●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし PART3●

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214ドラム
>>53の続きです。
彼女はしばらくの間石川の寝顔を見つめていた。
が、やがて彼女の枕元にひざまづく。
右手を伸ばすと、さっき乾かしたばかりの栗色の髪にそっとふれる。

「綺麗な黒髪だったのに、ちょっともったいないかな……」
 石川の髪をすくように撫でる彼女の右手。
 髪をいじりながら、いつしか妖しく高鳴ってくる吉澤の胸。
 思わずいたずらしたくなって、右手の指をそのまま石川の顔に持っていく
吉澤。

「梨華ちゃんて、ホント可愛いな。お肌もツルツルだし、シミとかも
ないし……」
 おでこの生え際から鼻すじ、頬にかけて指をすべらせていく。
「羨ましい……あたしなんか、ホクロいーっぱいなのにさ」
 人差し指で石川の鼻の頭を撫でる吉澤。
 赤ちゃんみたいなすべすべの白い肌、長いまつげ、綺麗なピンク色の唇……
つぶらな彼女の瞳は、今は閉じられていて見えなかった。

「ううーん……」
石川の顔が、ゆっくりと左右に振れた。あわてて右手を引っ込める吉澤。
215ドラム:2001/05/13(日) 09:18 ID:RSy52ioI
彼女はしばらく石川の寝顔を凝視していたが、また静かに寝息を立て始めたの
を見てほっとしたように胸をなで下ろした。
 微笑みながらつぶやく。
「明日も早いし、あたしももう寝なきゃね。いたずらしちゃって、ごめんね」
吉澤は居住まいを正した。軽く咳払いをすると、石川の耳元に唇を寄せる。
頬を赤らめつつ、ささやくように彼女は言った。

「おやすみ……大好きだよ、あたしの、梨華……」
 ためらいながら言い終わって、吉澤は恥ずかしげに唇を噛みしめた。
 真っ赤な顔でうつむく彼女。
 カーテンのすきまからこぼれてくる明るい月の光。
 夜の静けさが、あたりを覆い尽くしていく。

 そのとき……

「あたしも、よっすぃ〜のこと大好きよ……」

「え?」
 思わず顔を上げる吉澤。
 寝ているはずの石川の瞳は、いつの間にか開かれていた。
 自分をまっすぐに見つめているつぶらな瞳。
216ドラム:2001/05/13(日) 09:20 ID:RSy52ioI
 驚きで目を大きく開く吉澤。
「ちょっ……や、やだ……」
 彼女の顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。
「ま、まさか……起きてたの? ひょっとして全部、聞いてた?」
 石川は彼女の問いには答えずに、そのまま両手をさしのべた。
 身体を起こすと吉澤の首に両腕を巻き付け、自分の身体を引き寄せる。
「ありがと……よっすぃ〜。とっても嬉しい……」
 ふるえる声で彼女は続ける。
「あたし、よっすぃ〜にはわがままなことばっかり言って……今日だって
本当は気を悪くしてるんじゃないかって思ってて……嫌われちゃったら
どうしようかと……」
「梨華、ちゃん……」
 彼女の身体を抱きとめながら言う吉澤。
「気を悪くなんて、してるわけないじゃないか。ホント言うと、私も今夜は
一人でいたくなかったんだ。だから、いまここに梨華ちゃんが居てくれて
とても嬉しいんだよ」
 吉澤の両腕に巻き付いている石川の手に、力が込められる。
 ますます強くしがみつく彼女。
「嬉しい、ありがと……よっすぃ〜、大好き」
「あたしも、さ……梨華ちゃん」
 吉澤は、彼女を抱き留めている腕の力を緩めた。
 ふたりは、ゆっくりと布団の上に倒れ込んでいく……