ミステリー小説「安倍なつみ殺人事件!!」

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125最終回
次の日中澤の部屋にユウキとソニンの二人が訪れた

中澤「安倍のお母さんは何と言っていたのでしょうか?」

ソニン「ええ それなんですが動機について尋ねてみたんです
けれども・・・」

中澤「はい」

ソニン「あの母親は完全に精神に異常をきたしていましたね」

中澤「・・・」

ソニン「なんでも娘、つまり『なつみを守るために殺した』と
言っているんです」

「守るために?」
中澤は眉をひそめた

ソニン「そうなんです なんでも母親が言うには『なつみは私
から離れてはいけない 私から離れたらなつみは不幸になる』
と思い込んでいるんですね」

中澤「どうしてそんなふうに思ってしまったんでしょうか?
考え過ぎのような気がしますが・・・」

ソニン「そうです 考え過ぎです 異常ですね あの母親はなつ
みさんが小さいときから彼女を溺愛していたんですね おそら
く夫婦間の不和が娘への溺愛というかたちで表
れたのだとおもいます」

「そうなんですか・・・」中澤は胸が痛くなった モーニング
娘。で安倍が活動を続けていたことが安倍の母親を精神異常に
追いこんでいたなんて・・・

ユウキ「それ以上のことはまだ何もわかっていません 今後の
捜査や裁判などで徐々にわかっていくと思います」

ソニン「精神異常であることは間違いありませんから実刑は下
らないと思います・・・でも もしかしたら永遠に病院から出
られないかもしれません」

「そうですか」
中澤はうなずいた
そして立上り窓によった 窓を開け外の風を体に感じた

(なんでこんなことに・・・)
中澤はなっちが最後に唄った歌詞を思いだした

「わがままな娘でごめんね」

中澤は涙をこぼした

「あっ!!」中澤は声を上げた

なんと殺されたはずのバスの運転手がアパートの下を歩いてい
たのだ

「なっ・・・なんで?」

まだ事件は解決していないのか? 中澤は恐怖に凍りついた

桜の木の下を運転手はゆっくりと歩いていた
中澤はじっとそれを窓からみつめていた

春の生温かい風が中澤の頬を撫でた

ーーーーー「安倍なつみ殺人事件!!」終わりーーーーーー