小説『BAYSAIDE SHAKEDOWN〜愛の駆け引き〜』

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1天童
舞台:西暦2007年。東京。
概要:本線はいしよし(かっけーよしことカワイイりかっち)。その他やぐよし等少々。
登場人物:

吉澤ひとみ
22歳。水上署刑事課強行犯係。巡査部長。高校在学中婦人警官採用試験に合
格。翌年警察学校入学。卒業と同時に目黒署地域課配属。連続ストーカー殺人
未遂事件の犯人をパトロール中に現行犯逮捕し警視総監賞を受賞。その功績と
美貌による上司受けによって、本ポストに栄転。明晰な頭脳により若干22歳
で巡査部長昇進試験に1発合格。ノンキャリアとしては異例の出世スピード。

石川梨華
22歳。都内有名女子私立大大学院在学。幼稚園時から私立女子のエスカレー
ター式に進学。その為男を知らず、男性恐怖症。容姿端麗。石川財閥の令嬢。
母親を殺され父親と2人家族。母親の殺人事件で吉澤に会い、一目惚れし好意
を寄せる。

矢口真里。
24歳。OL。吉澤のルームメイトであり、高校の先輩でもある。吉澤が警察
署の女子寮に入らない理由の1つ。肉体関係を含む恋愛関係は高校在学時より
続いている。

安倍夏巳
30歳。警視庁捜査一課管理官。警視。国家公務員上級職のキャリア。東大閥
である官僚の中で異例の北海道大卒。その事がコンプレックスになっている。
『なつみ』と読む名前と童顔から『なっち』とフザケ半分に呼ばれることも。
ちなみに男である。

保田圭
31歳。水上署刑事課強行犯係。警部補。吉澤と教育係としてコンビを組む。
気のいい性格から「圭さん」と呼ばれている。吉澤の事を気に入り、「『圭ち
ゃん』と呼べ」と言っているがばだ実現していない。ちなみに彼も男である。

中沢裕子
38歳。警視庁捜査一課。警部。矢口と古い知り合いで、そのツテか吉澤によ
く情報を流してくれる。本庁ということを鼻にかけたところがなく、水上署員
には受けがいい。多忙の為、独身で彼氏もいない事が最大の悩み。

飯田圭織
58歳。水上署の女署長。時々ボーッとする癖がある。通称『交信』。実は安
倍と同郷で腐れ縁がある。

後藤真希
殺人事件の最有力被疑者。学校1カワイイと言われる高校生という以外謎。
2天童:2001/08/12(日) 22:50 ID:bRHq.bVc
「ふはあ〜〜」
私は電話を切ると、大きなあくびを1つした。
今年の春、この刑事課に移転になって早4ヶ月。随分仕事にも慣れてきたところ。
私はいつも早い時間に出勤する。なぜかと言われても答えずらいが、多分習性といったところか。だが、
『え〜と、みそラーメンとレバニラ炒め』
なんて間違い電話が掛かってきたらあくびも出るという物、交換台を通しているはずなのに。
にしてもこんな朝っぱらからラーメンとは・・・と思っている横で盗犯係の刑事が「豚キムチラーメン」を食べていた。
と、誰か刑事課に入って来た。
「おはようございまーす」
私は先輩であり、教育係でもあるその刑事、保田さんに声を掛けた。
「保田さん・・・泊まりだったんじゃ・・?」
「あ。なんか通報あってさ。覆面(パトカー)で急行したんだけど、防犯ベルの誤報だとさ」
と、車のキーを指でチャラチャラさせている。
「ご苦労様です」
パトカーという物は鍵が警務課に保管され、課長と係長の判が無いと借りられない用になっている。
『ジリリリリ!!』
『警視庁から入電中、警視庁から入電中。管内港区・・・・』
近くの民家での殺人事件の通報が入り、私と保田さんは刑事課を飛び出した。
3天童:2001/08/12(日) 22:50 ID:bRHq.bVc
「ちぇっ」
「まあそういわないの」
保田さんはそういうが、やっぱり面白くない。
私たちが現場に到着したとき、すでに機動隊が到着していた。
つまり私たちには何も仕事がないって事、見てるだけ。
ああ・・つまんないの。
その刹那
「所轄いないか?!」
という声が聞こえた。
「はい。います」
保田さんが答えた。
「被害者の娘が犯行を目撃したかもしれない。署に連れって保護してくれ」
とだけ言って、また奥へ行ってしまった。
それと入れ替わるようにこちらへきたのは中年前の女性刑事。
4天童:2001/08/12(日) 22:51 ID:bRHq.bVc
「お疲れさまです」
「おう」
中澤裕子。本庁の人だがいろいろと情報を流してくれる人だ。
「え〜と被害者は石川君恵。39歳。・・・石川財閥の社長の奥さんや」
「え?石川ってあの?」
中澤さんは1つ頷き、
「そうや。社長さんはえらい忙しいみたいでさっぱりつかまりへんわ。自分の奥さんがこないなったちゅうんもまだ知らんのやろ」
「被害者の娘ってのは?」
「ああちょっと待ってや」
中澤さんは手前の部屋に入っていった。
「石川財閥ってあれですよね?」
私は保田さんに言った。
「そうだろ、その娘って事はご令嬢ってやつだな、媚びでも売っとくか」
「またそんなこと・・」
「待たせたな」
中澤さんの後ろに俯きながら出てきた少女――に見えた。
22歳というその女性は、どう見ても少女といった感じだった。
「この子や。水上署で保護したってや」
――これが彼女、石川梨華との出会いだった。
5天童:2001/08/12(日) 22:51 ID:bRHq.bVc
「おっかえり〜」
私が玄関のドアを開けると、これまた少女のような(一応年上)が抱きついてきた。
「お仕事疲れた?ご飯にする?お風呂にする?それともヤグチ?」
この人がいうと冗談も冗談と聞こえないことがある。
「すいません。ちょっと疲れてて・・・」
と、適当にごまかす。
「なんだよ〜ただいまのキスもなしかよ〜」
プーと膨れてみせる矢口さんがたまらなく可愛くなって
「チュ」
っとほっぺに唇をつけた。
「忙しいって・・・なんか事件でもあった?」
「殺人事件あって、うちに特別捜査本部がたっちゃって」
「ああ、ニュースで見たよ。石川財閥の社長の奥さんだっけ?」
「そうです。やっと社長がつかまって、話聞けたのがもう夜で」
「早朝の事件だよね?さすが社長さんそ〜と〜忙しいんだ」
矢口さんは夕ご飯の支度をしながら言う。
保田さんと軽く食べてきてしまったのだが、折角用意してくれたんだし、小腹も空いていた。
6天童:2001/08/12(日) 22:51 ID:bRHq.bVc
「あ。そういえば矢口さんの会社って」
「うん。石川物産の下受け。でも私は受付嬢だもん。関係な〜いね」
矢口さんは高校時代の先輩。入学直後から私のことを気に入ったらしく、いろいろ教えてくれた人だ。
現在のような関係になるのにもそう時間は掛からなかった。
私と一緒に婦人警官採用試験を受けるはずだったが身体基準(ちなみに身長155cm以上体重45kg以上というもの)が合わず、今の会社を受けのだ。
「――で、どうなの?捜査は順調?」
「殺しですからね。完全本店のしきりです」
「ああ、あの夏巳ちゃん?女の子みたいな顔した管理官だっけ?」
「ふふ・・・眉間皺なんか作ってるんですけど悲しそうな表情になっちゃうんですよね、あの人の場合」
――悲しげ。私はあの「令嬢」の事を思い出した。
石川梨華・・さん。男性恐怖症とかいうやつらしく、同姓で同年輩の私が事情を聞くことになったのだ。
7天童:2001/08/12(日) 22:52 ID:bRHq.bVc
「えと、お名前は?」
「・・・石川梨華です」
「殺さ・・・無くなった君恵さんの――娘さんですね?」
彼女は小さく頷いた。
「・・・名前」
「え?」
「・・・あの・・名前」
「ああ私?ごめんなさい忘れてて。はい。吉澤ひとみといいます」
と、私は名刺を差し出した。
「・・ひとみちゃんね」
「え?はあ・・まあ」
初対面でいきなり「ちゃん」呼びされたのは初めてだ。まあお嬢様学校に幼稚園から行ってるご令嬢だ。そんなものなのかな。
「え〜、貴方は死んでいるお母さんを見たんですね?」
注意していなくては分からないほど小さく頷く。
8天童:2001/08/12(日) 22:52 ID:bRHq.bVc
確認済みのことだ。検死官の話では死後数時間が経過しているらしい。
「貴方は今朝帰宅後直後に発見された」
反応なし。
「こんな時間まで何処に?」
「友達の家に泊まって・・・」
「その方の連絡先は?」
彼女が言った携帯の番号に後で掛けたところ、彼女の話との相違点はなかった。まあ疑うのが警察の仕事だから。
「発見されたときの状況を詳しく――」
その時まだ私は気づいていなかった。彼女が、梨華さんが私にある種の視線を向けていたことに。
9天童:2001/08/12(日) 22:53 ID:bRHq.bVc
夜6時。捜査会議が始まった。大会議室に移動すると、捜査一課長の山岡警視正、管理官の安倍夏巳警視、その他一課の刑事中澤さんの他、室山悠治刑事、三村和哉刑事など顔見知りの人たちもいた。
水上署の署長である飯田圭織警視正が司会をやっている。
飯田「では、捜査会議始めます。初めに、この特捜の本部長になっていただく
   警視庁捜査一課長からご挨拶をお願いします」
山岡「すでに各方面に連絡した通り、今朝方港区内の民家で死体が発見された。
   他殺と思われる。被害者は、主婦の石川君恵、39歳。捜査に全力をあ
   げて欲しい」
安倍「では、最初に被害者の検死、解剖の結果」
室山と三村が立ち上がる。
室山「司法解剖の結果、腹部に数カ所の刺し傷、手足に無数のかすり傷があり、
   被害者は何者かと格闘後、刃物で刺され出血多量で死亡したものと思わ
   れます。」
三村「死亡推定時刻は、昨夜11時から深夜1時の間。以上」
中澤「(立ち)被害者は昨日夕方から、自宅にいた模様です。午後6時に通い
   の家政婦が帰り、今朝までの足取りは不明。その間に殺害された物と思
   われます。以上」
安倍「第一発見者について何か判りましたか?」
吉澤「(立ち)第一発見者は、石川梨華、22歳、被害者の娘です。昨夜友人
   の家に泊まり、今朝7時頃帰宅、母親の死体を発見。110番通報しま
   した。現在事情を聞いていますが、犯人を見た様子はありません」
保田「なお、被害者の夫は福岡に出張中、現在は福岡県警に応援要請を出しま
   した。捕まり次第、事情を聞く手はずになっています。以上」
安倍「・・・・他に目撃者は」
   捜査員たちから応えはない。
安倍「では、明日からの捜査の担当の割り振りを決めます。待機」
10天童:2001/08/12(日) 22:53 ID:bRHq.bVc
「ふーーー」
私はふと目が覚め、軽く息をはいた。
――私の担当はやはり、彼女からの聴取の続きだった。本庁の男刑事が話を聞こうとしても一言もしゃべらなかったみたいで。
「・・・矢口さん?」
私はダブルベットの隣に寝ている寝顔を眺めた。捜査といっても聞き込みや張り込みの担当ではない。矢口さんと『しよう』と思えばできないことはなかったのだが・・・。
「梨華・・・さんか・・」
どうも『さん』を付けるのに抵抗を感じるのはなぜだろう?なんか気になるんだな・・・あの子。子なんて言っちゃいけないか、同い年といえど、被害者なんだし。
「よっすぃー」
「キャ!」
心臓が飛び出しそうになる。
「お・・起きてたんですか?」
「『りか』って誰?」
矢口さんはいきなり切り出した。
11天童:2001/08/12(日) 22:54 ID:bRHq.bVc
「え・・・聞こえてました?」
「だ〜れ?!」
「あ・・あの・・事件の被害者・・」
「ほぉ〜〜〜」
「な・・なんですか?」
「一目惚れしちゃったわけだ」
「なに言ってるんですか・・・」
「だ〜からオイラとも今日は・・・」
「違います!なに言ってるんですか」
「じゃあ・・・・しようよ」
そう言うやいなや、矢口さんは私の口に彼女のそれを押しつけてきた。
『クチュクチュ・・・』
いつものようにわざと音をたてて吸われる。
「・・ん・・ん」
矢口さんはおもむろに背後に回ると、後ろから手を回し私の胸をもみ始めた。
「・・・よっすぃー」
さらに姓感帯である耳に舌と唇で微妙な刺激を与えてくる。
「はうん・・・や・・矢口さん」
「ふふ」
散々矢口さんに可愛がられ(?)やっと解放され眠りについたのは、それから2時間以上たってからだった。
12ななし:2001/08/12(日) 22:55 ID:w5uUmz/2
吉澤ひとみ 22歳
石川梨華 22歳
保田圭 31歳男
矢口真里 24歳
安倍夏巳 30歳男
中沢裕子 38歳
飯田圭織 58歳
速攻見事なまでに萎え
13名無し娘。:2001/08/12(日) 23:21 ID:.I1ic5Dc
別に男にしたり58歳にしたりする必要ないんじゃ…
14名無し娘。:2001/08/12(日) 23:40 ID:iRwquc9A
関係ないが水上署は就寝点呼の前にもタバコ吸えるんだよ!
外の署は運動の時間だけ。
15名無し娘。:2001/08/12(日) 23:45 ID:KdKHXluI
ところでタイトルのスペル間違ってないか?
16加護の乳:2001/08/12(日) 23:47 ID:nWckTqgI
加護と辻も出してくれーー!!
17天童:2001/08/13(月) 08:53 ID:IcxCy9eI
>>13
ちと訳ありで
>>14
留置場はいったことあんの?それとも関係者?
>>15
ごみん。タイプミス。たぶんSと一緒におしちった
>>16
ちょい役でなら出す予定
18パヒーはよっすぃ〜お気に入りらしい:2001/08/13(月) 09:17 ID:07a2EC/s
早く続きが読みた〜い。けど、焦らずゆっくり書いてください。
楽しみにしてます
19天童:2001/08/13(月) 13:24 ID:v6iFlt8s
「おはようござ〜い・・ふはぁぁぁ」
眠い・・・矢口さんと『行為』を始めたのが1時過ぎ、終わったのが3時半。起きたのが5時で今7時。眠くない方がおかしい。
「おい吉澤」
「はい」
「管理官がお呼びだ。本部へ行け」
「・・・はい」
――ったく朝っぱらから。梨華さんの聴取の事だろうか。
「それとな・・・被害者の夫、つまり石川社長の調書がさっき送られてきた」
「ああ・・」
保田はFAX用紙の(多分コピーだろう、原盤は本部だろうし)を渡した。
「心当たりなし・・・後妻?」
「そうみたい」
――被害者は確か・・・39歳。梨華さんが22歳・・・考えてみればそうか。
「10年前に死別。3年前に再婚してる」
3年か・・・・。新しい年齢の近い母親に愛着はわくんだろうか・・・まあいいや。今度話してみればいい。
「おい。早く行け」
刑事課長にせかされ、吉澤は本部に向かった。
20天童:2001/08/13(月) 13:24 ID:v6iFlt8s
吉澤は大会議室に入ると真っ直ぐに管理官、一課長らが座ってる場所へ行った。
「何かご用で・・ふはああ・・・しょうか?」
安倍はちょっとムッとした顔で、
「用があるから呼んだんだ」
「なんでしょう?」
吉澤は欠伸をかみ殺しながら聞いた。
「被害者の娘の件だが」
「はあ」
「怪しい所は無かったか?」
「といいますと」
「被害者は彼女の本当の母親ではない。3年前に再婚している。つまり義母ということだ」
「だらって・・・ふはぁぁ」
「おい!」
欠伸を連発する吉澤に安倍が少しキレた。
「すいません」
21天童:2001/08/13(月) 13:24 ID:v6iFlt8s
「それと・・君が昨日取り調べを」
「事情聴取です」
この人は梨華さんを犯人だと思ってる、吉澤は思った。
隣の山岡一課長が口をはさんだ。
「その時君に立ち会った本庁の刑事が彼女の挙動不審を確認してる」
「室山さんが?」
――室山悠治。29歳の本庁の敏腕刑事。彼が話を聞こうとしたが黙秘され、それで吉澤が呼ばれたのだった。
「どんな・・・気がつきませんでした」
「・・・・・」
安倍は黙って吉澤を見た。
「あの・・・どんな・・?」
「君に対して何かよからぬ視線を向けていたそうだ」
「はあ?」
手を握りしめていたとか、歯をむき出していたなど見当違いな事を想像していた吉澤は素っ頓狂な声を出した。
「ど・・・その・・どういう意味で・・?」
「本人に聞け」
安倍はそれだけ言うと手元の書類に目をやった。
22天童:2001/08/13(月) 13:25 ID:v6iFlt8s
「あの・・・管理官に聞いて」
吉澤は数人の刑事を打ち合わせをしている室山に声を掛けた。
室山は視線を吉澤に向け、
「俺にも判らん」
「はあ」
「君は名刺を渡した気がつかなかったか?」
「えと・・・名前を呼ばれました」
「それもそうだが・・・それと彼女の視線だ」
「・・・視線」
「あれは犯罪の被害者が刑事に向けるそれとは違った」
「彼女が犯人だというんですか?!」
吉澤は少し声を荒げた。
室山は眉間に皺を寄せ、
「・・・何を興奮している?」
「え?・・・あ、すいません」
「違う」
「は?」
「そういう視線でもない。管理官はそう睨んでるみたいだが、俺はそうは思わん」
23天童:2001/08/13(月) 13:25 ID:v6iFlt8s
「じゃあどういう・・・」
「簡単に言えば・・・・恋愛感情」
「は!?」
吉澤は今度ばっかりは本当に驚いた。れんあいかんじょお?
「言ってることがよく・・・」
「彼女は幼少の頃から女の園で過ごしている。同姓にそのような感情をいだくこともあるだろう」
――まあ私だって矢口さんとがあるし・・・。吉澤はそう思ったが口には出さなかった。立場上、矢口との関係を誰にも話していないのだ。
「まあ・・・あくまで俺の推測だ。見当違いかもしれない」
室山は吉澤に目を戻した。
「だが彼女が君になんらかの感情を抱いたのは間違いないだろう。それはこの先使えるかもしれない」
「どういうことでしょうか?」
「捜査の担当を1部変更された」
それまで話を聞いていた三村刑事が口を開いた。
「君を捜査本部に加え、彼女の事情聴取に加え、中澤刑事と組んで正式に捜査に参加してもらう」
24天童:2001/08/13(月) 13:25 ID:v6iFlt8s
「おい。何だったんだよ」
刑事課に戻ると保田が吉澤に声を掛けた。
「応援要請です」
「おうえんようせい?」
「はい!正式に捜査に参加しろって、聞き込みとかいろいろと」
「なんで所轄のお前に?俺でさえ運転手だぞ!」
「愛の力です」
「は?」
吉澤ふふっと笑うと、
「吉澤ぁ〜!はよせいや!!」
「はい!」
廊下で待っていた中澤にせかされ刑事課を飛び出した。
「じゃいってきま〜す」
そんな吉澤を見送った保田は、
「なんだありゃ」
と言った。
25名無し娘。:2001/08/13(月) 13:28 ID:wjhUMyVQ
age更新は何かの主義ですか?
26名無し娘。:2001/08/13(月) 13:34 ID:KkleTA6Y
sageようよ。
レス1も長いしタイトルですぐに小説だってわかるんだからさ…
27天童:2001/08/13(月) 13:36 ID:v6iFlt8s
>>25-26
すまそ、ただのミスです。
28名無し娘。:2001/08/13(月) 13:42 ID:vSqVPmuo
>愛の力です

ワラワラ!!!最高!
29名無し娘。:2001/08/13(月) 14:18 ID:o0Ffz5os
面白いんだけどこれは「室山悠治×吉澤 石川死亡」とかにはならないんだよね…?
パクリつってもそこまでパクんないでくれよ。
30名無し息子。:2001/08/13(月) 16:53 ID:7DUreOVY
>>29
その話の名前なんだっけ?
31天童:2001/08/13(月) 19:40 ID:iYqlIAsI
>>29
大丈夫よ。その作品の作者は俺なんで(マジ)
パクリはここじゃない。・・・・気がつかないかなぁ?
>>30
「夜空ノムコウ」です。ちなみに「アイドル妄想テキスト」より
32天童:2001/08/13(月) 19:56 ID:iYqlIAsI
>>30-31
ちなみにリンク消してもらってます。
33名無し娘。 :2001/08/14(火) 01:52 ID:iPPXbkVo
神崎のとたまに間違えるYO!
34天童:2001/08/15(水) 01:10 ID:AwrfvFQA
午前中、現場周辺の聞き込みをして、中澤さんとお昼を食べ、午後は再び梨華さんの事情聴取だった。午前に結構な収穫があったので、それをふまえて。
「え〜と、又お話をお聞きしたいんですが取り調べで無いので気を楽に――」
資料に落としていた視線をあげた私は、言葉を詰まらせた。何故って、梨華さんがジッと私の目を見ていたから・・・。
「・・・・」
どうしていいか判らず、とりあえず笑ってみる。
したら彼女も恥ずかしそうに笑みを返した。
「・・・・・・」これはもしかすると――もしかするかも?
「・・・がいい」
「え?」
「この人・・」
梨華さんは立ち会っている中澤さんに目をやった。言い忘れていたが、ここは署の応接室。取調室と違ってマジックミラーなど仕掛けていない部屋だ。
「なんや?」
中澤さんが怪訝そうに聞いた。
35天童:2001/08/15(水) 01:10 ID:AwrfvFQA
「出ててもらえません?」
「はあ?」
「ひとみちゃんと2人で話したいから・・・」
また『ひとみちゃん』か、なんだかすくぐったくてしょうがない。
「でもな一応立ち会いっちゅう――」
「そうしてくれないと何もじゃべらない」
「・・・中澤さん。取り調べじゃないですから私1人でも・・・」
中澤さんはヒョイと方をすくめると部屋を出ていった。
「・・・・じゃあ聞きます。今朝現場、つまりお宅の周辺の聞き込み――」
「どこに住んでるの?」
「――目黒」
「じゃあ同じ方向かも!私世田谷だから」
「実家にすんでるんじゃないの?」
「うん。たまに帰るくらい。事件の日は偶然」
36天童:2001/08/15(水) 01:10 ID:AwrfvFQA
ちこっと更新
37てうにち新聞新入社員:2001/08/15(水) 08:05 ID:HBV4veXg
時々中澤の字を間違ってるのは、ワザと?
期待してます
38天童:2001/08/15(水) 10:43 ID:8mE0wzj6
>>37
ミスです。最初だけじゃなかった?

吉澤の石川の呼び方が変わる予定なんですが、
「梨華ちゃん」と「梨華」どっちがいい?
それとも「梨華さん」のままがいいか。意見もとむ・
39名無し娘。:2001/08/15(水) 11:08 ID:M7jZhB/k
梨華に一票
40やまだぁ:2001/08/15(水) 13:01 ID:ACnO3DiQ
自分的には、梨華ちゃんに一票です。
この話は面白いですね。期待してまーす。
41てうにち新聞新入社員:2001/08/15(水) 18:55 ID:HBV4veXg
>>38
すまそ
梨華ちゃんに一票
42名無し娘。:2001/08/15(水) 21:17 ID:gxvltWT2
>>41
まだその名前使ってたのか!
43名無し娘。:2001/08/15(水) 23:11 ID:fisn.Q12
>>41
正直そのコテハンうざいから名無しで書けよ。
44天童:2001/08/16(木) 00:35 ID:xNXPyrRo
「・・・こんな事聞くのアレだけど・・・被害者のお母さんって」
「うん。パパの後妻。私とは全然会話なんか無かった――いっつも友達と旅行だ何だって遊んでて、なんでパパあんな人と再婚したんだろうって思ってた。だからね、不謹慎だって言われるかもしれないけど全然悲しくなんかないんだ。さすがに死体を見たときは怖かったけど・・・」
私は死体を思い出した。腹部を数カ所刺され、内臓が少しはみ出て・・・なれていない一般人にはきついかも・・・あれ?
そうじゃない!何このコに振り回されてんの!
「質問に戻ってもいいですか?・・・・周辺の聞き込みの結果――」
「好きな色は?」
・・・・・・・・。
「私はピンクなんだー。ホラ。これなんかいいでしょ」
そう言った彼女の服は高級そうな――おそらくどっか外国の1流ブランドだろう。ピンクのワンピース。確かによく似合って――違う!
45天童:2001/08/16(木) 00:35 ID:xNXPyrRo
「質問に答えてください」
「何も聞かれてないよ」
「・・・・質問をさせてください」
くそー、なんだてこんな会話しなくちゃならない?お見合いじゃないんだからまったく。
「複数人の証言に共通点があり、事件の起こった深夜、小柄な少女が逃げていくのを見たと・・・心当たりは?」
梨華さんはゆっくりとこうべを振り、
「ないよ。昨日いったじゃない」
「思い出したこととか」
「あったら1番最初にひとみちゃんに言ってるよ」
「・・・・・」
それから幾つか質問をしたが、堂々巡りだった。にしても『ひとみちゃん』はくすぐったくてしょうがない。彼女にそれを言ったが、
「だってそう呼びたいんだもん」だそうで。
46天童:2001/08/16(木) 00:36 ID:xNXPyrRo
「それと・・・」
「何か?」
「敬語やめてくれない?」
「ですが――」
「私たち同い年なんだよ。私ああいう家で育ったからそういうのウルサク言われたけど、本当はやなんだ。だって普通友達とか恋人って敬語では話さないでしょう」
「じゃあそうします」
「ほら〜」
「・・・普通にしゃべ・・・るよ」
そう言うと梨華さんはうれしそうに笑った。・・・・可愛い。あれ?何言ってんの!捜査に私情を持ち込まない!本当このコといると捜査が捜査に思えなくなってくる。
「じゃあもう少し聞きたいんだけど――」
47天童:2001/08/16(木) 00:37 ID:xNXPyrRo
更新ざます。

ご意見どうも・・・
「梨華ちゃん」〜「梨華」といった感じで
旨く取り入れていきます。
48名無し娘。:2001/08/17(金) 04:44 ID:qtVzaYn2
ほぜん
49名無し娘。:2001/08/17(金) 15:51 ID:YWIR35EY
昼保全
50名無し娘。:2001/08/18(土) 03:25 ID:75QF/0VI
深夜ほぜむ
51天童:2001/08/18(土) 08:47 ID:RiwXCwyY
近く更新します。
もうちっとお待ちください。
52名無し娘。:2001/08/18(土) 16:27 ID:0I4GjXZE
保全 
53名無し娘。:2001/08/18(土) 23:28 ID:gSKsOQ/w
不安なので保全
54名無し娘。:2001/08/19(日) 09:03 ID:trV.mA5o
ほぜ〜ん
55天童:2001/08/19(日) 09:47 ID:f7GLOZO.
「なんか聞けたか?」
吉澤が部屋を出ると、待っていた中澤が聞いた。
「好きな色はピンクだそうです」
「はあ?」
「中学ではテニス部の部長だったそうです」
「はあ?」
「そんな会話ばっかになっちゃって」
「はあ?」
「思い出したことはないそうです」
「それ聞いたらはいご苦労さんでいいやないか。30分近く話してたで。なんか聞けたんかと」
「すいません」
「別に謝ることあれへんが・・・」
――「じゃあ失礼します」
そう言って出ていった石川は、最後に吉澤に手を振っていった。
「・・・あの子なんか変なんちゃうんか?」
と、中澤が言った。
56天童:2001/08/19(日) 09:48 ID:f7GLOZO.
同日午後4時。第2回捜査会議が開かれた。
安倍「まず初めに凶器ついて科捜から」
科学捜査員「分析の結果、凶器は刃渡り10cm程ナイフ。ベンチメードバリ      ソンのバタフライナイフと思われる」
科捜2「尚、被疑者は同系統のナイフを1ダース以上所持している科捜性が高    いです。以上」
安倍「犯行の動機については?」
三村「被害者には、刺し傷の他手足に無数のかすり傷がありました。現場に残   っていた血痕は、すべて被害者の血液型と一致しています」
室山「部屋を荒らされた形跡はなく、盗難もまだ確認されていません。よって   被害者殺害目的、及び計画的犯行を思われます。以上」
安倍「目撃者については?」
吉澤「第1発見者の娘からは、昨日以上の事は聞き出せませんでした。現場周   辺の目撃者探しをしたところ、犯人と思われる人物の目撃証言が取れま   した」
中澤「昨日午前1時頃、小柄の少女のような人影があわてて逃げていくのを見   たという証言が取れました。ジョギングをしていた中年の男性の他、数   人から似た情報を得ています。引き続き聞き込みを続けます。以上」
57天童:2001/08/19(日) 09:49 ID:f7GLOZO.
「あ〜あ」
ったくやってらんねー。何だって訳わかんない『こーしき』なんか覚えなきゃいけないわけ?そんなもんが役にたつわけないっつーの。
それにあたしは大学なんかいかないもん。あたしは可愛い。それを自覚している。アイドルかなんかになるんだ。『後藤真希』なんてぽい名前もいい感じだし。
今は学校の帰り。あたしは部活なんかやってないから周りの下校している生徒は少ない。ふと路上に止めてあった外車――たぶんベンツとかいうヤツのサイドミラーをのぞき込んだ。
「・・・・・」ふふ。やっぱ可愛いよアンタ。先公たちだって、ちょっと笑い掛けてやれば赤点は付けやしない。
「おい!」
振り向くと車の持ち主らしい大学生くらいの男がこっちに来る。
「車に傷つけんな」
ちょっと鏡みてただけじゃない。まあいいや、いいとこのボンボンってやつ?つかえるかも・・・・。
「ごめんなさい。かっこよかったからつい・・」
可愛い顔を作ってペロッと舌を出す。大抵の男はこれだけで落とせる。
58天童:2001/08/19(日) 09:49 ID:f7GLOZO.
更新です。
ちょっとズレちゃった
59名無し娘。:2001/08/19(日) 16:40 ID:wvyvuBjI
保全するためにあげました
60 :2001/08/19(日) 16:45 ID:DSSRMxjs
61あづさ:2001/08/19(日) 16:46 ID:46yULLdg
ネットアイドルめざしてますぅ〜〜
娘の石川に似てるって言われてますぅ〜
ヨロチク(^▽^)
http://www.zero-city.com/brilliant/
4444
22222222
62名無し娘。:2001/08/19(日) 16:46 ID:1LCtiJDA
あげなくても書き込むだけで保全できるよ
小説スレは基本的にsageで
63名無し娘。:2001/08/20(月) 00:52 ID:oKMRhSjM
保全
64名無し娘。:2001/08/20(月) 16:57 ID:qRA6dY0o
h
65名無し娘。:2001/08/21(火) 05:27 ID:WLUQqIMA
o
66名無し娘。:2001/08/22(水) 00:24 ID:LRF36BDE
z
67天童:2001/08/22(水) 08:35 ID:jsRPtrzo
可愛い顔を作ってペロッと舌を出す。大抵の男はこれだけで落とせる。
案の定、
「ああそう?いやー結構高かったんだけどね、まあ俺には安い安いってやつ?」
なんて頬をゆるませて、聞いてもいないことまでじゃべりだしやがった。な〜にが安いだ、どうせ親の金だろ。
「い〜な〜。一回乗ってみたいな・・・」
ちょっと物欲しそうな上目遣い。自分でもこの表情は可愛いと思う。今までこれに反応しなかった男は1人もいない。
「そう!じゃあよかったら乗る?」
ビンゴ。
「え!いいんですか?!」
更に可愛い笑顔を向けてやると、男の顔はもう完全にゆるみっぱなしだ
68天童:2001/08/22(水) 08:36 ID:jsRPtrzo
・・・オーケー。金は持ってる。旨くいけば10万以上手にはいるかも。
「いいよ。さ乗って」
助手席に乗り込みながら、チラッと超ミニにしたスカートを中を覗かせる。さりげなく、そんなことはお手の物。
「・・・・・」
運転席に乗り込んだその男、あたしの太股を凝視してまま硬直している。
あら、もろに見えちゃったかしら?あはは馬鹿みたい!もう股間が膨らんでる!!
だけどそんなことには気がつかない振りをして、
「・・・どうしたんですか?」
と、のぞき込むようにして聞いた。
「いや別に・・・ど・・何処行きたい?」
「ん〜海がみたい!」
「了解!」
69天童:2001/08/22(水) 08:36 ID:jsRPtrzo
自分であげちった
70天童:2001/08/22(水) 08:37 ID:jsRPtrzo
男は運転をしながらも、ちらちらとあたしの胸の膨らみのあたりや、太股などを見てきた。・・・・バレバレ。どんな鈍いヤツでもこれだけちらちら見られれば気がつくっつーの。多分彼女なんかいたこともないんだろう。ちょっとだけ、いい夢を見せてやりますか。
「ああ俺、山崎周也。君は?」
「真希」
とだけ答えた。万が一の時のため、フルネームでは名乗らないことにしているのだ。
「そう・・・真希ちゃん?可愛い名前だね」
可愛い名前?ふふふドラマみたいなせりふ言っちゃって、ひょっとしてデートの経験も無いのかな?
「周也クンは大学生?」
いきなり名前で呼ばれたせいか、彼はビクンと揺れた。あらあらかわいいのね。この恥ずかしがり屋さん。
71天童:2001/08/22(水) 08:37 ID:jsRPtrzo
「そ・・そう。早稲田・・なんだけど」
どう見ても頭が良さそうには見えない。どっかのアイドルみたいに「一芸推薦」とやらで裏口入学ってヤツかな?それほどのボンボンだとしたら、かなりの金持ってるだろう。よし!ついてる!
「真・・真希ちゃんは高校生?」
学校帰りの制服姿なのだ。当たり前だろうが。
うん、と可愛く頷く。
山崎の表情を観察する・・・・・完全に墜ちた。もうあたしの言うことなら大抵は聞いてくれるだろう。
72徳光
真希ちゃんはかわいいからねぇー