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49ブラインド・ウォッチメイカー
「う…、ひっくぅ…」
加護は今や身も心もぼろぼろである。
抱かれたのではなく、犯されたことを悟ったのだ。
好きな人に犯されることほど辛いものはないだろう。
傷つけられ、血に染まった部分を応急処置しながら、あまりの情けなさに
涙が後から溢れ出た。
マットの上に突っ伏して、声を上げながら、加護は泣いた。
泣くことしかできなかった…。

秋澤といえば家に帰るまでに、その一年のことなど忘れてしまった。
秋澤の現在の住所は、学校から歩いて20分ぐらいのマンションである。
老朽化の進んだ小さなマンションではあるが、秋澤は結構満足している。
なにしろ一人暮らしなので、かわいい恋人である石川梨華を連れ込み放題
なのである。
四月初旬に想いを遂げて、今二人は甘ったるい恋愛の真っ最中だ。
秋澤が優しい笑みを浮かべる相手は、現在石川梨華しかいないのである。