまとめているという凝った髪型で、制服のスカートは
短く、ルーズソックスを履いていた。
「なんや教室で待ってるのつまんなかったんやもん。まだ終わらへんの?」
少女は、辻の周りを歩きながらしゃべる。全く迷惑をかけているという
意識を持っていないようであった。周りの部員たちの白い目にも気づい
ていない。
少女を邪険にしたくはないようである辻は、困った笑顔を見せるばかり
であった。
「ちょっと、なにしてんの?」
痺れを切らした中澤が、少女の肩をつかむ。
「まだ終わらないんですかぁ?」
少女は怖気づく様子も見せずにわずかに関西訛りを含ませながらあっさ
りと聞いた。
「6時……7時ぐらいまで練習やで。……練習の、邪魔はあかんで。」
中澤はこめかみの辺りをぴくつかせながらも、落ち着いて返した。
「え〜!?」
少女は、冗談めかした顔を見せて、おおげさに声を張り上げる。
-111-
「やっぱり今日は一緒に帰れへんの?」
少女は、中澤の事はすっかり眼中にないという感じで辻をまくしたてる。
辻は、最初のうちはおずおずした感じで少女の話を聞いているだけであ
ったが、中澤や、周りの部員たちの目もあってか、ようやく覚悟を決め
たように少女の肩を掴む。
「今日は……、もう帰って。ごめんね。」
少女がぴたりと黙ると、一瞬だけ体育館が沈黙した。
「……わかった。」
少女は、現れた時の騒々しさとは正反対に、ぽつりと言って、とぼとぼ
と帰っていった。
「ほら、練習再開しいや!」
中澤がすっかり冷め切ってしまった練習の空気を暖めなおすために声を
張りあげた。部員たちは練習を始める。
「ごめんなさい、中澤先生……。」
辻が身を小さくしながら背後から中澤に近づいた。
中澤はため息をつきながらも、表情は穏やかであった。
「気にせんと。ただ、ちゃんと話しておかなあかんで。こういう部活に
入ったからには、団体行動になるんやから。」
中澤に肩を叩かれた辻は大きく頷いた。
更新
.
.
-112-
「部活って面倒くさいんやな〜……。」
辻に体育館から追い出される形になった少女は教室で鞄に荷物をまとめ
て帰る準備をしていた。
少女の名前は加護亜依、という。
小学校を卒業するまでは奈良に暮らしていたが、両親の転勤のため、こ
の朝比奈学園にやってきたのである。
入学してからまだそれほど日も経っていないため、友達は今のところ辻
だけだ。
きっかけはごく単純で、席が隣同士になったからである。
それに辻は、基本的に騒ぐ事が嫌いでない加護を咎めるような事は全く
しなかった。
その事が加護の辻に対する好感を大きくしてしまったのである。
簡単に言えば、今の加護には(学校では)辻しか拠りどころがない。
しかし、辻は小学生時代からやっていたバレーボールを続けたいという
事からバレー部に入部してしまった。
辻は、一応加護も誘ったのだが、加護は断った。
全く興味がなかったし、時間に縛られるのが嫌だったからだ。
が、ここにきてにわかに入部への思いが強くなろうとしていたが、やは
り加護自身の性格がそれを許さなかった。
-113-
加護は、寂しさを紛らすように鼻歌を混じらせながら、グランドを横切
り、門へ向かう。
陸上部や剣道部、その他の運動部がグランドを走っていた。中には加護
のクラスメートの生徒もちらほら見えた。皆が皆、額を汗に光らせ、息
苦しく走りながらも、生き生きとした顔つきであった。
それを見て、加護はわずかに共感もしたが、やはりどこか冷めていた。
少しづつ、湿り気を帯びてきた春の風が、加護にはひどく冷たく感じた。
「さむ…」
夕日が差して、覚醒を促した。
市井は、矢口が屋上から去ったあとも居続けて、いつのまにか眠ってい
た。ブレザーを片手に、痺れた尻をさすりながら立ち上がって、階下に
降り、廊下を歩く。換気のために小さく開かれた窓から、風と一緒に微
かに音が聞こえた。
市井は、早足で一階まで駆け降りて、音楽室の前に立った。
ブレザーを着て、ゆっくり音楽室のドアを押し開ける。
ピアノの音が止んで、ピアノの前に座っていた生徒――福田――が市井
のほうを振り返り、薄く笑った。
-114-
保健室。
「起きなさい。」
後藤は保田に書類をまとめた封筒でこつりと額を叩かれて目を覚まし、
ベッドから身体を起こす。昼休みからずっと寝ていたのである。寝起き
のせいでもあるかもしれないが、ふてくされた顔つきで保田を見上げた。
「今日だけだよ。仮眠代わりにベッド使わせるの。」
保田は組んだ腕で後藤を威圧する。
「……ありがとうございました。」
後藤は、ふてくされた顔はそのままに深く頭を下げて保健室を出て行っ
た。
テニスコート。
テニス部が活動をしていた。
石川は一人、壁打ちに専念していた。数えると、300球ほどを一時間
休まずに打ち続けていた。ポロシャツが汗で身体に張り付き、動作を鈍
らせ始める。少しづつではあるが、右肩が痛みを帯びだす。
と、その時、石川は肩を掴まれた。
「休憩だよ。」
安倍が、心配そうな雰囲気を漂わせた表情を石川に向けた。
更新
ピンラン2を思い出しているのは私だけだろう…。
俺も思い出すよ。
学園物だからかな。
でも明日香出てて嬉しい……
新参ばっかりかと思ってた。おいらも含め。
-115-
「はい。」
安倍は、ベンチに座って苦々しい顔つきになってる石川の頬に冷たいス
ポーツ飲料の入ったボトルを押し当てた。
「ありがとうございます。」
安倍を見上げた石川の表情は口元だけで笑って、目だけは笑っていない。
強烈に差し込んだ夕日がテニスコートに強いコントラストをつける。
「練習熱心なのはいいけど、過ぎるのもダメだよ。」
不意に出てきた安倍の言葉に石川は視線を中に泳がせる。
わずかな沈黙。
大きな羽虫が夕日の中を白い姿で舞う。
「なんか、怖くて……。」
石川の言葉は断片的ではあったが、安倍はなんとか状況を飲み込む。
「推薦で入ってきたから、ってこと……?」
安倍の言葉に深刻さは全くなかった。安倍の目に映る石川の横顔が頷き、
語りだす。
「中学の頃、確かに全国大会まで行ったけど。団体戦でしたから。シング
ルじゃ、正直ダメなほうでした。なのに、朝比奈に推薦って事になって…」
「でも、断る事だって、できたでしょ?」
石川は安倍のほうにゆっくり顔を向けて、頷いた。
-116-
「じゃあ、どうしてウチの学校に来たの?」
安倍はきつく問い詰めるわけでなく、あくまで穏やかな口調を保つ。
「一人の、私個人の力を試してみたかった、のかも……。あとは、テニス
が好きだから……かな。ごめんなさい、クサイですよね。」
石川はようやく素の笑顔を取り戻した。
「くさっ! あ〜、もうクッサイなぁ〜。」
安倍は大げさに声を張り上げて石川をからかう。
石川はしばらくテレ笑いを続けた。
格技場。
飯田は中等部の部員も含めた自分以外の部員全員と一対一の剣道勝負をし
ていた。
全国レベルの力を持ち合わせている飯田に、中等部の――特に一年――が
勝てるわけがなく、中には飯田のあまりの気迫に半泣きになってしまう部
員もいるほどであった。
「次っ!」
飯田は面の中で目を血走らせる。もう二時間ずっと打ちっぱなしで、肩で
大きく息しているのにも関わらずだ。
「飯田先輩、もう今日は…」
副部長が毅然とした態度で飯田を止める。
途端、飯田に向けられる部員たちの視線が酷く冷たいものに感じられた。
絶対的な孤独と思えるほどの感覚にめまいを覚えた飯田は格技場をあとに
した。
-117-
音楽室。
飽きることなくピアノを引き続けている福田と同じ椅子に背を向ける感じ
で市井は座っていた。
力強かった音が次第に弱弱しい儚げなメロディを刻み始める。
「なんかあったんですか?」
フラットな印象を感じずに入られない福田の質問に苦笑しながらも市井は
答えた。
「別に、なんも。」
先ほどの矢口との事を思い出しながらもあっけらかんと返す。
「うそだぁ…」
笑い声に混じる福田の声。
市井は福田の表情が気になって首を後ろに回すが福田のうなじしか見えな
い。気を取り直したように前を向いた。
「なんでさ?」
「ロンリーウルフ度が高くなってるな、って。」
福田の言葉に冗談めかした様子は一切感じられなかった。
それが余計に市井を刺激してしまったのか、市井は自分でも驚くぐらいの
笑い声を響かせた。
-118-
――ロンリーウルフ
という福田の言葉に、市井は改めて自分を当てはめると、今しがたの笑い
声がプラグを抜いたスピーカーのようなあっけなさで止んだ。皮肉すぎる
ぐらい、今の自分に当てはまった言葉に、その気になれば泣き出せるぐら
いのものを感じてしまう。
「市井先輩?」
心配そうな口調とは裏腹に、福田は市井のほうに顔を向けない。
無論、市井も福田のほうは向いていない。
互いの背中のわずかな隙間に、妙な寒々しさが残る。
が、市井にとってはなぜか心地よいものだった。
「たまにはこうやってのんびりするのもいいね。じゃね。」
市井は早口に言うと音楽室を出て行った。
福田はその後姿を見送ると、再びピアノを弾き出した。
誰もいない玄関。
後藤は下駄箱から靴を取り出して玄関を出る。
校門への道をわざとジグザグに歩いて空疎な時間を空虚なものに。
はたと、足がその場で止まる。
こーしん
504 :
名無し募集中。。。:2001/04/12(木) 07:16
age
503=504
だよなぁ
あげウゼンダヨ、ぼけがぁ
507 :
log0076の母親:2001/04/12(木) 07:22
あんたちゃんと専門学校行ってるの?
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
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家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華家政婦梨華
家政婦は放棄したと逝ったはずだ。
>>509 逝ってないよ
保全が億劫になっちゃっうとすぐdat行だからね。
以後気をつけてきます
512 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:47
はじめの一歩って面白いよね。
513 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:47
チンコ奈江
514 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:48
ユウキ萎え
515 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:50
516 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:53
勇気萎え
517 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:55
大切なのはタイミングとハートだ
518 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:56
有機苗
519 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:57
。 。゚ 。。。 。゚.。 カユイ カユイ
彡川川川三三三ミ〜。プゥ〜ン
。 川|川/゚∴゚\ b〜 プゥ〜ン
。‖|‖.゚◎---◎゚|〜 ゚プゥ〜ン / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
川川‖∵∴゚。3∵゚ヽ〜。゚ 。 。 < ジサクジエン!ハアハア…!
川川∴゚∵∴)д(∴)〜゚ 〆⌒\。 \______________
。川川∵∴゚∵o〜・%〜。 (c人゚∴3
川川‖o∴゚〜∵。/。 ゚|゜#。゚。゚b。カユイ カユイ
川川川川∴∵∴‰U d゚。o∵。|゚ プゥ〜ン
U 〆∵゚‥。 ゚o゚ o\_ 。(・∀・。)プゥ〜ン
。 / \゚。∵@゚∴o∴つ (c‥∵゚)゚
o |∴\ '''''゚''''''''''''つ U d;∵|:∴|゚。
%。゚。。‰∴。∵゚∴o゚ o (::c(∴゚)。o。。
|o∵o。。| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
520 :
名無し募集中。。。:2001/04/13(金) 23:59
おてぃんち〜ん
521 :
名無し募集中。。。:2001/04/14(土) 00:01
522 :
名無し募集中。。。:2001/04/14(土) 00:03
。 。゚ 。。。 。゚.。 カユイ カユイ
彡川川川三三三ミ〜。プゥ〜ン
。 川|川/゚∴゚\ b〜 プゥ〜ン
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|o∵o。。| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
523 :
名無し募集中。。。:2001/04/14(土) 00:06
駄パンプ=歩く生殖器
524 :
名無し募集中。。。:2001/04/14(土) 00:10
て
525 :
名無し募集中。。。:2001/04/14(土) 00:13
つらかった事も含めて、小室さんには感謝しているんです。ホント。
でも或る意味、今が華原朋美のスタートラインだとおもってます。
上でクソみてぇなレス書いてる最低のティムポ野郎ども!
手術うけて出直してこいやぁ!このカブト付きティムポがぁ!
さもなきゃテメーらメソ・・・
-119-
後藤は大きく息を吸って気を落ち着けて、声を出した。
「市井ちゃん。」
後藤の数メートル前を、うつむいて歩いていた市井が顔を上げる。
市井の表情に、最近まで後藤に向けられていた冷たさはなかった。呆然と
いう感じであった。
市井が、次の言葉をかけれずにまごついてる後藤の前を横切ろうとすると
後藤は慌てたように声を張り上げる。
「一緒に、帰っていい?」
周りに植えられている木々が風でざわついている音だけが響いた。
市井は、後藤のほうをゆっくり振り返って、一秒ほど後藤の顔を見つめた
かと思うと、再び背を向けて歩き出した。
後藤は、市井が今自分に向けた表情は、一緒に帰っても構わないという合
図だと、解釈してみる事にした。
飯田は、部室で一人、涙を流した。
必死でこらえようと、押し戻そうとしたが、止めることが出来なかった。
声を出さないで、肩を震わせる。
ひととおり泣いて、落ち着き、大きく息をつく。
部員たちは何も悪くない。まして安倍もだ。
なのに、彼らに怒りを感じている。自分は最低な奴だ。と、飯田は思いは
してるが、拭う事もできなかった。
-120-
保健室のドアが開いて、平家が顔を覗かせた。
座って書類を作成していた保田が椅子にもたれて平家を見つける。
「みっちゃん、どしたの?」
かけていた眼鏡を外して立ち上がると、入れ替わるようにして平家が椅子
に座る。椅子を回転させて、足を伸ばしている。
保田は、冷静に眺める。
「今、空いてる?」
「別に…」
どことなくずれている印象を否めない平家の言葉に吹きだしそうになりな
がらも保田は答えながら、パイプ椅子を引っ張り出して平家と向かい合う。
「圭ちゃん、今好きな人おる?」
「いないよ。」
保田は唐突な平家の質問に目を見張りながら、少しだけ考えて、微笑した。
「みっちゃんはいるんでしょ?」
保田の言葉はどちらかというと断言にも近いニュアンスであった。
「いる。けど……、けどアカンねん。なんやわからんけど、展望もできん。」
「なんで? ゆ…」
保田は確信に触れかけて思わず口をつぐんでしまい、気を取り直して続けた。
「そんなの、まだわからないじゃん。告白したわけでもないのに。展望もなに
もないじゃん。」
-121-
「ダメそうな気がする。ごめんな……、いきなり来て、こんな話されてもな。」
平家は立ち上がる。
「とりあえず、ぶつかっちゃえば?」
保田は平家を見上げて、とりあえずアドバイスをしてやった。
平家は返答はせず、下唇を小さく噛んだような笑みを浮かべて出て行った。
悩みを伝えられたところで、結局動くのは当事者だ。
と思いながら、保田は、所詮傍観者でしかない自分に、歯痒さを覚える。
後藤は、市井の少し後ろを歩いていた。
会話は、ない。
一緒に駅に着き、一緒に電車に乗り、一緒の駅で降りる。
市井のマンション前に着いても、市井は何も言わない、後藤も何も言わない。
市井がオートロックを解除して、エントランスに入り、後藤もそれに着いてい
く。一緒にエレベーターに乗り込む。2人で並んで、エレベーターの壁に背を
つける。
市井の家のリビング。
後藤はソファに座っていた。
市井は台所でコーヒーを入れている。
学校から、2人は一言も発していない。
部屋には、玄関から聞こえる水槽のエアーポンプの音と、台所で湯を沸かして
いる音が交じり合っている。
更新
ごめんなさ〜い。
わたしもう書けませ〜ん。
じゃあね! (チュッ
あ〜test
保全
ごめんなさ〜い。
わたしもう書けませ〜ん。
じゃあね! (チュッ
-122-
市井は無言で後藤にコーヒーカップを手渡し、玄関のほうへ行こうとする。
「市井ちゃん……。」
後藤は市井を呼び止めて、続けた。
「なんで? 急に……、優しくなったの?」
後藤はなかなかうまい言葉を見つけられない。
市井は、しばらく立ち止まっていたものの、玄関へ向かい、水槽の前に立ち、
熱帯魚に餌を与え始めた。
後藤の中でぷつりと糸が切れて、後藤を玄関へ向かわせる。
「無視しないでよ!」
後藤は強引に市井の肩を掴んで自分のほうへ向かわせる。市井の手の中の熱帯
魚の餌の入った筒が滑り落ちて、中身が床に散る。
市井は腰を落として手で床に散った餌をかき集めて筒に戻す。
後藤は立ったままその様子を見下げている。
市井が立ち上がって、後藤と向き合う。
ほんのわずかだけ、後藤は市井より背が高いせいで、市井は後藤を見上げる形
になる。実際そうではなくても、後藤は市井に睨みつけられたように感じた。
-123-
「昼休み、屋上いたよね。」
市井が口角を上げてにやりと笑う。
後藤は屋上での市井と矢口の情事を思い出さざるを得ない。
市井は後藤に思い出させるのを全てを計算つくしている。
後藤は、それに感づいて、辱められたような気がして、怒りを覚える。
怒りは、涙に変わる。後藤はこらえるが無駄だった。
「何で泣いてるの?」
気を高ぶらせている後藤とは逆に、市井は薄ら笑いをそのままに、あっけらか
んと返す。
「どうしてそうなの? 酷いよ…」
後藤の言葉に、市井は眉一つ動かさない。ただため息をついていた。
「私にどうしてほしいわけさ?」
「戻ってよぉ……、うっ……、ちっちゃいころは優しかったじゃん…」
「小さい頃?」
市井はようやく薄ら笑いを消して、少しだけ幼い頃を思い出す。
今よりも幼い顔で、無邪気な笑顔で自分と向かい合ってる後藤。
自分はどういう顔で、どういう言葉で後藤に接していたのだろう、と考えたが
思い出せなかった。
幼い頃の事を思い出そうとするたびに、自分を逃げた母親の顔ばかり思い出す。
-124-
「戻らないよ。」
市井は低い声で呟いた。
後藤が涙で濡れた顔を上げる。
「戻らないよ、昔の私には…」
市井は後藤を壁に押し付ける。後藤はうめいたきり動かなくなる。正確には動
けなかった。今さっきの市井の表情が、あまりにも悲哀と――悲痛に満ちてい
たからだ。
「市井ちゃん…」
後藤は壁に押し付けられたまま市井を抱きしめる。
ほんの少しの間だけ、市井は後藤に身を委ねかけて、離れ、背を向けた。
「帰んな……。もう、わかったでしょ? 嫌な奴だ、って…」
「帰れないよ。離れらんないよ……」
切実な後藤の言葉。が、市井は背を向けたきりだ。
振り返ると、耐えているものが全て溢れ出しそうで、怖かったのである。
「帰れないよ…」
後藤は呪文のように繰り返す。
市井は、息を止めて振り返る。全てを溢れ出させないかのように。
市井は後藤の顔を引き寄せて唇を重ね、次第に貪り始める。
-125-
部屋に、後藤の喘ぎが際限なく響く。
後藤はフローリンングの床に押し倒されていた。
市井は後藤のブレザーを脱がし、ネクタイを外して、シャツのボタンを外し、
ブラを手繰り、露わになった乳頭を舌で愛撫する。
「んぅっ……、ひゃぁ……あっ……うぅ……」
市井の舌で乳頭を転がされ、軽く歯を立てられ、吸われる度に後藤は声を上げ
た。収まらない震えを、市井は空いた手で必死に押し付ける。
後藤は市井をがむしゃらに抱きしめる。
全てを溢れさせないために
市井の頭の中で、その言葉が反芻する。
市井のとって、行為に溺れる事は、一時の「栓」でもあるのである。
市井は後藤のスカートの中に手を入れて、ショーツの中に指を滑り込ませる。
熱い粘液が、繁みを濡らしている。繁みの先に絡み付いている粘液を指に絡ま
せて、中心に辿りつく。
「いっ、やぁ…」
後藤は少しだけ身体をずらして指をずらさせる。
屋上での矢口と市井との事を思い出してしまったのである。
更新
なぁ、もういい加減 市井×後藤 とか止めようよ
ヤター
いちごまは永遠に不滅です・・・
>>541 木を見て森を見ず……
(゚д゚)ウマー
>>544 意味が良くわかんないわ、スマソ
この話が終わってから批評しろよ ゴルァ!! と受け取ってよいのか?
あんたの話は基本的に好きなんだよ。
透明な張り詰めた緊張感があって、引き込まれていくんだよ。なぜか。
だからいつもいつも 市井×後藤 書かないで、
別のテーマのを読ませてほしいんだが…
マジレススマソ
今後は最後まで黙って読むわ
>>545 お願いだから黙って読んでてね。
ってか、嫌だったら読まなくてもいいんだよ。
547 :
黄板:2001/04/18(水) 01:51
>>545 市井と後藤はでてきているが市井×後藤の小説ではないでしょ。
それにそんなに書いてるかな、いちーとごとー。
548 :
・:2001/04/18(水) 02:25
・
549 :
名無し募集中。。。:2001/04/18(水) 02:29
550 :
名無し募集中。。。:2001/04/18(水) 10:39
551 :
名無し募集中。。。 :2001/04/18(水) 10:44
プペラって?
552 :
(゚д゚)ウマー :2001/04/18(水) 10:52
プペラ
553 :
(゚д゚)ウマー :2001/04/18(水) 12:08
.
554 :
黄板:2001/04/19(木) 02:09
保全
555 :
黄板:2001/04/20(金) 02:02
保全(プペラ
556 :
:2001/04/20(金) 18:47
続き……
まだかな
ここだけじゃないんだよぉヽ(`Д´)ノゴルア!
学校始まったばっかなもんで、そこんとこ理解してください
ひっきーみたいに暇ではありません
560 :
:2001/04/22(日) 01:25
561 :
:2001/04/22(日) 02:23
-127-
吉澤の前を通り過ぎかけていた石川は、立ち止まり振り返った。
「あ…」
石川はいきなりの再会に、どう切り替えしてよいかわからなくなる。とりあえ
ず吉澤とは向かい合ってはいるが、言葉が続かない。
石川は落とした視線の先の吉澤の膝を見て、怪我のことを思い出した。
「足……、大丈夫?」
見上げられた吉澤は、はにかみながら笑い、頷いて、「あのぉ…」
「なに?」
「よかったら……、一緒にぃ……その……帰りませんか?」
夜空で、星がひとつづつ光始めている。
学園を出た辻は駅に向かって、にぎやかな人通りの多い商店街を早足で抜けて
いた。商店街の終わろうとしている時に携帯が鳴る。
「お母さん? うん、今から電車乗るから。」
辻は電話を切り、ふと視線を上げ、驚いた。駅の入り口の前に加護が立ってい
たのである。加護は辻に気づくと子犬のように目を輝かせて直進してきた。
「お疲れさま。帰ろ。」
「うん…」
辻は、こんな時間まで待っていた加護に嬉しさを感じながらも、困惑をしてい
た。部活はほぼ毎日のようにある。加護はそのたびに待っているのか、と思う
ととても素直には喜べなかった。
-128-
矢口は今朝目を覚ましたのと同じベッドに横たわっていた。
天井に向けた視線の先には昨晩抱かれた少年の顔があった。
「誰かとやったの?」
少年は、矢口の胸元に残った軽い歯形に気づいた。言葉に動揺は感じられない。
矢口も気にはしない。何も言わない。
少年は矢口を咎めようとはせず、ただ身体を求める。
部屋に、味気のないベッドの軋みが延々と響き続けた。
矢口は快楽を感じていながらも、どこかで底なしの虚しさを覚えていた。
黒い虚ろな目に、月が映る。
吉澤の大きな瞳に月が映る。
「明日も晴れますね。」
吉澤は夜空を見上げていた視線を石川に移す。普段どおりの明るさを前面に押し
出しているが、実際はかなり緊張をしていた。
石川の顔色のひとつひとつがどう変化するのかが気になって仕方がないのである。
「そうだね。」
石川は素っ気なさげに答えた。
石川も緊張をしていた。同時に戸惑いも感じていた。
吉澤は、どうして自分を誘ったのだろう、と。
更新
logご苦労。過去ログの最後にあるんだけどあげてもいい?
subback.htmlの底の方に沈んでるから上げても良い?ってことじゃぁ無いかと。
で、上げる必要が無いのは明白。
>>568-569
あげる必要ないのね。過去ログの仕組みがよくしらんまま
書き込んですまん。
571 :
ちこりーた。:2001/04/23(月) 08:55
今日私が
そこで目撃
(ていうか見た?そこにあったもの?)
したものは
自分とそれ以外
のものとの
関係について
だった
そればかりで
離人が進むような
考え込む結果に
なってしまう
時々ラッシュ
(で正解だった)
が来るざーっと
すべてがなだれ
込んでパイの
ように何層にも
考えてることや
考えたことや
考えてる自分なんか
が折り重なって
スキマはなくて
密でひとつの
かたまりになって
重く持てあまし
気味に今も
ここにある
572 :
ちこりーた。:2001/04/23(月) 08:57
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリ―ン
妖精さん妖精さん出てきてねティンクルティンクルメリラ―ン
573 :
名無し募集中。。。:2001/04/23(月) 08:59
≡ , 、 |:::::::::|
≡ _≡=-、__, - -=≡=_ 、 |:;;;;;/
| | ,て) | | て )ー |─´ / \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヽ二_,( )\_二/ >6 / < 瞳が大きい赤ちゃんですぅ〜!
/ /( )ヽ |__/ \________________
.| / ⌒`´⌒ ) |
| / | |
( |_/ヽ_'\_/ ) |
.\ 、 \ ̄  ̄/ヽ / /
\ |  ̄ ̄ _// /
574 :
名無し募集中。。。 :2001/04/23(月) 09:03
>>573 そのAAはなに?
吉澤パパ?
それとも吉澤のゴッドファーザーが池田大作だってこと?
575 :
寺田:2001/04/23(月) 14:17
初めまして、教員やってる寺田といいます。
今、ホテルの一室、ベットの上からモバイルカキコしています。
そして、俺の隣りには生まれたままの姿で眠る教え子の
佐々木利佳がいます…昨日はホント最高でした。
ペンギン公園でデートした後、
東京タワーが見えるホテル最上階のレストランで
シャンペンでお互いの愛を誓い合い…そして二人だけのイブの夜
彼女に告白されてからと言うもの
教え子と教師との恋愛
はたして小学生と成年男子との性行為は許されるか?
ずっと悩んできました…けど今結論が出ました。
576 :
寺田:2001/04/23(月) 14:18
「ロリマン最高!」です。
今の小学生はマセているし、喘ぎ声も凄いです。
最初は優しく愛撫していたのですが、利佳の「もっとぅ、いっぱいして…先生…」
の声に興奮し、激しい唾液交換から、69、騎乗位で利佳のイキ顔を眺めました。
利佳が起きたらまた、シャワーしながらフェラしてもらおうかと思います。
ああっ、このことは木之本や大道寺には黙っていてくださいね。
いや、ロリマンがこんなにいいものだと知った今、
二人とも犯っちゃいたい気もしますよ、ハハハハ
…もちろん、冗談ですよ、今は利佳しか見えていません、
俺は利佳と結婚するつもりです。マジです。教師クビになってもかまわない覚悟です。
-129-
石川は沈黙が怖くなり、すかさず言葉を放った。
「バレーボール部、だったよね?」
「はい。」
吉澤はしきりに石川の横顔に視線を映しながら答える。視線が、石川の思考を滞
らせる。
言葉が続かないまま、二人は駅へと近づいていき、辿り着いた。
吉澤は二、三段階段を降りて石川を見上げた。
「じゃあ、また明日。」
「うん。」
石川は口元を緩ませて小さく手を振る。
吉澤は石川に背を向けて、階段を降りていき、石川の視界から消えていった。
石川は踵を返して、吉澤が降りていった階段とは真逆の階段を駆け降り、ホームに
立った。ちょうど、吉澤が乗り込んだ電車が発車するところであった。
石川が目を向けると、吉澤が窓にへばりついて無邪気にまた手を振っている。
石川は吹きだして笑いそうになるのをこらえて、手を振り返す。
電車が発車して、誰もいないホームが目に映る。
石川は、吉澤の事を思い返して、知らず知らず微笑んでいた。
石川は、部活動でくたびれた心が洗われたような気がした。
-130-
安倍は家路へと急いでいた。
お気に入りの番組の予約録画を忘れていたからだ。
公園を通り過ぎかけて、ベンチに座っていた飯田に気がつき、立ち止まった。
「圭織。」
安倍に声をかけられた飯田は、ゆっくり立ち上がったと思った途端、駆け出して
その場を立ち去った。
「なんなんだよぉ〜…」
安倍は膨れっ面になって地面を蹴る。
同時に、飯田の自分に対する態度に悲しくなった。
「ごめん……、なっち。」
帰ろうと足を踏み出しかけていた安倍の背後から飯田の声が聞こえた。
「なにさ。」
安倍は隠し切れない怒りを込めながら振り返る。
「もぉ…やだよぉ…」
安倍が振り返った途端、飯田は安倍にのしかかるように抱きついていた。
安倍はラケットと鞄を地に落としてしまう。
公園に、飯田の嗚咽と、夜虫の鳴き声が残響する。
-131-
安倍宅。
安倍は飯田を招いた。飯田は最初、安倍に謝罪をした。
生活の上での鬱憤を安倍に向けて発散してなくもなかったからだ。
そして、部活に対する悩みをぶちまけた。部員が足りない事、その事への苛立
ちで部員たちに不快感を与えている事。
「はい。」
キッチンから自分の部屋に戻ってきた安倍は、飯田にコーヒーカップを手渡し
た。飯田の周りに転がっている丸まったティッシュをごみ箱に突っ込む。
「それで……、どうしていきたいの?」
少し乾いた安倍の口調。それが安倍が自分でも気づいていない特性だとわかっ
ていても、飯田はついむっとしてしまう。
「言いなよぉ。」
安倍は飯田をきつく見据える。飯田も負けじといった感じで意味なく張り合い
ながら見据えた。そして、ふと視線を落とした。
「なんか……、もーやんなってきた。みんなにあんな目で見られるし…」
「しっかりしなよ、部長でしょ。」
安倍は深刻さに気づいていないからなのか、気づいていてあえてそう答えてい
るのか、少々投げやりに答えた。
飯田のカップを包んでいる手に力が入る。
が、今までの自分の安倍に対する態度を思い出すと、怒るに怒れない。
-132-
「圭織は、弱いけど強いよ。」
ちんぷんかんぷんな安倍の言葉に飯田は呆ける。
沈黙。
「だーかーら、圭織なら大丈夫だよ。部員だって足りなきゃ探せばいいんだか
らさ。その…市井だっけ? その子以外で探しなよ。実力がない子でも圭織が
強くなって、負けないようにすればいいんだよ。」
安倍がたたみかけるものだから、飯田は頷いてしまう。
そして、今までの安倍との事を思い出すと、吹きだしてしまった。
「な〜に笑ってんだか…」
と言ってる安倍も、口元は緩んでいた。
部活動で残っていた生徒たちがいなくなり、朝比奈学園の校舎は静まり返っていた。
無人のはずの保健室から光が漏れていた。
「先生、もう9時ですよ。」
ドアから顔を出した中年の男の警備員がPCの前に座っていた保田に声をかけた。
「もう?」
保田は目を見張って時計に目を移し、かけていた眼鏡を外して伸びをする。
朝比奈学園校舎の脇にある専用駐車場。
「みっちゃん?」
保田は自分の車の前に立っている人影に声をかける。
-133-
「圭ちゃんおっそいわ〜。もうちょっとで呼びいこう思うててんで〜。」
平家は軽快な靴音を響かせながら保田に歩み寄った。
保田は横に立った平家と車のほうへ歩き出きながら、
「保健室の保田先生がなんでも聞くよ〜」
と、冗談交じりに言って、平家と車に乗り込んだ。
平家は昼間保田に漏らしたような悩みを口にする事はなかった。
授業の時に出てきた興味深い話を続けてばかりであった。
保田は平家のマンション前に車をつける。
平家はドアを開けて、中腰で車内の保田に声をかけた。
「圭ちゃん、ウチの……、裕ちゃんに対する気持ち、いつから気づいてた?」
「……最初から、だよ。」
保田はわずかに苦笑いながらハンドルの上で指先を滑らせる。
「そか……。変、かな? 同じ…女同士で…」
「別に。」
保田はあくまで第三者であろうとして、冷たく答える。
「……ほなら、おやすみ。」
「うん……。」
平家がドアを閉じると、保田は車を発進させた。
更新
その日は部屋割りの都合で、角部屋に二人だけが割り当てら
れたのだった。
加護は朝からのハードな撮影に疲れた様子もなく、部屋に入って
荷物を置くと、その豪華な作りを見て無邪気にはしゃいだ。
中沢はベッドに倒れ込むと、テレビをつけてあちこちチャンネル
を変えている加護の背中を見つめていた。
「ご飯までまだ時間あるから先にシャワー浴びちゃいな」
声を掛けると加護は素直に返事をしてすぐに浴室に消える。
そんな素直な加護の姿に、中沢の胸にはいままで必死に隠して
いた激しい思慕の炎が再び燃え上がった。理性と本能が焼き尽く
されそうになる苦しみに、中沢は思わず眉をしかめた。
「祐ちゃん出たよー」
加護がバスタオルを巻いて部屋をのぞき込むと、
中沢は壁にもたれるようにしてベッドに座っていた。
うつむけた顔はいつになく真剣で、加護は思わず
「祐ちゃん?」
「……」
中沢は顔を上げると
「加護、ちょっとこっちおいで…」
「うん。ちょっと待ってね、いま服着てくるから」
「いいよ! 服は着ないでいい。そのままでいい」
「どしたの?」
少しとまどってから、加護は静かにベッドの中沢に近づいてきた。
加護の足が一歩一歩近づいてくるにつれて、中沢は自分の気持ちが
揺るぎのないものになっていくのを感じた。視界の中に、なんと声を
かけたらいいか分からずに困っている加護の二つの素足が映った時、
最後の迷いが完全に消え去って中沢の心は急速に晴れ上がっていった。
長い間暖めてきた加護への想いを初めて解き放つことができた
喜びを噛みしめながら、中沢は心から溢れてくる限りのない慈しみ
をもって加護を見つめて両手を広げた。
加護は胸に両手を握って驚いていたが、大きく目を開いて中沢の
目を見つめるとベッドの上に登って中沢を正面に正座した。
中沢は吹き出すと
「そうじゃないよ。むこう向いて?」
中沢は両足を広げるとその中に加護を後ろ向きに寄りかからせ、
後ろからそっと抱きしめた。加護は言葉を出さずに息を呑んでいる。
しばらくそのままでいると、風呂上がりの加護の体温が中沢の
体に伝わってきた。
そのわずかな安堵感を感じ取ると、中沢は加護の下腹部を
覆っていた両手をそのままにしてそっと首筋にキスをした。
加護はわずかに首をすくめてくすぐったそうにクスクス笑い声
をあげている。濡れた髪の香りが中沢の鼻腔を満たした。中沢の
唇は首筋から耳の下へ、耳から頬へ、加護の張りつめた潤いのある
肌を惜しむように、自分の愛を植え付けるように這っていく。
しかし、まじめなキスの意味も分からずにいつまでもくすぐっ
たがっているばかりの加護が急に恨めしくなり、前屈みだった加護
の体をぐっと引き起こすと右手で顔を横向きにして笑っている唇に
自分の唇を重ねた。
更新
588 :
狼:2001/04/24(火) 12:08
589 :
狼:2001/04/24(火) 13:46
591 :
名無し募集中。。。:2001/04/24(火) 18:05
はぁ?
592 :
まる:2001/04/24(火) 18:08
くだんね〜
593 :
まる :2001/04/24(火) 18:14
230 名前: 名無しさん 投稿日: 2001/04/21(土) 18:37
長年続いてきた「土曜グランド劇場」が9月で終了。10月から日本テレビ系土曜夜9時からグルメクイズ番組「クイズ料理は世界だ!」がスタート。司会は爆笑問題と上原さくら。ホリプロの制作協力。テレビ大分は金曜昼2時5分、沖縄テレビは火曜夜10時、宮崎放送の放送時間は未定。スポンサーは花王、トヨタ自動車、コカ・コーラ、小林製薬、明治製菓、日清食品。
594 :
まる:2001/04/24(火) 18:18
logも濡れ衣もセンスねー
まるくんはそんなコじゃない!
596 :
黄板:2001/04/25(水) 00:45
創作文芸
-134-
朝。
市井にとってはラッシュで込んだ電車も、週末という事があるせいなのか苦には感
じなかった。同じ車両で、市井は矢口の姿を見つけた。
が、声はかけない。
声をかける前に、考え込んだ。
矢口は徒歩で通学しているからだ。誰かの家にでも泊まっていたのだろうか、と思
った途端、市井は考えるのをやめた。
矢口は市井に気づいていない。
市井はそのままやり過ごす事にした。
見上げた窓から見える空に鉛色の雲が滲み始めていた。
朝比奈学園正門。
高等部と中等部の生徒が行き交う人ごみの中、一人歩いていた辻の背中が激しく叩
かれた。
「のっの!」
辻がつんのめりながら振り返ると、加護だった。
お互いに顔を向け合って笑顔を交わす。
「今日も、部活……、なん?」
校舎に入り、教室へ向かう途中で、加護が辻のスポーツバックを軽く持ち上げて、
離した。
「……うん。」
辻は加護に顔を向けれないまま返事した。
-135-
一時間目終了後。
吉澤と後藤は、窓際で時間を潰していた。
窓にぽつぽつと水滴が付き始める。
「雨だ。」
「そだね……。」
気のない後藤の返事。いつもの後藤も気のない返事は当たり前であったりするが、
最近の後藤は、生気すら感じられないほどであった。
吉澤は、元気出せよの一言も言ってやりたくもなったが、どこかで後藤に遠慮をし
ているところがあって、実行には移せずにいた。
まだ一ヶ月も経ってない、という言い訳をしても悪い事ではない。
それでも、吉澤は会話の間の沈黙よりも、後藤との間の壁に心苦しさを感じずには
いられなかった。
二時間目始業のチャイムが鳴る。
後藤と吉澤はそれぞれの席に着いた。
「後藤。」
二時間目は数学だった。終業のチャイムに混じって、中澤の声が教室に響いた。
うつむいていた後藤はふと顔を上げる。
ちょうど一直線上の教壇に立っている中澤と目が合う。
-136-
後藤は教壇まで歩き、中澤の話に耳を寄せる。
「課題のプリント、全然答え埋まってへんやないか。こんなんじゃ点数つけられへ
ん。再提しゅ…」
「わかんないんですもん。」
後藤は面倒くさそうに頭をかく。
「せやけど、こういうのからやってかなついてかれへんで。後藤は授業ほとんど聞
いてへんし。そら、まだ始まったばかりやけど、基礎がなかったら後で大変になる
んやで。」
中澤はあくまで冷静に教師として、担任として言葉を並べていった。
後藤は仏頂面のまま何も言わなくなる。しゅんとした瞳がいつも以上に悲哀を醸し
出していた。
「わかんないんやったら、センセが教えるから。放課後、残りぃや。逃げたらあか
んで。」
中澤は抑揚なくさらりと言う。
後藤はとりあえずといった感じで頷いた。
場所は変わって高等部三年一組教室。
安倍は飯田の席に視線を移し、戻す。飯田は欠席している。
昨夜、飯田はすっきりした表情で安倍の家を後にした。安倍は飯田の表情を見て、
大丈夫だろうと確信したが少しだけ自信がなくなってきた。
更新
126がない。
>>536-
>>539 -126-
後藤は市井の道具にされかけているかもしれない、という事が頭に浮かんだ途
端、身体の熱が逃げていった。ブラとシャツを直し、スカートを引っ張って露
わになった太腿を恥らいながら隠す。
後藤はついさっきまでの自分に恐怖すら覚えてしまい、すっかり萎縮してしま
う。
市井は後藤をただ眺めていた。
とりあえずの「栓」になってくれた後藤に感謝すらしていた。
もちろん気持ちなんて一片も篭ってはいない、そういう程度の感謝だ。
市井がぼんやりと考えている間に後藤は立ち去っていた。
行為の最中に倒れてしまった熱帯魚の餌の入った筒を直してやる。
同じ頃。
朝比奈学園のほとんどの部の本日分の活動が終わっていた。
怪我をしている吉澤は一足早く、という感じで部室に向かっていた。ちょうど
前のほうから歩いてくる一団に顔を上げると、それぞれが手に手にテニスラケ
ットを持っていた。淡い期待が一瞬のうちに大きな期待に変わる。
少しだけ身を引いて、一団を流れさせる。そしてその中に目的の人物を見つけ
る。意を決したかのように力強く踏み込んで、声をかけた。
「石川先輩。」
前も上げ忘れた記憶がある…鬱
というわけでそういうわけです…
-137‐
授業合間の休み時間。
移動教室のため階段を上がろうとしていた市井の視線の先に、友達と並んで降りて
きた矢口が映る。
矢口は一瞬だけ会話を止めたが、すぐに会話に戻り、なにもなかったように市井を
通り過ぎていった。
さすがの市井も、心の奥に、小さな寂しさが生まれた。が、振り切るようにして、
階段を駆け上がる。
中等部、一年五組教室。
さすがにこの間まで小学生と言う事もあってか、教室はやたらと慌ただしく、終始
笑い声が響いていた。
「なぁなぁ…」
加護が席に着いてる辻の肩を叩いた。辻は何の気兼ねもなく、振り返る。部活最中
に加護に話し掛けられるのは困ってしまうのだが、普段の学校生活の上では大事な
友達だ。真っ直ぐな、嫌味のない視線を向ける辻に、加護は昨日の事をすっかり忘
れてしまう。
「あんな…」
と、加護が話をしようとしたその時、辻の肩が再び叩かれた。
「辻さん、読んでるよ。」
まだそんなに親しくないクラスメートがぎこちなげに辻に話し掛けて、教室のドア
を指差す。ドアのところに上級生らしき人物が立っていた。
-138-
ドアのそばにいる上級生は、辻を手招いている。加護は全く知らない人物であった。
が、辻はすぐに立ちあがってドアのほうへ行ってしまう。
「あ…」
加護の小さな手が辻に伸ばしかけられて、空に留まった。
間もなくして、授業開始のチャイムが鳴ってしまう。加護は席に戻らねば、と立ち
上がる。ちょうど辻が戻ってきた。加護はすれ違いざまに聞いた。
「なんやったん?」
「ん〜とね、ユニフォームの事でぇ、サイズとかぁ…」
目を輝かせながら視線を上向きに語りだす辻を少し白い目で見ながら、加護は「そ
うなんや」とだけ返して、席に戻った。
昼休み。
市井は一人、音楽室にいた。雨のせいで、屋上には行けそうもない。
ピアノの蓋を開け、ふと指を下ろし鍵盤を押す。音が響いて、消えていく。
市井の胸の奥に渦巻いてるものは消えない。孤独、憤り、困惑、いろんなものが混
ざり合って、わずかづつ市井を冒していた。
市井自身も気づいてはいたが、どうしようもできない。
少しでも気を和らげたいがために、市井は音楽室に出向き、福田に出会っていた。
今日は来ないのだろうか、と思った途端、落ち着かなくなり、意味もなく音楽室を
歩き回る。
更新
610 :
まる :2001/04/27(金) 02:18
加護どうすんねん保全
614 :
これ本当?:2001/04/29(日) 23:04
56 名前: 投稿日: 2001/04/29(日) 22:46
(;^▽^)<鬱ちゃんもlogちゃんも電話番号知ってるけど・・・
教えないよ♪
616 :
:2001/04/30(月) 20:43
-139-
音楽室のドアのノブががくんと音を立てて動く。市井は顔を跳ね上げて入ってきた
人物を凝視する。
「市井先輩…」
入ってきたのは福田だった。福田は自分を見据える市井の顔を見て、ふと口元だけ
で微笑む。嘲笑ともとれなくもない感じではあったが、市井は福田が来てくれた、
という事実だけでほかの事は気にもならなかった。
福田の奏でる耳慣れたピアノの音。
市井にとっては全く飽きないメロディ。
福田と市井は、ひとつの椅子に、背中合わせに座っている。
「なんか、あったんですか?」
福田はわざと違う鍵盤を叩いて市井の気を引く。
市井はゆっくり顔を上げて、ぼんやり呟いた。「そうかな…変…かな?」
「いつも変ですけど…」
「おまえもな。」と、市井は言いかけたが、言葉を飲み込んだまま苦笑する。
「穴あいてますよ。」
「えっ?」と、市井はブレザーを確かめ見る。
「服じゃなくて、心が。」
市井は、口を開けっ放しで呆ける。ドラマやアニメの登場人物のような福田の物言
いに、吹き出しながら、「そうかもね…」と漏らした。
-140-
昼休みが終了して、もう何分かで授業が始まろうとしていた頃。
高等部三年一組教室の教室のドアが開き、席に着いていた全員が注目した。
「圭織……?」
安倍は思わず聞いてしまった。今まで当たり前だと思っていた飯田の黒く長い髪が
茶色に綺麗に染まっていたからだ。
「似合う?」と、飯田はふっと満足そうに笑ってポーズを決めてみせる。
ここ最近の切羽詰った感じの消えた飯田の表情に、安倍は安心して口元を緩ませた。
時を同じくして保健室。
矢口が脇に差し込んでいた体温計を保田に手渡す。
「ちょっと熱あるね。どうする?」
矢口はすんと鼻をすすって少しだけ考え込んで、
「休んでって、いいですか?」
と、鮮やかな金髪を翻した。その一瞬、保田は矢口の首筋の小さな傷を見逃さなか
った。新しい、傷。
6時間目が終了して、HRが行われ、放課となった。
吉澤は自分の棚からスポーツバックを引っ張り出すと、教室を駆け出た。
「んじゃね、ごっちん。」
すれ違いざまに後藤に手を振る。後藤は口角を軽く上げて手を振り返し、吉澤が見
えなくなると、口角を正反対に下げて、うつむいた。
市井の「おまえもな」!聞きたかった!保全
ちょっかいには反応しないほうがおりこうな保全
-141-
吉澤は部室に向かう途中、窓から外を眺めながらため息をついた。
雨が降っているという事は、テニス部は休みだからだ。
石川と会う確率がいつもより少ない事に素直に落胆をする。
「あいたた…」
吉澤はうっかり怪我したほうの膝に体重をかけてしまい、立ち止まる。
「バイバイ、亜依ちゃん。」
辻は肩からスポーツバックをかけると、掃除当番の加護の肩を叩いて教室から出て
行った。加護は「うん」と呟いただけで、箒を床に走らせる。
「ほなら、待っててな。」
掃除が終了した後、後藤を一人席につかせた中澤は勉強道具を取りに一旦教室を後
にした。
数分で職員室に辿り着き、自分の机に向かおうとふと視線を移すと、市井の姿が目
に入り、無意識のうちに足を止めてしまう。気を取り直して寄っていくと、どうや
ら平家の机の上にノートを提出しているようだった。
自分の机の前に立った中澤は道具をかき集めながら、
「ちゃんとしてるんやな、提出物とか。」
と、さりげに呟いた。目は、合わせない。合わせる事ができない。
市井は中澤の横顔を見ただけで、何も言わなかった。
中澤は道具を取り終えるとさっさと後藤の待っている教室へと戻った。
-142-
石川は掃除を終えると、窓から忌々しそうに暗い空を見上げて、鞄を取り、玄関に
向かった。
靴を履き替え、折り畳み傘を広げて外へ向かう。
門へ向かって歩いていると、派手に水たまりを蹴りながら、駆けてくる少女が横目
に入った。傘を持っていないのか、鞄をかぶってしのごうとしていた。
石川の横を通り過ぎて、二、三歩してから派手に転んだ。しっかりと閉じられてい
なかったのか、地に落ちた鞄からノートと教科書が少しだけはみ出す。
「あっ、あぁ…」
転んだ少女は慌てて拾う。せっかく綺麗に結い上げた髪も雨でみるみる濡れてしま
う。
石川はすかさず自分の傘を少女に渡すと、手早く落ちた教科書を拾い、鞄にねじ込
んでやった。膝をついて傘を持っていた少女を立たせて、拾い上げた鞄を渡して、
傘を取り返し、相合傘の状態になる。
「怪我、ない?」
石川は少しだけ腰を折って少女の顔を覗き込む。
少女は自分の鞄をきつく抱きしめながら、石川に視線を合わせないまま頷く。
今にも泣き出しそうな少女の顔に、石川もどうしてよいかわからずに悲しくなって
いく。
石川は思い切って少女の手を握り、「一緒に帰ろうよ、ね?」と笑顔を向けた。
少女は最初きょとんとしていたが、少しして、ふっと薄い笑顔を見せた。
こうしんです
登場人物がクロスしてきたのかな保全
100復帰が終わったので保全
628 :
名無し募集中。。。:2001/05/03(木) 23:56
保全
-143-
後藤と中澤しかいない教室に、中澤がチョークで黒板を叩く音がせわしなく響く。
心地よいリズム感で、黒板が数式で埋まっていく。
後藤は特に感動するでもなく、ぼーっと眺め、目の前にあるプリントに視線を落と
す。最初のほうの基礎問題こそ、中澤の丁寧な指導でようやく理解できたが、応用
問題になった途端、わけがわからなくなり、中澤の助言を待つという始末だった。
音が止む。
「一問づつやってこな。」
後藤は「はい」とも返事せず、上げた顔をゆっくり下げるという始末だった。
中澤はやれやれと息を吐き、後藤の席に机を寄せて、隣に座る。
ふわりとやわらかい中澤の香水の匂いが後藤に届く。思い出したくもない、何日か
前の保健室で市井が発していた匂い。
昨日の、市井との情事が、後藤の喉を乾かせる。
後藤は気を紛らわすためにも、力強くシャープペンを握って問題を解き始める。
「こんちわ…」
市井は驚きで目を見張りながら、階段の踊り場にいる茶髪になった飯田を見下げな
がら頭を下げる。
「おぅ、元気?」
飯田は笑顔とも無表情ともとれない顔つきで市井を見上げた。
市井は、階段を降りながら「えぇ、まぁ。」とそっけない態度を装う。
-144-
市井は飯田を通り過ぎかける。
飯田がすかさず声をかけた。
「帰るの?」
市井は振り返らないまま答えた。
「はい。」
「毎日、家とガッコの往復?」
「そういう日も、ありますね…」
市井はふと足を止めて天井をちらりと見上げる。
「そんなら…」飯田の次の言葉が、喉まで出かかって止まる。
「じゃあ、圭織部活行くから……。」
飯田は市井に背を向けて去る。
市井は、飯田の足音が聞こえなくなってから、玄関に向かって歩き出す。
市井は靴を履き、玄関から出る。それとほぼ同時に、出てきた生徒がいた。市井が
ふと見ると、矢口だった。
少しだけ妙な間があってから、矢口がつかつかと市井に歩み寄り、折り畳み傘を押
し付けた。市井は手を出さない。
「いいっすよ。」
矢口は返事しないで、ぐいぐいと折り畳み傘を押し付ける。市井は一向に傘を受け
取らない。
-145-
「病人から、折り畳み傘借りる気になれませんよ。」
市井は矢口を白い目できつく見据える。
「どうして……わかんのさ…」
矢口は素直に驚き、あっさりと言葉を漏らした。
市井は曖昧な笑顔を見せて、
「少し、寝癖できてるから。保健室で寝てたんでしょう?」
「……そうだよ。」
市井は矢口の手が緩んだ隙に、雨の中に飛び込み、二、三歩歩き出して、
「お大事に。」
と、背を向けたまま手を振って駆け出し、あっという間に矢口の、前から去っていっ
た。
途端、矢口は感情が高まり、込み上げてくるものを抑える。
押し戻して、落ち着いたように息を吐き、呟いた。
「なんで、優しいのさ……。忘れらんないじゃん…」
石川と少女は駅に向かって歩いていた。少女は石川に手渡されたハンドタオルで濡れ
た制服を拭い終える。
「ありがとございました。これ、洗って返しますから…えと…先輩、なんて名前です
か?」
「石川梨華、高等部の一年だよ。」
石川は少女に返答を求めるような顔を向ける。少女ははっとしたようにつなげた。
「加護です。加護亜依、中等部の一年です。」
更新
市井カッケー!保全
こんな日でも保全
-146-
「ひとみぃ、どうしよっか?」
中等部のバレー部部長がいつものように吉澤に助言を求めてきた。
中澤は事前に遅くなると言っていたことだし、三年生対一、二年生で試合をやってみ
ようと言う事になった。
吉澤はまだ足が完治していないため、動きたい気持ちを抑えながら、腕を組んでステ
ージに座った。ステージ側のコートに三年生で構成されたチームが集まり、吉澤はち
ょうど一、二年生のチームと向き合う形になった。
吉澤は、自然、辻を目で追っていた。
辻は三年生相手にも全く臆している様子はないようで、同級生に八重歯を見せて笑っ
ていた。
吉澤は口をきゅっと閉じて、しっかり辻を見据える事にした。
昨日初めて辻のプレーを見てから、吉澤の中に「辻は重要な戦力になるかもしれない」
という直感が働いたのである。
一方その頃、石川と加護は、駅に辿り着いていた。
加護が足早に駅の階段を二段ほど降りかけて、振り返った。
「石川先輩?」
「私、寄ってくところあるから。風邪、ひかないようにね。バイバイ。」
石川はゆったりと言うと、踵を返して加護の視界から消えかけた。
途端、加護の胸の中にじわりと孤独感が滲んだ。
-147-
階段を駆け上がり、石川に向かって叫んだ。
「石川先輩!」
石川は再び加護のほうに戻ってきた。距離が縮む。
「どうし…」と、言いかけてギョッとした。
加護の決して大きくはない黒い瞳が潤んでいたからだ。
覚えのない石川はすっかり狼狽しきってしまう。
「あっれぇ? 変なの……、気にしないでくださいね。」
加護は慌てて鼻をすすって笑ってごまかす。妙な、あまり心地のよくない間があく。
さあぁという雨の音が響く中、石川の手が加護に伸びる。
加護が顔を上げると、石川が微笑んだ。
「一緒に行こうかぁ。」
「ごめんな…」
中澤は誤って落としてしまった後藤のペンケースとその中身を慌てて拾う。
その一瞬で、後藤はようやくリラックスしたように息をついた。
苦戦していた数学のプリントは全て埋まっていた。
「後藤?」
後藤が顔を上げると、中澤がペンケースを突き出していた。
「どないしてん? 疲れた?」
中澤は薄く笑いながら教壇に戻って道具を片付け始めた。
突然後藤の中で、嫉妬に似た感情が膨らみ始める。
更新
石川先輩!保全
641 :
テフロン:2001/05/07(月) 07:01
矢口が一番に決まってる。
642 :
ブタ野球 :2001/05/07(月) 07:04
家政婦ってどうなったんだろう……
643 :
名無し募集中。。。:2001/05/07(月) 07:08
家政婦はろぐが自分の力不足を棚に上げて放棄したんだろ。
644 :
ブタ野球 :2001/05/07(月) 07:09
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
645 :
log0076:2001/05/07(月) 07:11
わたし、もう書けません。
地元に帰ります。
もうここにも来ません。
いままで皆さんありがとうございました。
さようなら。
646 :
ブタ野球 :2001/05/07(月) 07:14
最近のログ本当にそんな感じだからな……
647 :
飯田橋:2001/05/07(月) 07:16
−−−−−−−−−注意−−−−−−−−−
このスレッドは、根暗でしつこい社会不適合者の
立てたスレッドです
ここの掲示板に書き込んでいる皆さんの気分を
害することのみを喜びとする変質者なのです。
ネットでしか自分を見出すことの出来ない
人間関係において問題を持つ人間なのです。
もちろん彼(彼女)には、お友達すらいません
648 :
名無し募集中。。。:2001/05/07(月) 09:05
649 :
黄板:2001/05/08(火) 01:07
ホゼム
650 :
野球ブタ:2001/05/08(火) 01:41
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
>>643 マジかよ!?ガガガガガガガガガ…………ダークだ。。。
651 :
・:2001/05/08(火) 02:15
・
家政婦は他スレで続いてる
-148-
「中澤先生…」
後藤の低い重苦しい声が中澤に届く。後藤の心中など知るわけもない中澤は、臆すること
なく振り返った。
「なに?」
後藤は垂れた前髪の隙間から鋭い眼光を光らせながら、
「市井ちゃん、知ってます?」
「市井…紗耶香? 知ってんで。去年、担任やったもん…」
中澤は微かながらに動揺を見せながらもあっさりと返し、再び黒板の字を消しだす。
次の瞬間、後藤の中で溢れた嫉妬が、波が引くように消え去る。中澤に嫉妬したところで、
市井がどうこうなるわけではない。
「後藤、紗……、市井の知り合いなん?」
中澤は直感で後藤の前で市井を呼び捨てにする事を避ける。
後藤は、ごまかされなかった。
「小さい頃、家が近くで。よく、遊んでました。」
後藤は椅子にもたれて、だらついた口調で吐いた。
「そうやったんや……。」
中澤は背中を向けたままとりあえず相槌を打つ。
「市井ちゃんって、去年からあんな感じですか?」
「あんな感じ、て?」
中澤は手を払いながら聞き返した。
-149-
「どっか遠く見てて、一人でいて、意地悪な事ばっか言ってきて、人の気持ちなんて考えて
なさそうで…」
後藤は言葉に詰まる。
中澤は後藤に近づいて、膝を折り、肩を抱いて目線の高さを同じにした。
「そんなことないよ。あの子は、いいとこも持ってる。ただ、それを表す事が不器用すぎん
ねん。優しい子やで…」
「嘘…」
後藤はぽつりと呟く。中澤は後藤に威圧されたように黙り込む。
「人の気持ち、無視して……、それなのに…」
後藤の頭の中に、再び昨日の市井との情事が甦る。
愛情のないそれに、ただ悔しさが募る。
「中澤先生、このあいだ市井ちゃんと2人きりで、なにしたの?」
中澤は後藤の言葉に驚き、頭の中が真っ白になってしまう。
うまい言い訳を手繰ろうとすればするほど、するりと抜けていってしまう。
頭を垂れた後藤がすぅっと顔を上げ、その髪の間からまた目が覗く。
「当てましょうか?」
後藤は中澤の眼鏡を外し、中澤の唇に自分の指先を押し付ける。
中澤は後藤の指を払い、立ち上がった。
「先生を、からかうもんやないで。」
狼狽しながらも、力強く叱責する。後味が異様に悪い。
後藤は鞄を持って立ち上がると、さようならの一言もなしに教室を出て行った。
更新
後藤ー!保全
12分後に保全するなんてアホか
最近小説、ネタスレでは保全が流行ってるらしいよ(w
-150-
石川と加護は、駅からしばらく歩いて、大型スポーツ店に着いた。
スポーツをした事のない加護は、初めて入るスポーツ店を見上げる。
「入ろ。」
傘をたたんだ石川が、加護の手を引き、店内に導いた。
「先輩、何部なんですか?」
螺旋状の階段を手を引かれて昇っていた加護が問い掛ける。
「テニス部だよ。」
と、石川が言った頃には、テニス用品の置いてある階を通り過ぎていた。
加護は不思議に思いながらも、石川の手を温かさを確かめながら付いて行く。
石川が大きく息を吐いて、立ち止まった。
加護が顔を上げると、「バレーボール用品」と書かれたプレートが目に入った。
辻のことを思い出して、胸がぎゅっと締め付けられるような気がした。
石川と加護はそのフロアをうろついた。
「あった。」
石川は、一直線に歩いていく。様々な色、種類のサポーターが大量に並べられていた。
石川は一つ一つに丁寧に目をやり、選び始める。
いつの間にかつないでいた手も離されていた。加護は石川の後ろ姿をつまんなそうに眺めた。
時折見える、石川の熱心な眼差しに、無意識に羨ましさを感じ始める。
-151-
「石川先輩、誰かにプレゼント?」
加護は、明るく聞いた。
「プレゼント、っていうか…」
石川はサポーターをいくつか手に取り、折っていた腰を久しぶりに伸ばした。
「おせっかいになるかもしれないけど、あげたほうがいいかなって。」
加護は言葉の意図するものが掴めずに首を傾げながらも、
「いいですよね。」
「なにが?」
「そのサポーターもらう人は、幸せなんだろうなぁ〜、って。」
加護は黒目がちの目を輝かせて、初めて石川の前で満面の笑顔を見せる。
石川も、加護の表情に安心して笑顔をこぼす。
スポーツ店を出ると、雨は止み、辺りは目がちらつくほどの夕日で照らされていた。
「あ〜あ、もっと早く止んでたら部活できたのにぃ〜。」
石川は頬を膨らませて本気で怒っているようだった。
加護はくすりと笑って、呟いた。
「石川先輩、テニスって楽しい?」
「うん。」
石川は元気よく返した。
石川の表情の清々しさに、加護はにわかに思い始めたことをすぐさま口にした。
「やってみようかなぁ〜……、テニス。」
更新
おお、加護がテニスを!保全
-152-
「一、二年生チームの勝ち……。」
バレーボール部の部長が、目を見張りながら呟く。
一年生のあどけなさを残した歓声が体育館に響いた。
ステージに座って試合を見ていた吉澤は歓声をあげる輪の中の辻を見据えて、ふっ
と笑う。
試合中、チームの中で――部員の中で、辻のプレイが最も力強く生き生きしていた。
吉澤は、図らずもそのプレイに圧倒されてしまっていた。
吉澤はそのことを苦々しく思う反面、辻が、今後どれくらいの選手になるのかが楽
しみで仕方なかった。
輪の中にいた辻が、吉澤に気づく。
吉澤はすかさずガッツポーズをとって、頷いた。
辻は、テレながらも、同じポーズをし返した。
矢口の住んでいる高級マンション。
矢口は玄関を開け、中に入った。矢口に続いて、もう一人の少女が中に入る。
「おじゃましま〜す。ふぁあ、びしょびしょだ…」
「タオル持ってくるから。なっちは待ってて。」
「うん。」
もう一人の少女――安倍は、元気よく返事した。
安倍と矢口は、二年の頃からの、付き合いである。
とはいっても、安倍は放課後のほとんどが部活動なため、こうして矢口の家を訪ね
るのは初めてであったりする。
今日はたまたま、駅でばったり矢口と出会ってしまったのである。
-153-
矢口を待つ間、安倍はそわそわとしていた。
安倍は、矢口は裕福な家のお嬢様と言う事は知ってはいたが、玄関に飾られている高そうな
壷や、装飾品に目を向けて、再確認する。
「はい、タオル。」
明るい矢口の声と、笑顔。
「ありがとう。」
安倍は、矢口に借りたジャージを着て、矢口と談笑していた。
矢口の部屋は、スマイルマークやプーさんのぬいぐるみで溢れかえっていた。
人間関係が派手な矢口は、市井と同じように朝比奈学園の噂の的になりやすかった。
たとえ聞きたくなくても、安倍の耳にも噂は入っていた。
そのせいか、安倍はどことなく矢口とは無意識に一定の距離を取ってしまっていた。
が、自分の部屋とさほど変わりない雰囲気を持った矢口の部屋や、こうして今目の前にいる
矢口本人の言葉を聞いているうちに、根も葉もない噂の事は頭の中から消えていっていた。
矢口の携帯が鳴った。
「ごめんね。」
矢口は安倍に言いながら着信ボタンを押し、話し始めた。
安倍はぽーっとその様子を眺める。
「今日は、嫌。ダメだよ。今日は友達といるから。」
矢口の顔が見る見る険しくなっていく。言葉も荒げ始める。
伝染したように、安倍の顔が不安に染まる。
こうしんです
-154-
安倍の表情に気が着いた矢口は、半ば無理やり電話を切った。
「ごめんね。嫌なとこ見せちゃって。」
矢口の顔にいつもの笑顔が戻る。
安倍は小さく首を振った。
二人は、再び談笑をして過ごした。
「そういえばさぁ、圭織髪の色変えてから変わったね。」
「そだね。部活の顧問の先生に怒鳴られたみたいだけど。」
飯田が髪の色を変えた理由を知っている安倍はさらりと答える。
「うっそ?! ウチの学校ってそんな厳しいっけ?」
「ほら、剣道部の先生は結構伝統を重んじる、って感じだから。」
「あぁ…」
と呟いて、矢口はまつげを伏せた。安倍は矢口を覗き込む。
「どしたの?」
矢口は、安倍を見据えて、オデコを指先で弾いて、ふふと笑った。
「なんでもないよ。」
「なんだよぉ〜。」
市井は学校から帰り、カーキ色のナイロンパーカーとジーンズを着るとすぐに家を出た。
電車に駆け乗り、一時間後に降りた。
更新
676 :
黄板:2001/05/18(金) 00:03
チャムは水色
-155-
市井は、電車を降りると、ポケットからくしゃくしゃのメモ用紙を取り出す。
駅のところどころにある案内板に目を通し始め、目標を見つけるたび、駆け寄った。
市井の手の中のくしゃくしゃのメモ用紙――ほんの数ヶ月前に、彼女自身が書きとめたものだ。
数ヶ月前。
朝比奈学園の剣道部一行は一週間にわたる強化合宿を終え、帰路についていた。
一行が乗り込んでいた電車は、あと一時間ほどで学校最寄の駅に着こうとしていた。
少し長い停車時間。
市井は、疲れて眠っている部員たちをよそに、窓から見えるホームの様子を特に意識するでもな
く眺めていた。
人は少なかったが、閑散している、というわけでもないほどの人の数。
市井は、視界の中に迷い込んできた人影に、目を見張る。
母親だった。
多少、髪型と服装は変わっていたものの、人目でわかってしまった。
「お母さん…」
市井は気持ちの高ぶりからか、つい声に出してしまう。
居ても立ってもいられなくなり、電車から出る。
が、母親と思しき女性の姿はすでになかった。
電車が発車するアナウンスが流れた。
市井は、駅と、母親が向かった方向の出口を覚え、書き留めた。
更新です
市井。。保全
-156-
母がここにいる保証はなにひとつない。
市井は、自分自身の甘い考えに呆れていた。
それでも、メモに書留めた駅に立っている。
市井は、階段を駆け降りて、街に降り立った。
駅を出てすぐに目に付いたのはどきつく発光している繁華街のネオンだった。
雨上がりで湿った、微かに青みがかった風景。
闇に染まった水溜りに、ネオンが反射している。
市井は、逃げるように繁華街に背を向けて、繁華街と真逆に位置している商店街のほうに向かった。
市井は、慣れない商店街を一直線に歩きながら、一店づつ目を凝らして店員を眺めた。
が、母らしき人物を見つけるには至らなかった。
もう、この街にはいないのだろう、と思おうとしていた自分に気づく市井。
苦々しく、嘲け笑いを口元に浮かべた。
まだ、探していない場所がある。
市井は、踵を返して、再び商店街を歩き、繁華街のほうへ戻った。
-157-
繁華街から、数十分目を離した程度なのに、人足は明らかに増えていた。
ほとんどが、スーツ姿のサラリーマンだ。
一人、また一人と、スナックやクラブなどの店の中に消えていく。
市井も、サラリーマンと同じ方向へ向かって歩き出した。
携帯が鳴った。
父親からだ。
市井は、道のわきに移動して、出た。
「はい。」
「紗耶香か? 今、どこだい?」
「渋谷……、だよ。」
市井はとっさに嘘をついた。
不意にあげた視線の先のサラリーマンをきつく見返す。
「そうか。あんまり遅くなるなよ。」
「もう……、帰るよ。お父さん。じゃあね。」
すがるようになってしまった最後の言葉に、市井は唇を噛んだ。
家族――今は父親だけだ――の顔が浮かんでくる。
市井は、駆け足で駅に向かい、家路についた。
更新
-158-
矢口の部屋。
安倍と矢口の笑い声が響いていた。
安倍は、矢口が持ってきたアルバムの写真に写る自分やクラスメートの姿を見ていた。
「もー、酷い顔。それにしてもさぁ、すごい写真の数だねぇ〜。」
「毎年撮ってるからねぇ〜。」
矢口はいたずらっぽく笑いながら、アルバムをめくる。
アルバムの最後に、一枚の写真が裏返しに貼り付いていた。
矢口が気づく前に、安倍が剥ぎ取った。
写真には、矢口と市井が写っていた。
歯を見せて満面の笑顔の矢口とは逆に、市井は無表情で目が死んでいた。
撮ったのは、矢口であろう。
安倍は、目を見張った。
「市井紗耶香じゃん。どうしてぇ?」
安倍は、市井の事は噂でしか聞いた事がないため、ただ驚くしか出来なかった。
矢口は、沈んだ表情を明るく切り替え、さりげなく安倍の手から写真を奪い取った。
「なんか、たまたまいたから。撮ろうって、無理やりね。記念になるかなーって。」
写真が撮られたのは、去年の秋の文化祭である。
ちょうど、矢口と市井の関係が始まった頃でもある。
矢口は、つい泣きそうになって、慌てて安倍に背を向けて、棚に写真を置いた。
部屋がしんみりと静まる。
688 :
黄板:2001/05/23(水) 00:02
交信です。
-159-
矢口と市井の事を知らない安倍は、飯田が市井のことを言っていた事を思い出す。
安倍は、矢口なら少しでも市井の人となりを知っているかもしれない。
とっさに思い、聞いた。
「市井って、どういう娘?」
「知らないよ。写真、撮っただけだもん。」
矢口は、薄笑いを交え、嘘を着いた。
安倍は、「そうなんだ」とあっさり信じ込み、それ以上を聞こうとはしなかった。
学校。
天候に関係なく、格技場では、剣道部が活動をしていた。
職員室に呼び出されていた飯田が、戻ってきた。
副部長が待っていたと言わんばかりに駆け寄った。
「部長、先生はなんて?」
「……穴埋めで部員入れても構わないけど、勝ち進めるかはウチら次第だって。」
飯田は、言葉の最後に、暗さを埋めるかのように笑顔を見せる。
副部長は、「はぁ」と言ったきり、うつむいてしまう。
飯田は副部長を通り抜け、格技場の奥へ進み、少し高いところに位置してる窓を見上げる。
何かを求めるかのような瞳。
しばらくして、まつげを伏せて、竹刀を手に取り、踵を返して稽古に参加した。
更新です
市井はlogか
-160-
市井が、自宅の最寄の駅に帰り着いた頃には、雨が上がり、湿気となって闇に紛れていた。
つい前方から注意を外し、コンビニを通りかかった時に、自転車にぶつかりそうになる。
きぃ、と濡れた歩道に音が残響する。
顔を上げると、自転車の主は後藤だった。
着けているのは制服ではなく私服であった。籠には、袋いっぱいに菓子袋が入っている。
「ごめん…」
後藤は仏頂面のまま謝り、市井の横をさっさと通り過ぎていく。
市井はと言うと、何もなかったように遠くを見据え、歩き始めた。
「ばかやろおおおおぉぉ!」
夜闇を吸い込み暗くなった川面に街の、住宅街の光が映っている。
後藤は、叫び終わると息を吐いて、土手の上に置いた自転車に向かって駆け乗った。
後藤は、濡れた路面を自転車で駆ける。
たまに水溜りを踏みつけ、派手にしぶきをあげる。
しぶきが膝下を濡らし、靴下を重くする。
視界がぼやけて始める。
泣いている事に気づき、足を踏ん張って、ブレーキを握った。
誰もいない土手の一本道、後藤は自転車に寄りかかり、しばらく声をあげて泣いた。
更新
ペースを戻すため今日はこんだけ…
700 :
名無し募集中。。。:2001/05/29(火) 14:44
701 :
名無し募集中。。。 :2001/05/29(火) 14:44
702 :
名無し募集中。。。 :2001/05/29(火) 14:49
小説くだらなすぎ
文を良くしようとしすぎだよ
-161-
夜の8時頃。
ようやく活動を終えて、吉澤は学園の正門を抜ける。
「吉澤先パァ〜イ!」
甲高く、それでいて幼い声。
吉澤は声の主に気がついて、意味もなく顔に緊張を張り巡らせて構えたように振り向いた。
振り向いた視線の先に、辻がいた。
辻は、スポーツバックを背中で暴れさせ、一直線に駆け出す。
吉澤は、こんなに小さいのに、と目の前にした辻に視線を落として心で呟いた。
辻は、はにかみながら、ちらちら吉澤を見上げて、
「あのぉ、一緒に帰りませんか?」
「うん。いいよ。」
吉澤は、今しがたクールに引き締めた頬をつい緩ませてしまう。
「辻ちゃんさー、バレーいつからやってたんだっけ?」
「えとぉ……、小学校のぉ……、3年生ぐらいからです。」
「へぇ…」
吉澤は、感慨を受けるわけでもなく、かといって無関心というわけでもないが、素っ気無く返す。
沈黙。
辻は無意識にえっと、を繰り返しながら歩く。
吉澤は、辻を見て、目を細める。
-162-
吉澤は思い出したように声をあげた。
「そーいえばさ、昨日のあの娘。ほら何ていったっけ…」
「……亜依ちゃんですか?」
「そうそう。
ちょっとびっくりしちゃってね……。今日は来なかったけどさ。
もしよかったら新入部員として…」
辻は苦笑いを浮かべ、
「いい、って言われました。バレー、やった事ないからって…」
「そうなんだ…」
吉澤は、そんな事ない、と言おうと思ったが、疲れで忘れてしまう。
辻が立ち止まった。
「こっちですから。それじゃ…」
「あのさ。朝強い?」
辻はしばらく首を傾げて、頷いた。
「頑張れば…」
「そう。それじゃあ…」
翌早朝。
昨日の雨で濡れたグラウンドが乾き、風でほこりが舞う。
グラウンドを囲むように植えられた木々の葉が、互いを掠り合っていた。
-163-
朝比奈学園体育館。
吉澤は、倉庫からバレーボールの入った籠を取り出し、トスを始めた。
しばらくして、体育館の重い鉄のドアが小さく開き、幼い指が這い出る。
吉澤は気配に気づき、視線を映す。
入ってきた生徒――辻と目が合い、笑顔を返した。
「よしよし。じゃ、朝練やろっか。」
「はい!」
辻は胸を張って、なぜか敬礼ポーズを決めた。
吉澤と辻は二人でコートを一組組み立てると、ネットを隔てて向かい合った。
吉澤がサーブして、辻が受け止める。
二人は、一見すると単純で楽そうなプレイを延々と続けた。
始めてから一時間して、吉澤の手が止まった。
うずくまって、怪我したほうの膝をかばい、再び居直る。
心配そうに見ている辻に笑顔を返した。
「ちょっと休憩しようか。」
辻は、大きく頷く。
更新
>>702 実はあなたの文意がわからなかったりするのですが(無知)
読んでやってください。藁
久々のオンタイム保全 もう163かー どっちも長くなったねえシミジミ
単純に一定量ごとに章分けしてるの、すごくもったいないな
>>708 了解( ̄ー ̄)ニヤリッ
今週はあと一回更新です…
量を書いてる割には、表現の幅があまり広がっていないような……
いや、表現の幅がないから量でカバーなのか?
前はもうちょっと丁寧に書いてた気がするんだがなぁ。
>>710 表現の幅がない、ダラダラ長くなる、ってだけ。藁
丁寧っていうのはなんともあいまいで、ムズかしい。
私みたいなやつはそうしようとすればするほど誇張になるわけで。。
>>711 量っていうのは、一作一作の長さではなく作数。
表現は個人差があるだろーけど・・・。
今の文章だとザクザク、さくさく進みすぎてて
情緒がないっちゅーか。
まあ、自分の書き方がそれに向いてないってなら
それまでだがな。
狼。小説にマジレス失礼。
厨房のタメゴト…でなくタワゴトと思って流してくれ。
>>712 不器用ですから…
変に考えれば考えるほどおかしくなっていく
そーいう書き方しかできないようです
リスペクトレスよかマシだ。藁>戯言
>>713 あのスレそぅとぅ気にしてるんですね・・・(苦笑
毎回更新、楽しみにしてます!
情景とか分かり易くて、すっげーおもしろい。頑張って下さいね!!
…なんつて。スマソ。嫌がらせやね。吐いた?(w
716 :
名無し募集中。。。:2001/06/01(金) 05:40
俺の高校時代のクラスメイトに「村主」で「スグリ」と読む奴がいた。
他にも珍しいのが知りたい。書いてくれ。
とっても面白いですね。これからも頑張ってください。
続き期待してます。
最初の方にある長州と健介のホモ小説超おもろいんだけど
719 :
名無し募集中。。。:2001/06/02(土) 01:05
あげ
>>718 保存屋さんにあがってたよ
作者さんがいなくなった…
721 :
名無し募集中。。。:2001/06/02(土) 01:08
あげ
体育館外の水飲み場。
膝が重く、言う事を聞かない。
吉澤は軽く舌打ちして、痺れている膝を揉んだ。
「吉澤先輩。」辻の声とともに、横からタオルが差し出される。
「サンキュ。」吉澤は、眉間に寄せていた皺を解いて、笑顔を向けた。
辻は、入れ替わるようにして蛇口を捻り、顔を洗い始める。
水音に紛れて、音が聞こえてくる。
規則正しい何かが跳ねる音。
テニスコートからだ。
吉澤は体育館の壁に手を置きながら、テニスコートへ向かう。
「先輩、タオル……、先輩?」顔が濡れていて目が開かない辻は、ぼやけた視界で吉澤を探した。
「はい、もう一回!」
威勢の良い石川の声がテニスコートいっぱいに響く。
声を聞きつけた吉澤は自然と早足になる。
辻は、ようやく吉澤を見つけ慌てて後ろについた。
2人は、体育館の陰からテニスコートを覗く。
テニスコートには、石川と加護がいた。
「亜依ちゃんだ…」
辻はぽーっと口を開けたまま呟く。
吉澤は、真剣な眼差しをテニスコートに向けていた。
石川は、加護が構えるのを見計らうと、サーブした。
細い腕から創造もつかないぐらいの強さでボールは弾かれ、加護に向かう。
中等部生徒相手――しかも初心者――にも手を抜かない石川。
正確に言うと、力を抜けないのかもしれない。
考えつつ、吉澤の足はテニスコートへと向かっていた。
もっと近くで――
加護が、石川の肩越しに人影を見つけて目を丸くした。
釣られたように、石川は振り返る。
金網越しに、吉澤と目が合うと、清々しく笑った。
「おはよう。」
「おはようございます…」
不意打ちをくらったような気がして、吉澤は中途半端な微笑を見せる。
各部室入り口に挟まれた廊下。
辻と加護が並んで歩いていた。
「ねー、どうしてテニス始めたの?」辻は加護のラケットを眺める。
「わかんない。けど、なんかやりたくなってん…」
加護は、目を輝かせながら買ったばかりのテニスラケットを見つめた。
更新
725 :
ななしじゃにー:2001/06/03(日) 17:19
ここではこんなのが受けるの?
726 :
名無し募集中。。。:2001/06/03(日) 17:22
そうでもないよ
727 :
名無し募集中。。。:2001/06/03(日) 17:23
どうなんだろうね。
728 :
B'z狂信:2001/06/03(日) 17:28
いじめは良くないよ
729 :
七氏:2001/06/03(日) 17:34
「シアター」書いたのって誰ですか?
730 :
730:2001/06/03(日) 17:35
げっと
731 :
名無し募集中。。。:2001/06/03(日) 17:39
732 :
名無し募集中。。。:2001/06/03(日) 19:00
いじめ格好(・∀・)イイ
あげまくりだな。
場面転回したあとの最初の1行にその場所がどこか書くじゃん、体言止め
で。読者の意識をスムーズに移行させるために(というかわかりやすくするた
めに)やってるんだろうけどさ、はっきり言って逆効果だよ。すごい唐突な印象
――自分の意識を鷲掴みにされて無理矢理次の舞台に引っぱられてでもい
るかのような――を受ける。
その場所がどこかとかはむしろ最初の文の中に紛れ込ませて説明したほう
がスムーズに読者の意識は移行するよ。
hozen
>>734 アドバイス、ありがとう
こういう指摘見てると、、つくづく小説向けではないな、と自覚(w
736 :
名無し募集中。。。:2001/06/04(月) 23:26
>>735 萎え〜♥
そんなこと書いたらリスペクトレスしてくれてる人達に失礼だろ(w
ハートってどうやってだすの?
ゥ
>>737 つーかlogはリスペクトレス嫌いだろ(w
強く握り締めると、淡い緑色に塗られた金網が軋んだ。
慣れない人工芝のテニスコートの感触が吉澤を軽く惑わせる。
だだ広いコートに、吉澤と石川二人きりだ。
「ちょっと待っててね…」
吉澤の背後で、石川が言う。
「はい。」
ひときわ高くなった石川の声に振り向くと、紙袋を押し付けられた。
スポーツ店の名前が印刷されている。
受け取った吉澤はしばらく考え込んで、「……靴下ですか?」と、素でとぼけた。
「ううん。開けてみて。」
石川はつっこみもせず、さらりと言葉を返す。
「なんだろ…」
吉澤は微笑を含ませた表情を見せながら、紙袋の中身を探り、取り上げた。
「あー……、ありがとうございます…」
でてきたのは、シンプルな黒地の膝用のサポーターだった。
吉澤は手の中にあるサポーターをマジマジと見つめ、石川に頭を下げる。
石川は、喜んでもらえたことに安心を覚えた。
更新…
163章長いね
朝の正門付近は、中等部、高等部の生徒が入り乱れていた。
人ごみの中、安倍は飯田を見つけて走り出す。
「かおりー、おっす〜。」
「おはよ。ねー、その“おっすー”ってやめたら? はやんないよ。」
「圭織だってつまんないオヤジギャグ連発してんじゃん。」
会話が始まり、安倍と飯田は並んで歩き始める。
安倍は言葉を放つたび、飯田の横顔を見上げていた。
飯田の視線が一点で留まっている事に気づき、視線の先を確かめる。
ショートカットの少女。どこか他の生徒とは違う雰囲気。
――市井紗耶香?
テニス以外に関しては鈍い安倍は珍しく直感を働かせる。
「ねー、あれって市井紗耶香だよね?」
「えっ? あ、うん…」
飯田は狼狽しながら答える。安倍はふーん、と呟いて、
「挨拶しないの? いちおー後輩でしょ?」
「まぁね…」
安倍に触発されたのか、飯田は少し大股で進み、市井の肩を叩いた。
安倍も小走りで飯田と市井のほうへ向かう。
飯田のぎこちない笑顔。市井のやりにくそうな顔。
遠めで見ていても、ひしひしと伝わってくる妙な空気。
駆け寄ってきた安倍を飯田が紹介した。
「紗耶香、紹介するよ。安倍なつみ。圭織の幼馴染なんだ。」
「はじめまして、安倍なつみです。」
安倍は表情を引き締め真面目に挨拶をしながら、市井を観察しようとする。
が、市井の虚ろな目に引き込まれそうになり、慌てて視線を外す。
「市井紗耶香です。」
市井は眠そうな目のまま、ぼんやり答える。
安倍のほうを見ているのかどうかもわからない。
安倍は市井と目を合わさないように心掛けながら、観察に努めた。
「それじゃ、もう行きます…」
安倍の行動に気づいてか気づかずか、市井は背を向けて校舎に向かう。
飯田が、今まで息を止めていたかのようにして息を吐き出した。
安倍は市井の背に視線を留めたまま呟いた。
「変わった子だね。」
飯田は聞き取る余裕がなかったのか、答えることはなかった。
朝の職員室は、人気(ひとけ)がない。
朝は職員会議があるせいだ。
職員が一人、二人と戻ってくる。
中澤が戻ってくると、職員室に留まっていた職員が立ち上がった。
「中澤先生、電話ありましたよ。」
「誰からですか?」
「生徒です。ゴトウマキっていう。休むそうです。」
「そうですか。」
中澤はさらりと返し、机に座った。
――当てましょうか?
妖艶な表情の後藤がふと甦る。
中澤は頭を掻き、コーヒーを飲み干した。
「なにを考えてんや、ウチは…」
独り言は、慌ただしい職員室に掻き消される。
保健室前の廊下は静かだった。
保健室のドアについたプラカードは、「職員会議中」となっている。
保健室内に、保田と市井がいた。
ベッドに仰向けに倒されている保田。
保田に覆い被さるようにして、保田を見下げている市井。
ドアも窓もきっちり施錠されている。
更新
便利な道具というか演出というか、そういうものとして章分け
を使う技量がlogにはあるだろうにその力を使わないのはもっ
たいないな、という意味だったのだが伝わらなかったかな。
ほんとに第163章が続いてるんならいいけど
>>748伝わってなかったようです(最悪です
>ほんとに第163章が続いてるんならいいけど
残念ながら…
お知らせ
今週は更新一回
750 :
名無し募集中。。。:2001/06/12(火) 01:04
.
.
その無言の保全だか催促がウゼーっての
市井は、保田に口づけようとする。
「どいてくれる?」
保田の声に、市井は慄いたように離れる。
保田は、市井をベッドに取り残し、外されたシャツのボタンを直し、何事もなかったようにPCに向かう。
軽快にキーボードの上を動き回る保田の指。
市井はしばらく見入って、ベッドに横になる。
キーボードを叩いていた音が止む。
「紗耶香。」
「はい…」
「あんた、最低だね。」
「……否定、しません。」
「だからって、最低なのに変わりないよ。人の気持ち掻き回して、満足?」
「ごめんなさい…」
「私に謝ってどうするのさ。私はあんたの事、そういう風に見てないから。」
「圭ちゃん…」
と、市井は起き上がった。言葉は続かない。
「言いたい事あんならハッキリ言いなさいよ。」
市井は、目の上に手を置き、ベッドから立ち上がった。
「ダメだ、わかんないよ…」
震えた市井の声。
保田は市井が泣き出しそうになっているのに気づいた。が、何も言わない。
突き詰めたほうが、市井は傷つくとわかっていたからだ。
市井は、保健室を出て行った。
更新
756 :
名無し募集中。。。 :2001/06/17(日) 02:34
誰か読んでるヤツいる?これ
757 :
C-C-B:2001/06/17(日) 02:35
悲しきスクールガール♪
758 :
奈良産業:2001/06/17(日) 02:51
九州第一、朝日大、札幌大萌え〜
759 :
名無し募集中。。。 :2001/06/17(日) 02:55
市井は、保田に口づけようとする。
んなあほなッ!
モチロンソウヨ
.
762 :
名無し募集中。。。:2001/06/19(火) 07:15
糞スレ晒しage
763 :
名無し募集中。。。:2001/06/19(火) 07:19
シンデネ!
ぜむ
「はい、コーヒー。」
快活な平家の声と同時に、中澤の机にカップが置かれる。
「ありがとう…」
中澤は珍しく柔らかい物腰で応えると、思慮深い目つきでコーヒーをすすった。
平家は日に照らされる中澤の横顔に見とれる。
――この女(ひと)の瞳の奥には誰が映ってるんだろう?
どっかのクサイ歌のワンフレーズが、平家の頭の中をよぎる。
中澤は、湯気に溶け込ませるように瞼を閉じて、小さくため息を着いた。
始業を告げるチャイム。
中澤と平家は立ち上がった。
「裕ちゃん。」
「ん?」
「今夜一杯どう?」
平家は手でおちょこを作っておどけて見せる。
中澤は、頬に口角を埋めるぐらいの笑顔で応えた。
始業後の、誰もいないトイレの個室、市井は一人涙を拭う。
久しぶりに泣いたな、とぼんやり思い、次第に泣いた事に対する恥ずかしさが生まれる。
「帰ろ…」
新
段々話の主旨が分からんくなりつつある今日この頃
768 :
log0076 :2001/06/22(金) 23:06
「カイロ?」
「ちゃうわっ!帰ろ。や!」
「何で怒ってますの?」
「そら君怒るっちゅうねん!」
「いや、しかし暑なってきましたね〜」
略
完。
.
770 :
名無し募集中。。。:2001/06/26(火) 03:48
駄スレ
懐かしいのageて来たね。
そこへお袋三太郎。が入ってきた。
右手には白子。そう矢口は幼い頃から白子が苦手だったのである。
さま〜ず三村「つうか矢口なんていねえだろ!」
そこへ大仁田と真鍋がやってきた。
大仁田「おい真鍋!」
大仁田「お前は!お前は!俺の生き様が見たいかぁー!?」
真鍋「はい!大仁田さんの生き様をこの目で見たいです。」
大仁田は不敵な笑みを浮かべ、ジーンズを脱ぎ始める。
大仁田「おい、おい、おい、ワシは伊達に全日本で馬場さんや鶴田さんの相手はしとらんぞ。」
真鍋は唾を飲んだ。大仁田の鍛えぬかれた黒く染まった陰部に度肝を抜かれた。
真鍋「これが大仁田さんが全日本でやってきた事でしょうか?」
大仁田「そうじゃぁ!三沢や川田とは比べものにならんわ!」
大仁田「ふっふっふっおい真鍋!この邪道大仁田厚をどう料理する?」
真鍋「・・・」
すると、真鍋は無言で大仁田の陰部を手に取り舐め回した。
大仁田「それでいいんじゃ。」
真鍋の陰部も過敏に反応し出した。
真鍋は大仁田のアナルに自らの陰部を挿入した。
大仁田「おぉ・・・」
大仁田の力が抜けていく。
真鍋はゆっくりと腰を動かし始めた。
真鍋「おお、大仁田さん!」
やがて腰を振る動きが深く激しくなる。
大仁田「真鍋ぇぇぇぇぇぇー!」
真鍋「大仁田さぁぁぁーん!」
大仁田「ファイヤー!!!」
真鍋の精液が大仁田の恥部にぶちまけられた。
真鍋「大仁田さんの生き様をしかと見ました。」
大仁田は恍惚の表情でこう言った。
大仁田「真鍋、お前も男になったのぉ・・・」
更新
775 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 00:39
・
776 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 00:40
777 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 01:20
保全
保全しなくていい
log超死ね
保全
781 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 01:49
782 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:50
ほ
783 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:50
せ
784 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:51
|
785 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:51
ん
786 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:51
こ
787 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:51
|
788 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 01:51
書く気があるんなら自分で保全しろボケ!
789 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 01:51
じ
790 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 01:51
791 :
粘着保全ロボット:2001/06/28(木) 01:53
保全します
792 :
粘着保全ロボット:2001/06/28(木) 01:54
保全します
793 :
粘着保全ロボット:2001/06/28(木) 01:55
保全します
794 :
保全:2001/06/28(木) 01:56
保全
795 :
保全:2001/06/28(木) 01:56
保全
796 :
保全:2001/06/28(木) 01:56
保全
797 :
粘着保全ロボット:2001/06/28(木) 01:56
保全します
798 :
保全:2001/06/28(木) 01:56
保全
799 :
保全:2001/06/28(木) 01:56
保全
800 :
粘着保全ロボット:2001/06/28(木) 01:56
保全します
801 :
保全:2001/06/28(木) 01:57
保全
802 :
保全:2001/06/28(木) 01:57
保全
803 :
粘着保田ロボット:2001/06/28(木) 01:57
保田します
804 :
保全:2001/06/28(木) 01:57
保全
805 :
保全:2001/06/28(木) 01:57
保全
806 :
保全:2001/06/28(木) 01:57
保全
807 :
粘着( `.∀´)ロボット:2001/06/28(木) 01:57
( `.∀´)
808 :
保全:2001/06/28(木) 01:58
保全
809 :
保全:2001/06/28(木) 01:58
保全
810 :
粘着( `.∀´)ロボット:2001/06/28(木) 01:58
( `.∀´)( `.∀´)
811 :
粘着( `.∀´)ロボット:2001/06/28(木) 01:58
( `.∀´)( `.∀´)( `.∀´)
812 :
粘着( `.∀´)ロボット:2001/06/28(木) 01:58
( `.∀´)( `.∀´)( `.∀´)( `.∀´)
813 :
"log0076 ":2001/06/28(木) 02:00
お前ら荒らすんじゃねーよ!
aaa
あぼーん
ありがたいね>( `.∀´)
817 :
名無し募集中。。。 :2001/06/28(木) 02:02
ヴァカ登場
あぼーん
あぼーん
820 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:03
保全
あぼーん
あぼーん
823 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:04
念のために保全します
あぼーん
あぼーん
826 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:04
一応保全します
がんばれlog 読んでないけど
世界平和の為に
あぼーん
あぼーん
あぼーん
wakwak
832 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:05
やっぱり保全します
あぼーん
834 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:05
愛と平和を守るため保全します
logうぜぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
836 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:06
>>735 萎え〜♥
そんなこと書いたらリスペクトレスしてくれてる人達に失礼だろ(w
>>827 プロレス小説作者の人、せっかく復帰したのにね
838 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:06
>>737 つーかlogはリスペクトレス嫌いだろ(w
839 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:07
強く握り締めると、淡い緑色に塗られた金網が軋んだ。
慣れない人工芝のテニスコートの感触が吉澤を軽く惑わせる。
だだ広いコートに、吉澤と石川二人きりだ。
「ちょっと待っててね…」
吉澤の背後で、石川が言う。
「はい。」
ひときわ高くなった石川の声に振り向くと、紙袋を押し付けられた。
スポーツ店の名前が印刷されている。
受け取った吉澤はしばらく考え込んで、「……靴下ですか?」と、素でとぼけた。
「ううん。開けてみて。」
石川はつっこみもせず、さらりと言葉を返す。
「なんだろ…」
吉澤は微笑を含ませた表情を見せながら、紙袋の中身を探り、取り上げた。
「あー……、ありがとうございます…」
でてきたのは、シンプルな黒地の膝用のサポーターだった。
吉澤は手の中にあるサポーターをマジマジと見つめ、石川に頭を下げる。
石川は、喜んでもらえたことに安心を覚えた。
>>837 そうだね せっかく復帰したのにね
何の話か全然わからんけど そうだね
1000早くしろよ
寝たいから
842 :
準・スレッドストッパー:2001/06/28(木) 02:07
書くことがありませんよ( ̄ー ̄)ニヤリッ
843 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:07
更新…
844 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:08
163章長いね
845 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:08
明るい未来のために保全します
846 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:08
朝の正門付近は、中等部、高等部の生徒が入り乱れていた。
人ごみの中、安倍は飯田を見つけて走り出す。
「かおりー、おっす〜。」
「おはよ。ねー、その“おっすー”ってやめたら? はやんないよ。」
「圭織だってつまんないオヤジギャグ連発してんじゃん。」
会話が始まり、安倍と飯田は並んで歩き始める。
安倍は言葉を放つたび、飯田の横顔を見上げていた。
飯田の視線が一点で留まっている事に気づき、視線の先を確かめる。
ショートカットの少女。どこか他の生徒とは違う雰囲気。
――市井紗耶香?
テニス以外に関しては鈍い安倍は珍しく直感を働かせる。
「ねー、あれって市井紗耶香だよね?」
「えっ? あ、うん…」
飯田は狼狽しながら答える。安倍はふーん、と呟いて、
「挨拶しないの? いちおー後輩でしょ?」
「まぁね…」
安倍に触発されたのか、飯田は少し大股で進み、市井の肩を叩いた。
安倍も小走りで飯田と市井のほうへ向かう。
飯田のぎこちない笑顔。市井のやりにくそうな顔。
遠めで見ていても、ひしひしと伝わってくる妙な空気。
847 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:08
駆け寄ってきた安倍を飯田が紹介した。
「紗耶香、紹介するよ。安倍なつみ。圭織の幼馴染なんだ。」
「はじめまして、安倍なつみです。」
安倍は表情を引き締め真面目に挨拶をしながら、市井を観察しようとする。
が、市井の虚ろな目に引き込まれそうになり、慌てて視線を外す。
「市井紗耶香です。」
市井は眠そうな目のまま、ぼんやり答える。
安倍のほうを見ているのかどうかもわからない。
安倍は市井と目を合わさないように心掛けながら、観察に努めた。
「それじゃ、もう行きます…」
安倍の行動に気づいてか気づかずか、市井は背を向けて校舎に向かう。
飯田が、今まで息を止めていたかのようにして息を吐き出した。
安倍は市井の背に視線を留めたまま呟いた。
「変わった子だね。」
飯田は聞き取る余裕がなかったのか、答えることはなかった。
朝の職員室は、人気(ひとけ)がない。
朝は職員会議があるせいだ。
職員が一人、二人と戻ってくる。
848 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:09
中澤が戻ってくると、職員室に留まっていた職員が立ち上がった。
「中澤先生、電話ありましたよ。」
「誰からですか?」
「生徒です。ゴトウマキっていう。休むそうです。」
「そうですか。」
中澤はさらりと返し、机に座った。
――当てましょうか?
妖艶な表情の後藤がふと甦る。
中澤は頭を掻き、コーヒーを飲み干した。
「なにを考えてんや、ウチは…」
独り言は、慌ただしい職員室に掻き消される。
保健室前の廊下は静かだった。
保健室のドアについたプラカードは、「職員会議中」となっている。
保健室内に、保田と市井がいた。
ベッドに仰向けに倒されている保田。
保田に覆い被さるようにして、保田を見下げている市井。
ドアも窓もきっちり施錠されている。
849 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:09
pachinko uchiawase nohohonnohohon
850 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:09
>>748伝わってなかったようです(最悪です
>ほんとに第163章が続いてるんならいいけど
残念ながら…
お知らせ
今週は更新一回
851 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:10
日本の国益を守るため保全します
852 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:10
その無言の保全だか催促がウゼーっての
速く早く端役
854 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:10
logスレ認定
荒らしのみなさんご自由にどうぞ
855 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:10
市井は、保田に口づけようとする。
「どいてくれる?」
保田の声に、市井は慄いたように離れる。
保田は、市井をベッドに取り残し、外されたシャツのボタンを直し、何事もなかったようにPCに向かう。
軽快にキーボードの上を動き回る保田の指。
市井はしばらく見入って、ベッドに横になる。
キーボードを叩いていた音が止む。
「紗耶香。」
「はい…」
「あんた、最低だね。」
「……否定、しません。」
「だからって、最低なのに変わりないよ。人の気持ち掻き回して、満足?」
「ごめんなさい…」
「私に謝ってどうするのさ。私はあんたの事、そういう風に見てないから。」
「圭ちゃん…」
と、市井は起き上がった。言葉は続かない。
「言いたい事あんならハッキリ言いなさいよ。」
市井は、目の上に手を置き、ベッドから立ち上がった。
「ダメだ、わかんないよ…」
震えた市井の声。
保田は市井が泣き出しそうになっているのに気づいた。が、何も言わない。
突き詰めたほうが、市井は傷つくとわかっていたからだ。
市井は、保健室を出て行った。
おせー
857 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:10
更新
858 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:10
保全
859 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:11
誰か読んでるヤツいる?これ
860 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:11
悲しきスクールガール♪
861 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:11
◆♀(◇◆М◆□「」◆◆□■←↑◆□■◇◆◆†▲●◆〃仝◇―‐◇◇〉《!■◇《■◇◆゜…◆ψ◆|…}〈◆□□■◇◆□/ ■◇*@§◆▼→,◇□ヾー◇■℃&■◇□■◇◆□■◇“”}《■>●(°′□■□∇■◇◆゛゜〜☆★○●◆〜〕■゜◆□◆》「」『』`■・:ヾ◇◆□∃■◇□◇◇$`◆&*≧・▽[]◇◆Щ■&Ρ◇◆□◇【□■◇◆┨◆〆◆□▽▼※〒→◇;■/◇◆□■)〔〕〒■▲▽▼?。?「?ヲ?」〓 ■◇ 、。,.◇◆■◆□…‥‘’.■◇“■♀°′∫◆■↓〓|…□(□○※〒→☆◇◇
862 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:11
九州第一、朝日大、札幌大萌え〜
863 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:12
市井は、保田に口づけようとする。
んなあほなッ!
864 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:12
そんあことよりllogのケイジバンあらしたほうがいいよ
865 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:12
モチロンソウヨ
ちゃっちゃとやってくれよんしんちゃん
「はい、コーヒー。」
快活な平家の声と同時に、中澤の机にカップが置かれる。
「ありがとう…」
中澤は珍しく柔らかい物腰で応えると、思慮深い目つきでコーヒーをすすった。
平家は日に照らされる中澤の横顔に見とれる。
――この女(ひと)の瞳の奥には誰が映ってるんだろう?
どっかのクサイ歌のワンフレーズが、平家の頭の中をよぎる。
中澤は、湯気に溶け込ませるように瞼を閉じて、小さくため息を着いた。
始業を告げるチャイム。
中澤と平家は立ち上がった。
「裕ちゃん。」
「ん?」
「今夜一杯どう?」
平家は手でおちょこを作っておどけて見せる。
中澤は、頬に口角を埋めるぐらいの笑顔で応えた。
始業後の、誰もいないトイレの個室、市井は一人涙を拭う。
久しぶりに泣いたな、とぼんやり思い、次第に泣いた事に対する恥ずかしさが生まれる。
「帰ろ…」
868 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:12
□ゞ〃仝■【】+□$¢》◆*@◇<″℃¥§◆●■◇◇◇億□■□☆》◆□■^ ̄〃■□■∞◇◆_◆。◆□■ヽ。,┣■◇×÷=ヾー◆_ヽ◇ц■◇.‥‘£%「^ ̄_ヽヾ□■△▲ゝ◎◇←↑±◇◆◇゜´■Л◆`◇;◆≧∞□・:□■∞∴□■’“■◇□⊂々〆◆〒※゛∞@■◇¢£■◇◆□■↑?氈q◇■‖´◇?゜≠〉■〓□■◇々〆〇「」◆□■%『 ̄_、!゛≠◆/□■\〜‖◆□,{◆□■ヾ△〔◆‡◆+♂♀°―‐◇◆〈〕[ゞ〃■、■□*@◇◆■°△◇□■_ヽ\〜‖◆※◆÷=【´+−■兆□□■!□↓〓◆□∧■;?℃◇◆]{◆◆≦◇□{◇◆◆〉《》◎□■◇■◆■:゛¨◯■◇◆〕■◇“”()〔■◇■#□.◆<◎◆■◇; 、■▼々□■■§■◇]□□◆°□/□}〈◇◆〆〇ー▽■◆仝□◆◆□■◇□■》「】―∽□◇◆□ゞ◆□+−”◇◆□【】£□!◇仝■У◇◆§☆★■◇□≠*}ゝ◇□▲◇□^ ̄◇∠□◇■◆:■▽▼◇≦[ー■◇〇□―‐■◇◆}〈◇◆□◆□〉¥▼■∴<仝=■≦〕[′○●◇◆−±■◇∞∴♂♀◆□=◇◆◆□■◇◆`゛^ゝ□■□:‐◇◆/■±\〜&±×◎◆!♂♀□■<◎〉◇□◇´ヽ■◇◆<]{◆□`¨≠<>≦◇◆□■◇『』◇◆≠■>≧◆.◇□■□)〔−ゝ◆|◇◇★○
869 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:12
新
オセロしよーよ
871 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:13
□□□■■□□□□□■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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□■■□□■■□□□■■■■□□□□□□■■□■■■■■■■■■■□□□
□■■□□■■□□■■□□■■□□□□□■■□□□□□□□□□□□□□□
■■□■■■□■■■□□□□■■■□□□■■■■■■■■■■■■■■■■
段々話の主旨が分からんくなりつつある今日この頃
懐かしいのageて来たね。
おそい
875 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:14
保全
876 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:15
マターリ保全
877 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:15
モ板つまんなくなったなーと思ってずっと来てなかったんだけど、
つまんなくなった原因がようやくわかった。
それはlog0076。
878 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:15
更新です。
学園モノは久しぶりだ。説明文って加減がわからん。
更新頻度はできるだけ多めにしたいとこですな。
879 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:16
保全
881 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:16
更新。
>>18 激しく同意。藁
横文字やめとけばよかった…ま、あとでどーにかなるか。
882 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:16
logつまんない
883 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:16
更新です。
884 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:17
保全
885 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:17
886 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:17
更新。
887 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:17
2ch に訪れる人間が増えた。それとともに 2ch がつまらなくなった。
それは何故か? 増えた人間の多くがつまらない人間だからだ。
つまらない人間がつまらない投稿をする。
始末の悪いことに、自分の投稿がつまらないと言う自覚が無い。
馴れ合い、どうでも良いことばかり書く。
センスのある奴、面白い奴は昔からいる。
だが、そいつらが目立たなくなってしまった。
つまらない人間が増えて、埋もれてしまうのだ。
玉石混交。全体数が少なければ宝の輝きに気がつくチャンスは多い。
だが、石の数が増えると宝が埋もれてしまう。
例え宝に気がついても、圧倒的な石の数に輝きがくすんでしまう。
とりあえず、客観的に自分を判断してくれ。
どうでもいいことは書かないでくれ。
参加するだけなら意味など無い。
888 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:17
更新。。。
889 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:18
訂正です。誤字とかそーいうレベルでない…
>>15 の-3-ですが、
×市井紗耶香は高等部3年である
○市井紗耶香は高等部2年である
というわけで市井は高2です…すんまそ
890 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:18
更新です。
891 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:18
1です。白状します。
大多数の人は既にお気づきだと思うのでが、実はこのスレ、ほとん
どが私の自作自演です。いや、さすがに疲れました。この数時間、休む
間もなく、延々とキーボードを叩き、書き込みボタンをクリックし……。
しかし、もう限界です。私はこのレスを書き込んだら、とりあえず眠ろ
うか、と思っています。長々とご覧になっていただき、ありがとうご
ざいました。
あ、それとたった1人、私の相手をしてこのスレに書き込んでくれて
いた、あなた。あなたの微笑ましいレスのおかげで、私がどんなに癒
されたことか。あなたの優しさが、神に報われますように。
それでは。
========== 終了 ==========
892 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:18
更新
893 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:18
test
894 :
名無し募集中。。。 :2001/06/28(木) 02:19
つまらない人間じゃないと来ないっつーの
TBTcd-06p38.ppp.odn.ad.jpさん
TBTcd-06p38.ppp.odn.ad.jpさん
TBTcd-06p38.ppp.odn.ad.jpさん
TBTcd-06p38.ppp.odn.ad.jpさん
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896 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:19
更新。
897 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:19
...
898 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:19
get900
899 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:19
get900
900 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:19
get900
901 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
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902 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
あれは雨の降り続いた重苦しい夜のことだった。
日曜日だというのに、待ちも俺の心もどこか浮かなかった。
まる「出ていく!!!」。まるはあわてふためいたまま、母親を怒鳴りつけた
まる母「勝手に出ていきな!」
母親の言葉はどこかやるせない気持ちと怒りを遮るかのように、
娘に目もやらず、黙々と濁ったお茶を飲み干すだけであった。
東京狂った町ーーーー煙草を吹かしながら部屋には音楽が流れている。
チーズ母「チーズ、まるちゃん来たわよー。」
チーズ「アッン?」音楽を切り、時計に目をやり。
チーズ「何時に来てんだよ!!!電話ぐらいしろよ」
少し戸惑いなから部屋を出、玄関に向かったのである。
チーズは、まるのいつもと違う表情を一瞬でとらえチーズの
めんどくさそうだった顔は突如まるを気遣いする顔に変わったのであった。
まるもチーズのジャージにT−シャツ姿を見て安心感が漂っていた。
いつもの場所だという安心感に・・・
903 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
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904 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
僕は高校3年生。そして妹は高1。
童貞を捨てたのは妹が相手でした。
ヘッドホンをしてオナニーをしていると、後ろから肩をたたかました。
死ぬほどビックリしてふりむくと、そこには隣の部屋にいるはずの妹の由佳が・・・
由佳はいわゆるコギャルで、普段から携帯でHな話をしています。
いつもそれを聞いて興奮していました。
「お兄ちゃん、気持ちよかった?」
ごくフツーに聞いてきて、オロオロになっていると、
「ね、お兄ちゃんって童貞でしょ」
その翌日、二人とも学校を休みホテルへ行きました。
ホテルの入り方から始まり、全てを妹に教えられました。
今、由佳のことが好きで好きでたまりません。
905 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
さっき妹を、犯しました。
両親は法事で泊りがけで大阪へ行ったので
2人きりです。妹の部屋に入りパジャマを剥ぎ取り
一本筋のワレメをなめました
「おにいちゃん、きもちいいよー」といったので
ぎんぎんになったアレをねじ込みました
血が大量に出ました。そして中で出しました
最初は痛がりましたが3回目は痛がらなくなりました
明日もやる約束しました
906 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:20
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907 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
更新です。
908 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
だって、さっきもざっと目を通したけど、内容がうすいうすい!ちょっとの事にさんざんこだわっちゃって。(苦笑)
あんなの、メンバーの誰でも良いけど、ま、一人と5発もやったら、すぐに飽きるのにね。(笑)
909 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
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910 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
更新です。
911 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
保全
912 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
>>99 気づかんかった…
-27-は二重カキコですが、今日の分はそこまでですんで…
あ〜、やっちゃった♪
913 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:21
914 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
更新です。
915 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
芸能人をサンプルとして考察するとか、冷静にみるとか、世の流れ、風俗として研究するとか論じ合うのと違って、ああいうオタクは腐ったみかんの箱みたいなもんですね。(苦笑)
916 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
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917 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
更新です
918 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
保全
919 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:22
更新です。
たまにはレス返してみよう…
>>117 生きてくってそーいうもん…(多分
>>118 極力オリジナルキャラは出したくないしな。
いや平家が必要不可欠だったのさ
920 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:23
そんなグループの女の子たちをいつまでもいつまでも大事に大事に思って可愛がっているオタクもオタクだ。まったくおめでたいというか、気の毒な人だと思います。生身の女に相手にされないんだから仕方ないんだろうけど。(苦笑)
死ぬまで一生やってんのかな?ほんと信じられない人種ですね!
921 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:23
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922 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:23
更新です。
じわじわと
923 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:23
保全します
924 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:24
でちゅ〜
925 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:24
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926 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:24
927 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:25
928 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:25
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get1000
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931 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:25
保全
get1000
get1000
get1000
935 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:25
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get1000
940 :
1000:2001/06/28(木) 02:26
( ̄ー ̄)ニヤリ
get1000
942 :
1000:2001/06/28(木) 02:26
( ̄ー ̄)ニヤリ
943 :
1000:2001/06/28(木) 02:26
( ̄ー ̄)ニヤリ
get1000
945 :
1000:2001/06/28(木) 02:27
( ̄ー ̄)ニヤリ
get1000
get1000
948 :
1000:2001/06/28(木) 02:27
( ̄ー ̄)ニヤリ
get1000
get1000
951 :
1000:2001/06/28(木) 02:27
( ̄ー ̄)ニヤリ
get1000☆ののたん☆がっぷりよっつ
953 :
1000:2001/06/28(木) 02:27
( ̄ー ̄)ニヤリ
sage
sage
956 :
1000:2001/06/28(木) 02:28
( ̄ー ̄)ニヤリ
sage
958 :
1000:2001/06/28(木) 02:28
( ̄ー ̄)ニヤリ
959 :
1000:2001/06/28(木) 02:28
( ̄ー ̄)ニヤリ
sage
わけわからん
962 :
1000:2001/06/28(木) 02:28
( ̄ー ̄)ニヤリ
君たちまだ早いよ1000が近付いたら
起こしてあげるからもう寝なさい。
964 :
1000:2001/06/28(木) 02:28
( ̄ー ̄)ニヤリ
get log0076眉間の皺日本海溝
966 :
1000:2001/06/28(木) 02:29
( ̄ー ̄)ニヤリ
log0076
968 :
1000:2001/06/28(木) 02:29
( ̄ー ̄)ニヤリ
log0076
log0076
971 :
1000:2001/06/28(木) 02:29
( ̄ー ̄)ニヤリ
log0076
log0076
974 :
1000:2001/06/28(木) 02:29
( ̄ー ̄)ニヤリ
975 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:30
1000目前
976 :
:2001/06/28(木) 02:30
10000
977 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:30
666
978 :
1000:2001/06/28(木) 02:30
( ̄ー ̄)ニヤリ
979 :
100名無し娘。:2001/06/28(木) 02:30
log0076
980 :
1000:2001/06/28(木) 02:30
( ̄ー ̄)ニヤリ
981 :
a:2001/06/28(木) 02:30
a
982 :
狼:2001/06/28(木) 02:30
1000
983 :
1000:2001/06/28(木) 02:30
千
984 :
1000:2001/06/28(木) 02:30
( ̄ー ̄)ニヤリ
985 :
狼:2001/06/28(木) 02:30
1000
チャンスだね
987 :
100名無し娘。:2001/06/28(木) 02:30
log0076
988 :
狼:2001/06/28(木) 02:30
1000
989 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:30
ホジホジ
990 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:30
最古スレNo4が幕を閉じようとしてる
991 :
1000:2001/06/28(木) 02:30
( ̄ー ̄)ニヤリ
992 :
狼:2001/06/28(木) 02:30
1000
993 :
100名無し娘。:2001/06/28(木) 02:31
( ̄ー ̄)ニヤリ
994 :
1000:2001/06/28(木) 02:31
( ̄ー ̄)ニヤリ
995 :
狼:2001/06/28(木) 02:31
1000
996 :
名無し募集中。。。:2001/06/28(木) 02:31
1000
おじゃまします
998 :
1000:2001/06/28(木) 02:31
( ̄ー ̄)ニヤリ
999 :
狼:2001/06/28(木) 02:31
1000
1000 :
アンチ石川(元石川ヲタ):2001/06/28(木) 02:31
さてねるか
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1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
1002 :
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このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。