1 :
氏ね氏ね名無し:
氏ね 氏ね 氏ね 氏ね
2 :
松本:2001/07/29(日) 19:03 ID:s31W880I
吉澤氏ね
3 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:06 ID:y010vyco
夏
に
良
く
現
れ
る
方
で
す
か
?
4 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:09 ID:7/SlIr8I
微笑ましいほどの粗暴犯が2人釣れましたね。
みんなが選挙速報に飽きた頃にはヤス礼賛スレになってるだろうから
その時また来て見ます。
5 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:34 ID:7IjwbtN6
暴行・吊るし上げ事件
池田創価学会の暴力性を表わす事件は数多くあります。
昭和44年7月、東京・練馬区の選挙投票所(第4投票所=豊玉第2小)において、投票終了時間後に訪れた二人が投票できなかったことを理由に、百数十人の学会員が投票所を取り囲んで襲撃、女性・高齢者を含む投票立会人四人に集団暴行を加えて流血させた事件。
昭和52年、学会の誤りに批判的だった宗門僧侶を次々と本部に呼びつけ、野崎勳副会長らが大勢で軟禁、恫喝した上、土下座させたり詫び状を書かせた事件。
昭和63年7月、創価学園正門前で、池田を取材しようとした『フライデー』誌はじめマスコミの記者・カメラマンに対し、警備の学会員5、60人が、いきなり、殴る、蹴る、壊すの集団暴行を加えた事件。
平成3年、各地の日蓮正宗寺院に対して引き起こした、脅迫・暴行事件等々――。
6 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:34 ID:jy721Ztk
エラ張り過ぎ。
目離れ過ぎ。
顔デカイ。
内山理名に似てるよね。
7 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:37 ID:vGp71QS2
>>6 要するにかわいすぎると
君は言いたいわけだね?
8 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:38 ID:oCsmVXXI
保田、かわいいじゃん
9 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:45 ID:jy721Ztk
10 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:46 ID:vGp71QS2
わかんないYO!
11 :
名無し娘:2001/07/29(日) 19:47 ID:iZnNn10k
不細工保田は氏になされ!
羊でこの手のスレを立てるとは…
>>1はよっぽどのお馬鹿さんですか?
13 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:48 ID:vGp71QS2
信者ダメぇーーー
14 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:54 ID:LJbS99QA
プッチに何故選ばれた
15 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:54 ID:Mfc/t.8M
>>1・・・。
おまえはいったい何をしたいんだ・・・。
羊だぞ。保田だぞ。ちゃんと考えろ。
16 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:55 ID:rVlCEovg
17 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:56 ID:iL/781Tk
18 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:57 ID:IwsdNdxE
最近は、肉眼でしか保田を見ないヤツが増えたな。
19 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 19:58 ID:vGp71QS2
20 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:08 ID:SGfSxrgU
末広まきこ今日氏ぬかも
21 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:19 ID:LHM/CsUw
>>18 リアル厨房どもは心眼を使えないらしいからな
22 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:22 ID:FdDrneRc
あぁ・・・。夏休みか。
23 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:24 ID:A.gLx17g
今日は9時過ぎからダーヤスを見られるな。いとよろし
24 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:27 ID:4JvACkpk
20レスでもうマターリかよ(w
25 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:33 ID:XuTrk68Q
ヤッス〜が見られることが楽しみだ。
MUSIX見なきゃ。ヤッス〜マンセ〜。
26 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 20:40 ID:rVlCEovg
後、三十分。
27 :
名無し娘。:2001/07/29(日) 23:12 ID:CQRLPYwI
しっかし、ほんと羊はヤスヲタ多いな〜。
ヤッスー可愛いもんな〜。ヤスヲタの気持ちわかるな〜。
28 :
名無し娘。:2001/07/30(月) 20:59 ID:tXoUsGjk
なんだもう終ってるの?
29 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:47 ID:SzQBd.OU
詩にスレもらうよ。
30 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:49 ID:SzQBd.OU
モーニングマスクSPIRITS
31 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:50 ID:SzQBd.OU
第1話「摩天楼の疾風」
32 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:53 ID:SzQBd.OU
罪人よ…
罪人の群れよ。
主は嘆き悲しんでおられます。
「愛さなければよかった」と
そうして流した黒い涙の中から
私たちは来ました。
悔い改めよ
「そして死に絶えなさい。愛されなかった人々…」
33 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:54 ID:SzQBd.OU
ニューヨーク
国連ビル FBI分室
暗い会議室。
正面に据えられたスクリーンに事件現場の写真が映し出されて
そこだけが明るく浮かび上がっていた。
「娼婦、ケイ・ヤッスー。13人目の被害者だ。
他の遺体と同じように体液の九割がなくなっている」
路上に倒れている女性とそれをとり囲むようにたっている数人の
警官が映っているスライドが映し出された。女性の体の下には
血溜りができていた。
しかし、体液の九割というほどの量の血ではない。
34 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:55 ID:SzQBd.OU
次のスライドがその疑問に答えた。
「うえ…。摩天楼の天使がもったいない」
アップで映し出された女性の顔は骨に直接皮膚をかぶせたような
状態になっていた。肩から腕にかけても骨と筋だけであった。
体液の九割を失った結果であった。
では、失われた体液はどこへいったのか?
35 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:56 ID:SzQBd.OU
「最近増えているハーレムの失踪事件。時期的に関連あるんじゃないのか?」
「関連たって、どんな?」
「そこで今回入手したこれなんだが…」
スクリーンには高層ビルが立ち並ぶ中わずかに夜空がみえるスライドが
映し出された。そして、その暗い空には黒い影が映っていた。その影は
翼を広げているようにも見えた。
「!」
「なんですか、コレ…鳥?」
「明るいこの街の夜ならカラスだって飛んでいますよ」
「プップハハハハ。翼長4メートルの鳥ね…。
殺人事件も失踪事件もその怪人がからんでるんって
線じゃないスか?」
会議室の後ろからおどけた口調の声が発せられた。
36 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:57 ID:SzQBd.OU
「『怪人』だぁ?」
「おい、お前は…」
窓際にいた捜査員がブラインドを開けた。差し込まれた光の中に、
一人の女性が座っていた。
「平家みちよ」
「ちっス」
37 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 03:59 ID:SzQBd.OU
会議室の雰囲気は先ほどまでのものとは明らかに変わった。
中には舌打ちする者もいた。
だが平家にはそんな空気をまったく気にしている様子がなかった。
「キサマは部外者のハズだ。出て行け」
「ハイハイ。スイマセンね。ドーーモ」
部長に言われても、平家は不敵な笑みを消さずに続けた。
「ねぇ、ボス。なんでFBIはこの件を公表しないんスかね?」
「フン…。ここは経済の中心だぞ。パニックを避けるためだ」
「タハ。13人もミイラになってりゃ十分でしょ。ホームレスだって
うわさしてますよ。
なんで警戒発令しないんです。おとくいの隠蔽体質?
それとも…この国の誰かさんが承知の上でやらせている…とか?」
38 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 04:00 ID:SzQBd.OU
「オイ!」
部長が平家の胸倉をつかんで言葉をさえぎった。
「滅多なことを言うな!!…お前に話すことは何もない」
「行け」と言わんばかりに手を離し、部長は吐き捨てた。
「…いいんですかね。そんな手回しの悪いことやってて…」
サングラスをはずして部長を、会議室にいる捜査員たちをまっすぐ
見つめる平家の表情からは笑みは消えていた。
「この国にモーニングマスクはいないんですよ」
39 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 04:01 ID:SzQBd.OU
「なんちて。失礼しやした〜」
おどけた口調、表情に戻り平家は会議室から出ていった。
「モーニング・マスク?」
「フン、またか…」
「ヤツの作り話だよ。無償で戦う仮面の戦士。そんな酔狂なヤツがいるもんか」
40 :
名無し娘。:2001/08/01(水) 04:03 ID:SzQBd.OU
41 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 02:32 ID:SC8SSbvE
発見sage
>無償で戦う仮面の戦士。
ひょっとして、主役はな(以下略 ?
激しく期待してるよ。
42 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 03:43 ID:ADz1OPB.
会議室を出た平家は市街にあるなじみのカフェに向かった。
この店は、日本にいたころ平家が入り浸っていた喫茶店と
どことなく似た雰囲気を持っていたため、かつての日々を
懐かしむように足を運ぶうち、いつしか平家は常連の一人となっていた。
ウェイトレスのリカと他愛ない話をしながら昼食をとっていると
そこに、こちらも常連のアツコが入ってきた。
43 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 03:46 ID:ADz1OPB.
「みっちゃん!あんたまた捜査からはずされたんやってぇ?!」
「あいからず地獄耳やな、あっちゃん。
しゃーないやん。アタシ、キラワレてるんやもん」
「平家さんクチ悪いですからね〜」
「なんやと!リカちゃん、お尻!」
「?!は、はい!」
なぜか自らおしりを突き出すリカ。
「あ〜、ええ尻やな〜。やっぱリカちゃんのが一番ええな〜」
「もう!ナニするんですかあ!」
拭いていた皿を平家めがけて振り下ろすリカ。
ガシャーンという音が店内に響き渡った。
44 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 03:47 ID:ADz1OPB.
「…ごちそうさん。リカちゃん。
それじゃキラワレものはキラワレものらしくチカン退治でもしてくるわ」
「それって自分のことじゃないですか!」
額からわずかに血を流しながら平家は店を出ていった。
「あ〜あ、アツコさんならともかく、窓際族みたいになっちゃって」
「『ともかく』は余計や。シャレになっとらんがな」
45 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 03:50 ID:ADz1OPB.
「にしても、確かに変わりよったなぁ。
昔は正義感がケンカ売っとるようなコやったのに」
「平家さんがあ?うそぉ〜」
「ホンマやで。しかも素直なええコでな
『みっちゃん、いいこなのにね』とか、よう言われとったよ」
「はぁ…」
「あのコはな、昔、捜査官としての腕を買われてインターポールに
出向しとったことがあるんよ」
「ホントですか?」
「世界的に猛威を振るった狂信的カルト集団の正体を探るためにな」
「IRA?人民寺院やブランチ・デビディアンみたいな?」
「ASAYAN…GELASAYAN…やったかな。ほとんどX-ファイルみたいなハナシや。
とにかくそいつらをみっちゃんは一人で壊滅させよったらしい」
46 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 03:51 ID:ADz1OPB.
「あのコは自分一人の手柄やないってゆっとるけどな」
「ああ、それがモーニング…なんとかですか」
「ま、とにかく知りすぎたっちゅーこっちゃな。
あのコは信じて戦った結果、牙を抜かれてもうた…。
ヒドイ話やで、ホンマ…」
47 :
名無し娘。:2001/08/02(木) 04:07 ID:ADz1OPB.
>>41 タイトルで分かる人は分かると思うんだけど
ライダーマンガのパクリです。
ここまででやっとマンガの8ページ。
あの人がでてくるのはいつになるやら。とほほ。
48 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:40 ID:1CFiI2gc
昼食を終えた平家は愛車のKSRを駆ってハーレムで失踪事件の聞き込みをしていた。
ふとみると古いアパートの前に人だかりがあった。
すでにシャッターが閉められたままになっている入り口に続く階段の上で
頭にバンダナを巻いた一人の女の子が澄んだ声で歌っていた。
でっかい でっかい 宇宙にある まあるい まあるい 地球で
ちっちゃな ちっちゃな 思いやりが でっかな でっかな 愛となる
歌い終わると周りの人々から歓声と拍手が起こった。
「ありがとう…アヤ。これでまた生きる勇気が湧いてくるよ」
「まーた!大ゲサですよ〜」
アヤと呼ばれた少女は照れくさそうに頭をかいてみせた。
49 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:41 ID:1CFiI2gc
「サスガやね。アスカ・フクダ」
平家も拍手しながらアヤに声をかけた。
すると、すかさず周りにいた子供たちが駆け寄ってきて
持っていた帽子を差し出した。帽子の中には観客から
集めたチップが入っていた。
「ハイハイ」
平家はポケットから小銭を取り出し、帽子の中に入れてあげた。
「わーい!平家だー!!」
「落ち武者やー!」
「おちむしゃれす!」
「おお!元気やな。ガキンチョども…って、ダレや!落ち武者いうたんはあ!」
50 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:43 ID:1CFiI2gc
子供たちは一斉に平家の周りに集まり、腕にしがみついたり
背中によじ登ったりしてじゃれてきた。
FBIでは鼻つまみ者の平家も子供たちには慕われているようだった。
「本当に素晴らしい声です。アヤちゃん」
「神父さん」
見慣れない神父がアヤに話し掛けてきた。
「ぜひ今度の礼拝でゴスペルでも歌っていただきたい」
「ガラじゃないですって」
「アヤ、その人は?」
子供たちに押しつぶされそうになりながら平家が聞いた。
51 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:43 ID:1CFiI2gc
「コムロ神父。最近ハーレムに来たんですよ。
ホラ、イーストハーレムに無人の教会があったでしょ。
あのキッタナイ教会に好んで赴任したっていう変わり者です。」
「こら!アヤ!神父さんに向かって…」
「ごめんなさ〜い」
隣にいた中年の男に注意され、しかしあまり反省した様子もなく
ぺろっと舌をだしながら謝るアヤ。
神父も、本当に変わり者なのか、穏やかな笑みを浮かべ、
まったく気にしていない風であった。
52 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:44 ID:1CFiI2gc
「ミナサン、どうです?今日雨露をしのげるところがない方。
教会でよろしければ、少しなら食べるものもありますし…」
「ホントかいありがてえ!!」
「慈悲深いなぁ、神父さん。
アタシも仕事クビになったときには頼むわ」
「喜んで。神の愛は誰しも受ける権利があります」
「やっぱ落ち武者や!落ち武者ー」
「おちむしゃれす。おちむしゃなのれす」
53 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:45 ID:1CFiI2gc
ハーレムの一画。かつて駐車場だった場所。
今ではフロントガラスが割れたりタイヤがなくなったり
パーツを抜きとられたりして、さび付き動かなくなった
車ばかりが止められていた。
そんな車のうちの一つがアヤたちの秘密の隠れ家兼金庫になっていた。
先ほどのようにアヤが歌って稼いだお金をシートの下に隠しているのだった。
「へぇ、だいぶたまったなぁ…
もう十分なんとちがうん?ハロプロなんとかの発表会に出るにはさ」
「『ハロプロシアターのアマチュアナイト』ですよ。
も〜、平家さん覚え悪いですね。これから申し込みに行くから
一緒にいきましょう!ちゃんと説明してあげます」
54 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:46 ID:1CFiI2gc
平家はアヤに連れられ、子供たちとハロプロシアターへと向かった。
ハーレムにある最も古い劇場。それがハロプロシアターだった。
「アマチュアナイトはただの発表会じゃないんですよ。
お客さんもシビアだし、その中でうまくいけば大物プロデューサーから
声がかかる可能性だってあるんです。メロン・アニバーサリーや
シェイキットドールだってアマチュアナイト出身なんですよ」
55 :
名無し娘。:2001/08/03(金) 04:47 ID:1CFiI2gc
得意顔で説明していたアヤが一息つき、その表情が変わった。
「最近、ハーレムで失踪事件が増えてるけど、大して騒いでも
くれないですよね。この街のゴロツキは世間にとっちゃ
いてもいなくてもどーでもいいような人間なんでしょうね」
「ワタシたちもそう。身寄りはいなし、大した未来もない…。
けどぉ、ワタシは絶対にこのアマチュアナイトで
アスカ・フクダみたいに成り上がってみせる…!」
「ワタシたちだって捨てたもんじゃない…ってところを
あの人たちに見せてたいんです。
一人もギャングなんかにしたりしない…
そして、ワタシは…
ワタシはあの子たちの夢になるんだ」
「…そっかぁ」
周囲で笑いながら遊ぶ子供たちと、自分の夢を語って少し照れくさそうに
はにかむアヤを平家はまぶしそうにみつめた。
56 :
名無し娘。:2001/08/04(土) 14:29 ID:HSEq8qao
57 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 02:49 ID:Apgku/Hw
平家とアヤの周りに子供たちが集まってきた。
「ねえヘイケ!アレのお話聞かせてよ!」
「アレってなんや?」
「ホラ!アレだよ!」
「「「モーニングマスク!!」」」
「あっ、あほ」
「だめれすよ。あさってまでかえれなくなるのれす」
しょうがないな、という風にしながらも
うれしそうに平家は話を始めた。
58 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 02:50 ID:Apgku/Hw
次第に平家もノリ始め、身振り手振りから
変身ポーズをとってみせるまでになってきた。
子供たちも目を爛々と輝かせながら聞き入っていた。
「ええか、敵は半獣の吸血鬼や食屍鬼どもや。
どいつもこいつもハンパやない。
そこで一発…、あ、ちょお、アヤ、この板もっといて」
どこからか厚さ2cmほどの板を取り出した平家。
「そこで一発…はああああ、シッ!」
平家が繰り出した正拳突きで板は真っ二つに割れた。
「モーニングパンチ。こいつは岩をも砕く」
59 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 02:51 ID:Apgku/Hw
「そんでこいつがとどめ…モーニングキック!」
宙を舞っていた落ち葉に飛び蹴りをして、葉を真っ二つに裂いた。
平家の家は代々忍術の流れを汲む古流武術の道場をしており
平家も幼いころからその平家流武術を叩き込まれていた。
細身にみえる平家は実際、さほどの筋力があるわけではなかったが
タイミングを合わせ、ひざ、腰、肩など全身を完全に連動させることにより
通常の筋力以上の力を生み出すことが平家流の極意だった。
「これで怪物どもはいちころってわけや」
「スゲエ!」
60 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 02:52 ID:Apgku/Hw
「どうよ。マスクはカッケーやろ?」
「「「うん!カッケー!!」」」
「サイコーやろ?」
「「「うん!サイコー!!」」」
「そうか…。サンキュー」
(戦友<とも>よ…。アンタは今、どこで戦っているんや…)
61 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 02:52 ID:Apgku/Hw
日が暮れ始めたため、子供たちに帰るように言い
平家は捜査に戻ろうとバイクに跨った。
「あ、お前ら、気をつけて帰るんやぞ!
いなくなってもいい人間なんて一人もいないんやからな!」
「大丈夫!イザってときにはマスクが助けてくれるんでしょ!」
一人の子が変身ポーズを取りながら答えた。
アヤがそれに続いた。
「ねえ、平家さん。ワタシ思うんだけど
あのスンゴいカラテといい、そうやってバイクに跨って
現れるところといい、モーニングマスクってさ、
平家さんのことじゃないの?」
「はは、そいつはええなぁ…」
62 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 03:24 ID:EDpVKMmk
深夜。夜空がそこだけ裂けたような三日月が
イーストハーレムに佇む教会の十字架を照らしていた。
暗い教会の中には数人の浮浪者とおぼしき人々が倒れ臥し
もがき苦しんでいた。
「う…」
「…あ…あ」
「ひ…ひ…ひもじいいよぉ…なんとか…してくれよ、神父さあん」
コムロ神父は苦しむ人々を満足そうに見ていた。
そして、暗い中その瞳は妖しく輝いていた。
「ひもじい…そうでしょう。生まれ変わるにはたくさんの
カロリーが必要ですからね。今宵は月の下で外食してはいかかです。
神の恵みのパンをほおばり…紅いワインを…」
カチャ
63 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 03:24 ID:EDpVKMmk
突然開かれた扉のところには平家が立っていた。
振り向いた神父の顔には昼間と同じ、
穏やかな笑みが浮かべられていた。
「おや…平家さん、でしたね。何か?」
「神父さん、一人かい?」
「ハイ、ミナサン食事を済ませた後、帰ってしまわれました」
先ほどまで床に倒れていた人々はすでに消えてしまっていた。
64 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 03:26 ID:EDpVKMmk
「なあ、神父さん。
最近は市長が変わって治安も良くなったっちゅうこの街でな、
人さらいやら吸血鬼事件やらこそこそやっとる
変態ヤロウがおるらしいんやわ」
「丁度、アンタが来た頃から…な」
「教会ってな、人がぎょうさん集まってくるやろう。
アンタ…、何か知らんかな…」
65 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 03:26 ID:EDpVKMmk
「う〜ん…、申し訳ありません。そういうウワサは何も…ね」
神父は笑みを浮かべたまま丁重に答えた。
「そっか…。おジャマしました。また来ますわ。懺悔でもしにね」
「ハイ。いつでも」
ため息を残して平家は去っていった。
「キ…キ…キキ…」
昼間とは別の種類の笑みを浮かべた神父の背後で
教会では不気味な鳴き声が響いていた。
66 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:15 ID:TFPxcKD6
数日後。
「おお〜!アヤ!!アマチュアナイトの出場決まったんだって?!」
「ま〜ね」
「お前なら絶対イイ話が来るぜ!」
「ま〜ね〜」
「か〜〜っ!余裕だね!」
(だってワタシはみんなの夢になるんだもん!夢に…)
不意にアヤの肩に手がかけられた。
「あ…、コムロ神父…」
67 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:17 ID:TFPxcKD6
平家はいつものように例のカフェで夕食をとっていた。
「リカちゃん、梅コブ茶ちょーだい」
「ナニ?それ?」
「ナニて、お茶や。チー。こないだマスターが入れてくれたゆうとったで」
「え〜、聞いてないですよ〜」
「あるって。ほら、探して探して」
幸いすぐに見つかり、平家は久しぶりの梅コブ茶にありつけた。
しかしそこにアツコが飛び込んできた。
「みっちゃん!!」
「っぶ! なんや、あっちゃん。お茶こぼしてもうたやん」
「事件や!! 例の!!
ハーレムでアンタの知っとる子が襲われたんやて!!
そんで今、そのバケモノを包囲したらしい!!」
68 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:18 ID:TFPxcKD6
市街の病院に襲われた子供が運ばれてきた。
数人の子供たちが付き添っていた。
「ノノ!ノノ!しっかいせえ!」
「どいて!」
「患者はチアノーゼが出てます!!スグに集中治療室へ!」
「ノノー!!」
「ねえ!看護婦さん!なんでマスクは来ないんや!!」
「マス…何?」
「マスク!モーニングマスクや!
なんでモーニングマスクは助けに来てくれないんやあ!!」
69 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:18 ID:TFPxcKD6
ハーレムの一画、ハロプロシアターの周りに市警のパトカーが
十重二十重に取り囲んでいた。指揮をしているのはFBIだった。
シアターの屋上には小さな黒い影が動いていた。
その影にの腕はコウモリのような禍禍しい翼に変形していた。
「…まいったな。本当にあんな生物が…」
「部長!アレ!!」
若い捜査官が指差した先、屋上に現れた人影。
「!!…平家!!」
「あのバカ!命令違反だぞ!!」
70 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:21 ID:TFPxcKD6
平家はゆっくりと怪物へと近づいていった。
しかし、銃はまだホルスターに入れたままであった。
怪物は平家に背を向け、体を小刻みに震わせながらうずくまっていた。
その頭にはよく見慣れたバンダナが巻かれていた。
「…アンタ、アヤ…か?」
平家の声にビクっと反応し、体の震えが止まり、
怪物はわずかに振り向いた。その目からは涙が流れ落ちていたが、
クチは耳まで裂け、歯はすべて犬歯のように尖り、巨大化し、
下顎部も巨大化して、ヒトとは異なる獣人を思わせる容貌となっていた。
だが、確かにアヤであった。まだアヤの面影が残っていた。
71 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:23 ID:TFPxcKD6
「ヘイケさぁん…ワタシ、今、どんなになってるの…?
なんか…体…変だよ…。ゴワゴワして…頭ん中が真っ赤になって…。
気がついたらワタシ…ノノの首にかぶりついてて…
そしたら…あのコ…死んだみたくなっちゃってえ…」
「落ち着き!アヤ!! アンタ、まさかあの教会に…」
「そう…コムロ神父…。あのヒトに誘われて教会に連れて行かれて…
そして…とんがったモノやギザギザしたモノでワタシ…なんかされて、
それから…たまらなく血が吸いたくなって……………ア…レ……?
………アタシ、ダレのチをスったんだっけ………?」
「アヤ…、ノノやろう!! しっかりせえ!!」
72 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:23 ID:TFPxcKD6
「あ、ア…ア、ダメダ。ドンドン アタマがハッキリシナクナルヨオ
アノヒトガイッテタ… コウシテ ゼンブヲワスレチャッテ…
ニドト モドレナクナルッテ…!!」
アヤの最後の理性が失われたのか、突如平家に襲いかかってきた。
「アヤ、聞け!! 昔…モーニングマスクってヤツがおった…!!」
73 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:24 ID:TFPxcKD6
なんとか制止しようとアヤと取っ組み合う平家。
「部長…平家が!!」
「チィ…バカが! あれじゃ発砲もできん…!」
74 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:26 ID:TFPxcKD6
「アイツもアンタのようにアホどもに体をバケモン同然にされちまいよった…
けどなあ…アイツはそのゴリゴリした体で悪党どもと戦いつづけた!!
無償でや!! 自分の為やない!! 他人の為にや!!
今だってそうや!! 今だってアイツはどこかで戦っとるハズや!!」
「どうよ、アヤ。ええ話やと思わんか!?
アンタも同じや。アンタもガキンチョどもの夢になるんやろう」
75 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:27 ID:TFPxcKD6
平家の声が届いたのかアヤの動きが止まった。
だが、その時、アヤの頭の中でコムロ神父の声が響いた。
<どうしました、アヤ。早く殺しなさい。そして神に贖罪の生け贄を…>
その声に抗うことなくアヤは再び動き出した。
大きく開かれた口腔から発せられた衝撃波が平家の腕を直撃した。
「グウ…」
肉が引き裂かれ血の流れる腕を押さえ平家は倒れこんだ。
76 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:28 ID:TFPxcKD6
「!!…ヘ…ヘイ…ケ、サ……」
倒れる平家の姿に自我を取り戻したアヤは、涙を流しながら飛び去っていった。
捜査官たちがあわてて発砲したが徒労に終わった。
シアターの屋上にはアヤのバンダナが残されていた。
77 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:28 ID:TFPxcKD6
応急処置を受けた平家は部長に詰め寄られていた。
「バッカヤロオ! 俺が頭に来ているのは命令違反って事だけじゃない!
あの距離にいて射殺できなかったのかって事だ!
なんで撃たなかった!? え!?」
平家は、グっと左手に握り締めたアヤのバンダナを突き出した。
「アイツの夢を聞いたからや」
78 :
名無し娘。:2001/08/05(日) 05:29 ID:TFPxcKD6
ハロプロシアターを去ろうとする平家の耳にアヤや子供たちの声が響いてきた。
<大丈夫!イザってときにはマスクが助けてくれるんでしょ!>
<モーニングマスクってさ、平家さんのことじゃないの?>
アイツと戦っていた頃、いつも思ってた……
アタシにもアイツのような力があったら……
アタシもモーニングマスクやったら……
79 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:01 ID:BtKhWAX2
「グ…ギ……ギ…ギエ……」
暗い教会の中。天井からは、すでに人間ではなくなり
コウモリ人間となった怪物たちがぶら下がっていた。
そして床には一つの影がうずくまっていた。
その前に立つコムロ神父。
「ナゼ殺さなかったのです。アヤ。私の声は聞こえていたハズですよ」
「ガ…アグ」
ほとんど意識を失いつつあるアヤには答えることはできなかった。
「もうよろしい。あなたはそのままできそこない<ディスクリミネーション>
の干物になりなさい」
80 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:04 ID:BtKhWAX2
「さあて、ミナサン。外には細く…美しい三日月がさがっています。
罪人を串刺しにしたくなる様なね」
一斉に天井のコウモリ兵たちが羽ばたき始めた。その時…
ガッシャアアアアッ!!!
81 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:06 ID:BtKhWAX2
突如、教会の窓を破り一台の黒い大型バイクが飛び込んできた。
威嚇するように唸りを上げるエンジン。
バイクに乗ったライダーは、真っ黒なプロテクタースーツに全身を包み、
黒いスカーフを首に巻いていた。
頭にかぶった黒いフルフェイスヘルメットには髑髏のペイントが施され
額の部分には「mm。」を意匠化したマークが描かれていた。
「晩餐の前に無粋な方だ…。どなたです」
「モーニング……マスク」
その言葉に神父の顔がわずかにひきつった。
アヤは懸命に体を起こし、黒衣の戦士を見た。
82 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:10 ID:BtKhWAX2
「ギ……ギギギギギ!」
黒衣の戦士を敵とみなしたコウモリ兵が襲いかかる。
すかさずショットガンを取り出し、黒衣に戦士はコウモリ兵の頭を吹き飛ばした。
他のコウモリ兵たちは、仲間であったはずの死体に飛び付き、その体液をすすり始めた。
黒衣の戦士は、弾を撃ちつくすとショットガンを捨て、
七つほどベルトに並べてかけてあるナックルガードのようなものを取り出した。
ガードの外側にはショットガン用の薬莢が三つ埋め込まれていた。
それを手に装着し、襲いかかってきたコウモリ兵の顔面を殴りつける。
「モォーニングゥッ!! パァーンチィッ!!」
殴った衝撃で散弾が炸裂し、コウモリ兵の頭部が吹き飛んだ。
83 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:13 ID:BtKhWAX2
「おらあああっ!!」
宙を舞うコウモリ兵に対し飛び蹴りを繰り出す黒衣の戦士。
ブーツの靴底がコウモリ兵の体に触れると閃光がはじけた。
「モーニングッ!! キィーーックッ!!」
靴底の金属製プレートにはスタンガンの機構を利用して
高電圧が流れるように細工されていた。
84 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:15 ID:BtKhWAX2
たった一人で獅子奮迅の戦いを続ける黒衣の戦士。
「モーニングマスク…か。イヤな名前だ…」
コムロ神父がつぶやいた。
「私の愛した彼らを壊した女の名前もそうでした。
誰もがののしった私の力を…彼らだけが認めてくれたのにいいいい」
「アンタ! アサヤンの…!?」
85 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:17 ID:BtKhWAX2
キイイイイイィィィィン…
神父の大きく開かれた口から放たれた衝撃波により
黒衣の戦士のヘルメットが真っ二つに割れた。
「!! ヘ…イ…ゲ、サ……」
ヘルメットの下から現れた平家の顔に驚くアヤ。
「ウ、アアア…ア…」
怯えるようにしてアヤは窓から飛んで逃げていってしまった。
86 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:19 ID:BtKhWAX2
「ちょ…、おい! 逃げたって何も…!」
アヤを追おうとする平家。
「どこを見ているのです」
コムロ神父の背後から黒い影が平家に向かって伸びるかと思った瞬間
平家の足は切り裂かれていた。
「!? み、見えな…」
87 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:21 ID:BtKhWAX2
翼が槍のようになって伸びているのだが、その凄まじい速さで迫る攻撃を
平家はまったくとらえられなかった。
「しかしね…、今は新しいパトロンが私を愛してくれる」
次々と繰り出される翼による攻撃で平家は次第に傷ついていった。
攻撃は、致命傷にはならないようにわずかずつ平家に加えられていった。
(つ、つええぇ…)
88 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:23 ID:BtKhWAX2
意識を失った平家が再び目を覚ましたとき、コムロ神父に
片手で首をつかまれ持ち上げられていた。
「モーニングマスク…だって…? どこが? ククク…
あんな小さき者も救えずに……」
次第にヒトの形を失っていく神父。ペキペキと音を立てながら
その体は先ほどまでよりも三倍ほど巨大化していった。
すでに片手で持ち上げられる、というよりは片手で握られている
という状態になっていた。
89 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:25 ID:BtKhWAX2
「オマエガ モーニングマスク?
コノ…オオウソツキノ ニセモノメガ… ヒ…ヒヒヒ…ギヒヒヒヒヒヒ」
平家を口の前に持ってきて衝撃波を浴びせようとする神父、いやコウモリ男。
周囲ではコウモリ兵たちが歓声を上げる。
キイイイイイィィィィ…
「クッ…ソォ…」
90 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:53 ID:BtKhWAX2
ドゥンッ!!
教会内にバイクのエンジン音が響いた。
入口の扉を破り、現れた一台のバイク。
そのヘッドライトが平家とコウモリ男を照らし出していた。
一斉に身構えるコウモリ兵たち。
ドゥン!ドゥン!ドゥン!
咆哮をあげるエンジン。平家はその音に聞き覚えがあった。
91 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:53 ID:BtKhWAX2
「マサカ…、コンナトコロマデエエエエ…!」
ヘッドライトの向こうに見える人影。
黒のデニムパンツに黒の革ジャン。首には赤いスカーフ。
そして、輝く黄金色の髪。
「アンタ……中澤裕子……」
92 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:55 ID:BtKhWAX2
「すまん… みっちゃん。遅うなって」
「ア…、アホォ…」
なつかしさと安堵でわずかに涙する平家。
平家の声にうなずき、中澤はコウモリ男たちを見据えた。
「モーニング!! 変身っ!!」
93 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:57 ID:BtKhWAX2
変身の掛け声によって中澤の腰に浮かび出た異様なベルトの
バックルの中央部が開き、その中の風車の回転ともに閃光が放たれた。
閃光にひるむコウモリ軍団。コウモリ男は平家を離し、後ずさった。
閃光が消えるとそこには異形の戦士が立っていた。
髑髏を思わせる仮面。巨大な赤い瞳。外骨格に覆われているような黒い体。
首に巻かれた赤いスカーフ。
94 :
名無し娘。:2001/08/07(火) 04:58 ID:BtKhWAX2
異形の戦士、モーニングマスクはゆっくりと座り込んでいる平家に近づいていった。
周りではコウモリ兵たちが攻撃のタイミングをうかがっている。
「敵は多いなぁ。みっちゃん…。いや…たいした事はないか…」
マスクは平家の前に片ひざを突き、平家の肩に手をかけた。
「今夜はアタシとアンタでダブルマスクやからな…」
95 :
名無し娘。:2001/08/08(水) 04:04 ID:/4aOPe8U
「シャラクサイワアアアアアッ」
槍となったコウモリ男の翼がマスクと平家に迫る。
平家にはまったく見えなかった攻撃だが、改造人間であるモーニングマスクの
超感覚器ははっきりと翼の軌道を捉えていた。
ギィン
マスクは平家をかばいつつ、片手でわずかに翼に触れることで
翼の攻撃の軌道を逸らした。
平家たちを襲うはずであった翼は、その横を通り過ぎ周りにいた
コウモリ兵たちをなぎ倒した。
「ギ…」
「ギャアァ…」
96 :
名無し娘。:2001/08/08(水) 04:05 ID:/4aOPe8U
「キィィ!」
逆上したコウモリ男がマスクと平家に迫る。
「!!」
だがそこには座り込んだ平家がいるだけでモーニングマスクの姿はなかった。
「ヤツメ…ドコヘ…」
辺りを見回すコウモリ男。超音波を利用した超感覚を持っているはずの
自分が敵を見失ったことに焦燥がみられる。
そんなコウモリ男を不敵に笑う平家。
97 :
名無し娘。:2001/08/08(水) 04:05 ID:/4aOPe8U
一瞬、その平家の笑みに気を取られたコウモリ男だったが
凄まじい殺気を感じ、その気配が来る方向、天井を見上げた。
「!!」
天井にへばりつき、いつでも襲いかかれるよう態勢を整えている黒い影。
その赤い瞳がこちらを見つめていた。
「ヒ…ヒイイイイィィ」
赤い眼光から逃れようと声を上げ、後ずさるコウモリ男。
だが、モーニングマスクはそれを許さない。
天井を蹴り、黒い矢となって一気にコウモリ男にせまるマスク。
蹴られた衝撃で天井が爆発したようにはじけた。
「モーニング!! キィーック!!」
98 :
名無し娘。:2001/08/08(水) 04:06 ID:/4aOPe8U
「ヒ…ギ、ギャアアアアアアアァァァ」
モーニングキックによりコウモリ男の左腕が切断され
その激痛によるコウモリ男の叫び声が教会内に響く。
コウモリ男は窓を突き破って外へと逃げ出した。
それにつられてコウモリ兵たちも外へと飛び出し始めた。
「!! マズイで…こいつらもうイッっちまっとる。
外に出よったら見境なく人を襲うで!!」
99 :
名無し娘。:2001/08/08(水) 04:07 ID:/4aOPe8U
ドルン
平家の背後で鳴るモーニングマスクのバイクのエンジン。
「! お、オイ…ゆう…」
オオオオオオオオオ
平家が声をかける間もなくマスクはバイクに乗って
コウモリ男たちを追って外へ走り出して行ってしまった。
100 :
名無し娘。:
「……」
ぽつんと一人教会内に取り残されてしまった平家。
「そうやった。忘れとったわ。あのヒトは人よか遅れて来る上に
人よか先に行ってしまう様なヒトやった…」
傷だらけの体をひきずりつつ自分のバイクを起こし
平家もコウモリ男たちを追い出した。
「チクショー!! どいつもこいつも待ちやがれー!!」