いいっすか?

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116TONBA

「矢口さん、なんの話をお二人でされてたんですか?」
「今度の仕事の事だよ。」
矢口は台所でお茶をいれながら言った。
台所は玄関からみて西側、つまり飯田から見て、右斜めにある。
カウンターになっているので、お茶を入れていても、その姿が確認できる。

「飯田さんは、今度の仕事どう思いますか?」
石川が矢口の方向から振り返り飯田に声をかけた。
「えっとね・・・・さっき矢口の言った通り、スキーだと思う・・・。」
「え〜それは違いますよ。私は雪合戦と思います。」
「・・・・・・・・・・。」
「キャハハ〜〜!圭織と同じ発想だね。ね、圭織!」
矢口がお茶を2人の前に置きながら言った。
飯田は無言のまま、下を向いている。
「あ、あの・・・飯田さん?私、何か気に入らない事でも言いましたか・・・。」
石川が飯田に声をかけたが、飯田は相変わらず下を向いている。
「梨華ちゃん、あんたと同じ思想の持ち主とわかったから、ショック受けてるんだよ。」
矢口が石川にも一撃くらわせた。
二人はそれから一言もしゃべらなかったが、矢口は一人だけ寝るまで話していた。