ブレアウィッチ娘プロジェクト

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67ブレア娘。
しばらく時が流れた。
その間は風が吹き鳥が鳴く普通の森だった。
「答えてよ…よっすぃー…。ねぇ…やっぱ…私がよっすぃーを殺しちゃ…」
そう後藤が言いかけた瞬間、中澤は足元にあった大きめの枝を持ち上げ、
吉澤の死体を殴りつけた。
枝が折れては、また違う枝を拾ってきた。
骨の砕ける音、顔に飛び散る血。
足が震える…。手の感触…。
中澤は目をつむった。決して開ける事など出来なかった。
後藤は呆然として中澤を見つめていた。
「はぁはぁ…、これでどうや。吉澤を殺したんは私や。
後藤が殺したわけじゃないで…。悪いのは全部私や…。後藤じゃない…」
吉澤を殴り終わった中澤が尻をぺたんと地面につけた。
「裕ちゃん…」
今まで我慢していた涙が止めど無く溢れ出した。
一瞬、元の後藤の優しい声が聞こえた気がした。
「ほら、後藤。こんな殺人者とおったら危ないで…。さっさとどっか行きぃな」
涙を流している後藤に、中澤は冷たい言葉を告げた。
だが、後藤は中澤から離れては行かなかった。
「なんや、荷物が増えてしもうたなぁ!」
2人はくすくすと笑いあった。
久々に、この森に笑顔が取り戻された。