ハロー学園高校野球部

このエントリーをはてなブックマークに追加
1パクり娘。
タイトル通り野球物の小説です。
2パクり娘。:2001/06/21(木) 23:14 ID:/3EL5Sfs
春 3月
長いシーズンオフがあけ、グラウンドに威勢のいい声が戻ってきた。
乾いた金属音を残して白球が外野手の頭を越していく。
「どうですか、我がハロー学園高校の野球部は」
校長に連れられてグラウンドに訪れた中澤裕子は、野球部の練習を楽しげな顔とは裏腹に複雑な思いで見ていた。
グラウンドも設備もなかなかのものだ。
学校がスポーツに力を入れている証拠だろう。
練習にも活気があって明るい雰囲気だ。
何より選手達が野球を楽しんでやってるのが良い。
「どうですか?中澤先生。引き受けてくれますか?このチームの監督」
「いいチーム・・・・ですね」
「それじゃ・・・」
「必要ないんじゃないですか?」
中澤は続けて言う
「楽しく野球をする、それで十分じゃないですか。こんないいチームに私なんか必要ないですよ」
校長は何も言わなかった。
それから2人でしばらく練習を見てからグラウンドを後にした。
3パクり娘。:2001/06/21(木) 23:15 ID:/3EL5Sfs
中澤が次に連れられてきたのは野球部の部室だった。
中央の机にはお菓子やら雑誌があちらこちらに置いてある。
ロッカーに掛けられたアンダーシャツ、折れた木製バット、擦り切れたボール
壁に貼られた「めざせ甲子園」の張り紙。
中澤は黙ってそれを眺めていた。
「あのコたちに教えてやってくれませんか」
しばらくの沈黙の後、校長が口を開いた。
「『めざせ甲子園』と一応目標は掲げてみたものの、届かなければすぐに諦めてしまう。
苦しさや厳しさを乗り越えようとせず、楽していい思いをしようとしている」
校長が下に落としていた視線を中澤に合わせた。
「努力の先にある夢の世界・・・・それをあのコたちに教えてやってほしいんです」
中澤は視線を外した。
「私のやってきた野球はここの野球とは違いすぎます。だから・・・・」
「あなたが必要なんです。うちの野球部に必要なのはあなた以外にいません」
校長の言葉に中澤は困惑した。
私以外にも優秀な指導者ならいくらでもいるじゃないか。
「とにかく2,3日考えてみてください」
そう言い残して校長は部室を後にした。
1人部室に残された中澤は再び張り紙に目をやりながら1つため息をついた。
4パクり娘。:2001/06/21(木) 23:16 ID:/3EL5Sfs
「あのぉ、新しい監督さん・・・ですか?」
グラウンドの端で練習を見ていた中澤に、投球練習をしていたコが声をかけた。
ユニホームの左胸には「平家」と書かれていた。
中澤はなぜか照れくさくなりグラウンドに視線を戻した。
あれ、違うんか?なんやコイツ?
何も言わない中澤に平家は拍子抜けした。その時
「なあ・・・・」
ふいに話し掛けられ平家は慌てて姿勢を正した。
「さっき部室で見たんやけど、これ・・・本気で思ってんのかな?」
中澤の右手には部室に貼ってあった「めざせ甲子園」の張り紙がある。
「ああ、それですか?まあ高校野球やってるうちは一応、やっぱ甲子園じゃないですか。
目標って言っても夢のまた夢ですけど・・・・」
平家は照れながら言った。
どうせ笑われるだろうなと思いながら。
しかし中澤の答えは平家の思いをあっさりと裏切る。
5パクり娘。:2001/06/21(木) 23:17 ID:/3EL5Sfs
「夢・・・でもないよ」
えっ?夢でもない?どういうこと?
平家は中澤が何を言ったのか理解できないでいた。
「さっきから練習見てたけど、いい素質持ったのも何人かいるし。
やり方によっちゃ全く手が届かないってことはないよ」
「おぉ〜〜っ、マ、マジっすか?ホンマに夢じゃないんですか?」
平家が歓喜の声をあげた。
チームメイトが何事だと2人の方を振り返る。
今まで甲子園なんて別世界の話だと思っていたが、可能性があると言われた。
「連れてってください。甲子園連れてってください」
中澤は黙って平家の言葉を聞いた。そして静かに口を開いた。
「私がやるからには本気で甲子園を目指すよ?」
「もちろんです」
「今までみたいな楽しい野球じゃなくなるよ?」
「当たり前です」
「チームがバラバラになるかもしれない・・・それだけの覚悟があるか?」
「のぞむところです」
いつのまにか2人の周りには他のチームメイトも集まっていた。
皆が中澤の顔を真剣な眼差しで見ている。
6パクり娘。:2001/06/21(木) 23:20 ID:/3EL5Sfs
まいったな・・・・。
もはや断れる雰囲気ではない。
「わかった・・・・引き受けよう」
「おおお〜〜っ」
「甲子園!甲子園!」
「おーし、いくぞォ!」
全員が歓喜の声をあげた。
もはや甲子園は確実だと言わんばかりに。
その道程がどれほど過酷なものか、考える者は誰1人いなかった。
ただ1人、冷静な顔の中澤を除いては。
7名無し募集中。。。:2001/06/21(木) 23:32 ID:u/9KXDEE
がんばれ
8名無し娘。:2001/06/21(木) 23:57 ID:69OF28Pw
小説総合スレッドで紹介・更新情報掲載しても良いですか?
9パクり娘。:2001/06/22(金) 00:09 ID:iN2gSlTQ
>>7
ありがと
>>8
いいですよ
10パクり娘。:2001/06/22(金) 00:09 ID:iN2gSlTQ
「おはようございます」
「おいっす」
「んぁ〜、ねむいよ〜」
今はまだ春休み中のため練習は午前9時から始まる。
全員いつも通りに部室に集まり、10分前にグラウンドに向かう。
いつもと同じ光景。
しかしいつもと違うことにすぐ気付く。
すでにグラウンドに誰かいる。
「みっちゃん、グラウンドに誰かいない?」
「ん、ホンマや」
「誰だろーね」
グラウンドに近づくうちにその正体が誰だか気付く。
「監督や」
グラウンドではすでに中澤がトンボがけをしていた。
「やばっ、走れ。おい、2年はトンボ持ってこい」
全員慌てて中澤のもとへ駆け寄り、グラウンド整備の準備をした。
11パクり娘。:2001/06/22(金) 00:10 ID:iN2gSlTQ
「余計な事せんでええ」
え?
平家たちは中澤の言葉にあっけにとられた。
「グラウンド整備はウチがやる。おまえらはランニングや」
「でも・・・・ええんですか?」
「サッサと始めや」
そう言い終わると中澤は再びトンボがけをやりはじめた。
平家たちは呆然としながらもランニングを始めた。
なんだ、ええ監督やん。
昨日の印象やと、も少し厳しい人かと思ってたけどな。
そんなことを思いながらいつも通りグラウンドを2周した。
12パクり娘。:2001/06/22(金) 00:11 ID:iN2gSlTQ
「よ〜し、柔軟終わったらキャッチボール。その後ノックな」
ランニングを終え、平家が全員に指示を出す。
「おいおい、ちょい待ち。誰がランニングやめろ言うた?」
思いがけない言葉に全員一斉に中澤の顔を見る。
「今日はランニングだけや、続けろ」
「ラ、ランニングだけ!?」
「そんな・・・・」
文句を言うのも当然だ。
今までそんな練習聞いたこと無いし、やったこともない。しかし
「続けろ」
中澤の威圧感のある一言に従わざるをえなかった。
13名無し娘。:2001/06/22(金) 01:40 ID:yotPe8pw
なんか期待できそう。
14パクり娘。:2001/06/22(金) 02:33 ID:iN2gSlTQ
「あ〜〜、めっちゃしんどい〜〜」
「もうダメ・・・・」
「もう動けません・・・・」
結局今日の練習はランニングだけで終わった。
時計を見ると12時を少し過ぎたぐらいだった。
3時間のランニングだったが、10時間も20時間も走ったような疲労感に襲われていた。
「ったく、何考えてんだよあの監督」
「陸上部じゃないっつーの」
「明日もこんな感じなのかなー、嫌だよ私」
次々に愚痴を言い始める。
「ねえ、みっちゃん。監督に今日の練習の理由を聞いてきてよ」
「な、なんでウチが!?」
「キャプテンでしょ!」
「こんな時だけキャプテン言うなや」
嫌なことだけ押し付けんな、と言いたかったが皆の勢いに押されて言えなかった。
「早く早く!」
「行ってらっしゃ〜い」
無理矢理部室の外へ押し出される。
なんやねん。
こんなんやったらキャプテンなんてやらへんかったらよかったわ。
そう思いながら平家はトボトボと重い足を引きずりながら中澤のもとへと向かった。
15パクり娘。:2001/06/22(金) 02:35 ID:iN2gSlTQ
「し、失礼します」
中澤が、見ていた書類から顔を上げると平家が入口に立っていた。
「何や?」
「いや・・・・・そのォ・・・・・」
平家はどう切り出していいのかわからず口篭ってしまった。
「今日の練習のことやろ?」
中澤の方が察して切り出した。
「ええ、まあそうなんですけど・・・・」
中澤が切り出してくれたおかげで平家はやっと口を開くことができた。
「監督、昨日本気で甲子園目指すって言いましたよね。・・・だけどあんな練習で大丈夫かなって」
「いや、無理やろ」
平家が言い終わるか終わらないかのうちに中澤は答えた。
「昨日の練習見て、あんなレベルじゃボール使ても無駄やと思ってな。
それでランニングにしたんやけど・・・・あれぐらいで音をあげるようじゃ甲子園なんてまず無理やわ」
「無理って、あんたが甲子園に連れてく言うたんやんけ」
温厚で知られる平家もこの中澤の発言にはさすがにキレた。
「それに、あんなレベル言うてもそこそこの成績は残しとる。昨年かてベスト8や」
「んじゃ、そのベスト8の試合のスコア言ってみてや」
「それは・・・・・・」
16パクり娘。:2001/06/22(金) 02:37 ID:iN2gSlTQ
確かに昨年の夏はベスト8まで進んだ。
新聞にも「ハロー学園、破竹の快進撃」などと書かれたりもした。
しかし準々決勝、14-0、5回コールドで敗れた。
平家も打ち込まれ、守備陣もボロボロという最悪の試合だった。
「たまたまラッキーで勝ち進んだだけや。その結果に反省してるか満足してるかはおまえらの練習見てればわかるわ」
あまりに的確な中澤の言葉に平家は何も言えなかった。
「だから練習は基礎のやり直し。当分の間はランニングだけや。ええな」
しかし、内容はどうあれベスト8だ。
主力もほとんど残っている。
いいように言われた平家がおもしろいはずがない。
「その顔はわかってないみたいやな。ほな、教えたるわ。明日試合やる、みんなに伝えとき」
そう言うと中澤はバッグを持って立ち上がった。
「ほな、ウチは帰るわ。平家、ここの鍵閉めといてな。おつかれ〜」
中澤は平家に部屋の鍵を渡すと、平家を残して部屋を出て行った。
「・・・・ちくしょう、今に見てろよ」
中澤に渡された鍵を握り締め、平家は悔しさのあまり呟いた。
17名無し娘。:2001/06/22(金) 03:01 ID:7aXlgLks
何のパクリ?
18名無し娘。:2001/06/22(金) 03:31 ID:iL77jXPY
少なくとも「泣くよガメラ」ではなさそうだな
19てうにち新聞新入社員:2001/06/22(金) 08:00 ID:40tDaSyw
何のぱくりだ?わからないぞ
20名無し娘。:2001/06/22(金) 19:37 ID:OIeRdHx.
楽しみにしてる、頑張ってくれ。
21パクり娘。:2001/06/22(金) 22:03 ID:iN2gSlTQ
>>17-19
ベースの作品はあるけどパクりじゃないよ。
一応自分で考えて書いてるし。
>>13 >>20
ありがと
22パクり娘。:2001/06/22(金) 22:04 ID:iN2gSlTQ
「ねえ、ホントに試合やるって?」
「って監督は言ってた」
平家は昨日中澤から言われたことをチームメイトに伝えた。
しかし伝えたのは「試合をする」という部分だけ。
それ以外の事は自分の胸の中に閉まっておいた。
「どこと?」
「さあ・・・・」
「さあって・・・頼りないなあ」
そんなことを話しながらキャッチボールをしていると、中澤がグラウンドに現れた。
選手間に一気に緊張感がはしる。
「ウォーミングアップは済んだようやな。それじゃ早速始めよか」
そう言うと中澤はグラウンドコートを脱ぎ始めた。
「始めるって・・・相手は?」
平家が中澤に尋ねる。
グラウンド中見渡してもそれらしい相手が現れる気配は一向にない。
「打順は今のレギュラーメンバーで来い」
いつのまにか中澤はマウンドに立っていた。
23パクり娘。:2001/06/22(金) 22:06 ID:iN2gSlTQ
「トップは誰や?」
「ちょ、ちょっと監督。試合じゃないんですか?」
「そうやで、ウチとな」
中澤の答えに平家たちは唖然とした。
中澤には何回驚かされただろう。
出会ってまだ3日だというのに。
「打てなきゃウチの言うとおりランニングだけや。文句は一切なし、絶対服従。
ほら、トップバッター、早くボックスに立て」
中澤はボールを手にとり平家たちをせかす。
慌ててトップバッターのアヤカがヘルメットをかぶる。
「ちょい待ち。ウチらが打ったらどないすんねん」
平家が言う。
中澤は1つため息をついてから、マウンドを足でならしながら言った。
「心配せんでええ。オマエらにゃ打てへんから」
24パクり娘。:2001/06/22(金) 22:07 ID:iN2gSlTQ
現レギュラーメンバー

1(中)アヤカ
2(二)大谷
3(投)平家
4(三)りんね
5(遊)斎藤
6(右)前田
7(一)北上
8(捕)村田
9(左)大木
25パクり娘。:2001/06/22(金) 22:08 ID:iN2gSlTQ
「ウチの勝ちやな」
中澤との試合から30分、平家たちは未だに悪夢から覚めないでいた。
ベスト8の実力を見せてやる、と意気込んで中澤との試合に挑んだものの
ヒットを打つどころか、バットにかすりさえしなかった。
それどころかレギュラー捕手である村田めぐみが中澤のボールを1球もキャッチできなかったのだ。
それぐらい中澤のボールはスピードがあり、切れがあり、威圧感があった。
何者なんだ、この監督・・・・
平家は顔面蒼白で、さも当然といった顔の中澤を見ていた。
「約束どおり、ウチの言うことに従ってもらうで。まず当分の間はランニング、プラスダッシュ100本や」
文句を言いたいが、あれだけ完璧に押さえ込まれては何も言えない。
「それから、今までのレギュラーは白紙に戻す。力のあるヤツから使っていく。
レギュラーとりたいヤツは他人を押しのけてでも這い上がってこい」
中澤は不敵に笑いながら話を続ける。
「甲子園に行くためには、もう足踏みしてるヒマなんかないで」
甲子園
簡単に口に出していたこの言葉の重さを、平家たちは今になって感じていた。
26パクり娘。:2001/06/22(金) 22:54 ID:iN2gSlTQ
「よ〜し、ランニングやめ!次ダッシュ100本」
長いランニングを終えグラウンドに腰をおろしている所に中澤の厳しい声がとぶ。
「なにモタモタしとんねん、サッサと始めろ」
平家たちは急いで腰をあげ、ダッシュへと向かった。
「少しは休ませろよな、くそっ」
「ホント、走ってばっか・・・」
いくら文句を言っても練習は容赦なく進む。
「ピッ」っという笛の音に条件反射で走り出す。
しばらくすると、もう口を開く余裕すらなくなる。
ただ笛の音が鳴り終わるまで走り続ける。
27パクり娘。:2001/06/22(金) 22:55 ID:iN2gSlTQ
「ふざけんなよ!」
怒声と共に蹴られたロッカーの金属音が部室に響く。
「何がランニングにダッシュだ。私達は陸上部じゃないよ」
りんねが今日も使うことのなかったグローブを投げ捨てる。
「もうじき4月なのに、一体いつまで続くんだこんな練習」
「とんでもないのが監督になっちゃったね・・・」
他のメンバーもりんねの発言に賛同し始めた。
「大体どこまで甲子園が本気なんだ?走ってばっかじゃん。もうやめる!絶対やめる!」
「そうだ、そうだ」
皆かなり不満が溜まっている。
このままじゃ本当に皆やめてしまうかもしれない。
黙って聴いていた平家はこんなチーム状態に危機感を抱いていた。
28名無し娘。:2001/06/23(土) 00:37 ID:7RFB4TEI
ひょっとして中澤の前任校って・・・
29名無し募集中。。。:2001/06/23(土) 13:01 ID:d72.M1QI
原作は分かるよ
タイトル忘れたけど
サッカー小説に負けずにがんばれ!
30パクり娘。:2001/06/23(土) 19:00 ID:driw4/Qw
その夜、平家は中澤の部屋を訪れた。
少しでも自分達の気持ちを理解してもらうために。
中澤の部屋のドアの前に立ち、平家は1つ咳払いをしてからノックした。
「はい、どちらさ・・・・ん?」
ドアの前に立つ見慣れた顔の訪問者に、中澤は少し驚いた。
「こ、こんばんは」
「お、おう。どした?」
「はあ・・・ちょっと話が・・・」
「あ・・・ま、まああがりや」
2人の会話はいつになくぎこちない。
中澤は平家を部屋に通した。
「コーヒーでええか?」
「あ、おかまいなく。すぐ失礼しますから」
「ええて、ゆっくりしていき。お茶くらいなら・・・・ないわ」
「ぷっ」
この一言で平家も中澤も緊張から開放された。
「ちょっとジュースでも買ってくるわ」
と言い残して中澤は部屋を出て行った。
31パクり娘。:2001/06/23(土) 19:01 ID:driw4/Qw
1人残された平家はすることがなく部屋を見渡した。
まだ開けられてないダンボール箱や紐で結ばれたままの本、あとはふとんだけ置いてある。
なーんもないな
そう思いながら平家は、1つだけポツンと置いてあるアルバムを見つけた。
何気なく手にとって見始めた平家の顔色が一瞬のうちに変わった。
1枚の写真
よくTVで見る電光掲示板をバックに満面の笑みをうかべてる人達。
皆首からメダルをかけ、右端の人は真っ赤な優勝旗を掲げている。
その真ん中には今より幼い顔ではあるが、私の知ってる人が写ってる。
中澤だ。
「ほれっ」
中澤がジュースを買って戻ってきた。
「足くずしや。こっちまでカタくなるわ」
「あ、はい」
再び部屋は緊張感に包まれた。
32パクり娘。:2001/06/23(土) 19:02 ID:driw4/Qw
「なんとなく・・・・そんな気はしてました。甲子園に行ったんじゃないかなって」
写真を見ながら、平家は話を切り出した。
「でも優勝したなんて・・・・なんで隠してたんですか?」
「別に隠してたワケやない。言う必要がなかっただけや」
「で、でも、甲子園で優勝した人のことなら皆黙って言うこと聞いて・・・」
平家はここまで言い「しまった」と思った。
「そうか、早くもチーム内はボロボロか。で、キャプテンとして文句を言いにきたと・・・」
「いえ、そういうことじゃなくて・・・・」
平家が写真から中澤へと視線を移す。
「・・・・甲子園ってやっぱいいところなんですか?目指すだけの価値があるんですか?」
予想外のことを聞かれ中澤は戸惑ったが、少し考えてから静かに語り始めた。
33パクり娘。:2001/06/23(土) 19:03 ID:driw4/Qw
ウチのいた高校ってのは甲子園の常連校ってヤツでな
当然ウチが出た時も優勝候補No1って言われて
マスコミも凄かったけど学校側のプレッシャーはそれ以上で
6試合もマウンドに登ったけどスタンドもスコアボードも見えなかった。
とにかく必死で投げてた。
気がついたら決勝戦・・・・いや、気がついたら・・・・終わってた。
34パクり娘。:2001/06/23(土) 19:03 ID:driw4/Qw
「だから甲子園って聞かれてもなんも覚えてへんのや。ただ暑かっただけや。
でも・・・・あの暑さは生涯忘れへんやろな」
そう言い終わると中澤はタバコに火をつけた。
「あっ、これじゃなんも答えになってへんか」
「いえ・・・・」
平家は黙って中澤の顔を見つめた。
35パクり娘。:2001/06/23(土) 19:04 ID:driw4/Qw
「甲子園の暑さ・・・・か」
帰り道を歩きながら平家はポツリと呟いた。
私たちにだってその暑さを感じるチャンスがある。
監督だけが知ってるなんて悔しいじゃないか。
おしっ、やったる。やったろうやないか。
そう決意した平家は昂ぶる気持ちを抑えきれずに帰り道を走り出した。
36パクり娘。:2001/06/23(土) 22:04 ID:driw4/Qw
4月
今日はハロー学園高校の入学式である。
「今年は何人入ってくるやろ」
校庭でごったがえす新入生を眺めながら平家が言った。
「あんまり期待しないほうがいいんじゃない」
「5人も来ればもうけもんでしょ」
「そうそう、来るだけましだよ」
「それより使えるのがいるかどうか・・・・」
りんね・大谷・村田・斎藤が言う。
なんで教室でまでこいつらの顔を見なきゃあかんねん。
平家はいつも見る顔にうんざりしながら再び校庭に目を落とした。
ガラッ
教室の戸が開く音がする。
「はい、はよ席に座りや〜」
聞き覚えのある声。
平家は嫌な予感がして教卓の方へ顔を向ける。
中澤だ。
ああ、この世に神様なんていない。
平家は深いため息をついた。
37パクり娘。:2001/06/23(土) 22:06 ID:driw4/Qw
「お〜、尾見谷じゃん!アンタもここ入ったの?」
「よう椛田」
「てっきりモー高に行ったかと思ってたよ」
「まさか・・・あんな強豪の野球部、私なんか相手にしてくれないよ」
「そっか。ま、ここなら部員も少ないし、そんなに厳しくないもんね」
「と思って見に来たんだけど・・・・ 」
この尾見谷というコを含めた数人の新入生は1時間前から練習を見ている。
確か教室でガイダンスを受けてた時にグラウンドから声が聞こえてきたから練習が始まって2時間は経っているはずだ。
でもなんでこの野球部は走ってばっかなんだ?
見学に来ていた全ての新入生がこう思っていた。
「モタモタするな!まだダッシュ半分も終わってへんで」
グラウンドコートを着た監督らしき人が叫んだ。
笛の音は一向に終わる気配がしない。
「やーめた。こんな練習ついていけない」
「私テニス部に入るよ」
「あ、私も」
新入生たちはゾロゾロとグラウンドを後にする。
平家は余裕がないながらも、それを横目で見て「今年の新入部員はゼロやな」と覚悟した。
38パクり娘。:2001/06/23(土) 22:07 ID:driw4/Qw
「あ〜、今日もよく走った走った。このままやってたら国立競技場も夢じゃないよ」
りんねが自虐的に笑いながら言った。
もはやりんねの愚痴は練習後の恒例になっていたので誰も何も言わなくなっていた。
「た、大変です〜!」
アヤカが慌てて部室に入ってきた。
「何や?」
「き、来てます」
「何が?」
「入部希望者」
平家はわが耳を疑った。
「・・・・マジで?」
「ホントです〜」
そのアヤカの言葉を聞き、平家たちは慌てて部室の外へ出た。
確かに見知らぬ顔の人が部室の前に立っている。
しかも3人も。
「自分ら・・・・さっきの練習見てたやろ。それでも入るんか?」
平家は思わず聞いてしまった。
「はい」
「よろしくお願いします」
「お願いします」
ああ神様、朝はいないなんて言ってすんませんでした。
平家は心から神に感謝した。
39パクり娘。:2001/06/24(日) 21:51 ID:eEtCaLzc
次の日、いつものように練習にきた平家たちはグラウンドに見慣れない物が置いてあるのを見つけた。
正確に言えば、かつては毎日のように見ていたが、ここ1ヶ月は見ることすらなかった物。
「こ、これは・・・・」
「ボール・・・だよね?」
「ってことは・・・・」
平家たちは顔を見合わせる。
みるみるうちに皆の顔が笑顔に変わっていく。
「やったぁ!ボールだボール!」
「やっと野球部らしい練習ができる」
皆、歓喜の雄叫びをあげる。
それぐらい部員全員「野球」に飢えていた。
「おい、ランニングはどうしたんや?早く走らんと日が暮れるで」
喜ぶ平家たちに中澤が水を差す。
あ・・・やっぱ走るのね・・・
平家は少しガッカリしたが、それでも久し振りにできる「野球」に胸が躍っていた。
40パクり娘。:2001/06/24(日) 21:53 ID:eEtCaLzc
皆ぶつぶつ言いながらも、いつもより早いピッチで走る。
やっぱり皆も野球がしたかったんだな。
まあ1ヶ月もまともに練習をしてないんだ、当然か。
そんなことを思いながら平家は走っていた。
その時、中澤から声がかかる。
「よーし、1年生はそこのボール持ってこっち来い」
3人の1年生が呼ばれた。
「1年にボールを運ばせてるってことは」
「やっぱ練習だよ」
「やったー」
平家たちは再び歓喜の声をあげる。
しかし、1年生たちはボールを運び終えると平家たちを呼ぶ事なくいきなりキャッチボールをし始めた。
そのうち、1人はマウンドに上がり中澤相手にピッチングをしている。
スパーンとミットの渇いた音がする。
41パクり娘。:2001/06/24(日) 21:53 ID:eEtCaLzc
「柴田、オマエピッチャーやってたんか?硬球も初めてやないやろ」
「はい、中学でやってました。硬球は秋頃から自分で勝手に投げてました」
中澤は1つうなずくとキャッチボールをしている他の2人を見た。
「よし、次はあさみ。マウンドにあがれ」
キャッチボールをしていた2人のうち、小柄な方がマウンドにあがる。
「あの・・・私、中学ではセンターだったんですけど」
「ええよ、投げてみて」
あさみは小さい体をめいっぱい使って投げ込む。
ボールは中澤のはるか頭上を越えていった。
「す、すいません」
「ええって、どんどん投げ」
「は、はい」
あさみが20球ぐらい投げた後、残りの1人末永が呼ばれた。
平家たちはライトの位置でそのやりとりをずっと見ていた。
そんな平家たちにようやく中澤が気付く。
「何やってんねん、オマエら。次はダッシュやろ」
えっ!?ダッシュ?
次はウチらとちゃうの?
平家は中澤の言葉に疑問を持ちつつも、皆にダッシュを促した。
42パクり娘。:2001/06/24(日) 23:03 ID:eEtCaLzc
ガァン!
ロッカーを殴りつけた音が部室内に響く。
「みっちゃん、悪いけど私今日限りでやめさせてもらうから」
「ゆ、ゆきどん・・・・どしたん急に?」
前田有紀にとって今日の練習はもはや我慢の限界だった。
「何で1年がボール投げて、私たちはランニングなのよ」
前田は帽子を床に叩きつける。
「今日の練習見て、やっとわかったよ」
「な、何が?」
「確かにあの人は甲子園に連れてくって言ったよ。でも今年とは言ってない。
あの人は1からチームを作ろうとしてるんだ。つまり私たちなんかいらないんだよ」
前田の言葉に平家たちは黙ってしまった。
「私たちは見捨てられたんだ。だったらサッサとやめたほうが利口でしょ」
43パクり娘。:2001/06/24(日) 23:04 ID:eEtCaLzc
「今やめてどうすんねん?」
平家の言葉に、前田は一瞬平家の方を向いたがすぐに着替えに戻った。
「ウチらは監督と勝負して負けたんや。あの時約束したやろ?黙ってついてくって」
「はっ、バカじゃないの?あの人の肩もってなんの得があんのよ」
「損得なんて関係ないわ!ウチらだけじゃ甲子園なんて絶対行かれへん!
だったら信用して黙ってついていくしかないやろ!」
そう言って平家は前田に詰め寄った。
「甲子園って・・・・あんたまだ本気で思ってんの?」
前田が、あきれた顔で平家に尋ねた。
平家は真剣な顔で前田を見据える。
「思ってるよ。少なくともウチはあの時から本気で甲子園に行きたいと思ってる」
他のメンバーは黙って平家の言葉を聞いていた。
しかし、前田は平家に背を向ける。
「話にならないね。とにかく私はやめるよ」
そう言うと前田はバッグを持って部室から出て行った。
44名無し娘。:2001/06/24(日) 23:30 ID:55o5wqW2
毎日楽しみにチェックしています。頑張ってください。
45パクり娘。:2001/06/24(日) 23:55 ID:eEtCaLzc
翌日、平家は部室の前で前田とすれ違った。
右手に持ってる紙袋からはグローブがのぞいていた。
どうやら残っていた用具類を片付けに来ていたようだ。
平家と前田はお互い何も言葉をかわさぬまま別れた。
「どうすんの、みっちゃん」
「どうして黙ってやめさせちゃったのよ!」
「なんとかしないとォ」
皆が口々に平家を責める。
いつもこうや
ウチにばっか頼るなや
そんなことをしているうちに中澤がグラウンドに現れた。
「何騒いでんねん。早よ練習始めろ」
皆うらめしそうに中澤の顔を見る。
「誰のために困ってると思ってんですか!」
りんねが我慢できずに叫んだ。
「なんのことや?」
「この〜〜・・・・」
昨日のことを言いかけたりんねを平家が制した。
「ゆきどんが・・・前田が昨日やめてしまいました」
平家が中澤の顔を見る。
中澤は眉1つ動かさないでいる。
46パクり娘。:2001/06/24(日) 23:57 ID:eEtCaLzc
「それで?」
はい?・・・・今なんて言いました?
「別にええやん。やめたいやつはやめたらええ」
げっ、そんなんアリかえ・・・・。
「何を言われても練習は変えへんよ。前も言うたけど当分はランニングとダッシュだけや。
それがイヤならやめろ」
そう言うと中澤はベンチに腰をおろした。
「だったら、教えてくださいよ。何でウチらがランニングだけで、1年がピッチングなんですか?」
平家が中澤に聞く。
「黙ってついてくると言っといて、今さら権利の主張か?」
「いいから、早く教えてよ!」
りんねが叫んだ。
どうやら皆同じ気持ちらしい。
中澤は1つため息をついてから、静かに話し始めた。
47パクり娘。:2001/06/24(日) 23:57 ID:eEtCaLzc
「1年にピッチングをさせるのは硬球に早く慣れさせるためや。ただのキャッチボールよりピッチングの方が真剣に投げるやろ」
なるほど、そういえばそうだといった感じで1年たちが顔を見合わせる。
その様子がおもしろくないりんねが1年たちを睨みつける。
3人は慌てて首をすくめた。
「あとランニングばかり言うけどな、グラウンド30周・ダッシュ100本なんて量は基本やで、基本!」
あの量が基本なんて言われたら、平家たちになす術がない。
「それにな、オマエら誤解してんで。ウチはバットもボールも触るななんて1度も言うてへんで。
やりたきゃ素振りでも投げ込みでもノックでも好きなだけやればええ。ただしランニング、ダッシュをしっかりやってからな」
平家たちは顔を見合わせた。
そういえば1度もそんなこと考えなかった。
ただ言われたことをやるだけ・・・・
「与えられたことだけやって甲子園行けるなら、サルでも行けるわ!オマエらサルより少しはましやろ。
そやったらもうちょっと考えてやってみーや」
悔しいが、平家たちは何も言えず黙って聞いていた。
48パクり娘。:2001/06/25(月) 19:35 ID:Lr3K8H..
「くっそォォォォォ」
「誰がサルだよ、誰が」
100回目の笛の音を聞き終わる頃、あたりはすっかり暗くなっていた。
照明灯がグラウンドで大の字になっている平家たちを照らす。
「むらっちゃん、ちょっと付き合ってよ」
平家が立ち上がり、重い足を引きずりながら村田に話し掛けた。
「何を?」
「ピッチング」
マジかよ〜と言う皆の声。
「やるこたやったんや、誰にも文句は言わせへん」
平家はグローブを取り、マウンドへ登った。
久し振りに握るボールの感触に少し顔がにやけた。
ふりかぶり、村田のミットめがけて投げる。
バァンとボールがミットを叩く。
「いい音させてんじゃん。あんなにバテバテなのに」
他のメンバーはグラウンドに座り、平家のピッチングを見ている。
平家は2球3球と投げ込む。
その度に村田のミットが軽快な音を鳴らす。
「みっちゃん、いーじゃんか」
そう言って村田は平家に返球する。
ふいに平家は指先を見た。
「どしたの?マメ?」
「いや・・・別に・・・」
なんやろ?なんかいつもと感じ違うな?
平家は今までと違う感覚に戸惑いつつ、再びピッチングを続けた。
ったく、手間のかかるヤツらやで。ホンマ。
遠目から平家のピッチングを見ていた中澤は、呆れながらも顔は笑っていた。
49パクり娘。:2001/06/25(月) 23:25 ID:Lr3K8H..
今日もあいかわらずランニング・ダッシュのみの練習が続く。
「おい、どうした!オマエら1ヶ月近くも走ってまだヒィヒィ言ってんのか!」
中澤が檄をとばす。
「か〜っ、しっかしよく走るねぇ。これじゃ嫌気さしてやめちまうワケだ」
中澤が聞き覚えのない声がした方を振り返る。
「よっ」
リスに似た女が中澤の方へ歩み寄る。
「どーもどーも!ウチ、ダンス部の顧問やっとる稲葉っちゅーもんですわ」
そう言うと稲葉は中澤に右手を差し出す。
わけがわからないまま中澤も右手を出す。
「聞きましたで、甲子園ねらってるそうで!さすが、ごっつい練習やっとりますな〜」
稲葉が肩を組もうと近づいたが、中澤がそれをかわす。
「練習中です。部外者はグラウンドに入らないでください」
「んなつれないこと言わんでも。あ、せや、歓迎会の意味で今晩一杯どう?」
「けっこうです」
中澤が踵を返し歩き出す。
「ウチが野球部の前の監督でもか?」
中澤が振り返ると、稲葉はニヤリと笑った。
次の日から稲葉貴子はダンス部顧問から野球部部長になった。
50名無し娘。:2001/06/27(水) 03:07 ID:wflGSr3I
年寄りばかり出てるね。
51名無し娘。:2001/06/28(木) 04:02 ID:gC9UfzSM
保全
52名無し娘。:2001/06/29(金) 01:12 ID:55xOLTbA
続きが楽しみ
53パクり娘。:2001/06/29(金) 03:00 ID:7No/UThU
「あさみ〜、今何時?」
「えっと・・・・6時45分です」
「お〜!いつもより10分も早く終わったじゃん。すごーい」
少しずつではあるが平家たちは1日のノルマを早くこなせるようになってきた。
そしていつものように平家がマウンドに上がろうとすると、りんねが声をかけてきた。
「ねえ、みっちゃん、勝負しない?」
そう言うと、りんねはバッターボックスに立った。
「ただ投げるだけじゃつまらないでしょ?こっちも素振りだけじゃおもしろくないもん」
「ええで。んで、何賭ける?」
「今日のラーメン代ってのは?」
「よっしゃ!勝負!」
54パクり娘。:2001/06/29(金) 03:01 ID:7No/UThU
グラウンドへ歩いてきた中澤の足元にボールが転がってくる。
「よし、ファール。これで2ストや。次で決めたるわ」
「タイミングが合ってきたんだよ!」
中澤は呆れた面持ちで足元のボールを拾った。
「どこ打ってんねん、ヘタクソ!」
平家とりんねはバツの悪そうな顔をした。
「こんなことして遊んでるくらいなら、明日から次の練習に入れそうやな」
中澤は平家にボ−ルを投げ返した。
「次の練習?」
「な、何やるんですか?」
また走る練習が追加されたらたまったもんじゃない。
「オマエらの希望どおりボールを使っての練習や」
それを聞いて皆から「おお〜」と歓声があがる。
「ただし、今までどおり朝でも昼でもいいからノルマ分は済ましときや」
そう言い残すと中澤は学校へ戻って行った。
ああ、結局走らなアカンのや・・・・
明日から朝早くなるわ・・・・
そう思いながらも、平家はボールを使った練習ができることに喜びを感じていた。
55モー娘。板に名無しさん(羊):2001/07/01(日) 01:19 ID:THZCWuEU
ゴメン。保全age
56名無し娘。:2001/07/03(火) 11:28 ID:kp5SpfF.
保全
57名無し娘。:2001/07/04(水) 10:59 ID:F0/uJX.I
期待age
58名無し娘。:2001/07/06(金) 23:09 ID:x4z6u.G2
保全
59名無し娘。:2001/07/08(日) 23:16 ID:bHZDoNEQ
hozem
60名無し娘。:2001/07/10(火) 01:58 ID:kqErtg1Q
パクリ娘。さーん
61名無し娘。:2001/07/11(水) 23:59 ID:0fdeRS5w
さーん
62名無し娘。:2001/07/13(金) 13:25 ID:dU.dNTHE
続きお願い保全。
63パクり娘。:2001/07/14(土) 00:55 ID:5gukQtsg
「か〜っ、とうとう朝まで走らされてやんの」
稲葉はくわえタバコでグラウンドの練習風景を見ていた。
といっても時刻はまだ7時30分を少し過ぎたあたりである。
すでに息を切らしながらグラウンドを走り続ける平家たちを見ると、練習開始はまだ早かったことが容易に想像できる。
「おはようございます、稲葉先生」
中澤も姿をあらわした。
稲葉は文句の1つでも言ってやろうと思ったが、中澤が先に口を開く。
「ところで稲葉先生、マイクロバス運転できます?」
「ん?そりゃ野球部の時はちょくちょく動かしてたけど」
「んじゃ、日曜日運転お願いします」
「ええけど・・・・どっか行くんか?」
「試合です、それじゃよろしく」
そう言うと中澤は学校へ向かって歩き出した。
試合て・・・・あいつらなんも練習してへんやん
稲葉は中澤の真意がつかめぬまま呆然と中澤を見送った。
64萌やしっ子:2001/07/14(土) 12:08 ID:HJBN3cKs
age
65名無し娘。:2001/07/16(月) 02:34 ID:bwxWYvPY
期待sage
66名無し娘。 :2001/07/17(火) 23:49 ID:Ku/UdTFk
期待sage
67名無し娘。:2001/07/19(木) 07:27 ID:G3dbH7Is
hozen
68名無し娘。 :2001/07/22(日) 00:56 ID:x0cVkbsw
hozen
69名無し娘。:2001/07/24(火) 23:50 ID:wTqDWxAo
hozen
70名無し娘。:2001/07/26(木) 00:31 ID:5UJhBTZI
hozen
71名無し娘。:2001/07/27(金) 19:20 ID:/vGq6TiQ
hozen
72名有り:2001/07/28(土) 01:12 ID:iJxwfwKM
(゚д゚)<ウマー
73名有り:2001/07/28(土) 18:39 ID:dfaCSPD.
ほぜん
74パクり娘。 :2001/07/28(土) 20:27 ID:iZcYczsM
仕事が片付き次第更新しますので申し訳ないですがもう少し待ってください。
保全してくれてる方、本当にありがとうございます。
75名無し娘。:2001/07/30(月) 00:24 ID:uXZOqsig
hozen
76名無し娘。:2001/07/30(月) 07:12 ID:dYScNP4E
やったろうじゃん!だ
懐かしいな、俺全巻持ってるよ
77名有り:2001/07/30(月) 13:25 ID:pY5le6FU
保全
78名有り:2001/07/31(火) 22:59 ID:gR6g7mws
hozen
79名無し娘。:2001/07/31(火) 23:32 ID:JTMZByNE
ここまで下がったのは初めてですね。保全
80名有り:2001/08/01(水) 17:10 ID:bdNSKeWc
hozen
一日一保全w
81名有り:2001/08/02(木) 00:37 ID:sUMmzgpk
 
82名無し娘。:2001/08/03(金) 00:27 ID:5S5lvQsY
hozen
83名有り:2001/08/03(金) 02:34 ID:a0N2G47I
84名有り:2001/08/04(土) 03:29 ID:fZ95tvcc
85保田娘。:2001/08/04(土) 22:59 ID:B.nfpTxw
おいらも続き期待保全
86名無し娘。:2001/08/05(日) 23:56 ID:SyNAWpDA
hozen
87名有り:2001/08/07(火) 17:01 ID:CID9C9/6
88名無し娘。:2001/08/08(水) 19:08 ID:ECW50u3E
hozen
89名有り