小説 R−17(娘。version)

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「来てるじゃん、メール」
カウンセリングルームの圭織のパソコンに、初めてのメールが届いた。
スクールカウンセラーという自分の存在を頼りにしてくれる生徒がいたのだ。
圭織は嬉しくなって、急いで受信ボックスを開く。
『本当に助けてくれるの? ブルー』
たったそれだけの短いメール。
誰が出したのかもわからない。
そのメッセージの裏にどんな気持ちが隠されているのか、どんな悩みを抱えているのか・・・・。
送ってきた生徒のことを考えると、圭織はいてもたってもいられない気持ちになった。
いろいろ話を聞いてあげたい、早く楽にしてあげたい。
しかし、はやる気持ちを抑えて、圭織は努めて気楽に、シンプルに返事をしたためた。
『ブルーさんへ。いつでも相談に来てください』
変身すると、圭織は満足げに微笑んだ。
彼女はここに来てくれるだろうか。
彼女を救ってあげることができるだろうか。
今は不安というよりも、これから始まる仕事への期待のほうが大きかった。