ときモニ。(廃棄ルート&穴埋め)

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1さるぶんごう
好評連載中の「ときめきモーニング娘。」の廃棄されたルートや
お話の抜け落ちた部分とかを書いていきたいと思います。
(よくわからんかったので新スレたてちゃった)

みんなも何かあったら気軽に書き込んでね!。
2さるぶんごう:2001/07/01(日) 16:01 ID:0dPpvKpM
ボクはDISC1の方から順に埋めていこうと思います。

先ずはどアタマのシーンで、希美に起こされてから
なっちのイジメが発覚するまでの間です。
3さるぶんごう:2001/07/01(日) 16:04 ID:0dPpvKpM
DISC1
>>101と>>104の間

「うぅ…」
真っ逆様にベッドから転げ落ちた希美は床で頭をまともに
打ったらしく、その小さな手でお団子頭をしきりに撫でている。
見ると既に着替えていて、セーラー服姿だった。
「ご、ごめん希美!」
「いそがないと遅刻するのれすよ!」
おきたてでまだ焦点が定まらないからぼやけてはいるけど
希美が痛みで目に涙をためながらも
しきりに時計を指差しているのがわかる。

「今日、入学式があるのれすよね」
「でも、オレ達は2年生だから関係ないよ」
「でも彩さんが全員参加だからっていってたのれすよ」
全員参加?…ん!?…
「あ!!そうだった!」
忘れてた。今年から始業式と入学式が合同で行われることになって、
しかも両方とも全員参加になったんだった!。
「早くするのれすよ!」
「あ、ああ、起こしに来てくれて、ありがとう
 大丈夫か?アタマ」
そういって頭を、さっきぶつけた辺りを
優しく撫でるようにさすってやった。
「てへへっ…てれくさいのれすよ…」
希美は目尻にシワを寄せ、八重歯を覗かせて笑っていた。
4さるぶんごう:2001/07/01(日) 16:10 ID:0dPpvKpM

希美を部屋から追い出して着替えを済ませると一階へ降りた。
するとキッチンには何故か居ないはずの義姉さんがいた。

「おはよう、お寝坊さん
 ご飯出来てるわよ、先に顔洗って来ちゃってね!」
彼女はオレの兄貴の嫁の彩さん。
脱色した金色の髪に鼻ピアスと気合いの入ったヤンママ風だが
とても美人で、更にいつも露出度の高い服装をしている。
その風貌は例え起きむくれの高校生の目にじゃなくても刺激的だ。
でも兄夫婦は別のところに新居を構えていて
そっちに住んでいるはずなのに何故彩さんがここに。

「旦那とちょっとあってさ、ドラマみたいに
 『田舎に帰らせてもらいます』って置き手紙して来ちゃった!」
なるほど、夫婦喧嘩だな…
「にしても帰ってくる場所違うだろっつ〜のね、ハハハッ!」
(まぁ仕方ないか、彩さんの場合帰るにしては実家遠いしなぁ…)

豪快に笑う彩さんがひっくり返すフライパンの上で
焼かれている焼きジャケの臭いがして食欲をそそられた。
(ハラ減った…)
さっさと顔を洗い食卓についてゆっくり朝飯を食べたかったのだけれど
時計を見るともう8時26分。
入学・始業式は9時なんだけど
学校まで歩く時間を考えるとそうもしてられそうにない。
5さるぶんごう:2001/07/01(日) 16:11 ID:0dPpvKpM
「ごめん彩さん、食べてる時間ないみたい」
「え〜、そうなの?せっかく腕によりをかけて作ったのに!」
彩さんはひどく残念がってるけど仕方がない。
謝って、顔洗ってる間に食パンを1枚焼いてもらった。

トーストをくわえ玄関でクツひもを結び尚していると希美がすり寄ってきた。
「お兄ちゃん、今日帰ってきたらいっしょに遊ぶのれすよ」
「う〜ん、遊んでやりたいのは山々だけど、
 今日から早速部活があって遅くなるんだよ」
「そんな、ひどいのれす!昨日の夜、約束したのれすよ!
 明日帰ってきたらいっしょにドリキャスするのれすよって!」
希美は急に泣き顔になって騒ぎ出した。
「わわ、わかった、わかったから泣くなって…」
「ほんとうれすか?約束れすよ!」
希美の中学も今日が始業式で、
ご機嫌を良くした希美は靴を履いてさっさと外へ出ていった。
(あぁ、今日は昨日途中になってたネット小説読む予定だったのに…
 『G教に関する噂』って何なんだろ?…あー気になる)
6さるぶんごう:2001/07/01(日) 16:12 ID:0dPpvKpM

「車に気をつけてね」
彩さんはエプロン姿のまま玄関先まで見送りに来てくれた。
「まったく旦那の見送りしないでアタシ何してんだろうね、ハハハッ!
 とにかく、行ってらっしゃい!」
「いってきますなのれす!」
「ひってひまぁ〜ふ!」
食パンを加えてたからアホっぽい返事になってしまった。

「あ、そうそう、しばらく居候させてもらうからね〜!」
学校が反対方向にある希美と別れ、時間大丈夫かな?と
心配になったオレが走り出した頃、
彩さんが大声でそう言ったのが遠くに聞こえた。
(彩さんが兄貴とケンカしてこっちに泊まりに来ると
 いつも一悶着あるんだよなぁ…)
「あ、それと、帰ってきたら手伝って欲しいことがあるからぁ〜っ!」

…やれやれ、こうして慌ただしい一日…いや、1年が始まった。
7さるぶんごう:2001/07/01(日) 17:01 ID:L4a8QJ8s
おっと忘れてた、ひとまずココまで。

トーンはもっと軽い方がイイでしょうか?
本編と違和感があるのもどうかと思うので。

あくまで「ときモニ。」の完成にお役に立てればと思って書いてます。
が、そのうち別ルートで話を勝手に広げていっちゃうかも
知れませんのであしからず。
8名無し娘。:2001/07/01(日) 17:30 ID:doQ2wCt6
こっちの方も頑張ってくださいな。
9さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:18 ID:NPY8OXDA
お、初めてレスがぁ!!…うれしいよぉ!!(○^〜^○)
10さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:42 ID:a30be9jg
>6からの続き

通い慣れた学校へと続く道をひたすら早足で歩いていると
正門前へ直通の桜並木が現れた。
もう春満開といった感じで春の風に吹かれて桜の花びらが
ヒラヒラと舞い散っているのを見てキレイだなぁと感心していたら
ちょうど並木道を半分ほど行ったところ、一際大きな一本桜の
木の下に見慣れた人影を見つけた。

彼女は鞄をムネの前で大事そうに抱え、少し不安げな顔をして
大きな桜の木に少しもたれかかっていた。
その髪やまだキレイで卸したてのような制服の肩に桜の花びらが少しだけ
降りかかっていて、色の白い肌となんか似合ってる。

(…なっち)
幼なじみの安倍なつみだった。

幼稚園、小学校、中学校とずっと同じクラスだったのだけれど
最近はあまり口を利いていなくて少し気まずい。
逆に距離が近すぎるからなのかな。

…どうしよう

1>声を掛ける
2>気まずいから無視
11さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:44 ID:a30be9jg
※2を選ぶ人はいないと思うので強引に1を選択でなっちと登校イベント
 (要望があれば2も書きますのでリクエストあれば下さい)

少し気まずかったけどおもむろに近付いていって、
意を決して声を掛けた。

「…安倍さん、おはよう」
「あ!お、おはよう…」
だいぶ口を利いていない間に何故だか他人行儀な呼び名になってしまった。
安倍さんは驚いた表情をすると、少しはにかんで言った。
なんかぎこちないな…。

「たまには一緒に登校する…か?…」
「…う、うん」
久しぶりに話しかけてドキドキしたけど
安倍さんはまたもはにかんで小さく頷いてくれた。

2人並んで、桜の花が舞う並木道を歩く。
一歩一歩と歩く度になつみの肩や頭から桜の花びらがこぼれ落ちるのを見て
また改めて春の訪れを実感する。
12さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:47 ID:a30be9jg
「もしかして、誰か待ってた?」
「…へ!?」
少し意地悪な口調で聞いてみると、
安倍さんはあからさまに驚いた後、困った顔をした。
「あ、いや、つまり、誰か女友達と待ち合わせしてたのかな…って」
「…え、それは…」

小さい頃はよく一緒に遊んでいた。
けれど小学校も高学年になり、やがて中学に入り思春期を迎える頃になると
ほとんど学校以外で会うことはなくなってしまった。
どこか一緒にいるのが恥ずかしくなってしまったのだろう、
最近は会話もすこしぎこちない。
13さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:49 ID:a30be9jg
「あ、あのさ…」
昔は元気が良かったのだけど最近何故か安倍さんは大人しくなった。
会話することもほとんど無くなったのだけれど、
それでもごく希に会話はしていたけれどそれは成り行きで、
安倍さんの方から話しかけてくるのはほんとに久しぶりだった。
「な、なに?」
「その…制服…新しくしたの?」
「ああ、うん、去年だいぶ背が伸びたから」

そう、確か昨年一年間でけっこう伸びたと思う。
昔は大して身長差はなかったが、今では安倍さんがだいぶ小さく感じる。
「そんなこと、良く気付いたね」
「え、うん…」
そう訊ねると安倍さんは何故だか恥ずかしそうに少し下をうつむいた。
14さるぶんごう:2001/07/01(日) 18:54 ID:a30be9jg

また会話が途切れてしまった。

横目で彼女の横顔をチラリと見てみる。
安倍さんはかなりの童顔でカワイらしい顔をしていて、
いつも年を幾つか下に見られていた。
そして男子からの人気はいつも高かった。
それは今でも可笑しいくらい変わらなくて、あまり高校二年には見えなかった。

「…ぷっ!」

そんなことを考えてると、思わず吹き出してしまった。
「…な、なに!?」
「い、いや、なんでもない!」
何とか笑って誤魔化したが安倍さんは不思議そうな顔をしていたが
なんだか妙に可笑しくて互いに声を出して笑った。

「あははっ!なんかヘンなの」
「フフっ、そうだね!」

安倍さんが…なつみが笑うのを見るのも久しぶりかもしれない、
少し肩を震わせて笑う彼女の髪に付いた桜の葉がヒラリと落ちた。
心なしか彼女の表情が柔らかくなってきたような気がする。
15さるぶんごう:2001/07/01(日) 19:03 ID:a30be9jg
お喋りしながら歩いてると少しして学校へたどり着いた。
家を出て直ぐ走ったので遅刻は免れたようだ。

校門をくぐるともうすぐ入学式が始まる様子で、
体育館の前には新入生が集まり始めていて、
父兄達も正門付近に大勢集まっていた。

ネガティブそうで妙に細い華奢な女の子
背が高くてかっけーボーイッシュな女の子
それと、なんかやる気のなさそうな女の子

今年も様々な学生達が入学して来るんだろう。
(それにしてもなぜ女の子にばかり目がいくんだろう…)

「確か今年ってクラス替えがあるんだよね」
「うんそうだね」
玄関にはクラスの割り当てが書かれた張り紙がしてある。
「お!また同じクラスだ!」
「う、うん…」
安倍さんのご機嫌を伺おうと
すこし大きな声をあげて喜んで見せたんだけど、
何故か安倍さんは張り紙をみたまま浮かない顔をしている。

「これで11年間連続でクラスメートだね」
そう語りかけても安倍さんは返事をしなかった。
自分たちの下駄箱を探し当てると上履きに履き替えて教室へと向かった。

おろしたての安倍さんの上履きが白くて眩しかった。
16さるぶんごう(休憩):2001/07/01(日) 19:06 ID:a30be9jg
ヒマなので少し更新。

なっちは最初いじめられてて暗いはずなのでちょっとトーンを重く。
他のキャラもこの後続々登場予定です。(※既に4人登場してるけど)

あと、このスレって本編と少し重複してる場合がありますがご勘弁を。
…あとかなりベタ。

訂正:11の下から2行目の「なつみ」を「安倍さん」に
   14の下から2行目の「桜の葉」を「桜の花びら」に訂正。

   よく見直してから投稿しなきゃ…反省するのれす( ´D`)
17名無し娘。:2001/07/01(日) 19:40 ID:mHTkP2nw
いいっすよ!
これから楽しみにします。
頑張って下さい!
18さるぶんごう:2001/07/01(日) 20:05 ID:wvUXKYGk

この学校は1年生が3階、2年が2階、3年生が1階
という風に教室が配置されてて、年功序列ってコトなのか
上級生の方が楽を出来るので羨ましかった。

(ウチの教室は?…っと、あった!)

教室へたどり着くと、突如とても甲高い声がした。
「あ、同じクラスになったんだね!」
入り口で立ち尽くしているととても背の低い女の子が駆け寄って来た。
そのスゴイ勢いに安倍さんは驚いている様子だ。
「あ、矢口さん!」
「よかったぁ〜、知り合いは一人でも多いほうがイイもんね!」

いきなり人懐っこく話しかけてきた彼女は矢口真里さん。
共通の友人を通して一年の頃に知り合った。
彼女はとても体が小さい。
体の小さい安倍さんよりも一回りは小さい。
性格はとても明るく、知人も多い。
更にその共通の友人の話によると
いつもクラスのマスコット的存在だったらしい。

「まさか同じクラスになるとは思わなかったね〜っ、キャハハッ!」
確かに知り合いは多い方がいい。
矢口さんのテンションはなかなか下がりそうもないけど。
19さるぶんごう:2001/07/01(日) 20:07 ID:wvUXKYGk
「ん?…アレ、そっちの子は?」
矢口さんは安倍さんの方へ視線をやると、
彼女をしげしげと観察するように見ながらボクに尋ねてきた。

「あぁ、幼なじみの安倍なつみさんっていうんだ」
「…どうも」
「うん、ヨロシクね!アタシ矢口真里、マリでイイよ!」
安倍さんは少し構えたような感じで軽く会釈をするが、
矢口さんは全くそんな節は見せずに明るい口調で言った。
彼女のこの突き抜けたような明るさは何処から来るのだろう、
ほとほと感心してしまう。

「あっ、そうだイイ機会だから紹介するよ、ケイちゃ〜ん!」
矢口さんが呼びかけると向こうから女の子が1人近寄ってきた。
ケイちゃんと呼ばれるその子は割と落ち着いた感じの子だった。
「保田さんって言うんだ、よろしく」
保田さんは何故か警戒心を抱いているような目でこちらを見ている。
何か恐い…

4人はほとんどが初対面というコトもあり
何となくぎこちなくはあったけど、
数分は楽しくお喋りした後
「そろそろ式、始まるわよ」
という保田さんの言葉に促されて入学式へ出た。
20さるぶんごう:2001/07/01(日) 20:17 ID:wvUXKYGk
入学式の後、部活動があるため3人と別れた。

現在、陸上部に所属してる。(※1)
聞くところによると今日は活動は一応あるらしいが、
新1年の入部希望者を募るためのオリエンテーションを
女子部員が中心で開くとかで男子は顔出しだけ。

安倍さんは家へ帰ったみたいだ。
それに、矢口さんと保田さんは繁華街へ買い物へ行くと言っていた。
希美と彩さんとの約束もあるし…どうしよう

1>まずはきちんと陸上部へ顔出し
2>矢口さん保田さん追っかて繁華街へ
3>校内をうろつく
4>帰って希美と彩さんの相手をする

※一応、現段階では陸上部一筋という設定です
21さるぶんごう(休憩):2001/07/01(日) 20:19 ID:wvUXKYGk
ふと思い出して、本編の真似事をしてみました。

でも、あくまで本編に繋げることが目的なので、
本筋を超えた範囲の展開は期待しないで下さいね。

とは言いつつも脱線してしまおうかなんて…ああっ悪魔が囁いている!!

( ´D`)やっちゃえ、やっちゃえ、れすよ!!

※脱線如何については皆さんの判断にお任せします。
22さるぶんごう(孤軍奮闘):2001/07/01(日) 20:22 ID:wvUXKYGk
>17
 ありがとう!本編に負けないようにガンバります!。
23名無し娘。:2001/07/01(日) 21:32 ID:vRGekpT.
さるぶんごうさん、旗揚げおめでとうございます。選択されなかったルートで、
捨てておくのが勿体ないのが結構ありましたね、それをさるぶんごうさんの力
で、復活させてください。楽しみにしています。
24ベタ:2001/07/01(日) 22:23 ID:L4BnAwcg
本編からの誘導
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=993970734&st=3&to=7&nofirst=true
&key=このスレの番号、&st=レスの始まり、&to=終了レス、&nofirst=trueで1非表示。

スレ内の跳びや、返事
>>10>>11-20半角でね

初めにメモ帳か何かでまとめて作っておいて、一つウインドウを出したら、
Ctrl+Nで必要なだけウインドウを空けて、文章をコピーしてから書き込みすると楽ですよ。
25ベタ:2001/07/01(日) 22:28 ID:L4BnAwcg
倉庫とか別スレとかの行に>>は使わない方がいいですよ。
かちゅ〜しゃ使っているとおかしくなるから>にしておく方がいいと思います。
26さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 00:31 ID:fUENKcMs
「ガキ使い」はやっぱトークが無いとね…

>ベタさん
 わざわざ教えていただいてありがとうございます。
 知りたい情報を的確に、正に「渡りに船」で有り難いです。

 てことは現在倉庫にあるDISC1と2へのレス指定の跳びは
 出来ないってコトですか…でも当面はずっとDISC1の
 「101〜4」の間のお話しなので大丈夫ですかね。

>>23さん
 ありがとう、どの程度出来るか分かりませんが
 やるだけのことはやらせてもらいます!
27名無し娘。:2001/07/02(月) 00:57 ID:3fGXNIp6
なかなか良い味が出ていますねぇ。
私も選択されていなかったルートが気になっていたので。
頑張ってください。
28ベタ:2001/07/02(月) 01:17 ID:oFm4X.mE
>>26
倉庫内はhtmlなんで無理だと思います。
でも行番入れておけばCtrl+fで検索かけてくれると思いますよ。
それから「かちゅ〜しゃ」、>でもダメでした。
> 101なら大丈夫かな?(test)

実は最近になって、「かちゅ〜しゃ」使い始めてるんだけどいい。
とびが多いこのシリーズは、見やすくてお勧め(って、自分が遅れてるだけだね)。
でも、投稿(作品)はIEとかの方がらくだね。
29ベタ:2001/07/02(月) 01:19 ID:oFm4X.mE
>>26
> なら大丈夫でした。

ごめんageちゃった。
30ベタ:2001/07/02(月) 01:44 ID:oFm4X.mE
ついでに倉庫行き廃棄関係

ときめきモーニング娘。(恋愛シュミレーション)
http://teri.2ch.net/mor2/kako/984/984736936.htmlの> 53

モーヲタになる為の・・・
http://teri.2ch.net/mor2/kako/986/986656517.htmlの> 18以降多数

恋愛SLG『センチメンタル・モーニング娘。』
http://teri.2ch.net/mor2/kako/987/987156451.htmlの> 22以降多数

モーニングファイト!!!
http://teri.2ch.net/mor2/kako/988/988214773.htmlの> 37以降多数
31代打名無し娘。(背番号88):2001/07/02(月) 03:22 ID:DLO3R43.
とても(・∀・)イイ! っす。
頑張ってください。
32カオレンジャー:2001/07/02(月) 07:30 ID:HC0ZRKV2
あっ、ベタさんもいる。ついでだから、ベタさんとさるぶんごうさんに
伺いたいんですが、何か裏設定とか考えてあります?こちらは
一応、石川となっちに考えてあるんですが。
 話の整合性を付けるために、もしあればお教え下さい。
33さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 09:30 ID:L0ySB0oc
>ベタさん
 お手数をおかけしてる上に何度もアドバイスありがとうございます。
 でも専門的なコト全くの素人なんで分かんないんです、すみません。
 (でもまぁ何とかなるでしょう…楽観的人間なんです>自分)

>カオレンジャーさん
 安直な発想で書いてるんで裏設定はコレといってないんです(w

 こっち(廃棄ルート)を読んだ本編作家さんが本編で使えそうな
 伏線を独自で張っていければとは思ってるんですけど、如何せん
 本(マンガ含む)やTVドラマ等はあまり見ない人間なのでネタが
 そうそう思い付かないんです…

 思いつき次第随時書き込むってカタチなのでその時になってみないと
 分からないってのが現状ですが試行錯誤はしていこうと思います。

 あと、こっちで貼って欲しい伏線あったら言って下さいね。
 伏線なしに成立しないネタとかあるでしょうから。
34さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 09:38 ID:L0ySB0oc
思い切って選択肢つけたのに誰も選んでくれない…
まぁ結局行き着くところは一緒なのでいいんですけどね。

じゃあ帰ってきたらこっちで勝手に選んで書いちゃいます!。

>>27>>31
 応援ありがとうございます。勢いでスレ立てちゃって今更に
 なってチョイ後悔…もっと本読んどきゃよかった、って。
35名無し娘。:2001/07/02(月) 17:21 ID:CUI4kB3o
3でお願いします。

とても、いいです。
頑張ってくださいね。
36さるぶんごう:2001/07/02(月) 18:19 ID:glu6Ip1Q
※3でいきます

−−−−−−−−−−

う〜ん、校内でも少しフラフラしてみるか。
新学期に入って少しは校内の雰囲気も変わったはずだ。
陸上部への顔出しは後でもいいだろう。

「なぁ〜んかハラ減ったなぁ…」
なんとなく独りごちてみる。
朝飯がたったトースト1枚だったしなぁ…

そういえば今年から購買部が新しくなったらしい。
なんでも美人で若いおねぇさんが独りで切り盛りをしているらしく
生徒の間でもかなり噂になっているという話だ。
腹減りついでにちょっと覗いてみよう。

購買部へと向かった。
37さるぶんごう:2001/07/02(月) 18:21 ID:glu6Ip1Q
(おっ!ホントだ、新しくなってる)

特に建て直しをしたわけではないけど
確かに購買部は装いも新たに営業していた。
何やら後ろの壁にはパンの価格表と一緒にポスターが貼ってあるぞ
(…カラス…の女房?…なんじゃそりゃ?)

意味不明なポスターを余所にレジの所へ目をやると
とてつもなくヒマそうな女性がカウンターに肘を突きながら
雑誌を読んでいる。

(…ん?、確かに美人かも…)
去年までのヨボヨボのおばあちゃんとは大違いだ。
案外と小綺麗な格好してるし、これでお淑やかな性格
だったりしたら正に大人の女性…

…と一瞬でも考えた自分が浅はかでした

「お、いらっしゃい!なんか買うていってか!」
彼女はこちらの気配に気付き、見つけるなり思いっ切り
関西弁丸出しで話しかけてきた。

大阪の商人ネェサンか…
かなり少し拍子抜けした。
38さるぶんごう:2001/07/02(月) 18:22 ID:glu6Ip1Q
「全部ウチの手作りやからな、
 どれも美味いでぇ〜!さ、なんか買っていってや!」

レジの脇にはカートがいくつもあって、その上にはパンが並んでいる。
放課後ということもあってか残りはわずかになっているが、
ハラが減っているせいもあってかどれもとても美味しそうだった。

ん…?なんだこれは演歌で良くあるカセット
『カラスの女房(300円)』というタイトルの曲らしい。
さっきのポスターってこの曲のことか
しかし今日日、カセットって…

(え、えっと…ハラ減ってて何か食べたいし
 とりあえず話しかけてみよう…)

1>「おばちゃんコレちょうだい」と元気に言う
2>「おねえさん、コレ下さい」と優しく言う
3>「このカセット何?」と聞いてみる
39さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 18:23 ID:glu6Ip1Q
ただいまっす。
指定がないので1でいこうと思ってネタ考えてたら…

速攻で3書きました。
大した差はありませんが選択肢つきで。
(残りのルートも、後で出来るだけこのスレにUPします)
40さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 18:29 ID:glu6Ip1Q
読み返してて思ったんですけど、
外業者の購買が放課後まで開いてるのっておかしいですかね?
(ウチの高校は売り切れるまでしつこくやってたので)

って思いっ切り雑談してるなぁ…
41名無し娘。:2001/07/02(月) 19:13 ID:CUI4kB3o
35ですけど、
1を考えていらっしゃたんですね・・。
別ルートも読みたいので、
ぜひ書いて下さい。

あと、
3のカセットでお願いします。
42ベタ:2001/07/02(月) 21:57 ID:zHManp6I
そろそろ廃棄ルートでも書こうと思うんだけど、ここに書いてもいいかなー?
最近の方を書くと見づらくなるかな?

廃棄であまり選択肢を付けない方が、いいと思いますよ。
なるべく次に現れる選択肢までの別ルートで戻ってくるような感じがいいと思います。
本編とのからみと、なんといっても自分の首をしめない為です。
本編前だから大丈夫だと思うけど、
そこで停滞すると本編の登場からみで矛盾が出てきますよー

あまりからみすぎるとDISC1の> 221の購買でズレが生じるので1で。
飯田が出てきてオカ研に引き込まれるか、安倍が出てきてイジメられてるとかの方が良かったかも。
イジメだとそのまま> 104につながってたかも
> 104以前はイントロなので流して先、行きましょうよ。

>カオレンジャー
一応前ちょっと書いたけど、後藤は2回以上ツケがたまると次の休みは、
イベントが無い限りは、強制デートで場所の選択のみ。
中澤は、(なるべく)車(乗り物)が違う。
43さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 22:44 ID:4aLqZS8E
>ベタさん
 「DISC1の221」は見事に見落としてました…(汗)

 本編の初登場に差し支えのない様に、安倍のイジメまでの経緯を描いて
 &出来れば全員登場(名無し登場も含む)させたいと思ってたんですけど
 やっぱ難しい…本編読み返すのだけですら大変だし。(弱音)

 まだ先にする予定だったけど、そろそろ104へ繋げちゃった方が
 イイのかな?…ってなんかTELするみたいだ…

 選択肢は遠回りの意味と単調になるのが不安でつけたんですけどやっぱ
 失敗でしたね。次からは選択肢カットで。

 いずれにしろかなり”迷走してる感”がある…

 ※廃棄ルート、ガンガン書いちゃって下さいな。
  見づらいのは致し方ないかと。
44さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:22 ID:4aLqZS8E
色々食べたいパンがあるのだけど、
どうしても気になるので先に聞いてみた。

「このカセット何ですか?」

カセットを指差して訊ねた後のそのリアクションの早いこと早いこと。
待ってましたとばかりに購買のおばちゃんは喋りだした。

「お、突然やな、実はなこのカセットは
 聞くと幸せが訪れるんやで、どや、買っていくか?」
「な、何が証拠でそんな…」
「すっごいんやから、聞いた尻から1億円拾ったり、
 8浪してた子が突然有名大学に合格したり
 売れない3流アイドル歌手が大ブレイクしたり…」

何とも信憑性のない…
しかもこのジャケット写真、何とも幸が薄そうだ…

ん?でもよく見ると、この写真の女の人と
このおばちゃんそっくりな気が…
45さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:23 ID:4aLqZS8E
「それから、それからあとはなぁ…」

ダメだ、話は途切れそうにないので、ムリヤリにでも話題変えないと
えっと…

「お、おばちゃん!このパンちょうだい!」

話をムリヤリに切るためにちょっと元気よく言ってみた。

「おっ!なんや元気ええなぁー、そんな元気エエ子には
 おばちゃんはパンをもう一個おまけしたろ…
 …って誰がおばちゃんやねん!!」

おばちゃんは大阪芸人ばりののりつっこみを見せた!

「だれが『おばちゃん』やねん!
 だれが『嫁(い)き遅れ』やねん!」

いや『嫁(い)き遅れ』とは言ってないけど…
46さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:24 ID:4aLqZS8E
「何でどいつもコイツも『おばちゃん!おばちゃん!』
 言いよんねん、めっちゃハラたつわ〜!
 そらもうそろそろ30超えたら肩もよう上がらんようなるやろ、
 せやけどな、言ってエエこととワルイことがあるやろ〜!キーッ!!」

ま、まずい、なんだかヒステリーおこしてるぞ。

「す、すみません、これは、言葉のあやというかなんというか…
 その…怒らせちゃったなら謝ります!ごめんなさい『お姉さん』!」

あたふたしながら素直に、そして懸命に謝っていると
おばちゃ…もとい、お姉さんは急に騒ぐのを止めた。

「…も、もう怒らないんですか」
「冗談やがな」
「…へ!?」
「大の大人がアレくらいでキレるわけないやろ?
 そんな恥ずかしいマネでけへんがな…」

(散々大声上げてた人が何を言うか…
 しかもまだ顔少し引きつってるし)
47さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:24 ID:4aLqZS8E
そこからしばらくはおばちゃ…もとい、お姉さんの飲酒を伴った
1人話が展開されるのだけれど、他にも大勢の生徒に
『おばちゃん』と呼ばれるコトが多いそうな。

「…せやからな、そのハラ立つ連中の中で1番元気よさそうな子
 1人とっ捕まえて言うてやったんや!
 『若くて美人なお姉さんがやってる購買のパン屋すげ〜美味いぞ!
  …イヤ、むしろお姉さん自身の方が美味そうだった!』
 って最低10人に言わなしょ〜ちせんぞ!ってな!アハハッ!」

なるほど、それであんな噂が…
更に、何やら気が合うのか突っ込んだ話も聞かせてくれて、
売り物のパンは実は業者から仕入れてるモノらしく、
『手作り』と偽って売っているそうな…って詐欺じゃん。

「商売上手なんですね
 値段も安いし、おまけいっぱいつくし」
「まぁ出身(で)が関西やからね
 『薄利多売やハート熱いで♪』っちゅ〜ヤツやねぇ〜♪」
48さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:25 ID:4aLqZS8E
そんなこんなで少し話し込んでしまった。
お姉さんの方は少し顔が赤らんではいるけど。

「気をつけれ帰りや〜!」

帰ろうとすると遠くでお姉さんの声が聞こえていた。

(せめて名前くらい聞いとけばよかったかな?
 どうせ毎日あそこにいるんだからいいか…)

購買があるそのホールの構造のせいか
威勢のイイ彼女の声がこだましていて妙に耳に残った。

お姉さんの声、思ったよりも透明でキレイな声だな。
そう思った。
49さるぶんごう(休憩):2001/07/02(月) 23:26 ID:4aLqZS8E
今回は軽はずみに書きすぎました、かなり反省。

「DISC1の221」でのコトは「主人公・中澤は共に忘れっぽいから」
ってコトで。あえて3を選んでとことんネタっぽくして、飲酒させて
誤魔化しまてみました。

あと中澤の声については「聞き覚えのある声」というフレーズが後で出て
来るんで大丈夫だと思い伏線張っておきました。(演歌も何かに使えるでしょ)

コレで、ギリで繋がると思うんですけどダメですかね?…
50ベタ:2001/07/02(月) 23:34 ID:igPvBwF6

「そうだなー、幼なじみの安部さんなんて…!
 何で、お前に教えないといけないんだよ!!」
「ふーん、やっぱりそうだったか。
 悪いことは言わないから、他のにしとけ。」
「何でだよ!」
「まさかとは思ってたが、お前とかぶってたとはなー。」
「まさか、お前!」
「こっちは前から下準備もしてたんだから、譲るのが礼儀だろ。」
「そんなの知るか!」

 下準備?……!
「まさか、イジメはお前が仕組んだのか!」
「さあね。
 俺は、言寄って来るウザイ女どもに『内緒だけど、安部さんて可愛いよね。』って、言っただけさ。
 まっ、そいつらは思惑通り動いてくれたけどな。」
「なんだと!!」
 思わず胸グラを掴んでいた。
「殴るのかい?」
「誰がお前なんか殴るかよ!
 これ以上、彼女達に手を出すなよ!!」
 押尾を突き放した。

「さすが元不良。
 だけど、俺の方がいい男だから泣くのはお前の方だけどな。」
 そう言って何処かへ行ってしまった。

http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=181&to=181&nofirst=true
10行目に続く
51さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:42 ID:vvlxk7m.
>>48の続き

まだ時間があるので陸上部に顔出しに行こう。

この学校には新しいコンクリートの校舎と古い木造校舎がある。
ほとんどの教室は新校舎にあるんだけれど、
体育館やグラウンドに近いので体育会系の部活動が
イベントなどを開くときに空いた部屋を使うことが多い。
今日の陸上部のオリエンテーションもこの旧校舎で行われるらしい。

まぁ「オカルト研究部」等という気色の悪そうな部活の部室も
この旧校舎に存在しているんだけど霊が出るとかいう妙な噂が立っていて
恐ろしくて未だに訪れたことはない。

陸上部の部室へ向かってその旧校舎の廊下を歩いている時だった。
ある曲がり角に差し掛かるところの正面に1枚の女の子の肖像画が飾ってあった。
年齢的には幼そうだけど、どこか憂いを帯びたような落ち着いた表情。
(この子…どこかで見たことがあるような…)

と、絵に見とれていたその時だった。
52さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:42 ID:vvlxk7m.
ゴンッ!!

「…痛っ!!」「…キャッ!!」
曲がり角で誰かとぶつかった。瞬間的に声で女の子だと分かった。
しかも、家へ帰ってからのことが憂鬱で気が重く、
うつむき加減で歩いていてまともに頭でぶつかった。

「…アイタタタ…だ、大丈夫?」
「…痛っ、だ、大丈夫です、こちらこそすみません……あっ!?」
女の子はこちらと目を合わせた瞬間、突然驚いたような顔をした。
彼女はフチなしのメガネをかけていたのだけれど、
ぶつかった拍子にずれたメガネを直すのも忘れた様子で
相当驚いてるのが分かる。

「…オレの顔に何か付いてる?」
「あ、い、いえ…そ、そのぶつかっちゃってごめんなさい
 あの、陸上部のオリエンテーション会場ってどっちですか?」
「あぁ、それならこの階段上がって2階へ上がって直ぐ正面にある
 視聴覚室だけど…もう始まっちゃってるんじゃない?」
「…そ、そうですか、ありがとうございました!」
53さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:43 ID:vvlxk7m.
その女の子はズレていたメガネを直すとペコリと頭を下げ、
階段を逃げるように駆け上がっていってしまった。
(制服が新しかったし、オリエンテーションに出るってコトは
 陸上部の入部希望者かな?。にしても長身でけっこう可愛かったなぁ…)

その日は部室へ顔出ししてそのまま帰宅。
そして夜中まで希美と彩さんにこき使われたのだった。
54さるぶんごう:2001/07/02(月) 23:45 ID:vvlxk7m.
>>20の>1用に書いて置いたモノを一部引用。
>>48に続けてUPすべきでした、見づらいけどすみません。

「あの娘が何故メガネかけているの?」という点に関してましては、
あくまで個人的判断…いえ、趣味です…( ^〜^;
(読み書きするときにだけかけるというコトで)

いい加減オカ研へ入らなきゃ…
55カオレンジャー:2001/07/03(火) 08:46 ID:nyYjFZPU
>ベタさんへ
俺的には押尾はなっちねらいじゃなく人気最下位の娘にちょっかいを出させるつもり
だったんで、なっちにこだわらずご自由に。ただ、俺自信もあんまりストーリーに
押尾を絡ませるつもりはないです。ほっとくと押尾の影が見えるくらいでやるつもりです。

>職人のみなさんへ
一応、なっちが親密度が増してくると、訛りがぽろっと出ると言う裏設定を考えていたので
それようのプレストーリーが以下です。もしかすると設定的に入る余地がないかも
しれませんが、基本的におれはこのなっちで書いてるつもりです。
56カオレンジャー:2001/07/03(火) 08:48 ID:nyYjFZPU
「なあ、おまえんちの犬。さわってもいいか?」

あの時の私は、生まれ育った北海道からこの町に引っ越して間もない頃だった。
いくら北海道は訛りがあまりないとはいえ、やはりこの町の子達にとっては
特異なしゃべりかただったらしい。
「こいつしゃべりかた、へんー」
「だべっていってみろよー」
仲良かった幼稚園の友達と引き離されて独りぼっちになってしまった私。
お父さんもお母さんも、すぐに友達が出来るっていってたのに……。
子供心につらくてしょうがなかった日々。

ところがそんな毎日もあの一言で変わってしまった。
「なあ、おまえんちの犬。さわってもいいか?」
時折見かける近所に住んでる男の子だった。歳は同じくらい。
私は犬に餌を上げるために玄関から出てきたところを、門にしがみついて
犬を見ている男のコにばったり出くわしてしまった。
「う、うん。いいべさ」
門の中に入った男のコは嬉しそうに犬に触る。
「なぁ、こいつの名前は?」
「ロシナンテ」
「そうか、よぉしよしロシナンテー」
ひとしきり、ロシナンテを撫で回した男のコは礼を言って帰って行った。

次の日、男の子は女の子を連れてやってきた。
「どうだぁさやか。この犬スゲェだろー。ロシナンテっていうんだぜ」
「えー、おっきいよー、こわぁい」
「そんなことないよー。なぁ…アレ?名前聞いてないや」
「な、なつみ」
「よろしく、こいつはさやか。……さやか、女同士仲良くしてやれよ」
男のコはそういうとすぐにロシナンテを撫で始めた。
ねぇ、名前まだ聞いてないよ。
57セングラ序章みたいなものね:2001/07/03(火) 08:49 ID:nyYjFZPU
そのまた次の日、今度はまだヨチヨチとしか歩けない女のコも増えていた。
「こいつ、俺の妹の明日香。ほら、よろしくって」
「よろちくぅ」
そしてまた、男のコはロシナンテを触り始める。
「ふぅ、まったく男って勝手よね。じゃあ、なつみちゃん。何して遊ぶ?」
「お、おままごと」
「じゃあ、さやかがパパでなつみちゃんがママね。明日香ちゃんは赤ちゃんよ」
それ日から、四人で遊ぶ事が多くなり、小学校に入る頃には、訛りもさやかの
アドバイスであんまり出さないように心がけるようにした。

でも、四人でいる時には訛りを気にすることなく、話す事が出来た。
だって、
「おまえのしゃべりかた、おれはすきだぞ。テレビの人みたいで。もっと話せ」
って言ってくれたから。
男のコはテレビや本の中でしかまだ知らない世界にいつか冒険に出る事を夢見ていた。
男のコにとって私はそんな外の世界への第一歩だったのかもしれない。

いつしか時は流れ、さやかの引越し。そして明日香ちゃんの死により私の
周りも変わってしまった。なにより、あの男のコが変わってしまった。
もうずいぶんと話をしていない。今もこんなにそばにいるのに。
今の私はあの頃と同じように、つらい日々を送っている。よくわからないが
些細な事が原因でイジメのターゲットになってしまったらしい。

ときどき、ふっと訛ることも考えず思い付くままにしゃべりつづけてたあの日々の事を
思い出して涙が止まらなくなる。

ねぇ、なっちつらいんだ。ロシナンテはいないけど、またアナタと話したいんだよ。
58ァオレンジャー:2001/07/03(火) 09:15 ID:MkgJcbEw
読み返して思ったけど、ベタさんの話を否定したいわけじゃないんですよ。
俺自身が書くと、なんか押尾結構暴れまくって、
「矢口、今度芸能人の来るパーティにつれてってもらうんだぁ」とか
言い出しそうな雰囲気だったんで、出して失敗したかなとか反省
してるんですよ、実は。

まあ、エンディング近くでかなり卑劣な事してもらおうかなとも
今は考えているのですが……。
59ベタ:2001/07/03(火) 10:29 ID:2Re/Y/Xw
>>58
別に安倍狙いって訳じゃないですよ、誰選んでもかぶるつもりだけど。
ただ、イジメって設定が楽だったんでね。
夜、暇だったら今度は後藤パターン作っときますね(また楽な設定選んでる…)。
60さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:40 ID:qExm42iU
ある日気まぐれでいつもより少し早めに登校し、
学校へ着くとそのまま真っ直ぐ教室へ向かった。

(たぶん、今日の一番乗りだろうな…)

階段を上りながら、小学校の低学年の頃、
誰が1番早く登校するかを競争していた
ことを思い出していた。

(そういえばまだあの頃は安倍さん…
 …いや、なっちも一緒になって競争してたっけ)
61さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:41 ID:qExm42iU

『また負けちゃった…』

机に突っ伏して、ぜえぜえと肩で息をしているなっち

『なっちは足が遅いからダメなんだよ』

クラスでかけっこしても1番遅かったなっち

『う〜んなまらくやしいべさ!でも今度は負けないべさ!』

ほっぺたを風船みたいにぷくぅ〜っと膨らませて
精一杯息巻いてみせるなっち

『へへん!勝てるもんなら勝ってみな!』
『勝つもん!ぜぇ〜ったいに今度は勝つんだもん!』

さっきよりも頬を膨らませムキになるなっち
そんな彼女がおかしくて笑った。

『ハハハッ!』
『あははっ!』

2人は笑った

その後、次の日の朝も競争することを約束して
帰り道あのパンダの所まで競争して
日が暮れるまでかくれんぼをした

そして次の日も、そしてその次の日も
競争をして、かくれんぼをした

そして毎日のように2人で笑っていた
62さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:41 ID:qExm42iU

もうすっかりセピア色に染まってしまった
想い出の糸をたぐり寄せては、少しセンチな気分に浸っていた。

そういえば最近の安倍さんとの関係
また昔みたいな関係に徐々に戻りつつあるのかなぁ…

このまま上手く行けばいいけど
63さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:42 ID:qExm42iU
「…早くしなよ、誰か来たらどうするの?」
「…分かってる、今やるってば!」

自分の教室の直ぐ側までやって来たとき、
教室の中からコソコソ声の会話が聞こえてきた。
何を話してるのかまでは聞こえなかったけど
何やら急いでる様子だった。

何事かと思い端から観察しようと思ったけれど
こっちがコソコソする理由もないと思い直り、
思い切って教室の扉を開けた。

ガラガラッ

見ると、誰かの机の周りに数人の女子生徒が
集まっていて、なにコソコソとしていたのだけれど、
扉の開く音に気付いてらしく、全員が一斉にこちらを振り返った。
気になるので話しかけてみた。

「おはよう、何してるの?」

「あ!…あ、あの、これはその…」
他の子はずいぶんと慌てた様子だったけれど
1人だけ妙に冷静な子がいた。

「おはよう…実は宿題をやり忘れちゃってさ
 で、悪いと思ったんだけど誰かのノートを
 見せてもらおうと思って…」
彼女の手には何かが握られていたけれど、
話しながら彼女はそれを机の中に戻した。

(…いまの何だろう?…ノートか何かだったような…)
64さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:42 ID:qExm42iU
「このこと、みんなには黙ってて…ね、おねがい!」

そいつはハデな外見の割にはけっこう真面目なタイプで
宿題を忘れるようなヤツじゃなかったような気がしたけど、
その場にいた数人の女子全員に頭を下げてきたため、
勢いに押されて頷いてしまった。

人の物を盗み見するのは良くないが…う〜ん、まぁ
大したことじゃないし、減るもんじゃないし、いいか。

「OK、分かった」

彼女たちは笑顔で「ありがとう」と言うとそのまま自分の席に着き、
やり忘れたという宿題をあ〜だこ〜だと言いながらやり始めた。

(そういえばその宿題、オレも終わってなかった気が…)

あとで安倍さんにでも見せてもらおう。
そういえばさっきの席って…安倍さんの…
65さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:43 ID:qExm42iU
昼休み、宿題を出された授業が午後イチにあったので
安倍さんにノートを見せてもらおうと思い、彼女に尋ねてみた。

「だ、だめだよ…」

何度も『一生のお願い!』と詰め寄ってみたけれど
彼女は何故かノートを見せることをことごとく拒んできた。
その理由は『写すだけじゃ憶えないよ』という事らしく
ごもっともなんだけれどなぁ…と心の中で反省する。

そして、ふと今朝思い出していた『誰が1番朝早く登校できるか競争』や
『パンダ公園でのかくれんぼ』について安倍さんに話したのだけれど
反応はあまり芳しくない。

どうしたんだろう。
入学式の日、しばらくぶりにまともに口を利いて以来
少しずつだけれどまた元の関係に戻れるかな?…って
思い始めていただけに、なんだか安倍さんの態度は
少し悲しかった。

その後宿題は安倍さんに一問一問直接教えてもらって解いて
無事提出できたけれど、それにしても何か引っかかる一日だった。
66さるぶんごう(休憩):2001/07/03(火) 19:44 ID:qExm42iU
この後、DISC1
http://teri.2ch.net/mor2/kako/983/983282687.html
の>104へ繋がり、安倍のイジメが発覚(主人公が気付く)します。

なんか色々あるのでとりあえず繋げちゃって、
そのあとで廃棄ルートを使って色々と遊ぼうと思います。

※一応「1人だけ妙に冷静な子」ってのがネックな訳で。
 ただ、例の彼の命令でやったのかどうか…真実は藪の中へ?

では続いて…
67さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:45 ID:qExm42iU
その後、クラスのムードメーカーであった矢口さんや、
正義感の強い保田さん等の彼女の仲間達や
更に、一部の男子(安倍さんに密かに想いを寄せていたのかも?)
の手助けもあって、安倍さんへのイジメはなくなった。

結局、あの日、早朝の教室で何やら怪しい行動をしていた
女子のグループが犯人だと分かった。
『あの時に気付いてやれば…』と少し自分で反省もしたが
彼女たちもちゃんと反省もしている様子で、
ちゃんと安倍さんに面と向かって謝ってくれたので良かった。

安倍さんも最初はまだまだ彼女たちに対して怯えた様子だったけれど、
少し時間が経った頃には笑顔で許すと言ってくれたし、
彼女たちと普通に会話もするようになっていった。
68さるぶんごう:2001/07/03(火) 19:48 ID:cgLofKnE

「…ありがとう」

放課後の屋上、下をうつむきながら照れくさそうに
うつむいていた安倍さんが言った言葉

そして顔を上げて顔を見合い、2人は笑った

その時の彼女の表情はいつもよりも余計に幼く見えて
まるであの幼い日に少しだけ戻ったような気がした

こうしてクラスに平和が訪れた
69さるぶんごう(休憩):2001/07/03(火) 19:52 ID:cgLofKnE
これが
http://teri.2ch.net/mor2/kako/983/983282687.html
の>108の後に入り、いじめイベントは収束します。
(なんかトーンが違くてごめんなさい)

本当は伏線は『かくれんぼ』だけで行きたかったんですけど、
流れ上、事件解決後の後味の良さを残したかったのでラストの
笑顔で見合うシーンへの伏線として『競争』をメインにして
描いてしまいました。

というわけで「DISC1の101〜4」は終了しました。
読んで頂いた方、今までありがとうございました。

とはいえ、この後も「廃棄ルート&穴埋め」はこちらで
続けさせて頂きますので、どうぞヨロシク!。

※次は「オカ研入部の巻」…の予定(UP時刻も未定)
70ベタ:2001/07/03(火) 20:07 ID:DihPAQ/M
じゃあ
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=162&to=162&nofirst=true
4>可愛い悪魔後藤さんバージョン

「そうだなー、後藤さんなんて可愛くて…!
 何で、お前に教えないといけないんだよ!!」
「ふーん、やっぱりそうだったか。
 悪いことは言わないから、他のにしとけ。」
「何でだよ!」
「まさかとは思ってたが、お前とかぶってたとはなー。
 こっちは前から下準備もしてたんだから、譲るのが礼儀だろ。」
「そんなの知るか!」

 下準備?……!
「まさか、噂はお前が流したのか!」
「大抵の奴は、あの手の噂を嫌うからな。
 噂を間に受けて、行く奴は彼女が振るだろうし。
 まっ、お前以外は、成功って所だけどな。」
「なんだと!!」
 思わず胸グラを掴んでいた。
「殴るのかい?」
「誰がお前なんか殴るかよ!
 これ以上、彼女達に手を出すなよ!!」
 押尾を突き放した。

「さすが元不良。
 だけど、俺の方がいい男だから泣くのはお前の方だけどな。」
 そう言って何処かへ行ってしまった。

http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=181&to=181&nofirst=true
10行目に続く
71代打名無し娘。(背番号88):2001/07/03(火) 23:38 ID:9g2eR4tY
ミッシングリンクの穴埋め(・∀・)イイ!
72ベタ:2001/07/05(木) 02:14 ID:XgGSj6bA

 飯田先輩も心配だけど、後藤さんとのデートも溜まってるからなー。
 そうだ!飯田先輩の方は、なっちに見に行ってもらおう。

 お昼を食べている時、なっちに耳打ちした。
「あのさー今日、義姉さん居なくて希美一人なんだよ。
 それで、飯田先輩の様子見に行って欲しいんだけど。」
 希美、ごめん!
「しょうがないわね、じゃあ昨日と変わりなかったら、家に電話するわね。」
「い、いや、携帯の方に電話してくれないかなー。
 希美もテスト近いらしいから、じゃましたくないんだ。」
「大変ね。
 じゃあ、携帯に電話するわね。」
 希美、何か美味しい物でも買っていってあげるからな。
「そこ!何コソコソやってんの!」
「な、なんでもないよ、保田さん。さあ、美味しいお弁当食べよ〜」

 放課後、後藤さんに行くことを告げた。
「本当ですか!
 じゃあ、駅前のトーテムポールの裏で待ち合わせしましょ。」
73ベタ:2001/07/05(木) 02:14 ID:XgGSj6bA

 結構、忙しいな。
 今日は奮発して、希美にショートケーキでも買ってやるか。
「ただいまー。」
「お帰りなさい、王子様。」
「あっ加護ちゃん、こんにちわ。」
 ぽーっと俺の顔を見て
「ウチと王子様は赤い糸で繋がれているから、こうして会えるんやね。」
「だめれす、そんないとは、ののがきってあげるれす。」
 俺と加護ちゃんの間を何回も、指の鋏でチョキチョキやった。
「なにすんのや!
 でも、そんなことじゃウチと王子様の糸は切れへんのや。」
「こらこら、喧嘩しちゃダメじゃないか。
 喧嘩してるとこれ、あげないぞ。」
 希美がクンクンと臭いをかいでいる。
「ののは、けんかなんてしてないれす。
 アイちゃんとは、しんゆうなのれす。」
 加護ちゃんの腕にしがみついて、耳打ちしている。
「あれは、しょうてんがいのケーキやさんの、イチゴショートれす。」
 当ってる…。
「ウチら、大親友やで。」
「じゃあ、仲良く食べるんだよ。」

 2人は喜んで箱を開けて、食べ始めた。
「俺は、これから出かけなきゃいけないけど、希美は留守番できるよな。」
「どこに、いくのれすか?」
「ちょっと、先輩のお見舞いに…ね。」
 2人がジーっとこっちを見ている。
「ゆうはんは、どうするのれすか?」
「ちょっと、遠いから何か食べて帰ってくるよ。」
 疑っている2人から逃げるように、自分の部屋に行った。
74ベタ:2001/07/05(木) 02:14 ID:XgGSj6bA

 2人を残し、駅へと向かった。
 まずいなー、約束の時間に送れそうだよ。
 確か、トーテムポールの裏って行ってたよな、だけど何で裏なんだろ?

 トーテムポールに向かおうとした俺の腕を、誰かが引っ張って引き戻す。
「後藤さん!
 どうしたの?こそこそして。」
「しっ!マキって呼んでくれるんじゃないんですか?」
 壁の陰から駅前の方を見ながら行った。
 今度は小さい声で
「マキちゃん、なにやってるの?」
「あそこに、市井ちゃんが居るんですよー、どうやら見つからなかったみたいです。
 さあ、先輩行きましょう。」
 前は、さやかに報告していたのに…、まっ良い事だけど。

 クラブに着いた。
 入口で服装チェックしていたが、通して貰えた。
 中に入ると俺だけラフな格好で浮いている…、通して貰えたんだから良いって事だろ。
「先輩、踊りましょ。」
 マキちゃんに引っ張られてフロアーに行った。
75ベタ:2001/07/05(木) 02:15 ID:XgGSj6bA

 やっぱ可愛いよなー、周りと比べても…。
 不意に見慣れた顔が目に飛び込んできた、まさか、裕ちゃん…。
 こっちを見て、ニコニコ笑ってる。

「先輩、どうしたんですか?」
「い、いや。」
 ちょっと目を離したら、裕ちゃんが居なくなっていた。気のせいだったのか。
 急に耳を引っ張られた。

「ちょっと、こんなところで何やってるの!」
「義姉さん!」
「希美ちゃんの勉強見てって行ったでしょ、もう。」
「ははは…。」
「ごめんなさい、私が無理やり誘ったから。」
「いいの悪いのはコイツなんだから。」
「そうゆー義姉さんだって、こんなところで遊んでて。」
「何や2人とも『こんな所』って。
 ここはウチの…。」
「『ここはウチの』なんです?」
 マキちゃんが聞いた。
「ここはウチのテリトリーや。
 昔は彩っぺとディスコでブイブイ言わせたんやで。」
「ディスコー?」
「ブイブイ?」
「なんや、なんや2人して、どうせウチ等は古い人間や。」
「ちょっと私まで一緒にしないでくれるー。」
76ベタ:2001/07/05(木) 02:15 ID:XgGSj6bA

「ちょっと、それ飲んだらちゃんと帰るのよ。」
「わかったって。
 ごめんね、変なことになっちゃって。」
「いいえ、先輩も言ってくれれば違う日にしたのに。
 だけど、ここってVIPルームですよねー。」

 ガチャ
 部屋のドアを開けて、裕ちゃんが入ってきた。
「ええもん、もろーて来たでー。」
 俺達に渡されたのはクラブの名前の入ったカードだった。
「これって?」
「それ見せたらタダやから、また今度デートの続きしたらええ。」
「でも、こんな高そうなものいただけません。」
「ええって、ええって、貰いもんやから。」

 帰り際、裕ちゃんに聞いてみた。
「ここって、裕ちゃんに関係があるんじゃないの?」
「当りや。」
「やっぱり、だからこの服装でも入れたんだ。」
「写真渡して、アンタはフリーで通すように言ってあるよってな。」
 指名手配ですか。

 2人に見送られてクラブを後にした。
「先輩、また今度来ましょうね。
 おやすみなさい。」
 あっ行っちゃった、どうして送らせてくれないんだろう。

 家に帰ったあと、希美の勉強に付き合って遅くまで起きていた。
 そういえば、俺たちが起きている時間に彩さんは帰ってこなかった。

 さて、今日は休みだ。

http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=287&to=287&nofirst=true
選択肢に続く。
77名無し娘。:2001/07/05(木) 04:05 ID:7F3LLD5w
本編とは違う雰囲気でこっちもいいね!
作者のみなさんがんばって!
78名無し娘。:2001/07/05(木) 20:33 ID:80XYXkqY
>56&57
女の子の視点から書くってのも、なかなか新鮮かも?
読みっぱなしじゃ勿体無いから、本編ともどもFDに保存させてもらってます。
脚本家の職人さん達、頑張ってください。
79名無し娘。:2001/07/06(金) 01:36 ID:UWzyAKug
ホゼン
80さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:20 ID:OaiRynho
流れ上>>68から続きます


1限目の休み時間、少し鼻声の矢口さんが声を掛けてきた。

「ねぇ、ちょっとお願いがあるんだ…」

聞くところによると、その人柄故に数多いる彼女の親しい後輩が
部活に入ろうかどうか迷っているんだけど、どうしても踏ん切りが
つかず、全部活動の新入生の勧誘を目的としたパンフレットを見て
吟味してから決めたいという事らしい。

で、人の良い矢口さんは「まだ新1年だから校内のことはよく
分からないだろう」という理由で収集役を買って出てしまったのだそうだ。

「成り行きでさ…
 1人じゃ今日中に集められそうにないし…ね、お願い!」

ということで矢口さんと色んな部活のパンフレットを
集めに行く羽目になってしまった。

本来、その手の校内で発行されたパンフレットの類は
職員室脇の掲示板の傍らに陳列してあるんだけれど、
見に行ってみたところ既に無くなっていたらしい。

だけど各部活の部室へ行けば予備が沢山あるということで
放課後、偶然合流した保田さんと共に3人でパンフレット集めに出かけた。
81さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:20 ID:OaiRynho

「やったぁ…全部揃ったぁ…」

3人別行動していたの割と早く集まったけれど、
歩き疲れた矢口さんは教室の机に突っ伏したままぐったりとしている。
今朝の鼻声といい、風邪でもひいているのだろうか。

「…ん?、待って、あと1つ残ってるわよ」
保田さんが何かに気付いた様子だ。
「え〜マジで…あと1つって何?」
「アレよ…アレ」
「…だからアレって?」

ん?…そういえば例の部のパンフレットがない気が…
82さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:21 ID:OaiRynho

「…オカ研よ」

そう、オカ研のパンフレットが足りないんだ

「…何それ?…『オカマ研究会』の略?」
「んなわけないでしょ!」
「…じゃあ『岡本信人研究会(※)』?」
「矢口、あんたねぇ…」

(※…ドラマ『渡る世間は鬼ばかり(TBS)』の『幸楽』
   という中華料理屋で働く料理人を演じるベテラン役者。
   番組は十年近くやっているけど、いっつも同じ様な
   セリフしか吐かないのが特徴的かつ滑稽。
   コレを『大いなるマンネリ』と呼ぶらしい…)

「じゃあなに?」
「それは…」

保田さんは近くにあった机に座ると、
夏の怪談話ばりの口調でおもむろに語りだした

 オカルト研究部、通称「オカ研」って呼ばれていて
 旧校舎のどこかにあるという薄気味悪い部室で日夜
 謎の実験やら宗教的儀式やらを行っていると
 噂されている謎の部活動よ

「なにそれ、気持ちワルイ…」
表情無く低いトーンで語る保田さんの顔には妙に説得力があって、
その話を聞いただけで心なしか矢口さんの顔色が悪くなってきた。
83さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:21 ID:OaiRynho

 部員は現在、部長の女性が1人だけ
 でもあまりにも密かに活動してる部活だから
 誰も部長の顔を知らないの
 それに部室の場所だってみんな曖昧にしか
 記憶してないくらい

 それにその部長は「人喰い女」だってもっぱらの噂よ
 時々ウチの学校の生徒って居なくなることがあるでしょ?
 神隠しとか色々言われてるけどそういう居なくなった生徒とか
 新入部員はみんな彼女に食べられてるんだって噂よ…

 更にそれが化けて出るっていう噂まであって…

「…ゴメン、ヤグチ吐き気してきた」
矢口さんの顔が青白くなってる。
なんだかヤバそうだ…

「ま、あたしが知ってるのはそこまで。
 あたしこの後用事があるから。
 あと1つくらいならあたし居なくても
 何とかなるでしょ…じゃあね」

保田さんは語っているときと同じ無表情のまま立ち上がると
目も合わさずに帰って行ってしまった。
84さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:21 ID:OaiRynho
保田さんが帰って、夕暮れ迫る校舎の片隅に
矢口さんと2人取り残されてしまった

「…とりあえずオカ研の部室へ行こうか、
 行かないことにはパンフもらえないし…」

震える身体を両腕で必死で支えながら立ち上がった
矢口さんはもう既に顔面蒼白といった感じだった。

「や、矢口さんはもう帰った方が良いよ
 顔色メチャクチャ悪いし、後はやっておくから」
「え、でも悪いよ…」
「大丈夫、気にしないで」
「…でもヤグチが頼んだコトだし、ダメだよ」

結局矢口さんは引かなかったので、
2人でパンフを貰いに行くことになった。
85さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:22 ID:OaiRynho
とりあえず旧校舎にたどり着いた。
でも肝心のオカ研の部室がどこにあるのか分からない。

なんでも部室の扉は真っ赤な血の色に染まっているとか、
ある特定の壁の前で鈴を鳴らしながら
呪文を唱えると入り口が出現するとか…

まぁ噂程度のレベルの信憑性でしかないけど
いずれにしても火のないところに煙は立たないとも言うし…

「とにかく一番奥まで行ってみよう」

旧校舎は半分以上が取り壊されているとはいえ、
以前はこの校舎1つで全校生徒の教室をまかなっていたためかなり広い。

「…なんだか気味悪いヨ…」
矢口さんが腕に掴まってきた。

すっかり陽が落ちかけているせいか、奥に進むに連れ
だんだんと世界観が現実味を失っていくような気がしてきた。

掴まれた腕から矢口さんの手が微かに震えているのが伝わってくる。
86さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:22 ID:OaiRynho
「…あった」

旧校舎を随分と奥へ進んだ先にそれを見つけた。

辺りはもうだいぶ暗くなっていて、古ぼけた蛍光灯の弱い明かり
だけの廊下には2人の体重で床が軋む音だけが響いていた。

「…ここがオカ研…」

扉には意外にも『オカルト研究部』と書かれた割と新しめの
プラスティックのプレートがしっかりと取り付けられていた。
しかしその扉自体は、すでに所々が腐り落ちていることからも
それがこの旧校舎と共にかなりの年月を過ごしてきたことを物語っている。

どうみても、中で飲み会開いて王様ゲームなんぞを
やっている陽気な部活動の部室には思えない薄気味の悪さ。

右腕に更なる圧迫感を憶えた。
腕を掴む矢口さんの力が先程よりも強くなっているみたいだ。

ふと廊下に取り付けられた窓から外を見渡した景色は
新校舎の窓から見えるそれとはだいぶ違った見覚えの無いものだった。

いま旧校舎のどの辺りに居るんだろう。
だいぶ奥まで進んだのかも知れないし、
ゆっくりと探り探りで歩いてきたからそうでもないのかも知れない。

「…コワイよぉ」
矢口さんが上目遣いで言った。
心なしか目が潤んでいる。

「じゃあパンフレット諦める?」
「…そ、それは…」
「…じゃあとにかく行こう」

矢口さんは腕をもう少し強く掴み直すと無言のまま頷いた。
そして意を決し、扉に手をかけた。

ギィ…
87さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:23 ID:OaiRynho
案の定、中には誰もいなかった。
しかし何度スイッチを押しても天井の裸電球の明かりはつかない。

「…電気付かないよ、ねぇ、ヤバイよぉ…」

暗がりの中、よく目を凝らしてみると辺りには本棚が沢山あって、
その中には何やら書籍物が沢山並べられている。
1つを手に取ってみる…『黒魔術のススメ』『THE・生け贄』
なんとなく気味の悪そうなタイトルばかりだ。

「…ねぇ、早くパンフ見つけて出よう」
矢口さんの声が幾分か震えている。

辺りを少し探してみると以外にもパンフレットは直ぐに見つかった。
「さ、早く出よう!お化け出るって!!」
矢口さんは少し涙目になりながら、
掴んだ腕をムリヤリに引っぱってくる。
「絶対出るから!ねぇ、早く!」
「大丈夫だって、そんなお化けなんて出るわけ…」

そう言って振り返ったその時だった。

…コンナトコロデナニヲシテイルノ

目の前には長髪で色白の女性の姿が暗闇の中に浮かび上がっていた。

「キャァーーーーッ!!!お化けーーーーッ!!!」

矢口さんは耳をつんざくような悲鳴をあげた後、
白目をむいてその場に崩れ落ちてしまった。

…ナニヲシテイルノカヲキイテイルノヨ

倒れ落ちそうな矢口さんを必死になって危うく支えると、
色白の女性はまたも何事かを呟き始めた。

…アナタハダレナノ…ココニナンノヨウナノ…ネェ…オシエテ

そしてその女性はこちらへとだんだんと近付いてくる。

「い、いやだ…喰わないでくれ…」

…Φ?!〆刀ンψΩ♂♯※♀@♪

(…の、呪いの呪文!?…)

「ウ、ウワァーーーーーッ!!!…」

暗い部屋中に痛烈な叫び声だけが響いていた。
88さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:25 ID:MimVvjnM

(こんな美人な先輩、ウチの学校にいたんだ…)

隣で矢口さんが失神しているのに、
真っ先にこんなのんきなコトを考えてしまう自分が情け無いなぁ…

「まったく、勝手に部室に侵入した上に人をお化け扱いして…」
「あんな暗闇であんな現れ方されたら誰だってそう思いますって」
「…そう?」

先程の、暗闇に浮かぶ黒髪色白の女性の正体は
オカ研の部長で3年生の「飯田圭織」先輩だった。

電気がつかずに部屋が真っ暗だったのは電球が切れていたからで、
飯田先輩が換えの電球を取りに行って戻ってきたときに丁度2人が居て、
付け替え作業のために持っていた懐中電灯でたまたま顔を照らしたら、
それを見た矢口さんが失神して…というワケ。
89さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:26 ID:MimVvjnM
長身で色白、スレンダー美人といった感じの洗練されたルックスで、
更にどこか神秘的な雰囲気を持っている飯田先輩は
オカ研の部長には持ってこいといった感じだったけど、
どこか不気味な感じの人だった。

「じゃ、アタシ先帰るから…これ提出しておいてアゲルね」

ここにパンフレットを取りに来たことを伝えたのだけれど、
特にリアクションもなく、飯田先輩はさっさと帰ってしまった。

飯田先輩のその手には何か紙が握られていた。

(ん?…そういえば『提出』…って何のことだ?)
90さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:27 ID:MimVvjnM
少しして矢口さんは目を覚ましたが朦朧とした様子で
その後、矢口さんを家の前まで送って行くのは大変だった。

−翌日

登校するなり開口一番、昨日のオカ研での出来事をペラペラと
周りのみんなに語りだした落ち着かない様子の矢口さんだったが、
昨日の一部始終を話すと少し安心したようで大人しくなった。

それでもやはりどうやら風邪をひいていたらしく、
あの日から少しの間矢口さんはマスクをして過ごしていた。

「そうなんだ、じゃあお化けでも人喰いでもなかったんだね」
「ああ、そうらしいね」
「でもさ、何でそんな噂がたったんだろう?…」
「…さあ」

矢口さんのその疑問の答えは数日後、
飯田先輩の口から明かされることとなる。

−−−

「先輩、それはつまり…

 飯田…イイダ…イーダ…イーダー…イーター…Eater

 Eater(人喰い)

 ってことですか?」

「うん、そうみたい」

「…」

どうやら誰かが悪ふざけで噂を流したらしい。

−−−

「…そんなオチかよ」
マスクをした矢口さんの力無いつっこみが
なんだか妙にムネに響いた春の昼下がり。
91さるぶんごう。:2001/07/06(金) 18:28 ID:MimVvjnM
それと、あの時の飯田先輩の言葉の意味が後になって分かった。

『…提出しておいてアゲルね』

その時は分からなかったのだけれど、
後になってそれが「オカ研入部届」であり、
それをオレを書いたことになっていて、
いつの間にかオレは「オカ研部員」になっていた。

理由は

「直感的に突然ね、憶えたての呪文を試したくなったの…」

という理由らしく、意味が全く分からなかったが、
それ以上に、その時の飯田先輩の顔が少し紅潮していた
理由も分からなかった。

毎日顔出す必要はないと言われてるし、
行ったら行ったで美人の先輩と同じ部屋に2人っきりだし、
まぁ悪くはないかな…

しかしあの部室は何とかして欲しいなぁ…

まだ新入生勧誘の時期は始まったばかり。
そのうち誰か入ってくる可能性もあるかな?。

新しい部員が入ってきて欲しくないような、欲しいような…
少し複雑な心境なのだった。
92さるぶんごう。(休憩):2001/07/06(金) 18:35 ID:MimVvjnM
>>80>>68 の後に入り、
>>91 が 「DISC1の110」に繋がります。

PCの調子不良によりご無沙汰してしまいました、ごめんなさい。
ということで、改めて長めに書き直してUP!

「DISC2の341」の球技大会の場面で
>「じゃあ、去年もやったからテニスに出ます。」
と書いてありますが、オカ研所属と読みとれる表現は出てきて
いないので、陸上部所属で出たということで。

※この文章を何かにお使いになる際は『岡本信人研究会』のくだりは
 端折ってもらって結構です…(w

>>79
 保全ありがとう。
93さるぶんごう。(休憩):2001/07/06(金) 19:02 ID:R1vvrSLY
>>1に張るべきだったので今更ですが、一応全本編スレを。

http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041
・DISC3 = 矢口の部屋へ 〜 最新イベント

http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&ls=50
・DISC3(最新50レス)
94さるぶんごう。(休憩):2001/07/06(金) 19:04 ID:R1vvrSLY
読み返すとホントにミスが多い…もし何かに使うことがあったら

>>19 の15行目の>「保田さんっていうんだ」の上に
 >彼女の名前は保田圭さんというらしい。
 を挿入してください。更に

>>46 の9行目の>おばちゃ…もとい、お姉さんは急に騒ぐのを止めた
 を>おばちゃんは急に騒ぐのを止めた。
 に変更してその下に
 >どうやら『お姉さん』という言葉に反応したみたいだ…
 >何とも分かりやすい…
 を挿入ということでお願いします。

他にもおかしいところが多々ありますがご勘弁を。
95カオレンジャー:2001/07/07(土) 07:46 ID:/h/ulJ1.
>さるぶんごうさんへ
 たしか、合宿中の飯田先輩とダブルス組む時に、去年もやったというのがあったので
陸上部からオカ研に助っ人で行って、面識はあると思っていたのですが……。
というか、表に出してない分で一つそういう設定で俺が書いた話があるので。

 あと、以下はいしよしのどちらかのエンディングに影響させようと思って考えておいた
ストーリーです。他の方は参考にしなくても構いませんが、俺の石川はこうだと。
96石川序章:2001/07/07(土) 07:48 ID:/h/ulJ1.
「こらぁぁ、あっちいけぇぇぇーーー」
手近な棒を振りまわして、なんとか犬を追っ払う。
「もう大丈夫だよ。犬はあっち行っちゃったよ」
「グスン……ありがとぉ…」
ピンクのフリフリの服を着た女のコが涙をぬぐいながら立ちあがる。

それが、私とリカちゃんの初めての出会いだった。

「すっげぇーー」
助けてくれたお礼がしたいと言われ、ついていった先は私の家の何十倍も大きな建物だった。
「リ、リカちゃんってお姫様?」
「ちがうよぉー」
お話で聞いたことしかないような、色んな物に私はただビックリするだけだった。
見た事も無いような料理が並ぶ食事の席で、リカちゃんの所のおじさんが私にお礼を
言って、こう付け加えた。
「ハハハ、キミみたいな元気な子と友達になったら梨華も少しは活発になるかな?」
でも、私のせいでまさかあんな事が起こるとは……。

犬の一件以来、リカちゃんとよく遊ぶようになった。リカちゃんは私より一つ年上なので、
まだ私が幼稚園の年長さんだとわかると少しお姉さんぶってきた。
「ダメよ、よっすぃー。リカちゃんは小学生のお姉さんなんだから、幼稚園の子は
言う事聞かなきゃダメなの!」
「はぁ〜〜い」
リカちゃんは学校ごっこと言って、その日に習った事を教えてくれる。
「いい、よっすぃー。この字はなんて言うの?」
「”あ”かなぁ?」
「ち・が・う・の!これは”お”よ」

そして、事件が起こったのは夏の終わりだった。リカちゃんのペースにちょっとうんざり
していた私は、リカちゃんをわざと公園に置いてけぼりにした。
(今頃、リカちゃん困ってるだろなぁ)
そんな事を思いながら、公園に戻ってみるとリカちゃんが黒服の男たちに
連れ去られようとしてしているところだった。
「あっ、リカちゃん!」
男たちは急いで車を発進させようとする。私はリカちゃんの元ヘ行こうとするが
転んでしまった。あれはリカちゃんが教えてくれたひらがな。あれはリカちゃんが
教えてくれた数字。私はナンバープレートを必死で覚えた。

私の記憶のおかげで事件はあっという間にスピード解決した。が、リカちゃんを
危険な目にあわせたので、私はリカちゃんに二度と会う事を禁止された
97もしくは吉澤序章:2001/07/07(土) 07:49 ID:/h/ulJ1.
しかし、一月ほど経った頃だろうか、リカちゃんのオジサンが私を訪ねてきた。
「ひとみちゃん、ごめんね、おじさん、あの時はついカッとなってしまったんだ。
心から謝るよ。だから…、もう一度梨華に会ってやってくれないか?」
リカちゃんにもう一度会える。私はすぐにうなずいた。

リカちゃんはあの事件のせいで心を閉ざしていた。誰とも口を利けなかったそうだ。
時々、『よっすぃー、助けて』と言う以外は。
「リカちゃん?」
人形のように表情もなくベットに横たわるリカちゃんに恐る恐る呼びかけてみる。
「ねぇ、リカちゃん。リカちゃんてばぁ」
呼びかけるうち、リカちゃんの目に焦点が結ぶ。
「よっすぃー?よっすぃーよっすぃー……」
リカちゃんは私に抱き付いて泣きじゃくる。いつまでもいつまでも…。

それから、私は毎日のようにリカちゃんの病院に通った。

「よっすぃーも、もうすぐ一年生ね」
「うん。リカちゃんも退院もうすぐだね。お祝いしなきゃ」
「よっすぃー、学校行ったらビックリするよ」
「えー、学校って怖いの?」
「違うよー」
入学式に行った私は本当にビックリしてしまった。リカちゃんがクラスにいたからだ。
復学して一年遅れになるリカちゃんは今までのお嬢様学校ではなく、私の学校で
もう一度一年生を過ごすことにしたのだ。唯一人、リカちゃんが心を開いて接している
私のそばにいれば回復が早まるだろうと判断したのだろう。
多分、リカちゃんのウチの力だろう、私はそれからリカちゃんとずっとクラスが
同じであり、事件のせいでおじさん以外は男性を受け付けないリカちゃんのために
担任は女の先生ばかりだった。

初めの頃はいつも私の背中に隠れてばかりだったリカちゃんも中学に通う頃には
女の子とは話せるほどになってくれた。そして、私はあの人の飛ぶ姿にそこで
出会った。

「ねね、リカちゃん。私、あの高校行きたいんだ」
「私ね、よっすぃーの行くところなら何処でも行くよ!」
四月になり、私はあの人のいる高校へリカちゃんと通う事となった
98カオレンジャー:2001/07/07(土) 08:07 ID:69bP/K1E
飯田先輩とのコンビについてはDisc2の594にかかれてるよ
99さるぶんごう。(休憩):2001/07/07(土) 16:45 ID:qu5YFRaA
>カオレンジャーさん
 ホントだ…球技大会だけチェックして納得してた自分が情け無いです。
 てことは>>80-91はまんま使えないですね。(なんか本末転倒だなぁ…)

 代わりになるような何かを考えてみます。
100ベタ:2001/07/07(土) 18:11 ID:sWaQe0nI
>>80-91カットは勿体無いんで修正版作りましょうか?
101さるぶんごう。(休憩):2001/07/07(土) 19:40 ID:I5PrJqQI
>>100
 よろしいのでしたらお願いします、新たな命を吹き込んでやって下さい。
102ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:11 ID:EbNoML4w
流れ上>>68から続きます(改)


1限目の休み時間、少し鼻声の矢口さんが声を掛けてきた。

「ねぇ、ちょっとお願いがあるんだ…」

聞くところによると、その人柄故に数多いる彼女の親しい後輩が
部活に入ろうかどうか迷っているんだけど、どうしても踏ん切りが
つかず、全部活動の新入生の勧誘を目的としたパンフレットを見て
吟味してから決めたいという事らしい。

で、人の良い矢口さんは「まだ新1年だから校内のことはよく
分からないだろう」という理由で収集役を買って出てしまったのだそうだ。

「成り行きでさ…
 1人じゃ今日中に集められそうにないし…ね、お願い!」

ということで矢口さんと色んな部活のパンフレットを
集めに行く羽目になってしまった。

本来、その手の校内で発行されたパンフレットの類は
職員室脇の掲示板の傍らに陳列してあるんだけれど、
見に行ってみたところ既に無くなっていたらしい。

だけど各部活の部室へ行けば予備が沢山あるということで
放課後、偶然合流した保田さんと共に3人でパンフレット集めに出かけた。
103ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:11 ID:EbNoML4w

「やったぁ…全部揃ったぁ…」

3人別行動していたの割と早く集まったけれど、
歩き疲れた矢口さんは教室の机に突っ伏したままぐったりとしている。
今朝の鼻声といい、風邪でもひいているのだろうか。

「…ん?、待って、あと1つ残ってるわよ」
保田さんが何かに気付いた様子だ。
「え〜マジで…あと1つって何?」
「アレよ…アレ」
「…だからアレって?」

ん?…そういえば例の部のパンフレットがない気が…

「…オカ研よ」

そう、オカ研のパンフレットが足りないんだ

「…何それ?…『オカマ研究会』の略?」
「んなわけないでしょ!」
「…じゃあ『岡本信人研究会(※)』?」
「矢口、あんたねぇ…」

(※…ドラマ『渡る世間は鬼ばかり(TBS)』の『幸楽』
   という中華料理屋で働く料理人を演じるベテラン役者。
   番組は十年近くやっているけど、いっつも同じ様な
   セリフしか吐かないのが特徴的かつ滑稽。
   コレを『大いなるマンネリ』と呼ぶらしい…)

「じゃあなに?」
「それは…」

保田さんは近くにあった机に座ると、
夏の怪談話ばりの口調でおもむろに語りだした

 オカルト研究部、通称「オカ研」って呼ばれていて
 旧校舎のどこかにあるという薄気味悪い部室で日夜
 謎の実験やら宗教的儀式やらを行っていると
 噂されている謎の部活動よ

「なにそれ、気持ちワルイ…」
表情無く低いトーンで語る保田さんの顔には妙に説得力があって、
その話を聞いただけで心なしか矢口さんの顔色が悪くなってきた。
104ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

 部員は現在、部長の女性が1人だけ
 (去年、助っ人に行った時も独りだったなー)

 でもあまりにも密かに活動してる部活だから
 誰も部長の顔を知らないの
 (そう?妖しいくらい綺麗な人だったよ)

 それに部室の場所だってみんな曖昧にしか
 記憶してないくらい
 (言われてみれば、記憶に無いなー)

 それにその部長は「人喰い女」だってもっぱらの噂よ
 (えっ!)
 時々ウチの学校の生徒って居なくなることがあるでしょ?
 神隠しとか色々言われてるけどそういう居なくなった生徒とか
 新入部員はみんな彼女に食べられてるんだって噂よ…
 (………)

 更にそれが化けて出るっていう噂まであって…
 (まさか…ねー)

「あんた、何か言いたそうねー。」
「…ゴメン、ヤグチ吐き気してきた」
矢口さんの顔が青白くなってる。
なんだかヤバそうだ…

「ま、あたしが知ってるのはそこまで。
 あたしこの後用事があるから。
 あと1つくらいならあたし居なくても
 何とかなるでしょ…じゃあね」

保田さんは語っているときと同じ無表情のまま立ち上がると
目も合わさずに帰って行ってしまった。
105ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

保田さんが帰って、夕暮れ迫る校舎の片隅に
矢口さんと2人取り残されてしまった

「…とりあえずオカ研の部室へ行こうか、
 行かないことにはパンフもらえないし…」

震える身体を両腕で必死で支えながら立ち上がった
矢口さんはもう既に顔面蒼白といった感じだった。

「や、矢口さんはもう帰った方が良いよ
 顔色メチャクチャ悪いし、後はやっておくから」
「え、でも悪いよ…」
「大丈夫、気にしないで」
「…でもヤグチが頼んだコトだし、ダメだよ」

結局矢口さんは引かなかったので、
2人でパンフを貰いに行くことになった。


とりあえず旧校舎にたどり着いた。
でも肝心のオカ研の部室がどこにあるのか思い出せない。

なんでも部室の扉は真っ赤な血の色に染まっているとか、
ある特定の壁の前で鈴を鳴らしながら
呪文を唱えると入り口が出現するとか…

まぁ噂だから、去年そんな事した覚えないし…
実は今年からのしきたり…って事ないよなー。

「とにかく一番奥まで行ってみよう」

旧校舎は半分以上が取り壊されているとはいえ、
以前はこの校舎1つで全校生徒の教室をまかなっていたためかなり広い。

「…なんだか気味悪いヨ…」
矢口さんが腕に掴まってきた。

すっかり陽が落ちかけているせいか、奥に進むに連れ
だんだんと世界観が現実味を失っていくような気がしてきた。

掴まれた腕から矢口さんの手が微かに震えているのが伝わってくる。
106ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

「…あった」

旧校舎を随分と奥へ進んだ先にそれを見つけた。

辺りはもうだいぶ暗くなっていて、古ぼけた蛍光灯の弱い明かり
だけの廊下には2人の体重で床が軋む音だけが響いていた。

扉には意外にも『オカルト研究部』と書かれた割と新しめの
プラスティックのプレートがしっかりと取り付けられていた。
しかしその扉自体は、すでに所々が腐り落ちていることからも
それがこの旧校舎と共にかなりの年月を過ごしてきたことを物語っている。

去年と…違う。
前はもっと綺麗な扉だったし、扉にはプレートなんて無かったはず。

しかし、どう見ても中で飲み会開いて王様ゲームなんぞを
やっている陽気な部活動の部室には思えない薄気味の悪さ。

右腕に更なる圧迫感を憶えた。
腕を掴む矢口さんの力が先程よりも強くなっているみたいだ。

ふと廊下に取り付けられた窓から外を見渡した景色は
新校舎の窓から見えるそれとはだいぶ違った見覚えの無いものだった。

いま旧校舎のどの辺りに居るんだろう。
だいぶ奥まで進んだのかも知れないし、
ゆっくりと探り探りで歩いてきたからそうでもないのかも知れない。

「…コワイよぉ」
矢口さんが上目遣いで言った。
心なしか目が潤んでいる。

「じゃあパンフレット諦める?」
「…そ、それは…」
「…じゃあとにかく行こう」

矢口さんは腕をもう少し強く掴み直すと無言のまま頷いた。
そして意を決し、扉に手をかけた。

ギィ…
107ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

案の定、中には誰もいなかった。
しかし何度スイッチを押しても天井の裸電球の明かりはつかない。

「…電気付かないよ、ねぇ、ヤバイよぉ…」

暗がりの中、よく目を凝らしてみると辺りには本棚が沢山あって、
その中には何やら書籍物が沢山並べられている。
1つを手に取ってみる…『黒魔術のススメ』『THE・生け贄』
なんとなく気味の悪そうなタイトルばかりだ。

「…ねぇ、早くパンフ見つけて出よう」
矢口さんの声が幾分か震えている。

辺りを少し探してみると以外にもパンフレットは直ぐに見つかった。
「さ、早く出よう!お化け出るって!!」
矢口さんは少し涙目になりながら、
掴んだ腕をムリヤリに引っぱってくる。
「絶対出るから!ねぇ、早く!」
「大丈夫だって、そんなお化けなんて出るわけ…」

そう言って振り返ったその時だった。

…コンナトコロデナニヲシテイルノ

目の前には長髪で色白の女性の姿が暗闇の中に浮かび上がっていた。

「キャァーーーーッ!!!お化けーーーーッ!!!」

矢口さんは耳をつんざくような悲鳴をあげた後、
白目をむいてその場に崩れ落ちてしまった。

…ナニヲシテイルノカヲキイテイルノヨ

倒れ落ちそうな矢口さんを必死になって危うく支えると、
色白の女性はまたも何事かを呟き始めた。

…アナタハダレナノ…ココニナンノヨウナノ…ネェ…オシエテ

そしてその女性はこちらへとだんだんと近付いてくる。

「い、いやだ…喰わないでくれ…」

…Φ?!〆刀ンψΩ♂♯※♀@♪

(…の、呪いの呪文!?…)

「ウ、ウワァーーーーーッ!!!…」

暗い部屋中に痛烈な叫び声だけが響いていた。
108ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

(先輩、去年より綺麗になってる…)

隣で矢口さんが失神しているのに、
真っ先にこんなのんきなコトを考えてしまう自分が情け無いなぁ…

「まったく、勝手に部室に侵入した上に人をお化け扱いして…」
「あんな暗闇であんな現れ方されたら誰だってそう思いますって」
「…そう?
 でも、去年会ったわよねー。」

先程の、暗闇に浮かぶ黒髪色白の女性の正体は
オカ研の部長で3年生の「飯田圭織」先輩だった。

電気がつかずに部屋が真っ暗だったのは電球が切れていたからで、
飯田先輩が換えの電球を取りに行って戻ってきたときに丁度2人が居て、
付け替え作業のために持っていた懐中電灯でたまたま顔を照らしたら、
それを見た矢口さんが失神して…というワケ。

長身で色白、スレンダー美人といった感じの洗練されたルックスで、
更にどこか神秘的な雰囲気を持っている飯田先輩は
オカ研の部長には持ってこいといった感じだったけど、
どこか不気味な感じの人だった。

「じゃ、アタシ先帰るから…これ提出しておいてアゲルね」

ここにパンフレットを取りに来たことを伝えたのだけれど、
特にリアクションもなく、飯田先輩はさっさと帰ってしまった。

飯田先輩のその手には何か紙が握られていた。

(ん?…そういえば『提出』…って何のことだ?)
109ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:12 ID:EbNoML4w

少しして矢口さんは目を覚ましたが朦朧とした様子で
その後、矢口さんを家の前まで送って行くのは大変だった。

−翌日

登校するなり開口一番、昨日のオカ研での出来事をペラペラと
周りのみんなに語りだした落ち着かない様子の矢口さんだったが、
昨日の一部始終を話すと少し安心したようで大人しくなった。

それでもやはりどうやら風邪をひいていたらしく、
あの日から少しの間矢口さんはマスクをして過ごしていた。

「そうなんだ、じゃあお化けでも人喰いでもなかったんだね」
「ああ、そうらしいね」
「でもさ、何でそんな噂がたったんだろう?…」
「…さあ」

矢口さんのその疑問の答えは数日後、
飯田先輩の口から明かされることとなる。

−−−

「先輩、それはつまり…

 飯田…イイダ…イーダ…イーダー…イーター…Eater

 Eater(人喰い)

 ってことですか?」

「うん、そうみたい」

「…」

どうやら誰かが悪ふざけで噂を流したらしい。

−−−

「…そんなオチかよ」
マスクをした矢口さんの力無いつっこみが
なんだか妙にムネに響いた春の昼下がり。
110ベタ@80-91改:2001/07/07(土) 20:15 ID:wirtJOnk

それと、あの時の飯田先輩の言葉の意味が後になって分かった。

『…提出しておいてアゲルね』

その時は分からなかったのだけれど、
後になってそれが「オカ研入部届」であり、
それをオレを書いたことになっていて、
いつの間にかオレは「オカ研部員」になっていた。

理由は

「去年から目を付けていたの…」
(ドキッ)
「憶えたての呪文を試しすのに、ちょうど良いって…」
(………)

という理由らしく、意味が全く分からなかったが、
それ以上に、その時の飯田先輩の顔が少し紅潮していた
理由も分からなかった。

毎日顔出す必要はないと言われてるし、
行ったら行ったで美人の先輩と同じ部屋に2人っきりだし、
まぁ悪くはないかな…

去年、部員不足から旧校舎に退去させられたとは言え
あの部室は何とかして欲しいなぁ…

まだ新入生勧誘の時期は始まったばかり。
そのうち誰か入ってくる可能性もあるかな?

新しい部員が入ってきて欲しくないような、欲しいような…
少し複雑な心境なのだった。
111ベタ:2001/07/07(土) 20:17 ID:wirtJOnk
どうでしょう
112カオレンジャー:2001/07/07(土) 21:16 ID:8sz8TPYU
 じゃあ、俺も冗談で作っていた飯田用プレストーリーを。コレは本編にいれると
崩壊するので、あくまでもネタとして捉えてください。いつか外伝としてちと書きたい
113低俗霊ハンターカオリ:2001/07/07(土) 21:18 ID:8sz8TPYU
「せんぱーい、たいへんでぇーす」
俺は走る。部室にいないとなるとアノ場所だろう。
「せんぱーい」
学校の敷地内に林と言うには小さすぎるが樹木が密集して生えているところがある。
「飯田せんぱーい」
彼女はそこでいつものようにカラスに餌をやっていた。
彼女の名前は飯田圭織。この高校の2年生だ。先日、3年生が受験を控えやめてしまったので
今はたった一人でオカルト研究部をやっている。
「飯田せんぱーい、たいへんですよー」
「騒々しいわね。いったいどうしたっていうの?」
俺と彼女との出会いは、今年の部費争奪の球技大会だ。毎年文化系は体育会系に助っ人を
求める。オカルト研究部は俺を指名してきたのだ。一年が助っ人に出るのはわかるとして
なぜ俺なんだ?飯田先輩に聞いてみると全てカードが教えてくれたらしい。カードの
結果か、俺の実力なのか、オカルト研究部はそこそこの予算を押さえられた。

以来、俺は彼女に気に入られてしまった。半ば、部員としてオカルト研究部に出ることを
強いられている。それというのも……。
「飯田先輩、また事件です!」
「あら、またなの?」
どこの学校にも七不思議は存在する。しかし、この学校は少々たちの悪い霊たちが
集まっているようだ。時々、校内で怪奇現象が発生したりする。俺は飯田先輩の
アシストをして、この怪奇現象の原因を突き止め解決しているのだ。
「いったいどこなの?」
「はい、体育館の女子更衣室です」
そういえば自己紹介が遅れたが俺は、みなさんには『ときもに』の主人公として
知られている一年の……。
「早くしなさい!いくわよ」
「はい!わかりました」

飯田先輩は魔女と言う噂がある。修行のためにこの町にきて俺たちの高校に
通ってると言うのだ。そう言われると俺の知りうる限り、飯田先輩の家族は
一羽のカラスと2匹の猫だけ。先ほど先輩が餌を与えていたカラスのリカ。
そして、黒猫のマリと白猫のアイだ。飯田先輩に言わせると彼女たちは使い魔と
いうらしい。彼女たちはいつのまにか飯田先輩の元に現れ、いつのまにか
いなくなっている。
114低俗霊ハンターカオリ:2001/07/07(土) 21:19 ID:8sz8TPYU
「ここね」
「はいそうです!」
俺たちは女子更衣室の前に立った。
「ところで、一体何が起こったの?」
おれは手元のメモ帳を見ながら報告する。
「エー、被害に遭ったのは、2年生のA子さん。放課後に部活が終わって
着替えようとしたところ、後ろから男の息遣いが。しかし、振りかえっても
誰もいない。不気味に思いながら下着姿になった所、誰もいないはずなのに
お尻を触られたと。同様の被害が12件起こってます」
「じゃあ、入ってみましょう」
飯田先輩が更衣室の扉を開け中に入っていく。俺はその後に続いて、飯田先輩の
両肩に手を置く。俺自身には霊を見る力など欠片もないのだが、能力者の先輩の肩に
手を置いて肩越しに覗けば霊を見る事ができるのだ。
「悪い霊ぃでてきなさぁーい!」
飯田先輩が叫ぶ。
「出てこないわねぇ」
「それで出てきたら苦労はしないですよ。被害者は着替え中に後ろから迫られてるんですよ!
正面からは来ないと思いますが」
「ふぅーん。じゃあ、これででてきなさぁーーい」
飯田先輩はいきなり両手で自分のスカートの前を思いっきり持ち上げた。
(せ、先輩ダイタン!でも、後ろからじゃ見えない。トホホ)
「きたわ!」
先輩の声に、はっと気づいて前を見てみると確かに霊が現れていた。
ウチの高校の制服を着ている。どうやらこの学校にいたやつらしい。
「アナタ何者?」
(パンツーー、パンツーーー)
どうやら、下着に執着心を残した誰かの残留思念らしい。
(パンツーーー)
「かかったわね!」
いつの間にか、黒猫のマリが現れて飯田先輩の足元に魔方陣がかかれた紙を置いている。
「ポポンタ・ニモチップ・ニモニミ……」
飯田先輩が呪文を唱える。
(ギャァァァーーーーー)
悪霊の姿が魔方陣の中に吸い込まれて行く。飯田先輩は魔方陣の書かれた紙を
拾い上げると、それを厳重に折り曲げてポケットにしまった。
115低俗霊ハンターカオリ:2001/07/07(土) 21:21 ID:8sz8TPYU
外に出てみると、もう夕闇が降りようとしていた。
「たのんだわよ、リカ」
飯田先輩が先ほどの折りたたんだ紙を空にかざすとどこからともなく、リカが
飛んできてそれをくわえて何処かへ去って行く。
「さあ、事件も解決したし明日もがんばってね」
「飯田先輩。あのー、俺はまだオカ研の部員じゃないんですが…」
「あら、でも、来年はなってくれるのよね。カードにも出てるわ」

こうして、俺のオカ研準部員としての日々は続く。
116名無し娘。:2001/07/07(土) 22:33 ID:.VCN1MX.
「使い魔」「白猫」「黒猫」って単語でついつい「サイフラーッシュッ!」って単語が出てくる。
で、元は美神ですか。
117さるぶんごう。(休憩):2001/07/08(日) 00:46 ID:67t/V1F2
>>111
 ありがとう、そしてご苦労様です。
 なるほろ、ちょっと変えるだけで何とかなるモノですね。
 必死で別ネタ考えてた自分がアホらしい…(´D`;)

>低俗霊ハンターカオリ
 中学生入ってから漫画雑誌の一切を読まなくなったので
 「GS美神」のストーリーを知らない…けど面白い。

 飯田のオカルトネタは、個人的にはこういうトーン明るめの方がスキです。
 「ときモニ。」ゲーム化の際は是非おまけで入れて欲しい。

☆余談ですけど、呪文は「ポポンタ・ニモニミ・ニモチップ」の方が
 発音するとき語感・語呂がよいですよ。(結成順ではありませんが…)
118カオレンジャー:2001/07/08(日) 00:52 ID:CVUzdTv2
 内容的に軽くしたら、そう言われると美神になっちゃってますね。
俺的には「TV版エコエコアザラク」+「奥瀬サキ」+「トワイライトシンドローム」
+「学校であった怖い話」で、かっこいい飯田先輩を書くつもりだったんですが…。

あと、使い魔はもう一匹いてヒキガエルのケイ
119ベタ:2001/07/09(月) 01:38 ID:D4EnHr/M
DISC1の707、選択肢2>奈良、京都偏のさわり書いてみました。

 修学旅行って言えば、やっぱり奈良・京都でしょ。
 日本人の心がここに有る。
 なんて、遠くに行くのが面倒だったんだよね。
 一緒に行くのは石川さんだけか…。
 でも、みんなに振り回されること考えたらその方が良いかもね。
 えーと、駅前集合だったな。

 駅前に居ると向こうからリムジンがやってきた。
「先輩、おはようございます。」
「おはよう、今日から修学旅行で一緒だね。」
「本当ですね、先輩よろしくお願いしますね。」
「いや、こちらこそよろしく。
 しかし、人が少ないなー。」
 見渡すと5人ほどしか居なかった。
「この人数で、よく旅行が無くならなかったなー。」
「先輩知らなかったんですか。」
「えっ、何のこと?」

 石川さんに聞きかけた時、付き添いの教師が声をかけてきた。
「お前達、向こうの学校に迷惑かけるなよ。」
「は?」
「なに言ってるんだ!
 京都、奈良を選んだ生徒が少ないから、姉妹校の戸成野女子と行くんだぞ!
 しっかりしてくれよ。」
 なにそれ?
「男はお前だけなんだぞ!もんだい起こさないか心配で心配で…。」
「俺だけって、先生は?」
「俺は見送りだけに決まってるだろ!
 向こうの先生方に迷惑かけるんじゃないぞ!」
「無責任じゃないですか!」
「お前達が、大人しくしてればいいんだ。
 迎えのバスが来みたいだ、挨拶して行くからくれぐれも―」
「もんだい起こすなでしょ。」
 はぁ、どうなるんだろこの旅行…。
120ベタ:2001/07/09(月) 01:39 ID:D4EnHr/M

「知らなかったよ、そんな事になってたなんて。」
「先輩、打ち合わせ初日に来なかったから。
 だけど、予定表に書いてあったじゃないですか。」
「予定表?これのこと。」
 バックから出したのは真新しい折り目も付いていない物だった。
「見てなかったんですか?」
「まあね。」

 向こうの先生は、みんな女の人らしい。
 これは、ハーレム状態だね。
 とりあえず、バスの移動は新幹線の止まる駅までだった。
 それから新幹線に乗り換えて奈良に向かった。

 初めのうちは女の子に色々聞かれて嬉しかったけど、
 長いこと続くとさすがに疲れてくる。
 隣に座った石川さんもだんだん不機嫌になってきた。
 もう、聞き流して適当に返事しよう。
「兄弟は居るんですー?」
「ああ。」
「彼女とか居るんです?」
「ああ。」
「隣のコがそうだとか。」
「ああ。」
「なんだ、彼女付きかー。」
 側に集っていた女の子達がいっせいにどこかに行ってしまった。
121ベタ:2001/07/09(月) 01:39 ID:D4EnHr/M

 質問攻撃が終ったか。
「先輩。」
「何?」
「私ー、そのー、なんて言うか。」
 なんかモジモジしてる。
 変なこと言ったかなー

 『彼女とか居るんです?』
 『ああ。』
 『隣のコがそうだとか。』
 『ああ。』
 『隣のコがそうだとか。隣のコがそうだとか。隣のコが…』

 しまったー!適当に返事してたから。
「ごめん!適当に返事してたから…。
 気を悪くしたよね、本当にごめん。」
「…もういいです。」
 怒らせちゃったかなー。

「もう、ナンパしてる。」
「これは、ナンパじゃなくて…。」
 振り返るとそこには
「もう、ちょっと目を離すとすぐ浮気するんだから。」
「さやか!何でここに!?」
「だって、私の学校の修学旅行なんだから、居てもおかしくないでしょ。」
「普段は、学校なんていってないくせに。」
「えっ、何?聞こえなーい。」
122名無し娘。:2001/07/09(月) 01:45 ID:pJy/9zZQ
age
123ふぁーすと。:2001/07/09(月) 02:43 ID:ESTpK3Ic
さるぶんごうさん、はじめまして!。
(ベタさんも、最近本編で見ないと思ったらココでしたか!。)

本編を最初から見てるうちにココにたどり着きました。
主人公とは違う視点からの話もあり、大変楽しませてもらいました。
これからも頑張ってください。
応援しています。
124さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:45 ID:tC/zbWPQ
しばらく放置しちゃってごめんなさい。

ネタ、思い付くようで思い付かないんすヨ。
リクエスト募集でもしようかな?…

>ふぁーすと。さん(>>123
 はじめまして、応援よろしく!
125さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:45 ID:tC/zbWPQ
http://teri.2ch.net/mor2/kako/983/983282687.html
 の>116の1行目【それから数日】の中の内の1日)

今日も吉澤さんは口を利いてくれなかった…
しかも今朝ケータイなくしちゃったし、なんか散々だなぁ

その日の学校帰り、彩さんからの頼まれ事をしなくちゃいけなかった。
といっても単にスーパーで夕飯の買い出しするだけなんだけど。

スーパーは駅前にあって、その道中で偶然矢口さんと会った。

「矢口さん、なにしてるの?」
「あ、やっほ〜っ!
 今からカラオケ行くからケイちゃんと待ち合わせ!」

よく見るとそこはこの界隈の学生がよく利用するカラオケBOXの前。
矢口さんのテンションの高さは今日も相変わらずで
駅前にいた沢山の人の中で彼女だけが妙に浮いてるのがおかしかった。

「ケイちゃん歌うまいから、いっしょだと楽しくて!」
そう語る矢口さんはまだマイクを握ってるわけじゃないのに既に楽しそうだ。
「ねぇ、いっしょに歌っていかない?」
「あ、いや、今からちょっと買い物行かなきゃいけなくて」
「ふ〜ん、そうなんだ、残念だなぁ…」
ほんのわずかだけど矢口さんのテンションが少し落ちたのが分かった。
「じゃあまた今度誘ってよ」
「うんわかった!じゃあ今度は絶対だよ!」

テンションの復活した矢口さんと別れ
一路、駅前のスーパー「ハローマート」へと向かった。
126さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:46 ID:tC/zbWPQ
…重い

希美のおやつも買い置きしておくから、欲しいモノがあったら
自分の分も買っていいと言われたのを良いことに
大量に買い込んでしまった。

袋があまりにも重たかったから休憩がてら本屋で立ち読み
(オカ研に入ったことだし、少しは関連本を読んでおこうと
思ったんだけど、何かいまいち入り込みにくかったので
途中で断念)していて、陽はもうすっかり傾いていた。

こういう時、腕力がモノを言う。
陸上部で砲丸投げを専攻しておけばとチョイ後悔。

特に希美の好物アロエヨーグルトとあげぱんを大量に買ったから
ビニールの取っ手が伸びきって今にも千切れそうだ。
指先も血流が悪くて青黒くなっている。

「…ありがとうございました」

早く帰らないとなぁ…と思いながら早足で歩いていると
さっきのカラオケBOXの中、ガラスで出来た自動ドア越しに
矢口さんがいるのが見えた。

矢口さんはカラオケボックスの店員さんに何やら丁寧に頭を下げると、
ひどく落胆した様子で建物から出てきた。

(あの矢口さんが落ち込んでる…
 まさか、あの店員に告白してフラれたんじゃ…)

と妙な妄想を膨らませてると矢口さんがこちらに気付き、
バッチリと目があってしまった。

「…あ」「…あ」
127さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:46 ID:tC/zbWPQ
−−−

「チ、チガウよ!なに言ってんの!」

肩を落としてBOXから出てきた矢口さんに
『みんながいるジャン!彼氏のほかにも男はいるジャン!♪』
と(ちょっと的外れだけど)スクーターかなにかのCMを真似て
フリ付きでおどけて慰めようとしたんだけれど、
どうも店員に告白していた訳ではなくて、
サイフをなくしてしまったので念のため店内を探してもらっていただけらしい。
矢口さんはブンブンと首を振って必死で否定してる。
(…街中で踊り踊るなんてとんだ大恥をかいた)

「じゃあいっしょに探してあげるよ」
「…そんなの悪いよ」
「いやいや、困ったときはお互い様だから」

しきりに遠慮する矢口さんだけど、
どうせこの後も探し続けるんだろうし、
夜の街で女の子が1人でフラフラするのは危ない。
嫌がらない限り、ムリヤリにでも着いていった方がよさそうだ。

「心当たりは?」
「…それが」
どうも心当たりはなさそうだな。
「じゃあ今日の足取りを最初から辿ってみよう」

保田さんとBOXを出る際にはお金を割り勘で払ったらしく、
サイフがないのに気付いたのは、帰路に着いて家の近所の
コンビニで買い物をしようとした時だったらしい。
ということは無くしたのはほぼ間違いなくその間だろう。

「あ!…もしかしたらあそこかも」

矢口さんが立ち寄ったという場所を1つずつ探し歩いていると
急に思い出したように矢口さんが言った。
128さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:47 ID:tC/zbWPQ
矢口さんが心当たりがあるという場所を訪れるとそこは
市街地から少し離れた場所にある森に囲まれた小さな湖だった。

「少しフラフラした後、この辺に座ってたんだけど」
矢口さんが指差した辺りを探してもサイフは見つからない。

「可能性があるとすればここなんでしょ?」
「うん、確かここでバッグの中を少しいじってたんだけど
 その時サイフがあったかどうかは分からないの」
「とりあえずここを探そう」

矢口さんが座っていたという湖の畔の付近を含め、
その周りの鬱蒼と草が生い茂る場所も探してみる。

「…ねぇ、もう遅いし、いいよ」
膝をついて這いつくばるようにして探していると
矢口さんが弱気な声で言った。
辺りは真っ暗、腕時計の針は既に10時を廻っている。

「ダメだって、どうしても無くせないような
 大切なものとか入ってるんでしょ?」
「…え、どうして!?」
矢口さんは目を見開き、とても驚いた様子だ。

「だって、カラオケボックスから出てきたときすごく落ち込んでたから、
 きっと大切なものが入ってたんだろうな…って」

クレジットカードの類は持っていないって言ってたし、
現金も『2000円位しか入ってなかった』と言っていた。

「…そ、それは」

しゃがみ込んだままの矢口さんが少し困ったような顔をしたので
何故かいたたまれなくなってふと目を逸らしたその時だった。

「…あった!!」

視線の先には焦げ茶色のサイフが転がっていた。
「それ、ヤグチのだ!」

矢口さんは駆け寄ってきて大切そうにそれを拾い上げた。
129さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:47 ID:tC/zbWPQ
しばらく腰を下ろして夜空の月を見上げていた。

「見つかってよかったね」
「うん」
矢口さんは両手で大事そうにサイフを持っている。

「ところで矢口さん、こんなとこで何してたの?」
「…え!?そ、それは…ヒミツだよぉ」
「なんだよ、ここまで付き合ったんだから
 それくらい教えてくれたっていいじゃないか」
「ダ〜メなの!!」

冗談で怒りながら追いかけようとすると、矢口さんは
トコトコと小走りで小高くなった丘の上へと駆け上がっていく。

「いつかその時が来たら教えてア・ゲ・ル!」
いつかって…そんな気になる…

家まで送っていくと言ったけれど、矢口さんは『ここでいい』と言い、
『キミの方こそちゃんと家まで帰れるかい?』とおどけてみせた。

「今日はありがとう」

駆け上った小高い丘の上、月明かりを背にした矢口さんは
いつもと違いとてもしおらしく、静かな口調でそう呟いた。

「じゃあね、バイバイ!」

しかし急にいつもの元気な矢口さんに戻ったかと思うと、
クルッときびすを返し、家があるという方向へトコトコと小走りで駆けていった。

そんな矢口さんの小さな後ろ姿を見えなくなるまで見送っていた。
130さるぶんごう。(今朝も更新中):2001/07/10(火) 09:47 ID:tC/zbWPQ

「ただいま…ごめん、遅くなっちゃった」

家に帰ると心配そうな顔をした彩さんと希美がが玄関に飛び出てきた。

「もぉ〜、心配したんだからね!!」
「したのれすよ!!」
「…ごめん、ちょっと人助けしてて」

「ケータイも繋がらないし…メールを送っても返りがないし…」
…そういえばケータイなくしちゃったんだ、どうしよう

「とにかく、家に電話の一本くらい入れてよ!
 ホントに誘拐されたかと思ったんだから!」
…ゴメン、彩さん

「そ〜れすよ!それにアロエヨーグルトが心配だったのれすよ!」
…おいおい、希美よ

そうか、心配かけてたんだなぁ…
なんだか家族っていいなぁ…

その日はそのまま無言でベッドに倒れ込んで眠りについた。
なんか色々と疲れた一日だったけど、良い一日だった。

−明日も良い日であるように♪
131さるぶんごう。(今朝も休憩中):2001/07/10(火) 09:52 ID:tC/zbWPQ
http://teri.2ch.net/mor2/kako/983/983282687.html
の>121の行動にはそれなりのワケがあるのでしょうから、
カラオケに誘う口実も含めてその辺の描写をしてみました。

本当ならこの後「主人公が落としたケータイを加護が拾って
それきっかけで2人が出会う」というイベントが欲しかった…
(別ルートで書こうかと思案中)

ちなみに色々と張ってる大小の伏線を後に活かすかどうかも考え中です

※ケータイネタでオチをつけようと思ったんですがグダグダになったので削除
132名無し娘。:2001/07/10(火) 13:01 ID:n9IgzJaE
どなたか七夕の時に裕ちゃんの七夕パーティーに行った場合ののものを書いてもらえませんか?
どうかよろしくお願いします。
133ふぁーすと。:2001/07/10(火) 14:14 ID:qy20tGgA
些細なことで、誤解を生んですべての娘から嫌われてしまう話が欲しいですね。
押尾の件でいきなり本人を殴ったとか・・・。
もちろん、あとで誤解は解けますけどね。(私の経験からヒントを得ました。)
誰かかいてくれないでしょうか?
お願いいたします。
134さるぶんごう。(休憩):2001/07/11(水) 23:58 ID:OF/g8dF2
交信が滞っております…なかなかセクシービームが出ませんもので…

現在、ベタさんの「修学旅行・京都/奈良」が終わった辺りにUPする予定の
「同・北海道編」を作成中でして…海外編はどうしようかな?

>>132
 やろうと思えば何とかなりそう…

>>133
 それは本編にあって然るべきイベントじゃないですか?
 こっちで書いちゃうには勿体ないネタですよ
135ベタ:2001/07/12(木) 00:30 ID:PmQ7k9I.
>>134
奈良・京都の情報収集中なのでドンドン書いてもらってかまわないです
136さるぶんごう。(休憩):2001/07/12(木) 03:57 ID:NrZt1LVw
>>135
 あ、ちなみにボクの方もまだ情報収集中です。

とあるプロの作家さんは、一冊の台本を書く為に数十冊の本を読破するそうな。
とかく物書きには知識は重要ですからね、じっくりいこうと思います。
137カオレンジャー:2001/07/12(木) 13:04 ID:V6gEISjY
うう、北海道編、俺がやりたかったぁ。本当は加護の話書いた後、開始予定だったんだけど
本編書くことになっちゃったから、出来なかったのよ。

さるぶんごうさん。北海道行ってるのは矢口と保田だけじゃなく彩さんも里帰りしてるからね。
お土産の辺りに書いてあるから。

 あと、俺はそれに修学旅行中通い積めれば一通り話が終わるようにしてある
『花畑牧場編』も用意してあったんだよ。
あさみ……都会に憧れる女のこ。花畑牧場の孫娘。主人公に一目ぼれ
りんね……都会の男に傷つけられた過去あり。あさみを傷つけないよう
     さりげなく主人公の邪魔を。恩返しのため、花畑牧場を手伝ってる。

 と言う設定まで考えてたのよ。夏休み辺りに荷物背負ったあさみが訪ねてくると
面白いなぁと考えてたんだ。

 本編と北海道編は同時にやるのは無理そう。ああ、ジレンマ
138名無し娘。:2001/07/12(木) 23:59 ID:J1sk7r/g
カオレンジャーさんの北海道編、花畑牧場編、いい設定ですね。
どうしてもみたいなぁ〜。
139さるぶんごう。(休憩):2001/07/13(金) 00:22 ID:GhPaOQ2Q
>>137 (北海道編)
 >>136の『じっくりいこうと〜』からも推測できるとおり、正直まだ手を
 着けていない状態なので、もしカオレンジャーさんが書いて下さるなら
 ボクもゼヒ読みたいです。

 ま、いざとなったら北海道編が2つあってもイイじゃないですか、ね!
140名無し娘。:2001/07/13(金) 19:51 ID:/iqnA6ts
gannbatte
141名無し娘。:2001/07/14(土) 23:25 ID:S93bCFkQ
ホゼム
142名無し娘。:2001/07/15(日) 23:22 ID:Uq72aNAU
ホゼム
143カオレンジャー:2001/07/16(月) 00:24 ID:VSpnhv1o
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=132&to=132&nofirst=true
の選択肢の先です。石川の分がなかなか決まらなくて、サンプル作ってるうちに全員分
出来てたんですが、発表するタイミングを逸してた。
 まあ、出来が悪いのもありますが……。
144カオレンジャー:2001/07/16(月) 00:26 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは後藤さんだった。
「こんばんわ」
「どうしたの?」
「なんかねむれなくって…」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「じゃあ、テラスに行ってて。今、飲み物持って行くから」
「はぁ〜い」
夜露の降りた芝生をかすめた風が涼しく吹いている。
コーラの缶を2つ持って行き、テーブルについた。

「せんぱい、ちょっとたってもらえますか?」
後藤さんはテーブルに向かい合わせになってるイスを芝の方へ持って行き、
隣り合わせに置く。
「こうすれば、二人とも月がよく見えますよ」
椅子に座って空を見上げてみる。真正面に月が見え星々が広がっている。
「えへっ、おじゃましま〜す」
後藤さんが、はにかみながら隣に座る。
「せんぱい、きれいですねー。あっ、あの星なんですか?」
「ああ、あれはシリウスだな、大犬座の一部だよ」
後藤さんの指差す先の星を説明するうち、後藤さんはピッタリと俺の横に寄り添っている。
「ねぇ、せんぱい。ちょっと肩を借りてもイイですか?」
「え?あ、いいよ」
後藤さんが俺の肩に頭を預けてくる。シャンプーのいい香がした。
「………」
「………」
「あ、暑いですね…」
「え?そ、そう?」
「あ、いえ、今は涼しいん…ですけ…ど…」
「………」
「………」
「………」
「あ、あの!先輩!私、部屋戻ります!おじゃまさまでした〜!」
そう言うと、後藤さんは走って部屋を出て行った。なんだったんだ??

後藤さんって意外とシャイなんだなとか考えていたら眠りに入っていた。

「先輩、昨日の夜はありがとうございました」
「え?いや俺は別に…何も…」
「また…」
「え?」
「また、一緒にプラネタリウムで星でも見ません?」
「あ、いいね。行こう行こう」
「やった〜!約束!約束ですよ!」
後藤さんのペースにすっかりハマってしまったな、こりゃ。
145安倍編:2001/07/16(月) 00:28 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは安倍さんだった。
「こんばんわ」
「どうしたの?」
「なんかねむれなくって…」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「じゃあ、テラスに行ってて。今、飲み物持って行くから」
ジャスミンティーを持ってテラスに行ってみると、安倍さんは芝生の上に座り込んで星
を見ていた。
俺もトレイをテーブルに置いてからその隣に座った。

遠くの樹木がゆれる音を涼しい風が運んで来てくれている。
「ねぇ、矢口とは上手くいってる?」
安倍さんの不意の問いに飲んでいたものを噴き出しそうになった。
「なんでそんなこと聞くの?」
なっちは空を見上げたまま続ける。
「なっちね、本当はイヤな女なんだ。アナタと子供の頃からずっと一緒に育ってき
て、多分この先もずっと一緒だと思ってたのに…」
「え?」
「矢口が現れて、さやかも帰ってきて。矢口なんかに渡さないって思ったし、
さやかが帰ってきたの教えたくなかった。でも、矢口もさやかもいいヤツなの。
なっちからは嫌いになろうと思っても嫌いになれないよ」
「どうしたの?急に、いつものなっちらしくないじゃん」
「イイ子でいるのは、もう辛いの。私、アナタだけは誰にも渡したくない」
「い、いや、そんな事、急に言われても…」
「なっちは嫌い?」
「え?好きとか嫌いとかじゃなくって…」
「女として見られない?」
「そういう訳でもないんだ、ただ、急だったから…」
「あ…、ごめんなさ…」
「っていうか、俺、誰とも付き合ってないんだけどさ」
「え?ウソ?」
「マジで」
「じゃ、じゃあ、なっちの早とちり?やだ…、恥ずかしい!」
そう言うやいなや、安倍さんは走って部屋を出ていってしまった。

安倍さんの急な告白に高鳴る鼓動を感じているうちに眠ってしまった。

「安倍さん、おはよう」
「あ、お、おはよ…」
まだ恥ずかしそうにしている安倍さんをみていると、俺の中で「幼なじみのなっち」
から「一人の女性なつみ」へと心の変化があった気がした。
146希美編:2001/07/16(月) 00:29 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは枕を抱えた希美だった。
「おにいちゃぁん」
「どうした?」
「なんかねむれないのれす〜」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「そうかぁ。あっ、そうだ希美奥に行きなよ、奥。ここってテラスあって今日は月がきれいだぞ」
「はぁーい」
希美と一緒に奥のテラスへ向かう。
「今日のパーティー、楽しかったか?」
「うん。おねえちゃんたちがすっごくやさしくしてくれたれすよ」

遠くの樹木がゆれる音を涼しい風が吹いて教えてくれる。
「てへっ!」
「どうした希美?」
「ののは昔のおにいちゃんの事すっごいこわかったけろ、今のおにいちゃんはすっごいすっごいらいすきれすよ」
そうか、明日香が死んですぐの再婚で荒れていた俺は希美につらくあたった事もあったな。
「れも、あの時のおにいちゃんはすっごいかっこよくてすっごいやさしいかったれす。あれからおにいちゃんはののの
いちばんのひとなんれすよ!」
(あの時?そういえば、いつから俺は希美とこんなに仲良く話せるようになったのだっけ?)
「なぁ、希美。あの時っていつだったっけ?」
「もぉ〜、ひどいれすぅ〜。ののにとっては大事な思いれなんれすよ〜!ちゃんと思いらしてくらさい」
(え〜、あの時あの時。うーん、思い出せない)
「ゴメン、思い出せないよ」
「もぉー。いいれす。今日はののの誕生日らからゆるしてあげます。そのかわり、あのときみたいギューってしてくらさい」
いわれるまま、希美を抱き寄せるとギューっと抱きしめてやる。
「てへっ、それじゃあおにいちゃんおやすみれす」

俺は希美の言うあの時を思い出そうとしながら眠りに入ってしまった。

「はい、おにいちゃん。ジュースれすよ」
「ありがとう。よく気がつくようになったなぁ」
「らってののはもう14歳れすよ」
帰りの電車で希美も少し大人になったのかなぁと感じた。
147彩編:2001/07/16(月) 00:30 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは彩さんだった。
「今日はお疲れさまね」
「どうしたんですか?」
「な〜んかねむれなくてね〜」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「へぇ〜、この部屋こんな作りになってたんだぁ。あっテラスもあるじゃん。こっちおいでよ」
彩さんに促されて二人でテラスのテーブルについた。
「今日は疲れた?」
「いや〜、それほどでも。それより彩さんの方も大変だったでしょ」
「ああ、こっちはそれなりに楽しくやってたから大丈夫」

風の音だけが二人の会話のほかに聞こえてくる。
「うふふ、そうやってるとあの人にそっくりね」
彩さんが笑いながら言う。
「そんなに似てますかねぇ?」
「そっくりよ。ほんと兄弟そっくり。……じゃあ、よいしょっと」
彩さんが急に立ちあがって俺にひざの上に横座りをする。
「ちょっと彩さん。なんですか、急に。おも……」ぺシッ!
「いい男はそんなこと言わない。イイじゃないたまにはこんな事も…」
そういうと、彩さんは俺の首に腕を絡めてきた。
「ほら、ちゃんと腰に手をまわして支える!落ちちゃうでしょ!」
いわれるまま、腰に手をそえる。
「……ほんと兄弟そっくり。あの人と同じ匂いがする……」
急に頭が抱きしめられ俺の顔が彩さんの胸の中にうずまる。
「ちょ、彩さん苦しいです。くる………」ポタッポタッ
頭の上に何か熱いものが落ちてくる。
「彩さん泣いて……」ペシッ!
「いい男はそんな事聞かないし、泣いてる顔は見ない!」
しばらくそのままで時が流れる。彩さんの小さく泣いている声だけが聞こえる。
「…ヒッ………ヒック……さみしいよー…………」

「じゃあ、ありがとうね。おやすみ」
……ったく、バカ兄貴がっ。彩さんを見送ってからそんな事を考えながらベットの上で夜を過ごした。

「明日は希美ちゃんと遊園地行くんでしょ?今日は早く寝といたほうがいいんじゃない?」
いつもと変わらない彩さんの態度に俺の中になにかモヤモヤした気持ちが芽生えた。
148飯田編:2001/07/16(月) 00:31 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのはを持った飯田先輩だった。
「合宿お疲れ様」
「どうしたんですか?」
「なんだかねむれなくてね」

彩さんが来たので、この部屋に移ったんだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「今日は月がきれいですから、テラスのほうへ行ってみてください」
ジャスミンティーを入れて俺も後へ続く。
飯田先輩は椅子に座り月を眺めていた。
「先輩、これジャスミンティーです。気分が落ち着きますよ」
「ありがとう。アナタのおかげでこんな別荘も借りられたし今回の合宿は大成功よ」

涼しい風が飯田先輩の長い髪を揺らしている。遠くで風が草を揺らす音もする。
「キレイ…ですね」
「ええ、本当にきれいな月…」
「違いますよ、飯田先輩ですよ」
月の光が飯田先輩の顔を照らし、黒髪の周りをふちどりキラキラと光らせる。
「え…、あら、ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「そんなお世辞なんて」
「…ところであなた、ちょっと疲れてるでしょう?オーラが弱くなってるわ」
そういえば、この合宿は色んなことがありすぎて、確かに疲れは多少残ってる。
「じゃあ、ちょっと目を閉じてなさい。私がおまじないをしてあげるわ」
暗闇の中、飯田さんの何かを唱える声が聞こえてくる。声が途切れると何かが俺の唇に触れる。
え?飯田先輩?キス?
「あ、あのー、飯田先輩。キス…しました?」
「……ええ、力を伝えるのは口から口へが一番うまくいくのよ」
飯田先輩は少し照れた様子でそう言った。

「じゃあ、今日はゆっくり寝なさい」
飯田先輩の力のおかげだろう。いつも以上にグッスリ眠る事が出来た。

「あら?どうしたの?私の顔を見つめて」
「いえ、なんでもありません。あぁ、そろそろ出発ですよ」
月明かりの下の飯田先輩のキレイさがいつまでも頭を離れなかった。
149吉澤編:2001/07/16(月) 00:35 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのはを持った吉澤さんだった。
「先輩、パーティーお疲れ様でした」
「どうしたの?」
「なんだかねむれなくて」

「今日は月がきれいだから、テラスのほうへ行って話そうか」
ジャスミンティーを煎れて俺も後へ続く。
吉澤さんはテラスに出たところで空を見上げてる。
「うわぁー、キレェーー!」
「吉澤さん、これジャスミンティー。気分が落ち着くよ」
「あ、ハイ。ありがとうございます」

涼しい風が吹いてきた。遠くで風が草を揺らす音もする。吉澤さんはカップを見つめながらずっと黙っている。
「吉澤さん。お茶冷めちゃうよ」
「ハ、ハイ」
またもや沈黙が続く。
「よしざ……」
「せ、先輩!あのー。……たしと、……私とエッチしてください!!」
静寂を裂くように吉澤さんの声が響き渡る。
「は?はいぃぃぃ???」
「あ、あの先輩。私ちゃんとお風呂にも入ってきましたし、そ、それに…私も……」
「ちょ、ちょっとストップ。吉澤さん、何で急にそんな事を?」
「はい……。誰かの持って来た雑誌を読んでたら、私くらいの歳だともう経験済みとか、女のコからも積極的に
アプローチしなきゃとか、書いてたんです。あのー…、最近…、先輩最近矢口さんとか後藤さんと仲イイですよね。
お昼も一緒だそうですし。あの二人って積極的そうだし…、あ、あのー、そのー…、し……しちゃってます?
150吉澤編:2001/07/16(月) 00:36 ID:VSpnhv1o
「え?え?どうしてそうなるの?二人とは何にもないよ」
「でも、他の人とは?中澤さんとか大人っぽいしそれに……、飯田先輩とはこの間まで二人っきりでオカ研を
やってたんですよね?」
「吉澤さん!俺は誰ともそんな関係じゃないよ。第一、人と同じじゃなきゃダメって事はないだろ?
吉澤さんは今のままで充分魅力的だよ。何も焦ったりする事じゃないよ」
吉澤さんは張り詰めていた糸がプツリと切れたように勢いがなくなった。
「せ、せんぱい。今の事忘れてください。私、スポーツばっかりやってきたから普通の女のコがどんなふうなのか
分からなくって……。その…あの…」
「吉澤さんは、その素直なところがとってもかわいらしいんだよ」
「あ、あたしがですかぁ!?いやぁ、なんか照れちゃいます……あ、あたし戻ります。おやすみなさい」

吉澤さんが慌てて部屋を出て行った後、雑誌を持ってきたのは誰かなとか考えているうちに眠りに落ちた。

「じゃあ、先輩また月曜日に」
駅で別れた吉澤さんの姿をなぜかいつまでも目で追ってしまった。
151加護編:2001/07/16(月) 00:37 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは加護さんだった。
「こんばんわ、王子様」
「どうしたの?」
「なんか眠ぅなれへんのですわ」

「じゃあ、奥のテラスで話しでもしようか。月も出てるしね」
ジュースの入ったグラスを持ち、加護さんとテラスに行く。
「あのぉー、王子様?一緒のグラスにストローさして飲んでもイイですか?」
「え?どうして?」
「えへへ。コレするの夢やったんですわ」

加護さんの話す声のほかには風がなでる草の音しか聞こえてこない。
「ねぇ、王子様?」
「なんだい?」
「セックスしてくださいませんか?」
「!!?!?…………………………か、加護さん。意味わかっていってるの?」
「なんでですか?好きな人に抱っこしてもらうこととちぁいますのん?お母さんにそう教えられたんやけど…」
「は、ははは。あたらずとも遠からずだけどね…」
「じゃあ、セックス…」
「加護さん、それはあんまり人には言わない方がイイよ。それに俺は普通に抱っこって言ってくれる方が嬉しいな」
「じゃあ、王子様。抱っこしてください」
俺は加護さんを抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこってヤツだ。
「キャー!!王子様!うれしいです!」
加護さんは嬉そうに俺の顔を見つめている。黒目がちな瞳が月明かりを受けて輝いてる。
「えへへへ、王子様。ロマンチックですねぇ」
「そうだね」
「王子様……」
そういって、加護さんは目を閉じた。
俺は一瞬迷ったが、加護さんのおでこにキスをした。
「もぉ〜、またですかぁ?王子様〜」
「あははは、加護さんにはまだ早いよ」
「折角、ええ雰囲気やったのにぃ〜!」
「でも、それだけ加護さんの事を大事に思っているってことなんだけどなぁ」
「王子様、優しいのも時には罪なんですよ!」
そう言って、加護さんは笑って自分の部屋へと戻って行った。
「今度こそ、唇にして下さいね!」と言い残して。

「ふふ、優しさも罪か」
加護さんの言葉に少しどきりとしてしまった事を考えながら眠りに入った。

帰りの電車を待つ間、隣に加護さんがやってきた。
「王子様!!つぎのデートいつにしましょう?」
目を輝かして聞いて来る加護さんの無邪気さが、俺を元気にしてくれた。
152保田編:2001/07/16(月) 00:39 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのはカメラを持った保田さんだった。
「おつかれさん」
「どうしたの?」
「なんだかねむれなくてね」

テラスに向かいながら聞いてみた。
「そういえば、結構撮ってたみたいだね。俺はあんま写ってないみたいだけど」
「それは、あんたがあたしを避けてたからでしょ」
「そのつもりはないんだけどなぁ」

そよそよと涼しい風が時々月を隠す雲を運びながら吹いている。
「……でね。あんたの写真。あんまりないからさ。一応、撮っておこうと思って」
「ああ、いいよ」
「じゃあ、芝生の方に行って…」
保田さんの指示で色んなポーズを取らされて何回もシャッターがおされる。
「あれ?保田さん。その腰につけてるのは?」
「ああ、デジカメよ。試し撮りに使ったりしてるの」
「へぇ、ちょっと触らせて」
二人でテラスのテーブルへ戻り、デジカメをいじり始める。
「ここが、こうなって、へぇ〜。いくよー」パシャッ!
「なんでアタシ撮ってるのよ」
「いや、俺はともかく保田さんの方こそ一枚も写真写ってないんじゃない?」
「そりゃ、カメラマンだもの」
「それじゃあ、さびしいじゃん。あっ、これならそっちのごついカメラと違ってツーショット写真とか撮れそうじゃん」
さっそく保田さんの隣にしゃがみこむ。
「ほら〜、保田さん。もっと近くに来てくれなきゃフレームにはいんないよぉ」
「えーー!?あ、あたしはいいってばぁー!!」パシャッ!
少し強引に保田さんの肩を抱き寄せてシャッターを押す。
「うわ、保田さんすごいイヤそうな顔してるぅ。こりゃ失敗だね、写真の消去の仕方は?」
「えっ?ダメ!ダメよ!撮ったものは全て作品なんですからね。カメラ返しなさいよ!」
強引にカメラを奪うと保田さんは自分の部屋に戻って行った。

保田さんの撮ってくれた写真はみんなの旅の思い出になるんだろうな。そんな事を考えながら眠りについた。

「保田さん、何みてんの?」
「な、なんでもないわよ!」
帰りの電車でニコニコしながらデジカメのプレビューを見ている保田さんがちょっとかわいらしく思えた。
153矢口編:2001/07/16(月) 00:40 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのは矢口さんだった。
「ど〜も〜」
「どうしたの?」
「なんかねむれなくってさ」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「じゃあ、これ持ってテラスに行こう」
ソフトドリンクを矢口さんに渡して、テラスのテーブルに座った。
「二人っきりでちゃんと話できるのあの時以来だよねー」
「ああ、保田さんの」
「そう。あれからけっこうたったよねぇ〜」
「なんか、あっという間だよね」

周りの樹木を静かに揺らして風が吹いている。
「ねぇ、チューしようか?」
「え?」
「ほらぁ、矢口さ。ちゃんと伝えてないかもしれないけどさ。君の事ずっと好きだったしさ」
「………」
「そのー…、なっちとかとさ、キスしてるの、何となく分かってたからさ」
「………」
「だからってわけじゃないけどさ、矢口もしてほし〜な〜と」
矢口さんが照れながら聞いて来る。

「ん〜〜」
矢口さんが目をつむってキスを待ってる。やっぱりキスしなかっ許してもらえないよなぁ。矢口さんに近づくと…。
「あっ、やっぱ、ちょっと待って」
おもむろに矢口さんはテラスと芝生の段差のところにイスを持っていき、その上に立った。
「ほら、これなら矢口ちっちゃくても大丈夫でしょ?」
再びキスを待つ矢口さんに近づき……。
(チュッ!)
「うれし〜〜!!やっと矢口キミとちゃんとしたキスできたよ!」
そんな矢口さんをほほえましく見てると、
「やぁ〜、そんなに見つめないで矢口はずかしいよ〜、も〜、寝る。おやすみぃー!」
ほっぺたを押さえながら矢口さんは部屋に戻って行った。

矢口さんの喜ぶ姿を思い出してるうちに眠りについてしまった。

「矢口なんか嬉しそうだよー」
「いいことあったんだ〜」
「なぁに、なっちにも教えてよー」
そんな二人の会話を聞いて、矢口さんの可愛さに少しやられたかなと思った。
154石川編:2001/07/16(月) 00:42 ID:VSpnhv1o
ドアの前に立っていたのはシーツをかぶった石川さんだった。
「先輩、こんばんわ」
「どうしたの?」
「なんだかねむれなくて」

彩さんが来たので、この部屋に移ったのだけどココは他の部屋と違って、テラスがあるのだ。
テラスの先は50m四方ほど芝生になっている。

「今日は月がきれいだから、テラスのほうへ行って話そう」
ジャスミンティーを入れて俺も後へ続く。
石川さんはテラスの方へおずおずと歩いていき椅子にちょこんと座る。
「静かですね、先輩」
「石川さん、ジャスミンティー。気分が落ち着くよ」
「ありがとうございます」

涼しい風が吹いてきた。遠くで風が草を揺らす音もする。
石川さんは、裸足のまま芝生の方に歩いて行った。手を広げて空を見上げている。
「せんぱ〜い、空がこんなに大っきいーですよ〜」
俺も見上げると、都会と違って大きな月と降るような星が空を埋めつくしていた。
「すっごいですね〜、せんぱぁい。……………………………きゃぁあああ!!」
石川さんの側まで歩きかけていた俺に石川さんが抱き付いてくる。
「せ〜んぱぁい、せんぱぁい。なんかが…なんかが……」
どうやら、バッタかなにかが石川さんの足の跳んできたらしい。
「石川さん、ほらもう大丈夫だよ。虫もどっか飛んでったよ……あれ?石川さん?」
石川さんはずっと俺に抱き付いて胸に顔をうずめている。
「せんぱい……少しこのままでいいですか?」
石川さんの頭を無言でそっとなでてやる。
「せんぱい、私。誰にも先輩の事取られたくないんです。私、わがままですか?」
答えに詰まっていると、石川さんが目をつむったまま顔を上げる。

1>石川さんの肩に手を
2>石川さんにキスを
155石川編:2001/07/16(月) 00:44 ID:VSpnhv1o
1>
石川さんの肩に手をやり、抱きつく石川さんをそっと引き離した。石川さんを見つめる。
石川さんも目をあけて見つめ返してきた。
「石川さん。俺も石川さんのことはすごくスキだよ。でも今、俺の心の中はまだ整理がついていないんだ。
もうしばらく時間が欲しい。そうしないと、石川さんをひどく傷つけてしまいそうなんだよ」
石川さんは少しむっとした表情で聞いてきた。
「あの、中澤さんって人ですか?」
「え?いや、そうじゃないよ。そういう意味じゃないんだ」
「じゃあ、どういう事ですか?」
「石川さんが大切なんだ。真剣に。だから、俺、もっと努力して、それから…」
「え…」
「だから、今のままじゃ傷付けてしまうことが多いと思うんだ。ごめん上手く言えないや」
「先輩……、よ〜っし!わたしもがんばります!先輩にもっともっと好きになって貰えるように!」
石川さんもわかってくれたようで、小さくガッツポーズを取って闘志を燃やしてる。
「石川、負けません。先輩、おやすみなさい」

石川さんが少し積極的になってくれたからよかったなぁと思いながら眠りに入った。

「先輩、隣に座ってイイですか?」
「え?うん、いいよ」
「あー、リカちゃんずるいよー、あたしもー」
みんなと仲良くケンカしてる石川さんがちょっと気になり始めた。
156石川編:2001/07/16(月) 00:45 ID:VSpnhv1o
2>
石川さんにそっとキスする。月だけが二人の長いキスを見ていた。
「先輩……」
「さすがにちょっと涼しくなってきたね、中に入る?」
「はい」
「ハーブティーもう一回入れ直すね」
「あ、先輩…私が…」
「いいよいいよ。石川さんはベッドにでも座ってて」
「あ…、はい」

お茶を入れなおして、ベットの方をふりかえると石川さんが思いつめた顔をしてる。
「先輩、私と今夜は一緒にいて下さい」
俺は黙ってうなずいた。
            :
            :
「先輩、私みんなが起きる前に戻りますね」
「ああ」
俺はベットの上でで石川さんを見送る。ドアの開く音がする。
「あっ、おはようございます。せん……、……え、うそ…りかちゃん…」
ドアの外から聞こえたのは吉澤さんの声だ。慌てて俺はドアのほうへ行く。
泣きじゃくる吉澤さんを見て石川さんはおろおろとしている。
「吉澤さん。俺たちは別に何も…」
吉澤さんの泣き声に他のみんなも起きてきた。
こうして、俺と石川さんの仲はみんなに知れ渡る事となった。

「せんぱーい、おべんとうですよー」
戻ってきてからの俺は中庭でお昼を食べている。クラスでは矢口さんや安倍さんがいるからだ。
「せんぱい、あーん」
あれから保田さんは汚いものを見るような目で俺を見る。
「石川さん…」
「梨華って読んでください!」
「梨華ちゃん。吉澤さんとはあれから…」
「お話できてません。応援するよって言ってくれたんですが……」
吉澤さんとの溝が出来てしまい、石川さんもつらそうだ。
「せんぱい、お勉強の方してますか?」
石川さんと正式に付き合うこととなり、石川家を継ぐために俺はそれなりの大学を出る事を約束させられた。
「先輩、がんばってくださいね!」
157石川編:2001/07/16(月) 00:48 ID:VSpnhv1o
アレからのみんなの事を少し書いておこう。

安倍さんと矢口さんは、今でも二人で会うと俺の悪口を言ったりしてるらしい。
『好きな人を失った変わりに親友を見つけたからいいわ』と笑っていたと保田さんが
教えてくれた。俺が言えた義理じゃないが二人とも俺よりイイ男を見つけて欲しい。

保田さんは、一度俺を殴った。矢口さんの思いを裏切ったからだ。それからは特に
親しいワケではなかったが、普通のクラスメートとして扱ってくれた。時には、
孤立する石川さんの相談に乗ってくれた事もあったようだ。

さやかは、今回の話を帰りの電車で聞いて一言こういった。
「そう、じゃあ指輪を送らなきゃね」
指輪って……。しばらく後、学校を辞めさやかは放浪の旅に出てしまった。
音信不通の日々が続いたのだが、石川さんとの結婚の日、旅先から贈り物が届いた。
そう、指輪である。石川さんの指に今も輝いている。呪いは今だ無い。

後藤さんは、あんまり学校で見かける事がなくなった。さやかの話では、
『学校に来る理由がなくなっちゃった』そうである。2学期が始まる頃に
後藤さんの学籍はこの学校にはなくなっていた。

飯田先輩は、話を聞いて、短く「そう」と言っただけだった。
あの後、石川さんの料理はさらに殺人的なすごい味になった。
もしかすると、飯田先輩の呪いのせいかもしれない。
158石川編:2001/07/16(月) 00:48 ID:VSpnhv1o
希美と加護さんは、二人で石川さんの事を目の敵にしている
「あの女は魔女れす。黒い魔女れす。やっつけるのれす」
「王子様を取るなんて、やっぱり魔女やわ」
日々悪い魔女を倒す方法を研究中だ。飯田先輩に教えを乞いに行ってると言う話もある。
俺としては石川さんと仲良くして欲しいのだが……。

彩さんは、この後すぐに妊娠が発覚。兄きの赤ん坊を育てることにてんてこまいで、俺を
からかっているひまもなくなってしまった。

裕ちゃんは祝福の言葉を言ってくれた。
「おめでとう少年。短いやったけど楽しかったで」
月曜日に購買に行くと裕ちゃんは辞めてしまったと聞かされた。それ以来一度も会う事はなかった。

吉澤さんは、今でも姿を見かける。ただしテレビの中でだ。アレからすぐに吉澤さんは
実力通りの陸上の強い学校に転入してしまった。設備も指導もココとは段違いである。
吉澤さんはその頭角をめきめきとあらわし、日本代表にまで選ばれるようになった。

「せんぱぁー、世界陸上始まっちゃいますよ」
「ああ、待って今すぐ行くよ」
石川さんと肩を寄せ合い、吉澤さんの活躍を見る。結局、明日香は誰だったのだろう。
今にいたるために、ずいぶんと色々なものを失ってしまった気がする。
俺は明日香との約束を…。石川さんは大切な親友を…。
「先輩。私達、幸せになってもいいんですよね?」
だから俺は最後に残された、この石川さんの笑顔を大切にして行かなければ
ならないのだなと、ふと思った。

石川編通常エンド(完)
159カオレンジャー:2001/07/16(月) 00:51 ID:VSpnhv1o
160ふぁーすと。:2001/07/16(月) 01:09 ID:g.HyQ942
カオレンジャーさん、とても面白かったです。
それぞれの特徴をよくつかんでますね。
後藤編を読んでるとき、なっちなら裸足で芝生だな。と思ってたら、
そのとおりでしたし。
ただ、前から気にはなってましたが、加護ちゃんの「〜ですわ。」と言うのは、
ちょっと関西の女の子はあまり言わないですね。
161さるぶんごう。(休憩):2001/07/16(月) 03:55 ID:5osKHqvk
カオレンジャーさん、ひとまずご苦労様です。

個人的はテンパってる(○^〜^○)がよかった。

>>51-53で自分が書いたキャラのイメージをそのまま膨らませた感じ
だったのでビックリしました。(ありがとう)

スレ立てた人間が一番サボってるという最悪の状況なんですが
こっちにも素晴らしいお話をありがとうございます。

本編もがんばってください!
162嵐じゃないよ:2001/07/16(月) 21:09 ID:4CT3HnFk
ジャスミンティーがハーブティーに
って、黒い魔女だからですか。
黒いだけあって、腹黒い。
面白かったけど石川ENDは早いなー
163娘。さんだよもん:2001/07/16(月) 22:38 ID:cd24WTDg
>カオレンジャーさん
すごく面白かったです。
通常エンドの文章すごく好きです。
明日香の扱いもとても良かったです。
感動してます。
164代打名無し娘。(背番号88):2001/07/16(月) 23:11 ID:H/606BoI
>カオレンジャーさん
とっても(・∀・)イイ!
辻の「あの時」ってのも気になりますわ〜。
165あ名無し娘。 :2001/07/17(火) 21:51 ID:MjNbQ9Uc
>カオレンジャーどん
えがった・・・
んだがなんかバットエンドのような気がするわ〜
(○^〜^○)かわいそ〜〜
最後の通常エンドって・・?
166カオレンジャー :2001/07/18(水) 00:17 ID:6AAL9rBs
 魔女れす、黒い魔女のせいでハーブティーに間違ったのれす。

実は、風が吹いて来るところと飲み物は出きるだけ変えていこうとした名残です。

 石川エンドは一応、このときもに自体がなっちもにさんが書いてた陸上大会、
ベタさんの書いてたオカ研合宿で区切れるようになってるはず。で、区切りに意味で
ココでは石川編を。ちゃんと,明日香の魂も救われてみんなが心から祝福して
くれるという、真のエンディングも用意してあります。現在、俺のストックは
保田、飯田、石川OR吉澤、かな?

あと、「〜ですわ」はわざとです。と、ウチの関西弁監修が言ってました
167名無し娘。 :2001/07/18(水) 01:34 ID:d4MWPFs.
「Clone RIKA/03」の続きは書かんの?>カオレンジャー
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mor2&key=992500041&st=374&to=374&nofirst=true
結構期待してるんだけど...すれ違いスマソ
168ベタ:2001/07/19(木) 00:47 ID:KsRyYugY
>>121の続き

「先輩、こちらの人は?」
「そうか、知らなかったね。
 これは、幼馴染の市井さやか。」
「これは無いでしょ、これは!
 市井です、さやかちゃんって呼んでね。」
「ちゃんって…。
 こちらは、後輩の石川梨華さん。」
「はい、あのー石川と言います。
 よろしくお願いします。」

 京都に着いた、これから乗り換えて奈良か。
 長い列車の旅も終わってやっと駅に着いた。
「やっと着いたのか、疲れちゃったよ。」
「何、言ってるのー。
 これからバスで移動だよ。」
「何でもいいや。
 もう列車は飽きたよ。」
「そんなこと言ってー。ガイドさんがお目当てでしょ。」
「そーなんだよ。
 若いガイドさんが当たるといいなーって。」
「先輩!そうなんですか!?」
「そんなわけないって、さやかの冗談に付き合っただけだよ。」
169ベタ:2001/07/19(木) 00:48 ID:KsRyYugY

 今日は、法隆寺見学で宿泊先に行くようだ。
「なんか、お腹すいたなー。」
「先輩、お弁当出たじゃないですか。」
「そうなんだけどね。」
 いいか後でお菓子でも食べよう。

「あなた達二人は、そっちのバス。ほかの人はそっちにバスに乗って。」
 俺と石川さんは1号車に乗った。
「こっち、こっち。」
 後ろで手招きしている姿が目に入ったが、見てみない振りをしようとした。
「先輩、後ろで市井さんが呼んでますよ。」
 石川さんに引っ張られて、後ろの座席に行こうとしたとき。
「まって、あなたはここ。」
 結局、俺は一番前の席に隔離されてしまった。

 さやかと石川さんは後ろの席、俺は一番前の隣は誰も居ない席。
 寂しい…。
 すると、バスガイドさんが入ってきた。
 なんか若い!若すぎるような気がする。
「これから、皆さんのガイドをする松浦亜弥と言います。
 がんばって、ガイドを致しますのでよろしくお願いします。」
 いったい、いくつなんだろ?
 俺より上って感じはしないし、でも、見た目で判断したら希美なんて小学生にしか見えないしなー。

 ふと、気がつくと後ろから視線を感じる。
 絶対、あの二人だ!怖いから見ないようにしよう。
「しつもーん。」
 さやか…。
「ガイドさんは、何歳なんですかー?」
「私ですか?16歳です。」
170ベタ:2001/07/19(木) 00:49 ID:KsRyYugY
隠れキャラ出してみました、しかも年齢あげて。
二十歳で高校生設定も居るからいいよね、廃棄だし。
171ふぁーすと。:2001/07/19(木) 00:55 ID:EO7Vt38E
ベタさん、お久しぶりです。
もちろんいいですよ。
でも、廃棄はもったいないですよ。
172名無し娘。:2001/07/19(木) 01:25 ID:GZDLAIiA
松浦亜弥登場ですか、わくわくしますね、この先の展開に期待します。
ベタさん、がんばってください。
173カオレンジャー:2001/07/19(木) 13:59 ID:Kj262lYA
 松浦亜弥の登場で俺的にはピ〜ンチ。
本編がああ言う展開で没にした話で、主人公の夏休みのバイトを考えていたのですが
1>バーガーショップでアルバイト、石川さん一週間に何度もハンバーガー
2>夢を見なけりゃ始まらない。潰れかけの遊園地に加護さん毎日通い詰め
3>海の家で松浦亜弥とトロピカ〜ル恋して〜る
と言うのを用意してました。

 で、なんとかそれを生かそうとプールでの奉仕活動させて夏休み中は
三人祭りに翻弄される主人公で行こうとしたたんです。

 同じ名前の同じ顔が京都と二人いるのはなんだろうし、バスガイドから
転職もなんだろうし、やっぱべつにキャラ立てるしかないのか?抜け道募集!

>>167
 いちおう、書いてます。プロット自体はだいたい出来てるんですが…。
今週末には2話目を出す予定。スレ違いの話スミマセン
174名無し娘。 :2001/07/19(木) 14:59 ID:sVKmFtOo
>>173
パラレルワールドなんだからそんなに気にすることは無いんじゃない?
175ベタ:2001/07/19(木) 19:10 ID:3mP.Yyns
>>169の続き

「それでは、これから市内を抜けて―
 ―ごゆっくり旅をお楽しみください。」
 案内が一段落ついたようだ。

 気がつくとガイドさんがこっちを見ている。
「何?何か付いてる?」
「すみません、お客様の顔じっと見てしまったりして。」
「別にいいけど、何か付いてる?」
「いいえ、違うんです。」
 ?
「あの、失礼なことを聞くかもしてませんが…男の方ですよね。」
「そうだよ。」
「先生ですか?」
「違うよ、そんなに老けて見える?
 ショックだなー」
「あの、違うんです。
 女子高って、聞いていたものですから。」
 なるほど。
「実は、俺の高校人数足りなくて――って訳さ。
 でも、16歳って高校は行ってないの?」
「夜間の方に行ってます。
 それに、まだ誕生日になってないから、本当は15なんです。
 15歳って言うと皆さん驚かれますから、16歳ってことにしてるんです。」
 …16歳でも十分驚くって。
「じゃあ、仕事の後に通ってるの!たいへんだねー。」
「それも、今回の仕事で終わりです。」
「えっ、学校やめちゃうの?」
「違います。会社の方で学校を卒業してから来なさいって言われちゃったんです。」
「じゃあ、クビ?」
「いえ、長期休暇扱いにしてくれるそうです、給料は出ませんけど。
 ですから今度、全日制に移るんです。
 だから卒業するまでガイドのお仕事はお休みです。」

「あのー、もう一つお聞きして宜しいでしょうか?」
「もっと、気楽に話してよ。
 で、何?」
「あの、後ろでジーっと見ているのは、お知り合いの方ですか。」
「一番後の席でしょ。
 タダの幼馴染と、学校の後輩だよ。」
「いえ、あのー、一番後じゃなくて後の席です。」
「後?…」
 何も言わずに自分の後ろを指差した。
 ガイドさんはコクンと頷く。
 恐る恐る後を振り返ると、座席の背もたれに手をかけて顔半分出してる二人の姿が見えた。
「い、いつの間に!」
「どーもー、タダの幼馴染の市井でーす。」
「後輩の石川です。」
「よろしくお願いします。
 いけない、仕事に戻らないと。」
176ベタ:2001/07/19(木) 19:11 ID:3mP.Yyns
常駐させないなら、旅行先で一緒だった市井、石川の所へ遊びにきても大丈夫だし、
転校してきても大丈夫でしょう(近くの学校でも、自分の学校でも)。
177代打名無し娘。(背番号88):2001/07/19(木) 20:58 ID:9SRVrVYc
ベタさん(・∀・)ウマイ!
178あ名無し娘。:2001/07/19(木) 21:27 ID:bKZlD1vc
よいよい。
ほのぼの
179名無し娘。:2001/07/19(木) 21:52 ID:o4v01iKE
>>173 ベタさんの好フォローにより実現可能ですね。あとカオレンジャーさんの
花畑牧場編が加わると夏休み期間は豪華メンバーになりますね。すっごく楽しみに
しています。
180ベタ:2001/07/20(金) 01:47 ID:MfC31c5.
>>179
サイパン編でココナッツ出せば凄いことになりそう
181名無し娘。:2001/07/20(金) 02:51 ID:B.mEFU0E
>>180 ベタさんそれいいですね! 密かに留学生でココナッツの誰かがやって来れば、
いいなぁと思ってました。
182名無し娘。:2001/07/20(金) 18:30 ID:FsCVZ/tE
     ──────-
   / ( ( ( (     ) ) )
   | / ̄ ̄\_/ ̄。
   | |     丿   0|
   | |          |     ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧
   | |  ━━  ━━|   <                        >
   (6||  ( ●)  ( ●)|  <   タレントとか関係ないわホンマによォ   >
   | |    ─' __|`- /  <     男としてむかつくわァ!!!!!      >
   | |    / \ /    <                       >
    ヽ  /∠三l /       ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
     ヽ_  ー ノ
183カオレンジャー:2001/07/20(金) 18:37 ID:W9e49AeU
 ベタさんの心遣いに感謝。こうなれば、夏はハロプロメンバー祭か。
花畑牧場の二人は、修学旅行書く前に本編に登場させる事になりそうですね。
じゃあ、誰かココナッツ出してくれたら無い知恵出してがんばるかな。

 ちなみに、俺もココナッツ登場する場合は少し考えていたことはいました。

 2学期になり、国際派を目指す矢口パパにより矢口家に大学生のミカがホームスティ。
ミカは学校に通う傍ら、週イチで希美の学校で英会話教室のボランティア。
講師陣は、どんなコも『ワァオ!スーパークール!発音バッチシ』と生徒を誉めるミカ
どこからとも無く現れ、日常会話のテストをして去って行くアヤカ。
レファは……福顔占い?
184名無し娘。:2001/07/21(土) 02:58 ID:6I8qvDZ2
age
185カオレンジャー:2001/07/23(月) 20:04 ID:SYKzArVg
 では、保田のプレストーリーをお楽しみ下さい
186去年の保田圭:2001/07/23(月) 20:05 ID:SYKzArVg
私の名前は保田圭。ピッチピチの16歳。夢はロックボーカリスト。
いつか世界を目指すのよ。最近、『ギル』ってバンドも組んで最高の毎日。

 でも、ロックボーカリストの道もお金かかるのよね。スタジオ代、メイクや
アクセサリーやら、とにかくお金があるには越した事は無い。

 というわけで、今年の夏はバイトをする事にした。ファーストフードの
お姉さんだ。ここなら、いつも人に見られるから舞台度胸もつくし、一緒に
バイトしてるチャラ男系のヤツのために通い詰めてる女子校生もいたりして
作詞のネタにも尽きない。

 そんなバイトの毎日の中でアイツに出会った。アイツは同じ高校に通う
同い年のヤツだ。中学時代にかなり荒れていてケンカでは負けたことが無いとか
100人を相手に一人で勝ったとか聞いていた。確かに何か目つきが悪い。
よく旧校舎の方へ歩いて行くのも見かけた。あんな人気の無いところに行ってる
のは、おそらく煙草でも吸いに行ってるのだろう。本当にどうしようもないヤツだ。

 アイツは夕方によく現れたのだが、ココはウチの学校の近くで部活帰りの生徒も
よく来るのし、まさか部活帰りなのかな。でも、何部だろ?やっぱり格闘系かな。

 そんなことを思って、たまに来るアイツの事を目で追ったりしていた。

 ある日、さばききれないほどのお客が並んでいる中であいつを見つけた。たまに
こんな日がある。近くのカルチャースクール帰りのお母さん方と学生と行楽帰りの
カップル達が重なるのだ。膨大な量の注文に厨房はイライラ、お客も待たされて
イライラ。かなりピリピリしたムードが漂っている。
 そんな中、お母さん方に連れられ託児所から帰る途中の子供達が、走り回ったり
するのである。トラブル起こす子供達にいつも私は心の中で『クソガキがァ』とは
思いつつも「走らないでねぇ」と注意しなければならないのだ。
187カオレンジャー:2001/07/23(月) 20:06 ID:SYKzArVg
 その日も案の定、お子様が走り回っていた。しかも、よりによってアイツに
ぶつかったのである。私は泣き叫ぶ子供とか最悪なら蹴り飛ばされる子供を想像して
トラブル処理を考え頭を抱えた。
 ところが、以外にもアイツは子供の目線までしゃがんで何かを子供に諭している。
しかも、いつもうるさいクソガ…、いえ、お子様がちゃんとお辞儀をして謝って、
歩いてお母さんの元に戻って行った。
 へぇー、以外と子供扱いが上手いんだなぁ。アイツのそんな一面を見て、ちょっと
あいつのことが気になりだした。まあ、でも今は恋愛はイイや。アタシには歌があるしね。

 夏休みも終わりに近づき、アトもう少しでこのバイトも終わる。ずいぶん仕事にもなれて
店長はこのまま続けないかとまで言ってくれた。ありがたいが私には歌が……。
 そして、またも混雑の日、アイツが私の担当でセットメニューを沢山買っていった。
なんとか、客を裁ききり店内の客が少なくなり始めたところで、アイツが商品待ちの
札を持ってイスに座っているのを見つけた。
 しまった私のミスだ。ビックマックを急いで厨房の方に注文する。
「まことにスミマセンでした」
私は深々と頭を下げる。
「いいよ、お客が沢山いたんだからさ。しょうがないよ」
アイツは笑って許してくれた。
「あのさ、ところでハッピーセットのおもちゃもまだなんだけど」
慌てて、レジに取りに行く。
「ああ、ありがとう。妹がね『マックヘ行くならアレが欲しいれす』ってうるさくてね」
ホッとして少し涙がにじむ目で私もクスリと笑ってしまった。
188去年の保田圭:2001/07/23(月) 20:06 ID:SYKzArVg
 話と違って、妹思いのイイやつじゃない。ちょっとは恋愛してもイイかな。
2学期の最初の日、そんな事を思って矢口と登校した。制服姿のアイツを見つける。
「あっ、圭ちゃん!やった!やっと見つけたよ!」
矢口の方を見るとかなり興奮している。どうやら、矢口が入学式から探していた
あこがれの人ってアイツだったらしい。なるほどね。ケンカは強いし優しいし
言われてみるとアイツにピッタリだ。
 矢口は小さくて可愛いし一途なコだ。まだ愛情かよくわからないこの想いよりも
友情だ。私にはまだ歌があるから大丈夫。
「やったじゃん、矢口!じゃあ、今度こそ見失わないように後つけようよ」
矢口と私が張り合っても勝てる理由が無い。あんまり可愛くないし、色々と
コンプレックスの塊だ。矢口みたいに明るくどんな人とも打ち解ける事なんて
出来ない。
 私は矢口を応援しよう。アイツをそっと影から見守ろう。それが、私にできる
アイツへの愛情の表し方だ。

 大丈夫、私は独りぼっちでも。私には大好きな歌があるから……。
189代打名無し娘。(背番号88):2001/07/23(月) 21:29 ID:tmOOAdR.
ヤッスー……(;´Д`)
190名無し娘。:2001/07/24(火) 01:15 ID:LdcZ1xT2
500行ってたからageとく
191名無し娘。:2001/07/26(木) 06:42 ID:6uYFTUN6
そろそろ500行きそうなのでageます。
192名無し娘。:2001/07/26(木) 06:53 ID:BpxLZ1Sk
とりあえずギャルゲヲタは氏ね
193名無し娘。:2001/07/28(土) 23:07 ID:vPpCApaQ
hozen
194名無し娘。:2001/07/29(日) 01:02 ID:tqDatcww
>>192
sageてるからやさしいね
195名無し娘。:2001/07/30(月) 16:35 ID:uXZOqsig
hozen
196名無し娘。:2001/07/31(火) 00:30 ID:2TPWA9/k
hozen
197名無し娘。:2001/07/31(火) 12:26 ID:mxM9HRbU
矢口と主人公1年から同じクラスじゃなかったっけ?
最初のほうでクラス替えがないみたいなこと言ってたと思うんだけど
198カオレンジャー:2001/07/31(火) 21:35 ID:Ybkk8V7w
>>197
 いちおう俺の記憶だけど、本編にはそういうとこはなかったような気が…。
以前からの知り合いという記述はあったが、クラスメイトと言うのはなかったと
思います。

一応、
 さるぶんごうさん>クラス替えあり
 HTML化計画>特になし
 タカハ氏さん>クラス替えあり
 娘で遊ぼう>クラス替えなし
という設定だったと思いますので、矢口と一年からクラスメイトと言う可能性もありかと
199名無し娘。:2001/07/31(火) 21:42 ID:QnUatsBs
>>198
じゃあ一緒じゃないほうがいいですね
矢口は学校入ってからずっと主人公を探しててあとで見つけたんだし
200ベタ:2001/07/31(火) 22:46 ID:H6dFgdJA
クラス変えの有無は無さそう
だけど、過去ログ見たら彩さんは1児の母になってた…
無かったことにしちゃダメだよね。
201カオレンジャー:2001/07/31(火) 23:59 ID:VpgG8Gls
 そう言われると、そんな記述があったような。俺を含めそんな雰囲気なかったし
なかったことにってことじゃ……ダメ?
 そうすると、いしよしのレズ疑惑と飯田先輩の心の病もありですか?
いしよしはともかく、飯田先輩は俺の書いたの以外にも明日香の魂を口寄せしたり
陸上の結果に介入したりしてますが……。

 いっそ、修正した新設定を作り直すと言う事ではどうでしょうか?
ベタさん、さるぶんごうさん、その他みなさんの意見はどうでしょう?
202ベタ:2001/08/01(水) 01:19 ID:Y/sWQRhE
>>201
クラス変えの有無は無さそうってのは記述が無さそうってこと。
だから、クラス変えは有っても大丈夫。

彩さんのは気のせいと言う事で。
203ベタ:2001/08/02(木) 01:16 ID:Kdx55Eyg
>>175の続き

 そんな〜この状態で…
「右手、前方に見えて―」
 本当に仕事に戻っちゃった。
「良かったわねー、お望み通り若いガイドさんで。」
 目がとっても冷ややかだ
「先輩、すっごく楽しそうでした。」
「そ、そんなこと無いさ。
 ここに隔離されちゃったから。」
「そっかーって、答えになって無いじゃない!」
「着いたみたいだよ。早く降りよう。」

 急いでバスを降りた。
 バスごと見て回るようだが石川さんと先頭に隔離されて、さやかとは少し離れられた。
 一通り案内が終わり自由時間になると、やっぱりさやかが来た。
 ガイドさんのことで色々言われると覚悟していたが、ジーっと俺と石川さんを見ている。
「ねえ、ちょっと。」
 さやかに引っ張られて、石川さんと少し距離が開いた。
「ちょっと、石川さんと付き合ってるんだって。」
「はぁ?」
「クラスのコに聞いたんだから、新幹線で石川さんが彼女だって言ってたって。」
 !
「あ、あれは、あんまり質問してくるから適当に答えてたら、そうなっちゃって。」
「あーあ、旦那の浮気性にも困ったもんねー。
 なっちに、矢口さんに、ごとーでしょ。今度は、石川さんにガイドさん。」
「だから、違うって!」
「あのー、何話してるんでしょうか?」
「いや、なんでも無い―」
「コイツと石川さんが付き合ってるって話。」
 さやか、なんてことを
「そんな、私、先輩と付き合って無いです。」
「ふーん、そーなんだー。」
 速攻で否定された…。
「じゃあ、ガイドさんだ。」
「そうなんですか先輩!」
「そんな訳無いって。さやかのたちの悪い冗談だよ。」
「そ、そうですよね。」
 さやかは、何か言いたそうに微笑んでいた。
204ベタ:2001/08/02(木) 01:19 ID:Kdx55Eyg
本編で松浦のキャラ出てから書こうと思ってたけど、
なかなか出ないから、ちょっとずつ書いてこうかと
205名無し娘。:2001/08/02(木) 02:12 ID:UlfBAyus
age
206カオレンジャー:2001/08/02(木) 16:30 ID:iMprbYg2
 実はこっちもベタさんの松浦を参考にしようかと思ってました。
まあ、実際出してみたら他の二人が強力過ぎて全然選択されないんですがね。

 本編登場中の松浦は、地元に彼氏を残してきていてただいま遠恋中。毎日、
ドッキドキLOVEメールを交換。主人公に当面恋愛感情無し。後々、主人公に
『最近彼からメールが来ないんです』と相談して……。

 と言う感じで行こうかと思ってたんですが、ベタさんどうでしょう?
207ベタ:2001/08/02(木) 18:28 ID:yoPSDIBE
じゃあその筋で主人公がこっちに来ていたらってのを行きますね。

処で、辻、加護の二人は中2で行ってるんでしょうか?
自分としては中3で、主人公が高3の時入学してくるって考えてたんだけど、どうでしょうか
設定には中学生って書いてあるだけだし、加護は2月生まれだから今ならどちらでも行けると思うけど
208ベタ:2001/08/03(金) 01:29 ID:kOvYf1Bg
>>203の続き

 集合時間になり一路ホテルへと向かった。

「あのー、隣に座ってもいいですか?」
「うん、いいけど。」
「ガイド用のシートは、そこに在るでしょ。」
 後ろの席に陣取った、さやかが言う
「すみません、壊れてるんです。」
「それじゃー立ちっぱなしで疲れたでしょ、遠慮なく座って。」
 後ろの席では、さやかと石川さんが様子をうかがっている。

 突然さやかが声をかけてきた。
「ねえ、それ。」
「これですか?」
 ガイドさんとは不釣合いなキーホルダーを見せた。
「そうそれ、なんか似合わないね。」
 さやか、そんな敵意むき出しで…。
「そうですよね。これ、彼のなんです。
 なかなか会えないから、彼の代わりに持ってるんです。」
「あっ、わかるなー。私もなかなか会えないから。」
 急にさやかの機嫌が良くなった。
「残念だったわね。」
「何が、残念なんだよ!」
「「クスクス」」
 二人に笑われてしまった。

 ホテルに着いた。
 結構、綺麗なホテルだな。
「じゃあ、部屋割りはここに有りますから。」
 どれどれ、俺はどこかな―。
 あった!…別館。

 部屋に着いてみると始めのホテルとは大違いだった。
 どうやら、ここは旧舘らしい
 まっいいか、ホテルってより旅館って感じだけど、こっちの方が落ち着くよ。
 渡り廊下で新館の方とつながってるし、この部屋俺ひとりだけだしね。
 さて、小腹が空いたから、お菓子でも食べるかな。
 チーッ
 あれ?無い。代わりに紙が…。
 なになに「たべすぎはよくないれす。ののがもらっておくのれす。」
 とほほ。希美、食べすぎは良くないぞ。
209カオレンジャー:2001/08/03(金) 21:42 ID:UKd8a5Ic
 ベタさん了解です。誕生日の時に実年齢の14歳って言わせたから、その路線で行って
たんですが、これから新メンが入ることを考えると、来年も辻加護が中学生ではいつまでも
蚊帳の外なので、ベタさんの設定の方にしましょう。

 ということで、>>146の希美編のラストの希美の台詞は
「らってののは15さいになったんれすもん」に変更。

 あと、どっか矛盾が生じそうなトコありますでしょうか、みなさん?
210ベタ:2001/08/04(土) 00:17 ID:9s3DdY5U
>>208の続き

 あ〜お腹がすいた〜、夕飯はまだかな〜。
 そんなことを考えていたら、夕飯の時間になった。さて、飯を食いに行くか。

 新館の大広間での食事、しかし、俺は皆と離れた所に隔離されてしまった。
「先輩、可哀想です。」
「ほんと、食事くらい一緒に食べさせてくれても、いいのに。」
「石川さん、こっちこっち。隣においでよ。」
 さやかが呼んでる。
「はーい。」
 そんな〜、石川さんもあっさり行っちゃうなんて…。

 ひとりで寂しく食事をしていると
「皆さんとは一緒に食べないんですか?」
 後から声をかけられた
「あれ?ガイドさん。どうしたんです?」
「私たちも、これから食事なんですけど。」
 自分の他にも食事が用意されている。
「あっこれガイドさん達のなんだ。
 俺、一人分にしては量が多いと思ったよ。」
「クスクス、いつもそんな冗談言ってるんですか?」
「何時もじゃないけどね。」
「じゃあ、最初の質問です。皆さんとは一緒に食べないんですか?」
「やっぱり女子高だから、一緒はダメみたい。」
「チョット可哀想な気もしますね。」
「でも、可愛いガイドさんと一緒に食事出来てラッキーかな。」
「ホント、冗談ばっかり。」
 冗談じゃ無いんだけど。

「お茶をどうぞ。」
「あっありがとう。
 だけど他の人たちは?」
「明日のミーティングしてますから、もう少ししたら来ると思います。」
「ミーティングって出なくていいの?」
「法律で遅くなると拙いらしいんです。
 それに、いつもは学校に行ってる時間ですし。」
「そうか、今日は行かなくていいの?」
「ここからだと間に合わないから、皆さんといる間はお休みです。」
「大変だね。」
 そう言って入れてもらったお茶を飲もうと顔を上げたら、こっちを見ている視線に気がついた。
 ゴクン
「あちぃ!」
「大丈夫ですか?」
 そう言って、服にこぼしたお茶を拭いてくれた。
「ヤケドしなかったですか?」
「大丈夫、大丈夫。」
 あっちはどうなのか、わからないけど。
211名無し娘。:2001/08/05(日) 11:17 ID:WeLkKYGQ
hozen
212名無し娘。:2001/08/05(日) 22:31 ID:i6AWoivo
age
213ベタ:2001/08/06(月) 01:21 ID:1dFnK/86
>>210の続き

 ガイドさんに拭いてもらったけど、かなり濡れちゃったな。
 露天風呂が有るって言ってたし、風呂入って着替えよう。

 確かここを曲がって
「おっと、さやか。
 さやかも風呂か?」
「あっ浮気者!」
「何だよ、浮気者って。」
「浮気してたくせに、しかも彼氏のいるガイドさんと。」
「別に一緒に飯食ってただけだろ。
 それに俺がそんな事する様に見えるかー。」
「見える! 見える、みえる、ミエル、み・え・る〜!」
「ひでー言われよう。
 俺だって、さやかと一緒が良かったけど、ああ離されちゃーしょうがないだろ。」
「じゃあ、自由に席が決められたらどうしたの?」
「そりゃーガイドさんの横さ。」
 ギューッ
 頬っぺたをつねられた。
「そーゆーことを言うのは、この口か!」
「イテテテ、嘘です冗談です、さやかの横がいいです。」
「始めから、そう言えばいいのに。
 浮気癖は今に始まったコトじゃないし、許してあげる。
 ま〜なんて心の広い婚約者の市井ちゃんでしょう。」
「自分で言うか〜。」

 気が付けば風呂場の前に着いた。
「一緒に入る?昔みたいに。」
「いったい、何時の話してるんだよ。
 でも、それも良いかもな。」
「スケベ!男湯はそっちだからね!」
「自分で言い出したくせに。」
「後で石川さん来るって言ってたけど、覗かないでよ〜!」
「はいはい、覗きません。」
「その代わり、いいことしてあげるから。
 なんて、優しいんでしょ。」
 どうせ、ろくでもない事だな。
214ベタ:2001/08/06(月) 01:26 ID:1dFnK/86
さるぶんごうさん、最近見ないですが居ますか?
奈良京都終了待ってると、秋になっちゃいますよ
215ベタ:2001/08/07(火) 00:52 ID:AgVOdm/g
>>213の続き

 風呂に入ると他には誰もいなかった。
 さっそく体を洗って露天風呂に入った。
 広くて気持ちいい、するとさやかの声が聞こえてきた。
「ねぇ、そっち人いる?」
「俺一人だけだよ。」
「こっちもー。」
「他の人は風呂に入らないのか?」
「部屋にユニットバス付いてたから、そっちに入ってるんじゃないかなー。」
 なに!俺のほうには付いてなかったぞ!!
 でも、和室にユニットバスってのも変だよな。
「あっ、誰か来みたい。ちょっと、静かにしてて。」
 さやかでも、気にするのか。
 確かに、風呂に入りながら会話してるところ聞かれたら恥ずかしいからな。

「あーガイドさん。こっちこっち。」
「こんばんわ、確かー市井さんでしたっけ?」
「そうでーす。ガイドさんは、松浦さんでしたっけ?」
「はい。」
「ところで〜、松浦さんの彼ってどんな人?」
「えっ?答えないと…いけないですか?」
「教えてよ〜。」
「そうですね、誠実で背が高くてカッコいいです。」
「まー、お惚気?」
「そんなこと無いです。
 市井さんの彼だって、優しくて楽しくてカッコいいじゃないですか。」
「彼って?」
「今日、一緒にいた人そうなんですよね。」
「そんなー」ペチペチ
 さやか、たたいてるよー
216ベタ:2001/08/07(火) 00:53 ID:AgVOdm/g

「市井さん痛いです。」
「あっごめんなさい。
 だけど、やっぱり15歳よねー、肌の張りが違うわ。
 足は細いし、制服じゃわからなかったけど、ウエストもすっごく細い。」
「私なんて、痩せすぎです。
 市井さんの方が魅力的だと思いますよ。」
 なんか想像しちゃった。

「遅くなりましたー。あっガイドさんも一緒だったんですか。」
「「・・・」」
「どうしたんですか二人とも黙っちゃって。
 気持ちいいですね。」
「ちょっと、卑怯よ!」
「何がですか?」
「その足、その腰、その胸。」
「えっ?別に普通ですよ。」
「全然、普通じゃないです。」
「そうよ、それで普通って言う奴にはこうだ!」
 バチャバチャ
「市井さん止めて下さい!く、くすぐったいです。」
 さやか、なにやってるんだ?
「誰かに聞かれたら恥ずかしいじゃないですか!」
「そ、そうですよ。男湯の方に誰か居たら…。」
 !
「居るわけ無いじゃない。オーイ、誰か居るー?
 ほら、誰も居ない。」
 返事なんて出来る訳無いだろ、それにそんなの信じる訳無いだろ。
「本当ですね。」
「よかった、誰も居なくて。」
 信じてる…。
「じゃあ、私あがるわね。これ以上居たら上せちゃうから。」
 俺も二人に会わない内に出よう。

 少し、フラフラしながら男湯を出た。
「遅い〜。」
「さやか、待ってたのか。」
「どう、楽しめた?そうだ、詳しく教えてあげようか。」
「二人に悪いから遠慮する。」
「無理しちゃって。」
 少しのぼせたまま、急いで部屋に戻った。
217名無し娘。:2001/08/08(水) 18:16 ID:ue1.7BCE
ほぜむ
218名無し娘。:2001/08/09(木) 08:43 ID:d/sE3cBo
ほぜん
219名無し娘。:2001/08/10(金) 10:21 ID:SscOikEk
hozen
220名無し娘。:2001/08/10(金) 21:14 ID:4j6MgEpo
hozen
221ベタ:2001/08/11(土) 03:19 ID:cUl1/MqY
>>216の続き

 さやかにも、困ったもんだ。
 二人に会わないように、急いで帰って来たから汗かいちゃったよ。
 初日からこんな調子じゃ、先が思いやられるな・・・。
 さあ、疲れたから、もう寝よ。

 朝食も、昨日と同じように隔離された。
 ガイドさん達は、もう済んだようだ。寂しい…。
 今日は飛鳥の方に行くらしい。

 バスに行くとガイドさんが、笑顔で出迎えてくれた。
「おはようございます。」
 やっぱり席は一番前、後ろには監視が二人。
 午前中は飛鳥を見てまわった。
「どうでしたか?」
「う〜ん、石ばっかり見ていたような気がする。」
「そーですね、猿石、亀石、酒船石、鬼の俎と雪隠に石舞台古墳って在りますから。
 でも、談山神社の十三重塔とか綺麗ですよ。」
「でも、見てないよ。
 今度、案内…イテテ!」
 さやかが耳を引っ張る。
「さっきから呼んでるのに、何話し込んでるの!」
「なんだよ、さやか。」
「午後は、どうするか聞いてるの。」
 午後は吉野で食事の後、自由行動らしい。
 どうしようかな。

1>さやかと観光
2>石川さんと観光
3>二人と観光
4>内緒で、ガイドさんに案内してもらう。
22221歳とは思えないおっさんプログラマ:2001/08/11(土) 09:04 ID:xgvsrrxE
これは4でいくしかないでしょう。
223カオレンジャー:2001/08/11(土) 09:49 ID:GI1E4DzI
 4が選ばれるだろうけど、どんな会話するか楽しみなので3をあえて選択
224ふぁーすと。:2001/08/11(土) 11:25 ID:n5S6VFSU
ベタさん、オヒサシブリ!
3>二人と観光が楽しみです。
225名無し娘。:2001/08/11(土) 12:20 ID:KIhptmFw
3
226よすけ:2001/08/11(土) 12:37 ID:376q6AvA
4で。
227代打名無し娘。(背番号88):2001/08/11(土) 13:52 ID:kn6Rtt.g
「4」で。
228名無し娘。:2001/08/11(土) 22:23 ID:mAo9S3Ms
1で
229名無し娘。:2001/08/12(日) 01:48 ID:KZP/y9/g
4にしたいが、監視二人が怖いので3で
230名無し娘。:2001/08/12(日) 02:01 ID:a9Qvly3I
1。なんか面白そうなんで
231名無し娘。:2001/08/12(日) 05:51 ID:8krN0gQg
1で。
232名無し娘。:2001/08/12(日) 10:17 ID:7m5KhmPw
1で
233名無し娘。:2001/08/12(日) 11:25 ID:dmuGxKcI
4
234名無し娘。:2001/08/12(日) 19:08 ID:dmuGxKcI
235名無し娘。:2001/08/13(月) 00:24 ID:GVWWr0W6
1でお願いします
236ベタ:2001/08/13(月) 00:44 ID:QGxIOeSA
>>221の続き

「あまり合えない、さやかと一緒に見てまわろうかな。」
 さやかは、ニコニコしだした。
「えっ?聞こえなかった〜。なんだって?」
「いや、石川さんと一緒に―」
 ペシッ!
「さっきと言ってることが違う!」
「やっぱり聞こえてたんじゃないかよ!」
「そうゆ〜のは、何回も聞きたいの!」
 ホントに困ったもんだ。
 ! 石川さん達が、居るの忘れてた。

「じゃあ、案内して貰えるんですか。」
「でも、まだ勉強中ですから、ちゃんと案内できるか…。」
「私で、練習して下さい。」
「何々、どうしたの?」
「ガイドさんが、案内してくれるんですって。」
「ホント。じゃあ、俺も―イテテテ!」
「アナタは私と一緒に行くの!」
「わかったから、耳を引っ張るなって。」
「先輩は一緒に行けないんですか…。」
 寂しそうな顔をする。
 さっきの、さやかとの会話は聞いてなかったようだ。
237名無し娘。:2001/08/13(月) 00:44 ID:av4fZJSY
4
238ベタ:2001/08/13(月) 00:46 ID:QGxIOeSA

 昼食が終わり、それぞれ別れて見学に行った。
「さあ、行こ。」
「何所に行く。俺、全然知らないけど。」
「実は、ちょっと離れたトコに良いもの見つけたんだ。」
「じゃあ、そこ行こうか。」
「行こ!行こ!」

 着いた先は陶芸教室らしかった。
「ここ、ここ。」
「ここは、いいけど。かなり離れたけど大丈夫か?」
「だいじょ〜ぶ、ちゃんと調べて有るんだから。
 すみません、予約しておいた市井です。」
 予約って…。

 エプロンを付け、ロクロの前に座る。
 教えてくれたのは、女の人だった。
 言われた通りに土を伸ばしていく。
「へー、上手いわね。本当に初めて。」
「始めてです。先生の教え方が上手いから。」
「先生って言われるほど、偉くないわよ。
 後は下に紐を通して、そうそう、いい形の大皿ねー。
 乾燥させるから、持っていくわね。」
「すみません、お願いします。」

 さやかの方はどうなってるかな…、グシャグシャだ。
「もー、ちっとも上手くいかない。」
「さやか、前衛的だね。」
「何よ、ちょっと上手く出来たからって。
 そうだ、土をいじくってる時に、後ろから一緒にいじって。」
「さやか、『ゴースト』でも見て、ここ選んだろ。」
「やってくれないの?」
「してもいいけど、服汚れるぞ。」
 泥だらけのエプロンを指差した。
「じゃあ、エプロンとって。」
「この後、色付けするって言ってたろ。諦めなよ。」
「あー、違うトコにすれば良かった。」
239ベタ:2001/08/13(月) 00:47 ID:QGxIOeSA

「じゃあ、送り先はここの住所で良いのね。」
「はい、お願いします。」
「念を押すけど。」
「釜焼で割れるかも知れないでしょ。」
「そうゆうことだから、覚悟しておいてね。」
「はい。」
 俺は大皿と湯飲み、さやかは小鉢らしき物と湯飲みのような物を作った。

「さやか。いつまでも、ふてくされてるなよ。」
「だってさ。」
「さやかのも、味があって良かったぞ。」
「違うの!映画のワンシーンみたいなこと、したかったの!」
 しょうがないなー。
 さやかの後ろに、まわって両腕でさやかを包む
「これで、我慢して機嫌直してよ。」
 さやかの手が腕に触れた。
 陽炎の立つ誰も居ない山道で、そのまま時が流れた。
「…あっ!時間!」
「えっ?時間?」
 時計を見ると集合時間が迫っていた。
「急がないと!」
 俺たちは、大慌てで集合場所に戻った。
240名無し娘。:2001/08/13(月) 09:56 ID:gqgiGwlg
241名無し娘。:2001/08/13(月) 21:43 ID:tDTVKVD2
マジでイイです。
続き見てぇ〜〜〜!
242名無し娘。:2001/08/14(火) 00:15 ID:b3EKs70M
243ベタ:2001/08/14(火) 01:30 ID:m4tdXTbk
>>221の続き 4>ガイドさんに案内してもらう。

「そうだなー、1人でその辺見るよ。」
「でもでも、市井と一緒に行こうよ。」
「う〜ん。やっぱり1人で見るよ、代わりに石川さん誘ってあげてよ。」
「うん、わかった。」
 いやにあっさり引き下がるなー。

 昼食が終わり、それぞれ別れて見学に行った。
 さて、どうしよう何にも知らない…。
 そうだ!ガイドさんに案内してもらおう。
 ガイドさんは…居た!
 何だろ?何か読んでる。
「なに読んでるの?」
「あっ、これガイドの教本です。
 まだ、勉強不足ですから。」
「大変だね。そうだ、ガイドの練習かねて、この辺を案内してくれない?」
「でも、さっき市井さんに一人で見るって…。」
「そう言ったんだけど、何所に何が有るか全然わからなくて、困ってたんだよ。
 ホントは、案内してもらうと俺が助かるんだよね。」
「クスクス、じゃあ、練習に付き合って下さいね。」
 なんて、良いコだ。
244ベタ:2001/08/14(火) 01:31 ID:m4tdXTbk

「じゃあ、始めますね。
 吉野山のシンボルにもなっています、この蔵王堂は、修験道の開祖、
 役行者によって開かれたとされる金嶺山寺の本堂となります。
 現在のお堂は室町時代の再建で、高さ28m、
 木造建築では東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇ります。」
「すいませ〜ん、質問が有ります。」
「えっ!ハ、ハイ、何でしょうか?」
「再建されたのは、室町時代ですけれど、始めに建てられたのは、いつですか?」
「え〜と、え〜と。」
 一生懸命、思い出そうとしている。
「練習なんだから、本見てもいいですよ。」
「す、すみません。」

 本をパラパラとめくり、お目当ての所を見つけたようだ。
 えーと何々、『役行者によって「奈良時代に」開かれたと』飛ばしちゃったんだな

「わかりました。奈良時代です。」
「うん、そう書いてあるね。
 練習なんだから、失敗しても大丈夫だよ。」
「ありがとうございます。」
「気楽に話してよ。
 ガイドさんの練習なのに、無理言って案内して貰ってるんだから。」
「じゃあ、ガイドさんってのも変ですよ。クスクス。」
「いや、でもガイドして貰ってる訳だし。」
「ガイドじゃなくて、練習です。」
245ベタ:2001/08/14(火) 01:31 ID:m4tdXTbk

「やられたなー、じゃあ、松浦さんでいい?」
「はい、いいえ…。」
 ?
「あの〜、あややって言って貰えませんか?」
「えっ?!」
「いえ、あの1度でいいんです。」
「わかった、あやや。」
「はい。」
 松浦さんの目が潤んでいる。
「ごめんなさい、大丈夫ですから。」
「ごめん。俺、悪いことしたかな。」
「違うんです。前に、よく彼を付き合わせて、こんな風に練習してたんです。
 最近は、忙しいらしくて余り会えないんですけど…。」
「もしかして、あややって彼が呼んでる呼び方。」
「ごめんなさい!彼の代わりみたいなことさせて。」
 よほど寂しかったんだな。

「そんな、気にしなくていいのに。
 役不足だと思うけど、一緒の時は彼氏代わりになってもいいよ。」
「そんな、市井さんに悪いです!」
「なんで、さやか?」
「市井さん…、彼女なんですよね?」
「違う違う。」
「じゃあ、石川さん?」
「はずれ」
「二人とも違うんですか!じゃあ誰なんです?」
「俺、フリー。当分、彼女作る気ないし。」
「二人が可哀想です…。」
「何か言った?」
「別に独り言です。大変!もうこんな時間、急いで戻らないと。」
 時計を見ると集合時間が迫っていた。
「本当だ、急がないと!」
 俺たちは、大慌てで集合場所に戻った。
246名無し娘。 :2001/08/14(火) 01:45 ID:7.u6zkNs
2も書いてくれえぇ〜
って遅い?
247名無し娘。:2001/08/14(火) 01:52 ID:6RxpuPes
他の板でも消えてるからageとく
248名無し娘。:2001/08/14(火) 14:49 ID:MhWmSPEc
 
249名無し娘。 ◆YWaG9hqQ:2001/08/14(火) 23:46 ID:FPd5oaNI
保全
250ベタ:2001/08/15(水) 00:34 ID:BL5eWZsY
>>221の続き 2>石川さんと観光

「じゃあ、石川さんと見てまわる事にするよ。」
「なんでー。」
「なんでって、石川さん知ってる人、いないから一人じゃ可哀想だよ。」
「う、うん、そうだよね。」
 いやにあっさり引き下がるなー。

 昼食が終わり、それぞれ別れて見学に行った。
「石川さん、何所に行く?」
「え〜とですね、この吉野水分神社に行きたいです。」
 旅行雑誌の1ページを指差して言った。
「少し離れているようだけど、行ってみようか。」

 かなり歩いて来たけど、まだつかない。
「石川さん、大丈夫?疲れてない?」
「大丈夫です。」
 そう言っているが、結構疲れているようだ。
「しかし、何が15分だよ!もう30分近く歩いているよ。」
 看板通り歩いているから道は、合っている。
「先輩、あれ、そうじゃないですか?」
「ホントだ。結局、倍の時間かかってるじゃないか。
 あの記事は、きっと登山家が書いたんだな。」
「フフ、いいじゃないですか、こうして着けたんだから。」
251ベタ:2001/08/15(水) 00:35 ID:BL5eWZsY

 一通り見てまわった。
「なんか、余り人居ないね。」
「そうですね、たまに見かける人も御年配のかたですし。」
「そうだね、若い人は見かけないね。
 でも、なんでここに来たかったの?」
「別に意味は無いんです。雑誌を見ていて、ここに行きたいなって思ったんです。」
「へー、何か有るんじゃない。石川さんを呼び寄せる何か。」
「何かって…。」
「幽霊とか。」
「そんな事、言わないで下さい〜。何か怖いです。」
 石川さんが寄り添ってきた。
 ラッキー。言ってみるもんだ。
「大丈夫だよ。」
 石川さんの肩に手をまわそうとした時、どこからか、鋭い視線を感じた。
 辺りをキョロキョロと見まわす。
「先輩、どうしたんですか?」
「なんでもないよ。」
 これ以上、怖がらせるのは拙いだろう。

「お守り買ってきますから、ちょっと待て居てください。」
「じゃあ、そこに居るから。」
「すぐ、戻ってきますから。」
 言うなり、買いに走って行った。
 じゃあ俺は、そこの掲示板の前で待つか。

 石川さんの本には詳しい事、書いてなかったから待ってる間に読んでるか。
 「水の配分を司る天之水分大神が祭神の―」
 神社の名前は、ここから来てるのか。
 「『みくまり』の名が訛り『みこもり』となり子授かりの神として信仰を集め、
  俗に子守明神と呼ばれ人々に親しまれている。」
 子授かりって…。
「先輩、お待たせしました。
 なんか、『がんばって』って言われちゃいました。」
「ははは…。」
「あっ先輩!そろそろ行かないと。」
 時計を見ると集合時間が迫っていた。
「本当だ、急がないと!」
 俺たちは、大慌てで集合場所に戻った。
252名無し娘。:2001/08/15(水) 13:15 ID:hcLFvoNY
hozen
253 :2001/08/15(水) 17:34 ID:rnhg72Gw
254ベタ:2001/08/16(木) 01:51 ID:uEallNjM
>>239>>245>>251の続き

 何とか間に合ったな。
 バスに乗り込み、いつもの指定席へ座った。
「良かったよ、間に合って。
 集合に遅れたら、なに言われるか。」
「そうそう、目の敵にされてるからね。」
「そうなんですか?」
「でも先輩、間に合って良かったじゃないですか。」
「まあ、そうだけどさ…。」

 バスは、今日の宿泊所に着いた。
 部屋はやっぱり旧舘に隔離された。
 夕食も隔離されるんだろうな、でもまたガイドさんと一緒だったらいいか。
 夕食になり、やはり離れた席に場所があった。
 しかし、食事は俺の分しかない。
「さやか、ガイドさん達は?」
「残念ねー。明日は1日、自由行動だから帰ったわよ。」
 さやかは、いい気味と言わんばかりに、高笑いをした。
「なんだよ、聞いただけじゃないか。」
 一人寂しく夕食を済ませた。

 風呂にも入り、部屋で夜風に当っていると、石川さんとさやかが入ってきた。
「なに、ボーっとしてるの。」
「しょうがないだろ、すること無いし話し相手居ないしさ。」
「だからこうして、優しい市井ちゃんが、石川さん誘って来てあげたんでしょ。」
「先輩、元気出して下さい。」
「俺は、元気だけど?」
「でも、市井さんが元気付けに行こうって。」
「そうそう、一人で夕飯食べて寂しそうにしてたからね。」
「誰も、寂しそうになんて―」
「いいじゃない、こんな可愛いコが2人も来たんだから。」
 そう言いながら、さやかが背中を叩いた。
255ベタ:2001/08/16(木) 01:51 ID:uEallNjM

 結局、3人でババ抜きをした。
「しかし、良いのかここに来ててっと。
 良し、ペアー。」
「大丈夫、大丈夫。消灯前に戻れば、どうってことないから。あっ!」
 ババ持ってった。
「ねー、石川さん。ハイ。」
「そうですよ。んーこれ!あ〜ん、来たー。」
 石川さんに行ったか。
「はい、先輩。」
「うーん、これだ! よし!
 ほらさやか、取って。ハイ、1番。」
「さやかも、あと1枚だよ。
 ハイ、石川さんどれにする?」
 1枚なのにどれって…。
「ふ〜ん、また負けです。」

「そろそろ、戻らなくていいの?」
「まだ、大丈夫だよ。
 だけど、こうゆー部屋って幽霊とか出そうだよね。」
「やなこと言うなよ。」
「でも、そーゆー部屋には御札が張ってあるんですよね。
 たとえば、こんな掛け軸の影とか。」
 そう言って、石川さんが持ち上げた掛け軸の裏から、御札が姿を現わした。
「い、石川さん、そろそろ行こうか。」
「そ、そーですね。」
「まだ、いいだろ。オーイ!」
 ドドドドド
 あっという間に、二人とも部屋を出て行ってしまった。
 だ、大丈夫だよな…。
256名無し娘。:2001/08/16(木) 13:18 ID:QRydGSrQ
257名無し娘。:2001/08/16(木) 21:21 ID:IaEAXnS.
hozen
258ベタ:2001/08/17(金) 00:20 ID:XV6I8cls
>>255の続き

 どうりで今日は、こんな良い部屋だと思ったよ。
 でも、気のせいで、紙切れと御札を見間違えたかも知れないし。
 そう思って、もう一度掛け軸を持ち上げてみた。
 ! 敗れてる…、しかもちょうど真ん中で。
 それに、これは完全に御札だ…。
 俺は、見なかった事にして早々に布団に入った。

 あれほど気にしていたのに、なぜかすぐに眠っていた。
 気持ち良く寝ていると、人の気配で目が覚めた。
 首を動かして、辺りを見回す…!
 部屋の端の方に、壁を見ている髪の長い女性が立っている。
 まさか、御札のせい?
 その女の人は、俺が見ているのに気付いたらしく急に振り返った。
 俺は目を瞑り、こっちに来るなと願った。

 しかし、願いは届かず、こっちに近づいてくる気配がする。
 一歩、一歩、ゆっくりだが確実に俺の方に。
 そして、気配は俺の頭のすぐ横で立ち止まった。
 すぐ脇の気配は消えてない…、すると何か音が近づいてくる。
 …・・・すぅーはぁー、すぅーはぁー。
 それは、人の息の音。
 もう、顔の側で聞こえてくる。
 突然、音が止み、横の気配が消えた。

 はぁー、行ってくれたか。そう思って目を開けた。
 目に飛び込んできた物は、天井に張り付いて、こちら見ている女の人だった。
 髪が垂れ下がり、顔はわからないが確実にこちらを見ている。
 とたん、俺のすぐ目の前までスッっと降りてきた。
 ヒェ〜!
259ベタ:2001/08/17(金) 00:20 ID:XV6I8cls

「………。」
 何か言ってる!なに言ってるんだろう?
 気になってよく聞いてみる。
「ちゃんと……。」
 よく聞こえないな、もっとよく聞いてみよう。
「ちゃんと、部活に出てないからよ。」
 飯田先輩の声!
 よく見ると浮いている人は飯田先輩。
「部活に出てないから御札ごときでビクビクするのよ。
 これに懲りたら部活に出ることね。」
「先輩…ですよね、ちょっと近いんですけど。」
「細かいことは、気にしないの。疲れたから帰るわね。
 そうそう、変わりにお守り作っておいたから、感謝しなさい。」
 言うだけ言ったら消えてしまった。
 夢だ、夢。先輩なら…、いや!御札のことを気にしてたから変な夢を見たんだ!
 そう言い聞かせている内に眠ってしまった。

 翌朝、朝食に行くと石川さんが聞いてきた。
「先輩、昨日は大丈夫でしたか?」
「大丈夫って?」
「幽霊とか出なかったかってことよ。」
 さやかが話しに割り込んできた。
「出た出た、髪の長い女の人。」
 ガチャン
「「キャ〜!」」
 2人が俺につかまって来た。
「す、すみません。すぐ片付けます。」
 仲居さんが後ろで茶碗を落としたらしい。
「で、大丈夫なの?」
「ん?ああ。って夢を見たんだ。」
「「なんだ〜。」」
260ベタ:2001/08/17(金) 00:20 ID:XV6I8cls

 朝食がすんで、部屋に戻ると女将さんらしい人が来て、別の部屋に案内された。
 そして、「どうか、この事は御内密に。」と言って慌しく出て行った。
 通された部屋は、最初の部屋の倍は広く、数段豪華だった。
 もしかして、昨日の事は夢じゃなくて本当の事?
 そして、飯田先輩が守ってくれた。
 う〜ん、考えるのは夜にして、とりあえず今日は何しようかな。

1>さやかと観光
2>石川さんと観光
3>一人で観光

場所は東大寺周辺
261名無し娘。:2001/08/17(金) 01:29 ID:OoADYwMI
あやや狙いで、3で
262よすけ:2001/08/17(金) 01:36 ID:EYB5Jrks
同じくあやや狙いで3
263名無し娘。:2001/08/17(金) 02:23 ID:VdlNNnhM
DAT防止age3
264名無し娘。:2001/08/17(金) 03:46 ID:Cv4aTSZw
いやいや、ここはぜひ1で。
265ふぁーすと。:2001/08/17(金) 07:35 ID:bI1dRR5c
1>さやかと観光で、お願い!。
26621歳とは思えないおっさんプログラマ:2001/08/17(金) 08:14 ID:dIuH6qNM
この状態でしかあややを攻略できないんだろうから・・・3ですな。
267名無し娘。:2001/08/17(金) 08:29 ID:ZQal0yww
1でお願いします
268名無し娘。:2001/08/17(金) 09:00 ID:m2cbF8iE
2で。
269名無し娘。:2001/08/17(金) 09:01 ID:/VDCO1f6
1で。
270名無し娘。:2001/08/17(金) 14:52 ID:QtVgCSwE
保全
271名無し娘。:2001/08/18(土) 00:30 ID:96LhCDOI
1でお願いします
272ベタ:2001/08/18(土) 01:23 ID:po694gG2
2つ位は書くつもりだけど取りあえず3を

明日、明後日は、保全協力お願いします。
273ベタ:2001/08/18(土) 01:23 ID:po694gG2
>>260の続き

 さてと、どこを見に行こうかな。
 あの2人を誘って…やっぱり、やめた。昨日、薄情にもさっさと逃げたからな。
 一人で、出かけよっと。

 どこから見ようかな、まずは大仏だな。
 公園を抜けながら、東大寺へと向かった。
 しかし、鹿が多いな。すると一頭のガラの悪い鹿と目が合った。
 いや〜な予感がする…やっぱり!
 その鹿はこっちに向かって、凄い勢いで迫ってくる。
「なんで来るんだよ!」
 鹿から逃げるうち、公園の端まで逃げてきた。
 なんとか鹿を振り切った。
「はあはあ。何だったんだ、あの鹿?
 ところで、ここは何所だろう?」
 すると声が聞こえてくる。ちょうど良いや道聞こ。

 だが、何か変だ。
「なあ、いいだろ。」
「人と待ち合わせしているから、ダメです。」
「何だよ、30分もここに居るじゃんか。どうせ来ないよ、俺とどこか行こーぜ。」
「絶対、来ます。」
 木の陰から覗いて見ると、そこに居るのは松浦さんと知らない男だった。
 彼氏?ってこと無いよな、どう考えても。
 放って置けないし、声かけるか。そう思い木の陰から出た。

「遅〜い!待ったんだからね!」
 そう言って松浦さんが駆け寄ってくる。
「あやや、ごめん。鹿に襲われちゃって。」
「クスクス、な〜に、その言い訳。
 でも、来たから許して、あ・げ・る。」
「ところで…、知り合い?」
 男を指差す。
「あなたが、遅いからナンパされたの。」
「なにぃ!」
 男の方をキッと睨むと男は、早々に去って行った。
274ベタ:2001/08/18(土) 01:24 ID:po694gG2

「行った行った。」
「すみません、助かりました。」
「別に、いいよ。ところで聞きたいんだけど。」
「…はい。」
「東大寺に行くには、どう行けば良いの?」
「えっ?」
「いやー、鹿に追っかけられてさー、道がわからなくなっちゃたんだよ。」
「クスクス、本当のことだったんですね。
 わかりました、案内しますね。」
「えっ、彼と待ち合わせじゃなかったの?」
 顔がくもる。
「これないって、さっきメール来たんです。メール見てたらナンパされて。」
「でも、さっき来るって。」
「聞いてたんですね。」
「いや〜、ちょっとだけ。」
「ああ言われたら、悔しいじゃないですか!」
「まーそうだけど、俺が来なかったら、ずーっと待ってるつもりだったの。」
「えっ、そこまで…考えてなかったです。」

「でも、俺も助かったことだし、東大寺まで御案内お願いします。」
「今日は、空いちゃったし、助けてもらったから東大寺と言わず、どこでも案内しますよ。」
「本当、ラッキーだな。鹿に感謝しなくちゃ。」
「また、追いかけられるんですか?」
「それは、勘弁して欲しいな。」
 笑いながら、東大寺に向かった。
275名無し娘。:2001/08/18(土) 03:25 ID:hhdGUtV.
>その鹿はこっちに向かって、凄い勢いで迫ってくる。
てっきり虚無僧が出てくるのかと思ったオレは逝って良し?
276名無し娘。:2001/08/18(土) 13:15 ID:de4X.q.6
俺も奈良公園行くたんびに鹿に追い掛け回される。
凄いときなんか30頭ぐらいに追いかけられた事があった。
鹿に人気あって女に人気無い俺って一体・・・
277名無し娘。:2001/08/18(土) 21:31 ID:oowbMyCc
278名無し娘。:2001/08/18(土) 22:43 ID:fiT/olx2
279名無し娘。:2001/08/19(日) 01:23 ID:YE6WO9ik
hozen
280名無し娘。:2001/08/19(日) 03:02 ID:2Iyu/I9o
281ベタ:2001/08/19(日) 03:07 ID:HR9RnBeM
>>274の続き

「でかいなー。」
「覚えてます?昨日の蔵王堂より大きい木造古建築がこの建物ですよ。」
「そういえば大仏殿に次ぐって言ってたね。」
「よく覚えてますね。じゃあ、ついでに二月堂と三月堂も見ていきます?」
「お任せします。」

 松浦さんに連れられ、二月堂、三月堂と見て春日大社に来た。
「ここの祭神の武甕槌命は、鹿に乗ってやって来たって伝説が有るんです。
 だから、奈良では鹿を保護してきたんです。」
「そうなんだ。でも、人は襲わないようにして欲しいな。」
「クスクス、そうですね。」
 春日大社を出て、歩いていると、鹿が沢山いるところに来た。
「うっ!」
「大丈夫ですよ。そうだ、鹿せんべいあげてみます?」
「モノは試し、やってみるか。」
 鹿せんべいを買って、鹿の方に行く。
「ここの鹿は、おじぎするんですよ。」
「ホント?じゃあ1枚。」
 パク ムシャムシャ
「そのまま、食べちゃったよ。」
「フフ、1枚下さい。こうするんですよ。」
 すると、鹿の届かない所に差し出した。
 ペコ
「あっ!頭下げた。」
「ハイ、どうぞ。」
 パク ムシャムシャ
「どうぞ、やってみて下さい。」
 こうやって、高いところに…。
 ペコ
「やった、やった。」
 ペコ ペコ ペコ
「催促してますよ。」
「そうだった、はい。」
 パク ムシャムシャ
「こうしてると、可愛いな。」
282ベタ:2001/08/19(日) 03:08 ID:HR9RnBeM

 ドンッ
 不意に後ろから押された。何だ?
 げっ、朝の鹿!
「あっ、このコ。おせんべい残ってますか?」
「う、うん。これ。」
「すみません、いただきます。はい、どうぞ。」
 朝の鹿に、残りのせんべいをあげている。
「このコ、鹿せんべいをあげないと、ついて来るんですよ。
 ですから、いつもあげているんです。
 ほら、もうないよ。」
 松浦さんがそう言うと、どこかに行ってしまった。
「じゃあ、せんべい欲しくて追っかけてきたのかな。」
「そうかも、知れないですね。でも、ついて来ても、追いかけてきたことは無かったけど。」
 じゃあ、せんべいをくれる、松浦さんのピンチを救うために…なんてことは無いよなー。
 ク〜〜。
「あっ!」
 松浦さんのお腹の音…。
 照れてる、可愛いな。
「お腹すいたね、俺たちも何か食べに行こうよ。何所か良い所しってる?」
「えっ、じゃあこっちに良いお店有るからそこに。」
283ベタ:2001/08/19(日) 06:20 ID:FEC4XJoE
ほぜん
284名無し娘。:2001/08/19(日) 14:56 ID:Ji/mcYV.
hozen
285ベタ:2001/08/20(月) 01:58 ID:8v7C97Sg
>>282の続き

「うんー美味しい。」
「気に入って貰えたみたいで、よかったです。」
 楽しく会話をしながら、食事を楽しんだ。
「松浦さんのお腹も満たされたみたいだし、そろそろ出ようか。」
「も〜、私だってお腹はすきます。フフ。
 じゃあ、この後はどこをご案内いたしましょうか?」
「じゃあ、何か御土産を売ってる所がいいな。」
 そう言って伝票をもって、出ようとした。
「待ってください、私が払いますから。」
 そう言って、伝票を取ろうとした。
「えっ?なんで。」
「そのー助けてもらったから。」
「それだったら、俺はガイドしてもらってるよ。
 気にしない、気にしない。」
 そう言って、とっとと清算を済ませた。
「御馳走になりました。」
「そんな、いいって。」
286ベタ:2001/08/20(月) 01:58 ID:8v7C97Sg

 土産物屋でいろいろ見て回った。
「どれが、いいかなー。
 松浦さん見てくれない?」
「誰に、あげるんですか?彼女とか。」
「だから、彼女は居ないって。」
「本当なんですかねー。見ているところが、女の子向けのコーナーなんですけど。」
「妹と、妹の友達に買ってってやろうと思って。」
「ふーん、そうなんですか。じゃあ、これなんてどうです?」
「へー、良いね。これにしよう。」
「えっ、いいんですか、こんな簡単に決めちゃって。」
「松浦さんが、選んでくれたし、俺が見てもよくわからないから。」
 そして、兄貴達のお土産としてペアーカップも買うことにした。

 お金を払っている時。
「いいわねー、若い人は。」
 店の人の良さそうな、おばちゃんに言われた。
「えっ?」
「うちの旦那じゃ、こんなの使ってくれないもの。」
 ペアーカップのことを言ってるらしい。
「これは、お土産で。」
「そんな照れなくても良いのに。あなた達とってもお似合いよ。」
 松浦さんは、赤くなって下を向いてしまった。
 急いで清算を済まし、店の外に出た。
「ごめん、俺が変の物買ったから。」
「別にあなたが、悪いわけじゃないですから。
 それよりどうします?お似合いのカップルですって。」
「多分、誰にでも言うんだよ。」
「そうですか…。」
287ベタ:2001/08/20(月) 01:59 ID:8v7C97Sg

 松浦さんに連れられ宿泊先に着いた。
「ありがとう、助かったよ。」
「いいえ、どういたしまして。
 少し、待っていて貰えます。」
 受付へ行って戻ってきた。
「じゃあ、行きましょ。」
「行くって?」
「今日は、ここに泊まるんです。」
「あっ、そうなんだ。じゃあ、行こうか。」

「私の部屋、ここです。」
「ここ…。」
 俺が、昨日泊まった部屋。
「じゃあ、夕飯の時に。」
「あっ、待って。」
「はい?」
「ここの部屋って、狭い?」
「えっ?」
「いや、俺の泊まっている部屋って広すぎちゃって、寝づらいんだよ。
 良かったら、部屋を代わってくれないかなー。」
「別に良いですけど。」
「助かったよ。」
 松浦さんと部屋を交換した。
 今日は、何もありませんように。
288名無し娘。:2001/08/20(月) 11:58 ID:/WDb2td6
ホゼム
289ベタ:2001/08/20(月) 23:16 ID:B7qZbGcw
>>260の続き 1>さやかと観光

 さてと、どこを見に行こうかな。
 放って置くと、変なこといいそうだし、さやかでも誘うか。
 さっそく、さやかの部屋に向かった。
 コンコン
「はい、あっ女たらし。」
「えっ?」
「あっ、こっちのことです。」
「あのー、さやか居る?」
「まー、さやかですって。さやかー、旦那が来たわよー。」
 旦那って…。
「なになに、可愛い市井ちゃんを誘いに来たの?」
「ちょっと、さやか他の人に何吹き込んでるんだよ!」
「何って、ありのままを。
 市井ちゃんって可愛い婚約者がいて、月曜の愛人がなっちで―」
「もういいよ。」
 遅かったか…。

「ねえ、何所に行く?」
「さやかに任せるよ。」
 出かける時、さやかの同室の人達に事情は説明してきたが、噂が広がった時の覚悟はしておこう。
「じゃあ、ここ行こ、ここ行こ!」
「うん、何所でも行くよ。」
 そして、さやかに連れられてきたところは、遊園地だった。
「いいのか、こんなところに来ていて。」
「だって、全然デートに誘ってくれないから。」
 しょうがないか…。

「今度、あれ乗ろ。」
「はいはい。」
 今まで、はしゃいでいた、さやかが急に立ち止まる。
「ねえ、市井と一緒じゃつまんない?」
「えっ、なんでさ。」
「さっきから、私ばっかりはしゃいで、あなたは生返事ばっかり。
 許婚気取りの、私なんて邪魔なだけなんでしょ。」
「さやか…。」
290ベタ:2001/08/20(月) 23:16 ID:B7qZbGcw

「手を見せてみろ!」
 さやかの腕をつかんで、手の中を見た。
「やっぱり!」
 手の中には目薬があった。
「へへー、ばれたか。」
「当たり前だ!何回ひっかっかたと思ってるんだよ。」
「でも、生返事は止めてよね。」
「わかったって、でも、さやかと一緒でつまんないってわけじゃなくて、
 さっきから腹減ってて。」
「それなら、言えばいいのに。」
「久しぶりに、さやかと一緒なんだから、やりたい事させてあげたかったんだよ。」
「嬉しい事、言ってくれちゃってー。じゃあ、そこで何か食べましょ。」

「もー、お子様ランチなんて頼むとは思わなかったわ。」
「いいじゃないかー。美味しそうだったんだし、それにさやかだってたのんだじゃないか。」
「だって、美味しそうだったんだもん。」
「だけど、ウエートレスさん変な顔してたよな。」
「そりゃそうでしょ、同時にお子様ランチって言ったんだから。
 きっと、夫婦で息が合ってたから、ビックリしたんでしょ。」
「夫婦って、見えるわけ無いだろ!せいぜい、バカップルだろ。」
「ひどーい、考えないようにしてたのに。」
291ベタ:2001/08/20(月) 23:16 ID:B7qZbGcw

 一頻、遊園地で遊んだ後、お土産を買いに行った。
「何がいいかなー。」
「私これ!」
 ペシッ
「お土産だって。」
「誰に買っていくの?」
「愛人達。」
 ギュー
「痛いって!足踏むなよ。妹と加護ちゃんだよ。」
「初めから、そう言えばいいのよ。じゃあこれなんて、可愛くていいんじゃない?」
「ホントだね。じゃあこれにしよう。」
「で、市井ちゃんはコレ。」
 ペシッ
「もー、ケチ〜!」
 さやかは、違うところに行って何か買っているようだ。
 俺もさっさと買っちゃお、コレと兄貴達はペアーカップでいいか。
 会計を済まして、さやかと外に出た。
「ほら、さやか。」
「なに?」
「欲しかったんだろ、お土産選んでくれたお礼。」
「ホント!ありがとう。だから、だ〜い好き。」
「モノくれるからか?」
「違う〜。ちゃんと、私のこと、(も)考えててくれるから。」
「なんか、小さい声で余計なこと言わなかったか?」
「気のせい気のせい。さあ戻りましょ。」
292ベタ:2001/08/20(月) 23:17 ID:B7qZbGcw

 さやかとロビーで別れ部屋に戻ろうとした時、受付に松浦さんを見かけた。
「あれ、どうしたの?」
「今日は、ここに泊まるんです。」
「あっ、そうなんだ。部屋は何所?」
「えーと、旧舘です。」
「俺もそうだよ。じゃあ、一緒に行こうよ。」
 松浦さんと一緒に部屋へと向かった。

「私の部屋、ここです。」
「ここ…。」
 俺が、昨日泊まった部屋。
「じゃあ、夕飯の時に。」
「あっ、待って。」
「はい?」
「ここの部屋って、狭い?」
「えっ?」
「いや、俺の泊まっている部屋って広すぎちゃって、寝づらいんだよ。
 良かったら、部屋を代わってくれないかなー。」
「別に良いですけど。」
「助かったよ。」
 松浦さんと部屋を交換した。
 今日は、何もありませんように。
293名無し娘。:2001/08/21(火) 01:38 ID:cKpveQo.
DAT防止age
294名無し娘。:2001/08/21(火) 18:22 ID:Ep/Hp3QQ
hozen
295ベタ:2001/08/22(水) 01:43 ID:Y..8JKJs
>>287>>292の続き

 さっそく掛軸の裏を見てみると、御札が新しくなっている。
 皆が居なくなった時にお払いでもしたのか、線香の匂いが微かにする。
 でも、いきなり部屋を使うかなー。気を取り直して、夕飯に向かった。

「やあ、やっぱり松浦さんの隣になったか。」
「あのー、あんな良い部屋と交換してもらって、本当にいいんですか?」
「俺、広いとダメなんだよ。もしかして、松浦さんもそうなの?」
「私は、大丈夫ですけれど…。あのー本当に―」
「先輩、昨日は大変でしたね。」
「だから、あれは夢だって。」
「あのー、何か、あったんですか?」

「な、なんでもないよ。」
「あのですね、昨日、先輩が泊まった部屋、掛軸の後ろに御札が貼ってあったんですよ。」
「昨日、泊まったって。ヒドイ!それで部屋を換わってくれって言ったんですね。」
「いや、何も起きないから。ホント。」
「夢って言ってましたよね、本当に起きたことを夢だと思ってるだけじゃないんですか!」
「たぶん、夢だよ。」
 松浦さんが、今にも泣きそうになっている。
「ねーねー何、騒いでるの?また、女の子泣かしてるの?」
「さやか、人聞きの悪いこと言うなよ。」
「そうそう、部屋を変えてもらったんだって。」
「そうなんですよ、幽霊が出るからって、私と部屋を交換したんですよ。」
「交換?私は、宿の人が用意してくれたって聞いたけど。
 うーん、松浦さんの部屋は、なんて部屋?」
「たしか、鳳凰の間ですけれど。」
「始めの部屋は?」
「朱雀の間です。」
296ベタ:2001/08/22(水) 01:43 ID:Y..8JKJs

「ほー、可愛いコには優しいのねー。」
「しー、さやか五月蝿い!」
「朱雀の間って、昨日、先輩が泊まってた部屋ですよねー。」
「わー、わー。」
「それじゃー…。ごめんなさい!怒ったりして。
 私、あなたが幽霊の出る部屋を、押し付けたと思ったから。本当にごめんなさい。」
「ごめんね、ちゃんと説明しなかったから。
 そんなことより、食事にしようよ。お腹すいちゃったしさ。」
「そうですね、用意も済んでるみたいですし。でも、本―」
「ストップ、俺が、いいって言ってるんだから気にしないで。
 昨日も、変な夢を見ただけだからさ。」
「そうそう、気にしない。」
「さやか達も、さっさと行った行った。」
「「ブーブー」」

 食事が済んで、部屋に戻ってきた。
「とりあえず、お土産しまっておくか。」
 バッグを開けると入れた覚えの無い紙が出てきた。
「なんだ?また、希美の手紙か?」
 取り出してみると、得体の知れない文字が書かれていた。
「何だコレ!?」
 ふと、昨日の夢を思い出した。
 「変わりにお守り作っておいたから」
 これ、そうなの?じゃあ、夢じゃなくて…。
 でも、飯田先輩の作った物なら信用できるだろう。
「なんか俺、なれちゃったのかな。」
297名無し娘。:2001/08/22(水) 18:01 ID:SBNXBBzE
298ベタ:2001/08/23(木) 02:09 ID:tIoe8XIE
>>296の続き 1回もガイドさんと行動してないときは>>300

 コンコン
「はい、開いてますよ。」
 荷物をしまいながら返事をした。
「あのー。」
「あれ、松浦さん。どうしたの?」
「あのですね、よろしかったら私の部屋に来ませんか?」
「じゃあ、後で遊びに行くよ。」
「いいえ、そうゆう意味じゃなくてですね…。」
 手をあわせて、もじもじしている。
「私の…。私の部屋に泊まりませんか。」
「え?そ、それはさすがにまずいよ。」
「でも、私の代わりに危険な目にあわせられません。」
「意外と、松浦さんの方が危険かもよ。
 夜、寝たのをいい事に襲うかもよ。」
「そんな事、絶対しません!信じてますから。」
「ハハ、冗談だよ。でも、気持ちだけありがたく貰っておくよ。」
「そうですか…。」

※昼間、一緒じゃなかったら>>300
299ベタ:2001/08/23(木) 02:11 ID:tIoe8XIE

「じゃあ、私がここに泊まります。
 だって、元々は私がここに泊まる筈だったんですから。
 あなたも元の部屋に行ってください。」
「だけど。」
「何も、おきないんですよね。大丈夫なんですよね。」
 そんなことを言っているが、声が震えている。怖いんだな。
「わかった、負けたよ。そっちの部屋に泊めてもらうことにするよ。」
「本当ですか。」
 荷物を全部持って行くのは目立つので、殆どの荷物を置いて部屋へとむかった。
「本当に、いいの?知らないよー。」
「言い方が、いやらしいです。フフフ」

 俺は、何やってるんだろう。
 横を見ると、手の届きそうなところに、松浦さんが、すっかり安心しきって寝ている。
 数日前に会ったばかりの男、信用していいのかなー。
 ところで、今何時だ?時計は…しまった!部屋に忘れてきた。
 無くても別に大丈夫だけど、…取りに行くか。
 松浦さんを起こさないようにそっと部屋を出る。

 時計、時計はっと、有った有った。何時だ?
300ベタ:2001/08/23(木) 02:11 ID:tIoe8XIE

 2時。
 コンコン、コンコン
 窓をたたく音がする。
 うそだろ…ここ、2階なのに。
 恐る恐る、窓を見た。
 虫!
 明かりをつけていた為、虫がよって来たようだ。
 電気を消すと、どこかに行ってしまった。
 窓を開け、空気を入れ替える。
「気持ちいいなー。」
 シクシク
 ギクッ!
 シクシク
 泣き声が窓の外から聞こえてくる。すると、髪の長い女性が、すーっと現れた。
 で、出た!
『お願い、行かないで。』
「お、おれ?」
 うなずくのが、わかった。
『そこ…届けて…しいの。』
 指を差している所に隙間がある。何か有る。なぜか持っていた定規でかき出してみる。
 くし?出てきたのは、歯が何本か欠けている、二つに割れた半円形のくしだった。
「これを届けるの?」
 うなずく
『野宮神社』
「野宮神社って所に持ってけばいいの?」
『お願い…』
 すーっと消えていった。
「俺、野宮神社って、知らないよ…。」
 松浦さんに聞けばいいか。
 くしをバックにしまい、布団に戻り眠りについた。

>>299通って無い時>>302
301ベタ:2001/08/23(木) 02:11 ID:tIoe8XIE

 ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、カチッ
 目覚まし、起きなきゃ。
「ごめんなさい、起こしちゃいました。」
「いや、おはよ。」
「おはようございます。」
「今、何時?」
「6時半です。起こしますから、まだ寝ていてもいいですよ。」
「そうも、いかないよ。松浦さんに迷惑かけられないから、部屋に戻っておかないと。」
「迷惑なんて。」
 見つからないように部屋に戻った。
302ベタ:2001/08/23(木) 02:12 ID:tIoe8XIE

 夜のことは、なんだったんだろう。
 バックの中には、くしが確かに入っている。
 頼まれた事だし、届けるか。
 部屋を出て、朝食に向かった。

 隣には、松浦さんがいる。ちょっと聞いてみるか。
「ねえ、松浦さん、野宮神社って知ってる?」
「野宮神社ですか…嵐山の方です。今日、近くの天龍寺に行きますけど…。
 野宮神社に、何か用があるんですか…。」
「ちょっとね。」
 幽霊の頼まれ事なんて言えないよな。

 さっそく天龍寺の観光を終えて、1時間の自由行動になった。
 野宮神社は、近いらしいから誰か誘おう。

1>さやかを誘う。
2>石川さんを誘う。
3>松浦さんを誘う。
303名無し娘。:2001/08/23(木) 02:22 ID:H6OKCedQ
500近くまで沈んでたのでage
304ふぁーすと。:2001/08/23(木) 02:33 ID:fZO15JoQ
ベタさんご苦労様です。
1>さやかを誘う。で、お願い!。
305名無し娘。:2001/08/23(木) 03:01 ID:Z0GFtKVw
場所を知っているあややで、3を
306カオレンジャー:2001/08/23(木) 08:06 ID:9ESdc4AY
 悲恋話がある幽霊と予測して、呪われるもよし、感謝されて愛が深まるもよしと
いうことで、1のさやか
30721歳とは思えないおっさんプログラマ:2001/08/23(木) 08:06 ID:6ZylC/gg
やっぱり、あややでお願いします。
308名無し娘。:2001/08/23(木) 09:32 ID:omGt0THA
1でお願いします
309名無し娘。:2001/08/23(木) 10:42 ID:2Qb7tog.
1
310ゴビンダ28号:2001/08/23(木) 11:40 ID:bFN2M6pQ
3を希望するです。
311名無し娘。 ◆ZG1SnKas :2001/08/23(木) 12:00 ID:qjwO2bzQ
3ニダ
312名無し娘。:2001/08/23(木) 12:30 ID:mspxhe/E
1です。
313名無し娘。:2001/08/23(木) 13:47 ID:HERBGC/E
3で。
314名無し娘。:2001/08/23(木) 14:26 ID:HWioy0Mg
2で。
315(・∀・)イイ!!:2001/08/23(木) 17:16 ID:5gNcWSMk
3!
316名無し娘。:2001/08/23(木) 18:24 ID:L2ZJ03bw
1で。
317名無し娘。 ◆U7tkEXTY :2001/08/23(木) 19:22 ID:3eZfEyhY
3desuyo
318ベタ:2001/08/23(木) 23:54 ID:PthYIoBY
>>302の続き

 近いとは言っても、何所か知らないし、やっぱり松浦さんに一緒に行ってもらおう
「あっ!ま…。」
 皆、居るんだから名前は拙いよな。
「ガイドさ〜ん!」
 気付いてくれたようだ、こっちに来てくれた。
「野宮神社に行くんですか?」
「あれ?どうしてわかったの?」
「だって、朝聞いてきたじゃないですか。」
「よく、覚えていたね。それでさー、良かったら案内して欲しいんだけど。」

※前日、一緒に観光した時>>319

「すみません、ちょっと行けないです。」
「そうか、残念だな。」

>>302の選択に戻り3が無くなる
319ベタ:2001/08/23(木) 23:55 ID:PthYIoBY

「私と、行くんですか?」
「そう、ダメなら諦めるけどさ。」
 顎に親指をあてて、考えている。
「わかりました、一緒に行きましょ。」
「よかった、断られたらどうしようかと思ったよ。」
「えっ、まだ…。」
 何を言いかけたんだろ?

 野宮神社に着いた。
 来たはいいけど、誰に届ければ良いんだろ、神社の人に渡せばいいのかな?
 ちょうど巫女さんがいる。
「すみません。」
「はい、えーと観光ですか?」
 松浦さんの方を見て言った。ああ、バスガイドの制服だもんな。
「いいえ、違います。」
「あら、じゃあ、絵馬の奉納ですね。」
 振り向き絵馬を出した。
「いえ、そうじゃ―」
「1,500円です。」
「あのー。」
 ニッコリと微笑んでいる。買わないと話が進まないかな。
「じゃ、じゃあ2,000円で。」
「はい、おつりと絵馬。かなうといいですね。」
320ベタ:2001/08/23(木) 23:55 ID:PthYIoBY

 絵馬とおつりを受け取り、代わりにくしを出した。
「すみません、これを届けるように頼まれたんですけど…わかります?」
「これは!どこでこれを!」
「俺、頼まれただけだから。」
 巫女さんは胸元から半分になっているくしを出した。
 2つはピッタリと重なり合った。
「これ、母の形見なんです。
 先に、結婚する方が両方もらう約束をして、姉と半分ずつにして持っていたんです。
 一昨年、姉が亡くなった時、これだけは見つからなかったのに、どうしてあなたが…。」
「それは、ちょっと…。でも、よかったじゃないですか。」
「私、来月に結婚するんです。もしかしたら、姉が約束を守ってくれたのかも。」
「そうかも、知れないですね。それじゃ、渡しましたから。」
「あ、あのー。」
 面倒なので、行こうとした。
「奉納していかないんですか。」
 …忘れてた。
321ベタ:2001/08/23(木) 23:56 ID:PthYIoBY

 なんて、書こうかな。
 すると、少し離れた所に居た松浦さんが、こっちに来た。
「どうしたんですか?」
「絵馬、買っちゃったから何か書いていこうと思って。
 そうだ、松浦さんにあげるよ。」
「でも、いいんですか?」
「うん、いいよ。」
「じゃあ、ココに名前を書いて下さい。後は書きますから。」
「ココだね。はい、書いたよ。」
「あの、恥ずかしいから、その辺に行ってて下さい。」

 全日制に移るって言ってたから、合格祈願でもするのかな?
 でも、俺の名前書いたなー。保証人みたいなものかな。
 しばらくすると、松浦さんがやってきた。
「ちゃんと奉納してきましたよ。さあ、お亀石を触って戻りましょ。」
「何それ?」
「触ると願い事が、かなうんですって。」
 触るだけで、かなうとは、なんて便利なんだ。
 二人で触ってから、集合場所へと戻った。
322名無し娘。:2001/08/24(金) 00:25 ID:vJg3qWlU
こりゃあ惚れたな
323ベタ:2001/08/24(金) 01:14 ID:4aFH1Zyw
>>302の続き 1>さやかを誘う。

 近いから、さやかと行くか。
「お〜い!さやか〜!」
 おっ!気がついた。こっちに走ってくる。なんか、名前を呼ばれた犬みたいだな。
「はっはっはっ、呼んだ?」
「あのさ、さやかお願いがあるんだけど。」
「きくきく、旦那様の言うことなら何だってきくもん。」
「ホント、近くの野宮神社に行くんだけど、石川さん呼んできてくれない?
 二人で行こうと思って。」
「なんですって!可愛い市井ちゃんを置いていって二人で、モガモガ」
 慌ててさやかの口を塞いだ。
「大声出すんなよ、冗談だって。」
「なんで、いつもそんな風に言うの?」
「なんでって、面白いから。」
「フンッだ。」
「怒っちゃって、可愛いー。」
「もう、いつもそうやって―」
「さやか、置いて行くぞ。」
「ちょっと、待ってよ。」
324ベタ:2001/08/24(金) 01:14 ID:4aFH1Zyw

 野宮神社に着いた。
 来たはいいけど、誰に届ければ良いんだろ、神社の人に渡せばいいのかな?
 ちょうど巫女さんがいる。
「すみません。」
「はい。」
 俺たちを見る。
「ああ、絵馬の奉納ですね。」
 振り向き絵馬を出した。
「いえ、そうじゃ―」
「1,500円です。」
「あのー。」
 ニッコリと微笑んでいる。買わないと話が進まないかな。
「じゃ、じゃあ2,000円で。」
「はい、おつりと絵馬。かなうといいですね。」

 絵馬とおつりを受け取り、代わりにくしを出した。
「すみません、これを届けるように頼まれたんですけど…わかります?」
「これは!どこでこれを!」
「俺、頼まれただけだから。」
 巫女さんは胸元から半分になっているくしを出した。
 2つはピッタリと重なり合った。
「これ、母の形見なんです。
 先に、結婚する方が両方もらう約束をして、姉と半分ずつにして持っていたんです。
 一昨年、姉が亡くなった時、これだけは見つからなかったのに、どうしてあなたが…。」
「それは、ちょっと…。でも、よかったじゃないですか。」
「私、来月に結婚するんです。もしかしたら、姉が約束を守ってくれたのかも。」
「そうかも、知れないですね。それじゃ、渡しましたから。」
「あ、あのー。」
 面倒なので、行こうとした。
「奉納していかないんですか。」
 …忘れてた。
325ベタ:2001/08/24(金) 01:15 ID:4aFH1Zyw

 なんて、書こうかな。
 すると、境内を見ていたさやかが、こっちに来た。
「どうしたの?」
「絵馬、買っちゃったから何か書いていこうと思って。
 そうだ、さやかにあげるよ。」
「ラッキー、返してって言っても、もうダメだよ」
「言わないって。」

「何これ、ホントに何も書いてないじゃない。
 早く、ココに名前書いてー。」
「なんでだよー。」
「いいから、早く。」
「しょうがないなー、ほら。」
「よし、カキカキっと。できた!」
 なになに「ず〜っと、一緒だよ!」そして、俺たちの名前が有る。
「何これ?」
「何これって、書いてある通りだよ。さて、奉納してこよーっと。」
「ちょっと、まて。」
「やだよ〜。」
 結局、奉納されてしまった。
 一緒って言っても色々有るし、かなうとは限らないからいいか。
 そして、集合場所へと戻った。
326名無し娘。:2001/08/24(金) 01:18 ID:LNyAxa82
松浦最高!!
327(・∀・)イイ!!:2001/08/24(金) 02:51 ID:UhF5H.XA
あやや、(・∀・)イイ!!
328名無し娘。:2001/08/24(金) 10:10 ID:/7TrorJE
 
329名無し娘。:2001/08/24(金) 23:28 ID:09ko2kU.
sage
330ベタ:2001/08/25(土) 02:03 ID:SGsyQAVE
>>321>>325の続き

 この後は金閣寺に行くらしい。
「腹減ったよ〜。」
「そう言えば、空きましたね〜。」
「もう、二人とも情けない声、出さないでよ〜。」
「しょうがないだろ、もう昼過ぎなんだぜ。
 さやかだって、さっきからお菓子ばかり食ってるじゃないか。」
「だって、お腹空いたんだもん。」
「俺にも、くれよ。」
「やだよ〜。はい、梨華ちゃん。」
「わー、ありがとうございます。」
「さやか〜、俺にも〜。」
 二人で、ポリポリお菓子を食べてる。
「ああ〜、全部食べやがった。」
「「あ〜美味しかった。」」
 すると、松浦さんの声が耳に入った。
「それではこの後、昼食。そして、金閣寺へと参ります。」
「「え〜。」」
「やーい、二人で食べるからだよ。」

 今回は隔離できるほど店が広くないので、さやかと石川さんに挟まれて食事することになった。
「美味しそうだね、さやか。」
「う、うん。」
「さやか、どうしたの〜。ねっ石川さん、美味しそうだよね。」
「そ、そうですね…。」
「二人とも食べないの?美味しいよ。」
 結局、二人は余り食べなかった。
331ベタ:2001/08/25(土) 02:03 ID:SGsyQAVE

「二人して、お菓子バクバク食べるからだ。」
「なによー、食べようとすると「太る」とか「何、カロリーかなー」とか、言うからでしょ。」
 無駄話をしながら、金閣寺に向かった。

 突然、石川さんが腕にしがみついてきた。
「どうしたの?」
「ちょっと…。」
 バサバサバサ
「なんだ?」
 見ると、ニワトリが周りにいた。
 その中の1羽がこちらに近づいてくる。
 コケー!コッコッコッコッコッ!
「キャー!イヤー、こっち来ないでー!」
 石川さんがニワトリに追い掛け回されている。
「キャーー! キャーー! キャーー!」
 あっち行ったり、こっち行ったりしている。
 しょうがない助けるか。
「はい、はい。あっち行って。」
 ニワトリを追い払った。
「えーん、先輩怖かったです。」
「もう大丈夫だから。泣かないで。」
「先輩は、命の恩人です。」
「そんな、大げさな。」

 金閣寺をバックに記念撮影をし、戻ろうとした。
「先輩、また通るんですよね。」
「そうだね。でも大丈夫だよ、ちゃんと守ってあげるから。」
 しかし、帰る時には、結構いた筈のニワトリは1羽も居なくなっていた。
「石川さん、大丈夫だよ。1羽も居ないからよ。」
「本当ですか〜。」
 俺の影から、そーっと辺りを見まわした。
「ね、たぶん巣に戻ったんだよ。」
「良かった。」
「コケコッコー!」
「キャー!」
 石川さんが、しがみついて来た。
「さやかー、悪戯はやめろよ。怖がっているじゃないか。」
「逆効果だったか。」
「えっ、市井さん?もー、ヒドイです。」

 バスは映画村へ向かった。
 さて、自由行動だけど、どうしようかな?

1>さやかと見て回る。
2>石川さんと見て回る。
3>松浦さんと見て回る。
332よすけ:2001/08/25(土) 02:44 ID:QO.SZtS6
修学旅行を逃したら出番が少なくなるかもなので3
333名無し娘。:2001/08/25(土) 02:54 ID:CSRV31gI
そろそろ、酷い目にあった石川さんを選ばないとかわいそうかな、ということで2
334名無し娘。 ◆9vD2IdtY :2001/08/25(土) 03:00 ID:wZztmq2c
あややは恐らく修学旅行限定なので3
335ふぁーすと。:2001/08/25(土) 03:11 ID:VfCGQolc
さっきは、さやかを選んだのでバランスよく、2>石川さんと見て回る。でお願い!。
336ゴビンダ28号:2001/08/25(土) 07:08 ID:YYn93ap.
あややに惚れました。3。
337名無し娘。:2001/08/25(土) 09:14 ID:9QuHQdVU
3
33821歳とは思えないおっさんプログラマ:2001/08/25(土) 10:27 ID:ZDtsRMFU
あややにはまってしまっているので3っすね。
おまけで、久々の2。
339名無し娘。:2001/08/25(土) 11:36 ID:CGgJtswo
3 あやや
340名無し娘。:2001/08/25(土) 13:08 ID:ua9zkoqM
3desu
341名無し娘。:2001/08/25(土) 14:31 ID:S.58EoOM
1で。
342カオレンジャー:2001/08/25(土) 20:06 ID:i8aWSlOg
 がんばれ石川。ということで、2
松浦は一応本編登場可能性あり。妹分だから新聞部行きかな
343名無し娘。:2001/08/25(土) 21:03 ID:prqlZKSw
1で
344代打名無し娘。(背番号88):2001/08/25(土) 21:36 ID:mLB83kPQ
松浦タンの「3」で。
345名無し娘。:2001/08/25(土) 21:47 ID:WYlwb6eU
>>342 カオレンジャーさん、あややを修学旅行、夏プール限定にしてしまうには、
もったいないキャラなので、本編登場うれしいです。
主人公のこと気になり始めたあややイイということで3
346名無し娘。:2001/08/25(土) 22:19 ID:eQBCuk4g
>345
俺もそれキボーン。あやや、(・∀・)イイ!!
347ベタ:2001/08/26(日) 00:43 ID:m1As4YHQ
>>331の続き

 ここは、松浦さんと見よう。
「松浦さん、一緒に見ない?」

※一緒に神社に行っていない時

「すみません、仕事が有るから。」
「そうか、残念だな。」

>>331の選択に戻り3が無くなる

※一緒に神社に行っった時

「そうですね、行きましょ。」
「良かった、断られるかと思ったよ。」
「断るなんて…。」

 二人で中を見て回った。
「ここ、服を貸してくれるみたいだよ。着てみようよ。」
「えー、でもー、恥ずかしいです。」
「でも、その制服は、目立ちすぎるよ。ね、着替えようよー。」
「でもー…。そこまで言うなら…。」
「やった、さっそく着替えよう。」
 色々有るなー、この武士のにしよう。

 着替えて松浦さんを待っていた。
「遅いなー、松浦さん。」
「お待たせしました。」
「時間かかった―」
 そこには、お姫様の格好をした松浦さんが居た。
「こんな衣装しか残ってなくて、変…ですよね。」
「…」
「あのー、どうしたんですか?」
「えっ、ああ、ごめん。あまりにも綺麗だから。」
「そんな、お世辞言わなくても…。」
「いや、ホントだって。だけど、動きづらそうだね。」
「走ったりは無理ですけど、それほど大変ではないですよ。」
「だけど、なんで種類無かったんだろ?俺の方は色々有ったけど。」
348ベタ:2001/08/26(日) 00:44 ID:m1As4YHQ

 松浦さんの遥か後ろの方を、町人の格好をしたさやかの学校の生徒がぞろぞろ通った。
 なるほど。
「では、姫。参りましょうか。」
「クスクス。よきにはからえ。」
「ははっ、ありがたき幸せ。」
 笑いながら二人で見てまわった。
「あのー、記念写真…撮らないですか?」
「いいね、撮ろう!」
「すみません。シャッター押してもらえます?」
「いいですよ。もっと、くっついて下さい。」
 カシャ
「すみません。念のため、もう1枚。」
 カシャ
「ありがとう、ございました。」
「何だ、カメラ持ってたんだ。」
「なんとなく、こんなことになるんじゃないかと思って。」
「写真、出来たら送ってね。」
「はい。」

 今日の夕食は、一人隔離されて食べた。
 食事の用意は有るのに松浦さんは来なかった。

 彩さん一人で留守番だから、家に電話してみるか。
 携帯は…圏外か、じゃあ、公衆電話で。
 トゥルルル、トゥルルル、ガチャ
「もしも―」
「ただいま、留守にしております。」
 ガチャン。
「もー、彩さん何所行ったんだよー!」
「は、はい。お探しでした?」
「えっ?」
「今、『亜弥さん何所行ったんだよー』って。」
「電話したら、義姉さん家に居なかったから。
 ああそうか、彩さんって俺の義姉さん。そっか、名前、一緒だね。」
「そうだったん…ですか。」
 何か寂しそうな顔をした。
「でも、夕食一緒じゃ無かったね。ちょっと、寂しかったな。」
「ごめんなさい、彼氏に会ってき!」
 途中で止めてしまった。
「彼に会って来たんだ。良かったね。」
「え?ええ…。」
349ベタ:2001/08/26(日) 00:44 ID:m1As4YHQ

 今日は、銀閣寺、平安神宮に行くのか
 朝食の時、また松浦さんは居なかった。
 どうしたんだろう?

 バスには何時ものように松浦さんが居た。
「先輩、どうしたんですか?」
「別に、どうもしないよ」
「でも、元気ないです。」
「そんなこと無いさ。」
「きっと、ガイドさんに嫌われることしたんだよ。」
「本当なんですか?」
 なんかニコニコしている。
「してないよ!」
「じゃあ、どうして食事の時一緒じゃなかったのよ。」
「それは、彼に会いに行ってたって。」
「ふーん、じゃあ今朝は?」
「それは…きっと今日の準備してたんだよ。」
「へー。」
 そう言いながら、やらしい目つきで俺を見た。

 観光が終わって宿泊先に着いた。
 松浦さんは今日は泊まらないらしい。
 明日は、自由行動だからなー。寂しい。

 夜、電話がかかってきた。
「もしもし、松浦です。
 あのー、良かったら明日、一緒に見てまわらないですか?」

1>「ごめん、明日さやかと一緒に行くんだ。」
2>「ごめん、明日石川さんと一緒に行くんだ。」
3>「いいよ。」
350ベタ:2001/08/26(日) 00:55 ID:m1As4YHQ
閉鎖なのか、メンテなのか、板整理なのか、わからないけど、ちょっと加速しますね。
昼頃と夜、書く予定。
351ゴビンダ28号:2001/08/26(日) 05:11 ID:jhMmllN.
3です3。絶対3。
352名無し娘。:01/08/26 07:44 ID:XYMvwMvI
あやや、いいですねぇ。
ここは絶対3で!
353名無し娘。:01/08/26 09:18 ID:jeJiynT.
あややに何があったのか気になります。
せっかくあややの方から、お誘いが来たから迷わず3で
354名無し娘。:01/08/26 10:47 ID:S3wG2EUE
1で
あややの誘いは断れません。ってことで3で
356ふぁーすと。:01/08/26 12:15 ID:OzNmji9M
3>「いいよ。」で、お願い!。
357よすけ:01/08/26 12:49 ID:VXnHHKsc
もちろん3で!
あややマンセー
358名無し娘。:01/08/26 16:35 ID:WdMHo3O6
力いっぱい3!!
359ベタ:01/08/26 17:45 ID:Po1C9Mtc
昼休みに更新しようと思っていたら、1人休まれちゃって今頃になっちゃいました。
360ベタ:01/08/26 17:45 ID:Po1C9Mtc
>>349の続き

「いいよ。」
「本当ですか。」
「ホント、ホント。でも、どうして俺のところに電話してきたの?」
「えっと、あのですねー…あっ、ガイドが必要じゃないかって思って。」
「嬉しいなー。でも、俺なんかと一緒に居ていいの?彼とデートじゃなかったの?」
「実は、あの人とデートの予定無くなっちゃたんです。」
「そうなんだ、変なこと聞いてごめんね。」
「いいんです。じゃあ、明日は、お部屋の方に迎えに行きますね。」
「うん、待ってるね。」
 明日は楽しみだなー。

 朝食も済んだし、あとは松浦さんが来るのを待つだけだな。
 お腹がふくれたせいか、眠くなってきたなー。昨日、楽しみにして寝付けなかったし、いいや、ちょっとだけ寝よう。

 カクン
 おお、ビックリした!気持ちよかったなー。
「おはようごさいます。クスクス」
「あっ!松浦さん。いつの間に。」
「えーと、2時間くらい前です。」
「2時間!?」
 時計を見るともう11時を回っていた。
「起こしてくれれば、よかったのに。」
「でも、気持ち良さそうに寝ていたから。」
「だけど、2時間も退屈だったでしょ。」
「そんなこと無いですよ。寝言言ってたし、見ていたらあっとゆうまでした。」
「ね、寝言…何か変なこと言ってなかった?」
「さやかー、さやかーって言ってました。」
「ホ、ホントに。」
「ウソですよ。本当は…聞かない方がいいと思いますよ。」
 俺、何言ってたんだろ…。
361ベタ:01/08/26 17:46 ID:Po1C9Mtc

 軽く昼食を済ませ、知恩院に向かった。
「ごめん、俺が寝てたから―」
「いいです。私のことだったら気にしないで下さいね。」

 知恩院についた。
「ここには七不思議があるんですよ。」
「ホント、面白そうだね。」
「じゃあ、探してくださいね。見つけたら私が説明しますから。」
「よーし、全部見つけるぞ。」
 行こうとしたが、松浦さんが来ない。
「どうしたの?」
「いいえ、別に。」
 よく見ると側に石柵に囲まれた所が有る。もしかして。
「それ、何?」
「これは、瓜生石で七不思議の内の1つです。
 この石には誰も植えたおぼえもないのに、胡瓜のつるが伸び、瓜があおあおと実ったという説と八坂神社の牛頭天王が瓜生山に降臨し、
 後再びこの石に来現し、一夜のうちに瓜が生え実ったという説が伝えられています。
 石を掘ると、二条城までつづく抜け道があるとか、隕石が落ちた場所であるとか、様々な話が言い伝えられているんですよ。」
「さすが。でも、優しいんだね。気がつくようにしてたんだね。」
「そんなこと、無いですよ。さあ、行きましょ。」
 松浦さんが腕につかまってきた。
「じゃあ、次もよろしく。」
362ベタ:01/08/26 17:47 ID:Po1C9Mtc

 中に入るとギィギィ音のする廊下に来た。
「こらなら、知ってる。
 欠陥建築でしょ。」
「違います。」
「じゃあ、松浦さんの体重で、軋んでる―」
 松浦さんが俺の腕に体重をかけてきた。
「そうなんです。私、重いから。」
 そんなことしても、とても軽い…。だけど、肘に当たるものが…。
「冗談だって、鴬張りでしょ。」
「他にも、静かに歩こうとするほど、音が出るので「忍び返し」ともいわれて、警報装置の役割をもっているとか、
 鶯の鳴き声が「法、聞けよ」とも聞こえることから、不思議な仏様の法を聞く思いがするともいわれているんですよ。」
「うん、うん。」
「かの有名な、石川五右衛門もここには忍び込めなかったそうですよ。」
「へー、凄いんだ。」
「でも、ここは、石川五右衛門の死後出来たんですけどね。」
「そりゃ、無理だ。」

「ん、何あれ?」
「あれは、白木の棺です。中には将軍家より三門造営の命をうけた大工の棟梁五味金右衛門夫婦の自作の木像が納められているんです。
 工事の予算が超過した責任をとって自刃したと伝えられ、この夫婦の菩提を弔うため白木の棺に納めて置かれいるんです。」
「なにか、可哀想だね。」
363ベタ:01/08/26 17:47 ID:Po1C9Mtc

 少し行くと、また、松浦さんが立ち止まった。ここら辺に何かあるな。
 見回すと「七不思議の一つ 大しゃくし」と書かれた文字が見えた。
「何あれ、でかいね。」
「あれは、大杓子。書いてありますね。伝説によると三好清海入道が、大阪夏の陣のときに大杓子をもって暴れまわったとか、
 兵士の御飯を「すくい」振る舞ったと伝えられています。
 「すくう」すべての人々を救いとるといういわれから、阿弥陀様の慈悲の深さをあらわしているそうです。」

「あれ、あの襖、色はげてるね。」
「あれは、抜け雀。狩野信政が描いたもので、万寿菊の上に数羽の雀が描かれていたが、
 あまり上手に描かれたので雀が生命を受けて飛び去ったといわれている、狩野信政の絵の巧みさをあらわした話があるんです。
 だから、飛び去った跡しか残っていないんです。」

「あの猫、何かこっち見てない?」
「あれは、三方正面真向の猫。狩野尚信筆の猫の絵で、どこから見てもこっちを見ているように見えるんです。
 親猫が子猫を愛む姿が見事に表現されていて、親が子を思う心、
 つまりわたしたちをいつでもどこでも見守って下さっている仏様の慈悲をあらわしています。」
364ベタ:01/08/26 17:48 ID:Po1C9Mtc

「よし!後一つ。」
「頑張ってください。」
 また、立ち止まる。どこだろ?回りを見ても見当たらない。
「どこなの?」
「教えて欲しいですか?」
「降参!わからないよ。」
「じゃあ、一つお願い聞いてもらえます?」
「聞く聞く、何でも聞いちゃう。」
「それじゃ、上見てください。」
 上を見ると傘がある。
「あれが、忘れ傘。名工、左甚五郎が魔除けのために置いていったという説と、
 知恩院第32代の雄誉霊巌上人が御影堂を建立するとき、このあたりに住んでいた白狐が、自分の棲居がなくなるので
 霊巌上人に新しい棲居をつくってほしいと依頼して、お礼にこの傘を置いて知恩院を守ることを約束したと伝えられています。
 いずれにしても傘は雨が降るときにさすもので、水と関係があるので火災から守るものとして今日も信じられているんです。」

「あんな所に有るなんて、普通わからないよ。」
「じゃあ、約束ですから、お願い聞いてもらえますね。」
 そう言って動いた、松浦さんの後ろに「↑忘れ傘」の札が有った。
「ねえ、それ。」
「あっ!」
 慌てて立っている場所を動いて見えないようにする。
「何のことです?」
「ずるいよ!わざと見えないようにしてたでしょ。」
「えっ?何のことです。」
 あくまで、知らないふりをするつもりだな。
「わかったよ、約束だからね。ところで、お願いはなに?」
「それは、明日言います。」
「わかったよ。行こう。」
 松浦さんと腕を組んで宿へと帰った。
365ベタ:01/08/26 17:48 ID:Po1C9Mtc

 夕食、久しぶりに松浦さんが横にいた。

 夕食後、
「ほら、さやか。嫌われることなんてしてないだろ。」
「ホントねー。どこ行ったか知らないけど、仲良く腕組んで帰ってきたんだからねー。」
 薮蛇…。
「さ、さやか、御覧になったんですか?」
「ええ、しっかりと!やっぱり不倫は楽しいんでしょーね!」
「不倫て…。」
 ここは、機嫌取らないといけないかな

1>「さやか、明日は一緒に行動しよう。」
2>まあ、いつものことだ。石川さんと行動しよう。
3>松浦さんと約束あるからなー
366名無し娘。:01/08/26 18:27 ID:zWQ8U7JY
ここまできて大ドンデン返しはあんまりなので
やっぱりここは3でしょう!!
367名無し娘。:01/08/26 18:49 ID:Z3RoLUc2
ベタさんのあややワールドにどんどん引き込まれる自分が怖い。
さやかすまない、俺には守らなくちゃいけない約束があるんだ!ということで3
368名無し娘。:01/08/26 19:15 ID:jfPppgJM
間違いなく3です。さやかと石川さんには悪いけど・・・・
もう、あややの約束には守らなきゃ
370ベタ:01/08/26 20:58 ID:3Z3KqRxE
>>365の続き

 松浦さんと約束あるからなー。
「さやか。」
「なによ!」
「あのな、いつまでも、俺に―」
「聞きたくない!聞きたくない!」
 逃げるように、どこかに行ってしまった。
 さやか…。

 次の日、三十三間堂に向かうバスの中
「あれ、石川さん、さやかいないけど、どうしたの?」
「一番後ろにいますよ。ほら、あそこ。
 先輩、何かしたんですか?」
「別に何もしてないよ。」
 さやか、昨日のことで怒ってるんだろうな。
 三十三間堂でも、さやかは側に寄ってこなかった。
371ベタ:01/08/26 21:02 ID:3Z3KqRxE

 そして、最後の目的地、清水寺に着いた。
 ここで、最後だけれど松浦さんのお願いまだ聞いてないな。
 ここでは自由行動で、ちょうどいいことに、さやかが石川さんを連れて行った。
「松浦さん、昨日のお願いって何?」
「それじゃ、そこの有名な舞台で言いますね。ここにいてください。」
「わかった…って、結構距離あるじゃ―」
 もう、走って舞台の方に行ってしまっている。」
「聞こえますー!」
 そんな大きな声で、皆見てるよ。一応、手を振って答える。
「あのですねー!私とー!付き合ってください!」
 えっ!
「だめですかー!大きな声で!返事してください!」
 ちょっと、言わないといけない…んだろうな。
「いいよ!」
「聞こえないですよー!」
「おれで!良ければ!付き合うよ!」
 そう言ったとたん、周りから祝福の拍手が鳴り響いた。
 照れていると、松浦さんが走りよってきた。
「清水の舞台から飛び降りるつもりで告白してよかった。」
「じゃあ、断ったら飛び降りるつもりだったの?」
「そうですねー、それでも良いかな。そして、幽霊になって、あなたの側にずーっといても。」
「冗談はやめてよ。でも、彼は?」
「一昨日、別れました。3日前二人で歩いてる所を見ちゃったんです。問い詰めたら、他に好きな人がいたんです。
 私とのデートすっぽかしたのも、その人とデートする為で、二股―。
 人の悪口は言うもんじゃないですね。私も、他に好きな人が、出来ちゃったんですから。」
「松浦さん…。」
「これからは、松浦さんなんて呼ばないで下さいね。」
「わかったよ、あやや。」
372ベタ:01/08/26 21:04 ID:3Z3KqRxE

 駅に着いた。もうお別れだ。
「じゃあ、これ俺の住所と電話番号、携帯も書いてあるから。」
「あのー、メールアドレスも教えて下さい。」
「やだ!だって、声が聞きたいから。」
「フフ。ぜったい、連絡しますね。」
「絵馬も奉納したことだし、受験の方も頑張ってね。」
「あの絵馬ですか?受験のことなんて書いてないですよ。
 それにあの神社は、縁結びので学問の神じゃないですよ。」
「じゃあ、お亀石も触ると願いがかなうって、縁結びのこと?」
 コクンとうなずく
「絵馬には、なんて書いたの?」
「ご利益なくなると、困るから教えません。」

    数ヵ月後。

「先輩、先輩!何、ボーっとしてるんですか?」
「ああ、石川さん。何?」
「何じゃないですよー。もー、しっかりして下さい。
 しょうがないじゃないですか、松浦さん編入テストで大変なんですから、話できないくらい。」
 清水寺での話は筒抜けで(当たり前だけど)、石川さんは「感動しちゃいました。」とか言って俺たちを応援してくれている。
 あややとも、仲が良くてなって、俺の行動は筒抜けになっている。
「あれ?何で話してないって知ってるの?石川さんも連絡とってないって言ってなかった。」
「そんなこと、いいじゃないですか。それより、新しいマネージャーの紹介が始まりますよ。」

「男ども喜べ、新しいマネージャーを紹介するぞ!じゃあ、自己紹介して。」

「松浦亜弥です。よろしくお願いします。」




  『この人と一緒に 幸せに 暮らせますように
                                     亜弥』
                                                               松浦END #1
373ベタ:01/08/26 21:06 ID:3Z3KqRxE
急いだから変だな(^_^;)
374名無し娘。:01/08/26 21:39 ID:P83mzstw
えがった、えがった・・・
あややマンセー(・∀・)トテモイイ!!
375名無し娘。:01/08/26 21:52 ID:jfPppgJM
>>364のほかの選択肢は?
376ベタ:01/08/27 01:49 ID:KeN9zHDY
>>375
djになると思って、急いで松浦だけ作ったから。
明日、(羊)有ったら書くね
377・・・・:01/08/27 01:52 ID:nTDbmvcE
とりあえず、羊さんが持ち直したので、落ち着いていきましょう
378名無し娘。:01/08/27 02:41 ID:8k8PO0NY
DAT止age 
379xdsl040248.061200.metallic.ne.jpさん:01/08/27 02:59 ID:skdh212Q
ベタさん、よかったです。最後は感動しました。あまりにいいので何回も読んでしまいました。
ベタさんとあややに一言、ありがと〜う!
380ゴビンダ28号
とてもよかったです。
こんな告白されてみたいよなあああぁぁ。