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182132です
 俺は夜の住宅街を走った。五分ほどで駅前通りにつく。少ないながらも人がいる。昼は相変わらず暑
いからか、半袖の人がいる。夜は冷えるのか、薄手のカーディガンを着ている人がいる。今は九月だ。
全国展開しているファミリーレストランチェーンの建物が見つかった。鉄筋コンクリート二階建ての建
物だ。一階は駐車場、二階は店舗。稼ぎ時のずのディナータイムなのに、駐車場に車が少ないのが気に
なった。
「いらっしゃいませ。何名さまでお越しでしょうか」
 階段を上って店に入る。この対応はなんだ。一人に決まっているじゃねえか。見て分からないのか。
「いや、連れが先にきているんで」
「でしたら突き当たり曲がりまして左の席にいらっしゃると思います」
 何て適当な対応だ。まあ、いい。店員に言われたとおりに進むと、「禁煙席」と仕切られたコーナー
に吉澤の姿を認めた。
「よ、よう」
「まあ、座って」
 吉澤はメニューを手渡した。
「注文は何がいい?」
「吉澤は?」
「私はコーヒー。君は?」
「お、俺はオレンジュースで」
 吉澤が少し手をあげるとすぐ店員がやってきて、注文を受けるとすぐに帰っていった。すぐ近くで旧
式のエアーコンディショナーが音をたてている。辺りを見渡しても客の姿はまばらだ。俺はお冷に口を
つけた。それにしても、どうして吉澤は俺を呼び出したんだろう?