「●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし●」

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670ブラインド・ウォッチメイカー
後藤の方はといえば、今日も元気に吉澤に付きまとっていた。
(後藤真希も、ひとみの奴隷なのかな?)
本人もまわりの人間も何も言わないが、後藤はそのつもりで来たとし
か思えない。
ただ、後藤と石川の決定的に違う点は、石川に対しては陰口をたたく
生徒達も、後藤に対してはまるで吉澤に対するかのようにやや遠慮が
ちに接することだ。
(なーんかへんだよ、この学校。まあ、ヘンと言えばひとみが一番ヘ
ンなんだけどさ)

石川は無意識のうちに、そっと自分の腕に触れてみた。
後藤が忍び込んできた夜、ベッドから落ちた石川を運んでくれたのは、
間違いなく吉澤のはずだ。
(ホントにヘンな人、ひとみって…)
思いやりなんて微塵もないのに、時々ひどく優しげに見えるのは、絶対
あの顔のせいだと石川は固く信じている。
ベッドに運んでくれたのだって、きっと通行の邪魔だったからとか、そ
んな理由からに決まっている、と。
(ひとみって普段、何を考えているんだろう?)
石川の心はここ数日、吉澤のことでいっぱいだった。
吉澤が何を思いながら自分を抱いているのか、無性に知りたくてたまら
なかった。