「●(#´▽`)´〜`0 )Love〜いしよし●」

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327ブラインド・ウォッチメイカー
ともかく石川はここを出ていきたいと思っていた。
こんな暗い学校でこんな生活をするなんて、本当はもう一日だって耐えられ
そうもない。
しかし、行く当てはない。
ここを出ていったら、冗談ではなくホームレスになるしかない。
さすがに、それだけはごめんだった。
それに、このまま泣き寝入りするなんて、いくら何でも石川のプライドが許
さなかった。
皮肉なことに、吉澤の強姦は石川の負けん気に火を灯したのだ。

ようやくタオルで身体を拭いて、石川はシャワー室へと向かった。
シャワーを浴びて部屋に戻ると、吉澤が食堂から戻ってきていた。
石川は吉澤を見るや条件反射でドアの向こうへ後ずさった。
「か、帰ってたの…!?」
「ええ」
吉澤は机に向かったまま、短く答えた。
まるっきり、何事も起こらなかったような様子だった。
石川はそろりとすり足で部屋に足を踏み入れながら、自分に言い聞かせる。
(うう…、逃げちゃダメ!ビビったら負けなんだから―!)
狂犬と目があってしまった時のような激しい緊張を、石川は感じずに入ら
れなかった。
それも当然だった。
ほんの一時間前まで自分を強姦していた人間を目の前にして、怯えずにい
られるわけがない。