よっすぃ〜のプッチエロ小説。

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480名無し娘。

「やだ、もう混んでる!」
購買部へやって来ると、すでにお弁当売場は長蛇の列が出来ていた。
「もうっ、山崎のせいだ!」
4限の国語教師は時間きっちりに授業をするので昼前の授業に当たると
いつも弁当を買いそびれていた。そしてその度に私は真希の同じグチを
聞いていた。
「しょうがないよ、とりあえず並ぼ」
ふくれっ面の真希を諭しながら手を引いて列の最後尾に並ぶ。

列の中には見知った同じバレー部員達の顔もいくつかあって、彼女らと
目が合うと適当に挨拶をした。更に辺りへと視線を泳がせる。
(…いないかなぁ)
気付けば梨華の姿を探していた。
考えていても答えは出ない。そう結論付けたけど、どうしたらいいのか
分からない。せめて昨日したことだけでもを謝った方がいいのか…。
横でグチを続けている真希に適当に相づちを打ちながらそう考えて
いたところだった。
481名無し娘。:2001/07/23(月) 23:22 ID:3rDTNV4I

(…いた!!)
幸か不幸か、偶然にも梨華の姿を見つけた。
けれど意外にも梨華は1人じゃなかった。
ちょうど自販機の前、どこかかしこまった様子で向かい合ったまま
見知らぬ女の子と話をしていた。

私は嫉妬心でも抱いているのか、思わず相手の女の子の顔を睨み付けて
いたみたい。
「よっすぃ〜、すごい顔してどうしたの?」
気付くと真希の顔が視界一杯に広がっていて、そのファニーフェイスを
余計不思議そうにして私の瞳を覗き込んでいる。
「ううん、何でもない」
そう言いながらさり気なく梨華の方へ視線を戻す。すると梨華は相手の
女の子から何かを受け取った。あれは…恐らく手紙。
「あ!あんな所でコクってるぅ!」
いつのまにか私の視線の先を辿っていた真希は、梨華たち2人を見て
茶化すように言った。
「なに?よっすぃ〜あのコが気になるの?」
「…まさか」
顔には出さなかったけど内心ドキリとした。
もっとも真希が私達の関係を知っているワケないんだけれど。

「…ふ〜ん、ずいぶんと質素なコ」
2〜3度瞬きをすると、真希はあごに指を当てたまま値踏みでも
するかのように言った。
482名無し娘。:2001/07/23(月) 23:23 ID:3rDTNV4I

そのまま相手の少女はどこかへ走り去ってしまった。梨華はそれを
手にしたまま困った表情で立ち尽くしている。
けれどしばらくしてその手紙をブレザーのポケットに隠すように
しまい込むと、辺りをキョロキョロと見やりながらさっきの少女が
去っていった方へと消えていった。

「あ〜、やっぱり山崎のバカヤロウ!!」
その声に振り返ると、いま丁度お弁当が売り切れたところで、
真希は身振り手振りで不満を表していた。
結局お弁当は買えず仕舞い、さらにパンも1つしか買えずに、
それを2人で半分こして少しだけ空腹をしのいだ。

「ヤキモチ妬くなら世話焼いちゃえってね…
 そのまえにパン焼いて欲しいなぁ…って、アハハッ!!」
5限のベルが鳴る前にそうやって笑った真希がひどく印象的だった。