モーニング刑事　第二章

　警視庁・浅草橋警察署。
　下町の雑踏の中にあるこの署には、どういうわけか署長以下、
女性ばかりが配属される。
　そんな捜査員たちをあえて狙っての犯罪も多いとか…

　署長＝中澤
　刑事課長＝飯田
　捜査１係（凶悪犯）
　係長＝保田
　捜査２係（知能犯）
　係長＝安倍
　捜査３係（窃盗・痴漢）
　係長＝後藤
　暴力団対策係
　係長＝矢口
　刑事課捜査員＝吉澤・石川・加護・辻

「ジリリリリ！」
　きょうも刑事課の電話けたたましく鳴り、事件の発生を告げる…

　＠　＠
（ ’д’）(　´�D｀)＜おつかれさまでしたー
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜おうご苦労さん。どうだった、蔵前連続通り魔事件の聞き込みは。
(　´�D｀)＜えーっとれすね、ののとあいぼんは、はんにんにあったのれす。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜なに！！！　ど、どこで見つけたんだ。
　＠　＠
（ ’д’）＜おもてどおりの、にんぎょうのきゅうげつまえですねん。たしかにみおぼえの
ひたいにみかづきのきずのあるおっさんでした。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜そ、それでおまえら、犯人をつけたのか？
(　´�D｀)＜はい。ののがそのばでそのおじちゃんに、
「けーさつれすけろ、とおりまさんですか？」と
ききこみしたのれす。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜お、お前らいい度胸してるな。それで、それで？
　＠　＠
（ ’д’）＜おっさん、そしたらじぶんのじゃけっとのぽけっとに
てをしのびこませましたで。
(　´�D｀)＜ちょっとこわいかおしてたのれす。
　＠　＠
（ ’д’）＜そいでぽけっとごそごそして、だしてきたんがてにずしりとくる…
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜なに、いきなりチャカ（拳銃のことね）か？
(　´�D｀)＜ちがうのれす。
あろえよーぐるとと、なたでここらったのれす。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜…ハア？？
　＠　＠
（ ’д’）＜おっさんなあ、「おじょうちゃんたち、けーさつごっこしてるんだ。
かわいいねえ。でもね、このへんはわるいおじさんがおおいから、
あんまりあそびすぎるとおそわれちゃうよ。」というて、それをうちらにくれたんですわ。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜………で、お前らそれをもらって…
　＠　＠
（ ’д’）(　´�D｀)＜はーい。おいしかったれーす。
ヽ（゜皿゜）ヽ ＜……はア。やっぱりべたべたの落ちか。
このスレいつまでつづくんだろ。

>>1
刑事課長代理はいないのか？
暴力団対策係じゃなくて暴力犯捜査係だろ！

>>3
刑事課長代理？　「踊る」じゃないんだし、
面倒なんで設けず。
暴力団対策係は各署にちゃんとあります。
本部で言うところの暴力団対策課＆捜査四課。
ちゃんと勉強しましょうね。

(　´ Д ｀)＜なんかひまだなー
毎日毎日「電車でお尻触られました」とか「下着盗まれました」とか、
つまんないことばっかにつきあっているよー。
せっかく警部補になったんだから、たまにはカーチェイスとか、
銃撃戦とか、西部警察ばりのことをやってみたいなー。
拳銃だって、警察学校でしか使ってないなー。
（ごそごそ…と、机の引出しから回転銃を出す）
んーっと、どうやって撃つんだっけ。
リボルバー出して、弾込めて…
撃鉄おろして、それで…
（がちゃ）
＠　＠
（ ’д’）＜ごとうかかりちょうー、おさきでーす。
(　´ Д ｀)＜あー、あいぼん、おつかれ…
＠　＠
（ ’д’）＜…？　その私をむいた黒いものは…
（ばああああああああああああああああああああああああああああああああん！）

試験保全

○月×日
　よく晴れた日曜日。もう半年ぐらいやっている、部屋の整理
を続ける。当然のように昔のアイドルの雑誌やらビデオやら写
真集やらLPやらEPやらCDやらグッズやらの扱いにいちばん苦
労する。つまり、どれを残してどれを処分するか。ぜんぶとっ
ておけばいいのだが、居住空間はそれを許さない。
　加えて、昔作っていたミニコミとか、山のような自主ボツ原
稿とか、どうするんだこれ的なものも困る。なんか捨てられな
いのだ。まったく、この”アイドルの呪い”はいつ解けるんだ
ろうと思う。

◆さて、アイドルが宗教かと言えば、まあ答えはイエスだろう。
というか、アイドルが宗教でもぜんぜんかまわないと思う。外
からつけられたいろいろなものが宗教になってしまうのであれ
ば、例えば仕事とか家族とかが宗教になってしまうのであれば
大好きなアイドルがそうなったほうがずっといい。
　だがこれはレトリック上の問題で、いわゆる何とか教だとか
昨今テレビを騒がした団体とか、ああいう形にはならない。そ
の違いとは、イデオロギーのあいまいさにあるのだろうと思う。

　根幹をなす観念的イデオロギーの発信者、グルとアイドルは
スタイルとしてはひじょうに似通っている。多くの支持者の精
神的依存がその存在を大きく重くしいぇいる点は、まったく同
じと言っていい。だが、グルの発するイデオロギーはそのほと
んどが具体的であり、帳尻があっているという程度だが理論上
の裏付けがあり、実行するための指示が伴う。
　これに対し、アイドルのそれはとても抽象的だ。いや、抽象
的だというよりは具体的指示がとぶようなイデオロギーは、ア
イドルにはない。それでは、アイドルのイデオロギーとはなに
か？
　アイドルが宗教というのであれば、その宗教性はどういう形
態をとるのか？
　さて。　

◆たとえば音楽なんてものはばからしいと思う。だからそれに
こだわるなんてのは、もっとばかげている。だのにその価値に
ついて、さも普遍的な真理のように語ってくれる阿呆面の輩が
いるというのもまた、確かなことだ。やれやれ嘆かわしい。そ
れを口に出すほど、落ちぶれたくはないものだ。
　好きな音楽。それはまあ、ないわけではないが、そこには一
般性などあるはずもなく、環境とか経験とかをベースにした、
私的な方向性があるにすぎない。だからわざわざ口にだしたり
書き記したりする価値はないのだ。だからそういうやつにしが
みついてるやつに対しては、どうしても突っ込みを入れたくな
ってしまう。
　クラシックは長ったらしくて聴いてらんない。ジャズは曲芸
みたいだ。ロックは単細胞。ファンクは変態。ラテンその他は
田舎者。テクノは自閉症。どう言葉を費やしてみても、音楽と
いうジャンルの中で流通するものの言葉であれば、そこには決
定的に批評が抜け落ちている。そんなやつらの言うことなんか
まともに聞けるわけがないじゃんか。

◆会社や家庭で、アイドルおたくとしてカムアウトしていない
人はいると思うが、たとえ普段から言っているとしても、アイ
ドルファンの楽しみ方というのはたいていの人には理解できな
い。
　コンサートに行くとかCDを買うとかならともかく、イベント
で多数の友人を作る・ファンサイトを作ってみる・たいして好
きなアイドルでなくてもとりあえずイベントに行ってみる、さ
らに進んで細部の情報への異常なこだわり・写真の隠し撮り・
尾行・盗聴など、こういったことは会社の人や同級生には想像
もつかないことだろうし、言ったからといって受け入れてもら
えるわけがない。

◆「まわりの人に隠れてアイドルファンをやっている」こと
は、時にネガティブな印象で語られることが多いが、しかし、
オープンにしても何がどうなるわけでもないし、暮らしやす
くなるわけでもなければ、ファンをやめられるわけでもない。
　なぜなら、上記のような異常な行為を行っていたとしても
アイドルおたくとはもはや、異常な性癖とは言えない現況が
あるからだ。つまり、カムアウトできない異常性をかかえて
いるのはアイドルおたくだけではない、ということである。
　

　ブルセラとかゲイとか窃盗とか幼児趣味とかCDロムとか
コスプレとか無言電話とかハッキングとか宗教とか臓器移
植とかDNA組み替えとかは言うに及ばず、たとえば満員電車
の中でおぼえるはげしい殺意であるとか、他人をコントロー
ルしたい欲望であるとか、秘かにためこんでいる誰かの情報
であるとか。そういうことは、言ったとしてもどうにもなら
ない。面白くて、意志をもってそんなことをやってるやつな
んかいないのだ。どうしようもなく、もうどうにもならない。

◆ワイドショーの１５分をもたせるネタとしてはいいのかも
しれない。それを他人のこととして考えるならば。しかし、
そういう異常な部分を持っていない人、そのワイドショーを
常に観客としてみることのできる人というのは、はたしてい
るのだろうか。
　意識するしないにかかわらず、誰しもがある種の偏った傾
向性に踏み込んでいる。いろいろなもののバランスは、もう
壊れてしまっているのだ。そんな中で自分の精神を安定させ
るために、どこかしらの性向へと陥ってゆく。それをするの
としないのでは、どちらが正常なのだろうか。ぼくにはよく
分からない。

アイドルの写真が撮れないとなれば、すぐさま暴言をはきまくる
カメラおたく。ぼくたちはそいつらを逆さ吊りにし、足の爪をは
がしてゆく。どちらも対象のことなどは何ひとつ考えぬ行為だ。
加害者の心は、いつも痛まないのである。それはただ、より針の
ふれる方向へと向かうだけで。それを嘆くべきなのかどうか、そ
れもぼくにはよく分からない。

　快楽という言葉がひとつのキーワードになっているのは、まち
がいないだろう。快楽に対する偏向（パラノイド）。それ以外に
ぼくたちをアイデンティファイするものは、もう何ひとつないの
だ。愛や正義やコミュニケーションといった幻想が失われた後は。
崩れたバランスの後ろには、非っ常に単純に言って、そういう背
景が横たわっている。
　図式的な話だ。しかしこれは、そのようにすっきりと近年に始
まったことでもなければ、即座に方向転換できるものでもない。
そもそも、こういう状況は異常なことなのか？

◆そういった様相を呈している外的および内的世界であるなら、
ぼくたちはそれと折り合いをつけていかなくてはならない。け
れども愛やら正義やらではもはや解決にはならないのだから、
はたしてそのボーダーの存在はどこにあるのか。
　個人の内面をしばるものとして、ある種のフォーマットを形
成する。これが、広い意味での教育というものである。しかし
、社会的なそれはぼくなどが生まれる前から消え去っているし
感情的なそれもここ数年で破壊された。いま、ぼくたちの内面
ではあらゆる感情が並列に走っている。喜怒哀楽や憎悪や根性
や悔恨や…、そんな言葉だけではとうてい言い表せぬほどの細
かいレベルで変化する感情が渦をまき、はっきりとした全体像
はとらえられない、というのが現状に近い。

　極端なレベルである方向に傾いたとしても、必ず別の力の
ベクトルが生じ、常にそれが暴走することはない。考えてみ
れば、そんな内面を既成の喜怒哀楽で切ろうとすること自体
に無理があるのだろう。ぼくは基本的に感情の波が少なく、
誰に期待しているわけでもないし、誰かと別れたとしてもそ
う心は痛まないが、それは別段、非人間的だとかそういうこ
とではないのだと最近は思う。それはあくまでも過去のボー
ダーにおいてであり、戦争で人が死んでてもスイッチを押せ
ば目の前から消える、そんな世界に住んでいるのだから、内
面を語る言葉も変化させていかなければいけないのだ。
　一般的に異常だと呼ばれているいろいろの性癖の中には、
そういった言葉にできぬ感情が確かに息づいているのだと思
う。それを、おおげさな言葉で解放と呼ぶのかもしれない。
ともあれ、ぼくたちはカムアウトするだけでは何も解決しな
いのだから、せめてそこを端末とする感情ぐらいはちゃんと
した言葉にしたいと思うのだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

何かを単純に信じるほど、ぼくも市井紗耶香もバカではな
い。しかし、信じる意志を持つくらいにはバカなのかもし
れない。
　なにしろ、世界はすべてぼくたちの心の中の出来事だか
ら。優しさをたくわえて、来るべき日に備えよう。

偶然発見してしまいました。大変興味深く読みました。
筆者のアイドルヲタクぶりが非常によくわかる文章だと思います。

　濡れてほす間に間に落ちたる椿かな

●ブラックホール爆弾を起爆させてワープしたノリコが地球に
帰還したのは１万２千年後だった。
　誰も残っていないと思った地球の表面に「オカエリナサイ」
のイルミネーションが……

>>1
>>1
>>1
>>1
>>1
>>1
>>1

壺飛び職人

ﾅﾝｼﾞｬ ｺﾘｬ!!!

>>7~22
(　´ Д ｀)＜…ふう、浅草橋駅前の幼女連続痴漢事件犯人の手記読了。
ここんところの性犯罪者って、ほんとこういうタイプ多いわね。

脱力。

sage

◆嘘だからこそ信じられる。これこそが、ぼくたちが長年アイドル
に対して抱いていた思想だ。
そうなのだ、アイドルにはいつも、この逆説がついてまわった。

◆例えば「I WISH」では『人生って素晴らしい』と歌う。
しかし、ぼくたちは人生が素晴らしいものではないことを既
に知っているのだ。けれども「素晴らしい」と言って去勢を
はることもできる、いや、去勢をはること自体がひとつの表
現でもある。あんな去勢をはっているくせに「娘。」は平気
な顔してニコニコ笑ってるじゃん、そうか「素晴らしい」っ
て言っちゃっていいんだ！
　この裏には、常に「人生は素晴らしいものではない」とい
う認識が横たわっている。いわば嘘なのを知っているのだ。
しかし、その嘘を全力で信じること、そこにしかリアルは生
まれてこないということ、アイドルというのは、そういう表
現を続けていたのだと思う。

◆嘘だから信じられる、という逆説は、テーゼとしては
”前向きな諦め”という趣がある。正論や真実は絶対に信
用できない、と。
　それはなぜかといえば、やはり裏切られたからだと思う
のだ。正論を信じて裏切られることは、一度や二度ではな
い。だったら最初から、そういうものは信用できないもの
としてかかったほうがいい。

　その方法論が、アイドルという形態にはパチンと合っちゃ
ったのだと思う。なにしろ”アイドル状態”などというもの
は長くもつものではなく、必ず”脱アイドル”してしまう。
はじめは特に何ができるわけでもない女の子だったのだから
それは仕方がないが。つまり、終わったり裏切られたりする
ことは、もう自明の理としてそこにあるのだ。
　それが分かっていれば怖いものはない。裏切られる、とい
う命題はぼくたちを裏切らない。アイドルのリアルが立ち上
がってくるのは、この時点である。これはかつてのアイドル
ファンの美学とさえ、言える。

sage

sage

h

「今日は総武線に乗った。飯田橋から千葉まで、気が付くと
眠っていた。いやそれは嘘だ。最初から眠るつもりだった。
仕事をしたくない日というのはあるものだ。いやそれも嘘だ。
たいてい毎日、仕事をしたくない」
「アニメとかコスプレとか、そういう迷宮に迷い込んでしま
いたいと思うことはある。完結。閉鎖。自分の中だけでぐる
ぐる回る世界。それは幸せだ。皮肉でも逆説でもない。だけ
ど俺は大人と呼ばれる年齢で、完結と閉鎖はすなわち死に通
じるのだ、きっと。「娘。」たちだって同じことだ。たぶん
もう、まともな社会生活を送ることはできまい。ただもう、
ゆっくりとスロー・デスを生きるしかない」

「雑誌のスクラップを続ける。自分の内面史を編さんしている
ような気がする。そして常に、「娘。」のことを考えないと収
まりがつかない。というか、内面なんて簡単に捨て去ることが
でき、そうできることがおれは怖いのだ、少し」
「隣人には言葉が通じない。モンスターには、動物には、言葉
が通じないのと同様に、おれの隣人には言葉が通じない。それ
はしかし、あきらめにはならない。おれは一時期自己が失われ
ていて、その失われた自己をアイドルで再構築した。その自己
を手放すのはたぶん、物理的にできないだろう。それもしかし
、悪いことではない。何かしら残るものを残して、歩き出す季
節だ」

◆たとえばインターネットなどで世界中がつながり、それで
一体になったネットワーク社会が来るかと言えば、それはま
るでばかげた幻想である。それを使用するのは相も変わらぬ
面と向かったコミュニケーションさえ苦手なぼくらなのだ。
　と同時に、ぼくらの隣人はまるっきり言葉の通じない他者
であるし、自分の価値観はまるで通用しない。向こうは「娘
。」のことに興味がない。こっちは車のことに興味がない。
向こうは仕事やなんかにアイデンティティを見いだしている
。こっちはアイデンティティというもの自体をあやしいと思
っている。
　それが嫌だったら、閉じたサークルへ行けばよい。けれど
も閉じたサークルだって似たようなものだ。自分以外の人間
が混じっているのだから。

　そういう他者とコミュニケートしていくのが嫌なら、べつ
にしなくてもいいと思う。自閉するのはぜんぜん悪いことで
はない。そもそも、ふだんは弊害なく隣人とつき合っている
が、内面ではしっかり心を閉ざしているという人は多い。そ
ういうのって分かるんだな。ぼくもそうだから。でもぼくは
ある時点からそういうのは嫌だと思った。だからこういう文
章を書いているのだし、「娘。」のテレビやグラビアを食い
入るように見ているのだ。自分の中からそういう部分が消え
たら、たぶんぼくは文章を書かないと思う。