1 :
名無し娘。:
2 :
名無し娘。@6 :2000/09/09(土) 16:50
あ、オレも希望する。すげえ面白かった。あれからどうなるのさ?
やっぱ中澤は吉澤に……ちゃうの?
3 :
名無し娘。@6 :2000/09/09(土) 16:53
なんならこのスレで続き書いちゃえばいいじゃん。うん。
>>1 邪魔とはいったいなんだ?
4 :
名無し娘。@6 :2000/09/09(土) 17:01
5 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:19
入学式の日、寝坊して遅刻した吉澤は1学年先輩の石川に出会った。
淡々と綴られる吉澤の恋心。淡々と綴られる石川の過去。
運命の歯車を狂わせたのは、破滅したかった一人の教師の言葉だったのかもしれない──。
あらすじは、上みたいカンジで、面白いんです。作者待ちage。
6 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:21
俺が続きかいてやろっか?
7 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:22
>>6 なんかもうそれでもいいと思えてきたけど、あの作者のあの文体
で、想定したとおりの作品を読みたい……
8 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:24
シアターいちなち読んでおけ
9 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:25
>>8 おもしろいの? 市井にも安倍にも興味ないんだけど。
10 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:25
時間は止まんねぇっす、要CHECK IT OUT YO!
11 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:26
>9
読め
12 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:27
>>11 面白くなかったらやだから読まない。シアターは面白かったけど。
13 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:28
最後の嘘だけでいい
14 :
11 :2000/09/09(土) 17:29
>12
確かに
シアター>>>>>>シアターいちなち・・・だな
15 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:29
>>13 悲しい嘘じゃなくて? 最後の嘘ってよく聞くけど見たことない…
16 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:30
17 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:32
メイコスは作者も載せて欲しい
誰が書いたのかわからん
18 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:32
>16
絶対違う
19 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 17:34
>>17 つーかその前に更新してほしい……望むだけ無駄かい?
>>18 そうだよね。文体が全然違う気がした……
20 :
1 :2000/09/09(土) 18:00
もう作者はここに来てないんですかね?
どんな形でもいいから完結させてほしいです。
21 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 18:02
>>20 少なくとも小説スレは営業していないようだ。
22 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 19:03
>>21 ちょっとした情報だが、名作板の「血の味」という作品が同じ作者かも
しれないという推測がある。読んでみると文章うまいし、内容もリアリティあ
るし、ちょっとブルーな感じで面白い。有力情報とみた。
23 :
名無しさん@1周年 :2000/09/09(土) 21:58
最後の所のマキちゃんって文中に出てきてたっけ?
出てたら何処に出てるのか教えてほしいです。
24 :
名無し娘。 :2000/09/09(土) 23:16
>>22 質問レスつけても返事しなさそうな作者だ。確認とれるかな?
>>23 それはテレビで写ってただけで話しの内容にはからんでこないよ。
25 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 00:36
で、どうなのよ?
26 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 04:59
>>22 確かに「血の味」は他の小説とは一線を脱してる。
あの作品もいつも切ない感じで異質だよな。
シアターの作者なのだろうか?
27 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 08:13
>>26 わからないが、情景描写の丁寧さは出色だ。むしろシアターより滑らかになってる
とさえ言ってもいいかもしれない。シアターも気になるが、今は「血のあじ」の方
の行方を見守りたい……
台詞回しもことごとくうまいんだよな。するっと「うそつき」とかさ……、なんか
純文学色の強いめちゃめちゃ上手な少女漫画を読んでいるような気がする(誉め言
葉のつもりですが) どうなんだろ。どなたかが指摘していたことですが、E-mail
の部分にメッセージを入れるのも、特徴的ですね。つーか私の中ではすでに同一人
物ですが。最初に見破ったひとは偉いっす。
28 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 21:56
作者捜索age
29 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 23:07
出て来いや!
30 :
名無し娘。 :2000/09/10(日) 23:18
お願いage
31 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 20:18
出てきて欲しいのでage!
32 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:33
出て来いボケ!
33 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:38
29と32は同じ人なのかな? 僕は28と30なんだけど。少なくとも3人は
復活きぼんってことなんだな。age。
34 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:39
読んでみておもしろいと思ったけど、
なんか最後の最後適当じゃない?意図的にやったんだろうけど。
35 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:41
2部に続くってあったけど……
36 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:43
>>35 最後、急に「〜ました」調に変わったし、
「おしまい」っていうシメの言葉も小説の雰囲気に合わないなって思った。
2部に続くって確かに書いてあったけど。
37 :
32 :2000/09/11(月) 21:45
38 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:47
>>36 あの状況下での混乱をよく捉えてると思うんだけど。語り手である自分が
分離しているカンジ。結構高度で感覚的な技法だと思う。というか結構好
きなタイプの表現方法っす。
39 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:49
>>38 もちろん意図的にあぁ書いたんだろうなとは思ったけど。
40 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:51
>>39 あの文章の混乱している箇所に相当のヒントが含まれていると思う。
もともと過去を振り返るという形で書いてあるんだし──そうとう伏線
を仕掛けているとは思うんだけど。悔しいなー。読みたいなー。
41 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:52
ついでに狛犬も出てきてくれ
42 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:52
44 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:56
45 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:57
狛犬のは甘すぎるっす
46 :
名無し娘。 :2000/09/11(月) 21:57
>>44 なら別にスレッドを立てて呼び込むといい。本人は名無しさんで
2chを往来しているようだぞ?
47 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 00:03
作者待ち望みage
48 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 00:21
>>33 31っす。同じく2部がでてくるのをクビを長くして待ってる。
シアターは2ch小説の中でも異質なものだったからな。
出てきてくれることを願ってage
49 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 00:26
>>48 いや、異質といえば、にわとりだって10人の怒れる娘。だって、
夢見ましたスレの埋もれた夢だって異質で面白かった……
だが格段に文章のレベルが高かったというのが本当のところだろう。age。
50 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 00:36
>>49 いや異質ってのは文体がってこと。確かにわとりや10人も
変わってたけどな。なんつーだろ、文の裏に冷たいものを感じさせる
そんな話しだったんだよ。胸をキッとしめつけるような・・・とにかくよかった。
51 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 00:38
52 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 22:07
>>51 すげぇ盛り上がってるが、唯一まともに盛り上がったのが血のあじの話題と
いうのがなんとも言えない……
53 :
名無し娘。 :2000/09/12(火) 23:31
作者呼び込みage。まじで復活きぼん。
54 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 01:49
待ちのぞみage
55 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 19:34
続きが読みたいからage
56 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 21:04
愛をくださいage
57 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 21:12
すまんが黄色いお空で〜
はってくれんか?
58 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 22:01
黄色いバスで〜、じゃなくて??
59 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 22:53
復活きぼん
60 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 23:14
こーいこいこいこいこいage
61 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 23:50
さらしあげ
62 :
名無し娘。 :2000/09/13(水) 23:55
しつこいけど読みたいのでage
63 :
名無し娘。 :2000/09/14(木) 00:54
もう来てないのかなあage
64 :
そ〜と〜名無し娘。 :2000/09/14(木) 01:02
なんらかのコメントを得られるまでage
65 :
名無し娘。 :2000/09/14(木) 01:03
名無しさんに戻っていたらうかうかと復活したくないのかもしれないなぁ……
黄色いバスで〜読みました。そして泣いた。
67 :
名無し娘。 :2000/09/14(木) 21:38
削除警戒age
>>66 おれもすげー好き。最後に残った5人のなかに、おれの一押しがいて、切なくなった。
68 :
名無し娘。 :2000/09/14(木) 22:43
お願い神様age
69 :
名無し娘。 :2000/09/14(木) 23:02
つぐみへ…age
70 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:07
祝日の昼間にもageてみる
71 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:18
70のageに感動したのでage
70=71の気がするのでさげ
73 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:22
実は71=72だろ?age
74 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:26
昼間のさげはあまり意味が無いのであげ
75 :
70 :2000/09/15(金) 12:43
67から70は俺だが、他は違うぞ。
76 :
68 :2000/09/15(金) 12:45
じゃ俺は誰なんだよ?!
77 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:46
>76
daichan
78 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 12:48
79 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:50
>>78 それ今すぐスレ立てるべきだよ(推定レス数142)
80 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 12:51
81 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:53
82 :
ダイちゃんデラックス :2000/09/15(金) 12:56
83 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 12:57
84 :
激!ダイちゃん :2000/09/15(金) 12:58
僕もいるぞ!
85 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:59
>>82 超カッコイイ。でも大ちゃんのほうが可愛い。
86 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 12:59
大ちゃんが一番可愛い
87 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 13:06
88 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 13:10
89 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 13:10
大ちゃんFC作っても良い?
90 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 13:14
よい
91 :
大ちゃんFC会員番号01 :2000/09/15(金) 13:16
これコテハンにして良い?
92 :
ダイちゃん :2000/09/15(金) 13:21
酔い
93 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 13:23
ついにごダイちゃんの公式ファンクラブができました。
今、会員になった方にはうれしい特典がつきます。
*会員ナンバー取得
など。
会員になりたい方は「会員希望」と、書くだけでOK!
とても簡単にだれでも会員になれます。
その他にもダイちゃんのユニット名募集中です。
ダイちゃんあての応援や、励ましのメッセージなどもまってます。
みなさんこれからもダイちゃんを応援してね!!
まわしとくか……
作者期待sage
96 :
66 :2000/09/15(金) 15:34
恩田陸『月の裏側』の雰囲気が好きだsage
とんかつ食いたいsage
もんじゃ焼き食ったことないsage
キリングセンスは案外面白いぞsage
102 :
66 :2000/09/15(金) 15:38
レス早!(w
最後に読んだ本は『迷宮戦士サガ』まさかやつが死ぬとは思わなかったsage
104 :
シアター :2000/09/15(金) 16:16
久々に来てみたらこんなスレッドが出来ていたのでびっくりしました。
続きを待っていてくれた人がいたなんて、とても嬉しいです。
ありがとうございます。
もう少し書きためてから、来週にでも始めようと思います。
「シアターいちなち」はわたくしですが、「血のあじ」は別の方の作品です。
「いちなち」のほうは、萌え萌えで書いていたのでおもしろかった。
「シアター」はこれからもストーリー的にご期待に添えるかどうか不安ですが、
完結させるよう頑張りたいと思います。
作者。
105 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 16:18
シアター作者復帰おめでとう!スレ立てた甲斐があるよ。
俺が立てたんじゃないけど
106 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 16:18
いちなちが貴方だったとは意外です・・・
107 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 16:21
アドレス寄越せばだしてやるよ。
108 :
107 :2000/09/15(金) 16:23
スレ違いだった。
109 :
名無し娘。 :2000/09/15(金) 16:23
シアター有難う
110 :
シアター :2000/09/15(金) 16:30
こちらこそありがとう。
続きに期待っす
めちゃくちゃ嬉しい。待っていたカイがあったよ……
「近年稀に見る、はっぴー☆えんどスレッド参号」に認定
このスレッド結構好きだったんだけどネ!
>>113 1号2号がなんなのか知りたい……
以前「スレッド評議会」を立てた者です。
ちなみに、HN「スレッド評議会」(一行レスが切れ味抜群)氏とは別人です。ややこしい関係ですね。
114さんは私が文体模写スレッドを紹介した時に、妄野を推して下さった方でしょうか?
間違えていたらすみません。なんとなくそんな気がしたので。
「スレッド評議会」は形を変えて生きていますので、お暇でしたら探してみてください。
壱号弐号は私も知りませんが四号はきっと、あなたが次に立てるスレッドでしょう。
では、これにて失礼します。
>>1様
スレッドの趣旨に沿わない私のレスをお許しください。
>>115 正解(びっくり)……良かったらそのスレッドのURLきぼん。
118 :
1 :2000/09/18(月) 22:44
作者の方が現れたみたいですね。
どうもありがとうございました。
もう続きは読めないだろうと諦めてたので、作者さんの書き込みを見て目を疑いました。
2chでこんなに感動したのは初めてです。
このスレに協力して下さった方々も本当にありがとうございました。
こういう素晴らしい結果となったのもすべてこの人達のおかげだと思います。
小説の続きを楽しみにして待っています。皆さんどうもありがとうございました。
よかったー。とうとう作者さんが現れてくれたんですね。
もうダメかと思ってましたよ。
このスレは正解ですね。
作者さん、小説楽しみにしております。
あの人を殺した事、後悔はしていません。15年もの間、家族として私を育
ててくれたという事実を考えると、混乱して息が苦しくなりますが、やはり
あの人はそれだけの事を私にしたのだと思います。
その瞬間の事はあんまり覚えていないんです。あの日は私、家にいて、ずっ
と受験の勉強をしていました。志望していた女子校は随分人気の高いところ
でしたし、先生がたは楽観なさってるようでしたけど、だからと言って手を
抜くということでもありませんから。
昼食をとってすぐ、でしたから、多分2時頃だったと思います。父から電話
がありました。電話を取ったのは私ではなく、昔から来て頂いているお手伝
いの女性です。鈴木さんという方で、生きていれば多分母と同じくらいの年
齢だったと思います。世話好きで、少しだけお節介なところもありましたけ
ど、人のよいほがらかな方で、私は好きでした。
食後に少し休憩を取った私は、部屋に戻って再び机に向かいました。午前中
にやり残していた英語の長文を終えたところで、電話の鳴る音が聞こえたの
ですが、いつも鈴木さんが応対してくれていたので、構わず問題集を進めた
んです。
しばらくすると部屋のドアをノックして鈴木さんがやってきました。いつも
どおりの、人なつこい笑顔を浮かべて。
「梨華さん、お父様は今日、お早めに帰られるそうですよ。」
ついでに運んできた冷たい飲み物を机の横に置きながら鈴木さんは言いました。
これもまた普段の通り、どこか弾んでいるような口調でした。
お父様が帰ってくる--------。私はお腹の中に大きな鉄の塊を呑みこんだような
気分になりました。あの人は、父はいつもおかしかったわけではありません。
普段の日は帰りが遅く、同じ家で暮らしていても週の大半は顔を合わさない事
のほうが多かったんです。ただ、月に一度か二度、早い時間に帰宅する日があ
りました。そしてそういう日には必ず‥。以前、どうしても嫌で一度理由をつ
けて外泊してみたこともありましたが、そうすると父の機嫌は悪くなって行為
は次の日一日中に及びました。学校はむりやり休まされました。
「そう‥。」
ぼんやりしている私を不審げに見る鈴木さんの視線に気付いて私は慌てて返事
をしました。
「どうかしました?顔色が少し悪いみたいですけど‥。」
「いいえ、大丈夫です。最近ずっと勉強してたから。そう見えるだけですよ。」
「そうですか、気を付けて下さいね。じゃ、お父様が帰ってらっしゃるのです
から。いつものように早く上がりますね。お父様もおっしゃってたけど、やっ
ぱり親子水入らずの方がいいものね。」
鈴木さんの口調には、飽くまで邪気と言うものがありません。彼女は何も知ら
ないのです。
「‥ええ。」
私は曖昧に笑ってそう答えました。
手早く夕食の支度を済ませた鈴木さんが帰って行ってから、父の帰宅までには
まだ少し時間がありました。なんだか急に疲れた私が勉強をやめてベッドに腰
掛けると、ふと、彼女の事が頭に浮かびました。
あの夏の日、私が家を飛び出して以来、彼女とは口を聞いていません。今はもう
冬休みで、庭の木々は寒そうにすっかり葉を落としています。この4ヶ月間、
彼女は学校で顔を合わす度に何度か話しかけて来たけれど、私はそれを拒否
し続けました。携帯を新しいのに変えて、家の電話も鈴木さんに協力してもら
って‥。
初めて会った時、入学式に遅刻して、雨の中体育館の入り口でひとり佇んでい
たひとみちゃん。当時はまだ私より背も低くて、少し頼りなげだったけれど。
あの時の事を思い出すと自然に顔が微笑んでしまいます。なんだかかわいい。
今となってはあんなに頼れるひとみちゃんなのに、まだ子供だったんだなあって。
中澤先生のはからいで再び彼女と顔を合わせて以来、私達はすぐに親しくなり
ました。彼女は太陽みたいな人。明るくて、素朴で。そして、強い。年下でも、
もともと頭も良かった彼女に私が心を許すようになるまで、それ程時間はかか
りませんでした。
あの日、ひとみちゃんが私に、好きだと言ってくれた日、同性の彼女からの
告白はそれほど不快でもありませんでした。むしろ嬉しかったんです。今考え
ると、私はあの時すでにひとみちゃんと同じ気持ちだったのかもしれません。
でもそれ以上に、彼女に全てを知られていたという事のほうがショックでした。
数年続いていた私と父の忌まわしい関係、そしてそれに巻き込んでしまった
中澤先生との事実‥。
私は自分が他の女の子のように誰かを好きになったりしてはいけないのだと思っ
ていました。皆が持つ、そういう権利を私だけは持っていない。私は汚れてい
るから、そう思っていたんです。何度も言うようですが、ひとみちゃんは太陽
のような人です。健全な彼女を、これ以上私に関わらせたくなかった。ひとみ
ちゃんまで巻き込んでしまうのが、本当に怖かったんです。だから私は彼女を
避けるようになりました。
なにげなく見上げた窓の向こうには、冬の午後の太陽が優しく輝いているのが
見えました。少し傾いたその陽光は弱く、けれど確実に全てを包み込みます。
まるで柔らかいパウダーのような日射しの下では何もかもが例外なくトーン
を落とし、その漂白された風景はとても切なく私の胸に迫りました。冬の冷たい
大気のせいで、随分遠くの景色までもはっきりと見渡すことができたんです。
そしてその時、私は自覚してしまった。考えないように考えないように、気づく
事を無意識のうちにためらって、胸の奥深くに追いやっていた自分自信の本当の
気持ち。
いつの間にか私の両目からはぽろぽろと涙がこぼれ落ちていました。ひりひり
と焼け付くような喉と胸の痛みに気が付いて息を吐き出すと、温かく湿った嗚咽
と共に彼女の名前を発音する自分の声が、震える空気を伝って私の耳へと届き
ました。
あまりにもいっぱい涙が出てくるので、景色はもう見えなくなっていましたが、
窓のガラスを透過して部屋に入り込んで来る光が、さらに優しく私の頬を照ら
し続けている事がはっきりと感じられました。ひとみちゃんが好き。この時もし、
私がこの気持ちに気づくことがなかったら、私はあの人を殺していなかったのか
も知れません。
127 :
名無し娘。 :2000/09/20(水) 14:25
重い玄関を開ける暗い音が遠くで響いて、あの人が帰ってきたのがわかりました。
靴を脱いで‥。きっと私を探しているのでしょう、ずいぶん古くなっていた廊下
をぎしぎしと音を立てて徘徊する足音が、階上の私の部屋まで聞こえました。居間
と応接室を覗いた後にあの人は階段を上がって、今から数分と経たないうちに今度
は私の部屋へとやってくる‥。それはいつものパターンでした。あの人の立てる
いかにも陰鬱な足音をじっとして聞いていると、恐怖と緊張で私はいつも押し潰さ
れそうになるんです。それが分かっていたので、私はベッドから身を起こして、だ
いぶ収まっていた涙を指先で軽く拭いました。
おおっ、はじまったのか!ついに!
まってました!
130 :
ダイちゃん :
ぜんぶ僕のおかげだったのです