ミステリー小説「安倍なつみ殺人事件!!」

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37大河好き
飯田圭織と矢口真里は両手一杯に荷物を抱えていた

矢口「こんな夜中に行ってもいいのかしらね?」

二人はバスの事故で怪我をしてしまった中澤への見舞いを
持ってきたのだ

矢口「ゆうちゃん大丈夫かしらね・・・ なっちが死んでしま
てただでさえ気持ちが参ってしまっているはずなのに さらに
事故で怪我をしちゃうなんて・・・」

飯田「大丈夫よ ゆうちゃんってああみえて結構図々しいから
あと一週間くらいしたら全部忘れてケロッとしてるわよ」

矢口「そんなもんなのかしらね?」

飯田「そんなもんよ」

矢口「ううん でも『解散』についてはやっぱりショックなんじゃない?」

飯田「ああ 大丈夫 大丈夫」

矢口「何が大丈夫なのよ!?」

飯田「解散してもまた再結成しちゃえばいいのよ 今度は吉本興業あたりでさ」

矢口「アンタ世の中甘く見過ぎよ!」

飯田「あっ!!」

矢口「えっ何!? どうしたの!?」

飯田「・・・聞こえた・・・」

矢口「カオリまた何か『受信』したの?」

飯田「ううん違う・・・裕ちゃんの声が聞こえた・・・」

矢口「裕ちゃん?」

飯田「うん裕ちゃんだ間違いない ヤグチッ行こっ!」

矢口「あっうん あっコラッ 荷物を全部置いてくな!!」

飯田には中澤の叫び声が聞こえたようだ 彼女は中澤の住むマンションに全速力で走って行った

階段を駆け登り中澤の部屋の前にたどり着いた

飯田「裕ちゃん・・・」

玄関の戸にはチェーンがかかったままでそのすき間から気絶している中澤が見えた

飯田は手を伸ばして中澤の頬を叩いた

パシッ パシッ

「ほらっ起きなさいっ!! オハヨー!!」

中澤はうっすらと目を開けた

飯田「裕ちゃんどうしたの?」

矢口「はあっ はあっ カオリッ!! ひとつくらい荷物もってよ!!」

中澤は体をおこし そして飯田の顔を見た
戸のすき間からは飯田の顔が中澤を見下ろしていた

中澤「ギャァァァァァァァ!!」

中澤はまた気絶してしまった

飯田「どーしてカオリの顔みて気絶すんの!?」