小説「M。リーグ」

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30TONBA

「お疲れ様でした〜。」
吉澤がさっさと着替えて、
吉澤は、中澤のいる医務室まで走って行った。
「失礼します!」
吉澤が医務室に入った。
「あ、ひとみ。お疲れ様。」
「中澤先輩、足、大丈夫ですか?」
吉澤が心配そうに笹本に言った。
「うん・・・古傷がちょっと痛んでな・・・でも大丈夫や。」
「まだまだ先輩には教えてもらう事がありますからね。」
吉澤が笑って言う。
「あ、私、もう帰りますから。足、気をつけてください。」
吉澤が扉を開けて、外へと出て行った。
中澤は何か深刻な顔をしていたが、吉澤はそれに気付かなかった。

次の日から、ネロ監督の総指導のもと、練習が開始された。
練習時間は少なくなったが、密度の濃い練習メニューとなっている。
チームのメンバーはすこし疲れているようだ。
練習のしめに、紅白戦が行われる事になった。
コーチがネロ監督からもらったメンバー表を発表する。
「赤組・・・・・・中澤・・・・。」
中澤の名が呼ばれる。
(ま、当然か・・・・。)
吉澤が、下を向きながら発表を静かに聞いている。
「白組・・・・・吉澤・・・・。」
(え!?)
吉澤は自分の名前が呼ばれたことに気が付いた。
しばらくは信じられなかったが、ビブスを渡されて、初めて選ばれたという実感が沸いた。