居酒屋トーク番外編「平家」

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1名無しさん@1周年
居酒屋トーク「平家と中澤」から派生したスレッドです。
サーバーの移転に伴い、ここも引越しをしました。
内容を簡単にご説明しますと、子悪魔後藤と苦悩する平家+酔っ払い1名の
愛物語(?)です。愛物語・・・なんとも恥ずかしい響きです。ちなみに、中
澤はよく出てはきますが、ストーリーに絡む事はあまりありません。
それでは、もう残り少ないですが、皆様どうぞお付き合いください。
過去のデータはこちらです。気が向いたらお読みください。
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=morning&key=958129897&ls=10
2名無しさん@1周年:2000/06/05(月) 18:29
どうやら間違えたようです。・・・なんで?
http://teri.2ch.net/2ch/test/read.cgi?bbs=morning&key=958129897&ls=10
3作者さんへ:2000/06/05(月) 18:32
4名無しさん@1周年:2000/06/05(月) 18:33
楽しみにしてます。がんばってサクサクやってください。
5とりあえず前回:2000/06/05(月) 18:33
「平家さん!止めて!!止めてよぉ!!!」
後藤は力づくで平家の手から包丁を奪おうとする。だが、平家も譲らな
い。必死で包丁を自分の胸元に当てようとする。
「離してぇな!なんで邪魔すんねん!!なんでアンタはいっつもアタシ
 の邪魔をすんねん!!!」
もみ合いが続く。平家は何故後藤が自分の為にここまで必死になるのか
が分からなかった。後藤は自分を恨んでいるのではなかったのか?だっ
たら何故こんな苦しそうにしてまで自分を止めようとしているのだろう
か?
その時だった。平家の手に、鈍い感触が伝わった。嫌な感触だった。

6平家59:2000/06/05(月) 18:33
待ってました!めちゃ楽しみですわ!
クライマックスやったからなぁ!
7名無しさん@1周年:2000/06/05(月) 18:49
平家の手に、なにか生暖かい液体のようなものが触れる。驚
いた平家ははっと自分の手を見た。真っ赤に染まっている。
その血まみれの手の先をゆっくり目で追ってみる。平家の手
の先には、同じく血に染まった包丁があった。刃の部分は何
かに埋まっていて見ることはできない。平家はゆっくりとそ
の何かから包丁を引き抜いた。カランと乾いた音を立てて包
丁が床に落ちる。
「ごっちん……」
平家は自分は何か夢でも見ているのではないかと思った。平
家の目の前には1人の少女が立っていた。平家の目の前には
腹部を真っ赤に染めた後藤が、立っていた。

8名無しさん@1周年:2000/06/05(月) 21:26
あああああああ……。
9愛読者:2000/06/05(月) 21:55
よかったぁ〜 続き読める!
けど… ど、どーすんだよ平家!!
10名無しさん@1周年:2000/06/05(月) 22:34
こえ〜〜〜
11名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 09:18
「ごっちん…ウソ…・・」
平家はようやく何が起こったのかを理解した。身体がカタカタと
震えているのがわかる。後藤は血まみれの腹部を押さえて苦し
そうにしている。平家は、ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
自分が後藤を刺した。その事実だけが、平家に重くのしかる。
フローリングの床を血が染めていく。
「へ、平家さ・・ん…」
動こうとした後藤が、バランスを崩し倒れそうになる。平家
はとっさにその身体を支えた。後藤の苦しげな吐息が喉元に
かかる。平家にはかける言葉がみつからなかった。血まみれ
の後藤を、ただ見つめているだけだった。

12名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 09:29
いいぞ
13名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 10:36
「平家さん…アタシ…・・」
後藤の苦しそうな声が聞こえる。平家ははっと我に帰るとしっか
りとごとうの身体を支えた。
「しゃべったらアカン!今、今救急車を呼ぶさかいに!!」
「平家さん…ごめんなさい…ごめんなさい…」
唐突に後藤が呟いた。平家は後藤の発した言葉の意味を理
解する事ができなかった。謝るのは自分の方ではないのか?激
しく呼吸をしながら、後藤は言葉を続ける。
「平家さんを苦しめるつもりなんてなかった…アタシは…ただ
 …・」
「もう、しゃべらんでもええ!!なんで…なんでアンタが謝んね
 ん」
平家は後藤の身体をキツク抱きしめた。こうしないと、まるで後
藤がどこかに行ってしまうような気がしたからだ。
14名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 11:40
「平家さん…ごめんね…ごめん……」
後藤の目にはうっすら涙が浮かんでいる。呼吸が荒い。後藤の
唇から、そっと赤い血が一筋流れ落ちた。
「アホか…謝るんはアタシの方やんか…」
「平家さん…・ごめん…ね…・」
「なんで謝んねん!なぁ、ごっちん…イヤや!!しっかりしてぇな
 ぁ!!死んだらアカンて!!なぁ!!なぁ!!!」
狭い部屋の中に、平家の絶叫が響き渡る。
15名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 13:10
みっちぃ...、
16名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 13:11
ごっちん・・・・
17名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 14:52
平家はこのまま、傷害・殺人未遂で前科1犯か?
18名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 15:38
3つ書いたから、今日のところは終わりですか? > 作者さん
19作者:2000/06/06(火) 16:34
今日でラストまでいきます。夜までには更新します。
20名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 16:35
うわっ!ワクワク!!
21平家59:2000/06/06(火) 17:06
うぉっ!ラストスパートですか?
たのしみです
22名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:26
窓からまぶしい光が差し込んでいる。気持ちのいい、朝の光だ。
平家はゆっくりと顔をあげた。どうやら眠り込んでしまったらしい。
ベッドの横に座って突っ伏して寝ていた為、腰が痛い。上体を起こ
しベッドを見ると、昨夜と何も変わらぬ姿の後藤が横たわっていた。
「ホンマに、アンタはいつまで寝てんねん。もう朝やで?」
平家は後藤の手をそっと弄びながらそう呟いた。
後藤は目を開けない。
「まぁ、寝る子は育つってよう言うさかいなぁ。しゃーないな」
平家はベッドに腰を掛けると、後藤の顔を覗きこんだ。柔らかい
後藤の髪をそっと手櫛でとかす。そして、そのまま軽く唇を合わ
せた。氷のように冷たくなった後藤の唇に…。
「ごっちん、眠かったらいつまででも寝とってええで。アタシはアン
 タが目を覚ますまで、ずっとそばに居るさかいな」
平家はゆっくり後藤の髪を撫でつづけた。髪の感触が心地いい。
平家は後藤の顔を見つめている。ずっと、いつまでも、後藤が
目を覚ますまで。

23名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:39
怖えぇ!! でも面白い!!
24名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:39
「ねぇ、後藤。最近なんか楽しそうじゃん?」
仕事の帰り、駅に向かう途中で突然矢口が話し掛けてきた。
「えぇ〜、別にそんな事ないよぉ」
「ウソ、絶対なんかある!ねぇねぇー教えてよー!!」
「だから別になんもないよぉ」
「はは〜ん、後藤、恋してるな?」
矢口の鋭い指摘に後藤は思わず立ち止まってしまった。なんで
矢口はいっつも鋭いんだろう。後藤は矢口の勘の良さに感心し
た。
「やった!あったり〜!!で、どうなのさ。どこまで進んでん
 の!?」
「どこまでって…う〜ん、全然…」
「ダメだよそんなんじゃ!もっとガツーンと行かなきゃあ!!」
「だってさぁ、アタシって不器用じゃん?なんかどうしていいかわ
 かんないんだよね」
「だからガツーンって行けばいいじゃん。ガツーンて」
「ガツーン…ねぇ」
「よっし、矢口がいろいろ相談にのってあげよう。さ、ファミレスで
 も行こうか。もちろん後藤のおごりでね」
「なんで〜!?ああ、待ってよぉ〜!!」
夕暮れの中、二人の少女の影法師が長く伸びている。真っ赤
に染まった空はもう、夏の訪れをそっと告げていた。
25名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:42
居酒屋トーク番外編「平家」


26作者:2000/06/06(火) 18:47
皆様、長い間お付き合い頂きありがとうございました。
最後の1話は入れようかどうしようか悩みましたが、結局こういう形
となりました。賛否両論おありでしょうが、これが作者自身の中での
エンディングです。
最初はまったく興味がなかった平家ですが、この小説を書いているう
ちに、次第に興味がわいてきました。
また、平家関係の小説を書こうと思っています。では、これで。
唯一の心残りは、最終話のラストに「完」を入れようとして入れ忘れた事です。
27名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:49
>26
>唯一の心残りは、最終話のラストに「完」を入れようとして入れ忘れた事です。

爆笑
28名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 18:52
22の平家の壊れ具合(?)と24の幼い後藤が泣けたね。
(24のどんでん返しは一瞬エヴァみたいだった)
29おお!!:2000/06/06(火) 18:54
2chの小説でもこの手のラストを迎える小説が拝めるとは。
30お疲れさま:2000/06/06(火) 18:59
まずは、作者さん、お疲れさまでした。いい小説ありがとう。

んで、僕なりの解釈なんですが(スイマセン)
24の(最後の1話)があって、後藤は平家に詰め寄っていったという解釈。
つまり、平家は後藤が死んでしまって、が故に、永遠の愛(本当の愛)を手にした・・・と。

も一つは、まぁ、平家と精算して、新しい恋をしてる後藤、ということかな?
作者さん、勝手な解釈すいませんです。
31作者:2000/06/06(火) 19:12
そっか、二つの取りかたができるって事は考えなかったなぁ。
話読む前にここ読んじゃう人がいたらアレだけど、
自分なりには前者のつもりかな。
そうかー、そういう取り方もできたんだぁ。勉強になりました。
32名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 20:21
うーんよい話でした。
読み終わった瞬間思わず唸ってしまいました。
まさかネットでこんな完成度が高い小説を読めるとは。
本当に作者さん感謝です。
33名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 20:29
怖い
34名無しさん:2000/06/06(火) 20:54
作者さんお疲れさまでした。
こういう結末もありかなー・・・
ただ、こういう結末でしたら平家の後藤への態度
が極度の自意識過剰というか、かなり
後藤の行動を違った方向へ解釈してますよねー。
なんかそこが唯一、気になったとこです。
僕的には「う〜ん」となってしまいます。
あくまで僕の意見なので気にしないで下さい。
気分を害したならすいませんでした。
でもやっぱおもしろかったです。
また頑張って下さい!!
35名無しさん@1周年:2000/06/06(火) 21:16
面白かったです。
おつかれさまでした。>作者さん
36>作者さん:2000/06/06(火) 22:20
いやぁ、面白かったです。
また小説書いてください。
37名無しさん@1周年:2000/06/07(水) 00:35
ど〜も!楽しませていただきました。>作者さま
最後の1話、入っていたほうがいいですね。自分の好みとしては。

>34
>ただ、こういう結末でしたら平家の後藤への態度
>が極度の自意識過剰というか、かなり
>後藤の行動を違った方向へ解釈してますよねー。
>なんかそこが唯一、気になったとこです。

だからいいんじゃん!
後藤の行動をちゃんと理解してたら、面白くも何とも無いでしょ(笑)
38平家59:2000/06/07(水) 04:10
おつかれ様でした。ここ最近、このスレッドが生活の
一部だったので、終了は寂しいところです。
次回作に期待してます。
このHNも今回までか。
39名無しさん@1周年:2000/06/07(水) 04:12
面白かったっす。
次回作(あれば)頑張って下さいね。
40名無しさん@1周年:2000/06/07(水) 04:33
おつかれ様でした。ここ最近、このスレッドが生活の
一部だったので、終了は寂しいところです。

ハア(゚Д゚)ハァ?
41愛読者:2000/06/07(水) 08:58
作者さん、お疲れさまでした。こんなにハマった小説は久しぶりでした。
プレッシャーかけるようですが、次回作も期待しています。
42名無しさん:2000/06/07(水) 13:32
>37さん
うん、そうなんですけど・・・
後藤も後藤でどんだけ積極的にしていけって
言われたんや?って(笑)
最後の一話のおかげでなんとなくわかるんですけど・・・
ま、小悪魔的な後藤を書きたかったからなんかなー。
実際後藤のキャラは良かったしなー(笑)
平家も中沢も。
なーんか引っかかってる感じやけど、
おもしろかったからいいか(笑)

43名無しさん@1周年:2000/06/07(水) 13:34
。。。。。
44名無しさん@1周年:2000/06/07(水) 22:18
つーか、よくよく考えると矢口って実は悪者?
45gtx:2000/07/02(日) 02:10
46名無しさん@1周年