あるよく晴れた日、お母さんが家を出て行った
あるよく晴れた日、お母さんが交通事故で死んだ
あるよく晴れた日、お姉ちゃんが付き合ってた男の人に殺された
あるよく晴れた日、ペットのハムスターが病気で死んだ
・・・みんな自分勝手すぎるよ。
私は今日も一人ぼっち。
私はいつも悲しかった。
もっと頭を撫でて欲しかった。
もっと一緒に色んな話をしたかった。
もっと一緒に寝たかった。
もっと、もっと。
ううん。でももういいの。私は自由になるの。全てのことから・・・・
希美は廃ビルの屋上に上り転落防止用の鉄柵を越えた。
わずかばかりの足場を確認し下を見る。
眼下に広がる眠らない街東京。きれい。心からそう思った。
怖くなんか無い。大丈夫。サヨウナラ私・・・
踏み出した足は地面に着地することなく希美の体は重力に従い東京の街に吸い込まれていった。
了