●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし PART3●

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328ブラインド・ウォッチメイカー
「部長〜、お願いしま〜す」
今にも土下座せんばかり勢いで頼み込むバレーボール部員たちを
椅子に座って見下ろして、石川梨華(高校3年・バレーボール部
部長)は、むっつり押し黙ったままパックの牛乳を飲んでいた。
総勢10人の部員たちは、無視する石川に尚も食い下がる。
「部長は吉澤ひとみさんと仲がいいんですよね?幼稚園の頃から
一緒だし」

「あのね…」
意を決したようにようやく石川は口を開いた。
「何回も言ったと思うけど、私は吉澤さんと特に親しいわけじゃな
いのっ」
「で、でもぉ」
言いにくそうに、一年生が言った。
「部長が一番、吉澤さんとしゃべる回数が多いじゃないですかぁ」
「そうですよ。私なんか近寄りがたくて、とてもとても」
「だ〜か〜ら〜!それはあの人が、なんだかんだと私に文句をつけ
てくるからなの!私の方から話しかけたことはないんですっ!」
「文句でもいいから話しかけられたいな〜、吉澤さんになら」
石川はキッと彼女たちを睨み付けた。
「それはあなたたちがあの人のことを知らないからでしょう。
すっごく意地悪なんだから!」