娘。の野球小説

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72とにかく横浜は走りまくります。
横浜スタジアムは、開幕戦から一方的な展開になっている。
昨年11勝と名古屋で唯一の二桁勝利を挙げ、来日2年目にして開幕投手に指名されたレファに対し
横浜が先制パンチ。
初回制球の定まらないレファから先頭の辻がストレートの四球を選ぶといきなり2盗を決め、
2番加護がセンター前にはじき返し、まず1点を先制。
続く矢口も四球を選び無死1,2塁。
さらに、初の開幕投手に緊張するレファに追い討ちをかけるように、意表をつくダブルスチールを
決め無死2,3塁。
ここで、今年から4番に入ったミカが右中間に2ベースを放ちいきなり4点を先制する。
この後も、小刻みに追加点を奪い8回を終わって9−1と横浜がリードする展開になっていた。

そして勝負をあきらめたのか、9回表の名古屋のマウンド上には石川が上がっていた。
・・・今年こそ頑張らなくちゃ。
石川が両手で頬を叩きながら気合をいれる。
しかし気合を入れる石川とは裏腹に、バックは無気力になっている。
石川が投げている時点で負け試合だと言うことを、皆がわかっているようだ。