よっすぃ〜のプッチエロ小説。

このエントリーをはてなブックマークに追加
620名無し娘。

子供の頃、屋台で買ってもらった風船を、ふとした拍子に手放して
しまった事がある。
どんどんと小さくなってゆく風船を見ていると、何だか寂しくて、
私は遠ざかる風前を泣きながら見ていた。

きっと今の私は、さっきよりももっと醜い顔をしてるんじゃないの
かな。
だから余計に、辛うじて残ってる理性から絶対に梨華にそんな顔は
見せられないと思ったし、もちろん飯田さんや矢口さんを含む部の
みんなにも見られたくなかった。
だからこの真っ暗な物陰に隠れたまま、しばらくの間そこにいた。

…柄にもなく泣いてしまった。

風船をちゃんと握っておけなかった自分が本当に情け無くて、
涙はいっこうに止まらなかった。
前髪から垂れる水滴と混じって、涙はしょっぱくてマズかった。