市井ちゃんが屋上から下を覗き込みながら尋ねた。
「ねぇ、私、おかしいのかなぁ?」
ううん、市井ちゃんはおかしくないよ。後藤は嬉しいよ。
だって、しょーがないよね?女同士じゃ結婚できないもんね?
こーゆう方法でしか、市井ちゃんと後藤の愛は成就できないよ。
市井ちゃんも同じ気持ちでしょ?
「後藤、覚悟はいい?」
うん。
市井ちゃんと一緒なら、何も怖くない。
市井ちゃんと一緒なら、この世に未練はない。
市井ちゃんと一緒なら…。
二人で屋上の柵を越え、手を繋いだ。
あれっ?市井ちゃん、凄い汗かいてるね?
それに、何で後藤と目を合わせないの?
「ゴメンね、後藤」
えっ!?なっ!何でっ!
ズルイよっ!いち―――――ちゃ―――――んっ!!!
グヂュ。
完