QUIZ

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1ブレア娘。
企画ユニットに関連づけた、ドラマ「QUIZ」を元にした小説です。
楽しんでくれたら光栄です。
話は6月26日、Mステに出演する3日前からはじまります。
それでは、どうぞ。

「くいずです あなたの いちばん たいせつな むすめ だーれだ」
2プロローグ:2001/06/19(火) 02:12 ID:Snf1kGjQ

輝かしい人生なんてどこにもない。
枯れない花が無いように。
私は1つの夢を見た。光が私を差している。
そこで私は歌っていた。
踊りながら、笑いながら。確かにそこで私は歌っていた。
36月26日 AM 8:30:2001/06/19(火) 02:12 ID:Snf1kGjQ

「件名:くいずです
あなたの いちばん たいせつな むすめ だーれだ
ひんと すでに なくなっています」

このメールがプロデューサーつんくのパソコンに届いたのは6月26日の朝の事だ。
メールが届きました、と無機質な声がそれを告げる。
「なんや、これからが良い所なのに…」
朝から自宅でアダルトサイトを見ていたつんくは、少々いらだった。
「んー、なんやって…件名…『くいずです』。誰の悪戯や。なになに、
『あなたの いちばん たいせつな むすめ だーれだ
ひんと すでに なくなっています』
こ、これは新手のオタクのやり方かいな」
呆れながらも内容の事が気になりつんくは携帯を手にした。
短い呼び出し音のあと、元気な声が聞こえてきた。
「あ、つんくさん!どうしたんですか、こんな朝から?
こっちですか?こっちは7人祭りの練習で大変なんですよ〜」
その声を聞いただけでつんくは安心した。
「あぁーそうか!後藤がんばりな!」
そう言うとつんくは携帯を切った。
46月26日 AM 8:30:2001/06/19(火) 02:13 ID:Snf1kGjQ

「ねーやぐっつぁん〜。なんか、つんくさんから電話来ちゃった。
珍しいよね〜。なんかあったのかな?」
練習とは名ばかりに汗1つかいてない後藤。
それを横目に矢口は練習に励んでいる。
(何言ってるのよ、黄色い声だして)
そう心で思うながらも、
「んー、なんか楽しい事でも起きたんじゃない?キャハハ!」
と矢口は言ってしまった。
56月26日 AM 9:45:2001/06/19(火) 02:15 ID:Snf1kGjQ

つんく家ではつんくがアダルトサイト巡りにいそしんでいた。
ふと、つんくが再び携帯を手にした。
「そうやった、そうやった!10人祭りのソロのパート割り変わったんやった」
パソコンの画面に『早漏』と言う太い赤い字がいやらしく光る。
今度は呼び出し音が長かった。
(なんや、せっかくつんく様が電話してやってるのに)
すると吉澤の慌しい声が聞こえた。
「あ、つんくさん!」
「あれ、吉澤、これ飯田の携帯やで?どうしたんや、そんなに急いで?」
電話越しが何やら騒がしい。
「ど、どうしたんや!」
「あの…安倍さんが来てないんです。電話もしてるんですけど…」
つんくの脳裏に今朝のメールが浮かび上がった。
まさか安倍が、安倍が…?
メールを見ると、その小さめの字が薄気味悪く思えてきた。
これは混乱を避けるために娘達には伝えないほうが良いとつんくは判断した。
「あ、た…多分、いつもの遅刻やないか?」
「違いますよ。だって、自宅にも電話してますよ」
「あ…あぁ、そうやった!安倍な、体調悪言うて、家で寝かせてるんや。
電話にも出るなって言ったから多分、家にいるで。
だから、そっちはそっちで、安倍抜きで練習してくれや」
その悪状況がさらに不安を煽る。
吉澤を納得させて、みんなにも言うように言うとつんくは再び携帯を手にした。
「こんな時、頼れる奴と言ったら…」
その手は迷わず、とあるメモリーを探し当てた。
「な、中澤!今すぐ…今すぐ家に来てくれ!」
その凄まじい勢いに押され、中澤はOKした。
66月26日 AM 9:45:2001/06/19(火) 02:16 ID:Snf1kGjQ

なんや…いきなりの用事って…?私も暇じゃないねん。
やや空白が多目のスケジュール表を見つめ、中澤は急いでつんく家へ向かった。
カレンダーには大きな字で「急ぎの仕事」と付け足されていた。
76月26日 AM 10:00:2001/06/19(火) 02:17 ID:Snf1kGjQ

10人祭りの練習場に携帯が鳴り響く。
みんなに申し訳なさそうに保田が携帯の元へ歩く。
ウィンドウには「石川」と表示されている。
「もしもし…」
「あ、保田さん?石川です〜!なんかそっち、大変なんですってね。大丈夫ですか?」
…下らない。こんな事を言うために電話してきたの?
「ねぇ石川。だれからその事聞いたの?」
「え?よっすぃーですよ〜」
…やっぱり。口の軽い女。
「石川?練習楽しい?」
「え?あっはい!楽しいですよ!亜弥ちゃんとも仲良くできてるし!」
石川がとても嬉しそうに答える。保田に質問されたのがよほど嬉しいみたいだ。
「そう。私はつまらないわ」
「え…?」
「10人もいたら、テレビに映らないわよ。可愛いって特よね」
そう言うと保田は携帯の電源を切った。
86月26日 AM 10:00:2001/06/19(火) 02:18 ID:Snf1kGjQ

「はぁ…」
三人祭りの練習場で石川はため息をついた。
…なんで、いつもこうなっちゃうんだろう…。
…早く家に帰ってアレをしたい…
そう思うと石川は必ず自分を責める。
…駄目だよ、アレは。アレはやっちゃだめだよ…。
リダイヤルの『保田圭ちゃん』と言う文字を見つめながら石川は再びため息をついた。
96月26日 AM10:30:2001/06/19(火) 02:21 ID:Snf1kGjQ

つんく家に1人の女性が尋ねてくる。ピンポーン。インターホンが家の静寂を破った。
つんくは廊下を走り急いで玄関に向かった。
「中澤!」
そう叫び扉を開けたが、そこには中澤はいなかった。
そこには肩まで黒い髪の伸びた少女がいた。
「あの…つんくさん?」
不思議そうにつんくの顔を覗き込む少女。それは市井だった。
大き目のトートバッグにはなにやら何冊かのノートが見える。
「あぁそうか、今日はあの日か…」
チッと、つんくは舌打ちをした。
その瞬間、市井が鋭く睨んだ事をつんくは気付かなかった。
つんくががっかりして肩を落とした時、遠くから金髪の女性が走ってくるのが見えた。
「中澤!」
つんくは歓喜の声をあげた。その声が市井には堪らなく不快だった。
息切れしながら中澤は玄関までやってきた。
「ハァハァ…。つんくさん。用事って何ですか…?ん?沙耶香…?どうしたん?」
市井は「久しぶり」と小声で言い、顔を背けた。
「早かったなぁ!よし!ちょっと中まで入ってくれ!」
慌しく中澤の手を引くつんく。すると市井が、
「あの…。私は…?」
今日は市井に帰ってもらおうとつんくは考えた。
その旨を伝えようとしたとき、つんくは1つ名案を思いついた。
「市井、今日はお前暇か?」
「ひ、暇って…今日はこれから…」
市井が言い切る前につんくは話を続けた。
「あんな事やってる時間があるなら手伝ってくれや!」
市井は上手く言いくるめられ、中に入らされた。
106月26日 AM10:30:2001/06/19(火) 02:22 ID:Snf1kGjQ

…あんな事?市井は最も言われたくない事を言われた気でいた。
分かってるわよ、私だって。でも仕方ないじゃない…。
116月26日 AM10:30:2001/06/19(火) 02:23 ID:Snf1kGjQ

中に入った中澤と市井は、つんくからメールの事、安倍の事を聞かされた。
「考え過ぎとちゃうか?」
中澤がそう言うと横で市井も頷いた。
「そうかも知れへんけど…。こんな偶然があるわけ…。現に安倍は行方不明なんやで…」
不安がるつんくを横目に、
「いざとなったら警察に言うのはどうですか?」
そう言い、市井はバッグからノートを取り出そうとしていた。
その瞬間、再びあの無機質な声が部屋中に響いた。
「メールが届きました」
3人はそろってパソコンを覗き込んだ。
126月26日 AM10:30:2001/06/19(火) 02:24 ID:Snf1kGjQ

「件名:くいずです
かべにあって じゅうで ころされちゃう しごとって なーんだ」

「な、何やこれ!」
中澤が声を裏返しながら言った。
市井もそのメールに気を取られてしまった。
「こ、これや!このメールや!」
つんくも混乱を隠しきれない様子だ。
「はっ、早よ考えな!」
集中できないのか、つんくがヒステリックに言う。
時計の針の音だけが聞こえる。
2人が必死で考えている中、市井はノートの事だけ考えていた。
すると中澤がポツリと言った。
「掲示板…。刑事…バン!…?」
3人とも顔を見合わせ、そして納得した。
「警察は呼ぶなって事かな…」
市井がそう呟く。
「こ、こんなのはったりや!なぁつんくさん!警察に連絡し…」
その時、またメールが届いた。
136月26日 AM10:30:2001/06/19(火) 02:25 ID:Snf1kGjQ

「件名:わかったかな
こたえは けいじ けいじ ばんっ なんてね
けいさつに いったら なっちの いのちは ないよ
ねんのために いって おくね ひとりで がんばってね」

そのメールを読んだ瞬間、外で何かの爆発音がまるで猛獣の叫びのように響いた。
「きゃーーーーーー!!!!」
中澤は叫んだ。市井は呆然としている。だが、顔は冷ややかだ。
そして、つんくは混乱する頭を落ち着かせ、市井に頼み事をした。
14ブレア娘。:2001/06/19(火) 02:28 ID:Snf1kGjQ
今日はここまでです。
感想とか書いてくれると、嬉いです。
あと、犯人予想とか(まだ、事件序盤だけど)。
15リハ中:2001/06/19(火) 02:32 ID:WOede03g
おもしれー!!

「紗」耶香は何かを知っている?・・・期待BIG!!
16ブレア娘。:2001/06/19(火) 02:39 ID:Snf1kGjQ
はぁ!漢字違ってました?
調べておくんだった…。
17モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/19(火) 03:03 ID:UMm4p.JM
オモロイYo!期待sage
18(;´ Д `)キューン:2001/06/19(火) 04:28 ID:qnSYU4XM
なんともおもしろsage
明日香ハ出テクレマスカ?
19レイク:2001/06/19(火) 07:15 ID:a1ll/PMA
いやぁ、いいっすね。期待大で。
20名無し娘。:2001/06/19(火) 16:05 ID:/1I8bmtg
OUT娘版なんて書いてみたら。いけると思うよ。
21ななっすぃー:2001/06/19(火) 21:44 ID:/3Ji2PFo
俺このドラマかなり好きだった!
鋏回しとか真似してたし(w
つい先週CD屋でサントラ見つけて思わず買っちゃったよ。
まさかここで小説になるとは・・・。
本家並にキレてる内容を期待!!

ちなみに本家では刑事の名前をモー娘。でパロってたよね。
後藤真希男、中澤祐二、市井沙俊、保田圭司・・・・(他多数)
22ななっすぃー:2001/06/19(火) 22:54 ID:/3Ji2PFo
どーでもいーけど「メールが届きました」ってのは
http://petitmoni.e-chome.net/musume2ch_459.wav
こっち?(俺のPC&携帯メール受信音)

それとも、

http://rikatiti.virtualave.net/file/up087.aif
こっち?(本家HPより)
236月26日 AM10:46:2001/06/19(火) 23:31 ID:MbxMWYpA

閑静な住宅街。その中心より少し離れたところにその家はあった。
その家はまさに豪邸と言う言葉にふさわしく、車庫には外車が何台もあった。
その家の主人の妻、石黒彩は子供が昼寝をしたのでインターネットで麻雀をしていた。
同じキーを何度も押し、いかにもいらついていた。
その石黒の携帯がなった。画面には『裕ちゃん』。
石黒は急いで携帯を手にした。
「あ、裕ちゃん?久しぶり〜!どうしたの〜いきなり電話なんて?
え?私?あ、あぁ、忙しいけど、電話くらいなら大丈夫だよ。
石黒はパソコンのモニターを消した。
「え?なっち?来てないよ。どうしたの?なっちと連絡がつかない?
そんなの良くある事じゃない。どうしたのよ?まさか何かあった?」
突如石黒の目が輝いた。
「そうなんでしょー。どうしたのよ。話してよー。
え?もう切っちゃうの?分かった。はぁーい。またね」
まだ話し足りない感じで石黒は携帯を切った。
「うふふ…」
鼻歌混じりでドレッサーに向かい化粧を始める。
「もしかして、誘拐〜なんちゃって!アハハ!テレビ押しかけてきたりしてー」
そんな独り言を言いながら買い物の用意を始める。
「ふふ…。今夜はご馳走にしよう!」
張り切って服を選ぶ最中携帯にメールが入った。
それを見て石黒は消沈した。
「1人じゃご馳走作っても、意味無いじゃんー」
そう言いながら、子供の隣で昼寝を始めた。
「つまんなーい!」
そう言いながらも、安倍の事で早く何か起きないかと胸をドキドキさせていた。
246月26日 AM10:46:2001/06/19(火) 23:34 ID:MbxMWYpA

「んー、彩の所にもいないかぁ…」
中澤は脱力し、リビングのソファに腰をおろした。
そんな中澤を後ろから2つの腕が包み込んだ。
「久しぶりやろぉ…?市井に任せて、うちらはお楽しみせんかぁ?」
耳にフッと息をかけ、中澤の反応を楽しむつんく。
「な、何言ってるんですか!つんくさん!」
咄嗟に腕を振り払う中澤。
「連れないなぁ。2人の時は呼び捨てで良いんやで」
ニヤニヤといやらしく笑った。
「もうっ!なっちの事は心配じゃないの!?」
いつの間にか、中澤は敬語を使ってはいなかった。
「だから、市井に任せるって言ってるんや。
さっきのメールで分かったやろ?犯人はこっちの状況は分からないんや。
せやろ?『ひとりで がんばってね』って。盗聴も盗撮もされてない証拠や!」
ソファに寝転びながらつんくはそう言った。
「でも、それが犯人の狙いじゃぁ…」
中澤は他人事のように話すつんくに少し苛立ちを覚えた。
「んな訳あるかい!相手はオタクやで!馬鹿に決まっとる!
それに…。まだ安倍の悪戯って言う可能性もあるんやから!」
中澤の言葉を飲み込むように強く言い放った。
「…。わかった。私、今から心当たりありそうな人に電話しまくるから」
そう言って、中澤は携帯を手にした。
…あ!通話料はんぱないやん!
「ちょ、ちょっと、家の電話使わせてもらうわ!電池切れたみたい」
そういって、リビングの隅にある電話へ中澤は向かった。
リビングの中心にある少し低めのテーブル。
そこの上にパソコンが置いてある。そして下には赤いライトが点滅していた。
256月26日 PM12:05:2001/06/19(火) 23:35 ID:MbxMWYpA

練習は一通り終わり、モーニング娘。としての活動があまり無い今、
メンバーはユニットでの仕事に向かっていた。
「おー来た来た!」
飯田はシャワーを浴びて濡れた髪を風になびかせ迎えを待っていた。
その髪が揺れるほどシャンプーのほのかな匂いが立ち込める。
ワゴンの中で加護と石川がはしゃいでいる。
と言っても、ほぼ加護1人が騒いでいるように見えた。
「ふぅ…」
飯田はため息をついた。
普段メンバーには決して見せない悲しい顔、不安な顔。
彼女は1人になった時にだけ見せる顔がある。
266月26日 PM12:05:2001/06/19(火) 23:35 ID:MbxMWYpA

…私は新リーダー…。大丈夫、大丈夫…。
何度自分に言い聞かせたかな?
サブリーダーの圭ちゃんに、色々相談もしてるけど、
圭ちゃんは圭ちゃんで悩んでるみたい。
再びワゴンを見る。近づいてくるワゴン。
…加護って、結構うるさくて、わがままなのよね…
またため息をつく。
…これから新メンバーが入ってくるんだぁ…
私なんかにまとめる事ができるの…?只でさえ、加護と辻で手がいっぱいなのに…
ねぇ、裕ちゃん。私はリーダーとして何ができる…?
276月26日 PM12:28:2001/06/19(火) 23:37 ID:MbxMWYpA

矢口も合流したタンポポは『OH−SO−RO』の収録に来ていた。
「45分から収録になりますので、よろしくお願いしますー」
スタッフがそう言い、みんなはブースでたわいもない話をしていた。
そこに、トートバッグを抱えた見覚えのある人がやってきた。
「よっ!みんな!」
サングラスをはずすと、タンポポのメンバーは驚嘆した。
「紗耶香!」
「市井さん!」
みんな口々にそう言った。
「みんなさ、ちょっと、なっちの事で話があるんだけど…」
286月26日 PM12:43:2001/06/19(火) 23:41 ID:MbxMWYpA

辻の携帯にメールが入った。

「件名:くいずです
ののー!今日、すっごい人と会っちゃった!誰だと思う〜?」

辻は怪訝そうな顔をして返信をした。

「件名:Re:くいずです
だれ?」

この間わずか一分。返信し終わると、辻は携帯をカバンの奥へしまい込んだ。
ふと、辻は飯田が言っていた事を思い出した。
「これからラジオの収録だよ〜。ラジオって好きなんだー」
時計を見るともう46分。もう収録が始まっていてもおかしくない時間だ。
5分後、再び辻の携帯にメールが入った。
不思議に思い、辻はカバンの奥から携帯を取り出した。
296月26日 PM12:43:2001/06/19(火) 23:43 ID:MbxMWYpA

「件名:せいかいは
ののー、正解はね〜。だーれだ?なんちゃって〜!
あのね、市井さんが来たんだよー。うち、超ビックリしちゃった!!!
でねでね〜、なぁんと今、ラジオの収録中なの〜。
あっ、余りメール書いてると、飯田さんに怒られちゃう〜。
それじゃ、またね〜!!!ちゅ☆」

へぇ〜。辻も少し驚いた。だが、それは市井が来たって事でだ。
収録中にメールかいてる事には驚かなかった。
心では「やっぱり」と思っていた。
306月26日 PM12:43:2001/06/19(火) 23:44 ID:MbxMWYpA

辻はメールを見終えると、後ろから脇をくすぐられた。
「きゃっ!」
手を振り解き振り返るとそこには吉澤がいた。
「よっすぃー!いじわるしないでよー」
クスクスと笑いながら辻は反抗した。
「だってー、ののって見てると、いじりたくなるんだもん〜」
吉澤もつられてクスクス笑う。
しばらく2人は笑いの耐えない会話をしていた。
すると後ろのほうで声がした。
「吉澤!そろそろ行かないと遅れちゃうよー」
保田だ。これから、プッチモニも『プッチモニダイバー』の収録があるらしい。
「ごめん!のの!これからラジオなんだ!またねっ!メールするから!」
そう言って吉澤は保田の元へ走っていった。
「まったね〜」
辻は元気良く2人を見送った。
…ラジオか。良いなぁ。
辻は正直にそう思った。
31ブレア娘。:2001/06/19(火) 23:53 ID:MbxMWYpA
ここまでです。これ、一応29日で終わる予定なんで、毎日更新かもです。
次の更新で、事件が動き出します。なんか、次回予告だ(w。

>>モー娘。板に名無しさん(羊)さん
これから、盛り上がる予定なんで、期待してください。あ、でも、あまり期待されると…(w

>>(;´ Д `)キューン さん
明日香はですねぇ…。どうでしょう?
更新は早いので、その目で確かめてください。

>>レイクさん
こっちまで来てくれて、ありがとう!あっちは、あっちで更新がんばりやす!

>>20
あぁー、それこの小説終わったら書こうかと思ってたんですよー!
ネタバレだから却下ですね(w

>>ななっすぃーさん
僕もあのドラマ好きでした。あれほどキレては行かないような気が…(w。
できるだけ、怖くはしますけど。「メールが〜」は、特に意識はしていません。
32レイク:2001/06/20(水) 11:38 ID:S0OpmxH.
つんくと中澤の関係とは…??
気になる。OUT娘版よかったら書いて欲しいなぁ…。
絶対ブレア娘さんならいけると思うけど…。
33名無し娘。:2001/06/20(水) 21:54 ID:LwsbOqJE
ブレアも早く頼むYO!
34モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/20(水) 22:22 ID:SSyiLZow
毎日更新ですか…頑張って下さいね。大変とは思いますが。
356月26日 PM13:06:2001/06/20(水) 23:24 ID:07wuhCIA

会話なんて無い。私がMDを聞いてるから。
それでなくても会話なんて無いわ。話す事なんて無いもの。
吉澤と私を乗せたワゴンは只、車の揺れる音がするだけ。
もうすぐ後藤が乗り込む。そしたら、私の居場所は無くなる。
横でマンガを読んでいる吉澤も後藤が来れば楽しく喋るんだろう。
羨ましくなんてない。話す事なんてないから…。
「あの…このマンガ面白いんですよ〜。保田さんも読みませんか…?」
今、吉澤が恐る恐る話し掛けてきた。
でも私は無視た。だってMD聞いてるから…。
私は只前を見てるだけ。だって横を向けば…話をすれば…吉澤の顔が見えちゃうじゃない。
私は見たくないの、誰も…。
ほら、吉澤だってまたマンガを読み始めたわ。良いのよこれで。
「おはっよ〜」
あ、後藤が乗ってきた。うるさいお喋りが始まるわ。
MDのボリューム上げなくちゃ…。アレ?アレ?
あ、そうか…。最初からMDなんて入ってなかったんだっけ。
私が聞いているのは空のMD。
話し掛けられたくないから…。そう、話し掛けられたくないから…。
それでも2人の会話は聞こえない、聞かない…。

保田は手に持っていたカメラをずっと拭いていた。
366月26日 PM13:30:2001/06/20(水) 23:26 ID:07wuhCIA

一通り電話をし終わった中澤は見るからに疲れていた。
「どうやった?なんか手がかりあったか?」
ブンブンと首を横に振る中澤。
「そうか…」
つんくもさすがに不安の色を隠せない。
すると中澤がリビングから出ようとした。手には携帯を握っている。
「お!裕子!どこ行くんや?」
「ちょ、ちょっとトイレに…」
そう中澤が言うと、そそくさとリビングを出て行った。
「携帯電池切れたって言ってなかったっけ…?」
つんくは首をかしげた。
その時家の電話が鳴った。
つんくは急いで電話を取った。
「市井か?」
市井はタンポポが安倍について何も知らないことを伝えた。
そして市井は不満や愚痴をつんくにぶつけた。
「まぁそう言うなや。今度あれの埋め合わせするから。ほな、がんばり〜」
つんくは電話を切った。
376月26日 PM13:30:2001/06/20(水) 23:26 ID:07wuhCIA

「…」
市井はバッグの中のノートを見つめた。
…次に行くか…
38回想:6月26日 10:30:2001/06/20(水) 23:27 ID:07wuhCIA

市井は今朝、つんくにこう言われた。
「市井、今日みんなの所に行って安倍の事聞いてきてくれんか?
もしかしたら安倍の悪戯かも知れへんし…」
市井はノートを見つめ仕方なく了承した。
396月26日 PM13:30:2001/06/20(水) 23:28 ID:07wuhCIA

…みんなに挨拶していくか…
ブースに入った市井はふと疑問を感じた。
「あれ、収録は?ってゆうか、加護は?」
「あいぼん、トイレに行っちゃったんですよ〜」
あっそ、と市井は相づちをしてその場を去った。
「またね〜、圭織、矢口〜」
みんな手を振って見送る中、石川はひときわ元気に手を振った。
406月26日 PM13:30:2001/06/20(水) 23:29 ID:07wuhCIA

そのころ辻にはメールが届いていた。
…よっすぃーかな?
しかし、画面には『加護亜依』と表示されている。
辻はうんざりした顔で電源を切った。
416月26日 PM13:52:2001/06/20(水) 23:30 ID:07wuhCIA

カシャッ!カシャッ!
『プッチモニダイバー』収録の休憩に、保田は写真を撮った。
しかし、決して人物は写らない。只、無機質な物体が被写体の撮影。
「保田さんってカメラ好きですよねー。10人祭りの時も撮ってましたし」
吉澤が近づいてくる。
「そうね」
保田は淡々と答える。
426月26日 PM13:52:2001/06/20(水) 23:30 ID:07wuhCIA

カシャッ!カシャッ!
その音は、保田の内に秘めた言葉にも聞こえた。
「そ、そう言えば保田さんって、映画も好きでしたよね?」
なんとか話を盛り上げようとする吉澤。そんな彼女はどこかいじらしかった。
「そうね…」
保田はふと思い出した。
…そう言えば、私、なっちにDVD貸したまんまだった。
テレビでも言ったのに忘れているなんて…。
「たまには、良い事言うのね」
それは保田の精一杯の感謝の言葉だった。
吉澤が悲しそうに立たずんでいると、後藤が吉澤を手招きした。
吉澤は少し躊躇しながらもスタスタ歩いていった。

…最初から後藤といれば良いじゃない…
436月26日 PM14:23:2001/06/20(水) 23:33 ID:07wuhCIA

「ふぅ〜、やっと終わった〜」
背伸びするタンポポの面々。
「まったく〜、加護が途中でトイレなんか行くからだよ〜」
矢口は叱るようにそう言った。石川がうんうんと頷く。
…リーダーとしてフォローすべきかな…?
「でも、お陰で紗耶香にバイバイできた訳だし。良いじゃん〜」
石川がまたうんうんと頷く。
44回想:6月26日 13:30:2001/06/20(水) 23:35 ID:07wuhCIA

「すいませーん、ちょっとトイレ行きたいんですけどー」
そう言い、1時半頃、収録を一時中断させた加護。
…ののから返事がこない…
ののは私の事、嫌いなのかな…
加護は再び辻にメールを出した。
…早く帰らないと怒られちゃうね…
加護は急いで戻った。
456月26日 PM14:23:2001/06/20(水) 23:36 ID:07wuhCIA

「ねぇみんな。なっちが体調悪いって紗耶香が言ってたじゃん?
お見舞いでも行かない?『おねモー』の収録まで時間あるし」
飯田が言った。それはリーダーとして言ったのだろうか。
「えー、いいじゃん、別にー」
…他人の事なんて気にしてられない…
矢口は間髪入れずに断った。
「あ、私もちょっと用事があるんですよ」
…ののに会いたいな…暇してるやろうし…それに…
加護も断った。
「あ…あ…わ、私も家で用事が…」
…安倍さんと…あんまり話したことないんだよね…それにわざわざ行かなくても…
「わかった…。」
飯田はガクッと肩を落とし、しょんぼりした。
46ブレア娘。:2001/06/20(水) 23:38 ID:07wuhCIA
ここまでです〜。進展ないです〜!
毎日更新目指すと、ストックが…。がんばります!
感想&予想まってます〜!
47レイク:2001/06/20(水) 23:51 ID:l.3FVrks
こんばんわ〜ブレア娘さん。
早速読ましていただきました。
みんなの関係図が徐々に見えてくる感じがいいっす。
ムリせずがんばってくださーい。
48リハ中:2001/06/21(木) 05:02 ID:.pq9Mowc
圭ちゃんが・・・(泣)。ID、「CIA」カコイイ!
49ポルノ:2001/06/21(木) 15:54 ID:a4SJjr9k
今日一通り読みました。
メンバーの内に秘めた思いがなんかおもしろいっす。
更新あっちもこっちもがんばってくだサイ。
50リハ中:2001/06/21(木) 20:25 ID:6iXh92po
>>49
>更新あっちもこっちも

 あっちはどこやったっけ?忘れてもうた・・・。 
51名無し娘。:2001/06/22(金) 22:32 ID:.vS7oiNw
保。
526月26日 PM16:32:2001/06/22(金) 23:34 ID:XB6xN4nQ

東京都心のマンション。ここが安倍の自宅だ。
さすがは一流アイドルといったおもむきの外観だ。
保田はそれを見上げながら1枚写真を撮った。
「結構良い家よね」
感心していると、後ろの方で「あれ〜」と言う声がした。
「圭ちゃん〜。どうしたの〜?お見舞い?」
そう、飯田だ。
「圭織?」
2人はあまりの偶然に爆笑した。
536月26日 PM16:32:2001/06/22(金) 23:35 ID:XB6xN4nQ

「…へー。DVD貸していたんだぁ」
「そうよ。だから今、暇な時間に返してもらおうかなって。アハハ」
保田は久しぶりに笑った自分が少しだけ恥ずかしくなった。
「え…あ、か、圭織!何その大きなカバンー!」
話を変えて気を紛らわそうとした保田。
「え…あ、ちょっとね〜」
飯田は照れながら笑っていた。
546月26日 PM16:32:2001/06/22(金) 23:36 ID:XB6xN4nQ

ピンポーン!
安倍の家のインターホンを押す保田。しかし、返事はない。
「おかしいなぁ。吉澤が『家にいる』って言ってたのに」
保田は何度もインターホンを押した。
飯田はドアノブをガチャガチャしている。
すると、飯田が、
「あ、ごめん、圭ちゃん。鍵開いてた…」
申し訳なさそうに笑う飯田に保田も呆れた。
「それにしても、不用心だね」
保田は怪訝そうな顔をして中に入った。
「なっち〜?私と圭織が来たよ〜?なっち?」
しかし、返事はない。
2人は顔を見合わせた。
「そう言えば、今日、紗耶香がなっちの事、聞きに来たんだよね」
飯田が言った。
…ふぅん。
保田は軽く相づちした。
「まぁいっかぁ〜。DVD探そうよ、圭ちゃん〜」
飯田は安倍の部屋をいじくり回していた。
「圭織…」
さすがの保田も怒る気が失せた。
さっさとDVDを返してもらおう、保田はそう思ったが、
久しぶりに安倍の家に来たせいか、心が少しだけ弾んでいた。
556月26日 PM16:32:2001/06/22(金) 23:37 ID:XB6xN4nQ

カシャッ!カシャッ!
保田は安倍の部屋をカメラで撮っていた。
「圭ちゃん?」
フレーム越しに飯田が聞いてくる。
カシャッ!
「あ、あぁごめん。さっ、DVD返してもらおう」
56ブレア娘。:2001/06/22(金) 23:38 ID:XB6xN4nQ
あとで、また、更新します。
57レイク:2001/06/23(土) 00:00 ID:fQFZaLrs
いいっすね。家宅侵入。いったいなっちは何処へ…。先が気になりまっす。
586月26日 17:02:2001/06/23(土) 01:17 ID:pNPDB/tI

飯田も保田も安倍の家から直接日本テレビの収録へやってきた。
こうして見ると、かなり多忙の毎日だ。
もうスタジオ前ではメンバー全員がそろっている。
リーダー、サブリーダーそろって遅刻してはならないと思い、
飯田と保田は走ったせいか息切れをしている。
「飯田さーん、保田さーん、どうでした?安倍さんの部屋?」
さっきまで、家に帰っていた石川が嬉しそうな顔をして保田に聞いてきた。
「…」
保田は無視した。別に石川には関係ないと思ったからだ。
それでも返事を期待している石川を見た保田は、仕方無しにこう言った。
「いなかった…」
すると石川は心配そうに、
「そーですかぁ。安倍さん助かると良いですよね」
石川はとても嬉しそうだった。
「あ、そうだ。あと、これ…」
石川はポケットから2枚のカードを取り出した。
「これ、『おねモー』のテレホンカードなんですって。番組の方がみんなにくれたんです。」
飯田と保田はそれを手にすると、各々こう思った。
…今さらテレホンカード…?
「あと、飯田さん。あいぼんが今度ショッピング行きましょうって言ってましたよ」
「え?」
…なんで私が…辻と行けばいいじゃない…。わがまま…
596月26日 PM17:41:2001/06/23(土) 01:18 ID:pNPDB/tI

時間がたつに連れてますます騒がしくなる。
その中心で加護と辻が会話をしていた。
「でさ〜、おもしろかったんよ〜!」
「へ〜」
はしゃいでる加護とは裏腹に、辻はうわの空だ。
するとスタッフが加護の名前を大声で呼んだ。どうやら打ち合わせがあるらしい。
「じゃぁね、のの!あとでね〜!」
小刻みに手を振り走ってスタッフの元に走る加護。
…メールの事、怒ってないのかな?
辻は不思議に思った。
普通のメールを無視したことならまだしも、収録中にお忍びで送ったメールだ。
これを無視されて加護が何か言ってこないのはおかしい。
そう思いながらも、辻はメールを見ようとはしなかった。
606月26日 PM17:41:2001/06/23(土) 01:18 ID:pNPDB/tI

「ねぇ、辻」
辻が振り返るとそこには後藤がいた。
「あ、後藤さん…」
さすがの辻でも後藤の前では緊張するみたいだ。
「なんかさ、やぐっつぁんって怖くない?」
突然酷い事を言ってきた。
「なんかさー、みんなの事いっつも睨んでるしさ。
辻は気付いてないかもしれないけど、辻も睨まれているんだよ」
えっ、と辻は驚いた。今まで気付きもしなかった。
…そう言えば最近、矢口さんの笑った顔見てない…
辻は心配になり矢口を見つめていた。
すると、矢口と目が合い、すさまじい形相で睨んできた。
びくっと体を震わせて目を逸らした辻を見て後藤は笑った。
「ハハハ!でしょ?」
61次回予告:2001/06/23(土) 01:26 ID:pNPDB/tI

「メールが届きました」

「…頭悪い…」

「私、なっちのいる場所、心当たりあるわ!」

「いのちは ないよ」

…あ〜あ、痛そう〜。

「…そんな事ない…」
62ブレア娘。:2001/06/23(土) 01:33 ID:pNPDB/tI
ここまでです。感想、予想まってま〜す。
63モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/23(土) 03:43 ID:pRwmHcLg
これからどうなるんだ…先が全く読めん…ブレア娘。さん明日も頑張ってね(w
64ブレア娘。:2001/06/23(土) 03:47 ID:pNPDB/tI
あ、眠い…(w。

>>モー娘。板に名無しさん(羊)さん
今は伏線を張りに張っています!
細かなことでも今後の展開にかなり関係してきます。
明日もがんばります
65名無し娘。:2001/06/23(土) 10:14 ID:4sQgEH/s
微妙にギクシャクしてる人間関係
みんなどこか壊れてる

>>58の石川のセリフが気になるな・・・
666月26日 PM17:45:2001/06/23(土) 16:54 ID:pNPDB/tI

…あ、加護が走ってる。
飯田はメンバー全員を見渡していた。
…リーダーとして、もっとみんなの事知らないとね。
…辻がごっちんと話してる。めずらしー!いつの間に仲良くなったんだ?
まぁ辻のほうが、まだ騒がしくないからね…
再びチラッと加護を見る。
すると、その瞬間吉澤と加護がぶつかった。
…あ〜あ、痛そう〜。加護もちゃんと、前見なきゃ〜。
加護が吉澤に頭を下げる。吉澤は怒ってはなさそうだ、笑顔で答えている。
…仲良しが…一番だよね…
飯田はしみじみそう思った。
…あれ?なんで矢口、吉澤の事あんなに睨んでるの?
ふと目を向けた先には矢口がいた。
…圭ちゃん、カメラ好きだよね。でも、何撮ってるんだろう?
保田は誰いない方向をカメラにとっている。
…そろそろ始まるかな?
676月26日 PM17:45:2001/06/23(土) 16:54 ID:pNPDB/tI

あともう少しで『おねモー』の収録が始まる。

その時、メンバー全員に加え中澤、市井、石黒の元にメールが届いた。
そのメールには題名が「みんなへ」と書かれ、HPのアドレスだけが書かれていた。
686月26日 PM17:45:2001/06/23(土) 16:55 ID:pNPDB/tI

トイレから戻ってきた中澤が顔色を悪くしてリビングに入ってきた。
それと同時に、
「あ!つんくさん!私、なっちのいる場所、心当たりあるわ!」
と言うと中澤は外に出る用意をしだした。
「お、おい!裕子。なんやいきなり、ちょい待ちぃ…」
つんくの引き止める声も聞かずに中澤は玄関を飛び出た。
窓のから覗くと、中澤が走っていくのが見える。
すると、突然タクシーが登場し中澤は急いで乗った。
「あいつ、いつの間にタクシー呼んだんや?」
その問いには誰も答えなかった。
696月26日 PM17:52:2001/06/23(土) 16:55 ID:pNPDB/tI

スタジオでは加護、吉澤、石川以外のメンバーがスタンバイしている。
彼女たち3人は楽屋でお茶をしながら談笑していた。
「今日は2本撮りだね〜。めっちゃ疲れる〜!あ、携帯、電池なくなっちゃった〜!」
加護が前髪を整えながらぼやく。
「そうだね〜。この前は9人全員でやったのにね〜。
今回は5人かぁ。安倍さん、大丈夫かなぁ?」
安倍は体調不良と言う事で、番組は納得してくれたようだ。
「よっすぃーはごっつあんが一緒じゃなくて寂しいでしょ〜?」
石川が親しげに吉澤に話し掛ける。
「…そんな事ない…」
一瞬にしてその場のムードが変わった。
706月26日 PM17:52:2001/06/23(土) 16:56 ID:pNPDB/tI

石川はどうして吉澤が暗くなってしまったのかが分からなかった。
話を逸らそうと石川は頭を働かせた。
「そ、そーいえば、三人祭りの衣装って露出激しいよね〜。さっき着て恥ずかしかった〜。
あいぼんも、さっきの練習の時、着ればよかったのに〜。
そう言えば私、1回もあいぼんが衣装着てるの見たことない〜」
石川の中ではこの上ない良い話題だと思った。だが返事はない。
「ねぇ、あいぼ…」
「無視しないでよ」とは言えなかった。
それでも反応がないのが寂しく、
加護の名を呼ぼうとしたが、加護はジッと吉澤を見つめている。
石川はお茶を一気飲みした。
716月26日 PM17:59:2001/06/23(土) 16:57 ID:pNPDB/tI

『おねモー』の収録が始まった。
出演するのは、辻、飯田、矢口、後藤、保田。
今回は風船占いらしい。皆、楽しそうに番組を盛り上げる。
726月26日 PM18:01:2001/06/23(土) 16:57 ID:pNPDB/tI

「メールはもう来ないみたいやな…」
つんくは、ホッと胸をなで下ろした。
しかし、その胸は再び恐怖で震える事になる。
「メールが届きました」
間髪なくパソコンの画面を見つめた。
件名はやはり「くいずです」だ。
つんくは、恐る恐るメールを開いた。
736月26日 PM18:01:2001/06/23(土) 16:58 ID:pNPDB/tI

「件名:くいずです
よしざわを もーにんぐむすめから だったいさせろ
さもないと よしざわの いのちは ないよ」
746月26日 PM18:01:2001/06/23(土) 17:15 ID:kFRV5yv.

つんくは腰を抜かした。
フローリングの床は冷たく、体温を全て奪われそうだ。
今が『おねモー』の収録である事をスケジュールで確かめると、つんくは電話を手にした。
…スタッフに電話を…
だが、つんくは電話を元に戻した。
…スタッフが犯人かも知れへん…。
今度は現メンバーの携帯に電話をかけた。しかし、誰1人出ない。収録中だからだ。
…どうしてだ!
自分自身の中で葛藤がおきた。
…どないしよぅ…裕子…
その瞬間ハッと我に返りつんくは中澤に電話をした。
756月26日 PM18:01:2001/06/23(土) 17:15 ID:kFRV5yv.

「はいはい」
中澤の少し気の抜けた声が聞こえた。
「た、大変なんや!」
つんくはメールの事を話した。
「え…吉澤が!?」
中澤の驚いた声は非常に大きく、携帯を離さなければ耳が痛くなりそうだ。
「どうしたら良え?」
つんくは明らかに混乱している。唯一の犯人との接触者ゆえのプレッシャーなのか。
「帰ってきてくれや!!」
つんくはそう哀願した、が、
「ご、ごめん…。私、行かなきゃいけなくて…紗耶香にでも電話したら?」
そう中澤が言った途端、つんくは携帯を切り、市井に電話をした。
766月26日 PM18:01:2001/06/23(土) 17:15 ID:kFRV5yv.

「市井!とにかく、日本テレビのスタジオまで行け!」
あまりに突然で市井も驚く。
「どうしたんですか?」
つんくは、話を要約して話した。
すると、市井がおどけた声で聞いてきた。
「つんくさん…?吉澤には電話したんですか?」
「あ…」
つんくは間の抜けた声を思わずだし、携帯を切った。
「…頭悪い…」
市井は煙草の煙をフッとはき、それまでいたマクドナルドを後にした。
「『行け!』ね…。」
市井はうんざりした顔で言う。
「これからが、本番ね」
77次回予告:2001/06/23(土) 17:19 ID:kFRV5yv.

「どうしたの?梨華ちゃん?」


『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』

「ケケケ」
「使えなーい!キャハハ!」


私がここの管理人。
更新待ってマース!
78ブレア娘。:2001/06/23(土) 17:19 ID:kFRV5yv.
なんか、多重カキコとかで、大変でした…。
感想まってまーす!
79リハ中:2001/06/23(土) 17:43 ID:Bu1BR6FU
 今はバラついてる様に感じるストーリーが、これから1本の線に
なっていく事を想像したら、コーフンするよ。

 ストーリーの予想なんてせずに、ココロを開いて待ってるぜ!
 ドキドキさせてな。
80モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/23(土) 18:05 ID:VagyNkro
続きが気になる…娘。みんな腹黒そうで犯人がわからん…
81リハ中:2001/06/23(土) 19:18 ID:Bu1BR6FU
>>80
でも、まだハッキリした事件が起きたワケじゃあないという・・・。

 なっち、いずこへ・・・?
82名無し娘。:2001/06/24(日) 02:25 ID:uZvM9bpU
これ読んでるやついるのか?全然書き込みねぇぞ(藁
83名無し娘。:2001/06/24(日) 02:47 ID:bHiiyLVE
なかなか面白い
84レイク:2001/06/24(日) 03:11 ID:UOUxcPyE
犯人はなっち。って、元ネタどおりやん(w
だから、う〜ん…つんくの秘蔵っ子辻が犯人。
85ななっすぃー:2001/06/24(日) 03:24 ID:0BR9E.0s
石川はフェイクであってほしい・・・
86ポルノ:2001/06/25(月) 01:21 ID:Q6iubkGA
えっと、ですね犯人は姐さんです(爆
阿呆な事書いてすいません・・・
がんばってください!
87昔レッド ゼッツリン:2001/06/25(月) 03:51 ID:8GsLyNLk
犯人は◯◯じゃない?ってゆうレスをするとブレア娘。さんが書きづらくなる
んじゃね?と言うわけで犯人は石黒の子供。
88ポルノ:2001/06/25(月) 18:23 ID:LTq2qQuw
>>87
そうですね・・・。
ホンマすんません。。。
まあ、こういうのに犯人当てはつきもんですから・・・

気にせず、やってください。。
89モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/25(月) 19:33 ID:BoUldhJI
まあまあ…>>14でブレア娘。さんも犯人予想してねって言ってるし…
今日の更新はまだかな?
90名無し娘。:2001/06/26(火) 00:10 ID:FtCLlF5M
面白い!
犯人は誰じゃ?
91名無し娘。:2001/06/26(火) 02:11 ID:pMxv6olM
これさ、犯人なっちだったら、萎えるね
92名無し娘。:2001/06/26(火) 02:22 ID:717vcRn2
今まで気づかなかったけどオモロイねこの小説。
期待sage
93三村:2001/06/26(火) 02:27 ID:pMxv6olM
期待するならageろよ!
94名無し娘。:2001/06/26(火) 02:28 ID:717vcRn2
ageたら厨房が荒らすだろ馬鹿
95名無し娘。:2001/06/26(火) 03:43 ID:FlZMmasI
>>94 おみゃーがあげとるやんけ。欝出氏ヌベキ
96名無し娘。:2001/06/27(水) 06:03 ID:htRq7nEM
29日に終わるって宣言してるけど、大丈夫なのか…?
明日終わるって事じゃなくてMステ出演日に、つまり小説内の設定の日付けが29
日になるまで続くって事じゃね?多分。
98リハ中:2001/06/28(木) 08:35 ID:6dgqCDoE
>>97
だな。
996月26日 PM18:07:2001/06/28(木) 16:24 ID:42JaNjmo

10人祭りの着信音が楽屋に響く。吉澤の携帯だ。
画面には『つんくさん』と表示されている。
「はい、もしもし…」
「よ、吉澤かぁ…良かった…」
つんくの声が聞こえる。つんくは、安倍の事、そして吉澤が狙われている事を話した。
「え!安倍さんが!それに、なんで私が!?」
吉澤の握っている拳に力が入る。
「今、そこには誰がいるんや?」
「えっと、あいぼんと梨華ちゃん…梨華ちゃん寝てますけど…」
「いいか、吉澤!絶対楽屋から出るなよ!絶対だぞ!」
「はい…」
加護は心配そうに吉澤を見つめていた。
1006月26日 PM18:07:2001/06/28(木) 16:24 ID:42JaNjmo

時を同じくしてここはインターネットカフェ。
サングラスをかけた中澤がそこにはいた。
手元には先ほど届いたメールが表示されていた。
中澤のパソコンの画面にはおどろおどろしい文字でこう書いてあった。
『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』
1016月26日 PM18:13:2001/06/28(木) 16:25 ID:42JaNjmo

「何これ…」
石黒のパソコンの画面に『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』が映る。
102回想:6月26日 PM17:45:2001/06/28(木) 16:25 ID:42JaNjmo

「よっしゃ!リーチ!」
昼寝を終えた石黒は再びインターネット麻雀を始めていた。
その瞬間、石黒の携帯のメール着信音が鳴る。「たんぽぽ」だ。
しかし石黒は夫からのメールだと思い、その時は見なかった。
だが、なかなかツモれず、その苛立ちを晴らそうとメールを見た。
アドレスだけが書かれているメールを、始めは迷惑メールだと石黒は思った。
…でも、なんかいつものと様子が違う?
そのアドレスを携帯で見ようとしたが、容量が大きすぎて見れなかった。
仕方無しに、パソコンにそのアドレスを打ち込んだ。
1036月26日 PM18:13:2001/06/28(木) 16:26 ID:42JaNjmo

石黒の胸は高鳴っていた。
…これから面白くなる…
HPには今まで起きた事や、ついさっき、つんくの元に来たメールの内容も書いてある。
掲示板やチャットもあるが、まだ参加者はいないようだ。
管理人だけの発言だけがそこにはあった。
1046月26日 PM18:13:2001/06/28(木) 16:26 ID:42JaNjmo

題名:『モーニング娘。誘拐事件 実況生中継』開催
投稿者:SILVA

私がここの管理人。
これから随時情報を公開していくね。
後で予想コーナー作るから待っててね。

6月26日 17時49分
1056月26日 PM18:13:2001/06/28(木) 16:27 ID:42JaNjmo

石黒は「ケケケ」と笑い声を上げて書き込んだ。

題名:最高!
投稿者:深夜

更新待ってマース!
なんか私、ドキドキしてきちゃいました!

6月26日 18時15分

石黒はもう一度「ケケケ」と笑い、何度も何度も更新ボタンを押した。
インターネット麻雀では、石黒がツモったまま止まっていた。
1066月26日 PM18:34:2001/06/28(木) 16:27 ID:42JaNjmo

「ふぅ〜、休憩休憩〜!」
後藤が気だるそうに楽屋のほうへ向かって行った。
その後から、メンバーがぞろぞろ歩いてくる。
「あ、つんくさんから着信があった〜」
黄色い声をあげ、後藤が嬉しそうに奇声をあげる。
だが、他のメンバーにも着信がある事が分かると、後藤はトーンダウンした。
「わ、私がかけるからね!」
後藤は、そう皆に言うとつんくに電話をした。
1076月26日 PM18:34:2001/06/28(木) 16:32 ID:42JaNjmo

「あ、つんくさん?」
「おお!後藤か!もう収録終わったんやな?」
「いえ、まだ休憩中ですけど…」
「そうか…。みんなに異常はないんやな?」
「え?あ、はい。何も…」
つんくにだけに見せる従順な顔。それが鼻につくメンバーは多いだろう。
「良かったぁ…。ほな、ちょっと吉澤に代わってくれへんか?」
後藤は一瞬ムッとした顔をした。
「え?よっすぃーですか?いませんよ」
電話越しでつんくが慌しくなった。
「ど、どーゆー事やっ!楽屋にいたメンバーはどこや!」
つんくが大声で怒鳴ると、メンバーが一斉に後藤の携帯を見る。
「えっ!あ、えっと、梨華ちゃんがいますけど…。そういえば加護もいないです」
つんくの脳裏に不吉な考えが巡った。
…まさか、2人とも…?
「い、いいか!急いで、その2人を探すんや!」
「な、なんでですか?つんくさん…。飲み物でも買いに行った…」
「いいから!」
最後に「あとで、詳しく説明する」と言い残し、つんくは電話を切った。
「ねぇ、みんな…」
後藤がつんくに言われた事をメンバーに話す。
1086月26日 PM18:34:2001/06/28(木) 16:33 ID:42JaNjmo

「加護と、吉澤って、よく2人でいなくなるよね。だから、心配いらないんじゃない?」
矢口が爪をいじりながら言う。
「そーいえば、そうですよね…」
辻がポツリと言う。
「ってゆうか、石川起こそうよ」
保田は突然石川を揺さぶり起こした。
すると、石川が目をこすりながら言った。
「あれ…?私寝ちゃったんですか…?」
誰もそれに答えず飯田が問い詰める。
「石川、あんた、吉澤と加護、どこ行ったか知らない?」
石川は一瞬寂しそうな顔をした。
「え…あ、あの…私、お茶飲んだらいきなり眠くなって…その…」
109回想:6月26日 PM17:52:2001/06/28(木) 16:33 ID:42JaNjmo

お茶を一気に飲み干した石川は突然睡魔に襲われた。
「どうしたの?梨華ちゃん?」
吉澤が聞いてくるも、睡魔に勝てない石川は、
「ごめん…ちょっと、寝て良い?」
そう言うと返事も聞かずに目を閉じた。
「あ、わ、私も眠くなってきた…」
加護の声が聞こえた。
1106月26日 PM18:34:2001/06/28(木) 16:34 ID:42JaNjmo

「あ、あいぼんも寝ちゃったんです〜!」
「使えなーい!キャハハ!」
矢口があざ笑う。
「睡眠薬…?」
飯田が推理した。と言うか、それ位は辻にも想像がついた。
「わ、私、あいちゃんに電話してみる!」
辻が携帯で電話をかけた。
「あ、のの〜。あいぼんの携帯は、電池が…」
「コールしてるのに出ません」
辻が残念そうにそう言う。
「よっすぃーにもかけたらどうです…?」
「よっすぃーも駄目みたい」
石川が恨めしく後藤をにらむ。
「仕方ない…。探そ…」
後藤がそう言うと、皆だるそうに楽屋を出た。
111ブレア娘。:2001/06/28(木) 16:37 ID:42JaNjmo

更新遅れてすいません!
もう一個の方も遅れているので、そっち、更新してからまたやります!
「次回予告」は、これ以上ストックがないので、今回は見逃してください〜。
112モー娘。板に名無しさん(羊):2001/06/28(木) 20:56 ID:0LUbfz6o
売れっ子作家は大変ね(w
ぼちぼちでもいいんで更新頑張ってちょ。
113 :2001/06/29(金) 09:14 ID:mDLQcAKY
114名無し娘。:2001/06/30(土) 04:12 ID:tics82V.
sage
115モー娘。板に名無しさん(羊):2001/07/01(日) 01:06 ID:THZCWuEU
保全age。くそったれが荒らしてるので…
116名無し娘。:2001/07/01(日) 02:07 ID:fh65xubc
むしろお前の方が荒らしてるように見えるがな
117 :2001/07/02(月) 06:19 ID:EXVpy6eg
118 :2001/07/03(火) 07:15 ID:V1PqTWpk
119 :2001/07/04(水) 07:26 ID:QxNn2e3.
120レイク:2001/07/04(水) 23:34 ID:eyrjiK6o
がんばってください。応援してます。
121 :2001/07/05(木) 13:37 ID:uOSyH2nA
122 :2001/07/06(金) 02:14 ID:ehf7dCYg
123_:2001/07/09(月) 00:00 ID:wUmpanPA
hozen
124名無し娘。:2001/07/09(月) 03:49 ID:eewXdLdw
前の終わらせてから書いて欲しかったよ・・・。
結局どっちも放置なの?
125名無し娘。:2001/07/10(火) 00:48 ID:jCk3TSxU
これで更新されなかったら・・・
毎日保全してくれてる方々がかわいそう。
126名無し娘。:2001/07/10(火) 11:44 ID:i5bVa3kw
>>125
つーかもうブレアは放置しろよ。
dat逝きにしちまえ、両方とも。
1276月26日:PM18:42:2001/07/10(火) 18:41 ID:BFk2YNhU

テレビ局を歩きながら加護と吉澤を探す娘たち。
「いないですね…」
辻がほそぼそと言う。
「どこいっちゃったんでしょうね〜。あいぼんとよっすぃー」
石川はどこか楽しげだ。
「そうだ!亜依ちゃんにメールだしてみる!」
辻が一瞬にしてメールを打ち始めた。
「送信っと!」
「返事が来るといいね〜」
そんな石川を無視した辻。そして不思議な顔をした。
「メールが返ってきちゃった…?」
1286月26日 PM18:42:2001/07/10(火) 18:48 ID:BFk2YNhU

飯田と保田はテレビ局のスタジオを探しに行った。
「いないね…加護と吉澤…」
飯田が心配そう顔でそう言う。
「そうね…」
そんな事保田には関係なかった。
すると飯田が、
「あ、圭ちゃん!ごめん!楽屋に忘れ物しちゃった!戻る!」
飯田が風のごとく道を戻って行った。
1296月26日 PM18:42 :2001/07/10(火) 18:49 ID:BFk2YNhU

後藤と矢口は会話もなくただ歩いていた。
「よっすぃーどこかな?」
後藤が気を配りそう言ってみたが矢口は無視した。
「ねぇ、やぐっつあん?」
酷い人相で周りを見ている矢口。
…やっぱ、こえ〜…
その後、2人の間には会話はなかった。
130ブレア娘。:2001/07/10(火) 18:50 ID:BFk2YNhU
>>ALL
すいませんでした。試験に仕事などとたて続きで忙しくなってしまって。
だいぶ、いやかなり更新遅れてしまいました…。
よかったら、まだ見てやってください。
1316月26日 PM18:54:2001/07/10(火) 18:59 ID:BFk2YNhU

不機嫌そうな顔をした後藤が一瞬にして笑顔に変わった。
その目線の先に市井がいたからだ。
「よっ!」
「いち〜ちゃん!!!」
矢口は未だに不機嫌そうな顔だ。
「なんか大変なんだって?私も付き合おうよ」
そう言うと市井はスタスタと歩いていった。
「あ、あとね、さっき裕ちゃん見たよ」
市井が来た方向をチラッと見ながら言った。
「え、裕ちゃんが…?」
矢口が久々に発した言葉だった。
1326月26日 PM18:54:2001/07/10(火) 19:01 ID:BFk2YNhU

…なんで私がこんな事しないといけないのよ。
市井は心底そう思っていた。
…こんな事無意味だ。
後藤がしきりに話し掛けてくるが、その返事も曖昧になっている。
1336月26日 PM18:54:2001/07/10(火) 19:02 ID:BFk2YNhU

その瞬間、遠くで石川の叫び声が聞こえた。
「何!?」
後藤が少し焦った顔で言った。
「行ってみよう!」
市井は矢口と後藤の手をとって走り出した。
1346月26日 PM18:59:2001/07/10(火) 21:05 ID:lQmu2e6.

テレビ局の方にある階段の踊り場で石川は腰を抜かしていた。
石川は体中を振るわせながら、涙目になっていた。
その声につられて、テレビ局のスタッフなどが集まりかけていた。
そんな中、中澤、保田、飯田、辻、そして市井らの順で集まった。
「すいませーん!うちの石川がお騒がせしました!
なんでもないんで、皆さんはお仕事に戻ってください!」
中澤は咄嗟に頭を働かせ、スタッフを遠ざけた。
「裕ちゃん!なんでここに!?」
飯田が大声でそう言った。
「あ、ああ、ちょっとな…」
頭をポリポリ掻きながら答えた。
「あれ?石川、辻と一緒じゃないの?」
保田が、自分よりも後ろにいる辻を見ながらそう言った。
135回想:6月26日 PM18:50:2001/07/10(火) 21:06 ID:lQmu2e6.

「んー、何度やっても亜依ちゃん出ないや…」
辻が携帯をいじりながら言う。
「どうしてだろうね〜。なんでだろう〜?」
首をかしげて石川が考えていると、辻は、
「あ、梨華ちゃん。私、トイレ行ってくるね。先に行ってていいよ」
そそくさとトイレへ走っていく辻。
136回想:6月26日 PM18:50:2001/07/10(火) 21:06 ID:lQmu2e6.

うつむきながらトボトボと
歩いていく石川は、階段に辿り着いた。
石川は、まるで何かに誘われているかのように階段を降りたのだった。
1376月26日 PM18:59:2001/07/10(火) 21:07 ID:lQmu2e6.

「そ、そんな事よりも…!」
石川の震える指先が指す方向には、加護と吉澤が倒れていた。
「な、何!?どうしたの!?」
飯田が階段を一気に下り、2人の元へ急いだ。
「わ、分からないんで…」
「そんな事よりも、早よぉ楽屋に運ぶんや!」
そう叫ぶと、固まっていた辻たちは吉澤らの元へ急いだ。
1386月26日 PM18:59:2001/07/10(火) 21:08 ID:lQmu2e6.

「裕ちゃん…」
メンバーたちが吉澤らを担いでいるさなか、市井は中澤の所にいた。
「ん?なんや紗耶香?」
「救急車とかは呼ばないのね。さすが…」
冷ややかな目で中澤を睨む市井。そして、皮肉をこめた笑みを浮かべた。
「な、あんた何を…」
心を読まれた気がして中澤は体温が下がった気がした。
「あ、そうそう。ドラマおめでとう」
そう言い残すと、市井はメンバーの元へ行った。
1396月26日 PM18:59:2001/07/10(火) 21:08 ID:lQmu2e6.

…なんや、一体…
紗耶香が言いたい事なんて分かってるわ。
そうや、つんくさんの言いなりや。
騒ぎを大きくしたらアカンからな…、
ドラマやって、それ以外はあまり出演ないんや…。
でもな、今、ここにいる事は…自分だけの問題じゃないんや…
アイツの…アイツと私との問題でもあるんや…
中澤は自分に強く言い聞かせた。
…自分は言いなりに成りきらない…
140名無し娘。:2001/07/11(水) 00:37 ID:xCD72Bxw
祝!復活!!
141名無し娘。:2001/07/12(木) 01:18 ID:.LhkCDJE
あーやっと更新されたね!
ブックマークして毎日チェックしてたんだけどなかなか更新されなかったんで
終わっちゃったかと思ってしまったっすよ(^^;
忙しかったんですね…まあ、ゆっくりでも良いので完結させてください!
142名無し娘。:2001/07/12(木) 01:20 ID:.LhkCDJE
すんませんsageわすれてました…
143名無し娘。:2001/07/12(木) 01:24 ID:.LhkCDJE
sage
144名無し娘。:2001/07/12(木) 01:32 ID:0iCla1qk
期待下げ
145名無し娘。:2001/07/16(月) 00:11 ID:NJtpQEL.
sage
1466月26日 PM19:04:2001/07/16(月) 01:53 ID:2kBJ6OkM

「ふぅ…」
一同は楽屋に吉澤と加護を運ぶと一息ついた。
すると中澤の携帯が鳴った。

「中澤か!今どこや!?」
つんくのけたたましい声が響く。
「今は…皆と一緒やけど…。そうや!吉澤と加護が!」
中澤は一部始終を話すとつんくはため息をついた。
「なんて事や…。本当に襲われるなんて…。周囲には気付かれてしまったんか?」
「大丈夫」
中澤が間髪なくそう言う。
「そうか…。こっちは1人で不安なんや!早ぉ帰って来てくれや!」
中澤は腕時計を見た。
…もう、時間的に大丈夫やな…
「わかった。今帰る」
「あ、後、例の事で相談があるから…」
つんくが声を小さくした。
「え?例の事?」
「そう、あれや…」
中澤の頭に思い当たるものがあった。
「わかった…」
そうして中澤は携帯を切った。
1476月26日 PM19:04:2001/07/16(月) 01:54 ID:2kBJ6OkM

「じゃ、皆!私、そろそろ帰るな」
楽屋内のメンバーにそう言った。
「うん…裕ちゃんありがとう…」
飯田と保田が深々と礼をする。
楽屋の隅では市井がノートを片手に冷ややかな目で見てくる。
「ん…じゃ、またな!」
「あ、待って!」
保田が中澤を引きとめる。
「あのさ、裕ちゃんも紗耶香も久しぶりだからさ、写真とらせてよ」
そう言うと、楽屋の隅の市井を手で招き写真を何枚もとった。
カシャッ!カシャッ!
「ありがとう」
保田はそう言うとカメラをカバンにしまった。
「あんた撮り過ぎやで。じゃな。あ、そうそう!今回の事は誰にも言ったらあかんで!」
中澤が楽屋のドアを開け帰っていった。
市井をはずすメンバー全員は、中澤がつんくの家に言ったとは露知らずだった。
「ばいばい…」
酷く低い市井の声は誰にも聞かれていなかった。
1486月26日 PM19:13:2001/07/16(月) 01:54 ID:2kBJ6OkM

楽屋内は未だに沈黙が守られている。
唯一の物音とすれば飯田のすすり泣く声だろう。横で保田が見守っている。
石川は誰かと話したそうだが、彼女の周りには誰もいない。
1496月26日 PM19:13:2001/07/16(月) 01:55 ID:2kBJ6OkM

後藤は市井の顔が見るからに不機嫌な為、黙り込んでいる。
しかし、後藤は何かを言いたそうにしていた。
「あ、あのね、市井ちゃん…。私たちプッチでね…」
市井の裾を軽めに引っ張る後藤。
「後藤、ちょっとごめんね…」
市井はそう言って後藤をあしらうと、カバンのノートを見つめていた。
1506月26日 PM19:13:2001/07/16(月) 01:55 ID:2kBJ6OkM

加護の前に辻が腰を下ろしている。
「ねぇ、辻。良かったね…」
辻の耳元で矢口が小さな声で囁いた。
「な、何を言うんですか?矢口さん…」
辻は驚いて矢口を見上げた。
「辻さ、加護の事良く思ってなかったでしょ?」
辻は心を読まれた気がして不快になった。
「そ、そんな事ないですよ!」
少し大きめのその声に、メンバーは皆振り向いた。
「しっ!あんまり声大きいとバレちゃうよ…」
矢口は人差し指で辻の口を塞いだ。
「ミニモニとかで見てると分かるんだよね。あんた結構露骨だよ」
否定をできない辻。
「まぁ私も辻の気持ち分かるけどね…。私も自分を出し抜く人は嫌いだし」
そう言って矢口は辻の元を離れていった。
1516月26日 PM19:13:2001/07/16(月) 01:56 ID:2kBJ6OkM

…どうして分かったんだろう。
本当は亜依ちゃんの事あんまり好きじゃない…。
いっつも私にくっ付いてきて…。それなのに、いっつも私より目立って…。
合宿の時から亜依ちゃんがどっかに行けばいいなぁ、って思ってた。
だから、モーニング娘。の時よりも10人祭りの方が好き。亜依ちゃんいないから…。
でも、なんか亜依ちゃんかわいそう…。
1526月26日 PM19:17:2001/07/16(月) 01:57 ID:2kBJ6OkM

「それじゃ、そろそろ私も帰るね」
市井がドアの方へと歩く。
「あ、市井ちゃん!帰っちゃうの?あのね、私たち市井ちゃんに…」
後藤が引き止めるが市井は軽く受け流した。
「待って下さいよ〜」
石川の声がすると、楽屋の空気が少し重くなった。
「もうそろそろ休憩終わりなんですよ〜。そしたら石川は1人になっちゃうんです〜。
市井さん〜。一緒にいてください〜」
後藤がキッと横目で睨む。
しかし、市井はそんな石川を無視して帰っていった。
「さぁ、そろそろ収録に戻ろう!今日の仕事はこれで終わりだからね。もう一分張り!」
飯田が涙を拭きながら元気に言った
1536月26日 PM19:23:2001/07/16(月) 01:58 ID:2kBJ6OkM

楽屋には3人きり。石川、加護、吉澤。
石川は横たわる2人を見ていて不安になった。
…どうしよう。安倍さんも犯人に…?
1人きりだと想像が無限大に広がり、いても立ってもいられなかった。
…早く帰ってアレしないと…
石川は震える肩を抑えきれないでいた。
スタジオでは『おねモー。』が順調に進行されていた。
風船占い…してみたいなぁ。
そう思っているうちに石川は眠気に負けた。
154ブレア娘。:2001/07/16(月) 02:00 ID:2kBJ6OkM

ちょっと更新遅れました。すいません。
155名無し娘。:2001/07/16(月) 03:11 ID:NS9pPgxA
やったぜ更新sage
156名無し娘。:2001/07/16(月) 03:46 ID:N/RCHFPI
コテハンいなくナタネー
157レイク:2001/07/17(火) 02:27 ID:viiGyksI
今後の展開に激しく期待です。
158名無し娘。 :2001/07/17(火) 22:31 ID:hfYzUXC2
>>156
荒らされたら困るからねえ。オイラもココでは辞めた。
 ブレア娘。>(o^-')b グッ! 
159名無し娘。:2001/07/20(金) 15:30 ID:mBpYymm6
ホゼンsage
160黄鵡4村:2001/07/22(日) 18:12 ID:n8hnE1yo
がんばって
161名無し娘。:2001/07/24(火) 13:33 ID:kYu/XfCE
 
162名無し娘。:2001/07/25(水) 22:50 ID:Lub5z.ck
ほせむ。更新がムばてね
163名無し娘。:2001/07/27(金) 19:31 ID:46kWtYQM
164名無し娘。:2001/07/29(日) 00:21 ID:FUfdhuOc
 
165名無し娘。:2001/07/30(月) 20:42 ID:V6uIdiqo
ho!
166 :2001/07/31(火) 19:38 ID:fdhuvAb.
 
167名無し娘。:2001/08/02(木) 00:05 ID:T60HPG7Q
ze!
168名無し娘。:2001/08/03(金) 05:24 ID:TTgzKRMo
いつまでも待ち続けてろ・・・・・・・・・・・・俺。

というわけで保
169名無し娘。:2001/08/03(金) 11:55 ID:8baddzQU
いつまででも待ち続ける準備はあるので、
諦めるのだけはやめてくださいね。
170名無し娘。:2001/08/04(土) 14:19 ID:HSEq8qao
171名無し娘。:2001/08/04(土) 18:44 ID:uxVAV.Ds
今日はじめてよみました、おもしろいです
続き期待してます
172名無し娘。:2001/08/05(日) 03:24 ID:aEsLHTdk
n!
1736月26日 PM19:30:2001/08/05(日) 04:33 ID:FnD5Yqfk

『おねモー』の収録も盛り上がってきた。
スタジオでは元気な顔でメンバーは笑っている。
しかし、その内には不安を拭いきれない者もいた。
「風船占いって楽しいね〜」
矢口が楽しそうに喋る。
「本当〜!ねっ!辻!」
後藤が辻に話を振る。本来だったら吉澤に振っただろう。
「そうですね。梨華ちゃんがいたらやりたそう〜」
辻が目立とうと前に出る。
「でもさ、石川だったら『私できません〜』とか言ってやらなそう〜」
飯田が間髪入れずに突っ込む。
「あ〜やらないね〜」
矢口も笑いながら言った。
こうして『おねモー』の収録は順調に進んでいった。
1746月26日 PM19:30:2001/08/05(日) 04:33 ID:FnD5Yqfk

…良かったわね。喋れて。私が振ってあげたからよ。
そうよ、私のお陰よ。私があんたと仲良くしてあげてるからテレビに映れるのよ。
加護や梨華ちゃんみたいに事務所からプッシュされてる訳じゃないんだから。
いっつも金魚の糞みたいにくっ付いてきて…。はっきり言ってうざい。
「あんたは私がいなきゃ駄目なのよ」
「例えるなら私は太陽。あんたはその光を受けて光る月」
「とびきり可愛いわけじゃないのに、キャラが立ってないなんて最悪ね」
「安心して、また話し振ってあげるから」
一体何回言っただろう?その度にあんたはエヘラエヘラ笑っている。
まぁ、目が覚めたらまた私にくっ付いてくるんでしょ?
分かってる分かってる。分かってるわよ。
何度でも話し掛けてあげるわよ、よっすぃー。
あんたは私の奴隷なんだから。
1756月26日 PM19:30:2001/08/05(日) 04:35 ID:FnD5Yqfk

「ハックション!」
石川は突然大きなくしゃみと共に目を覚ました。その声にも加護と吉澤は起きなかった。
「誰か噂したんですか〜?」
返事はない。いつもの事だ。
ただ、今は加護らが眠っているから返事がないのだ。石川はそう思う事にした。
「それにしても、階段から落ちたなんてかわいそう…」
加護の体をつんつん突付く。
「あ、服がはだけてますよ〜」
加護のへそが見えていることに気付く石川。
服に手をつけたその瞬間、石川はふと紫色のものが目に付いた。
「これは…?」
服の隙間からはかすかにあざらしき物が見える。
「え…?あざ…?亜依ちゃん、ごめんね!」
そう言うと石川は服をまくり上げた。
そこに広がったのは無数のあざ。石川は驚きのけぞった。
目を手で伏せるも、その隙間からその光景は見えてくる。
あざ。
あざ。
あざ。
中には内出血しているものもあった。石川は言葉を失った。
「い…一体、どれだけ階段を落ちたんだろう…」
ふと石川は吉澤に目を向け、服を少し脱がしてみた。
「あれ…?ない…?」
吉澤の体にはあざどころか、傷1つなかった。
2人の体を見比べてみると、余りにも違いすぎる。
「よ、よっすぃーって…丈夫な体なんですね〜」
少し笑いながら言った。
176ブレア娘。:2001/08/05(日) 04:37 ID:FnD5Yqfk
みなさん、本当にごめんなさい!
此処まで遅れるなんて…。小説の書き手として失格ですね…。
保全してくださったみなさん、ありがとう。
これからは、一気にアップするんでなくて、小出しでやっていきたいと思います。
177名無し娘。:2001/08/05(日) 05:22 ID:8GOrMTLI
期待age
178名無し娘。:2001/08/05(日) 14:21 ID:xZtQEz/A
失格やないで! おもろけりゃ全然OKや!
1796月26日 PM19:33:2001/08/05(日) 20:19 ID:LBhxGUGg

人気のない公園。
ギー…ギー…
ブランコが揺れる音だけがする。
街灯の光が煙草の煙で鈍く光る。
そんな光に市井は照らされていた。
「市井…お前は音楽の才能があるんや…このままモーニング娘。にいたら損や…
俺が…お前に音楽の事教えてやるわ…だから…」
市井はブランコに揺られながら、無機質な声でそう呟いていた。
頭の中には、その時の場面が鮮やかに蘇る。
「…だから…辞めへんか…」
足先で地面を削る。
「…まずは…作詞やな…」
靴に煙草の灰が落ちる。
「…これからノートに…詞を…書くんや…」
逆の足で灰をどかした。
「…で、俺が…採点したり…やり方を教えて…」
灰をどかした靴の裏の砂が片方の靴にかかった。
「…作曲は後や…作詞はお前の…感情や…気持ちやから…」
手で砂を払おうとした。
「…大丈夫やって…。俺を信じ…」
目の前が見えなくなった。
「…だからな…市井…脱退を…」
目の前が見えたと思ったら手が濡れた。
「…良いか…感じた事を…書くんや…」
地面も濡れた。
「わかりました…」
どんどん地面が濡れていく。
1806月26日 PM19:33:2001/08/05(日) 20:20 ID:LBhxGUGg

そして市井は赤ん坊のように泣いた。
溢れる涙はそのまま乾いた地面へと吸収されていった。
彼女はその後、何度も何度もつんくの言葉を繰り返した。

公園のゴミ箱に市井のノートが捨てられていた。
181ブレア娘。:2001/08/05(日) 20:22 ID:LBhxGUGg

小出し小出しで…。
量が少ないです。すいません。
でも、ストックはまだあるんで、更新頻度は高くなると思います。
182名無し娘。:2001/08/06(月) 00:12 ID:Ecz.bXng
リハ中=まだダメ















                      死ね
183名無し娘。:2001/08/06(月) 00:14 ID:gTelX7u6
>>182
おまえが市ね。
sage
184名無し娘。:2001/08/06(月) 21:23 ID:nMkYvDB.
ってか、感想書かれてないし。
185名無しの世界:2001/08/07(火) 00:49 ID:jyashFqQ
ブレア娘。さん
「ブレアウィッチ娘。プロジェクト」は
まだっすか?( T▽T)
186名無し娘。:2001/08/07(火) 23:40 ID:9o/n7yf6
age
1876月26日 PM19:47:2001/08/08(水) 17:21 ID:dnSqWuiM

「なんや、帰りはえらい早いなぁ」
つんく家の玄関先でつんくが言う。
「まぁ、まぁな。しっかし、大変やったで!」
中澤は話をはぐらかすようにリビングへと向かう。
「てか、メールの予告通りなんて…。しかも加護まで…」
中澤がため息混じりに言う。
「これがそのメールや…」
つんくは、6時ごろ送られてきたメールを開いた。
「件名、くいずです…。同じやなぁ」
中澤が画面に顔を近づける。
「で、例の話やけど…」
「ん…?」
中澤が何かに気付いた。
「ど、どうしたんや」
つんくが身を乗り出す。
「これ…。犯人のアドレス、携帯のやで…」
画面を見ると、確かに携帯から送られてたものだ。
それまでのメールとは、アドレスが違っていた。
「なんで気付かなかったん?」
中澤が呆れた声で言う。
「え、そ、それは驚いたからや!」
つんくは明らかに焦っていた。
1886月26日 PM19:47:2001/08/08(水) 17:22 ID:dnSqWuiM

「で、例の話や…」
中澤の顔が険しくなる。
「また…紗耶香みたいに…」
拳をぎゅっと握り締める。
「そうや。誰を脱退させるか決めなあかん」
「なんでや?私が辞めたんで充分やんか!」
「話題が必要なんや」
そう言うとつんくはメンバーの顔写真を並べた。
「やっぱこいつかな…」
つんくは1枚の写真を手にとった。
「保田やろ」
189ブレア娘。:2001/08/08(水) 17:24 ID:dnSqWuiM

結構更新ベースは良い方かな?

>>185さん
あっちは更新する予定なんですが、あとすこ〜しだけ待ってください〜。

感想とかくれると嬉しいです!
190185の世界:2001/08/09(木) 00:45 ID:OLq68qio
>>189
向こうは、ちょーど良い所で終わってるから
続きが気になりまくり!

みんな待ってます。
191ブレアさんへ:2001/08/09(木) 06:26 ID:N9HrUBNE
クイズの方もいいけど「ブレアウィッチ〜」もいい加減更新してくれませんか?
放棄ならきちんと言ってください。向こうではもうすぐ「ブレア〜」は終わるって
言ってましたよね?
ならはやく終わらせて下さい。放置は最低ですよ。
192ブレアさんじゃないよ。:2001/08/09(木) 12:55 ID:DCC8VKK6
>>191
191さんが書いてる人なら申し訳ないですが、

>ならはやく終わらせて下さい。放置は最低ですよ。

なんて事を書く苦労を知らない人には言って欲しくないなぁ。
193:2001/08/09(木) 16:12 ID:g8Hcflg.
>>192
書く苦労を知ってる人間から言わせてもらえば、
続けられないならその主旨をちゃんと伝えた方が、
書き手/読み手共に救われるよ。
194名無し娘。:2001/08/10(金) 00:51 ID:pl5Ydzlo
更新待ち
195ブレア娘。:2001/08/10(金) 01:31 ID:3qOjpu6Q
「ブレア〜」更新しました!謝罪してもしきれない位怠慢でした…。
良かったら見てやってください…。
1966月26日 PM19:59:2001/08/10(金) 01:47 ID:3qOjpu6Q

8時を過ぎる前に『おねモー』の収録は終わった。
「はぁ〜終わった終わった!」
楽屋にメンバーが続々入ってくる。
「おかえりなさい〜」
石川が笑顔で出迎える。
「ただいま〜」
返事は飯田と辻からだけだ。
「あ、そうそう!石川気付きましたよ!あのですね、亜依ちゃんの体に…」
「解散〜」
矢口が石川の言葉をさえぎり、嬉しそうに叫ぶ。
「ちょっと待ってよ。つんくさんから返事待たなきゃ」
後藤が皆引き止める。
「それに…亜依ちゃんたちが目を覚ますのも待たなきゃ…」
辻が細々と言う。
「ん〜、それじゃ、30分くらい自由行動とする?」
飯田がリーダーらしく提案した。
「そうだね。それがいいかも」
保田もそれに同意した。
「そうしよう!じゃ、私がつんくさんの電話待ってるね」
後藤が携帯を取り出した。
「ッチ…」
矢口が舌打ちした。
「私は、写真の現像してこようかな…」
保田が楽屋を出ようとする。
「あ、保田さ〜ん。私も付いて行きま…」
保田はその声に耳を傾けず、楽屋を後にした。
1976月26日 PM19:59:2001/08/10(金) 01:47 ID:3qOjpu6Q

「私もちょっと外出てくる」
飯田もカバンを抱え楽屋を出た。
矢口は何も言わずに楽屋を出た。
「私もちょっと…ジュース飲んでくる」
辻が楽屋を出ようとした。
「あ、私のもお願いできますか〜?」
石川が大声で叫んだ。だが、辻はトボトボと歩いていってしまった。
再び石川はしゃがみこんだ。
「梨華ちゃんは、どっか行くの?」
後藤が嫌味っぽく聞いてくる。
「…。」
石川は無言のまま楽屋のドアを開けた。
「あ、私の分のジュースよろしくね〜」
後藤の嫌味たっぷりの声を耳に残し、石川は楽屋を出て行った。
198ブレア娘。:2001/08/10(金) 01:51 ID:3qOjpu6Q

なんか、毎日更新な感じです。
量は少ないですが、楽しんでください。
199名無し娘。:2001/08/11(土) 00:17 ID:ORwWjK2Q
保全
200名無し娘。:2001/08/11(土) 04:32 ID:tOEKvLBw
200!がんばれ!
石川がなんか不憫だが…。
つーか、以外と犯人はつんく。
2016月26日 PM20:04:2001/08/12(日) 04:21 ID:u93ZamNE

「現像お願いします」
日本テレビ近くのカメラ屋に保田はいた。
「あ…はい…。あれ?モーニング娘。の保田さん…?」
店員が顔を覗いてくる。深々とかぶった帽子は意味をなさなかったようだ。
「あ…はい…。」
そう言うと店員は嬉しそうに喋りだした。
「あ、俺、ファンなんですよ!」
…私以外のね。
「いや〜嬉しいなぁ!」
…私だから残念ね。
「いい事ってあるんですね〜」
…私と会った事は嫌な事ってことね。
「現像、早めにしますよ!」
「いつ頃…?」
「えっと、すぐにでも!」
店員のキラキラした目が逆に保田の気に障る。
「じゃぁ、30分後位にまた来ます」
そう言うと保田は店を後にした。
「お待ちしています!」
…待ってても来るのは私よ。
2026月26日 PM20:07:2001/08/12(日) 04:22 ID:u93ZamNE

「収録、ありがとうございました!」
スタッフたちに礼儀正しくお辞儀をする矢口。
「これからも楽しい番組を作りましょうね!」
満面の笑みでそう言うと、矢口はスタッフたちの元を離れていった。
…これでスタッフ等の印象は良いわね…
キャハハと笑う。
…今日も収録中はいっぱい喋ったし…
キャハハと笑う。
…なっちはいないみたいだし…
キャハハと笑う。
…ソロになりたいな…
キャハハと心で笑う。
…今が…チャンスだよ、私…
2036月26日 PM20:13:2001/08/12(日) 04:22 ID:u93ZamNE

「ふぅ…」
オレンジジュース片手に飯田が椅子に腰掛ける。
…なんで…あんな事になってたんだろう…
飯田の頭に加護と吉澤の顔が浮かぶ。
…リーダー失格かな…
ジュースをゴクリと飲む。冷たさが喉を通る。
飯田はカバンからファイルのようなものを取り出した。
そこには手書きで『メンバー分析表』と書かれていた。
それは、メンバーの性格や好き嫌いが事細かに書かれたものだった。
…私はリーダーなんだから、みんなのこともっと知らなきゃ…
飯田はファイルを読み始めた。
2046月26日 PM20:18:2001/08/12(日) 04:23 ID:u93ZamNE

石川はりんごジュース片手に廊下にたたずんでいた。
…なんで、みんな仲良くしてくれないんだろう…
目の前を日本テレビの社員であろう女性2人が楽しそうに話しながら通り過ぎる。
…ののだって、あの時ちょっと私のこと待ってくれれば…
ジュースの缶が少し潰れる。
…保田さんだって…飯田さんも矢口さんも!…
石川の目に涙が溢れていく。
…私も…誘拐されたら、みんな心配してくれるかな…
石川は目を手でこすった。
205ブレア娘。:2001/08/12(日) 04:28 ID:u93ZamNE

話の展開、遅くてすいません。
もうラストまで考えてあるんですけど、今はまだ「静」の部分でしょうか。
206名無し娘。:2001/08/13(月) 02:51 ID:4VwXZAY6
がんばれ〜。保全。
これで犯人石川だったら萎えるなぁ…
2076月26日 PM20:21:2001/08/13(月) 21:20 ID:UH4Uf4VU

…亜依ちゃん…どうなっちゃうんだろう…
辻の手には携帯が2つあった。片方は加護のだ。
…亜依ちゃん、どうしたんだろう…
携帯のメモリーを開く。
…どーせ、亜依ちゃんが悪いことしたんだよね…
辻はその後延々加護の携帯を調べた。
…良かった、着信ある。拒否されてなかった…
そう思ったが、無視されたと考えると腹が立ってしょうがなかった。
2086月26日 PM20:26:2001/08/13(月) 21:21 ID:UH4Uf4VU

楽屋では後藤が携帯ばかり見つめている。
加護と吉澤には関心がないようだ。
「ん………んん…。」
気の抜けたあくびの様な声がした。
後藤は、その声がする方向を向くと吉澤が体を起こしていた。
「よっすぃー、起きたんだ。」
後藤は再び携帯を見つめた。
「あ…うん…」
隣で寝ている加護をチラリと見る。
「あと少しでみんな来るから」
顔も向けずにそう言ってくる。
「あ…うん…」
すると、後藤が鼻で笑いながら振り返った。
「それにしても、よっすぃー馬鹿だね〜。気絶してるんだもん。
かなり間抜けな顔してたよ。私、笑うの必死でこらえちゃった!」
吉澤はうつむき、
「あ…うん…」
と再び言った。
「ねぇ、あんたそれしか言えないの?ホント、1人だと何も言えないのね。
あ、そうだ。みんなが来たら、私がよっすぃーの目を覚まさせたって言って。
言えるよね?理由は適当に考えてよね」
そう言うと後藤は椅子から立ち上がった。トイレにでも行くのだろうか。
「あ…あのね…私…」
その声は後藤には届かなかった。
209名無し娘。:2001/08/14(火) 04:33 ID:jFZDNWmQ
age
210名無し娘。:2001/08/15(水) 07:31 ID:Aw0DXIcY
hozen
211黄鵡4村:2001/08/16(木) 17:55 ID:nqvKRkOE
hozen
212名無し娘。:2001/08/17(金) 03:55 ID:qtVzaYn2
保全 
213名無し娘。:2001/08/17(金) 14:20 ID:5kEIx8eU
hozen
214名無し娘。:2001/08/18(土) 02:31 ID:vV//6BiI
ozon
215名無し娘。:2001/08/18(土) 11:25 ID:vy8BP4dg
beson
216名無し娘。:2001/08/18(土) 23:21 ID:gSKsOQ/w
hozen
217名無し娘。 :2001/08/19(日) 05:59 ID:74SrafLA
hozen
218名無し娘。:2001/08/19(日) 19:52 ID:nPQnVhxc
 
219名無し娘。:2001/08/20(月) 01:19 ID:cilb1vYY
220名無し娘。:2001/08/20(月) 12:10 ID:dMEOMX0U
221名無し娘。 :2001/08/21(火) 02:30 ID:i0egJvEw
hoze
222名無し娘。:2001/08/22(水) 00:30 ID:2vdfdyls
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223名無し娘。:2001/08/22(水) 07:30 ID:m8Gq5qqI
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224名無し娘。