リレー小説 『HERO(娘バージョン)』

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108名無し娘。
話は15分程前に遡る。

麻薬取締官四人は向かいのビルに潜伏し、小室の部屋を張り込んでいた。
すると不審な男が、室内を荒している。警察に確認を取ると刑事では無い。
慌ててマンションへ向かうと、一人の女が部屋へ忍び込むのが見える。
取締官は二手に分かれ部屋を包囲する。

「あっどーも!佐川急便です。お届物に来ました!」
呼び鈴を鳴らし、銃に玉を込め、突入のタイミングを計る。
だが、中の男に感づかれたらしく扉は一向に開く気配がない。
扉を叩いてベランダの二人に合図を送る。
「ドンドンドンドンッ!」
扉に耳を充て中の様子を探ると、どうやら格闘が始っている様だ。
「ぐふっ!・・・ ゴキッ!・・・ バタンッ!・・・・・・・・・・・・・・・」

(やったのか?それとも・・・グズグズしてられんっ!)
ドアノブ目掛けて引き鉄を引こうとしたその時、同僚がその銃を払った。
「待って下さい!開きますよっ!」
だが遅かった。既に発射された2発の弾丸は方向感を失い、偶然にも仲間の胸を貫いてしまった。呆気に取られ思わず口走った。
「何だ、大魔人そこに居たのか?」

すると、若い二人組がエレベーターを降り、コッチに近付いて来る。
見ず知らずの相手に身分を明かす訳にもいかず、咄嗟に身を隠す。
「あいつ大丈夫か!幾ら弾チョキ着用してるからって、こんな至近距離じゃ」
「平気さ。知ってるだろ、あいつが何で大魔人って呼ばれてるかって」
若い二人組に気付かれない様小声で話していると、玄関前に到着した若い二人組が拳銃を取り出し、同じ様にドアノブ目掛けて発砲し、突入して行った。
「手を上げろ!警察だ!」

開いたドアの隙間から、若い女の声が漏れてきた。