「●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし●」

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399ブラインド・ウォッチメイカー
と、吉澤はおもむろに上体を起こし、暗がりで石川を見据えて低く言い放
った。
「いい加減、私に構うのやめてくれない?」
「な…!?」
心外なことを言われ、石川はカッとなり言い返す。
「さ、先に手を出してきたのはそっちじゃない!私はなんにもしてなかっ
たのに!」
「うるさくつきまとってきたでしょう」
冷たく即答されて、石川はぐっと返答に窮した。
確かに石川は、真実を問いただすために吉澤に詰め寄った。
しかし、それだってもともとの原因は吉澤にあったはずだ。

「なんで、そーゆー言い方しかできないの…?」
口で勝てないことはもう分かり切っている。
これ以上石川は、吉澤になにかを期待するわけではない。
が、なぜだかあの日、坂道であった時のことばかり脳裏に思い出されて、
石川は急激に悲しみに胸を衝かれた。
「私が、あなたに、何をしたって言うのよっ!?」
泣きたくもないのに涙が溢れてきて、石川はぐっと奥歯に力を入れた。
最悪だった。
よりにもよって吉澤の目の前で泣いてしまうなんて、石川にとっては殴ら
れる以上の屈辱だ。
何とか堪えようとしても、一度せきを切った流れは止められない。